JP2003199583A - コンドロイチン合成酵素及びそれをコードするdna - Google Patents
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Abstract
ードするDNA等を提供する。 【解決手段】 下記の性質を有するコンドロイチン合成
酵素。 (1)GlcUA供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からGalNAc
を、交互に糖鎖の非還元末端に転移する。 (2)非還元末端にGalNAcを有しかつコンドロイチン骨格
を有するオリゴ糖に対しては、GlcUA供与体からGlcUAを
転移するが、GalNAc供与体からGalNAcを実質的に転移し
ない。非還元末端にGlcUAを有する同オリゴ糖に対して
は、GalNAc供与体からGalNAcを転移するが、GlcUA供与
体からGlcUAを実質的に転移しない。 (3)Mn2+イオンの存在下で作用し、Ca2+若しく
はCu2+イオン又はEDTAの存在下では実質的に作
用しない。
Description
チン合成酵素、それをコードするDNA、コンドロイチ
ン合成酵素の製造方法、コンドロイチンの二糖繰返し単
位を有する糖鎖の製造方法、及びコンドロイチン合成酵
素に対するハイブリダイゼーション用プローブ等に関す
る。
について説明する。「GlcUA」はD-グルクロン酸を、「G
alNAc」はN-アセチル-D-ガラクトサミンを、「GlcNA
c」はN−アセチル-D-グルコサミンを、「UDP」はウリ
ジン 5'-ジリン酸を、式中に記載された「-」はグリコ
シド結合をそれぞれ意味する。
基の二糖の繰り返し構造(-GlcUAβ(1-3)-GalNAcβ(1-
4)-;本明細書において、コンドロイチン骨格ともい
う)からなる糖鎖であり、このコンドロイチンがさらに
硫酸化された糖鎖がコンドロイチン硫酸である。
GalNAcを交互に受容体に転移してコンドロイチンを合成
する酵素(コンドロイチン合成酵素)や、それをコード
するDNAについては、Pasteurella multocida由来の
コンドロイチン合成酵素(J.Biol.Chem. 275(31), 2412
4-24129(2000))が知られているのみである。
li Serotype O5:K4(L):H4、以下大腸菌K4株という)は
莢膜抗原としてコンドロイチン骨格を有する多糖体を産
生するが、その構造はGlcUA残基の側鎖にフルクトース
がβ2-3位で結合した三糖繰り返し構造をしている。し
たがって、大腸菌K4株がはたして自身の莢膜抗原合成系
としてコンドロイチン合成酵素を有しているかは不明で
あった。
なされたものであり、新規なコンドロイチン合成酵素、
それをコードするDNA、コンドロイチン合成酵素の製
造方法、コンドロイチンの二糖繰返し単位を有する糖鎖
の製造方法、及びコンドロイチン合成酵素に対するハイ
ブリダイゼーション用プローブ等を提供することを課題
とする。
を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の微生物
(大腸菌K4株(Escherichia coli Serotype O5:K4
(L):H4、ATCC23502))が産生する新規なコンドロイチ
ン合成酵素を見出し、これをコードするcDNAを単離
し、さらにこのcDNAを用いてコンドロイチン合成酵
素を製造することに成功して、本発明を完成するに至っ
た。
ンドロイチン合成酵素(以下、本発明酵素ともいう)を
提供する。なお、本明細書において「コンドロイチン合
成」あるいは「コンドロイチンの合成」とは、コンドロ
イチン等の糖鎖に単糖を転移・付加して、コンドロイチ
ンの糖鎖を延長することを含む概念である。よって、コ
ンドロイチンを合成する単糖(GlcUA及びGalNAc)を交互
に糖鎖に転移・付加してコンドロイチンの糖鎖を延長す
る反応は、「コンドロイチン」ないし「コンドロイチン
の合成」という概念に包含される。 (1)作用:GlcUA供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からG
alNAcを、交互に糖鎖の非還元末端に転移する。 (2)基質特異性:非還元末端にGalNAcを有しかつコンド
ロイチン骨格を有するオリゴ糖に対しては、GlcUA供与
体からGlcUAを転移するが、GalNAc供与体からGalNAcを
実質的に転移しない。非還元末端にGlcUAを有しかつコ
ンドロイチン骨格を有するオリゴ糖に対しては、GalNAc
供与体からGalNAcを転移するが、GlcUA供与体からGlcUA
を実質的に転移しない。 (3)金属イオン等による影響:Mn2+イオンの存在下
で作用し、Ca2+若しくはCu2+イオン又はエチレ
ンジアミン四酢酸の存在下では実質的に作用しない。本
発明酵素は、大腸菌由来であるものが好ましい。
ンパク質(以下、本発明タンパク質ともいう)を提供す
る。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列を含むタンパ
ク質。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列を含み、かつ、コンドロイチン合成酵素活
性を有するタンパク質。
れかを保持するDNA(以下、本発明DNAともいう)
を提供する。 (a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるタン
パク質をコードするDNA。このDNAは配列番号1で
示されるDNAであることが好ましい。 (b)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列からなり、かつ、コンドロイチン合成酵素
活性を有するタンパク質をコードするDNA。 (c)上記(a)に記載のDNA若しくは当該DNAに
相補的なDNA又はこれらのDNAの塩基配列の一部を
有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNA。
クター(以下、本発明ベクターともいう)を提供する。
本発明ベクターは、発現ベクターであることが好まし
い。
主が形質転換された形質転換体(以下、本発明形質転換
体ともいう)を提供する。
せ、その生育物からコンドロイチン合成酵素を採取する
ことを特徴とする、コンドロイチン合成酵素の製造方法
(以下、本発明酵素製造方法ともいう)を提供する。
すアミノ酸配列をそのアミノ酸配列中に包含し、かつ下
記(イ)及び(ロ)の触媒活性を有する酵素タンパク質
を含有する、糖鎖合成剤(以下、本発明合成剤ともい
う)を提供する。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列。 (イ)GlcUA供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からGalN
Acを、交互に糖鎖の非還元末端に転移する。 (ロ)GlcNAc供与体からGlcNAcを、非還元末端にGlcUA
を有する糖鎖の当該非還元末端に転移する。
与体及び下記一般式(1)で示される糖鎖に接触させる工
程を少なくとも含む、下記一般式(3)で示される糖鎖の
製造方法(以下、本発明糖鎖製造方法1ともいう)を提
供する。 GlcUA-X-R1 (1) GalNAc-GlcUA-X-R1 (3) (各式中、XはGalNAc又はGlcNAcを、R1は任意の基を示
す。)また本発明は、本発明合成剤を、GlcNAc供与体及
び下記一般式(1)で示される糖鎖に接触させる工程を少
なくとも含む、下記一般式(4)で示される糖鎖の製造方
法(以下、本発明糖鎖製造方法2ともいう)を提供す
る。 GlcUA-X-R1 (1) GlcNAc-GlcUA-X-R1 (4) (各式中、X及びR1はいずれも前記と同義である。)
与体及び下記一般式(2)で示される糖鎖に接触させる工
程を少なくとも含む、下記一般式(5)で示される糖鎖の
製造方法(以下、本発明糖鎖製造方法3ともいう)を提
供する。 GalNAc-GlcUA-R2 (2) GlcUA-GalNAc-GlcUA-R2 (5) (各式中、R2は任意の基を示す。)
与体及びGlcUA供与体、並びに下記一般式(1)で示される
糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一般式
(6)及び(8)から選ばれる糖鎖の製造方法(以下、本発明
糖鎖製造方法4ともいう)を提供する。 GlcUA-X-R1 (1) (GlcUA-GalNAc)n-GlcUA-X-R1 (6) GalNAc-(GlcUA-GalNAc)n-GlcUA-X-R1 (8) (各式中、nは1以上の整数を示し、X及びR1はいずれ
も前記と同義である。)
与体及びGlcUA供与体、並びに下記一般式(2)で示される
糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一般式
(7)及び(9) から選ばれる糖鎖の製造方法(以下、本発
明糖鎖製造方法5ともいう)を提供する。 GalNAc-GlcUA-R2 (2) (GalNAc-GlcUA)n-GalNAc-GlcUA-R2 (7) GlcUA-(GalNAc-GlcUA)n-GalNAc-GlcUA-R2 (9) (各式中、n及びR2はいずれも前記と同義である。)ま
た本発明は、配列番号1で示される塩基配列又はその一
部と相補的な塩基配列を有するハイブリダイゼーション
用プローブ(以下、本発明プローブともいう)を提供す
る。
示すアミノ酸配列を含む酵素タンパク質を含有し、GlcU
A供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からGalNAcを、GlcN
Ac供与体からGlcNAcをそれぞれ糖鎖の非還元末端に転移
する機能を有する、糖転移触媒(以下、本発明触媒とも
