JP5082157B2 - 亜鉛の鋳造装置及び鋳造方法、並びに亜鉛棒及び亜鉛棒の製造方法 - Google Patents

亜鉛の鋳造装置及び鋳造方法、並びに亜鉛棒及び亜鉛棒の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、亜鉛の鋳造装置及び鋳造方法、並びに亜鉛棒及び亜鉛棒の製造方法に関する。
亜鉛は、電気的に卑な元素であることから、様々な産業において利用されており、亜鉛を板、粒状などの基本的な形状に加工した1次加工品を、さらに多種の形状に2次加工し、それぞれの産業に適した形状、組成にして利用されている。従来の亜鉛部品や亜鉛線の製造方法としては、型に溶湯亜鉛を流し込み、凝固させる方法、ビレットから熱間加工で亜鉛を押出す方法がとられていたが、高コストであり、且つ生産性が悪く、高密度の亜鉛部品を作成することができなかった。
また、亜鉛を棒状に連続鋳造する技術は開発されず、開示もされてこなかった。亜鉛ではなく、金属カドミウムを連続鋳造する技術は、特許文献1に開示されている。この連続鋳造技術では、金属カドミウムの溶湯から、丸棒状のカドミニウムの鋳造ロッドを引き抜き、そのカドミニウムの鋳造ロッドを切断加工している。
特許文献2には、亜鉛ではなく、亜鉛とアルミニウムの合金線の連続鋳造方法が開示されている。特許文献2の鋳造技術では、亜鉛に添加するアルミニウムの添加量を調整することによって、合金線の引張り強度、伸び率を向上させて連続鋳造を可能にしている。
特開2000−153343号公報 特開2002−20826号公報
特許文献1に記載の鋳造技術を用いて亜鉛を棒状に連続鋳造する場合、亜鉛はカドミウムよりも反応性が高く、連続鋳造装置の溶湯容器(即ち、炉)と鋳型部との間の中継部分に鉄(Fe)等の金属を用いると合金化して、Feが溶解して亜鉛溶湯が漏れ出してしまうため、溶湯容器と鋳型部との間の中継部分にセラミックスのスリーブを用いる必要がある。
しかしながら、亜鉛の融点は419℃であり、カドミニウムの融点320.9度よりも100℃近く高いため、亜鉛を最適な温度状態で連続鋳造しようとすると、溶湯容器から鋳型部に溶融亜鉛を中継する部分が、溶湯容器側からの加熱と、鋳型部側からの冷却とを両方を受けることにより、高温で且つ大きな温度差による熱衝撃で破損し、亜鉛の溶湯が漏出してしまう事態が多々発生した。また、中継する部分に連通して溶湯容器を貫通する開口部内での溶融亜鉛の流動性が悪い場合にも、流動性の悪い溶融亜鉛(一部凝固している場合もある)が中継する部分を通過する際に、中継する部分に大きな応力をかけて破損させてしまっていた。これらの破損は、溶湯容器から鋳型部に溶融亜鉛を中継する部分に単純にセラミックスのスリーブを採用するだけでは、防止することができず、亜鉛の連続鋳造を行う際に適切な温度状態を作り出すことが非常に困難であった。
また、仮に亜鉛を最適な温度状態に設定して連続鋳造できたとしても、亜鉛の溶湯を溶湯容器から鋳型部に進行させながら冷却して連続鋳造する際のその他の最適な鋳造条件が分かっていないため、高品質の亜鉛棒を製造することは不可能であった。例えば、冷却により凝固した亜鉛棒を鋳型部から引抜く速度が速すぎると、鋳型部内で溶融亜鉛が凝固する際の収縮分の容積補充が間に合わず、凝固した亜鉛の外面又は内部に巣が生じ、製造される亜鉛棒は不均質であるうえに低密度且つ低純度という極めて劣悪な品質になってしまう。最悪の場合には、溶融亜鉛が鋳型部の前方から漏出してしまう恐れすらある。
さらに、溶融亜鉛を適切に連続鋳造するためには、亜鉛棒を引抜く速度だけではなく、鋳型部に供給される溶融亜鉛に関しても適切な条件を設定することが必要であるが、従来公知の鋳造技術ではこのような条件が分かっていなかった。
特許文献2に記載の鋳造技術では、亜鉛にアルミニウムを添加することによってFeとの反応性を抑制し、上述したように溶湯容器と鋳型部との間の中継部分に生じる溶湯亜鉛の漏出問題を回避することが可能である。しかしながら、この鋳造技術は、加工性の高い亜鉛−アルミニウム合金を対象としたものであり、純度の高い亜鉛から亜鉛棒を鋳造する場合には、純度の高い亜鉛の引張り強度、伸び率の低さが問題となってそのまま適用することができなかった。
以上のことから、従来公知の鋳造技術では、密度が7.1g/cm、純度が99.9%以上の高品質の亜鉛棒を製造することは非常に難しかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、亜鉛を棒状に連続鋳造する際に、最適な温度状態で行うことをその目的とする。さらに、亜鉛の連続鋳造によって従来よりも高品質の亜鉛棒を製造することを目的とする。
