JP5081629B2 - 長鎖コンドロイチン糖鎖及びその製造方法並びにコンドロイチン合成の促進方法 - Google Patents

長鎖コンドロイチン糖鎖及びその製造方法並びにコンドロイチン合成の促進方法 Download PDF

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Description

本発明は、長鎖コンドロイチン糖鎖及びその製造方法並びにコンドロイチン合成の促進方法に関する。
まず、本出願書類において用いる略号を説明する。
CH:コンドロイチン
CS:コンドロイチン硫酸
HA:ヒアルロン酸
Glc:グルコース
GlcUA:グルクロン酸
GlcNAc:N−アセチルグルコサミン
GalNAc:N−アセチルガラクトサミン
GPC:ゲル浸透クロマトグラフィー
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
K4CP:大腸菌K4株由来コンドロイチンポリメラーゼ
MALDI−TOF−MS: Matrix Assisted Laser
Desorption/Ionization−飛行時間型−質量分析
UDP:ウリジン5’−ジリン酸
CHは、GlcUA及びGalNAcがそれぞれβ1−3結合及びβ1−4結合で交互に直線上に結合したグリコサミノグリカンの一種である。CHは、動物生体内において軟骨や多くの結合組織にCSプロテオグリカンとして存在しており、細胞接着、発生、分化、神経細胞伸展、軟骨・骨形成、組織再生などに重要な役割を担っている。
またCSは、組織癒着防止、関節炎治療薬、腰痛関節痛治療薬、神経痛改善薬、肩関節炎治療薬、点眼薬、慢性腎炎治療薬、滋養強壮、などの医薬品や健康食品、化粧品(保湿剤)等の形で有用な物質として市販されている。CSは天然では通常、重量平均分子量20000から50000の糖鎖として存在しており、重量平均分子量10万以上のCSも存在していることが知られている。これらのCSは、長鎖構造であることから、保湿性やイオン保持特性などの構造特性をもち、また、細胞外マトリックス成分として細胞接着や発生分化のシグナル伝達などの特異的な生理機能を持つことも知られている。
動物由来のCH合成酵素が複数クローニングされているが、それらの発現酵素のみではCHポリメラーゼ活性を持たず、また有していたとしてもその酵素活性が弱いため、工業的にCH糖鎖を効率よく製造するには十分とはいえない。一方、K4CPもクローニングされており、この酵素は単独でCHポリメラーゼ活性を有しており、効率よくCHが製造できることも知られている(特許文献1、非特許文献1)。しかしながら、その組換え精製酵素を使用してCH合成反応を長時間行っても、約2万程度のCH糖鎖ができるにとどまる。
また、CHはCSを脱硫酸化することでも製造することができるが、原料のCSの鎖長がたとえ長かったとしても副反応により糖鎖が切断されてしまい、市販されているものの重量平均分子量は1万以下であるというのが現状である。
長鎖CH糖鎖を合成する技術は今まで知られていないが、産業上の有用性からも長鎖高分子CH糖鎖やその製造方法の開発が望まれている。
特開2003−199583号公報 ニノミヤ、T(Ninomiya, T.)ら、2002年、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、第277巻、第24号、p.21567−21575
本発明は、長鎖高分子CH糖鎖及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、CH合成酵素によりGlcUA供与体、GalNAc供与体、及び糖受容体からCHを合成する方法において、CH合成酵素としてCH合成酵素を強制発現させた大腸菌の発現菌株を使用し、界面活性剤の存在下に合成反応を行うことにより、精製遊離酵素よりも極めて鎖長の長いCH多糖体を製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は下記工程を少なくとも含むことを特徴とする、CH糖鎖の製造方法(以下、「本発明方法1」という)を提供する。
工程:「GlcUA供与体」、「GalNAc供与体」、「糖受容体」及び「CHを合成する菌体酵素」を界面活性剤存在下において反応系中に共存させる。
また本発明方法1においては、「CHを合成する菌体酵素」が大腸菌由来のCHポリメラーゼを発現させた菌体酵素であることが好ましく、この大腸菌由来のCHポリメラーゼはK4CPであることが極めて好ましい。
また本発明方法1においては、菌体酵素に用いる宿主が大腸菌であることが好ましく、中でも大腸菌TOP10株であることが極めて好ましい。
また本発明方法1においては、用いる界面活性剤が、ナイミーン、MEGA−10、コール酸ナトリウム、n−オクチル−β−D−チオグルコピラノシド、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノコール酸、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれることが好ましく、中でもナイミーン、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれることが好ましく、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれることが極めて好ましい。
また、本発明方法1は「共存」が、10〜50℃の条件下で1時間〜10日間行われることが好ましく、20〜40℃の条件下で10〜30時間行われることがより好ましく、20〜40℃の条件下で15〜24時間行われることがさらに好ましく、25〜37℃の条件下で15〜24時間行われることが特に好ましい。
また、本発明方法1はGlcUA供与体がUDP−GlcUAであり、かつ、GalNAc供与体がUDP−GalNAcであることが好ましい。
この場合、UDP-Glc4−エピメラーゼ及びUDP−GlcNAc、並びにUDP-Glcデヒドロゲナーゼ及びUDP-Glcを反応系中に共存させ、「GalNAc供与体」としてのUDP−GalNAc、及び「GlcUA供与体」としてのUDP−GlcUAを供給することができる。
また本発明方法1は、さらに、キシレン、クロロホルム、パラフィン及びホルムアルデヒドからなる群から選ばれる1又は2以上の有機溶媒を共存させることが好ましく、特にクロロホルム又は「クロロホルム及びキシレン」を共存させることが好ましい。また共存状態における有機溶媒の濃度は0%超5%未満であることが好ましく、0.5%超3%未満であることがさらに好ましく、1%であることが極めて好ましい。
