JP5080312B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年の磁気記録媒体の高記録密度化に伴い、より高度な塗膜平滑性が要求されている。高い塗膜平滑性を得るために、磁性体の微粒子化や磁性体、非磁性粉末を固形分濃度にして50〜70重量%といった比較的高濃度の塗布液で強い剪断力(シェアー)をかけることで高度に分散させる技術が用いられている。磁性体は特に微粒子化しており、容易に凝集するため、十分な分散性を得るためには、強いシェアーをかける分散処理が不可欠である。
一方、塗膜の平滑化に伴い、塗膜強度の向上も必要とされている。そのため、放射線硬化性樹脂を用いることで耐久性を向上させる技術が提案されている(特許文献1〜特許文献3参照)。
例えば、特許文献1には、非磁性支持体上に、非磁性粉末及び結合剤を含む非磁性層及び少なくとも一層の磁性体及び結合剤を含む磁性層をこの順に有する磁気記録媒体であって、前記磁性体は、20〜100nmの範囲の長軸長を有する針状強磁性体又は10〜50nmの範囲の板径を有する平板状磁性体であり、少なくとも前記磁性層は、結合剤としての水酸基又はアミノ基を含有する分子量1万〜10万の樹脂(A)に、磁性体を混練及び/又は分散させ、次いで、イソシアネート基及び放射線硬化性官能基を有する分子量100〜500の化合物(B)を添加して得られた塗布液を塗布することにより得られたものであることを特徴とする磁気記録媒体が開示されている。
また、特許文献2には、基体上に、少なくとも1以上のイソシアネート基及び1以上の炭素炭素二重結合を有するイソシアネート化合物と、水酸基を含有した結合剤樹脂とを磁性粉末の結合剤成分として含む塗膜を形成し、これに放射線を照射して硬化された磁性層を設けたことを特徴とする磁気記録媒体が開示されている。
一方、塗布型の磁気記録媒体の高密度記録を可能とし、かつ短波長における電磁変換特性を向上させるために、強磁性粉末の微細化や磁性層の薄膜化、高配向化、充填性の改良等により磁気特性を向上させることや、ヘッドとのスペーシングロスを小さくするため表面性を上げること等の方法が取られてきた。特許文献3には、耐久性や磁気特性を損なうことなく、表面性が良好で、短波長領域での出力が優れた磁気記録媒体を提供することを目標として、強磁性粉末を含有する磁性層の厚さが0.05〜1.0μmである塗布型磁気記録媒体の製造方法において、前記支持体に中間層を塗布乾燥し、強磁性粉末を含有する磁性塗料を中間層を有する支持体の上に150,000sec-1以上のせん断速度で塗布し、この磁性塗料のウエット膜厚が10.0μm以下であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法が開示されている。
特開2002−342911号公報 特開昭62−214517号公報 特開2005−158263号公報
特許文献1及び2には、優れた塗膜強度を得るためにイソシアネート基と放射線硬化性官能基を有する結合剤を用いることが提案されている。しかし、このような磁気記録媒体では、十分な摺動耐久性を得ることができない。
また、特許文献3には、電子線硬化樹脂を有する中間層を塗布乾燥後、電子線照射し、硬化させた中間層上に磁性層を設けた逐次塗布磁気記録媒体が提案されている、しかし、特許文献3に記載の電子線硬化性樹脂を使用した場合には、増粘しやすく、十分な平滑性を得ることができない。
そこで、本発明の目的は、優れた塗膜強度及び電磁変換特性を有し、走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の<1>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<4>とともに以下に記載する。
<1> 非磁性支持体上に非磁性塗布液を塗布して非磁性層を形成する工程、前記非磁性層に放射線を照射して硬化する工程、及び、前記硬化した非磁性層上に磁性層を形成する工程をこの順で含み、前記非磁性塗布液が、水酸基及び/又はアミノ基を有する樹脂と、イソシアナト基及び/又は下記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法、
Figure 0005080312
(上記式(1)中、X1は下記式(2)又は式(3)であり、*は結合位置を表す。)
Figure 0005080312
<2> 前記放射線硬化性官能基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である、上記<1>に記載の磁気記録媒体の製造方法、
<3> 前記イソシアナト基及び/又は前記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物が下記式(4)で表される、上記<1>又は上記<2>に記載の磁気記録媒体の製造方法、
1−X1' −R2 (4)
(上記式(4)中、R1は、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、X1' は、単結合、炭素数1〜18のアルキレン基、又は、下記式(5)もしくは式(6)で表される置換基を表し、R2はイソシアナト基又は前記式(1)で表される置換基を表す。)
Figure 0005080312
(上記式(5)及び式(6)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R5及びR6はそれぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、水素原子又はメチル基を表し、Y2は、単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、n1は1〜20の整数である。なお、**は、R1との結合位置、***はR2との結合位置を表す。)
<4> 前記非磁性塗布液が、非磁性粉末に水酸基及び/又はアミノ基を有する樹脂と、イソシアナト基及び/又は前記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物と、非磁性粉末とを混練かつ分散する工程、又は、非磁性粉末に水酸基及び/又はアミノ基を有する樹脂を添加して混練した後、イソシアナト基及び/又は前記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物を添加して分散する工程により調製されたものである、上記<1>〜上記<3>いずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法。
本発明によれば、優れた塗膜強度及び電磁変換特性を有し、走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することができた。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体上に非磁性塗布液を塗布して非磁性層を形成する工程、前記非磁性層に放射線を照射して硬化する工程、及び、前記硬化した非磁性層上に磁性層を形成する工程をこの順で含み、前記非磁性塗布液が、水酸基及び/又はアミノ基を有する樹脂(以下、樹脂(A)ともいう。)と、イソシアナト基及び/又は上記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、化合物(B)ともいう。)を含むことを特徴とする。
近年の磁気記録媒体の高記録密度化に伴い、より高度な塗膜平滑性が要求されている。平滑な磁性層を有し、電磁変換特性に優れる磁気記録媒体を得るには、磁性層の下層となる非磁性層が平滑な表面を有することが重要となる。また、非磁性層上に磁性層を塗布する際、ウェット・オン・ウェット塗布方式で非磁性層が湿潤状態のうちに磁性層を塗布していた。ウェット・オン・ウェット方式では非磁性層と磁性層の界面が乱れ、電磁変換特性上ノイズ増加の弊害があることから、ウェット・オン・ドライ方式が提案されている。
ウェット・オン・ドライ方式では、まず、非磁性支持体の一方の面上に、非磁性塗布液を塗布、乾燥して非磁性層を形成した後、非磁性層を硬化させる。次に、硬化された非磁性層上に磁性層用塗料を塗布、乾燥して、磁性層を形成する。予め平滑な非磁性層を形成した上に磁性層を設けるため、非磁性層と磁性層の界面が乱れず、優れた電磁変換特性を有する磁気記録媒体を得られる。こうしたウェット・オン・ドライ方式では非磁性層を硬化させるために、放射線硬化性樹脂を使用し、放射線硬化させる方式が提案されている。
前記特許文献3では、電子線硬化樹脂を有する非磁性層を塗布乾燥後、電子線照射し、硬化させた原反上に磁性層を設けた逐次塗布による磁気記録媒体を提案しているが、電子線硬化型樹脂を強い剪断による発熱の大きい混練過程で非磁性粉末に添加した場合は、発熱でラジカル重合反応を起こし、混練時の増粘が大きく、非磁性層に使用する粉末(非磁性粉末)を十分に分散できない。分散性が不十分な塗布液では高粘度となり、非磁性層の塗布適性がなくなり、平滑性を確保できない。
本発明では、結合剤として水酸基及び/又はアミノ基を含有する樹脂(樹脂(A))と、イソシアナト基及び/又は上記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物(化合物(B))とを添加している。
また、特許文献1では、水酸基又はアミノ基を含有する分子量1万〜20万の樹脂(A)及び放射線硬化性官能基を有する分子量100〜500の化合物(B)を使用しているが非磁性層及び磁性層を同時重層しており、ウェットな状態の下層の上に上層液が塗布された場合、下層液中の非吸着バインダー等の上層液中へのマイグレート、下層粉末同士の隙間への微粒子の磁性体が落ち込み等により上層及び下層の界面は乱れ、上層表面の粗面化に繋がり、十分な平滑性を得ることができない。
本発明においては、磁性層を形成する前に非磁性層に放射線を照射している。本発明者は、非磁性層の樹脂(A)及び化合物(B)の架橋反応及び放射線硬化性官能基による重合反応を十分に進行させた後に磁性層を形成することにより、極めて優れた磁性層平滑性、電磁変換特性、走行耐久性を得られることを見出し、本発明の完成に至ったものである。その機構は十分に解明されていないが、磁性塗布液を塗布した際の溶剤の浸透、膨潤も抑制され、磁性層表面の粗面化が抑制されていると考えられる。
以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法について詳述する。
(非磁性層)
非磁性層は、非磁性粉末を結合剤に分散させてなる。また、非磁性層は、必要に応じてカーボンブラックやその他の成分を含有してもよい。
