JP4932722B2 - 新規コンドロイチン画分製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンドロイチン骨格を有する偶数糖画分又は奇数糖画分の製造方法に関する。
まず、本明細書において用いる略号を説明する。
CH:コンドロイチン
CS:コンドロイチン硫酸
GlcA:グルクロン酸
GalNAc:N−アセチルガラクトサミン
HA:ヒアルロン酸
K4CP:大腸菌K4株由来コンドロイチンポリメラーゼ
MALDI−TOF−MS: Matrix Assisted Laser
Desorption−飛行時間型−質量分析
UDP:ウリジン5’−ジリン酸
CHは、GlcA及びGalNAcがそれぞれβ1−3結合及びβ1−4結合で交互に直線上に結合したグリコサミノグリカンの1種である。CHは、動物生体内において軟骨や多くの結合組織にコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとして存在しており、細胞接着、発生、分化、神経細胞伸展、軟骨・骨形成、組織再生などに重要な役割を担っている。CSは、医薬品や健康食品等に有用な物質として市販されている。
CHの還元末端は、通常、プロテオグリカンのコア蛋白質に結合しており、蛋白質のセリン残基からキシロース−ガラクトース−ガラクトース−GlcAからなるいわゆる結合領域4糖を介して、GlcA−GalNAcの繰り返し二糖単位が連なっている。しかし、その非還元末端は未だ確定されてはいない。市販のCSも、酸処理や酵素処理等によって還元末端がGalNAc残基、非還元末端がGlcA残基である場合が多いと考えられるが、製造過程のロットによっても異なり、混在した構造のものが市販されているのが現状である。
動物由来のCHポリメラーゼはクローニングされてはいるが、この酵素単独ではCHの合成活性を有さず、また活性も弱いため、工業的にCH糖鎖を効率よく製造するには十分とはいえない。一方、K4CPもクローニングされており、この酵素は単独でCHの合成活性を有し、この酵素を使って効率よくCHが製造できることが知られている(特許文献1、非特許文献1)。しかし、K4CPを用いてCHの非還元末端糖残基を調節したり、生産物中の偶数糖と奇数糖との含量比を調節すること等については記載も示唆もない。
特開2003−199583号公報 ニノミヤ、T(Ninomiya, T.)ら、2002年、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、第277巻、第24号、p.21567−21575
本発明は、CHにおける非還元末端糖残基を合成過程で極めて簡便な方法で調節することにより、偶数糖(非還元末端糖残基がGlcA残基であるCH)又は奇数糖(非還元末端糖残基がGalNAc残基であるCH)の含量比を調節したCH画分を簡便かつ安価に工業的スケールで製造する方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、K4CPを用い、その酵素反応時間を調節することによって、GlcA残基又はGalNAc残基のいずれか一方を非還元末端糖残基として多く含有するCH画分を製造することができること並びに反応時におけるMn2+の濃度を調節することによりGlcA残基及びGalNAc残基を同等程度含む画分を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、これを20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で、0.5分間〜4時間反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(1)で示されるCHを50%超含有する画分の製造方法(以下「本発明方法1」という。)を提供する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
(式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
なかでも、上記の反応が22℃〜37℃かつpH6.2〜7.8の条件で、10分間〜3時間行われることが好ましく、24℃〜35℃かつpH6.5〜7.8の条件で、10分間〜2時間行われることがより好ましく、26℃〜35℃かつpH6.8〜7.6の条件で、10分間〜2時間行われることがさらに好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、10分間〜2時間行われることが特に好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、10分間〜1時間行われることが極めて好ましい。
そのなかでも、上記の反応が20℃〜37℃かつpH6〜8の条件で、0.5時間〜4時間行われることが好ましく、22℃〜37℃かつpH6.2〜7.8の条件で、0.5時間〜3時間行われることが好ましく、24℃〜35℃かつpH6.5〜7.8の条件で、0.5時間〜2時間行われることがより好ましく、26℃〜35℃かつpH6.8〜7.6の条件で、0.5時間〜2時間行われることがさらに好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、0.5時間〜2時間行われることが特に好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、0.5時間〜1時間行われることが極めて好ましい。
またMn2+濃度は、上記条件において、0.02〜35mMであることが好ましく、0.2〜35mMであることがより好ましい。
そのなかでも5〜35mMであることが好ましく、10〜30 mMであることがより好ましく、15〜25 mMであることがさらに好ましく、20mMであることが極めて好ましい。
また本発明は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件1〜3を全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(1)で示されるCHを50%超含有する画分の製造方法(以下「本発明方法2」という。)を提供する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
(条件)
条件1:GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、5時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
条件2:条件1における「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
条件3:条件2と同一の温度かつpHにおいて、Yよりも短い時間で反応させる。
また本発明は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させ、これを20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で、10時間以上反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(2)で示されるCHを50%超含有する画分の製造方法(以下「本発明方法3」という。)を提供する。
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
なかでも、上記の反応が、22℃〜37℃かつpH6.2〜7.8の条件で、10時間〜30時間行われることが好ましく、24℃〜35℃かつpH6.5〜7.8の条件で、12時間〜24時間行われることがより好ましく、26℃〜35℃かつpH6.8〜7.6の条件で、12時間〜24時間行われることがさらに好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、12時間〜24時間行われることが特に好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、15時間〜20時間行われることが極めて好ましい。
またMn2+濃度は、上記条件において5〜35mMであることが好ましく、10〜30mMであることがより好ましく、15〜25mMであることがさらに好ましく、20mMであることが極めて好ましい。