また、本発明方法1は、製造されるCH糖鎖が下記1)〜3)の全ての性質を有するものであることが好ましい。
1)重量平均分子量:ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した場合、5万以上である。
2)コンドロイチナーゼABCで完全に二糖に分解される。
3)当該糖鎖をコンドロイチナーゼABCで分解して得られる産物を二糖分析すると、実質的に全てがCH不飽和二糖に一致する。
本発明方法1により製造されるCH糖鎖の分子量は、重量平均分子量で、好ましくは7万5千以上、より好ましくは20万以上であり、好ましい分子量の範囲として具体的には、5万〜20万、5万〜50万、5万〜100万、7万5千〜20万、7万5千〜50万、7万5千〜100万、20万〜50万、20万〜100万、50万〜100万等の範囲を例示することができる。
また、本発明は「CHを合成する菌体酵素」による酵素反応時に、界面活性剤を共存させることを特徴とする、CH合成の促進方法(以下、「本発明方法2」という)を提供する。
また本発明は、下記1)〜3)の全ての性質を有するCH糖鎖(以下、「本発明糖鎖」という)を提供する。
1)重量平均分子量:ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した場合、5万以上である。
2)コンドロイチナーゼABCで完全に二糖に分解される。
3)当該糖鎖をコンドロイチナーゼABCで分解して得られる産物を二糖分析すると、実質的に全てがCH不飽和二糖に一致する。
本発明糖鎖の分子量は、重量平均分子量で、好ましくは7万5千以上、より好ましくは20万以上であり、好ましい分子量の範囲として具体的には、5万〜20万、5万〜50万、5万〜100万、7万5千〜20万、7万5千〜50万、7万5千〜100万、20万〜50万、20万〜100万、50万〜100万等の範囲を例示することができる。
本発明方法1は、天然に存在し特異な生理活性があることが知られている高分子CSと同程度あるいはそれ以上の重量平均分子量をもつ高分子CH糖鎖を製造できることから極めて有用である。本発明方法2は、極めて効率的にCH糖鎖を製造できることから極めて有用である。また本発明糖鎖は、通常動物組織から抽出したCHではみられない高分子のCHであり、特異な物性及び生理活性も期待され、医薬品、健康食品、化粧品等の素材となりうることから極めて有用である。
以下、本発明を本発明方法1、本発明方法2及び本発明糖鎖の順に、実施するための最良の形態により詳説する。
<1> 本発明方法1
本発明方法1は下記工程を少なくとも含むことを特徴とする、CH糖鎖の製造方法である。
工程:「GlcUA供与体」、「GalNAc供与体」、「糖受容体」及び「CHを合成する菌体酵素」を界面活性剤存在下において反応系中に共存させる。すなわち、CHを合成する菌体酵素を反応触媒として、GlcUA供与体からのGlcUA残基と、GalNAc供与体からのGalNAc残基と交互に糖受容体に転移させ、CH糖鎖を生成させる工程である。
ここにいう「GlcUA供与体」は、ある糖鎖分子に対してGlcUA残基を供与する能力を有する分子である限りにおいて限定されないが、GlcUAヌクレオチドが好ましい。GlcUAヌクレオチドとしては、UDP-GlcUAや、dTDP(デオキシチミジン5’−ジリン酸)−GlcUA等が例示されるが、UDP−GlcUAが好ましい。
また、ここにいう「GalNAc供与体」は、ある糖鎖分子に対してGalNAc残基を供与する能力を有する分子である限りにおいて限定されないが、GalNAcヌクレオチドが好ましい。GalNAcヌクレオチドとしては、UDP−GalNAcやdTDP(デオキシチミジン5’−リジン酸)−GalNAc糖が例示されるが、UDP−GalNAcが好ましい。
これらの糖ヌクレオチドは、公知の方法で製造しても良く、市販のものを用いても良い。
また、本発明方法1において用いる「糖受容体」は、例えば下記一般式(1)及び(2)で示される糖鎖を例示することができる。
GlcUA−R1 ・・・・(1)
GalNAc−R2 ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、R及びRは、同一でも異なっていてもよい任意の基をそれぞれ示す。)
「R」や「R」としては、例えば、CH骨格を有する糖鎖の残基や、HA骨格を有する糖鎖の残基等が例示される。例えばここにいう「CH骨格を有する糖鎖の残基」としてはCH残基やCS残基等が例示される。このような糖鎖残基には、さらに他の化学物質などが結合していても良い。
また、糖受容体の糖鎖のサイズも特に限定されないが、例えば1〜50糖程度、好ましくは1〜40糖程度、より好ましくは1〜30糖程度、さらに好ましくは1〜20糖程度のオリゴ糖を例示することができる。より具体的にはCHの2糖、3糖、4糖、5糖、6糖、7糖、8糖、9糖、10糖などが例示される。また、一般式(1)及び(2)の「R」や「R」としては、このようなサイズのCSオリゴ糖、HAオリゴ糖なども用いることができる。
また、一般式(1)の非還元末端糖残基GlcUAはβ構造であることが好ましく、そのGlcUA残基がR基のGlcNAcやGalNAcと結合している場合には、そのグリコシド結合はβ1−3構造であることが好ましい。一般式(2)の非還元末端糖残基GalNAcもβ構造であることが好ましく、そのGalNAc残基がR基のGlcUAと結合している場合には、そのグリコシド結合はβ1−4構造であることが好ましい。
このような糖受容体は、公知の方法で製造することもでき、また市販のものなどを用いることもできる。
また、本発明方法1において用いられる「CHを合成する菌体酵素」は、CHを合成する活性を有する菌体酵素である限りにおいて特に限定されない。
なお、本出願書類において「菌体酵素」とは、菌の形態を保ったままで特定の酵素活性を発揮することができる菌体自体を意味する。すなわち「CHを合成する菌体酵素」とは、菌の形態を保ったままでCHを合成する酵素活性を発揮することができる菌体を意味するものである。
この「CHを合成する菌体酵素」は、大腸菌由来のCHポリメラーゼ遺伝子を組み込んだ菌体酵素(大腸菌由来のCHポリメラーゼを発現させた菌体酵素)であることが好ましい。特に莢膜多糖体の生産に関与する遺伝子を持つ大腸菌から得られる遺伝子を組み込んだものが好ましく、特にK4CPを発現させたものを用いることが極めて好ましい。宿主としては、大腸菌を用いることが好ましく、その中でも大腸菌TOP10株が極めて好ましい。