<非磁性粉末>
非磁性層には、非磁性層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を使用してもよいが、非磁性粉末を用いることが好ましい。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどが単独又は2種類以上を組み合せて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。
これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm以上2μm以下が好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。より好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは10nmを超え100nm以下である。平均粒径が5nm以上2μm以下の範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積(SBET)は、好ましくは1m2/g以上100m2/g以下であり、より好ましくは5m2/g以上70m2/g以下であり、さらに好ましくは10m2/g以上65m2/g以下である。比表面積が1m2/g以上100m2/g以下の範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。
ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、好ましくは5ml/100g以上100ml/100g以下、より好ましくは10ml/100g以上80ml/100g以下、さらに好ましくは20ml/100g以上60ml/100g以下である。
比重は好ましくは1以上12以下であり、より好ましくは3以上6以下である。タップ密度は好ましくは0.05g/ml以上2g/ml以下であり、より好ましくは0.2g/ml以上1.5g/ml以下である。タップ密度が0.05g/ml以上2g/ml以下の範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向があるので好ましい。
非磁性粉末のpHは2以上11以下であることが好ましいが、pHは6以上9以下の間が特に好ましい。pHが2以上11以下の範囲にあれば、高温、高湿下又は脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはないので好ましい。
非磁性粉末の含水率は、好ましくは0.1重量%以上5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以上3重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以上1.5重量%以下である。含水量が0.1重量%以上5重量%以下の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。
強熱減量は、20重量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉末である場合には、モース硬度は4以上10以下のものが好ましい。モース硬度が4以上10以下の範囲であれば耐久性を確保することができるので好ましい。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、1μmol/m2以上20μmol/m2以下であることが好ましく、さらに好ましくは2μmol/m2以上15μmol/m2以下である。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、20μJ/cm2以上60μJ/cm2以下(200erg/cm2以上600erg/cm2以下)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することが好ましい。
100℃以上400℃以下での表面の水分子の量は1個/100Å以上10個/100Å以下が適当である。水中での等電点のpHは、3以上9以下の間にあることが好ましい。
これらの非磁性粉末の表面にはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であり、さらに好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合せて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナ(Al23)で処理した後にその表層をシリカ(SiO2)で処理する方法、又はその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明において非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工(株)製ナノタイト、住友化学(株)製HIT−100、ZA−G1、戸田工業(株)製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX 石原産業(株)製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業(株)製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ(株)製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学工業(株)製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業(株)製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル(株)製AS2BM、TiO2P25、宇部興産(株)製100A、500A、チタン工業(株)製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
<カーボンブラック>
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合することが好ましい。これにより、表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のμビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のμビッカース硬度は、好ましくは25kg/mm2以上60kg/mm2以下、より好ましくはヘッド当りを調整するために、30kg/mm2以上50kg/mm2以下であり、薄膜硬度計(日本電気(株)製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明において非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は好ましくは100m2/g以上500m2/g以下、より好ましくは150m2/g以上400m2/g以下、DBP吸油量は好ましくは20ml/100g以上400ml/100g以下、より好ましくは30ml/100g以上200ml/100g以下である。カーボンブラックの粒子径は好ましくは5nm以上80nm以下、より好ましく10nm以上50nm以下、さらに好ましくは10nm以上40nm以下である。カーボンブラックのpHは2以上10以下、含水率は0.1%以上10%以下、タップ密度は0.1g/ml以上1g/ml以下であることが好ましい。
本発明において非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業(株)製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範囲、非磁性層総重量の40%を越えない範囲で使用することが好ましい。これらのカーボンブラックは単独、又は組合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
<結合剤>
本発明において、非磁性層に含まれる結合剤は、水酸基及び/又はアミノ基を含有する樹脂(樹脂(A))を含む。また、これと併用して、イソシアナト基及び/又は上記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物(化合物(B))を含有する。
本発明において、樹脂(A)及び化合物(B)を含む非磁性塗布液を用いて非磁性層を形成することによって、非磁性粉末の分散性、塗膜強度及び平滑性に優れる非磁性層を得ることができ、これにより、優れた平滑性、電磁変換特性及び走行耐久性を有する磁気記録媒体を提供することができる。
〔樹脂(A)〕
樹脂(A)は、水酸基及び/又はアミノ基を含有し、水酸基又はアミノ基を有することが好ましい。すなわち、樹脂(A)は、水酸基又はアミノ基のいずれか一方を有する樹脂であることが好ましい。
樹脂(A)の骨格としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等を共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルキラール樹脂等から、単独又は複数の樹脂を混合して用いることができる。
樹脂(A)は、水酸基(OH基)及び/又はアミノ基を含有する。樹脂(A)の水酸基(OH基)又はアミノ基と、後述の化合物(B)のイソシアネート基が結合して架橋を形成することにより、塗膜強度を高めることができる。樹脂(A)の水酸基(OH)基又はアミノ基の含有量は、合計して50〜1,000μeq/gが好ましく、さらに好ましくは100〜500μeq/gであることが適当である。水酸基(OH基)又はアミノ基の含有量が50μeq/g以上であると、塗膜強度を向上させることができ、1,000μeq/g以下であると、分散性が良好であり好ましい。
樹脂(A)の分子量は、1万〜20万であることが好ましく、より好ましくは2万〜10万である。分子量が上記範囲内であると、良好な塗膜強度が得られるとともに、溶剤溶解性に優れ、非磁性粉末の分散性が高いので好ましい。
