JP5083322B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電子機器内部の熱を電子機器外部へ排出するための、圧電ファンを用いた冷却装置に関するものである。
近年、特に携帯型の電子機器では、小型化と部品の高密度実装化が進むにつれて、電子機器内部における熱対策が課題となっている。
上記課題が特に重要となる携帯型の電子機器の一例として、携帯型パーソナルコンピュータを挙げることができる。携帯型パーソナルコンピュータにおいては、小型化のための技術開発と同時に、情報処理力を向上させるためのCPUの高速化も進んでいる。そのため部品の高密度実装により電子機器内部の通風性が低下する一方で、CPUの発熱量が増大しているため、この熱を電子機器外部へ放出させて電子機器内部の温度上昇を抑えることがより困難となっている。
従来、発熱体の発熱部に接するヒートシンクに所要の間隔をおいて並設された多数の放熱フィンの間に空気包容構造の可動片を介在させ、この可動片を回転もしくは揺動させて放熱フィン間に冷気を送り込み、放熱フィン間の暖気を排出するようにした放熱器が特許文献1に開示されている。
一方、圧電振動子を含む発風振動子を有し、排気口と吸気口とが同一の面に設けられて成る圧電ファンが特許文献2に開示されている。この圧電ファンは、発風振動子の両側を挟むように、ケース本体の開口部から内側へ延長する一対の仕切り壁が設けられ、この夫々の仕切り壁とケース本体の両側部との間の開口が吸気口として形成され、両仕切り壁に挟まれた開口が排気口として形成されたものである。
ここで、特許文献2の圧電ファンの構成を、図1を基に説明する。図1において、圧電ファン1は、偏平箱状に形成されたファンケース2に圧電振動子3と発風振動子4からなるファン本体5を内蔵し、吸気口6〔6A,6B〕と排気口7がファンケース2の同一の面に形成されている。ファンケース2は、底面部8a、左右両側面部8b、8cおよび背面部8dを有し、前面部が開放されるように形成されたケース本体8と、このケース本体8の上面に気密的に固着される平板状のカバー体9とから構成されている。
実開平02−127796号公報 特開2002−339900号公報
しかしながら、上記のような携帯型電子機器において、特許文献1のような放熱器をそのまま用いることは小型化の観点から不都合である。そこで、この特許文献1の可動片に代えて、特許文献2に示されている圧電ファンを用いることが考えられる。
圧電ファンを用いた場合、その発風能力は発風振動子中の圧電振動子の変位量に依存することになるが、圧電振動子の変位量は特許文献1の可動片の動きほど大きくはない。
そのため、できるだけ効率的に電子機器内部の冷却を行なうことを考える必要がある。特許文献2には、両仕切り壁間の間隔を、基本的には発風板の幅にできるだけ近づける、つまり両仕切り壁と発風板との間隙をできるだけ小さくすることが望ましい旨が述べられている。
特許文献1の放熱器における放熱フィン間の暖気を排出するための可動片は、可動片の動きに対する空気抵抗が存在しても、モータのような強力な駆動源を用いて回転もしくは揺動させるものであるため、空気抵抗の影響で可動片の動きが阻害されることはないが、特許文献2の圧電ファンに用いられている発風振動子においては、両仕切り壁に相当する放熱フィン間の間隔と発風板の幅とを近づけたとすると、発風振動子の動きによる空気抵抗によって変位が阻害されてしまう。
ここで、本願の発明者による実験から得られた発風板(以下「ブレード」という。)先端の振幅と空気抵抗との関係を図2に示す。この結果を得た圧電振動子の寸法は6mm×12mm、ブレードの寸法は6mm×18mm×40μmであり、両者を短辺部分同士で接合したものである。
空気抵抗は空気密度にほぼ比例し、空気密度は気圧に比例すると考えられるので、この実験は所定の減圧環境下においたブレードを圧電振動子により駆動させた際の、気圧とブレード先端の振幅を調べることにより行った。図2から明らかなように、ブレードの振幅は気圧、すなわち空気抵抗の影響を受け、空気抵抗が大きいほど振幅が小さくなってしまう。
このように、両仕切り壁に相当する放熱フィン間の間隔とブレードの幅をできるだけ近づけたとしても、ブレードの動きによる空気抵抗によって変位が阻害されてしまい、ブレードの振幅を大きくすることが却って困難になるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、ブレードの振幅を大きくして送風能力を高め、また、放熱フィンからの放熱効果を高めて冷却能力を向上させた冷却装置を提供することにある。
排出すべき暖気は放熱フィンの発熱によって空気が暖められたものであるから、放熱フィン間の空間の温度分布は不均一であり、高温部分が放熱フィンの壁面近傍に集中する。
また、放熱フィン間に空気を流したときの流速の分布を考慮すると、放熱フィン間の中央部では空気の流速は早いが、放熱フィンの壁面に対する空気の粘性抵抗が存在するため、放熱フィンの壁面に近づくほど流速は低下する。