また本発明は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件4〜6を全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(2)で示されるCHを50%超含有する画分の製造方法(以下「本発明方法4」という。)を提供する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
(条件)
条件4:GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、8時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
条件5:条件4における「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
条件6:条件5と同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
また本発明は、GlcA供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件A〜Cを全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(1)で示されるCHを実質的に100%含有する画分の製造方法(以下「本発明方法5」という。)を提供する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
(条件)
条件A:GlcA供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、0.5時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
条件B:条件Aにおける「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
条件C:条件Bと同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
また本発明は、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件D〜Fを全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(2)で示されるCHを実質的に100%含有する画分の製造方法(以下「本発明方法6」という。)を提供する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
(条件)
条件D:GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、0.5時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
条件E:条件Dにおける「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
条件F:条件Eと同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
また本発明は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜2 mMのMn2+を共存させ、これを20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で5時間以上反応させるステップを少なくとも含む下記一般式(1)及び(2)で示されるCHが含有比((1):(2))として45:55〜55:45で含有する画分の製造方法(以下、「本発明方法7」という。)を提供する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
なかでも、上記の反応が22℃〜37℃かつpH6.2〜7.8の条件で、10〜30時間行われることが好ましく、24℃〜35℃かつpH6.5〜7.8の条件で、12〜24時間行われることがより好ましく、26℃〜35℃かつpH6.8〜7.6の条件で、12〜24時間行われることがさらに好ましく、さらに28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、12時間〜24時間行われることがより好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、15時間〜18時間行われることが極めて好ましい。
またMn2+濃度は、上記条件において0.1〜1mMであることがより好ましく、0.2 mMであることがさらに好ましい。
また本発明は、GlcA供与体及び/又はGalNAc供与体、並びに糖受容体、K4CP及びMn2+を共存させ、これを20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で反応させるステップを少なくとも含む下記一般式(1)及び(2)で示されるコンドロイチンを所望の含有比で含有する画分の製造方法(以下、「本発明方法8」という。)を提供する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
以下、本発明方法1〜8をまとめて単に「本発明方法」という。
本発明方法は、偶数糖(非還元末端糖残基がGlcA残基であるCH)又は奇数糖(非還元末端糖残基がGalNAc残基であるCH)を多く含むCH画分、偶数糖及び奇数糖の含量比が同等量であるCH画分、並びに偶数糖及び奇数糖を所望の比率で含むCH画分を簡便かつ安価に工業的スケールで製造できることから極めて有用である。
本発明方法により製造される画分中のCHの還元末端糖が異なる糖鎖は、硫酸基転移酵素などの修飾反応性が異なったり、生理活性が異なることが期待されることから、医薬品の製造等に有用であり、特定の還元末端糖を有するCHを優勢に、あるいは所望の比率で含むCH画分を製造し得る本発明方法は医薬品の製造等に利用し得る。
以下、発明を実施するための最良の形態により本発明を詳説する。なお、本出願書類における「%」は、特に断らない限り「モル%」を意味する。また本出願書類において示す諸性質は、特に断らない限り、本明細書中の実施例に記載した分析方法によって決定されるものである。
以下、本発明方法1〜8に分けて説明する。
<1>本発明方法1
本発明方法1は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、これを20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で、0.5分間〜4時間反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(1)で示されるCHを50%超含有する画分の製造方法である。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
(式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数(本明細書において「整数」は正の整数を意味する)をそれぞれ示す。)
本発明方法において用いる「GlcA供与体」は、ある糖鎖分子に対してGlcA残基を供与する能力を有する分子である限りにおいて限定されないが、GlcAヌクレオチドが好ましい。GlcAヌクレオチドとしては、UDP-GlcAや、dTDP(デオキシチミジン5'−ジリン酸)−GlcA等が例示されるが、UDP−GlcAが好ましい。
また本発明方法において用いる「GalNAc供与体」は、ある糖鎖分子に対してGalNAc残基を供与する能力を有する分子である限りにおいて限定されないが、GalNAcヌクレオチドが好ましい。GalNAcヌクレオチドとしては、UDP−GalNAcや、dTDP(デオキシチミジン5'−ジリン酸)−GalNAc等が例示されるが、UDP−GalNAcが好ましい。
これらの糖ヌクレオチドは、公知の方法で製造しても良く、市販のものを用いても良い。
また、本発明方法において用いる「糖受容体」は、下記一般式(3)又は(4)で示される糖鎖である限りにおいて限定されない。
GlcA−GalNAc−R1 ・・・・(3)
GalNAc−GlcA−R2 ・・・・(4)
(各式中、−はグリコシド結合を、R及びRは、同一でも異なっていてもよい任意の基をそれぞれ示す。)
「R」や「R」としては、例えば、CH骨格を有する糖鎖の残基や、HA骨格を有する糖鎖の残基等が例示される。CH骨格を有する糖鎖の残基としては、CH残基やCS残基等が例示される。そのサイズも特に限定されない。