樹脂(A)には、水酸基(OH基)、アミノ基以外に、極性基を導入することもできる。極性基を含むことにより、樹脂(A)の非磁性粉末表面への吸着性が高まり、非磁性粉末の分散性をさらに向上させることができる。樹脂(A)に含まれる極性基としては、−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、>NSO3M、>NRSO3M(Mは水素、Na、K等のアルカリ金属、Rはアルキレン基)等を用いることができる。中でも好ましくは、−SO3M、−SO4Mである。極性基の含有量としては、10〜500μeq/gが好ましい。極性基の含有量が10μeq/g以上であることで、樹脂(A)の非磁性粉末への吸着性が高くなり、分散性が良好であり、500μeq/g以下であると、溶剤溶解性が高く分散性が良好であり好ましい。
樹脂(A)の添加量は、非磁性塗布液の固形分(溶剤を除いた全重量)に対して5〜30重量%であることが好ましく、5〜25重量%であることがより好ましく、5〜20重量%であることがさらに好ましい。
樹脂(A)の添加量が5重量%以上であると分散性確保でき、30重量%以下であるとカレンダ処理での成形性が良好であり、十分な平滑性及び磁性層中の磁性体の充填性を確保できるため好ましい。
〔化合物(B)〕
本発明において、非磁性層には、上記樹脂(A)と共に、イソシアナト基(なお、イソシアナト基(−N=C=O)は、イソシアネート基とも呼ばれる。)及び/又は下記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物(化合物(B))が使用される。
Figure 0005080312
(上記式(1)中、X1は下記式(2)又は式(3)であり、*は結合位置を表す。)
Figure 0005080312
上記式(2)又は式(3)で表される置換基は、イソシアナト基を保護(ブロック)しており、加熱等により脱保護することによって、イソシアナト基となる置換基である。
化合物(B)に含まれるイソシアナト基、又は、上記式(2)又は式(3)で表される置換基(以下、「式(2)又は式(3)で表される置換基」を、「ブロックされたイソシアナト基」ともいう。)が脱ブロック化して生成したイソシアナト基が、樹脂(A)に含まれる水酸基又はアミノ基と結合することにより、また、化合物(B)に含まれる放射線硬化性官能基が架橋することにより、塗膜強度及び耐久性を高めることができる。
前記放射線硬化性官能基は、エチレン性不飽和結合を有する基であることが好ましく、すなわち、化合物(B)は、イソシアナト基及び/又はブロックされたイソシアナト基を有するエチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基等が例示できるが、本発明において、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることが好ましく、より好ましくは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である。
化合物(B)としては、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、イソシアネートブチル(メタ)アクリレート、イソシアネートペンチル(メタ)アクリレート、イソシアネートヘキシル(メタ)アクリレート、イソシアネートヘプチル(メタ)アクリレート、イソシアネートオクチル(メタ)アクリレート、イソシアネートノニル(メタ)アクリレート、イソシアネートデシル(メタ)アクリレート、イソシアネートウンデシル(メタ)アクリレート、イソシアネートドデシル(メタ)アクリレート、イソシアネートトリデシル(メタ)アクリレート、イソシアネートミリスチル(メタ)アクリレート、イソシアネートペンタデシル(メタ)アクリレート、イソシアネートパルミチル(メタ)アクリレート、イソシアネートヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソシアネートステアリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート及び2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシエチルイソシアネートや上記化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシドを付加した化合物、1,1−ビス((メタ)アクリロイロキシメチル)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−プロピルイソシアネート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−プロピルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネートが例示できる。また、イソシアナト基を3,5−ジメチルピラゾールでブロックしたモノマー(例えば、カレンズMOI−BP(昭和電工製)や、イソシアナト基をメチルエチルケトンオキシムでブロックしたモノマー(例えば、カレンズMOI−BM)が例示できる。また、ジイソシアネート化合物1モルにヒドロキシ(メタ)アクリレートを1モル付加させた化合物を用いることができる。
化合物(B)のうちで上市されているものがあり、例えば、カレンズMOI(2−メタクリロイルオキシエチルアクリレート)、カレンズAOI(2−アクリロイルオキシエチルアクリレート)、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート(カレンズMOI−EG)、メタクリル酸2−[0−(1’−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチル(カレンズMOI−BM)、メタクリル酸2−[(3’、5’−ジメチルピラゾイル)カルボキシアミノ]エチル(カレンズMOI−BP)、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(カレンズBEI)等のカレンズシリーズ(以上、昭和電工製)、メタクリロイルイソシアネート(MAI、日本ペイント製)が例示できる。
好ましいものは、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、イソシアネートブチル(メタ)アクリレート、昭和電工製カレンズシリーズ、日本ペイント製MAI、アクリロイルイソシアネートである。
但し、前記のジイソシアネート化合物1モルにヒドロキシ(メタ)アクリレートを1モル付加させた化合物は、分子内にウレタン結合をもつために溶剤への溶解性が低下する傾向にあり、非磁性粉末の分散性が低下することがある。
化合物(B)の分子量は、90〜10,000であることが好ましく、より好ましくは90〜5,000である。分子量が90以上であると、非磁性塗布液を塗布後の乾燥工程における飛散が抑制できるので好ましい。また、分子量が10,000以下であると、塗膜の過疎化が生じず、カレンダー工程における粘着を生じないので好ましい。
化合物(B)は、例えば、下記式(4)で示される化合物であることが好ましい。
1−X1' −R2 (4)
上記式(4)中、R1は、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、X1' は、単結合、炭素数1〜18のアルキレン基、又は、下記式(5)もしくは式(6)で表される置換基を表し、R2はイソシアナト基又は前記式(1)で表される置換基を表す。
Figure 0005080312
上記式(5)及び式(6)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R5及びR6はそれぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、水素原子又はメチル基を表し、Y2は、単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、n1は1〜20の整数である。なお、**は、R1との結合位置、***はR2との結合位置を表す。
上記式(5)及び式(6)において、R3は水素原子であることが好ましく、R4は炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基(エチレン基又はプロピレン基)であることがより好ましい。
5及びR6はアクリロイル基又はメタクリロイル基であることが好ましい。
Yは、単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましく、単結合又は炭素数1〜3のアルキレン基であることがより好ましい。n1は、1〜16であることが好ましく、より好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜4である。
化合物(B)の添加量は、樹脂(A)の水酸基及び/又はアミノ基と化合物(B)の(ブロック)イソシアナト基の当量が、(水酸基又はアミノ基):(イソシアナト基)=1:0.80〜1:1.20となるように添加することが好ましく、より好ましくは1:0.90〜1:1.10であり、さらに好ましくは1:0.95〜1:1.05である。
化合物(B)の添加量が上記範囲内であると、架橋密度を確保できると共に、残存する化合物(B)の未反応成分が磁性層に溶出することがないので好ましい。
本発明において、非磁性層では、上記架橋剤(化合物(B))に加えて、2官能以上の放射線硬化性官能基を有する化合物を併用することもできる。2官能以上の放射線硬化性官能基を有する化合物は、塗布液の固形分濃度が5〜30重量%となるように添加することが好ましい。
2官能以上の放射線硬化性官能基を有する化合物としては、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等を挙げることができる。
2官能の化合物の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレートなどに代表される脂肪族ジオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものを用いることができる。また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加したポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレートや公知の二塩基酸、グリコールから得られたポリエステルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレートも用いることができる。公知のポリオール、ジオールとポリイソシアネートを反応させたポリウレタンにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレートを用いてもよい。ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物にアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものやイソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレートなどの環状構造を有するものも用いることができる。
