JP5080571B2 - 液垂れの少ないカプセル - Google Patents

Description

本発明は、一般に、原料収容カプセルを使用して飲料または他の液体食料品（スープなど）を製造する分野に関する。

飲料製造機が例えば水などの液体を原料収容カプセルの内部へ注入すると、水は、カプセル内に収容される原料と相互作用する。相互作用の結果は、その後にカプセルから得ることができる飲料または液体食料品である。

ＥＰ１５８０１４４Ａ１は、圧力の作用下で開放するバルブを備える飲料抽出用の一体カートリッジに関する。バルブは、カートリッジの開放を遅らせるために利用される。バルブは、カートリッジ内の圧力の上昇を可能にするとともに、抽出および発泡性を向上させる。また、バルブは、抽出が終了されるときの流体残留物の液垂れも減少させる。したがって、バルブは異なる機能を有し、そのうちの１つが内圧の制御である。これにより、十分に信頼でき且つ同じ抽出圧力を常に制御できるバルブを形成するのが困難である。また、カプセルは、密閉シールされなければならず、したがって、抽出プロセスの開始前に更なるタペットによって例えば手動で或いは飲料製造機内への挿入によって開放されなければならない。

本発明は、抽出圧力をより良く制御するシールされたカプセルのための解決策を提案して従来技術の不都合を解決するとともに、流体残留物の液垂れの問題に適した解決策を提供する。

本発明は、特に、カプセルの製造中にカプセルの区画室内に原料が密閉シールされるカプセルの分野に関する。すなわち、周囲環境への原料の曝露は、カプセルが飲料製造機内に挿入された後においてのみ行われ、飲料製造機は、通常、カプセルの入口面を穿孔するための手段と、水をカプセル内に注入するための手段と、カプセルを規定の位置で支持するための手段とを有する。

密閉シールされたカプセルは、それが搬送中または保管中に原料の揮発性物質の早期の損失を回避するため、有利である。

飲料製造プロセスの最後に、カプセルは、入口側および出口側の両方で開放される。カプセルの内部に導入される液体の最も大きい部分は水から排出されるが、飲料製造プロセス後、カプセル内にはいくつかの残留液体が常に残っている。

特に、その後にカプセルが飲料製造機から取り出される場合には、例えばカプセルの水注入口側からの水または飲料の液垂れの問題が存在する。この液垂れは、特に、飲料出口側からカプセルに入る空気によって促進されると考えられる。

時として、この問題は、カプセルの水注入口側から出る飲料によってコーヒー粉末などの固体さえもが水注入口側でカプセルから出る場合に更に悪化する。これは、飲料製造機の要素の二次汚染を引き起こす可能性があり、このことは、異なる飲料（例えば、コーヒー、茶、ジュース、ミルク．．．．）に関して飲料製造機が使用される場合に特定の問題を生じさせる。

したがって、本発明は、飲料製造プロセスの完了後に残留液体および／または固体がカプセルから出る危険を減らすという目的を有する。

この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。従属請求項は、本発明の中心思想を更に発展させる。

第１の態様によれば、飲料または液体食料品を製造するための原料を収容するカプセルが提案される。原料は区画室内に収容される。区画室の下面は、原料区画室内で増大する圧力の作用下で原料区画室から飲料を解放するように形成される。下面は、カプセル内の圧力の上昇の作用下で永続的に開放される。この圧力は、典型的に、原料区画室内への水の注入によって引き起こされる。加えて、カプセルには、原料区画室の上記下面からカプセルの飲料出口への流路を選択的に遮断するようになっているバルブ手段が設けられる。バルブは、圧力が十分に低下したときに飲料の流れを遮断するように形成される。結果として、生成プロセスの最後において残留液体の液垂れが防止される。

