JP5082879B2 - 鍵盤装置用の黒鍵及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂で構成される鍵盤装置用の黒鍵及びその製造方法に関する。
従来、鍵盤装置の鍵に、木材を使用して、高級感を与えたものがある。しかし、天然木材は高価で、形状加工、塗装等の加工工程が複雑であるだけでなく、温度や湿度等の環境変化を考慮した高い精度の製造が要求され、製造コストが高い。木材と樹脂を組み合わせた鍵もあるが、同様の問題がある。
そこで、鍵を樹脂のみで構成し、例えば、黒鍵の場合は、金型による成形の際に、天面や側面等にシボ加工を施して、光沢のない木製黒鍵の風合いを得るものが開発されている。
また、下記特許文献1に示されるように、スプルース等でなる鍵ベース体の上面に樹脂でなる下カバーを取り付け、この下カバーの上面に柾目状または年輪状の凹凸を形成し、さらに、下カバーの上面に白色系透明等の上カバーを一体に溶着し、象牙感を模した鍵が知られている。
実公昭61−9434号公報
しかしながら、木目模様を樹脂の金型成形で多数の溝として形成すると、木目模様が画一的となる。しかも、多数の種類の凹凸パターンの溝を設けるとすれば、コスト上昇に繋がる。
また、金型の溝部が成形品に転写されるので、鋭角な溝形状を採用すると、金型の溝部が摩耗しやすく、金型の寿命が短くなる。そのため、成形品の溝は、設計上、平滑的なものとなり、天然の木目とは異なった不自然なものとなってしまう。
特に、黒鍵においては、非押鍵状態の白鍵の上面より上方において側面の上半部が露出し、上面と共に外観となって現れる。ところが、黒鍵の上面と側面の双方に、金型による成形の際に長手方向に沿った溝を形成しようとすると、アンダーカットとなる部分が生じるため、スライドコア等を使用する必要がある。そのため、上面と側面の双方に統制のとれた溝を低コストで形成するのは困難である。しかも、スライドコアを使用すると、金型同士の合わせ面に対応する線が外観に現れてしまい、やはり不自然となる。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、低コストで、自然な木目調を模した外観にすることができる鍵盤装置用の黒鍵及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の黒鍵は、樹脂で構成される鍵盤装置用の黒鍵(10)であって、少なくとも、非押鍵状態において外観となって現れる上面(12d)及び側面(12a、12b)に、鍵長手方向に沿った複数の不規則な溝が形成され、前記溝が形成された面の算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内であり、且つ、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内であることを特徴とする。
好ましくは、前記溝が形成された面に対して、油性塗料が塗布される(請求項2)。好ましくは、少なくとも、非押鍵状態において外観となって現れる前面(12c)に、木の導管の端面に相当する凹凸模様が形成されている(請求項3)。
上記目的を達成するために本発明の請求項4の黒鍵の製造方法は、鍵盤装置用の黒鍵の製造方法であって、樹脂を成形して黒鍵の外郭形状を有する成形品を製造する成形工程と、前記成形品の面のうち、少なくとも、非押鍵状態において外観となって現れる上面及び側面に対して、番手が60〜120番の範囲内のサンドペーパにて鍵長手方向に沿って削り加工することで複数の不規則な溝を形成する溝形成工程とを有し、前記溝形成工程では、前記溝が形成された面の算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内となり、且つ、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内となるように加工することを特徴とする。
好ましくは、前記溝形成工程では、番手が60〜120番の範囲内のサンドペーパにて鍵長手方向に沿って削り加工した後に、該サンドペーパより番手が細かいサンドペーパにて鍵長手方向に沿ってさらに削り加工することで前記複数の不規則な溝を形成し、該溝が形成された面の算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内となり、且つ、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内となるようにする(請求項5)。
