JP5082959B2 - 内燃機関の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、オイルが供給される供給通路と、供給通路から分岐する複数の分岐通路とを有する分岐部材および分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造に関する。
従来、この種の分岐部材として、単一のオイルの供給通路と、この供給通路から分岐ポート部で分岐した複数の分岐通路とを有するものが知られている。従来の分岐部材は、単一のオイル供給源から複数の潤滑部材にオイルを供給することができるので内燃機関の潤滑構造に多用されている。
従来の分岐部材は、オイルを供給する供給管と、供給管から分岐する複数の分岐管とを含んで構成されており、供給管内のオイルが各分岐管に流入するようになっている。
具体的には、図14(a)に示すように、分岐部材1は、オイルの供給通路2aを有する供給管2と、分岐通路3aを有する排気側分岐管3と、分岐通路4aを有する吸気側分岐管4と、供給管2の開口端部を塞ぐ蓋5と、供給管2内に設けられたオリフィス6とを含んで構成されている。排気側分岐管3および吸気側分岐管4は供給管2に接合されており、分岐通路3aと供給通路2aとが連通し、分岐通路4aと供給通路2aとが連通している。したがって、分岐通路3aおよび分岐通路4aは、供給通路2aにおける一点鎖線で示す分岐ポート部7で供給通路2aから分岐している。
排気側分岐管3は、図示しない排気カムシャフトの上方に配置されており、吸気側分岐管4は、図示しない吸気カムシャフトの上方位置に配置されている。排気側分岐管3には、複数の供給口が設けられ、供給口からオイルが放出され排気カムシャフトが潤滑されるようになっている。吸気側分岐管4にも、排気側分岐管3と同様に複数の供給口が設けられ、供給口からオイルが放出され、吸気カムシャフトが潤滑されるようになっている。オリフィス6により、供給管2の供給通路2aに流入するオイルの流量が調整され、適量のオイルが排気カムシャフトおよび吸気カムシャフトに供給されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−12223号公報
しかしながら、上述のような従来の分岐部材1においては、供給通路2aに流入したオイルが、分岐通路3aと分岐通路4aに分岐される際、分岐ポート部7でオイルの圧力変動が発生し、この圧力変動が周囲の構造系の振動を誘起し、周囲の構成部品などから異音が放射されるという問題があった。
すなわち、図14(b)に示すように、オイルが供給2aから分岐ポート部7内に流入すると、分岐通路3aに流入するオイルと、分岐通路4aに流入するオイルと、分岐ポート部7の下流側における蓋5の裏面5aで反転して分岐ポート部7に戻るオイルとが分岐ポート部7内で交差する。このとき、分岐ポート部7内でオイルが澱んで、矢印で示すようにさらに反転して強い渦流が発生する。この渦流の位置は時々刻々と変動して分岐ポート部7内のオイルの圧力が変動し、この圧力変動を強制力とする強制振動が引き起こされ、特定周波数範囲で分岐部材1の強制振動が増大し、例えば、自動車の運転者に不快な異音になってしまうという問題があった。
特に、図14(c)に示すように、分岐部材1内の供給通路2aおよび分岐通路3a、4aが、切削加工により形成される場合には、加工上の理由で分岐ポート部7における下流側に閉塞空間7aが形成されてしまう。すなわち、切削加工の場合、分岐ポート部7と分岐通路3a、4aとが連通する部分の断面を円形に加工してオイルの流通を良好にする必要があるため、まず、供給通路2aを加工し、次いで、供給通路2aの軸線に直交するよう分岐通路3a、4aをそれぞれ加工する。供給通路2aは、一般に、先端部分が円錐形の切削工具で加工されるので、供給通路2aの突き当り部分2bが円錐形になってしまう。その結果、分岐ポート部7における下流側に円錐形の閉塞空間7aが残存してしまうことになる。
分岐部材1内に閉塞空間7aがあると、オイルが分岐通路3a、4aに流入する際、突き当り部分2bで反転して分岐ポート部7に戻り易くなり、より強い渦流が発生するという問題があった。また、特に、エンジンの始動時には、エンジン内のオイル温が低いのでオイルの粘度が高く、分岐ポート部7内のオイルの流動性が低下しており、よりオイルが澱んで渦流が発生し易く、分岐部材1の強制振動が増大し大きな異音となってしまうという問題があった。
本発明は、前述の従来の問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、分岐部材の上流側に設けられた油圧機器などに影響を与えることなく、分岐部材内で発生する渦流を低減でき、潤滑構造の構成部品などから異音が放射されるのを防止することができる分岐部材および分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の潤滑構造は、上記目的達成のため、(1)オイルが供給される供給通路と、前記供給通路上の分岐ポート部で前記供給通路から分岐する複数の分岐通路と、を有する分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造において、前記分岐部材が、前記分岐ポート部の上流側に形成され前記供給通路内に供給されるオイルの流量を制限する流量制限通路を有し、前記一対の分岐通路の各軸線がなす分岐角度が略180度で形成され、前記供給通路が、前記一対の分岐通路の断面積の総和よりも大きな断面積を有するとともに、前記流量制限通路の断面積よりも大きな断面積を有し、前記分岐部材の上流側にオイル供給源から供給されたオイルの圧力により作動する油圧機器が設けられるとともに、前記分岐部材の下流側に前記オイルをカムシャフトに供給する第1のオイル通路を有する複数のシャワーパイプが設けられ、前記油圧機器にオイルを供給する第2のオイル通路を有し、前記第2のオイル通路と前記分岐部材の前記流量制限通路とが連通するとともに、前記第1のオイル通路と前記分岐部材の前記分岐通路とが連通することを特徴とする。