3官能の化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロシキピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリメタクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ヒドロシキピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリメタクリレートなどを用いることができる。
4官能以上の化合物の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサアクリレートなどを用いることができる。
中でも具体例として好ましいものは、分子量200〜2,000の3官能以上のアクリレート化合物である。さらに好ましいものは、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。またこれらの化合物は任意の割合で混合して使用することができるとともに「低エネルギー電子線照射の応用技術」(2000年、(株)シーエムシー発行)、「UV・EB硬化技術」(1982年、(株)総合技術センター発行)などに記載されている公知のアクリレート又はメタクリレート化合物を併用してもよい。
なお、本発明において、樹脂(A)及び化合物(B)を使用することが好ましいが、塗布時に十分に粘性が低く、また、硬化後に放射線硬化官能基等の架橋反応により十分な塗膜強度を得ることができればこれに限定されるものではない。
例えば、(1)水酸基及び/又はアミノ基を有する樹脂と、ジイソシアネート化合物(イソシアナト基を2つ有する化合物)とを併用して樹脂にイソシアナト基を導入し、前記樹脂と水酸基及び/又はアミノ基と放射線硬化性官能基とを有する化合物を使用して、2段階で樹脂に放射線硬化性官能基を導入する方法や、(2)イソシアナト基を有する樹脂、及び、水酸基及び/又はアミノ基と放射線硬化性官能基とを有する化合物を使用することもできる。
〔併用できる結合剤〕
樹脂(A)の他に水酸基(OH基)及びアミノ基を持たないポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものは、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂である。
上記の結合剤には、非磁性粉末の分散性を向上させるためこれらの粉末表面に吸着する官能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、−COOM、>NSO3M、>NRSO3M、−NR12、−N+123-などがある。ここでMは水素又はNa、K等のアルカリ金属、Rはアルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基又はヒドロキシアルキル基又は水素、XはCl、Br等のハロゲンである。結合剤中の官能基の量は10μeq/g〜500μeq/gが好ましく、さらには30μeq/g〜120μeq/gが好ましい。結合剤中の官能基の量が上記範囲内であると、良好な分散性が得られる。このほか、OH基などの活性水素を持つ官能基を持っていてもかまわない。上記の併用する結合剤の分子量は重量平均分子量で20,000〜200,000が好ましく、さらに好ましくは20,000〜150,000である。分子量が上記範囲内であると、良好な塗膜強度が得られ、高い耐久性を得ることができ、また、粘度が低く分散性が良好であるので好ましい。
本発明では、上記結合剤(樹脂(A)、化合物(B)、及び併用できる結合剤)を、非磁性層のみならず、上層の磁性層に使用することもできる。結合剤の添加量は、非磁性層の場合は非磁性粉末1,000重量部に対して、磁性層の場合は磁性体1,000重量部に対して、50重量部〜800重量部が好ましく、より好ましくは100重量部〜400重量部である。
上記の各成分を、通常磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して非磁性塗布液とする。混練分散は、通常の方法に従って行うことができる。なお、好ましい非磁性塗布液の調製方法については後述する。
<その他の成分>
なお、非磁性塗布液中には、上記成分以外に、α−Al23、Cr23等の研磨剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、分散剤等、通常使用されている添加剤又は充填剤等を含んでもよい。
本発明において、非磁性層及び磁性層ともに公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果などを有するものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル及びそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、及びこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)又は、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステル又はジ脂肪酸エステル又はトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。
これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、ラウリルアルコールが挙げられる。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体などのノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム、又はスルホニウム類などのカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。
これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書(株)発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれていてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は磁性層(上層)、非磁性層(下層)でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、磁性層(上層)、非磁性層(下層)で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層(下層)で多くして潤滑効果を向上させるなど考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、非磁性塗布液製造のどの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に非磁性粉末と混合する場合、非磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
本発明で使用されるこれら潤滑剤の商品例としては、日本油脂(株)製NAA−102、NAA−415、NAA−312、NAA−160、NAA−180、NAA−174、NAA−175、NAA−222、NAA−34、NAA−35、NAA−171、NAA−122、NAA−142、NAA−160、NAA−173K、ヒマシ硬化脂肪酸、NAA−42、NAA−44、カチオンSA、カチオンMA、カチオンAB、カチオンBB、ナイミーンL−201、ナイミーンL−202、ナイミーンS−202、ノニオンE−208、ノニオンP−208、ノニオンS−207、ノニオンK−204、ノニオンNS−202、ノニオンNS−210、ノニオンHS−206、ノニオンL−2、ノニオンS−2、ノニオンS−4、ノニオンO−2、ノニオンLP−20R、ノニオンPP−40R、ノニオンSP−60R、ノニオンOP−80R、ノニオンOP−85R、ノニオンLT−221、ノニオンST−221、ノニオンOT−221、モノグリMB、ノニオンDS−60、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エルカ酸、関東化学(株)製オレイン酸、竹本油脂(株)製FAL−205、FAL−123、新日本理化(株)製エヌジェルブLO、エヌジェルブIPM、サンソサイザーE4030、信越化学工業(株)製TA−3、KF−96、KF−96L、KF96H、KF410、KF420、KF965、KF54、KF50、KF56、KF907、KF851、X−22−819、X−22−822、KF905、KF700、KF393、KF−857、KF−860、KF−865、X−22−980、KF−101、KF−102、KF−103、X−22−3710、X−22−3715、KF−910、KF−3935、ライオンアクゾ(株)製アーマイドP、アーマイドC、アーモスリップCP、ライオン(株)製デュオミンTDO、日清製油(株)製BA−41G、三洋化成工業(株)製プロファン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400、イオネットMO−200 イオネットDL−200、イオネットDS−300、イオネットDS−1000イオネットDO−200などが挙げられる。
本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフランなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールなどのエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼンなどの塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等が使用できる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層(上層)と非磁性層(下層)でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層(下層)に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、具体的には磁性層(上層)溶剤組成の算術平均値が非磁性層(下層)溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