本発明者らが、種々研究した結果、容器に充填された亜鉛溶湯を鋳造する際に、その熱効率を上げるためには、容器の内側に断熱材を設置することが好ましく、その断熱材は単一でもよいが、図2に示すように、複数の特性の異なる材料を使用することによって、さらに熱効率を上げて、容器の耐久性を向上させることができることが分かった。また、溶融亜鉛は湯流れ性が良いため、溶融亜鉛と反応しない、例えばセラミックス接着剤等で断熱材間を封止することが好ましいことが分かった。
また、亜鉛を連続鋳造して亜鉛棒を製造する際に、容器内に充填される溶融亜鉛の液量を調整する等して、容器を貫通する開口部を介して鋳型部に供給される溶融亜鉛の湯面の高さを開口部から上方に250mm以上に設定すると共に、鋳型部で冷却により凝固した亜鉛を例えばピンチロール等を用いて9mm/sec以下の後述する平均引抜き速度で引抜くことによって、最適な連続鋳造を行うことができ、高品質の亜鉛棒が製造できることが分かった。特に、凝固した亜鉛を鋳型部から引抜く際に引抜きを断続的に行う場合には、各引抜き動作の間に充分な停止時間を設定することによって高品質の亜鉛棒が製造できることが分かった。具体的には、所定時間(以下、引抜き時間と呼ぶ)の引抜き動作と所定時間(以下、停止時間と呼ぶ)の停止動作とが交互に繰返される亜鉛棒の引抜きサイクルにおいて、引抜き時間、停止時間を設定する場合には、引抜き距離に対して亜鉛溶湯が充分凝固する停止時間を設定することが好ましい。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。即ち、溶融亜鉛を充填させる容器と、前記容器を貫通する開口部と、前記容器の外側において前記開口部に連通して設けられた、溶融亜鉛を凝固温度以下まで冷却させる鋳型部とを有し、前記開口部と前記鋳型部との間に、亜鉛との濡れ性が低く熱衝撃に強いセラミックスからなる第1の断熱材で形成されたスリーブと、亜鉛との濡れ性が低く断熱性が高く、且つ前記第1の断熱材とは特性が異なるセラミックスファイバーを含んだ第2の断熱材で形成されたスリーブを前記容器側から順に設けたことを特徴とする、亜鉛の鋳造装置が提供される。
上記亜鉛の鋳造装置において、前記開口部を水平方向に伸びる単一のスリット形状に構成し、前記鋳型部を、前記開口部に各々連通し前記開口部の長手方向に沿って複数箇所並んで設けてもよい。
上記亜鉛の鋳造装置において、前記容器は、前記開口部から上方に250mm以上の高さまで溶融亜鉛を充填可能であってもよい。
また、本発明によれば、上記の亜鉛の鋳造装置で鋳造した亜鉛棒であって、密度が7.1g/cmであり、純度が99.9%以上であることを特徴とする、亜鉛棒が提供される。
また、本発明によれば、上記の亜鉛の鋳造装置を用いて、前記容器内の溶融亜鉛を、前記開口部を介して前記鋳型部に進行させながら冷却する連続鋳造により亜鉛棒を製造する方法であって、前記容器内の溶融亜鉛の湯面の高さを前記開口部から上方に250mm以上とし、冷却により凝固した亜鉛を前記鋳型部から9mm/sec以下の平均引抜き速度で引抜くことを特徴とする、亜鉛棒の製造方法が提供される。
上記亜鉛棒の製造方法において、前記開口部内の溶融亜鉛の温度が530℃以上であってもよい。
上記亜鉛棒の製造方法において、前記凝固した亜鉛を前記鋳型部から引抜く際に断続的に引抜くようにしてもよい。
本発明によれば、亜鉛を棒状に連続鋳造する際に、溶湯容器と鋳型部との間の部分に加わる大きな温度差による熱衝撃を低減し、その破損を防止することによって、最適な温度状態で連続鋳造を行うことができる。また、密度が7.1g/cmであり、純度が99.9%以上である高品質の亜鉛棒の製造が可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明をする。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る亜鉛の連続鋳造装置2を備えた、亜鉛棒の製造装置1の構成図である。図1に示すように、製造装置1は、溶融亜鉛Lから亜鉛棒Sを連続鋳造する連続鋳造装置2の下流に、連続鋳造装置2で鋳造された亜鉛棒Sを切断する切断機14が設けられた構成を有する。なお、図1中では、処理される溶融亜鉛L(亜鉛棒S)が水平方向に左から右に進行する。切断機14の下流には、切断した亜鉛棒Sを(図1の紙面に垂直に、手前から奥に向かう方向に)搬出する搬出台4が配置されている。本実施の形態では、連続鋳造装置2、切断機14及び搬出台4は、支持台5の上に設置されている。
連続鋳造装置2は、溶湯としての溶融亜鉛Lが充填された溶湯容器10と、この溶湯容器10の低位置に設けられ、溶湯容器10から排出された溶融亜鉛Lを冷却して亜鉛棒Sに鋳造する鋳型部11と、鋳型部11から排出された亜鉛棒Sを案内する搬送テーブル12と、亜鉛棒Sを水平方向に案内し、鋳型部11から引抜くピンチロール13とが、水平方向に順に(図1中、左から右に)配置された構成を有する。