好ましくは、前記溝形成工程により前記溝が形成された面に対して、研磨布による研磨仕上げを施す研磨工程をさらに有する(請求項6)。
好ましくは、前記成形工程では、前記成形品の、前記黒鍵の前面に相当する面に対して、木の導管の端面に相当する凹凸模様を、外郭形状の形成と同時に形成する(請求項7)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、低コストで、自然な木目調を模した外観にすることができる。
請求項2によれば、溝を削り加工で形成した場合における表面の白色化を改善することができる。
請求項3によれば、前面を木材の端面に模し、自然な木目調の外観にすることができる。
本発明の請求項4によれば、簡単な製造工程にて、低コストで、樹脂成形だけでは困難な自然な木目調を模した外観にすることができる。
請求項5によれば、外観を自然な木目調に一層近づけることができる。
請求項6によれば、表面を僅かに平滑化して演奏性を向上させることができる。
請求項7によれば、工程を複雑化させることなく、前面を木材の端面に模し、自然な木目調の外観にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の一実施の形態に係る鍵盤装置用の黒鍵の斜視図である。図1(b)は同黒鍵の正面図、図1(c)は同黒鍵の右側面図である。
この黒鍵10は、AS(アクリロニトリルスチレン)樹脂をベースとした吸湿性のある樹脂でなり、金型による射出成形で一体に形成される。黒鍵10は、不図示の白鍵と共に、複数が電子鍵盤楽器等における鍵盤装置に配設され、演奏において各々押下操作される。黒鍵10において、演奏時における奏者側(図1(c)の左側)を前側とし、左右方向については、奏者からみた方向を用いる。
黒鍵10は、鍵本体部11と、キートップ部12と、垂下部13と、アクチュエータ14とを備える。垂下部13は、鍵本体部11の前部下部に設けられ、鍵盤装置の不図示の質量体(押鍵時の質量感を与えるもの)と当接して、該質量体を駆動するための駆動部として機能する。アクチュエータ14は、鍵本体部11の長手方向中央の下部に設けられ、鍵盤装置の不図示の押鍵スイッチを押圧する。これら垂下部13及びアクチュエータ14は、鍵としての機能を果たす鍵機能部であり、キートップ部12と共に、鍵本体部11と一体に形成される。
黒鍵10のうち、鍵盤装置に配設されたとき、非押鍵状態の白鍵の上面よりも上方に露出する部分が、キートップ部12である。従って、非押鍵状態においては、鍵本体部11の左側面11a、右側面11b、前面11cは、外観として視認されないが、キートップ部12の左側面12a、右側面12b、前面12c、押鍵面である上面12dは外観となって視認され、後面12eも視認され得る。
黒鍵10は、次のようにして製造される。まず、上述のように、金型による射出成形で、黒鍵の外郭形状を有する成形品を得る。次に、この成形品のうち、左側面12a、右側面12b及び上面12dに対して、番手が60〜120番の範囲内のサンドペーパ(図示せず)にて鍵長手方向に沿って削り加工する。この作業は、手作業で行うことができる。サンドペーパを用いるので、切削加工といえる。なお、手作業に限られず、例えば、ベルト状のサンドペーパを機械で常時回転させ、黒鍵10の加工する面をサンドペーパに押し当てるやり方でもよい。その場合は、凹凸の長さや深さを、押し当ての強さや時間で調節する。
本実施の形態の黒鍵10を実現する上で、サンドペーパの番手を各種試し、研磨布による研磨仕上げを追加することも試した。さらに、一部でサンドペーパの2度がけも試した。その結果、後述する一定の条件によれば、完成品において、左側面12a、右側面12b及び上面12dに、鍵長手方向に沿った複数の不規則な断面V字状の溝を形成することができた。しかも、その面を鍵長手方向に垂直な方向に沿って粗さを測定したとき、算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内となり、且つ、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内とするのが、自然な木目調に最も近いことを突き止めた。