いう)を提供する。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列。
によって詳説する。 <1>本発明酵素、本発明タンパク質 本発明酵素は、下記の(1)〜(3)の性質を有するコンドロ
イチン合成酵素である。 (1)作用:GlcUA供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からG
alNAcを、交互に糖鎖の非還元末端に転移する。
ドジリン酸−GlcUAが好ましく、UDP-GlcUAが特に好まし
い。また、GalNAc供与体としてはヌクレオシドジリン酸
−GalNAcが好ましく、UDP-GalNAcが特に好ましい。
から、GlcUAとGalNAcを交互に糖鎖(受容体)の非還元
末端に転移する。例えば、糖鎖(受容体)の非還元末端
にまずGlcUAが転移された場合には、次いでGalNAcが転
移され、次いでGlcUAが転移され、次いでGalNAcが転移
され、という要領で単糖が転移される。同様に、糖鎖
(受容体)の非還元末端にまずGalNAcが転移された場合
には、次いでGlcUAが転移され、次いでGalNAcが転移さ
れ、次いでGlcUAが転移され、という要領で単糖が転移
される。この結果、本発明酵素によってGlcUA残基とGal
NAc残基の二糖の繰り返し構造、すなわちコンドロイチ
ン骨格が合成されることになる。
ロイチン骨格を有する糖鎖が好ましい。コンドロイチン
骨格を有する糖鎖としては、コンドロイチン硫酸やコン
ドロイチンが例示される。コンドロイチン硫酸のなかで
も、コンドロイチン6−硫酸構造を主とし、若干のコン
ドロイチン4−硫酸構造をも含むコンドロイチン硫酸
(以下、コンドロイチン硫酸Cという)が好ましい。
ことがより好ましい。オリゴ糖のサイズは特に限定され
ないが、受容体がコンドロイチン硫酸Cのオリゴ糖の場
合には6糖又は7糖が、コンドロイチンのオリゴ糖の場
合には4糖又は6糖がそれぞれ好ましい。
らGalNAcを、ヒアルロン酸骨格(GlcUA残基とGlcNAc残基
の二糖の繰り返し構造)を有する糖鎖に転移する作用を
有しているものが好ましい。ヒアルロン酸骨格を有する
糖鎖もオリゴ糖であることが好ましい。オリゴ糖のサイ
ズは特に限定されないが、6糖程度のものが特に好まし
い。
しかつコンドロイチン骨格を有するオリゴ糖に対して
は、GlcUA供与体からGlcUAを転移するが、GalNAc供与体
からGalNAcを実質的に転移しない。
チン骨格を有するオリゴ糖に対しては、GalNAc供与体か
らGalNAcを転移するが、GlcUA供与体からGlcUAを実質的
に転移しない。
Acを有しかつコンドロイチン骨格を有するオリゴ糖に対
して、GlcNAc供与体からGlcNAcを実質的に転移しないも
のが好ましい。本発明酵素は、さらに、非還元末端にGl
cUAを有しかつコンドロイチン骨格を有するオリゴ糖に
対して、GlcNAc供与体からGlcNAcを転移するものが好ま
しい。ただし、GlcNAcが転移されて生成したオリゴ糖に
対して、GlcUA供与体からGlcUAを実質的に転移しないも
のが好ましい。
有しかつヒアルロン酸骨格を有するオリゴ糖に対して
は、GalNAc供与体からGalNAcを転移するが、GlcUA供与
体からGlcUAを実質的に転移しないものが好ましい。
オンの存在下で作用し、Ca2+若しくはCu2+イオ
ン又はエチレンジアミン四酢酸の存在下では実質的に作
用しない。
e2+又はMg2+イオンの存在下でも作用するもので
ある。また本発明酵素は、Mn2+イオンの存在下にお
ける作用の程度(酵素活性)が、Fe2+又はMg2+
イオンの存在下における作用の程度(酵素活性)よりも
高いものが好ましい。
5℃以上において、反応温度の上昇とともに反応生成物
(コンドロイチン鎖)のサイズが小さくなることが観察
されれいる(実施例参照)。従って本発明酵素は、後述
の実施例に記載の反応条件においては、25℃以上にお
いて反応温度の上昇につれて酵素活性が低下するものと
考えられる。
しい。特に莢膜多糖体の生産に関与する遺伝子を持つ大
腸菌が好ましく、莢膜抗原(K)が「K4」である大腸
菌がより好ましい。莢膜抗原の抗原型(Serotype)が
「K4」である大腸菌としては、大腸菌K4株(Escherich
ia coli Serotype O5:K4(L):H4)が好ましく例示され、
更に具体的にはATCC23502, NCDC U1-41, Freiburg coll
ection number 2616等が好ましく例示される。
のタンパク質(本発明タンパク質)であることが好まし
い。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列を含むタンパ
ク質。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列を含み、かつ、コンドロイチン合成酵素活
性を有するタンパク質。
ードするDNAの多型や変異の他、生成後のタンパク質
の細胞内及び精製中の修飾反応などによってそのアミノ
酸配列中にアミノ酸の置換、欠失、挿入又は転位等の変
異が起こりうるが、それにもかかわらず変異を有しない
タンパク質と実質的に同等の生理、生物学的活性を示す
ものがあることが知られている。このように構造的に若
干の差違があってもその機能については大きな違いが認
められないタンパク質も、本発明タンパク質に包含され
る。人為的にタンパク質のアミノ酸配列に上記のような
変異を導入した場合も同様であり、この場合にはさらに
多種多様の変異体を作製することが可能である。例え
ば、ヒトインターロイキン2(IL-2)のアミノ酸配列中
の、あるシステイン残基をセリンに置換したポリペプチ
ドがインターロイキン2活性を保持することが知られて
いる(Science,224,1431(1984))。また、ある種のタンパ
ク質は、活性には必須でないペプチド領域を有している
ことが知られている。例えば、細胞外に分泌されるタン
パク質に存在するシグナルペプチドや、プロテアーゼの
前駆体等に見られるプロ配列などがこれにあたり、これ
らの領域のほとんどは翻訳後、又は活性型タンパク質へ
の転換に際して除去される。このようなタンパク質は、
一次構造上は異なった形で存在しているが、最終的には
同等の機能を有するタンパク質である。
は、コンドロイチン合成酵素の活性が失われない程度の
変異を起こしてもよいアミノ酸の数を示し、例えば60
0アミノ酸残基からなるタンパク質の場合、2〜30程
度、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜8以下の
数を示す。
(B)に記載のアミノ酸配列を含んでいる限りにおいて
他のタンパク質やペプチドのアミノ酸配列を含んでいて
も良い。すなわち本発明タンパク質は、他のタンパク質
やペプチドとの融合タンパク質であっても良い。
ミノ酸配列からなるタンパク質とマーカーペプチドとの
融合タンパク質等も本発明タンパク質に包含される。こ
のような本発明タンパク質は、精製を容易にすることが
できるというメリットがある。上記マーカーペプチドと
しては例えばプロテインA、インスリンシグナル配列、
His、FLAG、CBP(カルモジュリン結合タンパク質)、GS
T(グルタチオン S−トランスフェラーゼ)などが挙げ
られる。例えばプロテインAとの融合タンパク質は、I
gGを結合させた固相を用いたアフィニティークロマト
グラフィーによって簡便に精製することができる。同様
に、Hisタグとの融合タンパク質については磁性ニッケ
ルを結合させた固相を用いることができ、FLAGとの融合
タンパク質については抗FLAG抗体を結合させた固相を用
いることができる。またインスリンシグナルとの融合タ
ンパク質は、細胞外(培地等)に分泌されることから、
細胞破砕等の抽出操作が不要となる。本発明タンパク質
(本発明酵素)は可溶性のものが好ましい。
酸配列で示されるペプチド(Hisタグ)との融合タンパ
ク質である。このHisタグは、配列番号2で示される
アミノ酸配列の直前の位置に連続して融合させることが
好ましい。この融合タンパク質は、配列番号4の塩基配
列を、配列番号1の塩基配列の直前の位置に連続して結
合させたDNAを発現させることによって製造すること
ができる。この融合タンパク質は可溶性である。
コシルトランスフェラーゼの一般的なアッセイ方法に準
じて検出することができる。具体的には、GlcUA供与
体、GalNAc供与体、及び受容体となる糖鎖を用い、GlcU
AとGalNAcが交互に糖鎖(受容体)の非還元末端に転移
してコンドロイチンを合成する活性として検出すること
ができる。
に対してはGlcUA供与体からGlcUAを転移し、かつ、非還
元末端にGlcUAを有する糖鎖に対してはGalNAc供与体か
らGalNAcを転移する場合には、GlcUAとGalNAcが交互に
糖鎖の非還元末端に転移する活性、すなわちコンドロイ
チン合成酵素活性を有すると判定できる。具体的方法と
しては、後述の実施例に記載した酵素活性の測定方法を
採用することが好ましい。このような方法によって、コ
ンドロイチン合成酵素活性を保持しているアミノ酸の欠
失、置換、挿入又は転位を容易に選択することができ
る。
法は特に限定されず、後述の本発明DNAを適当な細胞
で発現させることによって製造することができる。また
天然物から単離されたものや、化学合成等によって製造
されたものについても当然に本発明酵素や本発明タンパ
ク質に包含される。本発明DNAを用いた本発明酵素
(本発明タンパク質)の製造方法については後述する。
するDNAである。 (a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるタン
パク質をコードするDNA。このDNAは配列番号1で
示されるDNAであることが好ましい。 (b)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列からなり、かつ、コンドロイチン合成酵素