溶湯容器10は、図1に示すように、上面が開放された直方体形状をしている。溶湯容器10の上部には、亜鉛の電気炉(図示せず)が設置され、この電気炉から溶融亜鉛Lが補充され、レーザーを用いた湯面調整装置(図示せず)によって、湯面の高さが所定の高さ(例えば、300mm)以上に保持されるように構成されている。なお、湯面の所定の高さは、溶湯容器10に設けられた後述の開口部31から上方に250mm以上の値に設定されている。湯面の高さは、溶湯圧(単位はmmH)とも呼ばれる。本実施の形態では、溶湯容器10は、内部の溶融亜鉛Lを加熱可能なバーナ(図示せず)を備えており、内部に充填された溶融亜鉛Lを500℃以上に加熱及び恒温保持できるようになっている。また、溶湯容器10は、内部の溶融亜鉛Lを撹拌可能な撹拌装置(図示せず)を備えている。
図2は、溶湯容器10の切断機14側の外側面の低位置に設けられた鋳型部11と、溶湯容器10の内部の一部との鉛直方向の断面を拡大して示した拡大断面図である。図2に示すように、溶湯容器10は、その内面がキャスター材20で被覆されている。また、溶湯容器10の外底面及び外側面には、例えば鉄等の外壁22が設けられている。溶湯容器10の底部では、内側のキャスター材20と外側の外壁22との間に、上から順に耐熱煉瓦25及び断熱材21が設けられている。溶湯容器10の側部では、後述するように鋳型部11が設けられた部分を除き、内側のキャスター材20と外側の外壁22との間に耐熱煉瓦25が設けられている。
図2に示すように、鋳型部11が設けられた溶湯容器10の側部の低位置では、内側のキャスター材20と外側の外壁22との間に、耐熱煉瓦25の代わりに内面と同じキャスター材20で形成された排出部30が設けられている。そして、この排出部30と、その両側のキャスター材20及び外壁22を水平方向に貫通する開口部31が設けられている。この開口部31は、キャスター材20、排出部30及び外壁22を貫通し、水平方向に伸びる単一のスリット形状になっている。また、開口部31は、外壁22の位置で、後述するセラミックススリーブ45の水平方向に伸びる単一のスリット形状の孔に連通している。なお、図2に示すように、排出部30は、外壁22の位置で開口部31に沿って外側に突出した形状を有し、この突出部の外面が、外壁22の開口部31における矩形状内面と適合している。即ち、開口部31と外壁22との間には排出部30が介在している。外壁22には、開口部31に各々連通する6つの円筒形状の鋳型部11が、開口部31の長手方向に沿って設けられている。図3は、切断機14側から鋳型部11を視た側面図である。
図2及び図3に示すように、6つの鋳型部11の各内面には、カーボンで形成されたカーボンスリーブ35が各々配置されている。本実施の形態では、6つのカーボンスリーブ35の内径は、全て同一であり、鋳型部11の6つの円形孔の内径よりも小さくなっている。また、6つの鋳型部11の外面には、これら6つの鋳型部11全部を覆う水冷銅ジャケット36が取付けられている。水冷銅ジャケット36の溶湯容器10側下部には、その内部に冷却水を供給する流入口40が設けられている。また、水冷銅ジャケット36の上部には、供給された冷却水を排出する流出口41が、各鋳型部11に対して各々2つずつ設けられている。
カーボンスリーブ35と開口部31との間には、溶湯容器10側から順に、第1の断熱材としてのセラミックスで形成されたセラミックススリーブ45と、第2の断熱材としてのセラミックスファイバーキャストで形成されたセラミックスファイバースリーブ46とが設けられている。セラミックススリーブ45に用いるセラミックスとしては、亜鉛との濡れ性(即ち、反応性)が低く、熱衝撃に強いセラミックスが好ましく、本実施の形態では、そのようなセラミックスとして、シリカ(SiO)が99.7質量%を占め、残部がアルミナ(Al)で構成されたセラミックスを用いている。また、本実施の形態では、セラミックスファイバースリーブ46に用いるセラミックスファイバーキャストとしては、シリカ及びアルミナを含有し、亜鉛との濡れ性(即ち、反応性)が低く、断熱性の高いファイバーキャストを用いている。このセラミックスファイバースリーブ46は、セラミックスファイバーをバインダで固めてから、このバインダを揮発させることによって製造している。