ここにいう「K4CP」とは、CHを受容体基質とし、GalNAcヌクレオチド(UDP−GalNAc等)及びGlcUAヌクレオチド(UDP−GlcUA等)を供与体基質として反応させると、受容体基質の非還元末端がGlcUA残基の場合には当該末端にGalNAcを、非還元末端がGalNAc残基の場合には当該末端にGlcUAを結合させることによりGalNAcとGlcUAを交互に結合させて、CHを伸長させるポリメラーゼである(非特許文献1、特許文献1)。
本発明方法1において大腸菌にCHポリメラーゼ活性を発現させるため導入されるDNAの製造方法や由来も特に制限されない。例えばK4CPは元々K4抗原を有する大腸菌から取得されたものであるが、形質転換された他の生物種から取得されたものや、化学合成等によって製造されたDNAでもよい。
また、大腸菌K4株のK4抗原特異的合成関連遺伝子クラスターRegion 2 (R-II)にはK4CP以外にもCH合成に関与する有用な遺伝子があり、1番目のORFであるKfoAは、UDP−GlcNAcをUDP−GalNAcに変換する活性を有するUDP−Glc4−エピメラーゼの遺伝子と同定され、7番目のORFであるKfoFは、UDP−GlcをUDP−GlcUAに変換する活性を有する、UDP−Glcデヒドロゲナーゼの遺伝子と同定された。
したがって、KfoAのコードするエピメラーゼ活性とKfoFのコードするデヒドロゲナーゼ活性を利用することにより、UDP−GalNAcやUDP−GlcUAより安価な材料であるUDP−GlcNAcとUDP−Glcを基質としてCHポリマーを合成することができる。すなわち、本発明方法1において、UDP−Glc4−エピメラーゼ及びUDP−GlcNAc、並びにUDP−Glcデヒドロゲナーゼ及びUDP−Glcを反応系中に共存させ、「GalNAc供与体」としてのUDP−GalNAc、及び「GlcUA供与体」としてのUDP−GlcUAを供給することにより、CH糖鎖を製造することができる(後記実施例7〜9参照)。
UDP−GlcNAc及びUDP−Glcは既知の酵素や菌体反応によりGlcなどの単糖から合成できることが知られており、より安価な材料からCH糖鎖を工業的に生産できることが期待される。
また、上記UDP−Glc4−エピメラーゼ及びUDP−Glcデヒドロゲナーゼの形態は特に限定されないが、K4CPと同様に菌体酵素とすることが好ましく、したがって、K4CP発現系に加えてKfoAやKfoF大腸菌発現系により作製した組換え酵素の菌体リアクターを用いて、UDP−GlcNAc及びUDP−Glcから長鎖CHを合成することが可能となり、安価な材料から長鎖CHを合成でき、酵素の精製に必要な手間とコストを省くことができる、工業的に非常に有利な長鎖CHの大量合成手法が提供される。
これらのDNAを導入するためのベクターとしては、例えば、導入したDNAを発現することができる適当なベクター(ファージベクター或いはプラスミドベクター等)を使用することができ、本発明ベクターを組み込む宿主細胞に応じて適宜選択できる。このような宿主−ベクター系として、COS細胞、3LL-HK46細胞などの哺乳類細胞と、pGIR201(Kitagawa, H., and Paulson, J.C. (1994) J. Biol. Chem. 269, 1394-1401) 、pEF-BOS (mizushima, S., and Nagata, S. (1990) Nucleic Acid Res. 18, 5322) 、pCXN2 (Niwa, H., Yamamura, K. and Miyazaki, J. (1991) Gene 108, 193-200) pCMV-2 (イーストマン コダック (Eastman Kodak) 製) 、pCEV18、pME18S (丸山ら, Med. Immunol., 20, 27(1990)) 又はpSVL(ファルマシア バイオテク社製)等の哺乳類細胞用発現ベクターの組み合わせ、大腸菌(E. coli)と、pTrcHis(インビトロゲン社製)、pGEX、pTrc99、pKK233-3、pEZZZ18、pCH110、(ファルマシア バイオテック社製)、pET(ストラタジー社製)、pBAD、pRSET、及びpSE420(インビトロゲン社製)等の原核細胞用の発現ベクターの他、宿主細胞として、昆虫細胞、酵母、枯草菌などが例示され、これらに対応する各種ベクターが例示される。上述の宿主−ベクター系の中でも特に大腸菌とpTrcHisとの組み合わせが好ましい。
また、これらのDNA及び発現ベクターは分泌型や細胞内滞留型などが存在するが、細胞内に発現した酵素分子がとどまる細胞内滞留型が好ましい。
また、発現ベクターのプロモーターは、適宜選択できるが、β−イソプロピルチオガラクトシドで発現誘導できるlacプロモーターが好ましい。また、細胞内で酵素活性構造を維持するため、変性沈殿形態のインクルージョンボディーを作りにくく、比較的発現効率が低いtrcプロモーターも好ましい。
本発明方法1に用いられる菌体酵素は、公知の方法を当業者が適宜選択し調製できる。具体的方法については後述の実施例1を参照されたい。
また、本発明方法1は、用いられる界面活性剤が、ナイミーン、MEGA−10、コール酸ナトリウム、n−オクチル−β−D−チオグルコピラノシド、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノコール酸、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれることが好ましく、中でもナイミーン、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれることが好ましく、さらにn−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれることが極めて好ましい。
また、本発明方法1で用いられる「共存」とは、これらの供与体分子、糖受容体分子及び菌体酵素が相互に接触し、菌体酵素による酵素反応が惹起される状態である反応系が形成される限りにおいて特に限定されない。例えば、これらを溶液中で共存させてもよく、菌体酵素を適当な固相(ビーズ、限外濾過膜、透析膜等)に固着させこれに前記の供与体及び受容体を含有する溶液を連続的に接触させることにより共存させてもよい。したがって、例えばカラム型のリアクターや、膜型リアクター等を採用することもできる。また、PCT国際公開パンフレットWO00/27437号に記載された方法と同様に、受容体を固相に固着させて酵素反応させることもできる。さらに、供与体を再生(合成)するバイオリアクター等を組み合わせてもよい。