一般式(3)又は(4)で示される糖受容体中のR及びRとしては、具体的には、CHの2糖、3糖、4糖、5糖、6糖、7糖、8糖、9糖、10糖などのCHオリゴ糖から高分子のCHまで、CSの2糖、3糖、4糖、5糖、6糖、7糖、8糖、9糖、10糖などのCSオリゴ糖から高分子のCSまで、HAの2糖、3糖、4糖、5糖、6糖、7糖、8糖、9糖、10糖などのHAオリゴ糖から高分子のHAまで、幅広く用いることができる。
このような糖受容体は、公知の方法で製造することもでき、市販のものを用いることもできる。
なお、本発明方法により製造される画分中の一般式(1)又は(2)で示されるCHは、上記糖受容体に由来するR又はRを鎖端に有するCH分子も包含するものとする。
また、本発明方法において用いる「Mn2+」とは溶液においてMn2+として存在しかつK4CP酵素反応を阻害することが無ければ特には限定されず、例えばMnClを用いることができる。
また、本発明方法において用いる「K4CP」は、前記の非特許文献1及び特許文献1に記載された方法によって取得することができる。このK4CPは、CHを受容体基質とし、GalNAcヌクレオチド(UDP−GalNAc等)及びGlcAヌクレオチド(UDP−GlcA等)を供与体基質として反応させると、受容体基質の非還元末端がGlcA残基の場合には当該末端にGalNAcを、非還元末端がGalNAc残基の場合には当該末端にGlcAを結合させることによりGalNAcとGlcAを交互に結合させて、CHを伸長させるポリメラーゼである(非特許文献1、特許文献1)。
K4CPの濃度としては、K4CPの活性が十分に得られる限り特に限定されないが、反応系中のK4CPの終濃度として、例えば0.01〜5000μg/ml、好ましくは0.1〜500μg/ml、より好ましくは1〜50μg/ml程度である。
本発明方法1は、これらのGlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて反応させるステップを少なくとも含んでいる。
ここにいう「共存」とは、これらの供与体分子、糖受容体分子、Mn2+及びK4CP分子が相互に接触する状態である限りにおいて特に限定されない。例えば、これらを溶液中で共存させてもよく、K4CPを適当な固相(ビーズ、限外濾過膜、透析膜等)に固着させこれに前記の供与体及び受容体を含有する溶液を連続的に接触させることにより共存させてもよい。したがって、例えばカラム型のリアクターや、膜型リアクター等を採用することもできる。また、PCT国際公開パンフレットWO00/27437号に記載された方法と同様に、受容体を固相に固着させて酵素反応させることもできる。さらに、供与体を再生(合成)するバイオリアクター等を組み合わせてもよい。
これらを共存させて行う「反応」は、K4CPによる酵素反応を意味する。この反応は、20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で、0.5分間〜4時間行われる限りにおいて特に限定されない。
なかでも、上記の反応が22℃〜37℃かつpH6.2〜7.8の条件で、10分間〜3時間行われることが好ましく、24℃〜35℃かつpH6.5〜7.8の条件で、10分間〜2時間行われることがより好ましく、26℃〜35℃かつpH6.8〜7.6の条件で、10分間〜2時間行われることがさらに好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、10分間〜2時間行われることが特に好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、10分間〜1時間行われることが極めて好ましい。
また、そのなかでも20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で、0.5時間〜4時間行われることが好ましく、22℃〜37℃かつpH6.2〜7.8の条件で、0.5時間〜3時間行われることが好ましく、24℃〜35℃かつpH6.5〜7.8の条件で、0.5時間〜2時間行われることがより好ましく、26℃〜35℃かつpH6.8〜7.6の条件で、0.5時間〜2時間行われることがさらに好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、0.5時間〜2時間行われることが特に好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、0.5時間〜1時間行われることが極めて好ましい。
またMn2+濃度は、上記条件において、0.02〜35mMであることが好ましく、0.2〜35mMであることがより好ましい。
そのなかでも5〜35mMであることが好ましく、10〜30mMであることがより好ましく、15〜25mMであることがさらに好ましく、20mMであることが極めて好ましい。
この反応は、温度及びpHを一定に保持して行うことが好ましい。pHを一定に保持するために、この反応は当該pH領域において緩衝作用を有する緩衝溶液中で行うことが好ましい。
このような条件の下で前記の供与体、受容体、Mn2+及びK4CPを共存させて反応させるステップを経ることにより、下記一般式(1)で示されるCHを50%超含有する画分が得られる。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
(式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
ここで「上記一般式(1)で示されるCHを50%超含有する」とは、上記一般式(1)で示されるCHと下記一般式(2)で示されるCHの分子数の総和に対して、上記一般式(1)で示されるCHの分子数が50%を超えて含有されていることを意味する。すなわち、画分中における上記一般式(1)で示されるCHの分子数が、下記一般式(2)で示されるCHの分子数よりも多く含有されていることを意味する。
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
上記一般式(1)で示されるCHを50%超含有するか否かは、得られた画分をMALDI―TOF―MSを用いて分析し、上記一般式(1)で示されるCHと上記一般式(2)で示されるCHのそれぞれのスペクトルのピーク強度に基づいて確認することができる。この具体的な方法については後述の実施例を参照されたい。
また本発明方法によって製造される「画分」は、その状態も特に限定されず、溶液状態であっても、固体の状態(粉末等や、溶液が凍結した状態等)等であってもよい。
また本発明方法においては、それぞれの本発明方法に示されている各ステップをそれぞれ少なくとも含んでいればよく、他のステップをさらに含んでいてもよい。例えば、前記一般式(1)で示されるCHと前記一般式(2)で示されるCHとを分離するステップや、上記一般式(1)で示されるCHのみを精製するステップ等をさらに含んでいてもよい。
また本発明方法は、GlcA供与体及び/又はGalNAc供与体、並びに糖受容体、K4CP及びMn2+を共存させ、これを所定の温度、pH条件および反応時間で反応させるステップの後に、さらにGlcA供与体及び/又はGalNAc供与体を添加し、同様の条件で反応させるステップを含んでいてもよい。これにより所望の比率で一般式(1)及び(2)で示されるCHを含有する画分をより効率的に製造し得る。
なお本発明方法における「GlcA」及び「GalNAc」は、それぞれD−グルクロン酸及びD−N−アセチルガラクトサミンであることが好ましい。また、本発明方法の一般式において示されるGlcAとGalNAcとの間のグリコシド結合(GlcA−GalNAc)はβ1−3結合であることが好ましく、GalNAcとGlcAとの間のグリコシド結合(GalNAc−GlcA)はβ1−4結合であることが好ましい。
また、本発明方法における「GlcA供与体」、「GalNAc供与体」、「糖受容体」、「Mn2+」及び「K4CP」について、並びに「共存」、「反応」及び「画分」等の用語の意味は上記と同じである。
<2>本発明方法2
本発明方法2は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件を全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(1)で示されるCHを50%超含有する画分の製造方法である。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
(条件)
条件1:GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、5時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