すなわち、単に放熱フィン間に空気を流すだけでは、放熱フィン間の中央部に存在する比較的温度の低い空気は排出されるが、放熱フィンの壁面近傍に存在する高温の暖気は十分に排気されない。
本発明の発明者らは、放熱フィン間にある空気全てをブレードで排出しようとしなくても、放熱フィンの壁面近傍の暖気を掃き出すようにブレードを動かすことで、暖気を放熱フィン間の中央部に向かって移動させることにより、暖気を排出し易くすれば、十分効率的に電子機器内部の熱を電子機器外部へ排出させることを種々の実験およびシミュレーションにより見いだした。
そこで、この発明は次のように構成する。
(1) 電圧印加に応じて屈曲する圧電振動子と当該圧電振動子に接着または一体化されて前記圧電振動子により揺動されるブレードとを備えた圧電ファンと、少なくとも2つの放熱フィンを備えたヒートシンクと、から構成し、
前記ブレードは、前記圧電振動子から延びる長尺状をなし、前記放熱フィンに当接することなく且つ隣接する放熱フィン間の空間で揺動する位置に前記圧電振動子および前記ブレードを配置し、
前記ブレードに開口部または切欠部を設ける。
また、前記ブレードは、ブレードの幅方向が前記放熱フィンの壁面に対して略垂直になるように配置する。
この構造により、開口部または切欠部による空気抵抗が減少し、ブレードの振幅が大きくなる。開口部または切欠部による全体の発風量は低減したとしても、放熱フィンの壁面近傍の暖気の掃き出し効果は低下せず、振幅が大きくなることに伴って全体の冷却能力が高まる。さらに、放熱フィンの壁面近傍の暖気流が剥離して中央部方向へ波打つように流動して、放熱フィン近傍の暖気が優先的に掃き出されるので、放熱効果が高まって、冷却能力が向上する。
(2)前記ブレードの、前記圧電振動子から遠い側の先端部または先端付近におもりを設けてもよい。
この構造により、おもりによる慣性モーメントが大きくなり、おもりを含めたブレードの共振周波数で駆動することにより、ブレードの振幅が大きくなる。そのため、冷却能力が高まる。
(3)前記ブレードは前記長尺の長手方向を短縮化するように折り曲げ形状としてもよい。
この構造により、ブレードの全長が長くなり、振幅が大きくなる。そのため、冷却能力が高まる。
(4)前記圧電振動子は前記ブレードの端部を両面から挟むように配置して、前記圧電振動子および前記ブレードがバイモルフ型振動子を構成するようにしてもよい。
この構成により、印加電圧に対する屈曲変位量が大きくなり、ブレードの振幅が大きくなる。そのため、冷却能力がさらに高まる。
(5)前記放熱フィンに対して当該放熱フィンの側壁間に空気が流れる方向に気流を発生する送風ファンを設けてもよい。
この構成により、開口部または切欠部の存在によって放熱フィンの壁面近傍の暖気流が剥離して中央部方向へ波打つように流動する暖気が送風ファンによって効率よく流し出され、全体の冷却能力が高まる。
(6)前記開口部は前記ブレードの長手方向に沿って長い形状とし、前記ブレードの長手方向の辺から当該辺に平行な前記開口部の辺までの寸法を、前記放熱フィンと前記ブレードとの間の間隙寸法より大きくする。
これにより、より高い冷却能力が得られる。
この発明によれば、ブレードの振幅が大きくなって冷却能力が高まる。また、それとともに放熱フィンからの放熱効果が高まり冷却能力が向上する。
特許文献1の圧電ファンの構成を示す図である。 圧電ファンの空気抵抗と振幅との関係を示す図である。 第1の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。 同冷却装置の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの開口部の効果を示す図である。 ブレードの揺動により生じる気流の様子を示す図である。 ブレードに形成した開口部の有無による放熱フィン間の空間を流れる気流の温度分布の例を示す図である。 第2の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。 第3の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。 同圧電ファンのおもりと開口部の効果を示す図である。 第4の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。 第5の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの側面図である。 第6の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。 同圧電ファンの屈曲モードを示す図である。 第7の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。 同圧電ファンの屈曲モードおよびブレードの揺動を示す図である。 第8の実施形態に係る冷却装置の構成を示す図である。 第9の実施形態に係る冷却装置の構成を示す図である。 第10の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの平面図である。 放熱フィン、圧電ファン、及びブレードに形成した開口部の位置関係を示す図である。 圧電ファンの有無による、放熱フィンからの距離に対する温度の勾配の違いを示す図である。