また、本発明方法1における「共存」は、10〜50℃の条件下で1時間〜10日間行われることが好ましく、20〜40℃の条件下で10〜30時間行われることがより好ましく、20〜40℃の条件下で15〜24時間行われることがさらに好ましく、25〜37℃の条件下で15〜24時間行われることが特に好ましい。
この共存は、温度及びpHを一定に保持して行うことが好ましい。pHを一定に保持するために、この反応は当該pH領域において緩衝作用を有する緩衝溶液中で行うことが好ましい。本発明方法1における「共存」に適するpHの範囲は5〜9であり、好ましくはpH6〜8であり、中性付近が極めて好ましい。
なお本発明方法1における「GlcUA」及び「GalNAc」は、それぞれD−GlcUA及びD−GalNAcであることが好ましい。また、本発明方法1の一般式において示されるGlcUAとGalNAcとの間のグリコシド結合(GlcUA−GalNAc)はβ1−3結合であることが好ましく、GalNAcとGlcUAとの間のグリコシド結合(GalNAc−GlcUA)はβ1−4結合であることが好ましい。
また、共存させる時にさらに有機溶媒を共存させることができ、キシレン、クロロホルム、パラフィン及びホルムアルデヒドからなる群から選ばれる1又は2以上の有機溶媒を共存させることが好ましく、特にクロロホルム又は「クロロホルム及びキシレン」を共存させることが好ましい。また共存状態における有機溶媒の濃度は0%超5%未満であることが好ましく、0.5%超3%未満であることがさらに好ましく、1%であることが極めて好ましい。
また、糖受容体として、非還元末端にGlcUAβ1−3構造又はGalNAcβ1−4構造を有する糖鎖誘導体を用いることにより、本発明方法1によって高分子鎖長のCH誘導体を製造することもできる。ここにいう糖鎖誘導体とは、例えば、式(1)及び(2)の糖受容体であってRおよびRとしてCH以外の糖鎖、糖鎖ではない任意の有機基などを有するものを意味し、高分子鎖長のCH誘導体とは、高分子鎖長のCHにCH以外の糖鎖、糖鎖ではない任意の有機基などが結合したCH誘導体を意味するものである。
また、本発明方法1は、製造されるCH糖鎖が下記1)〜3)の全ての性質を有することが好ましい。
1)重量平均分子量:ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した場合、5万以上である。なお、ゲル濾過クロマトグラフィーの諸条件は、実施例を参照されたい。
2)コンドロイチナーゼABCで完全に二糖に分解される。
3)当該糖鎖をコンドロイチナーゼABCで分解して得られる産物を二糖分析すると、実質的に全てがCH不飽和二糖に一致する。
この場合には、用いる糖受容体は、下記一般式(1)又は(2)において「R」及び「R」がCH骨格のみをもつ糖鎖である必要がある。
GlcUA−R1 ・・・・(1)
GalNAc−R2 ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、R及びRは、同一でも異なっていてもよい任意の基をそれぞれ示す。)
ここにいう「コンドロイチナーゼABC」とは、グリコサミノグリカン分解酵素の一種で、CH、HAに作用し、ヘキソサミンを還元末端に持つ不飽和二糖にまで完全に分解する酵素である。
また、本発明で用いる「実質的に全て」とは、上記分解産物を二糖分析したときに、CH不飽和二糖以外のピークが通常のHPLCにおいて検出できないことを意味する。
本発明方法1により製造されるCH糖鎖の分子量は特に限定されないが、本発明方法1は重量平均分子量が5万以上であるCH糖鎖の製造に用いることができ、重量平均分子量が7万5千以上であるCH糖鎖を製造するときに用いられることが好ましく、重量平均分子量20万以上のCH糖鎖を製造するときに用いられることが特に好ましい。分子量の上限としては特に限定されるものではなく、例えば、重量平均分子量で50万や100万程度のCH糖鎖も製造可能である。従って好ましい分子量の範囲として具体的には、5万〜20万、5万〜50万、5万〜100万、7万5千〜20万、7万5千〜50万、7万5千〜100万、20万〜50万、20万〜100万、50万〜100万等の範囲が挙げられる。
<2> 本発明方法2
本発明方法2は、「CHを合成する菌体酵素」による酵素反応時に、界面活性剤を共存させることを特徴とする、CH合成の促進方法である。
本発明方法2は、例えば、本発明方法1のような「CH糖鎖の製造方法」において、「CHを合成する菌体酵素」による酵素反応を界面活性剤の存在下に行うことによりCH合成が促進されるという知見に基づくものであり、本発明方法2にいう「CHを合成する菌体酵素」、「界面活性剤」、「共存」の語の意味は、いずれも本発明方法1について説明したものと同じである。
また、本発明方法2を本発明方法1と同様の工程で行う場合、用いられる「GlcUA供与体」、「GalNAc供与体」、「糖受容体」についての説明や、合成されるべきCH糖鎖の説明、その他諸条件等についての説明は、いずれも本発明方法1と同じである。
<3> 本発明糖鎖
本発明糖鎖は、下記1)〜3)の全ての性質を有するCH糖鎖である。
1)重量平均分子量:ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した場合、5万以上である。なお、ゲル濾過クロマトグラフィーの諸条件については、実施例を参照されたい。
2)コンドロイチナーゼABCで完全に二糖に分解される。
3)当該糖鎖をコンドロイチナーゼABCで分解して得られる産物を二糖分析すると、実質的に全てがCH不飽和二糖に一致する。
また、本発明糖鎖の分子量は特に限定されないが、通常重量平均分子量で5万以上であり、7万5千以上であることが好ましく、20万以上であることがより好ましい。本発明糖鎖における分子量の上限は特に限定されるものではなく、重量平均分子量で50万や100万程度分子量を有し得る。従って本発明糖鎖の分子量の範囲を具体的に例示すると、5万〜20万、5万〜50万、5万〜100万、7万5千〜20万、7万5千〜50万、7万5千〜100万、20万〜50万、20万〜100万、50万〜100万等の範囲が挙げられる。
本発明糖鎖は、その状態も特に限定されず、溶液状態であっても、固体の状態(粉末等や、溶液が凍結した状態等)等であってもよい。
また、本発明糖鎖で用いられる「コンドロイチナーゼABC」の用語の意義は本発明方法1で述べたものと同じである。
なお、本発明糖鎖は例えば本発明方法1を用いることにより製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に詳説する。しかしながら、これらによって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