図2(a)は、各種材料で構成した部材表面の算術平均粗さRa、最大高さRy、溝の凹凸の平均間隔を測定した結果を示す図である。図2(b)は、上記したAS樹脂で成形した黒鍵10の天面(上面12d)に対する、サンドペーパの1度がけ、2度がけ、ベルダーによる研磨仕上げの組み合わせによる加工態様を示す図である。図2(c)は、各加工態様による黒鍵10の天面(上面12d)の算術平均粗さRa、最大高さRy、溝の凹凸の平均間隔を測定した結果を示す図である。ここで、凹凸の平均間隔は、JIS規格における凹凸の平均間隔sm(単位mm)であって、多数の凹凸の間隔の算術平均である。
図2(a)に示す、各種材料のうち、材料C(第1木材=ポプラ)、材料D(第2木材=メラピー)は、木質感に限って言えば理想的な表面を有するため、目標とする部材として測定対象とした。材料F、G、H(第1〜第3樹脂)は、従来、黒鍵に採用されたことのある樹脂材料であり、金型のシボ加工により木目調の模様が施された樹脂サンプル板である。材料I(黒檀)も、従来の黒鍵に採用されており、理想的な木質感を有する。材料A(パーティクルボード)、材料B(合板)は、比較参考のために測定した。
図2(b)に示すように、態様1〜5は、削り加工を、それぞれ、番手が#80、#120、#80強、#40、#60のサンドペーパで行ったものである。態様2については、さらに、2度目の削り加工を、番手が#400のサンドペーパで行ったものである。態様1、3〜5は、サンドペーパは1回だけで、その後、仕上げ加工として、ベルダー320による研磨仕上げを施した。態様2は、2度目のサンドペーパ掛けの後に、同研磨仕上げを施した。態様2〜5は、いずれも、研磨仕上げの後に、油性塗料、例えば、油性ウレタンを塗布(オイルフィニッシュ)した。この例では、油性ウレタンとして、「BASFコーティングジャパン製のクリヤーMXR−5、No.1200」を使用した。態様1では、油性塗料の塗布を行わなかった。各態様についてサンプル数を2とし、図2(c)において、各サンプルをハイフン「−1」または「−2」で区別した。
図3及び図4は、面粗さの測定データを示す図である。図3(a)〜(d)が、態様2−1、2−2、1−1、材料Cのデータ、図4(a)〜(e)が、材料D、F、G、H、Iのデータである。これらのデータは、形成されている溝に垂直な方向に沿って(黒鍵10においては上面12dを幅方向に)測定して得たものであり、測定距離は5.6mm、縦軸の単位はμmである。また、図2(a)、(c)において、算術平均粗さRa、最大高さRyの算出に用いた基準長さlは0.8mm、評価長さlnは4mmである。
まず、各種材料について考察すると、金型のシボ加工により木目調の模様が施された材料G、Hについては、溝形状がV字状に鋭利でなく平滑的で、溝の凹凸の周期も比較的大きく(図4(c)、(d)参照)、算術平均粗さRa、最大高さRyの値も大きい(図2(a)参照)。金型のシボ加工により木目調の模様が施された材料Fについては、溝形状が多少V字状ではあるが、溝の谷の先端が丸まっており(図4(b)参照)、最大高さRyの値も大きい(図2(a)参照)。
一方、木材である材料C、Dについては、うねりの上に細かい(高周波の)V字状の溝が形成され、凹凸の周期もランダムである(図3(d)、図4(a))。比較的木質感のある材料Iについては、塗装仕上げをしているために、データ上は溝が細かくないが、塗装前はV字状の細かい溝が形成されているものと推測される。
態様2−1、2−2、1−1については、溝形状は、材料F、G、Hに比べれば、材料C、Dに近いものとなっている(図3(a)〜(c))。すなわち、樹脂成形では困難なV字状の細かく鋭利な溝が形成され、溝の凹凸の周期もランダムで大小入り混ざっている。特にサンドペーパで2度掛けをした態様2においては、うねり上に高周波成分が形成されている(図3(a)、(b))。
目視による木質感が確保される上下の限界を検討した結果、算術平均粗さRaについては、態様2−2における0.52μm(図2(c))よりも滑らかだと、いかにも樹脂のように見えて木質感が薄れ、一方、材料Fにおける4.04μm(図2(a))より粗いと、ざらざら感が強くなりすぎて自然な木質感が薄くなることが判明した。これから、算術平均粗さRaは0.52〜4.00μmの範囲内が良いと判断した。
一方、最大高さRyについては、態様2−2における2.69μm(図2(c))よりも小さいと木質感が薄くなり、態様1−1における13.88μm(図2(c))を超えると木質感が薄くなることが判明した。これから、最大高さRyは2.7〜13.8μmの範囲内が良いと判断した。