符号の説明
19−金属板
20,25,26,27−圧電振動子
20a,20b−圧電素子
21−ブレード
22−開口部
23−切欠部
24−おもり
28,29−スペーサ
30−放熱フィン
31〜39−圧電ファン
40−ヒートシンク
41−支持部材
50−送風ファン
100,101−冷却装置
110−発熱体
120−回路基板
《第1の実施形態》
図3は第1の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。図3において圧電ファン31は、開口部22を有するブレード21および圧電振動子20から構成している。圧電振動子20は、中間電極となる金属板の両面に圧電素子を配置してなるバイモルフ型の圧電振動子である。すなわち、この圧電振動子20の中間電極となる金属板の両側の圧電素子は、それぞれの表面に電極膜を形成していて、それらの電極と中間電極となる金属板との間に、圧電素子の分極方向に応じた駆動電圧を印加することによって長手方向(L1寸法方向)に撓んで屈曲振動するよう分極処理している。
ブレード21はステンレススチールの板に対して矩形状の開口部22を打ち抜いたものであり、その端部を圧電振動子20の端部に接着している。
図3に示した圧電ファン31の各部の寸法は次のとおりである。
L1:12mm
L2:18mm
W:6mm
t:50μm
また、開口部22の寸法は12mm×2mmであり、その根元寄り端部を圧電振動子20の端部に合わせている。
図4(A)は図3に示した圧電ファン31をヒートシンクの所定位置に配置して構成した冷却装置の主要部の斜視図である。ヒートシンクには図4に示す複数の放熱フィン30が互いに平行に突出していて、隣接する放熱フィン30の間で圧電ファン31のブレード21が放熱フィン30に当接することなく揺動するように圧電ファン31を配置している。
図4(B)は放熱フィンの延びる方向(送風方向に対面する方向)から見た冷却装置全体の正面図である。
ヒートシンク40には互いに平行に延びる複数の放熱フィン30を備えている。この例では回路基板120の上部にCPU等の発熱体(発熱部品)110を実装していて、この110の上面にヒートシンク40の底面が熱的に結合するように配置している。
このようにヒートシンク40と複数の圧電ファン31とによって冷却装置100を構成している。
図5は図3・図4に示した圧電ファン31のブレード21に設けた開口部22の有無および放熱フィン30の有無によるブレード先端の振幅の変化について示している。
このようにブレードの両側に放熱フィンが存在すると開放空間である場合に比べてブレード先端の振幅は減少する。例えば入力電圧30Vで開口部が無い場合について比較すると、放熱フィンが無い場合にはブレード先端の振幅が9.2mmであるのに対し、放熱フィンが存在するとブレード先端の振幅が5.5mmにまで減少する。しかし、開口部22を設けることによってブレード先端の振幅は7.5mmにまで増大する。
これは、開口部22の存在により、揺動するブレード21の実質的な面積が削減され、また後述するように開口部22を介する空気抜けがよくなって、その分空気抵抗が減少するためである。
このようにブレードに開口部22を設けることによって、放熱フィン間の空間内でも比較的大きな振幅でブレードが揺動することが分かる。
図6はブレード21に設けた開口部22の効果について示す図である。圧電ファン31は圧電振動子20の支持部(図における左端)を中心としてブレード21が図に示す矢印u,d方向に揺動する。そのことによって放熱フィン30で挟まれた空間内の空気が矢印AFで示すような気流となって流れる。その際、開口部22を上方から下方へ、および下方から上方へ抜ける気流も生じ、ブレード21の上面側と下面側を流れる気流が混合される。また、それと同時に、放熱フィン30の壁面近傍の暖気流がブレードの側端縁で剥離して、その暖気が開口部22の方向、すなわち2つの隣接する放熱フィン30で挟まれる空間内の中央部方向へ流動する。
このように開口部22は単に空気抵抗を減少させてブレード21の振幅を大きくするだけでなく、放熱フィン30の壁面近傍の暖気流を剥離するとともに、2つの隣接する放熱フィン30で挟まれる空間内の全体の気流とともに外部へ掃き出すように作用する。(以下、この作用効果を「掃きだし効果」という。)そのため放熱効果が高まる。
図7は、開口部を設けたブレードを備えた圧電ファンの作用を説明するための図である。図7において輝度の低い部分が低温領域、輝度の高い部分が高温領域である。