実施例1 菌体酵素の調製
特願2003-199583に示された方法に従い、大腸菌由来のCHポリメラーゼ(K4CP)酵素の遺伝子及び発現ベクターを製造した。発現ベクターとしてはpTrcHisプラスミド(インビトロゲン社製)を用いた。この方法で得られた発現ベクターを導入した大腸菌をアンピシリン含有LB培地にて波長600nmにおける培養液の吸光度が約0.6となるまで37℃で培養し、発現誘導分子であるβ−イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)を終濃度1mMとなるように添加し、さらに37℃で3時間培養し、酵素発現を誘導した。その培養液1mlをとり、遠心チューブに移して 10,000 rpm で1分間遠心した。上清を捨て、残った細胞沈殿物を菌体酵素とした。また、この細胞沈殿物は−80℃で保存することにより少なくとも1年間酵素活性を維持できる。
実施例2 CH6糖(CH6)の調製
CSを化学的に脱硫酸化したCH(生化学工業株式会社製)に、ヒツジ睾丸由来のヒアルロニダーゼ(シグマ社製)を添加し、NaClを含有する酢酸ナトリウム緩衝液中で限定分解することによって、非還元末端がGlcUA残基である偶数糖のCHオリゴ糖を得た。得られたオリゴ糖をゲル濾過及びイオン交換カラムにより精製して、CH6に相当する画分を集めて、凍結乾燥した。この得られた画分についてウロン酸含有量分析(カルバゾール法)、HPLC(GPC)、MALDI−TOF−MS、コンドロイチナーゼ処理後の二糖分析等を行った結果、還元末端がGalNAc残基で非還元末端がGlcUA残基である6糖であることを確認した。
実施例3 界面活性剤の濃度の検討
実施例1で得られた菌体酵素に、終濃度0、0.1、0.2、0.4、1.0又は2.0%の界面活性剤ナイミーンS−215(Nymeen S-215;日本油脂株式会社製)を含有する50 mM Tris-HCl(pH7.2)緩衝液(20 mM MnCl2、150 mM NaCl、0.1 nmole CH6、3 nmol UDP−GalNAc、0.2 μCi UDP−[3H]GalNAc及び3nmol UDP−GlcUAを含有するもの)を添加して懸濁し、30℃で15時間振盪した。反応後、沸騰水中で10分間加熱処理した後、15,000 rpmで5分間遠心して沈殿を除去し、上清をSuperdex peptide HR10/30 カラム(アマシャム社製)を用いたゲル濾過に付した。溶出液中の糖鎖は225nmの吸収により検出した。
高分子領域に存在する吸収ピークに相当する溶出画分を採取し、[H]GalNAcの取り込みを検出した。取り込みは、使用した[H]GalNAcのトータルの放射活性を100%とした場合における取り込まれた放射活性の比(%)で示した。結果を図1に示す。
その結果、酵素反応時における界面活性剤の濃度を0.4%以上にすることによって、[H]GalNAcの約37%が高分子画分に取り込まれることが示された。一方、界面活性剤ナイミーンS−215を添加せずに菌体酵素を使用すると、[H]GalNAcの取り込みはほとんど観察されなかった(図1)。
実施例4 菌体酵素を用いた長鎖のCH糖鎖の合成と分子量の分析
界面活性剤ナイミーンS−215の終濃度を0.4%として実施例3と同様にCH糖鎖の合成を行った結果、使用した[H]GalNAcの約37%が高分子画分に取り込まれることが再確認された。この高分子画分を実施例3と同様に処理した後、上清をSuperdex peptide HR10/30 カラム(アマシャム社製)を用いたゲル濾過に付し、実施例3と同様に検出した。さらに、この画分をコンドロイチナーゼABC(生化学工業株式会社製)で処理した結果、完全に低分子化された。またこれにより生じた分解産物を二糖分析した結果、全ての分解産物がCH不飽和二糖と一致することを確認した。したがって、前記の高分子画分はCHであることが確認され、酵素反応時における界面活性剤の濃度を0.4%以上とすることによって非常に効率よく高分子のCHを製造することが示された。
また得られた高分子画分のSuperdex peptide HR10/30 カラムにおける溶出の様子を図2に示す。得られた高分子画分のピークは、Superdex Peptide HR10/30カラムのボイド容積位置に溶出された(図2中の黒丸)。このカラムの排除限界は、HA標準品を用いて測定すると重量平均分子量20,000であることから、得られた高分子画分(CHポリマー)は重量平均分子量20,000以上であると推定された。
一方、精製された遊離の組換えK4CP(特許文献1及び非特許文献1に記載の方法で製造したもの)を用いて同様に反応させると、重量平均分子量5,000のCHが合成された(図2中の白丸)。
実施例5 菌体酵素を用いた長鎖のCH糖鎖の合成と分子量の分析
本発明方法により合成されるCHポリマーの分子量をさらに詳細に検討するため、以下のように合成と分子量の分析を行った。
すなわち、実施例4と同様に菌体酵素を用いて得られたCHポリマー、及び実施例4と同様の条件においてUDP−GlcUAとUDP−GalNAc濃度を30nmolに変更して合成したCHポリマーのそれぞれを直列につないだ Sephacryl S500 HR 10/30カラムとSuperose 6 HR 10/30 カラムに付したところ、HA標準品を指針として前者は重量平均分子量7万5千の位置に(図3中の黒丸)、後者は重量平均分子量20万の位置に溶出した(図3中の黒四角)。
実施例6 酵素反応時における界面活性剤の種類の検討
終濃度0.4%の各種界面活性剤を用い、実施例3と同様に試験することによって、界面活性剤の種類による[H]GalNAcの取り込みに対する影響を調べた。酵素としては、実施例1で製造した菌体酵素を用いた。また用いた界面活性剤は以下の通りである。
Nymeen S-215(ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、日本油脂株式会社製)
Triton X-100 (ポリエチレングリコールモノ−p−イソオクチルフェニルエーテル、ナカライテスク株式会社製)
Tween 20 (ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ナカライテスク株式会社製)
Tween 80 (ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ナカライテスク株式会社製)
Brij 35 (ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ナカライテスク株式会社製)