活性を有するタンパク質をコードするDNA。 (c)上記(a)に記載のDNA若しくは当該DNAに
相補的なDNA又はこれらのDNAの塩基配列の一部を
有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNA。
件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、
非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう(Sa
mbrook, J. et al., Molecular Cloning A Laboratory
Manual, second Edition, Cold Spring Harbor Laborat
ory Press (1989)等参照)。「ストリンジェントな条
件」として具体的には、50%ホルムアミド、4×SS
C、50mMHEPES(pH7.0)、10×Denhardt's soluti
on、100μg/mlサケ精子DNAを含む溶液中、42℃でハイブ
リダイズさせ、次いで室温で2×SSC、0.1%SDS
溶液、50℃下で0.1×SSC、0.1%SDS溶液で洗浄す
る条件が挙げられる。
する大腸菌から取得されたものであるが、形質転換され
た他の生物種から取得されたものや、化学合成等によっ
て製造されたDNAも当然に包含される。本発明DNA
の製造方法も特に限定されないが、例えば後述の実施例
に記載の方法を用いることが好ましい。本発明DNAと
して、遺伝暗号の縮重による種々の異なった塩基配列を
有するDNAが存在することは、当業者にとって容易に
理解されるところである。
ある。本発明ベクターに保持される本発明DNAとして
好ましいDNAは、前記<2>の説明と同様である。ま
た本発明ベクターは、後述する本発明酵素製造方法に好
ましく用いられることから、発現ベクターであることが
好ましい。本発明DNAを公知のベクターに組込むこと
によって、本発明ベクターを調製することができる。
は、例えば、導入したDNAを発現させることができる
適当な発現ベクター(ファージベクター或いはプラスミ
ドベクター等)を使用することができ、本発明ベクター
を組込む宿主細胞に応じて適宜選択できる。このような
宿主−ベクター系としては、COS細胞、3LL-HK46細胞な
どの哺乳類細胞と、pGIR201(Kitagawa, H., and Pauls
on, J. C. (1994) J. Biol. Chem. 269, 1394-1401)、
pEF-BOS(Mizushima, S., and Nagata, S. (1990) Nucl
eic Acid Res. 18, 5322)、pCXN2(Niwa, H., Yamanur
a, K. and Miyazaki, J. (1991) Gene 108, 193-200)、
pCMV-2(イーストマン コダック(EastmanKodak)製)、
pCEV18、pME18S(丸山ら,Med. Immunol., 20, 27(199
0))又はpSVL(ファルマシア バイオテック社製)等の
哺乳類細胞用発現ベクターの組み合わせ、大腸菌(E. c
oli)と、pTrcHis(インビトロゲン社製)、pGEX(ファ
ルマシア バイオテック社製)、pTrc99(ファルマシア
バイオテック社製)、pKK233-3(ファルマシア バイ
オテック社製)、pEZZZ18(ファルマシア バイオテッ
ク社製)、pCH110(ファルマシア バイオテック社
製)、pET(ストラタジーン社製)、pBAD(インビトロ
ゲン社製)、pRSET(インビトロゲン社製)、及びpSE42
0(インビトロゲン社製)等の原核細胞用の発現ベクタ
ーとの組み合わせのほか、宿主細胞として昆虫細胞、酵
母、枯草菌などが例示され、これらに対応する各種ベク
ターが例示される。上述の宿主−ベクター系の中でも特
に大腸菌とpTrcHisとの組み合わせが好ましい。
本発明タンパク質(本発明酵素)とマーカーペプチドと
の融合タンパク質を発現するように構築されたものを用
いることもでき、前記<1>で説明した通り、本発明ベ
クターを用いて発現されるコンドロイチン合成酵素を精
製する場合には特に好ましい。具体的には、例えばHi
sを発現する塩基配列(例えば配列番号4の塩基配列)
を保有するベクターが好ましい。
も、本発明DNAとベクターとの連結が可能となるよう
に、これら双方を制限酵素等によって処理し、必要に応
じて平滑化や粘着末端の連結を行った後、本発明DNA
とベクターとを連結することができる。本発明ベクター
の製造方法としては、例えば後述の実施例に記載の方法
を用いることができ、かつ、好ましい。
質転換された形質転換体である。ここでいう「宿主」
は、本発明ベクターによる組換えが可能なものであれば
よいが、本発明DNA又は本発明DNAを組み込んだ組
換えベクターの機能を発揮できるものが好ましい。宿主
としては、動物細胞、植物細胞、微生物細胞(菌体)が
包含され、COS細胞(COS-1細胞、COS-7細胞等)、3LL-H
K46細胞などの哺乳類細胞、大腸菌(E. coli)、昆虫細
胞、酵母、枯草菌などが例示される。宿主は、本発明ベ
クターにあわせて適宜選択することができるが、例えば
pTrcHisをベースとする本発明ベクターを用いる場合に
は大腸菌を選択することが好ましい。
常法によって行うことができる。例えば、市販のトラン
スフェクション用試薬を用いる方法や、DEAE-デキスト
ラン法、エレクトロポレーション法等によって本発明ベ
クターを宿主に導入し、形質転換を行うことができる。
このようにして得られる本発明形質転換体は、後述の本
発明酵素製造方法に用いることができる。
その生育物からコンドロイチン合成酵素を採取すること
を特徴とする、コンドロイチン合成酵素の製造方法であ
る。
ある細胞や微生物自体の増殖、本発明形質転換体である
細胞を組み込んだ動物、昆虫等の生育を含む概念であ
る。また、ここでいう「生育物」とは、本発明形質転換
体を生育させた後の培地(培養液の上清)及び培養され
た宿主細胞、分泌物、排出物等を包含する概念である。
生育の条件(培地や培養条件等)は、用いる宿主に合わ
せて適宜選択される。本発明酵素製造方法によれば、用
いる形質転換体に応じて種々の形態のコンドロイチン合
成酵素を産生させることができる。
ク質を発現するよう構築された発現ベクターによって形
質転換された形質転換体を生育させれば、マーカーペプ
チドと融合したコンドロイチン合成酵素が産生される。
具体的には、例えば配列番号4のアミノ酸配列が、配列
番号2で示されるアミノ酸配列の直前の位置に連続して
融合したタンパク質を発現するよう構築された発現ベク
ターによって形質転換された形質転換体を生育させるこ
とによって、Hisタグと融合したコンドロイチン合成
酵素が産生される。特に、配列番号4の塩基配列を、配
列番号1の塩基配列の直前の位置に連続して結合させる
ことによって構築した発現ベクターによって形質転換さ
れた形質転換体を用いることが好ましい。
取は、産生されるコンドロイチン合成酵素の形態に応じ
て、タンパク質の公知の抽出・精製方法によって行うこ
とができる。
(培養液の上清)中に分泌される可溶性の形態で産生さ
れる場合には、培地を採取し、これをそのままコンドロ
イチン合成酵素として用いてもよい。またコンドロイチ
ン合成酵素が細胞質中に分泌される可溶性の形態、又は
不溶性(膜結合性)の形態で産生される場合には、窒素
キャビテーション装置を用いる方法、ホモジナイズ、ガ
ラスビーズミル法、音波処理、浸透ショック法、凍結融
解法等の細胞破砕による抽出、界面活性剤抽出、又はこ
れらの組み合わせ等の処理操作によってコンドロイチン
合成酵素を抽出することができ、その抽出物をそのまま
コンドロイチン合成酵素として用いてもよい。
ン合成酵素をさらに精製することもでき、かつ好まし
い。精製は、不完全な精製(部分精製)であっても、完
全な精製であってもよく、コンドロイチン合成酵素の使
用目的等に応じて適宜選択することができる。
ンモニウム(硫安)や硫酸ナトリウム等による塩析、遠
心分離、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラフィー、
イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフ
ィー、逆相クロマトグラフィー、ゲルろ過法、ゲル浸透
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、電気泳動法等や、これらの組み合わせ等の処理操作
が挙げられる。コンドロイチン合成酵素の製造は、アミ
ノ酸配列、作用、基質特異性等を分析することによって
確認することができる。
配列をそのアミノ酸配列中に包含し、かつ下記(イ)及
び(ロ)の触媒活性を有する酵素タンパク質を含有す
る、糖鎖合成剤である。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列。 (イ)GlcUA供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からGalN
Acを、交互に糖鎖の非還元末端に転移する。 (ロ)GlcNAc供与体からGlcNAcを、非還元末端にGlcUA
を有する糖鎖の当該非還元末端に転移する。 本発明合成剤の有効成分である「上記(A)又は(B)
に示すアミノ酸配列をそのアミノ酸配列中に包含し、か
つ上記(イ)及び(ロ)の触媒活性を有する酵素タンパ
ク質」としては、本発明酵素又は本発明タンパク質をそ
のまま用いることができる。
ンパク質が有する「GalNAcの転移作用」、「GlcNAcの転
移作用」及び「GlcUAの転移作用」を、糖鎖の合成剤と
して応用したものである。
ある。本明細書において「糖鎖の合成」あるいは「糖鎖
合成」とは、ある糖鎖に単糖を転移・付加して、糖鎖を
延長することを含む概念である。例えば、コンドロイチ
ン、コンドロイチン硫酸又はヒアルロン酸等の糖鎖に、