条件2:条件1における「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
条件3:条件2と同一の温度かつpHにおいて、Yよりも短い時間で反応させる。
なお、本発明方法2で用いることができる「GlcA供与体」、「GalNAc供与体」、「糖受容体」、「Mn2+」及び「K4CP」について、並びに「共存」、「反応」及び「画分」等の用語の意義は、前記の本発明方法1における説明と同じである。
本発明方法2においては、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件1〜3を全て満たすように反応させるステップを少なくとも含むことを特徴とする。以下、各条件ごとに説明する。
条件1:GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、5時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「前記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「前記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
ここにいう「前記一般式(1)で示されるCHの分子数」及び「前記一般式(2)で示されるCHの分子数」は、生成した画分についてMALDI―TOF―MSを用いて分析し、前記一般式(1)で示されるCHと前記一般式(2)で示されるCHのそれぞれのスペクトルのピーク強度に基づいて分析することができる。この具体的な方法については後述の実施例を参照されたい。
条件2:条件1における「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
例えば、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」を「35℃かつpH7.0」に設定し、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で20mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、5時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比(X)が0.5であったとする。この場合、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で20mMのMn2+を共存させて35℃かつpH7.0の条件で反応させたときに生成する画分中のCH含量比(X)が0.5となる反応時間(Y)を求めればよい。
条件3:条件2と同一の温度かつpHにおいて、Yよりも短い時間で反応させる。
例えば前記の例において、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で20mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.0の条件で反応させたときに生成する画分中のCH含量比(X)が0.5となる反応時間(Y)が2.5時間であった場合には、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で20mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.0の条件で2.5時間よりも短い時間で反応させることにより、前記一般式(1)で示されるCHを50%超含有する画分を製造することができる。
より具体的には、Yよりも、例えば10分〜2.4時間、好ましくは30分〜2.2時間、より好ましくは1時間〜2時間、短い時間で反応させる。
なお、「前記一般式(1)で示されるCHを50%超含有する」の意義、及び、前記一般式(1)で示されるCHを50%超含有するか否かの確認の方法も、前記の本発明方法1における説明と同じである。
またMn2+濃度は、上記条件において5〜100mMであることが好ましく、10〜30mMであることがより好ましく、15〜25mMであることがさらに好ましく、20mMであることが極めて好ましい。
<3>本発明方法3
本発明方法3は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させ、これを20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で、10時間以上反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(2)で示されるCHを50%超含有する画分の製造方法である。
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
なお、本発明方法3で用いることができる「GlcA供与体」、「GalNAc供与体」、「糖受容体」、「Mn2+」及び「K4CP」について、並びに「共存」、「反応」及び「画分」等の用語の意義は、前記の本発明方法1における説明と同じである。
また、「前記一般式(2)で示されるCHを50%超含有する」とは、前記一般式(2)で示されるCHと下記一般式(1)で示されるCHの分子数の総和に対して、前記一般式(2)で示されるCHの分子数が50%を超えて含有されていることを意味する。すなわち、画分中における前記一般式(2)で示されるCHの分子数が、下記一般式(1)で示されるCHの分子数よりも多く含有されていることを意味する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
(式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
なお、前記一般式(2)で示されるCHを50%超含有するか否かの確認の方法も、前記の本発明方法1における説明と同様である。
本発明方法3における反応は、20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で、10時間以上行われる限りにおいて特に限定されない。なかでも、22℃〜37℃かつpH6.2〜7.8の条件で、10時間〜30時間行われることが好ましく、24℃〜35℃かつpH6.5〜7.8の条件で、12時間〜24時間行われることがより好ましく、26℃〜35℃かつpH6.8〜7.6の条件で、12時間〜24時間行われることがさらに好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、12時間〜24時間行われることが特に好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、15時間〜20時間行われることが極めて好ましい。
またMn2+濃度は、上記条件において5〜35mMであることが好ましく、10〜30mMであることがより好ましく、15〜25mMであることがさらに好ましく、20mMであることが極めて好ましい。
またこの反応は、温度及びpHを一定に保持して行うことが好ましい。pHを一定に保持するために、この反応は当該pH領域において緩衝作用を有する緩衝溶液中で行うことが好ましい点も、前記の本発明方法1と同様である。
<4>本発明方法4
本発明方法4は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件4〜6を全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(2)で示されるCHを50%超含有する画分の製造方法である。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
(条件)
条件4:GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、8時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
条件5:条件4における「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
条件6:条件5と同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
なお、本発明方法4で用いることができる「GlcA供与体」、「GalNAc供与体」、「糖受容体」、「Mn2+」及び「K4CP」について、並びに「共存」、「反応」及び「画分」等の用語の意義は、前記の本発明方法1における説明と同じである。