上記の結果、態様1〜5のうち、最も安定して良好であるのは態様2である。溝の凹凸間隔(溝の隣接する凸と凸との間隔)も、150μm以上で、木材C、Dのものに近い。特に、サンドペーパの2度掛けによって、うねりの上に高周波成分が形成されて、一層木質らしくなる。態様3〜5では、サンドペーパの掛け方によって、樹脂が溶解して面粗さにばらつきが出たと考えられ、適切な掛け方を確立すれば採用可能である。
以上を考慮し、黒鍵10の製造において、1回目の削り加工に用いるサンドペーパに採用する番手は、安全を見て#60〜120番とする。また、2度掛けする場合は、そのサンドペーパに採用する番手は、1回目のサンドペーパよりも細かい番手とし、例えば、#400番とする。
ところで、油性ウレタンを塗布するのは、溝を削り加工で形成した場合に溝の谷の頂点等が白化し、表面全体が白くみえる場合があるため、それを改善するためである。また、ベルダー320による研磨仕上げを行うのは、表面を僅かに平滑化して演奏性を向上させるためである。従って、これら油性ウレタンの塗布及び研磨仕上げは、面粗さを上記範囲内にする上で必須ではない。
このように、態様2で製造された黒鍵10は、キートップ部12の左側面12a、右側面12b及び上面12dに、鍵長手方向に沿った複数の不規則な溝が形成され、それらの面の算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内であり、且つ、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内である。左側面12a、右側面12b及び上面12dのいずれに対しても、同様の作業で溝を形成するので、統制のとれたものとなって、1つの木材から作成した鍵のように自然に見える。
ところで、前面12cについては、サンドペーパ等による削り加工をする代わりに、射出成形において、木の導管(木目)の端面に相当する凹凸模様を形成可能である。その場合、金型に設けた導管の端面形状を転写することで導管端面の凹凸模様を形成する。この凹凸の形状、間隔、大きさは、左側面12a、右側面12b及び上面12dに形成した溝を導管とみなしたときにそれに相応するようなものとする。これにより、前面12cが木材の端面に似て、キートップ部12全体がリアルで自然な木目調の外観になる。導管端面の凹凸模様は、黒鍵10の外郭形状の形成と同時に形成されるので、製造工程が複雑化することもない。
本実施の形態によれば、黒鍵10の、非押鍵状態において外観となって現れる左側面12a、右側面12b及び上面12dに、算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内で、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内の鍵長手方向に沿った複数の不規則な溝が形成された。これにより、木材を用いることに比し低コストでありながら、黒鍵10の外観を自然な木目調を模した外観にすることができる。特に、上記不規則な溝は、成形品に対して、サンドペーパにて鍵長手方向に沿って削り加工することで形成するので、製造工程が簡単であるだけでなく、溝の深さ、長さ、形状が黒鍵10毎に異なり、鍵盤全体で見たとき、不自然さがない。
しかも、黒鍵10の射出成形工程において、前面12cに、木の導管の端面に相当する凹凸模様を形成したので、工程を複雑化することなく、前面を木材の端面に模し、自然な木目調の外観にすることができる。特に、前面12cは傾斜しているので、金型の抜き勾配がつけやすく、成形工程上の困難が少ない。
また、溝が形成された面に対して、研磨布による研磨仕上げを施すので、表面を僅かに平滑化して演奏性を向上させることができる。
さらに、溝が形成された面に油性塗料が塗布されたので、削り加工による表面の白色化を改善することができる。
また、態様2においては、1回目の削り加工で用いたサンドペーパより番手が細かいサンドペーパにて2度掛けするので、外観を自然な木目調に一層近づけることができる。
また、溝を削り加工により形成するので、溝の凹凸で演奏者の発汗が溜まり、表面での滑りが抑制される。さらに、黒鍵10のベースに吸湿性のある樹脂を用いたので、発汗による滑りを一層抑制して演奏性を向上させることができる。なお、吸湿性のある樹脂としては、AS樹脂ベースのものに限られず、人工象牙として採用される樹脂でもよい。また、木質感を与える観点からは、樹脂の種類は問わず、吸湿性のある樹脂を用いることも必須でない。