図2に示すように、セラミックススリーブ45は、外壁22に固定された固定板50に、ねじ等の固定具(図示せず)によって固定されている。その際に、図2に示すように、セラミックススリーブ45の溶湯亜鉛の鋳造部と外壁22との間には、排出部30のキャスター材(即ち、キャスター材20と同じキャスター材)が位置するように構成されている。セラミックススリーブ45は、その内部において、開口部31側から連通して水平方向に伸びる単一のスリット形状の孔が、外壁22の位置で水平方向に並んだ6つの円形孔に分岐した構成をしている。セラミックススリーブ45のスリット形状の孔の内径は、開口部31側からカーボンスリーブ35側に向かって小さくなっており、一方が排出部30の開口部31の内径、他方がカーボンスリーブ35の内径と整合するように構成されている。セラミックススリーブ45とカーボンスリーブ35は、両者(45、35)の間に設けられたセラミックスファイバースリーブ46を介して接続されている。本実施の形態において、このセラミックスファイバースリーブ46は、セラミックススリーブ45とカーボンスリーブ35により形成された環状溝内に、セラミックファイバースリーブ46の内径がカーボンスリーブ35の内径と同じになるようにして嵌込まれている。また、セラミックススリーブ45とカーボンスリーブ35は、セラミックスファイバースリーブ46の外周側で互いに接触するようにして接続されているが、この接続部の面積を小さくすることで、セラミックススリーブ45とカーボンスリーブ35の断熱効率を高くすることができる。さらに、セラミックススリーブ45とカーボンスリーブ35を互いに接触させず、別の断熱材等を用いてセラミックスファイバースリーブ46を埋込む溝を形成するようにしてもよい。
搬送テーブル12は、図1に示すように、亜鉛棒Sの長手方向と直交する回転軸を備えた搬送ロールを搬送方向に沿って複数有し、上面に載置された亜鉛棒Sを溶湯容器10側から切断機14側に水平方向に案内するようになっている。本実施の形態では、6つの鋳型部11で成形された6本の亜鉛棒Sに対応するように、上述した複数の搬送ロールが、搬送方向と直交する方向に沿って6列設けられている。
ピンチロール13は、亜鉛棒Sの長手方向と直交する回転軸を備えた一対の上下ロールで構成されている。上下ロールには、円周面に沿った複数の溝が上下で整合する位置に各々設けられており、整合する上下の溝の間に亜鉛棒Sを挟持しながら回転することによって、亜鉛棒Sを鋳型部11から引き抜くように構成されている。本実施の形態では、6つの鋳型部11で各々成形した6本の亜鉛棒Sに対応する位置に、各々6つの溝が設けられている。
切断機14は、6本の亜鉛棒Sを長手方向と直交する方向に沿って一度に切断し、各亜鉛棒Sを長手方向において所定の長さに切断するように構成されている。
以上のように構成された亜鉛棒の製造装置1を用いて、溶融亜鉛Lから亜鉛棒Sを鋳造して製造する方法について図1〜図3を用いて説明する。
溶湯容器10の上部に設けた亜鉛の電気炉(図示せず)から、溶湯容器10内に、溶融亜鉛Lを充填し、撹拌装置(図示せず)を用いて撹拌しながら530〜580℃以上に恒温保持する。この際に、溶融亜鉛Lの温度が低下しないように、バーナ(図示せず)を用いて溶融亜鉛Lを適宜加熱する。
撹拌により溶湯容器10内で均一に530℃以上の温度に保持された溶融亜鉛Lが、図2に示すように、溶湯容器10内から開口部31を通して、6つの鋳型部11に送出されることによって、亜鉛棒Sの製造が開始する。なお、この送出によって、溶湯容器10内の溶融亜鉛Lが減少したら、随時、亜鉛の電気炉(図示せず)から溶融亜鉛Lを溶湯容器10内に補充する。また、湯面調整装置(図示せず)を用いて、溶湯容器10内の溶融亜鉛Lの湯面の高さを、所定の高さ(例えば、300mm)に保持する。この所定の高さは、溶融亜鉛Lの湯面が溶湯容器10のキャスター材20を貫通する開口部31から上方に250mm以上の高さとなる値に設定されている。これは、溶融亜鉛Lを連続鋳造して得られる亜鉛棒Sの強度を十分に大きくする値になっている。
溶湯容器10内から6つの鋳型部11に向けて送出された溶融亜鉛Lは、溶湯容器10のキャスター材20及び排出部30を通って開口部31を進行し、外壁22の位置において、セラミックススリーブ45内で6つの円形孔で分岐して進行する。セラミックススリーブ45内で分岐して進行した溶融亜鉛Lは、各円形孔に連通するセラミックスファイバースリーブ46を通って6つの鋳型部11の各カーボンスリーブ35内に各々進入する。本実施の形態では、開口部31内の溶融亜鉛Lの温度は、溶湯容器10内の溶融亜鉛Lの温度と概ね同じ530〜580℃になっている。なお、本実施の形態では、開口部31内の溶融亜鉛の温度は、クロメルーアルメル熱電対を用いて、図2に示すキャスター材30の位置で測定した。溶融亜鉛Lの温度の調整は、溶湯容器10内の溶融亜鉛Lの上部をバーナ(図示せず)で加熱することによって行った。