本発明方法4においては、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件を全て満たすように反応させるステップを少なくとも含むことを特徴とする。以下、各条件ごとに説明する。
条件4:GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、8時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
ここにいう「前記一般式(1)で示されるCHの分子数」及び「前記一般式(2)で示されるCHの分子数」は、前記の本発明方法2と同様に分析することができる。
条件5:条件4における「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
例えば、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」を「35℃かつpH7.0」に設定し、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で20mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、8時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比(X)が0.5であったとする。この場合、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で20mMのMn2+を共存させて35℃かつpH7.0の条件で反応させたときに生成する画分中のCH含量比(X)が0.5となる反応時間(Y)を求めればよい。
条件6:条件5と同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
例えば前記の例において、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で20mMのMn2+を共存させて35℃かつpH7.0の条件で反応させたときに生成する画分中のCH含量比(X)が0.5となる反応時間(Y)が6時間であった場合には、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で20mMのMn2+を共存させて35℃かつpH7.0の条件で6時間よりも長い時間で反応させることにより、前記一般式(2)で示されるCHを50%超含有する画分を製造することができる。
より具体的には、Yよりも、例えば4時間〜24時間、好ましくは5時間〜21時間、より好ましくは6時間〜18時間、長い時間で反応させる。
なお、「前記一般式(2)で示されるCHを50%超含有する」の意義、及び、前記一般式(2)で示されるCHを50%超含有するか否かの確認の方法は、前記の本発明方法3における説明と同じである。
またMn2+濃度は、上記条件において5〜35mMであることが好ましく、10〜30mMであることがより好ましく、15〜25mMであることがさらに好ましく、20mMであることが極めて好ましい。
<5>本発明方法5
本発明方法5は、GlcA供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件A〜Cを全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(1)で示されるCHを実質的に100%含有する画分の製造方法である。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
(条件)
条件A:GlcA供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、0.5時間反応させたときに生成する画分中のCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
条件B:条件Aにおける「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
条件C:条件Bと同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
Mn2+濃度は、上記条件において5〜100mMであることが好ましく、10〜30mMであることがより好ましく、15〜25mMであることがさらに好ましく、20mMであることが極めて好ましい。
なお、本出願書類において用いる「実質的に100%含有する」とは、当該画分をMALDI−TOF−MSを用いて分析してスペクトルを得たときに、所定のCHに相当するピークのみが観測され、他のCHに相当するピークが観測されないことを意味する。例えば「上記一般式(1)で示されるCHを実質的に100%含有する」とは、上記一般式(1)で示されるCHのピークのみが観測され、上記一般式(2)で示されるCHのピークが観測されないことをいう
なお、本発明方法5で用いることができる「GlcA供与体」、「糖受容体」、「Mn2+」及び「K4CP」について、並びに「共存」、「反応」及び「画分」等の用語の意義は、前記の本発明方法1における説明と同じである。ただし、本発明方法5における「糖受容体」は、前記一般式(3)又は(4)で示される糖鎖の混合物であることが好ましい。このような混合物としては、例えば、非還元末端構造が不揃いなCHの画分や、非還元末端構造が不揃いなCSの画分を化学的に脱硫酸化したCHの画分、K4CPなどのCH合成酵素により製造された非還元末端構造が不揃いなCHの画分等が例示される。
なお、条件A〜Cにおける用語の意義等は、前記と同様である。
また本発明方法5において、「Yよりも長い時間」とは、具体的には、Yよりも、例えば10分〜24時間、好ましくは30分〜18時間、より好ましくは30分〜5時間、長い時間である。
<6>本発明方法6
本発明方法6は、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件D〜Fを全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(2)で示されるCHを実質的に100%含有する画分の製造方法である。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
(条件)
条件D:GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、0.5時間反応させたときに生成するCH含量比をXとする。ここで「CH含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるCHの分子数」/「上記一般式(2)で示されるCHの分子数」の比を意味するものとする。
条件E:条件Dにおける「30℃かつpH7.2」を、「K4CPが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のCH含量比がXとなる反応時間をYとする。
条件F:条件Eと同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
Mn2+濃度は、上記条件において5〜100mMであることが好ましく、10〜30mMであることがより好ましく、15〜25mMであることがさらに好ましく、20mMであることが極めて好ましい。
なお、本発明方法6で用いることができる「GalNAc供与体」、「糖受容体」、「Mn2+」及び「K4CP」について、並びに「共存」、「反応」及び「画分」等の用語の意義は、前記の本発明方法1における説明と同じである。ただし、本発明方法6における「糖受容体」は、本発明方法5と同様に、前記一般式(3)又は(4)で示される糖鎖の混合物であることが好ましい。このような混合物としては、例えば、非還元末端構造が不揃いなCHの画分や、非還元末端構造が不揃いなCSの画分を化学的に脱硫酸化したCHの画分、K4CPなどのCH合成酵素により製造された非還元末端構造が不揃いなCHの画分等が例示される。
なお、条件D〜Fにおける用語の意義等は、前記と同様である。
また本発明方法6において、「Yよりも長い時間」とは、具体的には、Yよりも、例えば10分〜24時間、好ましくは30分〜18時間、より好ましくは30分〜5時間、長い時間である。
<7>本発明方法7
本発明方法7は、GlcA供与体、GalNAc供与体、糖受容体、K4CP及び終濃度で0.02〜2 mMのMn2+を共存させ、これを20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で、5時間以上反応させるステップを少なくとも含む下記一般式(1)及び(2)で示されるCHが含有比((1):(2))として45:55〜55:45で含有する画分の製造方法である。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