原料区画室内の圧力の作用下で下面を開放するために内部穿孔手段を設けることができ、下面と上記穿孔手段とを互いに係合させることによって下面を穿孔し或いは開放する。「下面」は、開放時にカプセルの飲料出口へ向かう流路を開放する面として理解されなければならない。

バルブ手段は、基本的に気密様態で流路を遮断するように形成することができる。これは、飲料製造プロセスの完了後にカプセルを通じた空気の流れを減少させ或いは少なくとも抑制するという一般的な考えを実現できる１つの可能性を構成する。

バルブ手段は、下面の下流側に配置できることが好ましい。これは、原料区画室とカプセルの飲料出口との間での流体流れ（少なくとも１つの方向）を妨げることができる１つの可能性を構成する。

バルブ手段は、選択的に、すなわち、原料区画室内の圧力が周囲圧力よりも高くされるときにのみ、あるいは、一般的には、飲料製造プロセスが終了されると直ちに、すなわち、原料区画室内への液体注入が停止すると直ちに、流路を開放するように形成することができる。

それに対応して、バルブ手段は、原料区画室内の圧力がもはや周囲圧力を超えないと直ちに流路を遮断するように形成することができる。

カプセルには、一般的な形状の起伏のあるプレートを有する穿孔手段を設けることができる。原料区画室の隣接する面の開放を助けるために、起伏、例えば、ピンまたはピラミッドが形成される。バルブ手段をプレートの周囲に配置することができる。特に、バルブ手段は、プレートの一体的な部分となることができる。

バルブ手段は、カプセルの隣接する壁と係合して閉塞し且つ圧力の作用によって上記隣接する壁から引き離されるように付勢されて開放するようになっている可撓性リップを備えることができる。

本発明の更なる態様は、その入口面の開口を通じて原料区画室内へ液体を注入し且つその飲料出口から飲料を排出するように形成されるカプセルに関する。カプセルは、原料区画室内への液体注入が停止すると直ちに飲料出口とカプセルの入口面の上記開口との間およびその逆の空気の流れを自動閉塞し或いは少なくとも大幅に減少させるための手段を備える。

また、本発明は、バルブ手段がカプセルの外側に配置される協働する制御手段によって機械的に開閉されるようになっているカプセルに関する。

バルブ手段は、飲料製造機のカプセルキャリア内の突起であってもよい外部制御手段と協働するように形成することができる。

バルブ手段をカプセルの内部の起伏のあるプレートの外周シール面によって形成することができ、外周シール面は、カプセルの外壁を内側に変形させて上記プレートを押すように圧縮作用する突起の結果としてカプセルの内壁から選択的に引き離される。

バルブ手段は、カプセルがカプセルキャリア上に配置されてカプセルが飲料製造機の注入手段によって係合されるときに、カプセルおよびカプセルキャリアに対して及ぼされる圧縮の結果として開放することができる。

本発明の更に他の態様は、飲料を製造するための原料を収容するカプセルに関する。原料は区画室内に収容される。内部開放手段を設けることができ、該開放手段は、上記原料区画室内の圧力によって下面を上記開放手段に抗して作用させることによって上記原料区画室の下面を開放する。これにより、上記原料区画室の下面からカプセルの飲料出口への流路は、上記飲料出口へと流れる飲料の速度を制動するように形成される障害物領域を備えることができる。障害物領域とは、飲料の流れが所定の壁に衝突し、飲料の噴出流のエネルギが破壊されるように飲料の流れを少なくとも１回変える領域のことである。

開放手段は、区画室の下面と係合するように配置される少なくとも１つの穿孔要素を含む起伏のあるプレートを備えることができる。

上記障害物領域の少なくとも一部は、カプセルシェルの外壁のビードと上記起伏のあるプレートの壁の一部とによって画成され得る。

本発明の更に他の態様は、飲料を製造するための原料を収容するカプセルに関する。カプセルの入口面は、該入口面に設けられ或いは形成される開口を通じて加圧液体を注入するように形成される。液体注入手段がカプセルから引っ込められた後および／または液体注入が停止すると直ちに上記開口を自動的に閉塞するための手段が設けられる。