カーボンスリーブ35の外面に取付けられた水冷銅ジャケット36の内部には、溶湯容器10側下部の流入口40から流入し、上部の流出口41から流出する冷却水が循環して流れているため、カーボンスリーブ35内を進行する溶融亜鉛Lは進行に伴い徐々に冷却される。冷却水の温度及び流量を調整することによって、溶融亜鉛Lが、鋳型部11のカーボンスリーブ35内で凝固点(419℃)以下まで冷却され、搬送方向下流側から円筒形状の亜鉛棒Sに連続鋳造される。なお、本実施の形態では、カーボンスリーブ35の入側の溶融亜鉛Lの温度は、420〜430℃になっている。
6つの鋳型部11で各々連続鋳造された6本の亜鉛棒Sは、図1に示すように、鋳型部11のカーボンスリーブ35内を退出した後、水平方向に進行し、亜鉛棒Sを案内する搬送テーブル12の上面を経由してピンチロール13の上下ロールの間に水平方向に進入する。ピンチロール13に進入した6本の亜鉛棒Sは、ピンチロール13の上下ロールの上下で整合する各溝の間に各々挟持され、ピンチロール13の回転によって、各鋳型部11から引抜かれて搬送方向下流にある切断機14側に送出される。即ち、亜鉛棒Sは、溶湯容器10側から切断機14側への水平方向の進行が付勢される。本実施の形態では、ピンチロール13により亜鉛棒Sの平均引抜き速度を調整している。この平均引抜き速度は、ある一定時間の間に亜鉛棒Sが引抜かれる長さとして規定される。なお、断続的な引抜きの場合における平均引抜き速度は、亜鉛棒Sが停止している停止時間と亜鉛棒Sが引抜かれている引抜き時間とを合計した一定時間の間に亜鉛棒Sが引抜かれる長さとして規定する。
本実施の形態では、ピンチロール13による亜鉛棒Sの引抜きは、ピンチロール13の引抜き速度を40mm/secに設定し、ピンチロール13を0.2秒間回転して亜鉛棒Sを1秒間に8mm引抜き、0.8秒間停止して鋳型11内で溶融亜鉛Lを凝固させる動作を繰返すことによって断続的に行っている。従って、この場合には、亜鉛棒Sの平均引抜き速度は、{(0.2×40)+(0.8×0)}(mm)/(0.2+0.8)(sec)=0.8mm/secになる。
上述したようにピンチロール13によって送出されて、ピンチロール13を退出した6本の亜鉛棒Sは、水平方向に進行して切断機14に進入する。6本の亜鉛棒Sが切断機14及び搬出台4上で、長手方向において所定の長さに達すると、6本の亜鉛棒Sは、切断機14によって長手方向と直交する方向に沿って一度に切断される。これにより、搬出台4上には、切断機14で切断された6本の亜鉛棒Sが残される。
上述のように切断機14で切断され、搬出台4上に残留した6つの亜鉛棒Sが外部に搬出され、一連の製造手順が完了する。
以上の実施の形態によれば、溶湯容器10の開口部31と鋳型部11との間に、セラミックススリーブ45とセラミックスファイバースリーブ46を、溶融容器10側から順に設けたことによって、開口部31側で溶融亜鉛Lの高温に曝されるセラミックススリーブ45に対するカーボンスリーブ35側からの冷却の影響が緩和され、カーボンスリーブ35に加わる熱衝撃を緩和することができる。さらに、溶湯容器10の内面に設けたキャスター材20と同一のキャスター材20で形成された排出部30を設けたことによって、セラミックススリーブ45の開口部31側からの加熱の影響を低減することができ、カーボンスリーブ35に加わる熱衝撃をさらに緩和することができる。
上述したように、溶湯容器10から鋳型部11に溶融亜鉛Lを中継するセラミックススリーブ45に対して加わる温度差の熱衝撃を緩和することができるため、溶融亜鉛Lから亜鉛棒Sを連続鋳造する際に、セラミックススリーブ45の溶湯容器10側及び鋳型部11側の両側の溶融亜鉛Lの温度を、従来公知の技術では困難であった適切な温度に設定することが可能になる。具体的には、セラミックススリーブ45の開口部31側の溶融亜鉛Lの温度を、溶融亜鉛Lの流動性が高く、カーボンスリーブ35内で凝固させる際に、鋳造体表面に凹凸が生じる恐れのない最適温度である530℃以上に設定することが可能になる。また、セラミックススリーブ45のカーボンスリーブ35側の溶融亜鉛Lの温度を、溶融亜鉛Lがカーボンスリーブ35で適切に凝固する最適温度である420〜430℃に設定することが可能になる。
さらに、溶湯容器10内の溶融亜鉛Lの湯面の高さを調整し、溶融亜鉛Lの湯面の高さが開口部31から上方に250mm以上の高さになるように設定すると共に、鋳型部11で冷却により凝固した亜鉛棒Sをピンチロール13で鋳型部から9mm/sec以下の平均引抜き速度で引抜くようにしたことによって、鋳型部11における連続鋳造の際に巣の発生を防止することができる。これは、上述のように設定したことによって、鋳型部11の入側への溶融亜鉛Lの供給と、鋳型部11の出側からの凝固した亜鉛棒Sの排出との割合が最適化され、凝固前の溶融亜鉛Lが凝固後の亜鉛棒Sに確実に追従できるためである。これにより、極めて均質、高密度且つ高純度という優秀な特性を備えた高品質の亜鉛棒Sを製造することが可能になる。特に、従来公知の鋳造技術では製造が困難であった密度が7.1g/cm、純度が99.9%以上の非常に高品質の亜鉛棒を製造することができる。