GlcUA、GalNAc又はGlcNAc等の単糖を転移・付加してこ
れらの糖鎖を延長する概念は、本明細書における「糖鎖
合成」という用語に包含される。
態、凍結形態、凍結乾燥形態、担体と結合した固定化酵
素形態のいずれであってもよい。またコンドロイチン合
成酵素の活性に影響を与えない限りにおいて他の成分
(例えば、医薬的又は試薬的に許容される担体等)を含
んでいてもよい。
ものであり、使用する糖供与体と受容体基質に応じて、
以下の4つに分けることができる。 (1)本発明糖鎖製造方法1 本発明合成剤を、GalNAc供与体及び下記一般式(1)で示
される糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一
般式(3)で示される糖鎖の製造方法。 GlcUA-X-R1 (1) GalNAc-GlcUA-X-R1 (3)
される糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一
般式(4)で示される糖鎖の製造方法。 GlcUA-X-R1 (1) GlcNAc-GlcUA-X-R1 (4)
れる糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一般
式(5)で示される糖鎖の製造方法。 GalNAc-GlcUA-R2 (2) GlcUA-GalNAc-GlcUA-R2 (5)
に下記一般式(1)で示される糖鎖に接触させる工程を少
なくとも含む、下記一般式(6)及び(8)から選ばれる糖鎖
の製造方法。 GlcUA-X-R1 (1) (GlcUA-GalNAc)n-GlcUA-X-R1 (6) GalNAc-(GlcUA-GalNAc)n-GlcUA-X-R1 (8)
に下記一般式(2)で示される糖鎖に接触させる工程を少
なくとも含む、下記一般式(7)及び(9) から選ばれる糖
鎖の製造方法。 GalNAc-GlcUA-R2 (2) (GalNAc-GlcUA)n-GalNAc-GlcUA-R2 (7) GlcUA-(GalNAc-GlcUA)n-GalNAc-GlcUA-R2 (9) 上記各式中の「X」はGalNAc又はGlcNAcを、「R1」及び
「R2」は任意の基を示す。「R1」と「R2」は互いに同一
でも異なっていてもよい。
ドロイチン骨格を有する糖鎖や、ヒアルロン酸骨格を有
する糖鎖等が例示される。
しいものは、非還元末端にGlcUAを有するコンドロイチ
ン硫酸(特にコンドロイチン硫酸C)、コンドロイチン
若しくはヒアルロン酸又はこれらのオリゴ糖である。
しいものは、非還元末端にGalNAcを有するコンドロイチ
ン硫酸(特にコンドロイチン硫酸C)若しくはコンドロ
イチン又はこれらのオリゴ糖である。
ン酸−GalNAcが好ましく、UDP-GalNAcが特に好ましい。
GlcNAc供与体としては、ヌクレオシドジリン酸−GlcNAc
が好ましく、UDP-GlcNAcが特に好ましい。また、GlcUA
供与体としては、ヌクレオシドジリン酸−GlcUAが好ま
しく、UDP-GlcUAが特に好ましい。
まれる本発明酵素(又は本発明タンパク質)、供与体、
及び受容体(糖鎖)の分子が相互に接触して酵素反応が
生ずる限りにおいて特に限定されない。例えばこれら三
者が溶解した溶液中で接触させてもよい。また本発明合
成剤中に含まれるコンドロイチン合成酵素を適当な固相
(ビーズ等)に結合させた固定化酵素や、限外濾過膜、
透析膜等を用いる膜型リアクター等を用いて連続的に酵
素反応させることもできる。また、PCT国際公開パン
フレットWO00/27437号に記載された方法と同
様に、受容体を固相に結合させて酵素反応させることも
できる。さらに、供与体を再生(合成)するバイオリア
クターを組み合わせて用いてもよい。
必ずしもGalNAc供与体とGlcUA供与体とを同時に本発明
合成剤及び上記一般式(1)又は(2)で示される糖鎖に接触
させる必要はなく、これら供与体を交互に接触させても
よい。
本発明タンパク質)が作用する条件である限りにおいて
特に限定されないが、中性pH付近(例えばpH 7.0〜7.
5程度)で反応させることが好ましく、当該pH下で緩
衝作用を有する緩衝液中で反応を行うことがより好まし
い。またこのときの温度も、本発明酵素(又は本発明タ
ンパク質)の活性が保持されている限りにおいて特に限
定されないが、25℃〜30℃程度が例示される。また本発
明酵素(又は本発明タンパク質)の活性を増加させる物
質がある場合には、その物質を添加してもよい。例えば
Mn2+等を共存させることが好ましい。反応時間は、使
用する本発明合成剤、供与体及び受容体の量、並びにそ
の他の反応条件に応じて当業者が適宜決定することがで
きる。
によって行うことができる。また、本発明合成剤(コン
ドロイチン合成酵素)と、硫酸基転移酵素(スルホトラ
ンスフェラーゼ)とを組み合わせて用いることによっ
て、コンドロイチン硫酸等の硫酸化糖を製造することも
できる。
さらに硫酸基供与体(3'-ホスホアデノシン 5'-ホスホ
硫酸(PAPS)など)と硫酸基転移酵素を共存せしめ、コン
ドロイチンの生成と硫酸基の転移とを同時に行うことに
よって、コンドロイチン硫酸等の硫酸化糖を製造するこ
とができる。硫酸基転移酵素は、前記と同様に適当な固
相(ビーズ等)に結合させた固定化酵素として用いても
よく、限外濾過膜、透析膜等を用いる膜型リアクターを
用いて、連続的に反応させてもよい。この際、硫酸基供
与体を再生(合成)するバイオリアクターを組み合わせ
て用いてもよい。
は、コンドロイチンに硫酸基を転移する酵素であればよ
く、所望のコンドロイチン硫酸のタイプに応じて、公知
のものから適宜選択することができる。また、硫酸基の
転移位置が異なる2種類以上の硫酸基転移酵素を組み合
わせて用いてもよい。硫酸基転移酵素の一例として、例
えばコンドロイチン6−O−硫酸基転移酵素(J. Biol.
Chem., 275(28), 21075-21080 (2000))を挙げること
ができるが、これに限定されず、他の酵素を用いること
もできる。
その一部と相補的な塩基配列を有するハイブリダイゼー
ション用プローブである。本発明プローブは、配列番号
1に示される塩基配列又はその一部と相補的な塩基配列
を有するオリゴヌクレオチドを作成し、これをハイブリ
ダイゼーションに適した標識(例えば、放射性同位体)
で標識することによって得ることができる。
ーブを用いるハイブリダイゼーションの条件等によって
適宜選定される。本発明プローブは、コンドロイチン硫
酸の生物学的機能を調べる有用な道具となることが期待
される。コンドロイチン硫酸は、広く発現し、かつ、多
くの組織、特に脳において重要な役割を果たしているか
らである。このプローブはさらに、遺伝子と疾患との関
連を探るのにも有用と考えられる。
列を含む酵素タンパク質を含有し、GlcUA供与体からGlc
UAを、GalNAc供与体からGalNAcを、GlcNAc供与体からGl
cNAcをそれぞれ糖鎖の非還元末端に転移する機能を有す
る、糖転移触媒である。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列。 本発明触媒の有効成分である「上記(A)又は(B)に
示すアミノ酸配列を含む酵素タンパク質」としては、本
発明酵素又は本発明タンパク質をそのまま用いることが
できる。
パク質が有する「GalNAcの転移作用」、「GlcNAcの転移
作用」及び「GlcUAの転移作用」を、糖転移触媒として
応用したものである。本発明触媒は、GlcUA、GalNAc又
はGlcNAcの転移に用いることができる。例えば、コンド
ロイチン、コンドロイチン硫酸又はヒアルロン酸等の糖
鎖の非還元末端に、GlcUA、GalNAc又はGlcNAc等の単糖
を転移する際に用いることができる。
態、凍結形態、凍結乾燥形態、担体と結合した固定化酵
素形態のいずれであってもよい。またGlcUA、GalNAc又
はGlcNAcの転移活性に影響を与えない限りにおいて他の
成分(例えば、医薬的又は試薬的に許容される担体等)
を含んでいてもよい。
る。しかしながら、これらによって本発明の技術的範囲
が限定されるものではない。なお、本実施例において用
いたUDP-[14C]GlcUA、UDP-[3H]GalNAc及びUDP-[14C]Glc
NAcは、NEN ライフサイエンス社から入手した。また、U
DP-GlcUA、UDP-GalNAc及びUDP-GlcNAcはシグマ社から入
手した。
のクローニング (1)DNAライブラリーの作製 大腸菌K4株(serotype O5:K4(L):H4、ATCC 23502)を、
50mlのLB培地中で 37℃、一晩培養した。遠心分離(3
800rpm、15分)して菌体を集め、1mM エチレンジアミン
四酢酸(EDTA)を含む10mM Tris-HCl(pH 8.0)緩衝液
(以下TEという)9mlに懸濁し、10% SDS 0.5ml及びpro
teinase K(20mg/ml:Boehringer Mannheim)50μlを加
えて37℃で1時間処理した。その懸濁液に、10mlのPCI溶
液(フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール
=25:24:1)を加えて30分間攪拌し、遠心分離(3800r
pm、15分)して水層及び中間の不溶物を集め、再度遠心
分離(10000rpm、30分)した。上清を集めRNaseA(20mg
/ml:Sigma)50μlを加えて37℃で1時間反応させた。そ
の処理液に、10mlのPCI溶液を加えて30分間攪拌し、遠
心分離(3800rpm、15分)によって水層を集め再度遠心
分離(10000rpm、30分)した。上清を集めて2000mlのTE
に対して4℃で一晩透析して得られた透析内液(7.5m
l)を染色体DNA溶液(DNA濃度0.9mg/ml)とした。得ら
れたK4株由来の染色体DNA溶液120μlを制限酵素Sau3A1
(4単位:NEB)を用いて37℃で30分間切断処理をし、0.