Brij 58 (ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ナカライテスク株式会社製)
Nonidet P-40 (ノニデット P−40、ナカライテスク株式会社製)
Tergitol NP-40 (タージトール NP−40、ナカライテスク株式会社製)
CHAPS (3−〔(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパンスルホネート、Dojindo製)
Octyl-thioglucoside (n−オクチル−β−D−チオグルコピラノシド、キシダ化学製)
Dodecyl-maltoside (n−ドデシル−β−D−マルトピラノシド、キシダ化学製)
MEGA-9 (n−ノナノイル−N−メチルグルカミド、キシダ化学製)
MEGA-10 (n−デカノイル−N−メチルグルカミド、キシダ化学製)
CHAPSO (3−〔(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート、キシダ化学製)
Sodium cholate (コール酸ナトリウム、キシダ化学製)
LDS (ラウリル硫酸リチウム、キシダ化学製)
SDS (ドデシル硫酸ナトリウム、キシダ化学製)
Octyl-glucoside (n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、キシダ化学製)
Heptyl-thioglucoside (n−ヘプチル−β−D−チオグルコピラノシド、キシダ化学製)
Nonyl-thiomaltoside (n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、キシダ化学製)
Sucrose monocholate (ショ糖コール酸モノエステル、キシダ化学製)
Sucrose monocaprate (ショ糖カプリン酸モノエステル、キシダ化学製)
Sucrose monolaurate (ショ糖ラウリン酸モノエステル、キシダ化学製)
取り込みは、使用した[H]GalNAcのトータルの放射活性を100%とした場合における取り込まれた放射活性の比(%)で示した。結果を図4に示す。なお図4中の「精製酵素」は、菌体酵素に代えて実施例4で用いた「精製された遊離の組換えK4CP」を界面活性剤の非存在下で反応させたものを、「界面活性剤なし」は、菌体酵素を界面活性剤の非存在下で反応させたものをそれぞれ意味する。
図4に示すように、菌体酵素を用いた場合、スクロースモノカプロン酸、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド又はスクロースモノラウリル酸を用いると、特に効率よく[H]GalNAcが取り込まれることが示された。
実施例7 酵素反応時における有機溶媒の影響の検討
終濃度1%の種々の有機溶媒を用い、実施例3と同様に試験することによって、有機溶媒の種類による[H]GalNAcの取り込みに対する影響を調べた。酵素としては、実施例1で製造した菌体酵素を用いた。また用いた有機溶媒は以下の通りである。
キシレン
パラホルムアルデヒド
ホルマリン
グルタールアルデヒド
クロロホルム
パラフィン
クロロホルム・エタノール混液
クロロホルム・キシレン混液
パラフィン・キシレン混液
取り込みは、使用した[H]GalNAcのトータルの放射活性を100%とした場合における取り込まれた放射活性の比(%)で示した。結果を図5に示す。なお図5中の「有機溶媒なし」は、菌体酵素を有機溶媒の非存在下で反応させたものを意味する。
図5に示すように、菌体酵素を用いた場合、クロロホルム又は「クロロホルムとキシレンとの混合物」を用いると、[H]GalNAcの取り込みが促進されることが示された。
また、有機溶媒としてクロロホルムを用いる場合の濃度の依存性を調べるために、酵素反応液中のクロロホルム濃度を0、0.5、1.0、2.0、5.0又は10.0%として実施例3と同様に試験することによって、高分子画分中の[H]GalNAcの取り込み量を調べた。結果を図6に示す。
図6に示す通り、菌体酵素を用いた場合、酵素反応液中のクロロホルムの濃度が0%超5%未満とすると、[H]GalNAcの取り込みが促進されることが示された。
実施例8 kfoA及びkfoFのサブクローニングと発現ベクターの構築
特開2003-199583で示された大腸菌K4株の遺伝子クラスターRegion 2(R-II)のDNA配列をテンプレートとして、PCR法により大腸菌由来UDP−Glc4−エピメラーゼ遺伝子(kfoA)及び大腸菌由来UDP−Glcデヒドロゲナーゼ遺伝子(kfoF)のcDNAを得た。得られたDNAを鋳型とし、以下のプライマーを用いて、以下の通りPCRを行った。
kfoA-SP:CGGGATCCCGATGAATATATTAGTTACAGG(下線部はBamHIサイト、配列番号5)
kfoA-AS:CCCAAGCTTGGGTAGAAGTTATCGTAAAAT(下線部はHindIIIサイト、配列番号6)
kfoF-SP:CGGGATCCCGATGAAAATTGCAGTTGCTGG(下線部はBamHIサイト、配列番号7)
kfoF-AS:CCCAAGCTTGGGTCTTTAATAGCCATAAAA(下線部はHindIIIサイト、配列番号8)
テンプレート100 ngに対し、TakaRa Ex Taq 2.5 Unit(タカラバイオ社製)、10×Ex Taq Buffer 10 μl、2.5 mM dNTP Mixture 8 μl、センスプライマーとアンチセンスプライマーをそれぞれ100 pmolずつ加え、milli-Q水で全量100 μlとなるよう調節した。PCRの条件は、94℃、5分で反応を行った後、「94℃で30秒間、55℃で1分間、72℃で90分間」のサイクルを30サイクル繰り返し、その後72℃で7分間反応させて行った。
反応液から目的のフラグメントをQIA quick(キアゲン社製)によりゲル抽出し、BamHIとHindIIIで終夜限定分解を行った。その後、再度ゲル抽出して目的のフラグメントを精製した。同じ制限酵素で限定分化したpTric-HisCベクター(インビトロゲン社製)約100 ngに対し、精製したcDNA断片を約300 ng、T4 ligase(NEB社製)0.5 μl、10×T4 ligase Buffer 1 μlを加え、milli-Q水で全量10 μlとなるよう調節し、16℃の水浴中で1時間ライゲーションを行った。その後、反応液5 μlを用いてTOP10のコンピテントセル100 μlを形質転換し、アンピシリンを含むLB寒天培地(LB/Ampプレート)に塗布した状態で37℃で終夜静置した。