<非磁性塗布液の調製>
本発明において、非磁性塗布液の調製方法は特に限定されず、上述の通り、公知の調製方法を適宜選択して使用することができる。
これらの中でも非磁性塗布液は、非磁性粉末に樹脂(A)及び化合物(B)を添加して非磁性粉末を混練かつ分散する工程、又は、非磁性粉末に樹脂(A)を添加して混練した後、化合物(B)を添加して分散する工程により調製されたものであることが好ましい。
なお、本発明において、「混練」とは、非磁性粉末と結合剤、溶剤、必要に応じて研磨剤等を、オープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダー、ロールミル等の混練機を用い、下記の分散工程に比べて固形分濃度が高い系で行う工程である。本発明において「分散」とは、上記の混練処理によって得られた混練物又は非磁性粉末と、結合剤、溶剤、必要に応じて研磨剤等を、平均粒径0.1〜1.5mmのガラスビーズ、スチールビーズ、セラミックビーズ等を用いて分散させる工程である。分散機としては、サンドミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、高速インペラーミル、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル等を用いることができる。分散工程は、混練工程に比べて固形分濃度が低い系において行われる。また、本発明において「添加」とは、塗布液中に化合物等を加える工程であり、上記の混練、分散工程のような強い剪断力をかけずに、ディスパー等で攪拌する程度で、塗布液中に添加した化合物を均一に混合する工程である。
混練若しくは分散で発生する熱は化合物(B)中のイソシアナト基と結合剤(A)中の水酸基又はアミノ基との反応を促進する。化合物(B)中の放射線硬化性官能基(好ましくは、エチレン性不飽和結合)の一部がラジカル重合反応する可能性はあるが、化合物(B)は低分子であるため、予め放射線硬化型樹脂を混練、分散時に添加した際に生じる増粘や、分散劣化現象を回避できることが分かった。また、非磁性粉末の分散性にも優れ、優れた塗膜強度を得ることができることが明らかになった。
すなわち、本発明の好ましい態様は以下の通りである。
(1)非磁性粉末に、樹脂(A)及び化合物(B)をそれぞれ非磁性粉末に対して5〜40重量%、1〜30重量%、より好ましくはそれぞれ10〜30重量%、1〜20重量%の範囲で添加し、混練及び分散して非磁性塗布液を調製する方法、又は、
(2)非磁性粉末に樹脂(A)を非磁性粉末に対して5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%となるように添加して混練した後、化合物(B)を非磁性粉末に対して1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%添加して分散させ、非磁性塗布液を調製する方法が挙げられる。
なお、上記(1)及び(2)の方法において、混練工程での固形分濃度は70〜90重量%であることが好ましく、70〜80重量%であることがより好ましい。また、分散時の固形分濃度は20〜50重量%であることが好ましく、20〜40重量%であることがより好ましい。混練工程及び分散工程での固形分濃度が上記範囲内であると、非磁性粉末を良好に分サンすることができ、また、樹脂(A)の非磁性粉末への吸着が良好で、高い分散性を得ることができるので好ましい。
なお、固形分とは、塗布液中の有機溶剤以外のものを意味するものである。
また、混練工程及び分散工程において、過剰な重合反応が生じることを避けるために、調製時の温度を制御することも好ましい。非磁性塗布液の温度が60〜120℃となるように調整することが好ましく、より好ましくは70〜110℃であり、さらに好ましくは80〜100℃である。調製時の温度が上記範囲内であると、適当な塗布液粘度が得られ、また、非磁性粉末の分散性が良好であるので好ましい。
本発明の製造方法において、非磁性塗布液を非磁性支持体上に塗布する。
<非磁性支持体>
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また本発明に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。
<非磁性支持体上に非磁性塗布液を塗布して非磁性層を形成する工程>
非磁性支持体への非磁性塗布液の塗布方法は特に限定されず、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に非磁性塗布液を塗布する。非磁性塗料を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。 これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
塗布された非磁性塗布液の塗布層は、その後に乾燥され、非磁性層が形成される。
<非磁性層に放射線を照射して硬化する工程>
本発明において、非磁性層に放射線を照射して硬化する工程に使用される放射線としては、例えば電子線や紫外線が例示できる。紫外線を使用する場合には光重合開始剤を併用する。電子線硬化の場合は重合開始剤が不要であり、透過深さも深いので、本発明では電子線を照射することが好ましい。
電子線加速器としてはスキャニング方式、ダブルスキャニング方式あるいはカーテンビーム方式が採用できるが、好ましいのは比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、加速電圧が30〜1,000kV、好ましくは50〜300kVであり、吸収線量として0.5〜20Mrad、好ましくは2〜10Mradである。加速電圧が30kV以下の場合はエネルギーの透過量が不足し、300kVを超えると重合に使われるエネルギーの効率が低下し経済的でない。電子線を照射する雰囲気は窒素パージにより酸素濃度を200ppm以下にすることが好ましい。酸素濃度が高いと表面近傍の架橋、硬化反応が阻害される。
紫外線光源としては、水銀灯が用いられる。水銀灯は20〜240W/cmのランプを用い、速度0.3m/分〜20m/分で使用される。基体と水銀灯との距離は一般に1〜30cmであることが好ましい。
紫外線硬化に用いる光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤が用いられる。詳細は例えば「新高分子実験学第2巻第6章 光・放射線重合」(共立出版1995発行、高分子学会編)記載されているものを使用できる。具体例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−2ジエトキシアセトフェノンなどがある。芳香族ケトンの混合比率は、放射線硬化化合物100重量部に対し0.5〜20重量部、好ましくは2〜15重量部、さらに好ましくは3〜10重量部であることが適当である。
放射線照射は非磁性層を塗布、乾燥した後に行うのが好ましい。放射線硬化装置、条件などについては「UV・EB硬化技術」(1982年、(株)総合技術センター発行)や「低エネルギー電子線照射の応用技術」(2000年、(株)シーエムシー発行)などに記載されている公知のものを用いることができる。
(磁性層)
次に磁性層について詳述する。
本発明の磁気記録媒体の製造方法おいて、磁性層は、強磁性粉末を結合剤中に分散した層であり、磁気記録及びその再生に寄与する層である。
〔強磁性粉末〕
本発明に使用される強磁性粉末は、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末でSBET比表面積が、好ましくは40〜80m2/g、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは、好ましくは12〜25nm、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は、好ましくは0.05〜0.25μmであり、より好ましくは0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。
強磁性粉末としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、強磁性粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比、Y/Feが0.5原子%〜20原子%であることが好ましく、さらに好ましくは5原子%〜10原子%である。上記範囲であると、強磁性粉末の高σS化でき、また、鉄の含有量が適度であるため、磁気特性が良好であり、電磁変換特性に優れる。さらに、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものなどであってもよい。
本発明の磁気記録媒体において、コバルト、イットリウムを導入した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましく、その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第この製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させてもよく、このような塩を適宣選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合し、コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
本発明において、強磁性粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン、ガドリニウム等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用してもよい。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状及び板状のものなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