カプセルの入口面は、自動閉塞特性（「自動回復特性」）を有する材料から形成することができる。

上記自動閉塞手段は、例えば弾性材料から形成することができる。これらの自動閉塞手段は、入口面の内側および外側に対して加えられるシリコンまたはエラストマー材料から形成することができる。

本発明の更に他の態様は、飲料を製造するための原料を収容するカプセルに関する。原料は区画室内に収容される。内部開放手段が設けられ、該開放手段は、上記原料区画室内の圧力によって下面を上記内部開放手段に抗して作用させることによって上記原料区画室の下面を開放するように形成される。上記原料区画室の下面からカプセルの飲料出口への流路は、カプセルの外壁の内面を基本的に辿る。飲料を飲料出口の基本的に中心で飲料出口から出させるための飲料流案内手段が設けられる。

飲料流案内手段は、飲料出口の中心に配置されるピンであってもよい。

ピンの少なくとも一部を外側へ向けて先細らせることができる。

穿孔手段は起伏のあるプレートの形状を成すことができ、また、飲料流案内手段は、起伏のあるプレートと一体で該プレートの下側から突出することができる

本発明の更なる他の態様は、飲料を製造するための原料を収容するカプセルに関し、カプセルの入口面には一体の液体ポートが設けられ、この液体ポートは飲料製造機の液体注入手段に結合されるようになっている。一体の液体ポートは、カプセルの入口面から突出できる。

本発明の更なる態様、目的、および、利点は、添付図面の図と併せて理解される本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかとなる。

本発明に係るカプセルの断面図を示している。 本発明に係る穿孔プレートの図を示している。 図２の穿孔プレートの下側を示している。 穿孔プレートとカプセルの隣接する壁との間の係合の拡大図を示している。 水注入手段の引き込み後のカプセルの入口面の自動再閉塞における第１の実施形態を示している。 カプセルの入口面の穿孔の自動閉塞手段における第２の実施形態を示している。 一体の水入口ポートを有するカプセルを示している。 図７に係るカプセルの水入口ポートの機能の詳細を示している。 カプセルの外側に配置される制御手段によってカプセル内のバルブ手段を機械的に制御できる１つの可能性を示す更なる実施形態を示している。

最初に、図１を参照して、本発明と共に適用される一般的な原理について説明する。

図１は、原料区画室３、すなわち、飲料原料または液体食料品原料を収容できるシール区画室３を有するカプセル１を示している。関連の適合された飲料製造機内でのカプセル１の使用前に、原料区画室３が外部に対して密封シールされる。

カプセル壁の上側フランジ状延在部８に対して取り付く箔、膜などは、気密様態で上面２をシールすることができる。図５および図６を参照して以下で詳しく説明するように、上側面２は、例えば、外部穿孔手段、すなわち、飲料製造機の一部である穿孔手段を用いて上記上側面を穿孔することによって開放させることができる。

本発明によれば、原料区画室３の出口側４は、周囲圧力すなわちカプセル１の外側の圧力を越えて原料区画室３内の圧力を増大させる作用によって開放される。この点に関し、開放されるべき原料区画室３の面４を、（図１の実施形態で示されるように）カプセル１内に収容できる開放手段、或いはカプセル１の外部にある手段であってもよい開放手段と係合させることができる。

いずれの場合でも、原料区画室３内に例えば水を注入すると、下面４は、ある一定の閾値に達するまで開放手段と益々係合し、下面４が穿孔手段５に抗して開放する。

単なる非限定的な例示であることを意図した図１に示される実施形態において、下面４は、カプセル１に組み込まれる穿孔手段５に抗して作用する。特に、図２からも詳しく分かるように、開放手段は、起伏のあるプレート５、例えば、原料区画室３の下面４と対向する側に例えば小さいピラミッド９などの突起を有するプレート５であってもよい。