この構成により、オイルが流量制限通路内を流通して供給通路内に流入する際に、流量が減少するとともに流速が低下するので、分岐ポート部に流入すると、各分岐通路に流入するオイルと、貫通通路に流入するオイルとに速やかに分岐される。その結果、分岐ポート部の下流側における供給通路の突き当り部分で反転して分岐ポート部に戻るオイルの流量が減少するので、オイルが各分岐通路に流入し易くなり、分岐ポート部内でオイルの澱みが減少し、発生する渦流が減少し、分岐部材に加わる強制振動が減少して、潤滑構造の構成部品などから異音の放射が防止される。
ここで異音とは、分岐部材を含む内燃機関の潤滑構造における構成部品などの振動音をいい、潤滑構造における構成部品などから放射される許容範囲内の通常の振動音とは異なり、振動源の近傍で測定した音圧レベルが、車両の運転者などが不快であると感ずる程度に高いものをいう。
また、この構成により、オイルが流量制限通路内を流通して供給通路内に流入する際に、流速が低下するので、分岐ポート部に流入すると、分岐ポート部の下流側における供給通路の突き当り部分で反転して分岐ポート部に戻るオイルの流量が減少し、分岐ポート部内のオイルの澱みが少なくなり、発生する渦流が減少し、速やかに各分岐通路に流入する。その結果、分岐部材に加わる強制振動が減少して、分岐部材を含む潤滑構造の構成部品などから異音の放射が防止される。また、分岐通路に流入したオイルは、第1のオイル通路内に流入しシャワーパイプからカムシャフトに供給される。また、流量制限通路により第2のオイル通路から供給通路に流入するオイルの流量が制限され、流量制限通路によりいわゆる径絞りがなされているので、第2のオイル通路よりも下流側に設けられたシャワーパイプからオイルが放出されても、分岐部材の上流側に設けられた油圧機器などに影響を与えることはない。
本発明によれば、分岐部材の上流側に設けられた油圧機器などに影響を与えることなく、分岐部材内で発生する渦流を低減でき、潤滑構造の構成部品などから異音が放射されるのを防止することができる分岐部材および分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態)
以下、本発明に係る分岐部材および分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造を、自動車のシリンダヘッドカバーの内側に設けられた分岐部材と、この分岐部材に連結されたシャワーパイプと、分岐部材の上流側に設けられた油圧機器とを含んで構成される内燃機関の潤滑構造に適用した例について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20が設けられたシリンダヘッドカバー30をその内側から見た斜視図であり、図2は、内燃機関の潤滑構造20の斜視図および油圧機器の構成図であり、図3は、内燃機関の潤滑構造20における分岐部材21および分岐部材ホルダ部41の分解斜視図であり、図4は、内燃機関の潤滑構造20における分岐部材21の上面図であり、図5は、図4のA−A断面を示す断面図であり、図6は、図5のB−B断面を示す断面図であり、図6(a)は、分岐通路33の軸線と分岐通路34の軸線とのなす分岐角度θが180度で形成された分岐部材21を示し、図6(b)は、分岐通路33の軸線と分岐通路34の軸線とのなす分岐角度θが90度で形成された分岐部材21を示している。
まず、内燃機関の潤滑構造20の構成について説明する。
図1および図2に示すように、内燃機関の潤滑構造20は、分岐部材21と、排気側シャワーパイプ22と、吸気側シャワーパイプ23と、シリンダヘッド40に設けられた分岐部材ホルダ部41と、シリンダヘッド40内に形成されたオイル導入通路42およびオイル通路43、48と、油圧機器50と、オイルポンプ51とを含んで構成されている。
分岐部材21は、シリンダヘッドカバー30の取付ボス30aに取り付けられている。排気側シャワーパイプ22は、固定具30b、30cによりシリンダヘッドカバー30に固定されており、吸気側シャワーパイプ23は、固定具30d、30eによりシリンダヘッドカバー30に固定されている。このように分岐部材21、排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23は、シリンダヘッドカバー30と一体化されている。
図2に示すように、分岐部材ホルダ部41は、シリンダヘッド40におけるシリンダヘッドカバー30に対向する面から、シリンダヘッドカバー30側に突出するよう形成されている。オイル導入通路42およびオイル通路43、48は、シリンダヘッド40の内部に互いに連通するよう形成されており、油圧機器50は、シリンダヘッド40の内部に取り付けられている。
分岐部材21および分岐部材ホルダ部41は、シリンダヘッドカバー30をシリンダヘッド40に取り付ける際に、互いに係合するようになっている。分岐部材21と分岐部材ホルダ部41との係合により、オイルポンプ51から供給されるオイルが、オイル通路48、オイル通路43の順に流通し、オイル導入通路42を介して分岐部材ホルダ部41から分岐部材21内に流入するようになっている。