本発明方法7における反応は、20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で5時間以上反応させるステップが含まれている限りにおいて特に限定されない。
なかでも、上記の反応が22℃〜37℃かつpH6.2〜7.8の条件で、10〜30時間行われることが好ましく、24℃〜35℃かつpH6.5〜7.8の条件で、12〜24時間行われることがより好ましく、26℃〜35℃かつpH6.8〜7.6の条件で、12〜24時間行われることがさらに好ましく、さらに28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、12時間〜24時間行われることがより好ましく、28℃〜32℃かつpH7〜7.5の条件で、15時間〜18時間行われることが極めて好ましい。
またMn2+濃度は、上記条件において0.1〜1mMであることがより好ましく、0.2 mMであることがさらに好ましい。
またこの反応は、温度及びpHを一定に保持して行うことが好ましい。pHを一定に保持するために、この反応は当該pH領域において緩衝作用を有する緩衝溶液中で行うことが好ましい点も、前記の本発明方法1と同様である。
なお、本発明方法7で用いることができる「GlcA供与体」、「GalNAc供与体」、「糖受容体」、「Mn2+」及び「K4CP」について、並びに「共存」、「反応」及び「画分」等の用語の意義は、前記の本発明方法1における説明と同じである。
<8>本発明方法8
本発明方法8は、GlcA供与体及び/又はGalNAc供与体、並びに糖受容体、K4CP及びMn2+を共存させ、これを20℃〜40℃かつpH6〜8の条件で反応させるステップを少なくとも含む下記一般式(1)及び(2)で示されるコンドロイチンを所望の含有比で含有する画分の製造方法であるを提供する。
(GlcA−GalNAc) ・・・・(1)
GalNAc−(GlcA−GalNAc) ・・・・(2)
(各式中、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
上記本発明方法1〜7で示したとおり、一定の反応温度、pHとしたGlcA供与体及び/又はGalNAc供与体、並びに糖受容体、K4CP及びMn2+を共存させた反応において、反応時間を変化させると、生成される画分中の一般式(1)及び(2)で示されるCHの比率が変化する。これにより、反応時間を適宜調整することにより一般式(1)及び(2)で示されるCHを所望の比率で含有する画分が得られるものである。
具体的な反応温度、pH、K4CP及びMn2+濃度については、本発明方法1〜7で示した範囲から適宜選択できる。
本発明方法8の具体的な実施方法としては、反応温度、pH、Mn2+濃度などを一定としてGlcA供与体及び/又はGalNAc供与体、並びに糖受容体を種々の反応時間で反応させ、生成された画分中の一般式(1)及び(2)で示されるCHの比率を測定し、所望の比率が得られる反応時間で反応を行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に詳説する。
(1)MALDI−TOF−MS検体用CH画分の製造
以下の[A]は、反応時間を0.5時間または1時間としたときの、非還元末端が偶数糖である前記一般式(1)で示されるCHを50%超含有するCH画分の製造例である。また以下の[B]は、反応時間を18時間としたときの、非還元末端が奇数糖である前記一般式(2)で示されるCHを50%超含有するCH画分の製造例である。
(CH6糖(CH6)の調製)
CSを化学的に脱硫酸化したCH(生化学工業株式会社製)を羊睾丸ヒアルロニダーゼ(シグマ社)で限定分解することによって、非還元末端がGlcA残基である偶数糖のオリゴ糖を得た。それらをゲル濾過及びイオン交換カラムにより精製して、CH6糖(CH6)に相当する画分の集めて、凍結乾燥した。このCH6は使用したヒアルロニダーゼの性質からして明らかに還元末端がGalNAc残基で非還元末端がGlcA残基である6糖である。
[A]上記で調製したCH6(10 nmol)、UDP−GalNAcおよびUDP−GlcA(それぞれ300nmol) 、50 mM Tris HCl緩衝液, pH7.2、20 mM MnCl並びに0.15M NaClを含有する酵素反応液(200 μl)中にK4CP酵素液(特開2003-199583号公報の実施例にしたがって得られた組換え酵素)(3.75μg 蛋白質相当)を添加した。30℃で0.5時間又は1時間反応を行い、沸騰水中で1分間熱失活させ、エタノール沈殿後、残渣を蒸留水50μlに再溶解させた。その溶液を、0.2 M 酢酸アンモニウムを展開緩衝液とするSuperdex Peptide HR10/30 カラムでゲルろ過クロマトグラフィーを行い、1 ml/分の流速で流し、1分間(1 ml)毎に分画した。得られた画分を凍結乾燥し、各10μlの蒸留水に再溶解した。過剰のNaなどの陽イオンを除くために少量のDowex 50 XW8 (H+ form)ゲルに通し、MALDI−TOF−MSの検体とした。
[B]同様な反応を18時間掛けて行い、反応液を同様に処理した。
(2)分析
(1)で得られたCHに対してMALDI−TOF−MS(ブルカー社製 AutoFlex)による構造解析を行った。分析には発生した陰イオンを検出するネガティブモードを用い、低分子領域(1〜4kDa)ではリフレクションモードで、高分子領域(3〜10kDaおよび 5〜20kDa)ではリニヤモードで解析した。
(ターゲットの調整)
得られた検体 1 μl(20〜100 pmole CH 含有)と10 mg/mlのDHB(2,5-dihydroxy-benzoic acid)50% アセトニトリル−水溶液1 μlを混合し、その1μl をターゲットプレートにスポットし、速やかに窒素ガスを吹き付け乾燥させた。
(a)0.5時間又は1時間の酵素反応を行った標品のMALDI−TOF−MSによる解析
解析結果をそれぞれ図1、図2に示す。CH6を受容体基質とした0.5時間や1時間の短時間の反応では、生成される糖鎖は比較低分子であることから、MALDI−TOF−MS分析ではリフレクション・ネガティブモードで測定を行いて低分子領域(分子量範囲 1,000−4,000)をスキャンした。MALDI−TOF−MSでは1糖ずつ付加した糖鎖生成物がそれぞれしっかり分離されたイオンピークとして検出されCH10糖:CH10(m/z- = 1912.56)に相当するイオンピークが最も高かった。その前後の糖鎖ピークを比較すると、反応時間が1時間のものの方が0.5時間のものよりも高分子側にシフトしていることが分かる。すなわち、酵素反応の時間経過で糖鎖が伸長されていることが分かる。
また、非還元末端がGalNAc残基である奇数糖に比べ、非還元末端がGlcA残基である偶数糖のイオンピークの方が高かった。また、非還元末端がGlcA残基である偶数糖及び非還元末端がGalNAcである奇数糖のそれぞれのイオンピーク強度の値の合計を比較した相対強度は、0.5時間の反応では偶数糖と奇数糖の比は(77.7:22.3)となり、一時間の反応では(75.7:24.7)であった。ピーク強度と各分子の存在比は相関すると考えられる。したがって、30℃かつpH7.2の条件で0.5時間若しくは1時間反応させた場合又はこれと同等の条件で反応させた場合には、生成する糖鎖画分は、非還元末端がGlcA残基である偶数糖の方が優勢である(分子数が多い)ことがわかった。
(b)18時間酵素反応を行った標品のMALDI−TOF−MSによる解析
解析結果を図3〜図7に示す。Superdex Peptide カラムによる酵素生成物の溶出画分のうち、画分番号17から画分番号21までのMALDI−TOF−MS解析を行った。画分番号21および画分番号20 の検体は比較的低分子であったので、分子量範囲1, 000−6,000のリフレクション・ネガティブモードで測定した。画分番号19および画分番号18ではリニア・ネガティブモードで高分子領域(3,000−10,000)を測定した。画分番号17はより高分子の領域(5,000−20,000)をリニア・ネガティブモードで測定した。