プレート上のコロニーからそれぞれ任意の5つを選択し、アルカリプレップ法でプラスミドを抽出して、BamHIとHindIIIによりインサートチェックを行った。正しくインサートが組み込まれていたプラスミドについてシークエンスを確認し、データベースの遺伝子配列(GeneBank accession No. AB079602)と相違がないことを確認した。確認された大腸菌K4株由来UDP−Glc4−エピメラーゼ遺伝子(kfoA)及びUDP−Glcデヒドロゲナーゼ遺伝子(kfoF)のDNA配列をコードアミノ酸とともに配列表の配列番号1及び3に、これらの遺伝子によりコードされるUDP−Glc4−エピメラーゼ及びUDP−Glcデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列を配列番号2及び4に、それぞれ示す。
実施例9 KfoA及びKfoFの組換え体作製と活性確認
KfoA及びKfoFの発現ベクターをそれぞれ大腸菌TOP10に形質転換し、アンピシリン含有LB液体培地 100 ml中でO.D.600 = 0.5となるまで37℃で培養し、終濃度1mMとなるようIPTGを添加して3時間発現誘導を行った。その後、超音波処理して得られた可溶性画分をNi-NTA Agarose(キアゲン社製)カラムに通し、KfoA及びKfoFの精製酵素を得た。得られた酵素画分を1 Lの20 % Glycerol 含有PBS溶液中で終夜透析した後、溶液を入れ替えて6時間の透析を2回繰り返した。
KfoAの酵素反応は酵素2.5 μl、1 mM UDP−GlcNAc5 μl、1 M Tris-HCl 5 μl、水 37.5 μlを混合した溶液を30℃の浴槽中で1時間加温して行った。その後、Hydrosphere C18カラム(YMC社製)でUDP−GlcNAcとUDP−GalNAcを分離し、その面積比から酵素活性(単位時間当たりにUDP−GalNAcを産生する量)を見積もった。
KfoFの反応は酵素5 μl、1 mM UDP−Glc 5 μl、1 M Tris-HCl or Glycine-NaOH 5 μl、5 mM β-NAD+ 10 μl、水25 μlを混合した溶液を30℃の浴槽中で1時間加温して行った。その後、Hydrosphere C18カラムでUDP−GlcとUDP−GlcUを分離し、その面積比から酵素活性(単位時間当たりにUDP−GlcUAを産生する量)を見積もった。
大腸菌発現系により作製したKfoA及びKfoFの組換え酵素をNi-NTA Agaroseカラムで精製し、回収した画分をSDS PAGEで分離した。マウスTetra His tag抗体(キアゲン社製)を一次抗体に、Goat Anti Mouse HRP抗体(ギブコ社製)を二次抗体に用いたWestern Blottingで組換え酵素の発現を確認した。その結果、KfoAはHis tagの分子量を含めた42 kDaの位置に、KfoFは48 kDaの位置に特異的な染色が主バンドとして検出された。また、SDS PAGE後のゲルをCBB染色したところ、これらのバンド以外に強く染まったバンドは見られなかった。回収した酵素は20 % Glycerol 含有 PBS溶液で3回透析し、-80℃で保存した。
作製したKfoA及びKfoFの組換え酵素を用いて、至適反応条件の検討を行った。KfoA 2.5 μl、UDP−GlcNAc5 nmol、終濃度1 M Tris-HCl(pH 7.0 − 10.0)となるように調製した反応液(50 μl)を30℃の水浴中で1時間加温した。その後、Hydrosphere C18逆相カラムを用いて、作製されたUDP−GalNAcと未反応のUDP−GlcNAcを分離し、2つのピークの面積比からUDP−GalNAcが全糖ヌクレオチド量に対して占める割合を定量した。この結果、pH 8.5で最もUDP−GalNAcが多く作製されていた為、Tris-HCl pH8.5をKfoAの至適緩衝液と決定した。
また、KfoFについては、KfoF 5 μl、UDP−Glc 5 nmol、β-NAD+ 50 nmol、0.1 M Tris-HCl(pH 7.0 − 10.0)もしくは0.1 M Glycine-NaOH(pH 9.0 − 10.0)となるように調製した反応液(50 μl)を30℃の水浴中で1時間加温した。その後、吸光光度計で340 nmの吸光度を測定し、各pHでの酵素活性を相対的に比較した。この340 nmの吸光度はUDP−Glc 1分子が酸化された際に生じるβ-NADH 2分子に由来するものであり、KfoFの酵素活性に比例した値となる。この結果、Glycine-NaOH pH 9.4で反応した時の吸光度が最大であった為、これをKfoFの至適緩衝液と決定した。
実施例10 3種の菌体酵素リアクターによるCHポリマー合成
実施例1と同様にして、KfoA及びKfoFの発現ベクターをそれぞれ大腸菌TOP10に形質転換し、アンピシリン含有LB液体培地 100 ml中でO.D.600 = 0.5となるまで37℃で培養し、終濃度1 mMとなるようIPTGを添加した後、発現誘導を3時間行なった。培養液をそれぞれ1 mlずつに分注して、15,000×gで1分間遠心して上清を取り除き、-80℃で保存して、KfoAとKfoFの菌体酵素とした。この2種の菌体リアクターと実施例1で得たK4CP菌体を混ぜ、CH6 0.1 nmol, UDP-[3H]GlcNAc 3 nmol (0.1 μCi), UDP-Glc 3 nmol, β-NAD+ 30 nmolを加え、150 mM NaCl, 0.2 mM MnCl2, 50 mM Tris-HCl (pH 8.5), 0.4 % Nymeen S-215(界面活性剤)となるよう全量100 μlに調製し、30℃で激しく攪拌しながら終夜合成反応を行った。反応液は10分間煮沸した後に15,000×gで1分間遠心し、上清を0.45 μm孔径のフィルター(ミリポア社製)を通して濾過した。各サンプルをSuperdex Peptide 10/300 GL(アマシャム社製)でサイズ分画した後に、各画分の3H含量をシンチレーションカウンターで計測し、CHポリマーの合成を確認した。生成物のSuperdex Peptideカラムにおける溶出曲線を図7に示す(C-ABC(-))。さらにその生成物をコンドロイチナーゼABC処理した後、上記と同様にして各画分の3H含量をシンチレーションカウンターで計測した。コンドロイチナーゼABC処理した生成物のSuperdex Peptideカラムにおける溶出曲線を図7に示す(C-ABC(+))。生成物のコンドロイチナーゼABC処理により高分子ピークが消失したことから、得られた高分子はCH多糖鎖であることが明確となった(図7)。