図4に示した構造の冷却装置における放熱フィン間の空間を流れる気流の温度分布を求めるためには3次元シミュレーションを行う必要があるが、計算量が膨大なものとなるので、ここでは2次元に置き換えてシミュレーションした。
図7(A)は隣接する2つの放熱フィン30,30を所定の高温にするとともに、この放熱フィン30同士で挟まれる空間内に、図における左から右方向へ所定温度の冷風を流した場合の温度分布について示している。
このように放熱フィン30同士で挟まれた空間内に流れる気流が層流であれば、空間の中央部ほど流速が大きく、放熱フィン30の壁面では空気の粘性抵抗により理論上、流速は0となる。そのため左端から流入された冷風が放熱フィン30同士で挟まれた空間内の中央部を冷風のまま右端方向へ流れる量が多く、放熱フィン30の放熱効果は低い。
図7(B)は、放熱フィン30の壁面に近接するパドルPを図における左右方向に振動させた場合の温度分布について示している。その他の条件は(A)の場合と同様である。このパドルPは、図4に示したブレード21における開口部22の両側部の部位に相当するものである。
このように放熱フィン30の壁面に分布していた暖気(高温空気層)が空間の中央部に波打つように流動して空間内を全体に流れる気流に乗って掃きだされる。そのため全体の放熱効果が高まる。
《第2の実施形態》
第1の実施形態ではブレード21に対してブレードの長手方向に延びる単一の開口部22を形成したが、図8はそれとは異なった2つの構成の圧電ファンについて示している。
図8(A)の例では、ブレード21の先端部(圧電振動子20から遠い側)に、ブレード21の長手方向に延びる切欠部23を形成した圧電ファン32を示している。この図8(A)に示す構造は、開口部の位置をブレード21の先端部に配置したものということもできる。このようにブレード21の先端部に切欠部23を形成しても空気抵抗の減少によるブレード21の振幅の増大効果および放熱フィン壁面の高温空気の掃きだし効果が得られる。
図8(B)の例は、複数の開口部22a〜22dを形成したブレード21を圧電振動子20に接合して圧電ファン33を構成したものである。
このようなブレード21に対する開口部の位置および数による作用効果上の違いは次のとおりである。
先ず、図3に示したように、開口部22をブレードの根元(圧電振動子20側)寄りに形成した場合、開口部22はブレード21の揺動時の変位の小さな箇所に存在するので空気抵抗の減少効果が小さく、ブレード21の振幅増大効果は小さいが、ブレード21先端部の空気の押し出し効果が開口部によって損なわれないので送風性は高い。
一方、図8(A)のように切欠部23をブレード21の先端部寄りに形成する(または開口部を先端部寄りに形成する)と、空気抵抗の減少効果が高いのでブレード21の振幅が大きくなる。そのため放熱フィン壁面の高温空気の掃きだし効果は増大する。しかしブレード先端部からの気流の押し出し効果が低下するので送風性は低下する。
このように送風性と掃きだし効果とはある程度トレードオフの関係にあるので、最も高い冷却能力が得られるように開口部の形状・位置・大きさを定めればよい。
さらに、図8(B)のように開口部を複数設ける場合にも、これらの開口部の大きさ、形成位置、数等は上記送風性と掃きだし効果を考慮して定めればよい。
なお、開口部をブレードの根元(圧電振動子20側)寄りに形成した場合、ブレード21の曲げ応力が比較的大きな位置の実質的な幅が小さくなるが、開口部22をブレード21の幅方向ではなく長手方向に延びる形状にしたことにより、曲げ応力の集中が緩和され、長期駆動時の信頼性を確保できる。
《第3の実施形態》
図9は第3の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。この例では開口部22を形成し、先端部におもり24a,24bを備えたブレード21および圧電振動子20によって圧電ファン34を構成している。
おもり24a,24bはブレード21と同じステンレススチールからなり、接着剤により接合している。このおもり24a,24bの図中の寸法L3は2mm、dは0.5mmである。またブレード21の厚み寸法は100μmである。その他の寸法L1,L2,Wについては図3に示した第1の実施形態の場合と同様にL1=12mm、L2=18mm、W=6mmである。開口部22の形成位置および寸法は図3に示したものと同様である。
図10は図9に示した圧電ファン34を備えた冷却装置のおもりおよび開口部の効果を示す図である。このようにおもり24a,24bおよび開口部22を備えたことにより、おもりも開口部も設けない圧電ファンを開放空間で振動させた場合より大きな振幅が得られることか分かる。例えば入力電圧30Vの印加時に、おもりも開口部も設けない圧電ファンの場合にブレード先端の振幅は約5.5mmであるのに対し、図10に示したようにおもりおよび開口部を備えた圧電ファンの場合には、ブレード先端の振幅は9.5mmにまで増大する。