それぞれ該当する糖が1糖ずつ付加したCH糖鎖の連続したイオンピークを示し、画分番号21は13糖(m/z- = 2494.7)、画分番号20では15糖(m/z- =2873.9)、画分番号19では19糖(m/z- = 3634.0)、画分番号18では27糖(m/z- = 5151.3)、画分番号17では37糖(m/z- =7047.9)がそれぞれの最も高いイオンピークであった。画分番号17のMSスペクトルからは、より高分子のイオンピークが識別でき、最高71糖(m/z- = 13,000以上)のイオンピークまでが判別可能であった。また、偶数糖及び奇数糖のそれぞれのイオンピーク強度の値の合計を比較すると、溶出時間が17〜18分の画分では偶数糖と奇数糖の比が(14.6:85.4)となり、溶出時間が15〜16分の画分では(29.1:70.9)であった。
したがって、30℃かつpH7.2の条件で長時間(18時間)反応させた場合又はこれと同等の条件で反応させた場合には、長鎖領域になるほど非還元末端がGalNAcである奇数糖の方が優勢となる(分子数が多い)ことがわかった。
以上のことから、前記条件において反応時間が短いほど、偶数糖が優勢なCH画分が、反応時間が長いほど奇数糖が優勢なCH画分が得られることが明らかになった。
(3)
(A) 非還元末端がGalNAc残基であるCH画分の製造
CSを化学的に脱硫酸化することにより得られた非還元末端が不揃いなCH(生化学工業株式会社製、平均分子量1万)(1mg)、UDP−GalNAc(3μmol) 、50 mM Tris HCl緩衝液, pH7.2、20 mM MnCl及び0.15 M NaClを含有する酵素反応液(500 μl)中にK4CP酵素液(特開2003-199583号公報の実施例にしたがって得られた組換え酵素)(37.5μg 蛋白質相当)を添加した。30℃で18時間反応を行い、沸騰水中で1分間熱失活させ、エタノール沈殿後、残渣を蒸留水200μlに再溶解させた。その溶液を、0.2 M 酢酸アンモニウムを展開緩衝液とするSuperdex 75 HR10/30 カラムでゲルろ過クロマトグラフィーを行い、1ml/分の流速で流し、1分間(1ml)毎に分画した。得られた画分を凍結乾燥し、各10μlの蒸留水に再溶解した。その一部を採取し、1nmole/μl相当の溶液10μl を調製し、少量のDowex 50 XW8 (H+ form)ゲルに通し、MALDI−TOF−MSの検体とした。
(B)非還元末端がGlcAであるCH画分の製造
UDP−GalNAcに代えてUDP−GlcAを用いた他は(A)と同じ操作を行って糖鎖画分を調製し、MS検体液を作製した。
(C)分析
(A)、(B)の検体について、前記(2)と同様に質量分析を行った。その結果、イオンピークのm/zから、(A)によって得られた画分中のCHは、実質的に全てGalNAcが非還元末端に存在する奇数糖であり、(B)によって得られた画分中のCHは、実質的に全てGlcAが非還元末端に存在する偶数糖であることが分かった(図8、9)。
(4)
(A) 非還元末端がGalNAcであるCH画分の製造
前記(1)と同様にCH6、UDP−GalNAcおよびUDP−GlcAを基質とし、K4CP酵素を添加して30℃かつpH7.2の条件で8時間反応を行った後、再度UDP−GalNAcを300nmole添加し、再び30℃で5時間反応させた。沸騰水中で1分間熱失活させ、エタノール沈殿後、残渣を蒸留水200μlに再溶解させた。その溶液を、0.2 M 酢酸アンモニウムを展開緩衝液とするSuperdex Peptide HR10/30 カラムでゲルろ過クロマトグラフィーを行い、1 ml/分の流速で流し、1分間(1 ml)毎に分画した。得られた画分を凍結乾燥し、各10μlの蒸留水に再溶解し、少量のDowex 50 XW8 (H+ form)ゲルに通し、MALDI-TOF-MSの検体とした。
(B) 非還元末端がGlcAであるCH画分の製造
再添加する糖ヌクレオチドをUDP−GalNAcからUDP−GlcAに代えた他は(A)と同じ操作を行って糖鎖画分を調製し、MS検体液を作製した。
(C) 分析
(A)、(B)の検体について前記(2)と同様に質量分析を行った。その結果、イオンピークのm/zから、(A)によって得られた画分中のCHは実質的に全てGalNAcが非還元末端に存在する奇数糖であり、(B)によって得られた画分中のCHは、実質的に全てGlcAが非還元末端に存在する偶数糖であることが分かった(図10、11)。
(5)Mn2+濃度の影響
K4CP酵素反応におけるMn2+の影響を検討した。実施例1で調製したCH6(10
nmol)、UDP−GalNAcおよびUDP−GlcA(それぞれ300 nmol)、50 mM Tris HCl緩衝液, pH7.2並びに0.15M NaClを含む溶液に、それぞれMnClを終濃度が0.002、0.02、0.2、2、20mMとなるように添加し、酵素反応液とした。この各酵素反応液(200 μl)中にそれぞれK4CP酵素液(3.75μg 蛋白質相当)を添加した。0.5時間の酵素反応ではMn2+の濃度が低下するほど酵素活性(産生されるCH量)が低下した(図12)。次に18時間後のMn2+濃度依存性を調べた。MnClの濃度が0.002mMではかなり活性が低い結果になったが、0.2mMの濃度では20mMの時に比べ1.8倍程度の酵素活性がみられた(図13)。
次いで、この0.2mM MnClを含む反応液で18時間反応を行い、得られた生成物を、0.2M 酢酸アンモニウムを展開緩衝液とするSuperdex 75 HR10/30カラムでゲルろ過クロマトグラフィーを行い、1 ml/分の流速で流し、1分間(1ml)毎に分画した。得られた画分を凍結乾燥し、各10μlの蒸留水に再溶解した。その一部を採取し、1nmole/μl相当の溶液10μl を調製し、少量のDowex 50 XW8 (H+ form)ゲルに通し、MALDI−TOF−MSの検体とした。図14(A)は溶出時間が17〜18分の画分におけるMALDI−TOF−MSの解析結果であり(B)は溶出時間が15〜16分の画分におけるMALDI−TOF−MSの解析結果である。これらの結果からわかるようにMnClの濃度を低下させることにより、偶数糖と奇数糖の割合がほぼ同等となり、より高分子のCH鎖が製造できることがわかる(最高88糖(m/z- = 16,752)のイオンピークまでが判別可能であった)。また、偶数糖及び奇数糖のそれぞれのイオンピーク強度の値の合計を比較すると、溶出時間が17〜18分の画分では偶数糖と奇数糖の比が(48.5:51.5)となり、溶出時間が15〜16分の画分では(49.0:51.0)であった。したがって、Mn2+の濃度を調節するとことにより、偶数糖と奇数糖が同等量の画分が製造できることがわかった。
本発明方法は、CHの非還元末端が調節されたCH画分を製造する方法として利用することができる。
0.5時間反応後の生成物のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 1時間反応後の生成物のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 18時間反応後の生成物の溶出画分(画分番号21)のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 18時間反応後の生成物の溶出画分(画分番号20)のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 18時間反応後の生成物の溶出画分(画分番号19)のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 18時間反応後の生成物の溶出画分(画分番号18)のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 18時間反応後の生成物の溶出画分(画分番号17)のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 CSを脱硫化したものとGalNAc供与体とを反応させたときの生成物のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 CSを脱硫化したものとGlcA供与体とを反応させたときの生成物のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 CH6から合成したCHに対し、GalNAc供与体を再度添加して反応させたときの生成物のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 CH6から合成したCHに対し、GlcA供与体を再度添加して反応させたときの生成物のMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。 0.5時間反応後のMn2+濃度を変えたときの酵素活性を示す図である。 18時間反応後のMn2+濃度を変えたときの酵素活性を示す図である。 Mn2+濃度が0.2mMで18時間反応させたときのMALDI-TOF-MSのスペクトルを示す図である。