また、鋳型部11からの亜鉛棒Sの引抜きを断続的に行う場合には、例えば引抜き動作と停止動作とが所定時間ずつ交互に繰返されるように設定し、亜鉛棒を引抜く1サイクルにおいて、停止時間を引抜き時間の3倍以上の値に設定する(例えば、引抜き時間が0.25秒に対して停止時間を0.75秒に設定する)ことによって、断続的に繰返される引抜き動作においても凝固前の溶融亜鉛Lを凝固後の亜鉛棒Sに確実に追従させ、製造される亜鉛棒Sに巣が発生してしまう事態を防止可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態では、亜鉛の鋳造装置として連続的に鋳造を行う連続鋳造装置2を用いる場合について説明したが、亜鉛の鋳造装置は、連続鋳造装置以外の鋳造装置であってもよい。
上述した実施形態では、亜鉛の連続鋳造装置2が、切断機14を含まない構成である場合について説明したが、亜鉛の連続鋳造装置2が切断機14を含む構成であってもよい。
上述した実施形態では、溶融亜鉛Lを充填させる容器が内部に充填された溶融亜鉛Lを加熱するバーナ(図示せず)を備えた溶湯容器10である場合について説明したが、容器がヒータ等のバーナ以外の加熱手段を備えていてもよいし、容器として炉を用いてもよい。
上述した実施形態では、溶湯容器10の内面がキャスター材20で被覆されている場合について説明したが、被覆する材料としてキャスター材以外の材料を用いてもよい。
上述した実施形態では、第1の断熱材として、シリカ(SiO)が99.7質量%を占め、残部がアルミナ(Al)で構成されたセラミックスを用いることで達成できる旨を説明したが、セラミックスはその他の構成を採択できる可能性もあり、また、第1の断熱材としてセラミックス以外を採択できる可能性がある。
上述した実施形態では、第2の断熱材として、シリカ及びアルミナを含有するセラミックスファイバーキャストを用いることで達成できる旨を説明したが、第2の断熱材として、セラミックスファイバーキャスト以外を採択できる可能性がある。
上述した実施形態では、セラミックスファイバースリーブ46を、セラミックスファイバーをバインダで固めてから、このバインダを揮発させることによって製造することで達成できる旨を説明したが、セラミックスファイバースリーブ46の製造方法としてその他の製造方法を採択できる可能性がある。
上述した実施形態では、溶湯容器10に設けた鋳型部11の個数が6である場合について説明したが、鋳型部11の個数は6以外の任意の数であってもよい。また、セラミックススリーブ45内で単一のスリット形状の孔から分岐する円形孔の個数が任意の数であってもよい。さらに、搬送テーブル12、ピンチロール13及び切断機14が処理可能な亜鉛棒Sの個数も6以外の任意の数であってもよい。
上述した実施形態では、開口部31が水平方向に伸びるスリット形状に構成されている場合について説明したが、開口部31の形状はその他の形状であってもよい。
上述した実施形態では、鋳型部11の内面が円筒形状である場合について説明したが、鋳型部11の内面は円筒形状以外の形状であってもよい。
上述した実施形態では、ピンチロール13が断続的に亜鉛棒Sの引抜きを行う場合について説明したが、ピンチロール13が連続的に亜鉛棒Sの引抜きを行うようにしてもよい。
上述した実施形態では、溶湯容器10内の溶融亜鉛Lの湯面の高さを調整することによって、鋳型部11に進行する溶融亜鉛Lの液圧を調整する場合について説明したが、鋳型部11に進行する溶融亜鉛Lの液圧をその他の方法によって調整するようにしてもよい。
上述した実施形態では、亜鉛棒Sを断続的に引抜く際に1回の引抜きサイクル中の引抜き時間が0.25秒であり、且つ停止時間が0.75秒である場合について説明したが、亜鉛棒Sを引抜く際の引抜き時間及び停止時間の値は、停止時間が引抜き時間の3倍以上の関係になっていれば任意の適切な時間であってもよい。
本発明を、実施例と比較例を用いて説明する。
以下に示す表1〜4において、実施例1〜13の各データは、図1に示す本発明の製造方法を用いて製造した亜鉛棒の各特性を各々示し、比較例1〜6の各データは本発明の製造方法を用いずに製造した亜鉛棒の各特性を示している。
<溶融亜鉛の湯面の高さ(溶湯圧)の条件比較>
下記表1では、溶湯容器内の溶融亜鉛の湯面の高さの条件を変更した比較結果が示されている。即ち、実施例1〜4の各データでは、本発明の製造方法に従って、溶湯容器内の溶融亜鉛の湯面の高さを開口部から上方に250mm以上の高さに設定して亜鉛棒を製造したのに対し、比較例1のデータでは、溶融亜鉛の湯面の高さを開口部上方に250mm未満の高さに設定して亜鉛棒を製造した。