このようにブレード21の先端部におもり24a,24bを取り付けたことにより、おもりによる慣性モーメントが大きくなり、おもりを含めたブレードの共振周波数で駆動することによって、図4に示したように放熱フィンで挟まれる空間内にこの圧電ファン34を配置した場合でもブレード21の振幅を大きくすることができる。そのため冷却能力を高めることができる。
また、おもりの付加と開口部の形成とには相乗効果がある。これは、おもりの付加と開口部の形成とによってブレードの重心がより先端部へ移動して、ブレードの質量あたりの慣性モーメントが増大するためである。
したがっておもり24a,24bによるブレートの振幅増大にともなって、開口部22による掃きだし効果をより高めることができる。
《第4の実施形態》
図11は第4の実施形態に係る圧電ファンの斜視図である。この例では、開口部22b,22cを設けるとともに、全体に長尺状をなし、長手方向を短縮化するように折り曲げたブレード21と、それを接合した圧電振動子20とで圧電ファン35を構成している。このような構造により、ブレード21の全長が長くなり、ブレード21を基本周波数で共振するように駆動することによって振幅が大きくなって冷却能力が高まる。またブレード21は全長が長いにもかかわらず長手方向寸法が全体に短縮化できるので、冷却装置全体の大型化を抑えつつ冷却能力を高めることができる。
また、この例ではブレード21を21a,21b,21cで示す3つの部位に分けるように折り曲げ、圧電振動子20寄りの部位21aには開口部を形成せず、部位21b,21cに開口部22b,22cをそれぞれ形成している。さらに、開口部22b,22cは折り曲げ部分を避けて形成している。このような構造により、圧電振動子側の根元部のバネ性が強く、先端部のバネ性が弱くなって、部位21b,21cの振幅(特に21cの振幅)が大きくなる。そのため、団扇運動のような揺動になって、高い送風能力が得られる。
また、開口部に応力が集中しないので、長期駆動時の信頼性を確保できる。
なお、このような折り曲げ構造のブレードの先端部または所定箇所に、図9に示したようなおもりを付けてもよい。
《第5の実施形態》
図12は第5の実施形態に係る圧電ファンの側面図である。これまでに示した各実施形態ではブレード21の一方の面に圧電振動子20を接合したタイプを示したが、図12に示す圧電ファン36は、ブレード21の端部を両面から挟むように圧電素子20a,20bをそれぞれ配置していて、圧電素子20a,20bおよびブレード21でバイモルフ型振動子を構成するようにしている。
圧電素子20a,20bのそれぞれの表面には電極膜を形成していて、それらの電極とブレード21との間に、圧電素子20a,20bの分極方向に応じた駆動電圧を印加することによって圧電素子20a,20bを逆方向に伸縮させ、バイモルフ型の圧電振動子として駆動させる。
このようにバイモルフ型にすることによって、圧電素子20a,20bによるブレード21の印加電圧に対する屈曲変位量を大きくすることができ、ブレード21の振幅をより効果的に増大できる。
図12ではブレード21に開口部22を形成した圧電ファンを例に示したが、図9のようにブレード21の先端部におもりを付けた構造や、図11のようにブレード21を屈曲させた構造の圧電ファンに対しても同様に適用できる。
《第6の実施形態》
図13は第6の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。同図に示すように2つの圧電振動子26a,26bのそれぞれの一方端同士を、スペーサ28を介して接合することによってU字型圧電振動子ユニットを構成し、一方の圧電振動子26aの端部にスペーサ29を介してブレード21を接合して圧電ファン37を構成している。この例ではブレード21に開口部22を形成している。
なお、上記スペーサ28,29は必須のものではない。
図14は上記U字型圧電振動子ユニットの電圧印加時の屈曲モードについて示している。図14(A)は2つの圧電振動子26a,26bに対しての印加電圧が0の時の状態、(B)は正電圧印加時の状態、(C)は負電圧印加時の状態である。
ここで下側の圧電振動子26bの先端は固定されるので、上側の圧電振動子26aの先端は単一の圧電振動子を用いた場合に比べて約2倍の角度で揺動することになる。そのため、図13に示したブレード21の振幅をより大きくすることができる。
なお、図13の例ではブレード21に開口部22を形成した圧電ファンを例に示したが、図9のようにブレード21の先端部におもりを付けた構造や、図11のようにブレード21を屈曲させた構造の圧電ファンに対しても同様に適用できる。
《第7の実施形態》
図15は第7の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの斜視図である。同図に示すように3つの圧電振動子27a,27b,27c部分を備えた全体にEの字型の圧電振動子ユニットに対してスペーサ29を介してブレード21を接合して圧電ファン38を構成している。この例ではブレード21に開口部22を形成している。