Claims (7)

  1. グルクロン酸供与体、N−アセチルガラクトサミン供与体、糖受容体、大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼ及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件1〜3を全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(1)で示されるコンドロイチンを50%超含有する画分の製造方法。
    (GlcA−GalNAc)n ・・・・(1)
    GalNAc−(GlcA−GalNAc)n ・・・・(2)
    (各式中、GlcAはグルクロン酸残基を、GalNAcはN−アセチルガラクトサミン残基を、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
    (条件)
    条件1:グルクロン酸供与体、N−アセチルガラクトサミン供与体、糖受容体、大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼ及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、5時間反応させたときに生成する画分中のコンドロイチン含量比をXとする。ここで「コンドロイチン含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるコンドロイチンの分子数」/「上記一般式(2)で示されるコンドロイチンの分子数」の比を意味するものとする。
    条件2:条件1における「30℃かつpH7.2」を、「大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のコンドロイチン含量比がXとなる反応時間をYとする。
    条件3:条件2と同一の温度かつpHにおいて、Yよりも短い時間で反応させる。
  2. グルクロン酸供与体、N−アセチルガラクトサミン供与体、糖受容体、大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼ及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件4〜6を全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(2)で示されるコンドロイチンを50%超含有する画分の製造方法。
    (GlcA−GalNAc)n ・・・・(1)
    GalNAc−(GlcA−GalNAc)n ・・・・(2)
    (各式中、GlcAはグルクロン酸残基を、GalNAcはN−アセチルガラクトサミン残基を、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
    (条件)
    条件4:グルクロン酸供与体、N−アセチルガラクトサミン供与体、糖受容体、大腸菌
    K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼ及び終濃度で5〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、8時間反応させたときに生成する画分中のコンドロイチン含量比をXとする。ここで「コンドロイチン含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるコンドロイチンの分子数」/「上記一般式(2)で示されるコンドロイチンの分子数」の比を意味するものとする。
    条件5:条件4における「30℃かつpH7.2」を、「大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のコンドロイチン含量比がXとなる反応時間をYとする。
    条件6:条件5と同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
  3. グルクロン酸供与体、糖受容体、大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼ及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件A〜Cを全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(1)で示されるコンドロイチンを実質的に100%含有する画分の製造方法。
    (GlcA−GalNAc)n ・・・・(1)
    GalNAc−(GlcA−GalNAc)n ・・・・(2)
    (各式中、GlcAはグルクロン酸残基を、GalNAcはN−アセチルガラクトサミン残基を、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
    (条件)
    条件A:グルクロン酸供与体、糖受容体、大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼ及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、0.5時間反応させたときに生成する画分中のコンドロイチン含量比をXとする。ここで「コンドロイチン含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるコンドロイチンの分子数」/「上記一般式(2)で示されるコンドロイチンの分子数」の比を意味するものとする。
    条件B:条件Aにおける「30℃かつpH7.2」を、「大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のコンドロイチン含量比がXとなる反応時間をYとする。
    条件C:条件Bと同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
  4. N−アセチルガラクトサミン供与体、糖受容体、大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼ及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させ、下記条件D〜Fを全て満たすように反応させるステップを少なくとも含む、下記一般式(2)で示されるコンドロイチンを実質的に100%含有する画分の製造方法。
    (GlcA−GalNAc)n ・・・・(1)
    GalNAc−(GlcA−GalNAc)n ・・・・(2)
    (各式中、GlcAはグルクロン酸残基を、GalNAcはN−アセチルガラクトサミン残基を、−はグリコシド結合を、nは任意の整数をそれぞれ示す。)
    (条件)
    条件D:N−アセチルガラクトサミン供与体、糖受容体、大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼ及び終濃度で0.02〜100mMのMn2+を共存させて30℃かつpH7.2の条件で、0.5時間反応させたときに生成する画分中のコンドロイチン含量比をXとする。ここで「コンドロイチン含量比」とは、「上記一般式(1)で示されるコンドロイチンの分子数」/「上記一般式(2)で示されるコンドロイチンの分子数」の比を意味するものとする。
    条件E:条件Dにおける「30℃かつpH7.2」を、「大腸菌K4株由来のコンドロイチンポリメラーゼが作用する任意の温度かつpH」に置き換えて反応させたときに生成する画分中のコンドロイチン含量比がXとなる反応時間をYとする。
    条件F:条件Eと同一の温度かつpHにおいて、Yよりも長い時間で反応させる。
  5. Mn2+の濃度が10〜30mMであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. Mn2+の濃度が15〜25mMであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. Mn2+の濃度が20mMであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
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