なお、亜鉛棒を製造する際のその他の各条件は、以下のように設定した。
亜鉛の純度:99.95%
亜鉛棒の引抜き動作:断続的
ピンチロールの回転速度:40mm/sec(=2400mm/min)
1サイクル中の亜鉛棒の引抜き時間:0.2sec
1サイクル中の亜鉛棒の停止時間:0.8sec
亜鉛棒の平均引抜き速度:8mm/sec
この平均引抜き速度は、ピンチロールの回転速度、引抜き時間及び停止時間から(0.2×40+0.8×0)/(0.2+0.8)=8mm/secと求めることができる。
開口部内の溶融亜鉛の温度:530〜540℃
また、下記表1に記載の品質の欄では、製造された亜鉛棒の密度が7.1g/cm以上である場合に品質が良いと判定(○印)し、7.1g/cm未満である場合に品質が悪いと判定(×印)した。
Figure 0005082157
上記表1に示されるように、鋳型部に進行させる溶融亜鉛の湯面の高さを本発明に従って開口部から上方に250mm以上の高さに設定した場合には、密度が7.1g/cm以上である高品質の亜鉛棒が製造できているのに対し、溶融亜鉛の液面の高さが250mm未満の高さである場合に製造される亜鉛棒は、密度が7.1g/cm未満になってしまっていることが分かる。
<亜鉛棒の平均引抜き速度の条件比較>
下記表2では、亜鉛棒の平均引抜き速度の条件を変更した比較結果が示されている。即ち、実施例5〜8の各データでは、本発明の製造方法に従って、冷却により凝固した亜鉛(即ち、亜鉛棒)を鋳型部から引抜く際の平均引抜き速度を9mm/sec以下に設定して亜鉛棒を製造したのに対し、比較例2のデータでは、平均引抜き速度が9mm/secを超過するように設定して亜鉛棒を製造した。なお、実施例5〜8及び比較例2のいずれのデータについても、亜鉛棒の引抜きは所定の時間の引抜き動作と所定の時間の停止動作を繰返すようにして断続的に行った。この際に亜鉛棒を引抜く1サイクル(1秒)における引抜き時間を0.2秒に設定し、停止時間を0.8秒に設定した。また、実施例5〜8及び比較例2の各データの亜鉛棒の平均引抜き速度は、ピンチロールの回転速度を調整することによって設定した。
なお、亜鉛棒を製造する際のその他の各条件は、以下のように設定した。
亜鉛の純度:99.9%
亜鉛の湯面の開口部から上方への高さ:300mm
開口部内の溶融亜鉛の温度:530〜540℃
また、下記表2に記載の品質の欄では、表1の場合と同様に製造された亜鉛棒の密度が7.1g/cm以上であるか否かに基づいて判定を行った。
Figure 0005082157
上記表2に示されるように、冷却により凝固した亜鉛を鋳型部から引抜く際の平均引抜き速度を本発明に従って9mm/sec以下に設定した場合には、密度が7.1g/cm以上である高品質の亜鉛棒が製造できているのに対し、平均引抜き速度が9mm/secを超過して設定した場合に製造される亜鉛棒は、密度が7.1g/cm未満になってしまっていることが分かる。
<亜鉛棒を断続的に引抜く際の引抜き時間及び停止時間の条件比較>
下記表3では、亜鉛棒を断続的に引抜く場合にピンチロールの回転速度を一定(35mm/sec(=2100mm/min))に設定したうえで、亜鉛棒を引抜く1サイクル(1秒間)中の引抜き時間及び停止時間の割合を変更した比較結果が示されている。即ち、実施例9、10の各データでは、本発明の製造方法に従って、引抜き距離に対して溶融亜鉛が充分凝固するように、引抜きサイクルにおける停止時間を引抜き時間の3倍以上の長さに設定して亜鉛棒を製造したのに対し、比較例3、4の各データでは、引抜きサイクルにおける停止時間を引抜き時間の3倍未満の長さに設定して亜鉛棒を製造した。
なお、亜鉛棒を製造する際のその他の各条件は、以下のように設定した。
亜鉛の純度:99.99%
亜鉛の湯面の開口部から上方への高さ:300mm
開口部内の溶融亜鉛の温度:530〜540℃
また、下記表3に記載の品質の欄では、表1の場合と同様に製造された亜鉛棒の密度が7.1g/cm以上であるか否かに基づいて判定を行った。
Figure 0005082157
上記表3に示されるように、鋳引抜きサイクルにおける停止時間を引抜き時間の3倍以上の長さに設定して亜鉛棒を製造した場合には、密度が7.1g/cm以上である高品質の亜鉛棒が製造できているのに対し、引抜きサイクルにおける停止時間を引抜き時間の3倍未満の長さに設定して亜鉛棒を製造した場合には、製造される亜鉛棒は、密度が7.1g/cm未満になってしまっていることが分かる。
<鋳型部に進行させる溶融亜鉛の温度の条件比較>