したがって、原料区画室３内の圧力を増大させると、最終的に、下面が穿孔プレート５のピラミッド９と接触して裂ける。

このように、図示の穿孔プレートは、下面４に複数の開口を形成するように作られており、また、原料区画室内の原料と水との相互作用の生成物である飲料は、これらの複数の開口を通じて、穿孔プレート５のピラミッド９の側壁間の隙間へと流れる。

原料区画室３からの飲料が穿孔プレート５の外周１０へ向けて流されるように、穿孔プレート５は開口を有さないことが好ましい。

穿孔部材５の外周１０には、飲料が穿孔プレート５の周壁へと流れることができるようにする小さなスロット１１が設けられる。

図１には、飲料の流れが小さい矢印で概略的に示されている。

原料区画室３が加圧されると、液体は、穿孔プレート５とカプセル１と関連する円錐壁６との間の空間内で、カプセルの飲料出口７へ向けて流れることができる。

したがって、円錐壁６の領域では、飲料の流れがカプセル壁６の内面を基本的に辿る。

飲料が滑らかな態様で飲料出口７から出るようにするための手段を設けることができる。これらの手段は、例えば、飲料出口開口７の中心に配置される案内ピン１４であってもよい。案内ピン１４は、穿孔プレート５の一体的な部分となることができ、穿孔プレート５の下面から下方へ突出する。案内ピン１４は、その下側領域で外側へ向けて先細ることが好ましい。

したがって、穿孔プレート５の外周からくる飲料は、飲料出口開口７および案内ピン１４の協働によって滑らかに案内されるとともに、好ましくは、安定した流れでカプセル１から流出する。

これは、いわゆる「ダイレクトフロー」原理が使用される場合に特に重要である。ダイレクトフロー原理によれば、カプセル１の飲料出口開口７から出る飲料は、飲料製造機の一部による任意の追加的な案内を伴うことなく、カップまたは他の容器内へと直接に流れ込まされる。カプセル１から出る飲料流れの更なる案内が無いため、カップまたは他の容器内への飲料の飛散を回避するために飲料がこの飲料出口開口７から滑らかに出ることが確保されなければならない。

なお、ダイレクトフロー原理によれば、カプセル１は、必ずしも図１に示されるように垂直方向に配置される必要はなく、例えば水平姿勢など、垂直に対して傾けられる任意の姿勢で配置させることもできる。図１に示される姿勢（垂直配置）では、飲料がカプセル１の回転対称軸と一致する方向で飲料出口７から出ることになるが、カプセル１が垂直に対して傾けられる姿勢で配置される場合、飲料出口流は、カプセル１のこの対称軸に対して所定の角度を描く。

案内ピン１４に加えて或いは案内ピン１４に代えて、更なる手段を講じることにより、飲料原料区画室３からくる飲料の滑らかな流れを促進させることができる。図３に示されるように、穿孔プレート５の下面には、穿孔プレート５の中心に対して同軸に配置されるいくつかのリング１３を設けることができ、穿孔プレートの中心に案内ピン１４を配置させることができる。

同軸リング１３にはそれぞれ複数の凹部１２が設けられており、隣接するリング１３の凹部１２は、穿孔プレート５の中心に対して測定されるそれらの角度位置に関して、互いに対しオフセットされる。

凹部１２の外側のリング１３の領域は、カプセル１と関連する壁６と完全に接触させることができ、あるいは、少なくとも、これらのリングが飲料流れのための流れ障害物となるようにすることができる。

いずれの場合にも、図１および図４に示されるように、オフセットした凹部１２とカプセル１の壁６との協働は、飲料を曲がりくねった（蛇行した）経路へと流し込ませる。この場合、上記経路を画成する壁は、飲料の噴出流のエネルギを破壊するとともに、飲料出口開口７へ向けた滑らかな流れを促進させる。