3%アガロースゲル電気泳動した後、約7〜11kbpのDNAが
泳動される位置のアガロースゲルを切り出した。切り出
したゲルを注射針で底に穴をあけた1.5mlチューブに入
れ、そのチューブごと2mlチューブに重ねて遠心分離(8
000rpm、1分)してゲルを潰した。そして、ゲルとほぼ
等量の中和フェノールを加えて強く攪拌して、−80℃で
凍結処理した。30分後室温に戻し融解させた後、遠心分
離(13000rpm、5分)によって水層を集めて、等量のPCI
溶液を加えて攪拌後、遠心分離(13000rpm、5分)し
た。水層を集めて1/10量の3M 酢酸ナトリウム溶液及び
等量の2-プロパノールを加えてDNAを沈殿させ、遠心分
離(13000rpm、30分)して集めた。集めた沈殿に70%
エタノール溶液を加えて遠心分離(13000rpm、5分)
し、沈殿にTEを100μl加えて溶解した。この溶液を濃縮
するために10μlの3M 酢酸ナトリウム溶液及び300μlの
エタノールを加えてDNAを沈殿させ、遠心分離(13000rp
m、20分)して回収した。集めた沈殿に70% エタノール
溶液を加えて遠心分離(13000rpm、5分)し、沈殿を精
製水4μlに溶解して染色体DNA断片溶液を得た。そのDNA
断片溶液2μlを制限酵素(BamH I(80単位:NEB)及びE
coRI(80単位:NEB))で処理したλファージベクター
(λEMBL3:STRATAGENE)に組み込み、パッケージング
キット(Gigapack III Gold Packaging Extract、STRAT
AGENE)を用いて添付の操作法に従ってパッケージング
を行い、大腸菌(NM539株)にλファージを感染させて
増殖させ、K4染色体DNAライブラリーを作製した。
1-620 (1995))大腸菌K5株(Serotype O10:K5(L):H4、A
TCC 23506)のK抗原遺伝子クラスター部分3領域の
内、K抗原糖鎖特異的領域 R-II部(gene bank accessi
on NO.X77617)を挟んで、大腸菌株間で相同性が高いと
言われているR-I部(gene bank accession NO.X74567)
の3'端寄りの1kbp程度のDNAフラグメントが得られるよ
うなプライマーセット(CS-S 5'-ACCCAACACTGCTACAACCT
ATATCGG-3'(配列番号5);CS-AS5'-GCGTCTTCACCAATAAA
TACCCACGAAACT-3'(配列番号6))と、R-III部(gene
bank accession NO.X53819)の 5'端寄りの1kbp程度のD
NAフラグメントが得られるようなプライマーセット(TM
-S 5'-CGAGAAATACGAACACGCTTTGGTAA-3'(配列番号7);
TM-AS 5'-ACTCAATTTTCTCTTTCAGCTCTTCTTG-3'(配列番号
8))を選択・作製した。
トを使って、上記(1)のSau3A1処理してアガロースゲル
電気泳動後抽出精製したK4株のゲノムDNAフラグメント
を鋳型にして、ポリメラーゼ・チェイン・リアクション
(PCR)(94℃、1分−(94℃、45秒−47℃、30秒−72℃、5
分) 30サイクル−72℃、10分(R-I用)、94℃、1分−(94
℃、45秒−50℃、30秒−72℃、5分) 30サイクル−72
℃、10分(R-III用))を行い、R-I 部 1.3kbp(K4RI
3)、R-III部 1.0kbp(K4RIII5) のK4由来のDNAフラグ
メントを得た。得られたDNAフラグメントのヌクレオチ
ド配列をABI PRISM 310Genetic Analyzer(Perkin-Elme
r)を用いて決定した。同じ遺伝子位置でのK5株DNAとの
ホモロジーは、それぞれ96%、及び95%であった。
RIII5)をプローブとして、(1)で得られたK4染色体DNA
ライブラリーから K4抗原遺伝子クラスターのスクリー
ニングを行った。大腸菌(NM539株)培養液300μlにK4
染色体DNAライブラリー(λファージ40μl)を感染(37
℃,15分間)させ、10mlのTop agaroseを加えて10×14cm
角形シャーレ中のLBプレート培地5枚に塗布し37℃で9.
5時間培養してプラークを形成させた。各プレートにつ
き2枚ずつ9×13cmのメンブレン(Hybond-N+ : Amersha
m ファルマシア社 Biotech)を準備し、1枚目は1分
間、2枚目は3分間培地に接面させた。余分な水分を除
いた後1.5M NaClを含む0.5M NaOH溶液に2分間浸して変
性処理し、続いて1.5M NaClを含む1M Tris-HCl(pH7.
4)に3分間浸して中和処理した。乾燥後80℃で2時間ベ
ーキングしてフィルターを作成した。このフィルターを
65℃で1時間プレハイブリダイズ処理した後、0.5M チ
ャーチリン酸緩衝液(pH 7.2)、1mM EDTA及び7% SDS
中で、[32P]でラベルしたK4RI3と64℃で一晩(15時
間)ハイブリダイズさせ、1% SDSを含む40mM チャーチ
リン酸緩衝液(pH 7.2)で3回(65℃下、各15分間)洗
浄した。フィルターを乾燥させた後X線フィルムに感光
させ、陽性のプラークを30個とった。それぞれについて
PCRでK4RI3の存在を確認し、うち7個を2次スクリーニ
ングに移行させた。次に、K4RI3とハイブリダイズさせ
たフィルターを0.5% SDS溶液中で3分間煮沸処理してK
4RI3を除き、乾燥させてK4RIII5ハイブリダイズ用フィ
ルターとした。このフィルターを65℃で1時間プレハイ
ブリ処理した後、[ 32P]でラベルしたK4RIII5と65℃で
一晩ハイブリダイズさせ、1% SDSを含む40mM チャーチ
リン酸液で3度洗浄した。フィルターを乾燥させた後X
線フィルムに感光させ、陽性のプラークを29個とった。
それぞれについてPCRでK4RIII5の存在を確認し、うち18
個を2次スクリーニングに移行させた。2次スクリーニ
ングではφ9cmのLBプレート培地を使用し、1次スクリ
ーニングと同じ方法で陽性のプラークを取得した。
個、R-III部から10個のλファージクローンが得られ
た。各クローンについてEcoRI(10単位:NEB)、SalI
(10単位:NEB)、BamHI(10単位:NEB)それぞれ単独
で、あるいは様々な組み合わせで同時に酵素処理を行
い、電気泳動で見える断片の大きさからそれらの制限酵
素地図を作製した(図1)。
23、挿入部15.4kbp)は、R-III部のプローブを元に作ら
れたDNAクローンであるが、R-I部のプローブとも弱い反
応を示していたことから挿入部の5'端のシークエンスを
見たところ、そこに R-I部のプローブの3'端と完全に一
致する配列が見られた。挿入部にR-I部とR-III部の両DN
Aフラグメントを含むことから、K4株のK抗原遺伝子クラ
スターのR-II部を全て含むクローンであると判断した。
にサブクローニングを行った。まず、CS23クローンをEc
oRI処理して得られた約3kbp,8kbpのDNAフラグメント
とSalI処理して得られた約2kbp,5kbp,7kbpのDNAフラ
グメントをそれぞれクローニングベクター(pBluescrip
t II KS(-))とライゲーションさせ、大腸菌(XLI-Blue
株)に組み込みインサートの向きの異なるクローンを得
た。そのクローンについて、「ベクターのマルチクロー
ニングサイトにある各種制限酵素で処理・ライゲーショ
ン・トランスフォーメーション」を繰り返して、R-II部
の部分DNAフラグメントを持つ22種類のプラスミドを得
た。それらの挿入DNAフラグメントのシークエンシング
を行い、それらを繋げて K4 R-II部の全遺伝子配列を決
定した(配列番号3)。
リーディングフレーム(ORF)の存在が予想された(図
2)。
bp(配列番号3における塩基番号3787〜5847。
終止コドンを除いた2058 bpの配列を配列番号1に示
す)、アミノ酸数として 686個、計算によって求めた分
子量 79,256(配列番号2))は、Pasteurella multoci
da の ヒアルロン酸合成酵素(クラス2型 pmHAS; J.Bi
ol. Chem., 273 (14), 8454-8458 (1998)) と59%の相
同性があった。また、Pasteurella multocida のコンド
ロイチン合成酵素(pmCS; Biol. Chem. 275 (31), 241
24-24129 (2000))と61%の相同性があった。また、R-I
II側から1番目のORF(1017 bp(配列番号3における塩
基番号643〜1659)、アミノ酸数として 339個)
は、Pasteurella multocidaのUDP-Glucose-4-epimerase
(Submitted (29-OCT-1996) Genetics and Microbiolog
y, Autonomus University of Barcelona, Edifici C, B
ellaterra, BCN 08193, Spain)と60%の相同性を、4
番目のORF(1332 bp(配列番号3における塩基番号58
77〜7207))はInsertion Sequence 2(Nucleic
Acids Res. 6 (3), 1111-1122 (1979))と高い相同性
(98%)を、7番目のORF(1167 bp(配列番号3におけ