なお、上記算術平均粗さRa及び最大高さRyの目標範囲は、試作により検証された、木質感が保証される範囲であるが、余裕を持ったものでもあるので、これらの範囲から少し外れても、木質感が全くなくなるわけではない。
なお、サンドペーパ掛けによる溝形成は、キートップ部12の左側面12a、右側面12b及び上面12dだけに対して行ったが、黒鍵10において、非押鍵状態において外観となって現れない面(鍵本体部11の左側面11a、右側面11b、前面11c)についても行ってもよい。通常、一部だけをサンドペーパ掛けするには、マスキングを行うが、外観となって現れない面についてもサンドペーパ掛けを行うようにすれば、マスキングに伴う作業やコストを削減することができる。また、後面12eについても、前面12cと同様に、射出成形工程において、木の導管の端面に相当する凹凸模様を形成してもよい。
本発明の一実施の形態に係る鍵盤装置用の黒鍵の斜視図(図(a))、正面図(図(b))、右側面図(図(c))である。 各種材料で構成した部材表面の算術平均粗さ、最大高さ、溝の凹凸の平均間隔を測定した結果を示す図(図(a))、AS樹脂で成形した黒鍵の天面に対する、サンドペーパの1度がけ、2度がけ、ベルダーによる研磨仕上げの組み合わせによる加工態様を示す図(図(b))、各加工態様による黒鍵の天面の算術平均粗さ、最大高さ、溝の凹凸の平均間隔を測定した結果を示す図(図(c))である。 各態様及び各材料の面粗さの測定データを示す図である。 各材料の面粗さの測定データを示す図である。
符号の説明
10 黒鍵、 12 キートップ部、 12a 左側面、 12b 右側面、 12c 前面、 12d 上面

Claims (7)

  1. 樹脂で構成される鍵盤装置用の黒鍵であって、
    少なくとも、非押鍵状態において外観となって現れる上面及び側面に、鍵長手方向に沿った複数の不規則な溝が形成され、
    前記溝が形成された面の算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内であり、且つ、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内であることを特徴とする黒鍵。
  2. 前記溝が形成された面に対して、油性塗料が塗布されたことを特徴とする請求項1記載の黒鍵。
  3. 少なくとも、非押鍵状態において外観となって現れる前面に、木の導管の端面に相当する凹凸模様が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の黒鍵。
  4. 鍵盤装置用の黒鍵の製造方法であって、
    樹脂を成形して黒鍵の外郭形状を有する成形品を製造する成形工程と、
    前記成形品の面のうち、少なくとも、非押鍵状態において外観となって現れる上面及び側面に対して、番手が60〜120番の範囲内のサンドペーパにて鍵長手方向に沿って削り加工することで複数の不規則な溝を形成する溝形成工程とを有し、
    前記溝形成工程では、前記溝が形成された面の算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内となり、且つ、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内となるように加工することを特徴とする黒鍵の製造方法。
  5. 前記溝形成工程では、番手が60〜120番の範囲内のサンドペーパにて鍵長手方向に沿って削り加工した後に、該サンドペーパより番手が細かいサンドペーパにて鍵長手方向に沿ってさらに削り加工することで前記複数の不規則な溝を形成し、該溝が形成された面の算術平均粗さRaが0.52〜4.00μmの範囲内となり、且つ、最大高さRyが2.7〜13.8μmの範囲内となるようにすることを特徴とする請求項4記載の黒鍵の製造方法。
  6. 前記溝形成工程により前記溝が形成された面に対して、研磨布による研磨仕上げを施す研磨工程をさらに有することを特徴とする請求項5記載の黒鍵の製造方法。
  7. 前記成形工程では、前記成形品の、前記黒鍵の前面に相当する面に対して、木の導管の端面に相当する凹凸模様を、外郭形状の形成と同時に形成することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の黒鍵の製造方法。
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