本発明において、磁性層に使用する強磁性粉末としては六方晶フェライト粉末も使用できる。
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Zrなどの原子を含んでもかまわない。例えば、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn,Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加したものを好ましく使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
粒子サイズは六角板径で好ましくは10nm〜200nm、より好ましくは20nm〜100nmである。また、磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下が好ましい。上記範囲であると、熱揺らぎが生じにくく安定な磁化が得られ、また、ノイズを低く抑えることができる。
板状比(板径/板厚)は1〜15が好ましく、より好ましくは2〜7である。板状比が上記範囲であると、十分な配向性が得られ、また、粒子間のスタッキングが少なくノイズを低く抑えることができる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積(SBET)は10m2/g〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符号する。
結晶子サイズは、好ましくは50Å〜450Å(5nm〜45nm)、より好ましくは100Å〜350Å(10nm〜35nm)である。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
磁性体で測定される抗磁力Hcは500 Oe〜5,000 Oe(39.8kA/m〜398kA/m)程度まで作成できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。抗磁力Hcは、800 Oe〜4,000 Oe(63.7kA/m〜318.4kA/m)であることが好ましく、より好ましくは1,500 Oe〜3,500 Oe(119.4kA/m〜278.6kA/m)である。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラーを越える場合は、2,000 Oe以上にすることが好ましい。Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
飽和磁化σsは40emu/g〜80emu/g(40A・m2/kg〜80A・m2/kg)である。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマー(結合剤)に合った物質で処理することも行われている。表面処理剤は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して好ましくは0.1%〜10%である。
磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜10程度が好ましく選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマー(結合剤)により最適値があるが、好ましくは0.01%〜2.0%である。
六方晶フェライトの製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1,100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
また、本発明に使用することができる強磁性粉末としては、窒化鉄粒子も使用することができる。
本発明に用いることができる窒化鉄粒子は、Fe及びNを少なくとも構成元素とした球状又は回転楕円状の窒化鉄系磁性体であることが好ましい。ここで、「球状」とは粒子径の最大長/最小長の比が1以上2未満である粒子を意味し、「回転楕円体」とは粒子径の最大長/最小長の比が2以上4未満である粒子を意味する。
球状又は楕円状磁性体としては、Fe162を主相とする窒化鉄系の強磁性粉末が好ましい。Fe、N原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。Feに対するNの含有量は1.0原子%〜20.0原子%が好ましい。
窒化鉄粒子は球状又は楕円状が好ましく、長軸径/短軸径の軸比は1〜2が好ましい。BET比表面積(SBET)が30m2/g〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは50m2/g〜70m2/gである。結晶子サイズは12nm〜25nmであることが好ましく、より好ましくは13nm〜22nmである。
飽和磁化σsは50A・m2/kg(50emu/g)〜200A・m2/kg(200emu/g)が好ましい。さらに好ましくは70A・m2/kg(70emu/g)〜150A・m2/kg(150emu/g)である。
〔結合剤(バインダー)〕
本発明において、磁性層に用いることができる結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が好ましくは−100℃〜150℃、数平均分子量が好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000、重合度が好ましくは50〜1,000である。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。
これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を非磁性層(下層)、又は、磁性層(上層)に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独又は組み合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、及び、ニトロセルロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、又はこれらにポリイソシアネートを組み合せたものが挙げられる。
前記結合剤の具体的な例としては、ユニオンカーバイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、日本ゼオン社製MR110、MR100、400X110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製UバイロンR8200、UR8300、RV530、RV280、大日精化社製ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化成社製MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310、F210などが挙げられる。
磁性層に用いることができる結合剤としては、上記の中でも、塩化ビニル系バインダー、又は、ポリウレタン系バインダーが好ましく、特に好ましくは極性基を含有し骨格に芳香環を3.5mmol/g〜7mmol/g含むポリウレタンである。
前記ポリウレタン系バインダーとしては、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリカーボネートウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、アクリル系ポリウレタン等を好適に用いることができる。前記のポリウレタン系バインダーは上記潤滑剤との親和性が高く表面潤滑剤量を最適な範囲に制御することができるため好ましい。
結合剤が有していてもよい極性基は、スルホン酸塩、スルファミン酸塩、スルホベタイン、リン酸塩、ホスホン酸塩などが好ましい。極性基の量は1×10-5eq/g〜2×10-4eq/gが好ましい。
磁性層のバインダー量は、硬化剤を含めて強磁性粉末100重量部に対し10重量部〜25重量部であることが好ましい。
<研磨剤>
本発明の磁気記録媒体における磁性層は、研磨剤を含有することが好ましい。
研磨剤としては無機質非磁性粉末が使用できる。無機質非磁性粉末としては、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質化合物から選択することができる。無機質化合物としては例えば、α化率90%〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどを単独又は組み合わせて使用することができる。特に好ましいのは、α−アルミナ、べんがら、酸化クロムである。
研磨剤を1種のみ使用する場合、本発明で使用する研磨剤の平均粒径は、0.05μm〜0.4μmのものが好ましく、0.1μm〜0.3μmのものがより好ましい。また、平均粒径より0.1μm以上大きい粒径の粒子が1%以上40%以下存在していることが好ましく、5%以上30%以下であることがより好ましく、10%以上20%以下であることが最も好ましい。この研磨剤単体での粒子サイズは、実際の磁性層表面に存在している研磨剤粒子の粒子サイズに影響は与えるが等しくはない。磁性層表面に存在する研磨剤粒子の粒子サイズは研磨剤の分散条件等よっても変化するし、塗布乾燥工程でも磁性層表面に出やすい粒子と出にくい粒子がある。
平均粒径の異なる2種以上の研磨剤を組み合わせて使用することもできる。この場合は使用する2種以上の研磨剤の実際の使用比率に応じた加重平均値において、平均粒径と平均粒径より0.1μm以上大きい粒径の粒子が上記の範囲になるようにすることができる。
また、2種の研磨剤それぞれの分散条件を変えて、粒子サイズを制御することもできる。例えば研磨剤Aをあらかじめ結合剤と溶剤とともに分散しておき、これと、粉体のままの研磨剤Bを、別途結合剤と溶剤とともに混練処理した強磁性金属粉末の混練処理液に添加して、分散処理を行えば、研磨剤Aと研磨剤Bで分散処理条件を違えることができる。すなわち、Bに比べてAは強く分散される。研磨剤粉末のタップ密度は、好ましくは0.05g/ml〜2g/ml、より好ましくは0.2g/ml〜1.5g/mlである。