る塩基番号11453〜12619)、アミノ酸数とし
て 389個)は、大腸菌(K5株)のkfiD(Mol. Microbio
l. 17 (4), 611-620 (1995))遺伝子(UDP-Glucose deh
ydrogenaseをコード)と65%の相同性をそれぞれ持って
いた。また8番目のORF(1035 bp(配列番号3における
塩基番号13054〜14088)、アミノ酸数として
345個)はグリコシルトランスフェラーゼに共通するD
XDモチーフを含み、糖転移活性を有していると予想さ
れた。残る他の3つのORF(No. 2、5及び6(配列番号3
における塩基番号はそれぞれ、1849〜3486、7
210〜8673、及び9066〜10631)につい
ては相同性を持つものは発見されなかった。
ク質の発現と酵素活性 (1)K4 R-II部のORF(No. 3)がコンドロイチン合成酵素
遺伝子であることを確認するために、制限酵素切断部位
を持ち該当するORF部分を挟むプライマー(K4C-SP 5'-C
GGGATCCCGATGAGTATTCTTAATCAAGC-3'(配列番号9);K4C
-AS 5'-GGAATTCCGGCCAGTCTACATGTTTATCAC-3'(配列番号
10))を作成し、PCR(94℃、1分−(94℃、30秒−59
℃、30秒−74℃、3分)20サイクル−74℃、10分)を行っ
た。このPCR産物を0.7% Agarose gel電気泳動し、ゲル
抽出キット(QIAGEN)を用いて抽出・精製した。制限酵
素(BamHI及びEcoRI)処理をした後、再度0.7% アガロ
ースゲル電気泳動し、同様に抽出・精製してインサート
とした。
列番号4の塩基配列を保持している)を制限酵素(BamH
I及びEcoRI)処理及びCIP処理したものと、上記で調製
したインサートを、T4DNA ligaseの存在下で16℃,1時
間かけて挿入して、大腸菌(TOP10株)にトランスフォ
ーメーションを行った。その大腸菌株を培養(アンピシ
リンを含むLBプレート培地、37℃、一晩)して7個のコ
ロニーを得た。この中から上記インサートが正確に挿入
されているプラスミドを保持している1クローンを選択
した。その大腸菌を1.5mlの アンピシリン(100μg/m
l)を含むLB培地で培養(37℃,一晩)し、その培養菌
液50μlを50mlのアンピシリン(100μg/ml)を含むLB培
地に接種して37℃でOD600が0.6になるまで培養し
た。0.5 M β−イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)を
1ml(最終濃度:1mM)培養液に添加して37℃で3時間誘
導した。遠心分離(10000rpm、30分)して菌体を集め、
Lysis buffer(300mM NaCl及び10mM イミダゾールを含
む50mM NaH2PO4 (pH 8.0))を4ml 加えて懸濁し
た。その懸濁液にリゾチーム(シグマ社)を4mg加え、
氷上で30分間静置した後、ソニケーターで10秒ずつ3
回超音波処理して菌体を破砕した。遠心分離(10000rp
m、30分)して上清を集め、Ni-NTA アガロースカラム
(担体量1ml,Lysis buffer で平衡化;QIAGEN)にア
プライし、ローターで撹拌(4℃で1時間)した。カラ
ムを立てて担体を沈め、Wash buffer(300mM NaCl及び2
0mM イミダゾールを含む50mM NaH2PO4 (pH 8.0))を
用いて4mlずつ2回に分けてカラムを洗浄した。次いで
Elution buffer(300mM NaCl及び250mM イミダゾールを
含む50mM NaH2PO4 (pH 8.0))を0.5 ml ずつ4回に
分けて流し、タンパク質を溶出した。目的のタンパク質
を含む溶出液1mlを500mlの20%グリセロールを含むPBS
(リン酸緩衝生理食塩液)に対して4℃で2日間透析
し、およそ0.5ml(タンパク量0.4mg/ml)の透析液(本
発明酵素(本発明タンパク質)の溶液)を得た。
ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS-PAGE)とウエスタンブロッティングを行った。SDS-PA
GEには10%ゲルを使用した。タンパク質はクマシー・ブ
リリアント・ブルー(coomassie brilliant blue)染色に
よって検出した。ウエスタンブロッティングは、SDS-PA
GEゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜に転写し、
その膜を5%スキムミルク(150mM NaCl及び0.05% Twe
en 20を含有する25mM Tris-HCl(pH 7.5)(この溶液をTB
S-Tという)に溶解)でブロッキングした後、抗-テトラ
-His抗体(Qiagen)で処理した。TBS-Tで数回洗浄した
後、この膜をペルオキシダーゼ結合抗マウスIgGで処理
した。TBS-Tで洗浄した後、反応したタンパク質をECL検
出システム(ECL detection system;アマシャム社)で検
出した。
抗テトラHis抗体を用いたウエスタンブロッティング解
析において80kDa付近にバンドを呈した。これに対し、
コントロール(インサートを有さない発現ベクター)の
培養抽出物においては、免疫学的に反応するバンドは検
出されなかった。
析) 20mM MnCl2、0.1M (NH4)2SO4、1M エチレングリコ
ールを含む50mM Tris-HCl(pH 7.2)に、本発明酵素(2μ
g)、受容体として睾丸ヒアルロニダーゼで分解して精
製したサメ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Cの6糖(70
pmol)並びに供与体としてUDP-GalNAc(3 nmol)、UDP
-GlcUA(3 nmol)及びUDP-[3H]GalNAc(0.1 nmol 0.
1 μCi)を加えて全量を50μlに調整し、30℃で30分間
酵素反応させ、酵素を加熱失活させた。その反応液に1.
3% 酢酸カリウムを含有する95%エタノールを3倍量添
加し、サンプルを 10,000×gで20分間遠心した。沈殿
を50μlの蒸留水で溶解し、これをSuperdex peptideカ
ラム(300×φ10 mm:ファルマシア社、クロマトグラフ
ィー条件;buffer:0.2M NaCl、流速:0.5ml/分)にかけ
て溶出液を0.5ml毎に分画し、各フラクションの放射活
性([3H]のカウント)をシンチレーションカウンタ
ーで計測した。コンドロイチン合成活性は、受容体基質
よりも高い分子量の画分に取り込まれた放射活性の量を
計算することによって決定した。結果を図3に示す。な
お、図3中の黒四角印は、受容体としてコンドロイチン
硫酸Cのオリゴ6糖を用いた場合の放射活性を、白三角
印は酵素反応産物をコンドロイチナーゼABCで処理し
た場合の放射活性を、黒丸印はコントロール(熱で失活
させた本発明酵素を用いた場合)をそれぞれ示す。
イチン硫酸Cの6糖よりも高分子量側に現れた(5,000D
a付近に頂をもつ幅広いピーク)(図3中の黒四角
印)。また、酵素反応産物をコンドロイチナーゼABC
処理すると、高分子ピークが2糖画分に相当する位置に
移動していた(図3中の白三角印)。このコンドロイチ
ナーゼABC消化物を高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)を用いて二糖組成分析した結果、硫酸化されて
いない不飽和のコンドロイチン二糖(Δdi0S)のみが検
出された。
CII処理によっても完全に消化されたが、ストレプトマ
イセス(Streptomyces)のヒアルロニダーゼやヘパリチナ
ーゼIによっては消化されなかった。以上のことから、
得られた本発明酵素は少なくともUDP-GalNAc(供与体)
からGalNAcをコンドロイチン硫酸Cの6糖に転移するこ
とが示された。この比活性は3.25±0.64 nmol GalNAc/
分/mgタンパク質 であった。
マトグラフィーを行い、酵素反応生成物のサイズを調べ
た。結果を図4に示す。図4より、前記で得られた本発
明酵素は、少なくともGalNAc供与体(UDP-GalNAc)からGa
lNAcを受容体(コンドロイチン骨格を有するオリゴ糖
(睾丸ヒアルロニダーゼで調製したコンドロイチン硫酸
Cの6糖))に転移して、分子量1万〜2万以上のコン
ドロイチンを生成することが確認された。
c又はUDP-[3H]GalNAcを用い、前記の「(2)酵素活性
測定」に記載した方法に準じて、以下の受容体に対する
転移活性を調べた。酵素反応後の生成物をゲル濾過で分
析した。
容体として用いたときの結果を図5に示す。なお図5中
の黒丸印はコントロール(熱で失活させた本発明酵素を
用いた場合)を示す。 (イ)コンドロイチン硫酸Cの6糖(サメ軟骨由来のコ
ンドロイチン硫酸Cを睾丸ヒアルロニダーゼ分解し、精
製したもの。非還元末端がGlcUAである。) 供与体としてUDP-GalNAcのみを使用すると7糖のみが合
成された(図5中の黒菱形印)。
には、実質的な転移は見られなかった(図5中の黒三角
印)。
には、わずかであるがGlcNAcの転移が見られた。この転
移活性は、UDP-GalNAcを供与体としたときを100%とす
ると、6.3%であった(図5中の黒四角印)。しかし、
これにUDP-GlcNAc及びUDP-GlcUAの両方を存在させて