図3および図4に示すように、分岐部材21は、軽合金などの金属材料からなり、円柱状に形成されており、外側面部21aには、排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23が溶接などの接合手段により連結されている。分岐部材21の軸線方向の下端部は、分岐部材ホルダ部41の挿入口41bに挿入されるようになっている。なお、分岐部材21は、高い耐熱性および高い機械的強度を有するプラスチックで形成してもよく、円柱状以外の任意の形状で形成してもよい。例えば、その断面形状が方形、多角形、楕円形などであってもよい。
図5および図6(a)、(b)に示すように、分岐部材21には、その軸線方向に供給通路31が切削加工により形成され、供給通路31の軸線と直交する方向に分岐通路33、34が切削加工により形成されている。供給通路31と分岐通路33、34とが交差する部分および閉塞空間32aに分岐ポート部32が画成されている。すなわち、図5に示す一点鎖線で囲まれた部分に分岐ポート部32が画成されている。この分岐ポート部32における下流側に画成された閉塞空間32aは、前述したように、切削加工する際に、供給通路31と分岐通路33、34とを、その断面が円形になるよう連通させるために形成されてしまう空間であり、分岐ポート部32の一部を構成している。この分岐通路33は、排気側シャワーパイプ22に形成された排気側通路22bと連通し、分岐通路34は、吸気側シャワーパイプ23に形成された吸気側通路23bと連通している。
図6(a)に示すように、分岐通路33は、分岐通路33の軸線と分岐通路34の軸線とが一致するよう形成されている。すなわち、分岐通路33の軸線と分岐通路34の軸線とのなす分岐角度θが180度で形成されている。この分岐角度θは、車種やオイルを供給する潤滑部材の配置や潤滑条件により異なるが、45度ないし315度の範囲で適宜選択され、例えば、図6(b)に示すように、必要に応じて分岐角度θを90度で形成してもよい。
この分岐角度θが、180度であるとき、図5に示されている分岐ポート部32内で、オイルの澱みが多くなり、渦流が多く発生し異音が大きくなる傾向にあり、分岐角度θが、小さくなるほど分岐ポート部32内で、オイルの澱みが少なくなり、渦流の発生が少なくなり、異音も小さくなる傾向にあるが、前述のように分岐角度θは、車種やオイルを供給する潤滑条件などにより決定される。
なお、この分岐通路33および分岐通路34はその軸線が供給通路31の軸線方向で略同一の平面内にあるよう形成されているが、同一の平面内にあるよう形成しなくてもよい。例えば、分岐通路33を供給通路31の軸線方向で上流側に形成し、分岐通路34を供給通路31の軸線方向で下流側に形成してもよく、逆に、分岐通路34を供給通路31の軸線方向で上流側に形成し、分岐通路33を供給通路31の軸線方向で下流側に形成してもよい。
また、分岐通路33および分岐通路34の軸線が供給通路31の軸線と直交する方向に形成されているが、供給通路31の軸線と直交する方向でなくともよい。例えば、分岐通路33の軸線と分岐通路34の軸線と供給通路31の軸線とがYの字状になるよう分岐通路33および分岐通路34を供給通路31の軸線に対して傾斜させて形成してもよい。
図3および図5に示すように、分岐部材ホルダ部41は、軽合金などの金属材料からなるシリンダヘッド40の一部を構成し、シリンダヘッド40におけるシリンダヘッドカバー30に対向する側に突出して円柱状に形成されている。分岐部材ホルダ部41における分岐部材21と係合する側の上面部41aには、挿入口41bが形成されており分岐部材21が挿入されるようになっている。この挿入口41bを囲む分岐部材ホルダ部41の内周側壁部には溝41cが形成されており、この溝41cには、Oリング52が取り付けられている。
また、分岐部材ホルダ部41には、挿入口41bの直径より小さい直径のオイル通路41eが形成されており、挿入口41bとオイル通路41eとが連通している。このオイル通路41eには、流量制限部材36が圧入されるようになっており、流量制限部材36における分岐部材21に対向する上面36aと、挿入口41bを囲む分岐部材ホルダ部41の底面41dとが略同一平面に位置するよう流量制限部材36が分岐部材ホルダ部41に固定されている。流量制限部材36の中央部には、流量制限通路35が流量制限部材36の軸線方向に貫通して形成されており、流量制限通路35によりオイル通路41eに流入したオイルの流量が制限されるようになっている。
さらに、図2および図3に示すように、分岐部材ホルダ部41内のオイル通路41eは、オイル導入通路42と連通しており、オイル導入通路42、オイル通路43およびオイル通路48とが連通している。図示しないオイルパンに貯留されたオイルがオイルポンプ51により、オイル通路48、オイル通路43の順に流通してオイル導入通路42に供給されるようになっている。
なお、分岐部材ホルダ部41の形状は、円柱状に形成されているが、シリンダヘッド40内の油圧機器50や油圧回路などの構成に応じて、適宜円柱状以外の形状で形成してもよい。例えば、その断面形状が半円形、方形、多角形、楕円形などであってもよい。
オイルポンプ51は、例えば、ギヤポンプ、トロコイドポンプなどのオイルを吸入し吐出するポンプからなり、オイル通路48を介して前述のオイル通路43および油圧機器50にオイルを供給するようになっている。
油圧機器50は、例えば、排気バルブおよび吸気バルブのバルブクリアランスを自動的に調整するラッシュアジャスタ44、45と、エンジン回転数の高低によって、吸気バルブのカムシャフトを進角させてバルブの開閉タイミングを切り換える機構からなるVVT(Variable Valve Timing)46と、このVVT46の油圧を制御する制御弁からなるOCV(Oil Control Valve)47を含んで構成されている。