また、飲料出口７を取り囲む領域において、カプセル１の壁６には外側に延びるビード２７を設けることができ、このビードも、安定した流れ、および、飲料の噴出流のエネルギ破壊効果を促進させる。

図３および図４から分かるように、穿孔プレート５の外周１０には、カプセルの壁６に対して押し付けられる可撓性リップ１５を設けることができる。飲料流れ経路の流れ方向で見ると、リップ１５は、カプセル１と関連する壁６と鋭角を成すことができる。原料区画室３が加圧される限り、飲料流れ１５は、流れ経路を開放するために可撓性リップ１５を内側に向けて押すことができる。

このように、可撓性リップ１５は、飲料原料区画室３が加圧されない場合に原料区画室３から飲料出口３への流れ経路を閉じる選択的なバルブ手段を有するための単なる１つの例示的な実施形態を表わしている。したがって、原料区画室３内への水注入が停止すると直ちに、可撓性リップ１５は流れ経路を遮断する。そのため、例えば原料区画室３内または穿孔プレートの上面の上のいずれの残留水も、もはや飲料出口開口７へと抜け出ることができない。

また、例えば可撓性リップ１５などのバルブ手段は、出口開口７とカプセル１の入口側２に形成される水注入開口との間のいずれの空気流でさえも断ち切るように形成できる。これは、カプセル１を通じて流れる空気流を少なくとも大幅に減少させることにより、補償的な空気が無いために、例えばカプセルの上面２の注入開口を通じてカプセル１の内部から出る可能性がある液体または固体の量を減らすことができるという利点を有する。

なお、バルブ手段が少なくとも飲料出口開口７と上面２の水注入開口との間およびその逆の場合の空気および／または液体の流通に対する障害物となるようになっている限り、多くの異なるバルブ配置およびバルブのための位置を考えることができる。

図５ａ−５ｃおよび図６ａ−６ｃは、液体および／または固体がカプセル１の上面２の開口１８から出るのを防止するための代替的な手段を示しており、開口１８は水注入手段１６を導入することによって形成される。

図５の実施形態では、上面２の上側および／または下側に自己回復材料１７が取り付けられる。図５ａ−５ｃに示されるように、水注入手段１６は、自己回復材料１７および上面２の箔または膜を通り抜ける。水注入が完了されると、水注入手段１６が引っ込められ（図５ｃ）、それにより、上面２に開口１８が残る。本発明によれば、材料１７は、水注入手段１６によって形成される開口を自動的に「回復」できる例えばエラストマー、シリコン材料などである。

図６ａ−６ｃは、層１９を形成する自己回復材料が上面の内部に取り付けられる僅かに異なる手法を示している。この場合も同様に、上面２の材料および自己回復材料１９はいずれも、水注入を行うために穿孔手段１６によって穿孔される。水注入・穿孔手段１６が引っ込められると（図６ｃ）、水注入穿孔部材１６によって残された開口１８を拡張材料１９が回復する。拡張材料１９は、例えば、それ自体の重量の例えば最大１００倍の水を吸収することができる超吸収ポリマー（ＳＡＰ）から形成することができる。この拡張材料からなる層は、上面２を形成する膜の下側に内側膜として或いは熱溶解によって取り付けることができる。拡張材料は、例えば、水を吸収した後、開口１８を塞ぐゲルへと変化することができる。

図７は、それ自体の水注入ポート２０が設けられるカプセル１の一実施形態を示している。カプセル１の上面２と対向する手段２１によってシールされる水注入ポート２０は、カプセル１の一部であり、関連の飲料製造機の一部ではない。例えば図８ｂから分かるように、水注入ポート２３は、カプセル１のポート２２に対してシール様態で結合することができる。図８ｂに概略的に示されるように、カプセル１の水注入ポート２２は、毛細管作用を促進させるために比較的小さい直径を有することが好ましい。例えば、水注入ポート２２の内径がおよそ０．１ｍｍ〜０．３ｍｍである場合には、飲料製造装置の水注入パイプ２３が取り外された後であってもポート２２の内側に水を保持する毛細管作用が起こる。ポート２２内でメニスカスの形態で残る水は、その後、空気バリアを形成する。すなわち、空気の進入が回避されるとともに、カプセルからの残留液体の損失が減少される。