も、8糖又はそれ以上のサイズの糖鎖は得られなかっ
た。
取り込みは見られなかったことから、この酵素によるコ
ンドロイチンの合成には、受容体基質が必須であること
が示唆された。 (ロ)コンドロイチン硫酸Cの7糖(上記のコンドロイ
チン硫酸Cの6糖に本発明酵素を作用させて、該6糖の
非還元末端にGalNAcを1残基結合させたもの。) 供与体としてUDP-GlcUAのみを使用すると8糖のみが合
成された(図5中の白三角印)。
いずれか一方のみを用いた場合には、いずれも実質的な
転移は見られなかった(それぞれ、図5中の白菱形印及
び白四角印)。
を表1に示す。なお表1中の「CS」はコンドロイチン
硫酸Cを意味する。また表中のカッコ内は酵素反応後の
糖鎖の長さを示し、「−」は標識化UDP-糖が受容体基質
に転移されなかったことを意味する。
素は、非還元末端がGlcUAであるコンドロイチン骨格を
有する糖鎖(受容体)に対して、UDP-GalNAcからGalNAc
を転移することが示された。またこの受容体を用いた場
合、前記で得られた本発明酵素はUDP-GlcNAcからGlcNAc
を転移する活性も有しているが、その活性はGalNAc転移
活性よりはるかに低いものであることが示された。また
この受容体を用いた場合、前記で得られた本発明酵素
は、UDP-GlcUAからGlcUAを転移する活性を実質的に有さ
ないことが示された。これらのことから、前記の本発明
酵素は、非還元末端のGlcUAに対してGlcUAを転移せず、
GalNAc(あるいは、わずかではあるがGlcNAc)を1残基
転移する作用を有することが示された。
元末端がGalNAcであるコンドロイチン骨格を有する糖鎖
(受容体)に対して、UDP-GlcUAからGlcUAを転移するこ
とが示された。またこの受容体を用いた場合、前記で得
られた本発明酵素は、UDP-GalNAcからGalNAcを転移する
活性、及びUDP-GlcNAcからGlcNAcを転移する活性のいず
れをも実質的に有さないことが示された。これらのこと
から、前記の本発明酵素は、非還元末端のGalNAcに対し
てGalNAcを転移せず、GlcUAを1残基転移する作用を有
することが示された。以上のことから、前記の本発明酵
素は、GlcUA供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からGalN
Acを、交互に糖鎖の非還元末端に転移する作用を有する
ことが示された。
たコンドロイチン硫酸Cの4糖(140 pmol)若しくは6
糖(140 pmol)、長沢法(Carbohydrate Reserch,97,26
3-278(1981))によって分解して精製したコンドロイチ
ン4糖(260 pmol)若しくは6糖(175 pmol)、睾丸ヒ
アルロニダーゼで分解して精製したヒアルロン酸6糖
(175 pmol)、コンドロイチン硫酸C(分子量20,00
0)、コンドロイチン(分子量10,000)、デルマタン硫
酸(分子量15,000)、ヒアルロン酸(分子量20,000)、
又はヘパリン(分子量10,000)を用い、以下の方法で転
移活性を調べた。なお、これらの糖鎖は生化学工業株式
会社から入手した。
チレングリコールを含む50mM Tris-HCl(pH 7.2)に、本
発明酵素(2μg)、供与体としてUDP-GalNAc(Sigma)
(60 pmol)、UDP-GlcUA(Sigma)(0.6 nmol)及びUDP
-[3H]GalNAc(0.1 nmol 0.1μCi)を、受容体として
上記の各糖鎖を加えて全量を50μlに調整し、30℃で30
分間酵素反応させ、酵素を加熱失活させた。その反応液
をSuperdex peptideカラム(300×φ10 mm: ファルマシ
ア社、クロマトグラフィー条件;buffer:0.2M NaCl、流
速:1 ml/分)にかけて溶出液を0.5ml毎に分画し、各フ
ラクションの放射活性([3H]のカウント)をシンチ
レーションカウンターで計測した。結果を表2に示す。
表中のカッコ内の数字は、コンドロイチン硫酸Cの6糖
を受容体としたときの放射活性量(GalNAcが転移した
量)を100%とした場合における相対値である。
糖は最も良い受容体基質となることが示された。コンド
ロイチン6糖も受容体基質として機能したが、その活性
はコンドロイチン硫酸Cの6糖の場合に比して低かった
(37%)。コンドロイチン硫酸4糖又はコンドロイチ
ン4糖への取り込みも同様であった(それぞれ43%、
33.5%)。驚くべきことに、ヒアルロン酸6糖及び
ヒアルロン酸(分子量20,000)も受容体基質として機能
した。コンドロイチン硫酸C(分子量20,000)の取り込
みのレベルは、コンドロイチン硫酸Cの6糖と同程度で
あった。コンドロイチン(分子量10,000)では、それほ
ど高い取り込みは見られなかった。
は、コンドロイチン骨格を有するオリゴ糖や多糖(少な
くともコンドロイチン硫酸Cの4糖、6糖及び7糖、コ
ンドロイチン4糖及び6糖、コンドロイチン硫酸C(分
子量20,000)並びにコンドロイチン(分子量10,000))
及びヒアルロン酸のオリゴ糖や多糖(少なくとも、ヒア
ルロン酸6糖及びヒアルロン酸(分子量20,000))を受
容体とすることが示された。一方、デルマタン硫酸(分
子量15,000)やヘパリン(分子量10,000)には放射活性
の取り込みは見られず、受容体基質として実質的に機能
しないことが示された。
記「(2)酵素活性の解析」と同様に酵素反応させ、反応
後の液をSuperdex75カラム(300×φ10 mm: ファルマシ
ア社、クロマトグラフィー条件;buffer:0.2M NaCl、流
速:0.5ml/分)にかけた。溶出液を1ml毎に分画し、各
フラクションの放射活性([3H]のカウント)をシン
チレーションカウンターで計測した。結果を図6に示
す。なお図6中の菱形印、四角印、三角印、バツ印、及
び*印は、それぞれ25、30、37、40、45及び100℃の結
果を示す。また図6中の丸印はコントロール(熱で失活
させた本発明酵素を用いた場合)の結果を示す。
においては、温度が上がると反応生成物の分子量は小さ
くなっていた。30℃において最も高い取り込みが見ら
れたが、25℃において最も高分子量の産物が得られ
た。この結果から、前記の本発明酵素は、今回の反応条
件においては、25℃以上において反応温度の上昇につ
れて酵素活性が低下するものと考えられる。
種々の金属塩(MnCl2、FeCl2、MgCl2、CaCl2又はCu
Cl2)又はEDTAを添加した場合の酵素反応後の液
を、Superdex75カラム(300×φ10 mm: ファルマシア
社、クロマトグラフィー条件;buffer:0.2M NaCl、流
速:0.5ml/分)にかけた。溶出液を1ml毎に分画し、各
フラクションの放射活性([3H]のカウント)をシン
チレーションカウンターで計測した。MnCl2を添加した
場合における放射活性を100%とした場合の相対値を
以下に示す。
2+イオンの存在下で最も高い活性を示した。またFe
2+又はMg2+イオンの存在下では、Mn2+イオン
の存在下における場合に比して約30%の活性を示し
た。また、Ca2+若しくはCu 2+イオン又はエチレ
ンジアミン四酢酸の存在下では実質的に作用しないこと
が示された。
2+イオンの存在下でも作用し、Mn2+イオンの存在
下における酵素活性はFe2+又はMg2+イオンの存
在下における酵素活性よりも高いことが示された。
せて本発明酵素の至適反応pHを調べた結果、pH
7.0〜7.5であった。
間又は18時間として、前記「(2)酵素活性の解析」と同
様に酵素反応させ、酵素反応産物に取り込まれた放射活
性を分析した。種々の反応時間における[3H]GalNAcのゲ
ル濾過パターンを図7に、各々の酵素反応時間における
放射活性の取り込みの総量を図8にそれぞれ示す。図7
中の白丸印、黒丸印、白三角印、黒三角印、白四角印及
び黒四角印は、それぞれ10分間、30分間、1時間、3時
間、6時間及び18時間の結果を示す。また「20k」、「1
0k」、「5k」、「14」、「8」又は「6」と付された
矢印は、それぞれ分子量20,000、10,000、5,000、14糖
(分子量約2,800)、8糖(分子量約1,600)又は6糖
(分子量約1,200)のヒアルロン酸(スタンダード)の
溶出位置を示す。
は、3時間や6時間において速やかな[3H]GalNAcの取り
込みが見られるが、20時間近くになると取り込みが遅く
なることが示された。また図7の結果から、長時間の反
応においては取り込みが増加して、高分子量の反応産物
が得られることが示された。そして、受容体基質(6
糖)を低濃度とした場合には高分子量の産物が速やかに
得られ、受容体基質(6糖)を高濃度とした場合には、
より低分子量の産物が得られた。
量を1.3μgとし、かつ、一方の供与体基質(UDP-糖;U
DP-GlcUA又はUDP-GalNAc)を一定濃度(240μM)含有さ
せ、これに放射性標識した種々の濃度の他方の供与体基
質(放射化UDP-糖;UDP-[3H]GalNAc又はUDP-[14C]GlcU
A)(0.6〜200μM)を添加することによって、酵素反応
産物に取り込まれた放射活性を測定した。独立した実験
を3回行い、その平均値を測定値とした。
濃度(S)との関係を図9に、そのダブル・レシプロカル
・プロットを図10にそれぞれ示す。図中の黒丸印及び