ラッシュアジャスタ44、45には、オイルポンプ51から供給されるオイルがオイル通路48、オイル通路43の順に流通して供給され、OCV47には、オイルポンプ51からオイルがオイル通路48を介して供給されるようになっている。また、VVT46には、OCV47で圧力などが制御されたオイルがOCV47から供給されるようになっている。
このように、オイルポンプ51から供給されるオイルは、油圧機器50、オイル通路43、ラッシュアジャスタ44、45、オイル導入通路42、分岐部材ホルダ部41、分岐部材21、排気側シャワーパイプ22、吸気側シャワーパイプ23にそれぞれ供給されるようになっている。これらのオイル通路43、48、オイル導入通路42、分岐部材ホルダ部41、分岐部材21、排気側シャワーパイプ22、吸気側シャワーパイプ23が単一の油圧回路を構成しており、各構成要素におけるオイルの流量や圧力など油圧要件が変化したとき、その変化量が許容範囲を超える場合には、互いに他の構成要素に影響する関係にある。
本実施の形態におけるオイル通路43、48、オイル導入通路42および分岐部材ホルダ部41内のオイル通路41eは、オイルポンプ51からオイルが油圧機器に供給される通路を構成しているので、本発明の分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造における第2のオイル通路を構成している。また、本実施の形態における排気側シャワーパイプ22内の排気側通路22bおよび吸気側シャワーパイプ23内の吸気側通路23bは、分岐部材21内の分岐通路33、34と連通しているので、本発明の分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造における第1のオイル通路を構成している。
図2および図3に示すように、排気側シャワーパイプ22は、例えば、金属材料からなるパイプで形成され、内部に排気側通路22bを有し、一端部が分岐部材21の外側面部21aに溶接などの接合手段により連結されており、排気側通路22bと分岐通路33とが連通している。排気側シャワーパイプ22の他端部は、閉塞されている。排気側シャワーパイプ22の周側面部には、複数の供給口22aが形成されており、排気側通路22b内を流通するオイルが供給口22aから放出され、図示しない排気側カムシャフトにオイルが供給されるようになっている。
吸気側シャワーパイプ23は、排気側シャワーパイプ22と同様に、例えば、金属材料からなるパイプで形成され、内部に吸気側通路23bを有し、一端部が分岐部材21の外側面部21aに溶接などの接合手段により連結されており、吸気側通路23bと分岐通路34とが連通している。吸気側シャワーパイプ23の他端部は、閉塞されている。吸気側シャワーパイプ23の周側面部には、複数の供給口23aが形成されており、吸気側通路23b内を流通するオイルが供給口23aから放出され、図示しない吸気側カムシャフトにオイルが供給されるようになっている。
なお、閉塞されている他端部を開口するとともに、閉塞されている排気側シャワーパイプ22の他端部を開口し、双方の開口部を連結することにより、排気側通路22bと吸気側通路23bとを連通させ、排気側シャワーパイプ22と吸気側シャワーパイプ23とを一体的に形成してもよい。
次いで、分岐部材21の供給通路31、分岐通路33、34、流量制限通路35および他の各通路の大きさについて説明する。
供給通路31、分岐通路33、34、流量制限通路35の各断面積は、VVT46に必要な油圧を確保でき、オイルに含まれることがある異物の噛込みを防止でき、排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23から放出されて飛散するのに必要なオイルの飛散量を確保でき、シリンダヘッドカバー30の省スペース化を促進できるとともに、分岐部材21から生ずる異音の発生を防止することができる範囲で設定される。
本実施の形態に係る分岐部材21においては、各通路は、その断面形状が円形で形成されているので、各通路の断面積をS(mm)とし、各通路の直径をD(mm)とし、円周率をπとすると、S=πD/4、となる。各通路の大きさを、主に各通路の断面積に基づいて比較して説明する。
Figure 0005082959
表1は、本実施の形態に係る分岐部材21の流量制限通路35の断面積Sと、VVTの油圧確保、異物の噛込み防止、オイル飛散量の確保および省スペース化の促進との関係を表しており、表1中の断面積a、b、c、dは、0<a<b<c<dの関係を有している。
まず、流量制限通路35は、その直径がDで形成されており、流量制限通路35の断面積Sは、S=π(D/4、となる。断面積Sは、VVT46に必要な油圧を確保するためには、表1に示すように、0(mm)ないしc(mm)の範囲で適宜選択される。断面積Sがcを超えるとVVT46に必要な油圧を確保できないことがあるので、断面積Sは、cを超えないことが好ましい。
次いで、流量制限通路35内で異物が噛込まれるのを防止するためには、断面積Sは、a(mm)ないしd(mm)の範囲で選択される。断面積Sが、a未満であると、異物が流量制限通路35内で噛込まれて、異物により通路が閉塞されることがあり、dを超えると、分岐部材21自体が大型になってしまい、シリンダヘッドカバー30が大型になってしまうおそれがある。