図16の(A)〜(C)は上記E字型の圧電振動子ユニット部分の屈曲モードについて示している。また、図16(D)〜(F)は上記圧電ファン38のブレードの揺動について示している。
図16(A)は圧電振動子27a,27b,27cに対しての印加電圧が0の時の状態、(B)は正電圧印加時の状態、(C)は負電圧印加時の状態である。
ここで圧電振動子27a,27bの先端は固定されるので、中央の圧電振動子27cの先端は単一の圧電振動子を用いた場合に比べて約2倍の角度で揺動することになる。そのため、図15に示したブレード21の振幅をより大きくすることができる。
なお、図15の例ではブレード21に開口部22を形成した圧電ファンを例に示したが、この場合も図9のようにブレード21の先端部におもりを付けた構造や、図11のようにブレード21を屈曲させた構造の圧電ファンに対して同様に適用できる。
《第8の実施形態》
図17は第8の実施形態に係る冷却装置の構成を示す図である。この冷却装置101は圧電ファン31、ヒートシンク40、および送風ファン50で構成している。第1〜第8の実施形態では、基本的に圧電ファンとヒートシンクとによって冷却装置を構成し、圧電ファンがヒートシンクの放熱フィンで囲まれた空間内の空気を掃きだすことによって放熱するように構成したが、この図17に示す例では、ヒートシンク40の放熱フィン30による空間内の空気を圧電ファン31によってかき混ぜ、送風ファン50によって全体に外部へ送風させるようにしている。
圧電ファン31は、開口部22を形成したブレード21と圧電振動子20とで構成していて、基本的に図3に示したものと同様である。但し、この例ではブレード21の向きを放熱フィン30の長手方向に対して約45°に傾斜させている。このことにより圧電振動子20の支持部(固定部)をヒートシンク40の外部に設けることができ、圧電ファン31の取り付けが容易になる。
また、開口部22は送風ファン50による気流に対向する成分が増して、図7(B)に示したシミュレーションの条件により近くなり、放熱フィン30壁面の高温空気の掃きだし効果を高めることができる。
なお、図17の例ではブレード21に開口部22を形成した圧電ファンを用いた例に示したが、図9のようにブレード21の先端部におもりを付けた構造や、図11のようにブレード21を屈曲させた構造の圧電ファンを用いることもできる。
《第9の実施形態》
図18(A)は第9の実施形態に係る冷却装置の構成を示す斜視図、図18(B)はその圧電ファンの平面図である。
図18(B)に示すように、圧電ファン39は、根元部が一体で、複数のブレード21が突出した金属板19を備えている。各ブレード21には開口部22を形成している。金属板19には、ブレード21の根元部に圧電振動子25を貼着している。金属板19はネジ42によって支持部材41に取り付けている。圧電振動子25に交番電圧を印加することにより、金属板19及びブレード21は支持部材41の位置を支点として揺動する。
図18(A)に示すように、冷却装置102は、上記圧電ファン39をヒートシンク40の底面から所定高さ(中央高さまたはそれより低い高さ)に配置することによって構成している。ヒートシンク40には互いに平行な複数の放熱フィン30を備えていて、隣接する放熱フィン30の間で圧電ファン39のブレード21が放熱フィン30に当接することなく揺動するように圧電ファン39を配置している。
このようにして、単一の圧電振動子で複数のブレードが揺動する圧電ファンを備えた冷却装置102を構成する。
《第10の実施形態》
図19は第10の実施形態に係る圧電ファンの平面図である。
図19(A)の例では、金属板19を、左側の領域L、中央の領域C、右側の領域Rの3つの領域に分けて、圧電振動子25L,25C,25Rをそれぞれの領域に設けている。これにより3つの領域を独立して揺動可能にしている。
同様に、図19(B)の例では、金属板19を、左側の領域Lと右側の領域Rの2つの領域に分けて、圧電振動子25L,25Rをそれぞれの領域に設けている。これにより2つの領域を独立して揺動可能にしている。
この構成により、目的に応じて各領域のブレード21を揺動させることができる。例えば、図19(A)の場合、圧電振動子25L,25Rを正相電圧で駆動し、圧電振動子25Cを逆相電圧で駆動することにより、支持部材41が受ける反力が小さくなる。同様に、図19(B)の場合、圧電振動子25Lを正相電圧で駆動し、圧電振動子25Rを逆相電圧で駆動することにより、支持部材41が受ける反力が小さくなる。
このようにして、その支持部材41を取り付けた部材の振動が抑えられ、静音化が図れる。
なお、領域の分割数や各領域内のブレードの数は、図19に示したものに限らず、金属板19及びブレード21が目的の振動モードで振動するように適宜設定すればよい。