白四角印は、それぞれUDP-GlcUA及びUDP-GalNAcについ
ての結果を示す。この結果、UDP-GlcUAに対するKmは3.4
4μM、UDP-GalNAcに対するKmは31.6μMと算出され
た。
独の分子でGlcUAとGalNAcを交互に転移することがで
き、コンドロイチン骨格を有する糖鎖(コンドロイチン
やコンドロイチン硫酸等)の大量製造のためのツールと
して、本発明合成剤や本発明触媒の有効成分として、あ
るいは試薬等として極めて有用である。また本発明DN
Aは、このような本発明酵素及び本発明タンパク質の大
量製造のためのツールとして極めて有用である。本発明
ベクターは、このような本発明DNAを安定に保持し、
その機能を有効かつ効率的に発揮させることができるこ
とから極めて有用である。また本発明形質転換体は、こ
のような本発明ベクターを安定に保持し、その機能を有
効かつ効率的に発揮させることができるのみならず、本
発明酵素や本発明タンパク質の大量製造にそのまま利用
できることから極めて有用である。さらに本発明酵素製
造方法は、本発明酵素や本発明タンパク質の大量製造に
極めて有用である。また本発明糖鎖製造方法は、コンド
ロイチン骨格を有する糖鎖(コンドロイチンやコンドロ
イチン硫酸等)の大量製造に極めて有用である。本発明
合成剤や本発明触媒は、本発明糖鎖製造方法に用いるこ
とができ極めて有用である。
質なコンドロイチン合成酵素を簡便・迅速かつ大量に製
造することができることから、安価な製品を産業界に提
供するとにもつながり、極めて有用性が高い。
とR-III部の制限酵素地図を示す。
部のオープンリーディングフレーム(ORF)を示す。
硫酸Cのオリゴ6糖への転移を示す。
酸Cのオリゴ6糖への転移及び生成する糖鎖のサイズを
示す図である。
-GalNAcを、受容体としてコンドロイチン硫酸Cの6糖
又は7糖を用いたときの、各単糖の転移を示す。
す。
のゲル濾過パターンを示す図である。
係を示す図である。
度(S)との関係を示す図である。
である。
Claims (17)
- 【請求項1】 下記の性質を有するコンドロイチン合成
酵素。 (1)作用:GlcUA供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からG
alNAcを、交互に糖鎖の非還元末端に転移する。(GlcUA
はD-グルクロン酸を、GalNAcはN−アセチル-D-ガラク
トサミンを示す) (2)基質特異性:非還元末端にGalNAcを有しかつコンド
ロイチン骨格を有するオリゴ糖に対しては、GlcUA供与
体からGlcUAを転移するが、GalNAc供与体からGalNAcを
実質的に転移しない。非還元末端にGlcUAを有しかつコ
ンドロイチン骨格を有するオリゴ糖に対しては、GalNAc
供与体からGalNAcを転移するが、GlcUA供与体からGlcUA
を実質的に転移しない。(GlcUA及びGalNAcは、いずれ
も前記と同義である) (3)金属イオン等による影響:Mn2+イオンの存在下
で作用し、Ca2+若しくはCu2+イオン又はエチレ
ンジアミン四酢酸の存在下では実質的に作用しない。 - 【請求項2】 大腸菌由来である、請求項1に記載のコ
ンドロイチン合成酵素。 - 【請求項3】 下記(A)又は(B)のタンパク質。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列を含むタンパ
ク質。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列を含み、かつ、コンドロイチン合成酵素活
性を有するタンパク質。 - 【請求項4】 下記(a)〜(c)のいずれかを保持す
るDNA。 (a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるタン
パク質をコードするDNA。 (b)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列からなり、かつ、コンドロイチン合成酵素
活性を有するタンパク質をコードするDNA。 (c)上記(a)に記載のDNA若しくは当該DNAに
相補的なDNA又はこれらのDNAの塩基配列の一部を
有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNA。 - 【請求項5】 前記(a)が、配列番号1で示されるD
NAである、請求項4に記載のDNA。 - 【請求項6】 請求項4又は5に記載のDNAを保持す
るベクター。 - 【請求項7】 発現ベクターである、請求項6に記載の
ベクター。 - 【請求項8】 請求項6又は7に記載のベクターによっ
て宿主が形質転換された形質転換体。 - 【請求項9】 請求項8に記載の形質転換体を生育さ
せ、その生育物からコンドロイチン合成酵素を採取する
ことを特徴とする、コンドロイチン合成酵素の製造方
法。 - 【請求項10】 下記(A)又は(B)に示すアミノ酸
配列をそのアミノ酸配列中に包含し、かつ下記(イ)及
び(ロ)の触媒活性を有する酵素タンパク質を含有す
る、糖鎖合成剤。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列。 (イ)GlcUA供与体からGlcUAを、GalNAc供与体からGalN
Acを、交互に糖鎖の非還元末端に転移する。 (ロ)GlcNAc供与体からGlcNAcを、非還元末端にGlcUA
を有する糖鎖の当該非還元末端に転移する。 (GlcUA及びGalNAcは、いずれも前記と同義である。Glc
NAcはN−アセチル-D-グルコサミンを示す。) - 【請求項11】 請求項10に記載の合成剤を、GalNAc
供与体及び下記一般式(1)で示される糖鎖に接触させる
工程を少なくとも含む、下記一般式(3)で示される糖鎖
の製造方法。 GlcUA-X-R1 (1) GalNAc-GlcUA-X-R1 (3) (各式中、GlcUA及びGalNAcは、いずれも前記と同義で
ある。XはGalNAc又はGlcNAc(GlcNAcは前記と同義であ
る。)を、 - はグリコシド結合を、R1は任意の基を示
す。) - 【請求項12】 請求項10に記載の合成剤を、GlcNAc
供与体及び下記一般式(1)で示される糖鎖に接触させる
工程を少なくとも含む、下記一般式(4)で示される糖鎖
の製造方法。 GlcUA-X-R1 (1) GlcNAc-GlcUA-X-R1 (4) (各式中、GlcUA、GalNAc、X 及び - は、いずれも前記
と同義である。 - はグリコシド結合を、R1は任意の基
を示す。) - 【請求項13】 請求項10に記載の合成剤を、GlcUA
供与体及び下記一般式(2)で示される糖鎖に接触させる
工程を少なくとも含む、下記一般式(5)で示される糖鎖
の製造方法。 GalNAc-GlcUA-R2 (2) GlcUA-GalNAc-GlcUA-R2 (5) (各式中、GlcUA、GalNAc、及び - は、いずれも前記と
同義である。R2は任意の基を示す。) - 【請求項14】 請求項10に記載の合成剤を、GalNAc
供与体及びGlcUA供与体、並びに下記一般式(1)で示され
る糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一般式
(6)及び(8)から選ばれる糖鎖の製造方法。 GlcUA-X-R1 (1) (GlcUA-GalNAc)n-GlcUA-X-R1 (6) GalNAc-(GlcUA-GalNAc)n-GlcUA-X-R1 (8) (各式中、nは1以上の整数を示し、GlcUA、GalNAc、X
及び - は、いずれも前記と同義である。またR1は任意
の基を示す。) - 【請求項15】 請求項10に記載の合成剤を、GalNAc
供与体及びGlcUA供与体、並びに下記一般式(2)で示され
る糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一般式
(7)及び(9) から選ばれる糖鎖の製造方法。 GalNAc-GlcUA-R2 (2) (GalNAc-GlcUA)n-GalNAc-GlcUA-R2 (7) GlcUA-(GalNAc-GlcUA)n-GalNAc-GlcUA-R2 (9) (各式中、nは1以上の整数を示し、GlcUA、GalNAc、
及び - は、いずれも前記と同義である。またR2はいず
れも任意の基を示す。) - 【請求項16】 配列番号1で示される塩基配列又はそ
の一部と相補的な塩基配列を有するハイブリダイゼーシ
ョン用プローブ。 - 【請求項17】 下記(A)又は(B)に示すアミノ酸
配列を含む酵素タンパク質を含有し、GlcUA供与体からG
lcUAを、GalNAc供与体からGalNAcを、GlcNAc供与体から
GlcNAcをそれぞれ糖鎖の非還元末端に転移する機能を有
する、糖転移触媒。 (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列。 (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列における1も
しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位した
アミノ酸配列。 (GlcUA、GalNAc及びGlcNAcは、いずれも前記と同義で
ある。)
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