さらに、排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23から放出されて飛散するのに必要なオイルの飛散量を確保するためには、断面積Sは、b(mm)ないしd(mm)の範囲で適宜選択される。断面積Sが、b未満であると、流量制限通路35から流入し排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23に供給されるオイルの流量が少なくなり、必要なオイルの飛散量を確保できないことがある。他方、断面積Sが、dを超えると、前述のように分岐部材21自体が大型になってしまい、シリンダヘッドカバー30が大型になってしまうおそれがある。
このように、流量制限通路35の断面積Sは、前述の各範囲を満足するとともに、分岐ポート部32において、渦流の発生が最も減少するよう適宜選択される。この断面積Sは、b(mm)ないしd(mm)の範囲、すなわち、b<S<dを満たすよう適宜選択される。具体的には、断面積dは、数mmで設定されており、シリンダヘッドカバー30の省スペースが配慮されるとともに、分岐部材21から放射される異音が低減されるよう設定されている。
さらに、供給通路31の直径がDで形成され、分岐通路33の直径がDで形成され、分岐通路34の直径がDで形成されており、供給通路31の断面積Sは、S=π(D/4、となり、分岐通路33の断面積Sは、S=π(D/4、となり、分岐通路34の断面積Sは、S=π(D/4、となる。
ここで、断面積Sは、S>S、の関係を有するとともに、S>(S+S)、の関係をも有する。
また、排気側通路22bの直径がDで形成され、吸気側通路23bの直径がDで形成されており、排気側通路22bの断面積Sは、S=π(D/4、となり、吸気側通路23bの断面積Sは、S=π(D/4、となる。ここで、断面積Sは、S>S、の関係を有しており、断面積Sは、S>S、の関係を有している。
したがって、断面積S、断面積S、断面積Sは、S>S、および、S>(S+S)、の関係を満たすよう適宜選択される。なお、断面積S、断面積Sは、同じであってもよく、異なっていてもよいが、排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23からほぼ同量のオイルを放出して、排気側および吸気側のカムシャフトを均一に潤滑させるためには、同じであることが好ましい。
この場合、前述のVVTの油圧確保、異物噛込み防止およびオイル飛散量確保などの設定条件の他、ガソリンやディーゼルなどの内燃機関の種類、寒冷地向けや暖地向けなどの車種、本発明の分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造の大きさや形状、オイルの特性などの設定条件により、断面積a、b、cおよびdの大きさが決定され、断面積S、S、SおよびS、直径D、D、DおよびDの大きさが適宜選択される。
次いで、本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20の作用について説明する。
まず、図示しないエンジンが始動すると、このエンジン内のオイルパンに貯留されたオイルが、図2に示すように、オイルポンプ51によりオイル通路48を介して、OCV47に供給され、さらにOCV47で制御された後、VVT46に供給される。また、オイルは、オイル通路48、オイル通路43の順に流通してラッシュアジャスタ44、45に供給されるとともに、オイル導入通路42内に供給される。
図7は、本発明の実施の形態に係る分岐部材21における分岐ポート部32の周辺の拡大断面図である。
図7に示すように、オイル導入通路42内に供給されたオイルは、矢印で示すように、オイル導入通路42に連通しているオイル通路41eに流入し、流量制限通路35でその流量が、下流側の排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23で放出される必要量にまで絞られる。流量制限通路35の断面積S(mm)は、オイル通路41eの断面積に対して縮小されているので、オイルは、流量制限通路35内で、流速が増大し、供給通路31内に流入する。このとき、オイルは、供給通路31の断面積S(mm)が、流量制限通路35の断面積S(mm)よりも拡大されているので、静圧(MPa)が低下するとともに流速(m/sec)が低下する。
このように、オイルの流速が低下するので、分岐ポート部32内に到達したオイルは、そのほとんどが、分岐通路33に速やかに流入するとともに、分岐通路34に速やかに流入し、残りのオイルは、閉塞空間32aの突き当り部分21bで反転し、分岐通路33に流入するとともに、分岐通路34に流入する。
その結果、閉塞空間32aの突き当り部分21bで反転して分岐ポート部32に戻るオイルはごく僅かになっており、分岐ポート部32内での渦流の発生は著しく減少し、分岐ポート部32内でのオイルの圧力変動は著しく減少するので、分岐部材21を含めた構成部品の振動音からなる異音の発生は防止される。
分岐通路33に流入したオイルは、排気側通路22bを流通して図2に示す供給口22aから排気側カムシャフトに向けて放出され、排気側カムシャフトにオイルが供給される。また、分岐通路34に流入したオイルも、吸気側通路23bを流通して図2に示す供給口23aから吸気側カムシャフトに向けて放出され、吸気側カムシャフトにオイルが供給される。
このように、本実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20は、オイルが供給される供給通路31と、供給通路31上の分岐ポート部32で供給通路31から分岐する分岐通路33、34と、を有する分岐部材21を備えており、この分岐部材21が、分岐ポート部32の上流側に形成され供給通路31内に供給されるオイルの流量を制限する流量制限通路35を有し、供給通路31が、分岐通路33、34の断面積Sと断面積Sの和よりも大きな断面積Sを有するとともに、流量制限通路35の断面積Sよりも大きな断面積で構成されているので、以下のような効果が得られる。