《放熱フィン、圧電ファン、及びブレードに形成した開口部の位置関係》
以上の各実施形態で示した冷却装置の各部の位置関係・寸法関係について、ここで考察する。
対象としている圧電ファンは、ヒートシンクの放熱フィン間にブレードを挿入し、ブレードが放熱フィン表面の熱い空気をかき取って掃き出すことで冷却を促進することを前提としている。冷却促進のためには、かき取り面積を増やすことが重要となる。そのためにはヒートシンクの放熱フィンの表面積を増やすとともに、ブレードの振幅を増大させることが必要であり、隣接する放熱フィン同士の間隙に縦長のブレードを入れることが望ましい。
図20は、ヒートシンクの放熱フィン30同士の間隙にブレード21を配置した状態での平面図である。ここでx方向を縦方向と呼び、y方向を幅方向、z方向を厚み方向と呼ぶ。
ブレード21によって放熱フィン30,30表面の熱い空気をかき取りたいので、放熱フィン30とブレード21とのギャップGは小さい方が望ましい。しかし、ギャップGを小さくすると、ブレード21を動かす際の空気抵抗が大きくなり、ブレード21の振幅が小さくなってしまう。一方で、ヒートシンクの放熱フィン30表面の空気をかき取るという目的を考えれば、放熱フィン30間の中央部(図20中でおよそ符号Bで示す領域)の空気をかき取ることは重要でない。従って、空気抵抗を減少させるためにブレード21の中央部に開口部22を設けるのが合理的である。
開口部22を設ける目的のみに注目すれば、ブレード21の全長に亘って開口部22を設けることが良いということになる。しかし、つぎの理由により実際にはブレード21の中央部のみ(図20中に符号Aで示す箇所)に開口部を設ける。先ずブレード21の根元部分を考えると、根元の振幅は小さいため、空気抵抗も小さく、開口部を設ける必要がない。次にブレード21の先端部分を考えると、当然のことながら先端より先にはブレード21が存在しないため、押しやられた空気は広い空間へ簡単に逃げる。従って、ブレード21の先端部分では、開口部による空気抵抗の減少効果は比較的小さい。また、ブレード21の先端まで開口部を形成したとすると、薄く細長い2つのブレードが狭い放熱フィン間で動くことになる。空気抵抗が小さくなっているとはいえ、それぞれのブレードの動きが空気を介してそれぞれに影響し合い、安定な振動とならない場合がある。従って、ブレード21の先端部分はリジッドに連結されていることが望ましい。さらに、ヒートシンクの放熱フィン30間に熱がこもらないようにするために、ある程度の送風効果は必要である。最も振幅が大きい先端部分が、送風効果に対する影響が大きいし、先端より根元側に開口部が空いていると、一方向の安定した空気の流れが形成されやすい。
これらのことからもブレード21の中央部のみ開口部22が設けられていることが望ましい。
開口部22の形状に関しては、次に述べるような理由で、縦方向に関しては、根元と先端部分を除く広い範囲で開口部を開け得るのに対して、幅方向に関しては、ブレード21の長手方向の辺から当該辺に平行な開口部22の辺までの寸法Eをある程度以上確保する必要がある。このことと、そもそもブレード21が縦長であることから、開口部22の形状も縦長となる。
開口部の縦方向寸法について:
端面効果を無視すれば、x方向の或る位置での空気抵抗は、速度の2乗と断面積比に比例すると考えられる。すなわち、振幅をh(x)、周波数をf、断面積比をrAとすれば、
xでの空気抵抗 ∝ f22A
であり、各断面の空気抵抗をブレード長にわたって積分したものが全体の空気抵抗になる。
なお、[断面積比] = ([ブレード幅]−[開口部幅])/[放熱フィン同士の間隔] である。このように、空気抵抗が振幅の2乗に比例するため、振幅の小さい根元付近の空気抵抗は無視できる。従って、根元付近に開口部を設ける意味はほとんど無い。
先端部に関しては、開口部がなくても先端より先に広いスペースがある。従って、押しやられた空気は、ブレード21と放熱フィンとの狭い隙間(図20中のG部分)を通らなくても先端方向へ流れる。そのため、空気抵抗は前述の端面効果を無視した場合の見積もりよりも小さくなる。この端面効果の範囲は、理論上はブレード21の幅にほぼ等しい。従って、少なくとも先端からブレード幅と等しい長さの範囲には、空気抵抗の観点からも開口部を開ける必要はない。
開口部の幅方向寸法について:
図21は圧電ファンの有無による、放熱フィンからの距離に対する温度の勾配の違いを示す図である。太線は圧電ファンが存在しない場合、細線は圧電ファンが存在する場合である。ヒートシンクの放熱フィン間の温度分布は図21の太い線のようになる。圧電ファンが存在して動作している場合、ブレード両端の空気が混ぜ合わされるため、図中細線で示すように、ブレード部分(図中符号Eの部分)の温度が均一化する(温度勾配が緩やかになる)。その結果、放熱フィンとブレードとの間の間隙部分(図中符号Gの部分)での温度が下がり、放熱フィン表面での温度勾配が急になる。熱流束は温度勾配に比例するため、これは放熱フィン表面からより多くの熱が流出していること、すなわち冷却効果が向上することを示している。