また、CH6を添加しないで上記と同様のCH合成を行った。CH6を添加した場合としなかった場合の生成物のSuperose 6 10/300 GLカラムにおける溶出曲線を図8に示す(CH6(+)及びCH6(-))。CH6を添加しないと同様な操作をしてもコンドロイチナーゼ分解性の高分子は得られないことからCH6が、CH糖鎖伸長に必須であることが明らかとなった(図8)。
以上より、これら3つの酵素リアクターを用いた合成系により、UDP−GlcとUDP−GlcNAcを供与体基質として、受容体基質のCH6が伸長されて超高分子のCHポリマーが合成されたことが確認された。
本発明方法は、高分子CH糖鎖の製造に利用することができ、製造された高分子CHは医薬品、食品、化粧品などの機能性分子として有用である。
CH合成の界面活性剤濃度依存性を示す図である。 実施例4で得られた反応上清のSuperdexPeptideカラム溶出曲線を示す図である。 反応上清のSephacrylS500 とSuperose 6の直列カラムによる溶出曲線を示す図である。 終濃度0.4%の種々の界面活性剤のCH合成に対する影響を示す図である。 CH合成に対する有機溶媒の影響を示す図である。 CH合成に対する有機溶媒濃度依存性を示す図である。 実施例10で得られた生成物の及びコンドロイチナーゼABC処理した同生成物のSuperdex Peptideカラムにおける溶出曲線を示す図である。 実施例10のCH合成においてCH6を添加して得られた生成物および添加せずに得られた生成物のSuperoseカラムにおける溶出曲線を示す図である。

Claims (19)

  1. 下記工程を少なくとも含むことを特徴とする、コンドロイチン糖鎖の製造方法。
    工程:「グルクロン酸供与体」、「N−アセチルガラクトサミン供与体」、「糖受容体」及び「コンドロイチンを合成する菌体酵素」をナイミーン、MEGA−10、コール酸ナトリウム、n−オクチル−β−D−チオグルコピラノシド、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノコール酸、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれる界面活性剤存在下において反応系中に共存させる。
  2. 「コンドロイチンを合成する菌体酵素」が、大腸菌由来のコンドロイチンポリメラーゼを発現させた菌体酵素である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 大腸菌由来のコンドロイチンポリメラーゼが、K4CPである、請求項2に記載の製造方法。
  4. 菌体酵素として用いる宿主が、大腸菌である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 大腸菌が、大腸菌TOP10株である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 界面活性剤が、ナイミーン、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 界面活性剤が、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 「共存」が、25〜37℃の条件下で1時間〜10日間行われることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 「共存」が、25〜37℃の条件下で10〜30時間行われることを特徴とする、請求
    項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 「共存」が、25〜37℃の条件下で15〜24時間行われることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項記載の製造方法。
  11. 「グルクロン酸供与体」がUDP−グルクロン酸であり、かつ、「N−アセチルガラクトサミン供与体」がUDP−N−アセチルガラクトサミンである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. UDP−グルコース4−エピメラーゼ及びUDP−N−アセチルグルコサミン、並びにUDP−グルコースデヒドロゲナーゼ及びUDP−グルコースを反応系中に共存させ、「N−アセチルガラクトサミン供与体」としてのUDP−N−アセチルガラクトサミン、及び「グルクロン酸供与体」としてのUDP−グルクロン酸を供給する、請求項11に記載の製造方法。
  13. さらに、キシレン、クロロホルム、パラフィン及びホルムアルデヒドからなる群から選ばれる1又は2以上の有機溶媒を共存させることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 共存させる有機溶媒が、クロロホルム又は「クロロホルム及びキシレン」であることを特徴とする、請求項13に記載の製造方法。
  15. 共存状態における有機溶媒の濃度が、0%超5%未満であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の製造方法。
  16. 製造されるコンドロイチン糖鎖が、下記1)〜3)の全ての性質を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
    1)重量平均分子量:ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した場合、5万以上である。
    2)コンドロイチナーゼABCで完全に二糖に分解される。
    3)当該糖鎖をコンドロイチナーゼABCで分解して得られる産物を二糖分析すると、実質的に全てがコンドロイチン不飽和二糖に一致する。
  17. 重量平均分子量が7万5千以上である請求項16に記載の製造方法。
  18. 重量平均分子量が20万以上である請求項17に記載の製造方法。
  19. 「コンドロイチンを合成する菌体酵素」による酵素反応時に、ナイミーン、MEGA−10、コール酸ナトリウム、n−オクチル−β−D−チオグルコピラノシド、n−ノニル−β−D−チオマルトピラノシド、スクロースモノコール酸、スクロースモノカプロン酸及びスクロースモノラウリル酸からなる群から選ばれる界面活性剤を共存させることを特徴とする、コンドロイチン合成の促進方法。
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