また、内燃機関の潤滑構造20は、分岐部材21の上流側にオイル供給源から供給されたオイルの圧力により作動するラッシュアジャスタ44、45と、VVT46と、OCV47からなる油圧機器が設けられるとともに、分岐部材21の下流側にオイルをカムシャフトに供給する排気側シャワーパイプ22と吸気側シャワーパイプ23が設けられ、油圧機器にオイルを供給するオイル通路48を有し、オイル通路48と分岐部材21の流量制限通路35とが連通するとともに、供給通路31の断面積Sがオイル通路48の断面積よりも小さく形成され、各シャワーパイプのそれぞれが分岐部材21の分岐通路33の断面積S、分岐通路34の断面積Sよりもそれぞれ大きな断面積を有する排気側通路22bと吸気側通路23bとを備え、排気側通路22bと吸気側通路23bと分岐部材21の分岐通路33、34とがそれぞれ連通するよう構成されているので、以下のような効果が得られる。
図8および図9を参照して本実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20の効果について説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20のシリンダヘッドカバー近接位置における異音の発生状況を示すグラフであり、分岐角度が180度の場合を示す。図9は、図8と同様のグラフであり、分岐角度が90度の場合を示す。
図8および図9は、横軸に異音の周波数(Hz)、縦軸に音圧レベル(dB)を1目盛10dBで表示したグラフである。図8に示すグラフは、車種Aの車両の運転状態で、本実施の形態におけるシリンダヘッドカバー30から数cm程度離隔した位置に音圧センサを設置し、外部からの雑音を遮断した室内で、周波数およびその周波数における音圧レベルを測定した結果を表示したグラフである。
図9に示すグラフは、車種Bの車両で、車種Aの車両の運転状態とほぼ同様の運転状態で、本実施の形態におけるシリンダヘッドカバー30から車種Aの場合よりも近接した位置に音圧センサを設置し、外部からの雑音を遮断した室内で、周波数およびその周波数における音圧レベルを測定した結果を表示したグラフである。図8および図9においては、実線で表された折れ線は、本実施の形態における異音の測定結果を表しており、点線で表された折れ線は、従来技術において、本実施の形態の測定方法と同様の測定方法で測定した異音の測定結果を表したものである。
図8のグラフから分かるように、分岐角度が180度の場合においては、本実施の形態における異音の音圧レベルのピークは、周波数が2kHzないし3kHzの範囲で、従来技術における異音の音圧レベルのピークに対し約4dB減少している。特に、周波数が3.5kHzないし4kHzの範囲で、本実施の形態における異音の音圧レベルのピークは、従来技術における異音の音圧レベルのピークに対し約14dB減少している。
また、図9のグラフから分かるように、分岐角度が90度の場合においては、本実施の形態におけるシリンダヘッドカバー30から、分岐角度が180度の場合よりも近接した位置に音圧センサを設置している点で、分岐角度が180度の場合よりも、全体的に音圧レベルが高くなっている。この場合、周波数が2.7kHzないし3kHzの範囲で、本実施の形態における異音の音圧レベルのピークは、従来技術における異音の音圧レベルのピークに対し約4dB減少している。
このように、本実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20においては、分岐ポート部32に流入したオイルは、そのほとんどが分岐通路33および分岐通路34に流入し、分岐ポート部32の下流側における供給通路31の突き当り部分21bで反転して分岐ポート部32に戻るオイルの流量が著しく減少する。その結果、分岐ポート部32内のオイルの澱みが少なくなり、渦流が著しく減少し、分岐部材21の上流側の油圧機器50などに影響を与えることなく、異音の放射が防止される。
また、本実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20においては、流量制限通路35によりオイルの流量が制限され、油圧機器にオイルを供給するオイル通路48内のオイルの流量よりも供給通路31のオイルの流量が減少しているので、分岐部材21の上流側に設けられたラッシュアジャスタ44、45、VVT46およびOCV47などの油圧機器50に供給するオイルの圧力や下流側に設けられた排気側シャワーパイプ22、吸気側シャワーパイプ23のオイルの供給量に全く影響することはない。
本実施の形態における分岐部材21においては、切削加工の際に形成される閉塞空間32aを有する場合について説明したが、本発明に係る分岐部材においては、閉塞空間32aを有しないものでもよい。例えば、軽合金などの金属材料を切削加工せずに鋳造することにより、閉塞空間が生じないよう成形してもよく、高い耐熱性および機械的強度を有するプラスチックを射出成形などにより閉塞空間が生じないよう成形してもよい。