下記表4では、鋳型部に進行させる開口部内の溶融亜鉛の温度の条件を変更した比較結果が示されている。即ち、実施例11〜13の各データでは、本発明の製造方法に従って、鋳型部に供給される溶融亜鉛の温度を530℃以上に設定して亜鉛棒を製造したのに対し、比較例5、6の各データでは、溶融亜鉛の温度を530℃未満に設定して亜鉛棒を製造した。開口部31内の溶融亜鉛の温度はクロメルーアルメル熱電対を用いて、図2に示すキャスター材30の位置で測定した。溶融亜鉛の温度の調整は、溶湯容器内の溶融亜鉛上部をバーナで加熱することによって行った。
なお、亜鉛棒を製造する際のその他の各条件は、以下のように設定した。
亜鉛の純度:99.99%
亜鉛の湯面の開口部から上方への高さ:300mm
亜鉛棒の引抜き動作:断続的
ピンチロールの回転速度:40mm/sec(=2400mm/min)
1サイクル中の亜鉛棒の引抜き時間:0.2sec
1サイクル中の亜鉛棒の停止時間:0.8sec
亜鉛棒の平均引抜き速度:8mm/sec
この平均引抜き速度は、ピンチロールの回転速度、引抜き時間及び停止時間から(0.2×40+0.8×0)/(0.2+0.8)=8mm/secと求めることができる。
また、下記表4に記載の品質の欄では、表1の場合と同様に製造された亜鉛棒の密度が7.1g/cm以上であるか否かに基づいて判定を行った。
Figure 0005082157
上記表4に示されるように、鋳型部に供給される開口部内の溶融亜鉛の温度を530℃以上に設定した場合には、密度が7.1g/cm以上である高品質の亜鉛棒が製造できているのに対し、開口部内の溶融亜鉛の温度を530℃未満に設定した場合には、製造される亜鉛棒は、密度が7.1g/cm未満になってしまっていることが分かる。
本発明は、例えば溶融亜鉛から亜鉛棒を鋳造する鋳造装置に適用する際に特に有用である。
本発明の実施の形態に係る亜鉛の連続鋳造装置2を備えた、亜鉛棒の製造装置1の構成図である。 溶湯容器10の切断機14側の外側面の低位置に設けられた鋳型部11と、溶湯容器10の内部の一部との鉛直方向の断面を拡大して示した拡大断面図である。 切断機14側から鋳型部11を視た側面図である。
符号の説明
1 亜鉛棒の製造装置
2 亜鉛の連続鋳造装置
4 搬出台
5 支持台
10 溶湯容器
11 鋳型部
12 搬送テーブル
13 ピンチロール
14 切断機
20 キャスター材
21 底面の断熱材
22 外壁
25 耐熱煉瓦
30 排出部
31 開口部
35 カーボンスリーブ
36 水冷銅ジャケット
40 流入口
41 流出口
45 セラミックススリーブ
46 セラミックスファイバースリーブ
50 固定板
L 溶融亜鉛
S 亜鉛棒

Claims (7)

  1. 溶融亜鉛を充填させる容器と、前記容器を貫通する開口部と、前記容器の外側において前記開口部に連通して設けられた、溶融亜鉛を凝固温度以下まで冷却させる鋳型部とを有し、
    前記開口部と前記鋳型部との間に、亜鉛との濡れ性が低く熱衝撃に強いセラミックスからなる第1の断熱材で形成されたスリーブと、亜鉛との濡れ性が低く断熱性が高く、且つ前記第1の断熱材とは特性が異なるセラミックスファイバーを含んだ第2の断熱材で形成されたスリーブを前記容器側から順に設けたことを特徴とする、亜鉛の鋳造装置。
  2. 前記開口部を水平方向に伸びる単一のスリット形状に構成し、前記鋳型部を、前記開口部に各々連通し前記開口部の長手方向に沿って複数箇所並んで設けたことを特徴とする、請求項1に記載の亜鉛の鋳造装置。
  3. 前記容器は、前記開口部から上方に250mm以上の高さまで溶融亜鉛を充填可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の亜鉛の鋳造装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の亜鉛の鋳造装置で鋳造した亜鉛棒であって、
    密度が7.1g/cm であり、純度が99.9%以上であることを特徴とする、亜鉛棒。
  5. 請求項3に記載の亜鉛の鋳造装置を用いて、前記容器内の溶融亜鉛を、前記開口部を介して前記鋳型部に進行させながら冷却する連続鋳造により亜鉛棒を製造する方法であって、
    前記容器内の溶融亜鉛の湯面の高さを前記開口部から上方に250mm以上とし、冷却により凝固した亜鉛を前記鋳型部から9mm/sec以下の平均引抜き速度で引抜くことを特徴とする、亜鉛棒の製造方法。
  6. 前記開口部内の溶融亜鉛の温度が530℃以上であることを特徴とする、請求項5に記載の亜鉛棒の製造方法。
  7. 前記凝固した亜鉛を前記鋳型部から引抜く際に断続的に引抜くことを特徴とする、請求項5又は6に記載の亜鉛棒の製造方法。
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