研磨剤粉末の含水率は、好ましくは0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜3重量%である。研磨剤の比表面積は、好ましくは1m2/g〜100m2/g、より好ましくは5m2/g〜50m2/gである。DBPを用いた吸油量は、好ましくは5ml/100g〜100ml/100g、より好ましくは10ml/100g〜80ml/100gである。比重は、好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでもよい。これらの研磨剤の表面は、当該研磨剤の主成分とは異なる化合物で、その少なくとも一部が被覆されていてもよい。この例として、Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOを挙げることができる。特にAl23、SiO2、TiO2、ZrO2を用いると分散性が良好になる。これらは組み合せて使用してもよいし、単独で用いてもよい。
磁性層に用いることができる研磨剤の粉末の具体例としては、昭和電工(株)製のナノタイト;住友化学工業(株)製のHit100、Hit82、Hit80、Hit70、Hit60A、Hit55、AKP20、AKP30、AKP50、ZA−G1;レイノルズ製のERC−DBM、HP−DBM、HPF−DBM、HPFX−DBM、HPS−DBM、HPSX−DBM;不二見研摩材工業(株)製のWA8000、WA10000;上村工業(株)製のUB20、UB40B、メカノックスU4;昭和軽金属(株)製のUA2055、UA5155、UA5305;日本化学工業(株)製のG−5、クロメックスM、クロメックスS1、クロメックスU2、クロメックスU1、クロメックスX10、クロメックスKX10;日本電工(株)製のND803、ND802、ND801;東ソー(株)製のF−1、F−2、UF−500;戸田工業(株)製のDPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BXTF−100、TF−120、TF−140、DPN−550BX、TF−180;昭和鉱業(株)製のA−3、B−3;セントラル硝子(株)製のベータSiC、UF;イビデン(株)製のベータランダムスタンダード、ベータランダムウルトラファイン;テイカ(株)製のJR401、MT500B;石原産業(株)製のTY−50、TTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、E270、E271;チタン工業(株)製のSTT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C;テイカ(株)製のMT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD;堺化学工業(株)製のFINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M;北開化学製のHZn、HZr3M、同和鉱業(株)製のDEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル(株)製のAS2BM、TiO2P25;宇部興産(株)製の100A、500A;チタン工業(株)製のY−LOP、及び、これらを焼成したものが挙げられる。
<添加剤>
本発明において、磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラック、潤滑剤などを挙げることができる。
これらの添加剤としては、非磁性層で使用したものと同様な添加剤を使用することができる。
本発明の磁気記録媒体における磁性層で用いられるこれらの分散剤、界面活性剤は磁性層及び上記の非磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、本発明の磁気記録媒体における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。磁性層で好適に使用できるカーボンブラックは、非磁性層において好適に使用できるカーボンブラックと同様である。
カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。放射線硬化層のカーボンブラックは所望する効果によって、特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
これらのカーボンブラックは単独又は組合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の重量に対して0.1重量%〜30重量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って、本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
<磁性塗布液の調製工程>
上記の各成分を通常磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗布液とすることができ、特に限定されない。
<磁性層の形成方法>
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、硬化した非磁性層上に磁性層を形成する工程を含む。磁性層を形成する工程は特に限定されず、公知の方法から適宜選択することができる。
磁性層の形成は、磁性塗布液を塗布、乾燥する工程、カレンダ処理等の表面平滑化工程及び放射線を照射する工程を含むことが好ましく、それぞれの工程は、上記非磁性支持体と同様の方法を使用することができる。
(層構成)
本発明において、磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体が1〜100μm、好ましくは4〜80μmであることが適当である。
磁性層の厚みは、0.01〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.2μmであり、さらに好ましくは0.05〜0.10μmである。上層が薄すぎると均一な記録層が形成されず、厚すぎると表面が粗くなり電磁変換特性が低下する。なお、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、特に0.10μm以下の磁性層を有する磁気記録媒体の製造に好適である。本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、優れた非磁性層を提供することができ、その結果、0.10μm以下の磁性層を形成した場合であっても、優れた塗膜強度及び電磁変換特性を有し、走行耐久性に優れた磁気記録媒体を製造することができる。
非磁性層の厚みは、0.5〜3μmが好ましく、さらに好ましくは0.8〜2μmである。薄すぎると耐久性が低下し、厚すぎると表面が粗くなり電磁変換特性が低下する。上層と下層を合わせた厚みは、非磁性支持体の厚みの1/100〜2倍の範囲であることが適当である。
また、非磁性支持体と非磁性層との間に密着性向上のための下塗り層を設けてもかまわない。本下塗り層厚みは0.01〜2μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。
また、本発明で用いる非磁性支持体の非磁性塗布液が塗布されていない面にバックコート層が設けられていてもよい。通常バックコート層は、非磁性支持体の非磁性塗布液が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられた層である。なお、非磁性支持体の非磁性塗料及びバックコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられていてもよい。非磁性支持体の非磁性層側と反対側にバックコート層を設ける場合、バックコート層の厚みは0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1.0μmであることが適当である。これらの下塗層、バックコート層は公知のものが使用できる。
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は9.8〜49MPa(100〜500kg/cm2)の範囲であり、好ましくは19.6〜44.1MPa(200〜450kg/cm2)の範囲であり、特に好ましくは29.4〜39.2MPa(300〜400kg/cm2)の範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。なお、上述のように、放射線照射は非磁性層及び磁性層を塗布、乾燥、カレンダー処理した後に行うことが好ましい。このようにして硬化処理された積層体を次に所望の形状に裁断を行う。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、以下に記載の「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
<実施例1>
〔磁性塗布液の調製〕
強磁性合金粉末 100部
(組成:Fe/Co/Al/Y=57/30/7/6,表面処理剤:Al23,Y23,Hc:190kA/m、結晶子サイズ:13.7nm、長軸径:0.11μm、針状比:8、BET比表面積:47m2/g、σS:153Am2/kg)
ポリウレタン樹脂 12部
(UR8200:東洋紡績製、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂)
塩化ビニル系樹脂 6部
(MR110:日本ゼオン製、スルホン酸基含有塩化ビニル系樹脂)
リン酸モノビフェニル 3部
磁性体100部を窒素ガスで置換したオープンニーダーで10分間粉砕し、次いでポリウレタン樹脂及び塩化ビニル系樹脂、リン酸モノビフェニルを加え、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次いで
研磨剤(Al23、粒子サイズ0.3μm) 2部
カーボンブラック(粒子サイズ40μm) 2部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。
これに、
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
を加え、固形分濃度が16%になるようにメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1の重量比率で溶剤を添加した。
3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製、コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層用(上層用)磁性塗布液を調製した。
〔非磁性塗布液の調製〕
α−Fe23 85部
(平均粒径0.07μm、表面処理Al23、SiO2、pH6.5〜8.0)