また、本実施の形態における内燃機関の潤滑構造20においては、分岐部材ホルダ部41の上面部41aに、挿入口41bを形成し、この挿入口41bに分岐部材21を挿入させて、分岐部材21および分岐部材ホルダ部41を係合する構成について説明したが、本発明に係る分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造においては、分岐部材および分岐部材ホルダ部を他の係合手段により係合させてもよい。例えば、分岐部材ホルダ部の上面部にパッキンを設け、分岐部材の下面部とこのパッキンとが当接するようにして分岐部材および分岐部材ホルダ部を係合させてもよく、分岐部材の下面部に、挿入口を形成し、この挿入口に分岐部材ホルダ部を挿入させて、分岐部材および分岐部材ホルダ部とを係合させるようにしてもよい。
また、本実施の形態における内燃機関の潤滑構造20においては、分岐部材21、排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23をシリンダヘッドカバー30に取り付け、シリンダヘッド40に分岐部材ホルダ部41を形成し、シリンダヘッド40内にオイル導入通路42およびオイル通路43、48を形成し、油圧機器50をシリンダヘッド40に取り付けた場合について説明したが、本発明に係る分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造においては、分岐部材、排気側シャワーパイプ、吸気側シャワーパイプ、第2のオイル通路、第1のオイル通路、シリンダヘッドおよび油圧機器を一体の潤滑構造として構成してもよい。
本実施の形態における内燃機関の潤滑構造20においては、分岐部材21によりオイルを排気側シャワーパイプ22と吸気側シャワーパイプ23とに供給し、排気側シャワーパイプ22および吸気側シャワーパイプ23から排気側カムシャフトおよび吸気側カムシャフトにオイルを供給する場合について説明したが、本発明に係る分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造においては、排気側カムシャフトおよび吸気側カムシャフト以外の他の潤滑部材に供給するよう構成してもよい。
例えば、本発明に係る分岐部材を、内燃機関のクランクシャフトの回転をチェーンでカムシャフトに伝達するチェーン伝達機構を潤滑する潤滑構造に設けてもよい。このチェーン伝達機構においては、オイル供給源から供給されるオイルを、分岐部材により分岐させて、一方をチェーンを駆動させるクランクスプロケットに供給し、他方をポンプなどの補機を駆動させる補機用スプロケットに供給し、単一のオイル供給源から複数の潤滑部材に供給するようにしてもよい。
また、本実施の形態における分岐部材21を内燃機関の潤滑構造20に適用する場合について説明したが、本発明に係る分岐部材を内燃機関以外の潤滑構造に適用してもよい。例えば、工作機械、建設機械などの産業機器、計測機器などの内燃機関以外の潤滑構造に適用してもよい。
次いで、本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20の変形例について、図10(a)、(b)ないし図13を参照して説明する。
図10は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20のオリフィス53を示し、図10(a)は、平面図であり、図10(b)は、側面図である。また、図11は、流量制限部材36の代わりに、分岐部材ホルダ部41にオリフィス53を設けた場合の分岐部材21および分岐部材ホルダ部41の断面図である。また、図12は、内燃機関の潤滑構造20のオリフィス54を示し、図12(a)は、平面図であり、図12(b)は、側面図であり、図13は、流量制限部材36の代わりに、分岐部材21にオリフィス54を設けた場合の分岐部材21および分岐部材ホルダ部41の断面図である。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造20においては、流量制限通路35を流量制限部材36により構成した場合について説明したが、本発明に係る分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造においては、流量制限通路をオリフィスで構成してもよい。例えば、図10に示すように、円形の断面を有するとともに、中央部に開口53aを有し、周囲部53bが突出したオリフィス53を形成し、開口53aを流量制限通路として構成してもよい。
図11に示すように、このオリフィス53を、その上面53cと底面21cとを当接させて、上面53cと分岐部材21の底面21cとがほぼ同一平面になるよう、分岐部材ホルダ部41のオイル通路41e内に、圧入などの結合手段により装着するようにしてもよい。この場合、開口53aの断面積は、オイル通路41eの断面積に対して小さく形成されているので、オイルは、開口53a内で、流速が増大し、供給通路31内に流入する。このとき、オイルは、供給通路31の断面積Sが、開口53aの断面積Sよりも大きく形成されているので、静圧(MPa)が低下するとともに流速(m/sec)が低下する。
また、図12に示すように、円形の断面を有するとともに、中央部に開口54aを有し、厚みtを有するオリフィス54を形成し、開口54aを流量制限通路として構成してもよい。図13に示すように、このオリフィス54を、その底面54bと底面21cとがほぼ同一平面になるよう、分岐部材21の供給通路31内に、圧入などの結合手段により装着するようにしてもよい。この場合も、このオリフィス53と同様に、開口54aの断面積は、オイル通路41eの断面積に対して小さく形成されているので、オイルは、開口54a内で、流速が増大し、供給通路31内に流入する。
このとき、オイルは、供給通路31の断面積が、開口54aの断面積よりも大きく形成されているので、静圧(MPa)が低下するとともに流速(m/sec)が低下する。また、オリフィス54においては、厚みtを調整することにより、開口54aを流通するオイルの流量を調節することができる。