このような冷却能力向上メカニズムであるため、ブレードの両端(図20においてGの位置とG+Eの位置)の温度差が十分でなければ、十分な冷却能力向上は望めない。従って、Gを温度変化の大きい領域に設定しなければならない(すなわちブレード21の両側部をなるべく放熱フィン30に近づける)のは当然として、寸法Eについても十分な両端温度差となる寸法を確保する必要がある。
放熱フィン30からの距離が十分近ければ、温度分布はほぼ直線となる。この直線の傾き(=温度勾配)をk、放熱フィン表面の温度をToとすれば、放熱フィンの壁面から寸法Gだけ離れた位置での温度はTo+k*G、(G+E)だけ離れた位置での温度はTo+k*(G+E)となる。ブレード21の位置で温度が完全に均一化されたとすると、このブレード21の位置での温度はTo+k*(G+E/2)となるため、温度勾配はk*(1+0.5*E/G)と見積もることができる。
すなわち、もしE=Gとすると、最大50%だけ冷却能力が上昇することが見込まれる。ブレード部の温度分布が完全に均一化されることはないこと、温度分布が線形域から外れることもあり得ることを考えると、明確な冷却能力向上を得るためにE>Gに定めることが有効である。
《その他の実施形態》
以上に示した幾つかの実施形態では、圧電振動子の端部にブレードの端部を接着してユニモルフ型の圧電ファンを構成したが、ブレードの端部に圧電振動子の全面を接着してもよい。
また、以上に示した幾つかの実施形態では、ブレードの端部におもりを接着した例を示したが、おもりとブレードとは一体に成形してもよい。さらに、おもりはブレードの最端部ではなく端部付近に設けてもよい。
また、以上に示した各実施形態において、ブレードはステンレススチール以外にリン青銅などバネ性の高い金属板や樹脂板を用いてもよい。
さらに、図12に示した構成以外の例では、バイモルフ型圧電振動子をブレードの片面に接着したが、ブレードの片面に接着する圧電振動子として単なる圧電素子を用い、その圧電素子とブレードとによってユニモルフ型振動子を構成するようにしてもよい。

Claims (6)

  1. 電圧印加に応じて屈曲する圧電振動子と当該圧電振動子に接着または一体化されて前記圧電振動子により揺動されるブレードとを備えた圧電ファンと、少なくとも2つの放熱フィンを備えたヒートシンクと、からなる冷却装置において、
    前記ブレードは前記圧電振動子から延びる長尺状をなし、
    前記放熱フィンに当接することなく且つ隣接する放熱フィン間の空間で揺動する位置に前記圧電振動子および前記ブレード配置され
    前記ブレードは、ブレードの幅方向が前記放熱フィンの壁面に対して略垂直になるように配置され、
    前記ブレードに開口部または切欠部設けられたことを特徴とする冷却装置。
  2. 電圧印加に応じて屈曲する圧電振動子と当該圧電振動子に接着または一体化されて前記圧電振動子により揺動されるブレードとを備えた圧電ファンと、少なくとも2つの放熱フィンを備えたヒートシンクと、からなる冷却装置において、
    前記ブレードは前記圧電振動子から延びる長尺状をなし、
    前記放熱フィンに当接することなく且つ隣接する放熱フィン間の空間で揺動する位置に前記圧電振動子および前記ブレードが配置され、
    前記ブレードは長手方向を短縮化するように折り曲げられた形状であり、
    前記ブレードに開口部または切欠部が設けられたことを特徴とする冷却装置。
  3. 電圧印加に応じて屈曲する圧電振動子と当該圧電振動子に接着または一体化されて前記圧電振動子により揺動されるブレードとを備えた圧電ファンと、少なくとも2つの放熱フィンを備えたヒートシンクと、からなる冷却装置において、
    前記ブレードは前記圧電振動子から延びる長尺状をなし、
    前記放熱フィンに当接することなく且つ隣接する放熱フィン間の空間で揺動する位置に前記圧電振動子および前記ブレードが配置され、
    前記ブレードに開口部が設けられ、
    前記開口部は前記ブレードの長手方向に沿って長い形状であり、前記ブレードの長手方向の辺から当該辺に平行な前記開口部の辺までの寸法が、前記放熱フィンと前記ブレードとの間の間隙寸法より大きいことを特徴とする冷却装置。
  4. 前記ブレードの、前記圧電振動子から遠い側の先端部または先端付近におもりを設けた請求項1〜3のいずれかに記載の冷却装置。
  5. 前記圧電振動子は前記ブレードの端部を両面から挟むように配置していて、前記圧電振動子および前記ブレードがバイモルフ型振動子を構成するようにした請求項1〜のいずれかに記載の冷却装置。
  6. 前記放熱フィン間の空間に流れる気流を発生する送風ファンを設けた請求項1〜のいずれかに記載の冷却装置。
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