図９は、水注入が停止されると直ちにカプセル内の空気および／または液体の流れを停止させるためにカプセルの内側のバルブ手段を制御する外部制御手段を有する一例であるカプセル１の一実施形態を示している。

図９の実施形態によれば、飲料製造機と共に使用するためにカプセル１が挿入されるカプセルホルダ２４には、カプセル１が押し付け力の下でカプセルキャリア２４内へ挿入されるときにカプセル１の壁の規定の位置２６に押し付けられる２つのボス２５が設けられる。

したがって、カプセル１がボス２５に対して押し付けられる限り、これらのボス２５は、カプセル壁の部分２６を内側に僅かに押圧し、そのため、穿孔部材５をカプセル１と関連する壁に対して僅かに持ち上げる。

穿孔プレート５には、例えば可撓性リップ１５（例えば、図３および図４参照）などのシール手段が設けられることが好ましい。したがって、穿孔プレート５がカプセルキャリア２４のボス２５との係合によって持ち上げられる限り、飲料は、穿孔プレート５の周囲で流れることができるとともに、カプセル１の飲料出口開口７へと流れることができる。しかしながら、例えばカプセル１がカプセルキャリア２４から分離されることによりカプセル壁の部分２６に対する押し付けがなくなると直ちに、穿孔プレート５は再びその初期位置をとる。この初期位置において、穿孔プレートは、それが原料区画室３と飲料出口開口７との間で空気および／または液体の流れを遮断するように載置される。

Claims (8)

1. 飲料を製造するための原料を収容するカプセルであって、
   前記原料が下面を備える区画室内に収容され、前記下面が、前記原料区画室内の圧力の作用下で前記区画室から飲料を解放するように形成され、前記下面が、前記区画室内の圧力の上昇の作用によって永続的に開放され、カプセルには、前記区画室内の圧力が十分に低下したときに前記原料区画室の前記下面からカプセルの飲料出口への流路を選択的に遮断するようになっているバルブ手段が設けられ、
   前記下面は内部穿孔手段によって永続的に開放されるものであり、前記下面および前記穿孔手段を係合させることにより前記下面が穿孔され、
   前記バルブ手段が、カプセルの隣接する壁と係合して閉塞し、且つ圧力の作用によって前記隣接する壁から引き離されるように付勢されて開放するようになっている可撓性リップを備える、カプセル。
2. 前記バルブ手段が基本的に気密様態で流路を遮断するように形成される請求項１に記載のカプセル。
3. 前記バルブ手段が前記下面の下流側に配置される請求項１に記載のカプセル。
4. 前記バルブ手段が、前記原料区画室内の圧力が周囲圧力よりも高いときにのみ前記流路を開放するように形成される請求項１に記載のカプセル。
5. 前記穿孔手段が一般的な形状の起伏のあるプレートを有し、前記バルブ手段が前記プレートの周囲に配置される請求項１に記載のカプセル。
6. 前記バルブ手段が前記プレートの一体的な部分である請求項５に記載のカプセル。
7. 前記バルブ手段が、カプセルの外側に配置される協働する制御手段によって機械的に開閉されるように形成される請求項１に記載のカプセル。
8. 前記バルブ手段が内部の起伏のあるプレートの外周シール面から形成され、前記外周シール面が、カプセルの外壁を内側に変形させて前記プレートを押すように圧縮作用する突起の結果として、カプセルの本体の前記外壁の内面から選択的に引き離される請求項７に記載のカプセル。

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