以上説明したように、本発明によれば、流量制限通路で供給通路内に流入するオイルの流量が絞られるので、分岐ポート部の下流側における供給通路の突き当り部分で反転して分岐ポート部に戻るオイルの流量が著しく減少し、分岐ポート部内でオイルの澱みが少なくなり、発生する渦流が著しく減少する。その結果、分岐部材の上流側の油圧機器などに影響を与えることなく、異音が潤滑構造の構成部品などから放射されるのを防止することができるという効果を奏し、広く分岐部材および分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造全般に有用である。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造が設けられたシリンダヘッドカバーをその内側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造の斜視図および油圧機器の構成図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造における分岐部材および分岐部材ホルダ部の分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造における分岐部材の上面図である。 図5は、図4のA−A断面を示す断面図である。 図6は、図5のB−B断面を示す断面図であり、図6(a)は、排気側の分岐通路の軸線と吸気側の分岐通路の軸線とのなす分岐角度θが180度で形成された分岐部材を示し、図6(b)は、分岐角度θが90度で形成された分岐部材を示している。 本発明の実施の形態に係る分岐部材における分岐ポート部の周辺の拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造のシリンダヘッドカバー近接位置における異音の発生状況を示すグラフであり、分岐角度が180度の場合を示す。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造のシリンダヘッドカバー近接位置における異音の発生状況を示すグラフであり、分岐角度が90度の場合を示す。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造のオリフィスを示し、図10(a)は、平面図であり、図10(b)は、側面図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造の流量制限部材の代わりに、分岐部材ホルダ部にオリフィスを設けた場合の分岐部材および分岐部材ホルダ部の断面図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造の他のオリフィスを示し、図12(a)は、平面図であり、図12(b)は、側面図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造の流量制限部材の代わりに、分岐部材に他のオリフィスを設けた場合の分岐部材および分岐部材ホルダ部の断面図である。 従来の内燃機関の潤滑構造の断面図であり、図14(a)は、シリンダヘッドカバーの分岐部材を構成する導入パイプと環状パイプとの連結部分の部分断面図を示し、図14(b)は、図14(a)の部分拡大断面図であり、図14(c)は、分岐ポート部、吸気側分岐通路および排気側分岐通路が、切削加工により形成された分岐部材の部分拡大断面図である。
符号の説明
20 内燃機関の潤滑構造
21 分岐部材
21a 外側面部
21b 突き当り部分
22 排気側シャワーパイプ
22a、23a 供給口
22b 排気側通路(第1のオイル通路)
23 吸気側シャワーパイプ
23b 吸気側通路(第1のオイル通路)
30 シリンダヘッドカバー
31 供給通路
32 分岐ポート部
32a 閉塞空間
33、34 分岐通路
35 流量制限通路
36 流量制限部材
40 シリンダヘッド
41 分岐部材ホルダ部
41a 上面部
41b 挿入口
41c 溝
41d 底面
41e オイル通路(第2のオイル通路)
42 オイル導入通路(第2のオイル通路)
43、48 オイル通路(第2のオイル通路)
50 油圧機器
53、54 オリフィス
53a、54a 開口

Claims (1)

  1. オイルが供給される供給通路と、前記供給通路上の分岐ポート部で前記供給通路から分岐する複数の分岐通路と、を有する分岐部材を備えた内燃機関の潤滑構造において、
    前記分岐部材が、前記分岐ポート部の上流側に形成され前記供給通路内に供給されるオイルの流量を制限する流量制限通路を有し、前記一対の分岐通路の各軸線がなす分岐角度が略180度で形成され、前記供給通路が、前記一対の分岐通路の断面積の総和よりも大きな断面積を有するとともに、前記流量制限通路の断面積よりも大きな断面積を有し、
    前記分岐部材の上流側にオイル供給源から供給されたオイルの圧力により作動する油圧機器が設けられるとともに、前記分岐部材の下流側に前記オイルをカムシャフトに供給する第1のオイル通路を有する複数のシャワーパイプが設けられ、
    前記油圧機器にオイルを供給する第2のオイル通路を有し、前記第2のオイル通路と前記分岐部材の前記流量制限通路とが連通するとともに、前記第1のオイル通路と前記分岐部材の前記分岐通路とが連通することを特徴とする内燃機関の潤滑構造。
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