カーボンブラック 15部
(DBP吸油量:120ml/100g、pH:8、BET比表面積:250m2/g、揮発分:1.5%)
をオープンニーダーで10分間粉砕し、
表1に示した樹脂A 15部
SO3Na含有ポリウレタン溶液 5部(固形分)
表1に示した化合物B 12部
シクロヘキサノン 40部
で60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性用(下層用)非磁性塗布液を調製した。
接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ10μmのアラミド支持体の表面に塗布した。次いで乾燥膜厚みが1μmになるように非磁性塗布液を塗布した。
その後加速電圧175KV、ビーム電流10mAで吸収線量が10Mradになるように電子線を照射しして硬化させ、非磁性層を形成した。
形成された非磁性層上に磁性塗布液をリバースロールを用いて乾燥膜厚で0.1μmになるように塗布した。磁性塗料が未乾燥の状態で0.5T(5,000ガウス)のCo磁石と0.4T(4,000ガウス)のソレノイド磁石で磁場配向を行い、塗布したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組合せによるカレンダー処理を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃)で行った。さらに70℃で24時間加熱硬化処理を行い6.35mm幅に裁断し磁気テープを作製した。その後3.8mm幅にスリットした。
<実施例2〜4>
樹脂(A)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして非磁性塗布液を調製し、磁気記録媒体を製造した。
<実施例5>
〔非磁性塗布液の調製〕
α−Fe23 85部
(平均粒径0.07μm、表面処理Al23、SiO2、pH6.5〜8.0)
カーボンブラック 15部
(DBP吸油量:120ml/100g、pH:8、BET比表面積:250m2/g、揮発分:1.5%)
をオープンニーダーで10分間粉砕し、
表1に示した樹脂(A) 15部
SO3Na含有ポリウレタン溶液 5部(固形分)
シクロヘキサノン 40部
で60分間混練し、次いで、
表1に示した化合物(B) 12部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性塗布液を調製した。
上記の非磁性塗布液を使用した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
参考例1
〔非磁性塗布液の調製〕
α−Fe23 85部
(平均粒径0.07μm、表面処理Al23、SiO2、pH6.5〜8.0)
カーボンブラック 15部
(DBP吸油量:120ml/100g、pH:8、BET比表面積:250m2/g、揮発分:1.5%)
をオープンニーダーで10分間粉砕し、
表1に示した樹脂(A) 15部
SO3Na含有ポリウレタン溶液 5部(固形分)
シクロヘキサノン 40部
で60分間混練し、次いで、
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
表1に示した化合物(B) 12部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性塗布液を調製した。
上記の非磁性塗布液を使用した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
<実施例7〜15>
化合物(B)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
<比較例1>
実施例1において、非磁性塗布液の樹脂(A)、SO3Na含有ポリウレタン溶液、化合物(B)の代わりに、塩化ビニル系共重合体(東洋紡績(株)製、TBO246(電子線硬化性塩化ビニル系樹脂)、平均重合度 310、エポキシ含有量 3重量%、S含有量 0.6重量%、アクリル含有量 6個/1分子、Tg 60℃)15部、及び、ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製、TBO242(電子線硬化性ポリウレタン樹脂)、リン化合物−ヒドロキシ含有ポリエステルポリウレタン、Mn(GPC) 26,000、アクリル含有量 6個/1分子、Tg −20℃)15部を使用した以外は実施例1と同様にして非磁性塗布液を調製し、これを用いて磁気記録媒体を製造した。
<比較例2>
実施例1において、化合物(B)を使用しない以外は同様にして非磁性塗布液を調製し、磁気記録媒体を作製した。
<比較例3>
実施例1において調製した磁性塗布液及び非磁性塗布液を使用して、以下のようにして磁気記録媒体を製造した。
接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ10μmのアラミド支持体の表面に塗布した。次いで乾燥膜厚みが1μmになるように非磁性塗料を塗布し、さらにその直後に磁性塗布液をリバースロールを用いて乾燥膜厚で0.1μmになるように同時重層塗布した。磁性塗料が未乾燥の状態で0.5T(5,000ガウス)のCo磁石と0.4T(4,000ガウス)のソレノイド磁石で磁場配向を行い、塗布したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組合せによるカレンダー処理を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃)行った。さらに得られたテープの磁性層面に加速電圧175kV、ビーム電流10mAで吸収線量が10Mradになるように電子線を照射した。その後3.8mm幅にスリットした。
<比較例4>
実施例5において調製した磁性塗布液及び非磁性塗布液を使用した以外は比較例3と同様にして磁気記録媒体を製造した。
(測定方法)
(1)塗膜平滑性
Digital Instrument社製NanoscopeIIを用い、トンネル電流10nA、バイアス電流400mVで30μm×30μmの範囲を走査して10nm以上の突起数を求めた。比較例1を100としたときの相対値で示した。
(2)電磁変換特性
出力、出力低下:得られたテープを23℃、50%RHにおいて周波数4.7MHzの信号を記録し、これを再生した。
比較例1の再生出力を0dBとしたときの相対値で示した。
(3)塗膜の耐久性
50℃20%RH環境下で磁性層面をアルティックポールに接触させて荷重40g(T1)をかけ、8mm/secの速度で繰り返し1,000パスまで行い磁性層表面を微分干渉光学顕微鏡で観察し、以下のランクで評価した。
優秀:すり傷が全くみられない。
良好:わずかにすり傷が見られる。
不良:すり傷が見られ磁性層が削れている。
Figure 0005080312
表1において使用した樹脂(A)及び化合物(B)は、以下の通りである。
樹脂A−1:OH含有塩ビ系共重合体(分子量25,000、OH含有量3×10-4eq/g、SO3K 1×10-4eq/g含有)
樹脂A−2:OH含有ポリウレタン樹脂(分子量35,000、OH含有量3×10-4eq/g、SO3Na 1×10-4eq/g含有)
樹脂A−3:アミノ基含有塩ビ系共重合体(分子量25,000、アミノ基含有量3×10-4eq/g、SO3Na 1×10-4eq/g含有)
樹脂A−4:放射線硬化型塩ビ系共重合体(分子量25,000、アクリロイル基含有量3×10-4eq/g、SO3K 1×10-4含有)
化合物B−1:イソシアネ−トエチルメタクリレ−ト
化合物B−2:イソシアネ−トエチルアクリレ−ト
化合物B−3:2−メタクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート
化合物B−4:3−メタクリロイルオキシプロポキシエチルイソシアネート
化合物B−5:1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート
化合物B−6:1,3−ジアクリロイルオキシ−2−アクリロイルオキシメチル−2−プロピルイソシアネート
化合物B−7:メタクリロイルイソシアネート
化合物B−8:イソシアネート基を3,5−ジメチルピラゾールでブロックしたモノマーである昭和電工製カレンズMOI−BP
化合物B−9:メチルエチルケトンオキシムでブロックしたモノマーである昭和電工製カレンズMOI−BM
化合物B−10:昭和電工製カレンズMOI−BPのエチレンオキサイド付加物(n=1)
化合物B−1〜B−10を以下に示す。
Figure 0005080312

Claims (3)

  1. 非磁性支持体上に非磁性塗布液を塗布して非磁性層を形成する工程、
    前記非磁性層に放射線を照射して硬化する工程、及び、
    前記硬化した非磁性層上に磁性層を形成する工程をこの順で含み、
    前記非磁性塗布液が、水酸基及び/又はアミノ基を有する樹脂と、イソシアナト基及び/又は下記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物と、非磁性粉末とを混練かつ分散する工程、又は、非磁性粉末に水酸基及び/又はアミノ基を有する樹脂を添加して混練した後、イソシアナト基及び/又は下記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物を添加して分散する工程により調製されたものであることを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
    Figure 0005080312
    (上記式(1)中、X1は下記式(2)又は式(3)であり、*は結合位置を表す。)
    Figure 0005080312
  2. 前記放射線硬化性官能基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である、請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記イソシアナト基及び/又は前記式(1)で表される置換基、並びに、放射線硬化性官能基を有する化合物が下記式(4)で表される、請求項1又は2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
    1−X1' −R2 (4)
    (上記式(4)中、R1は、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、X1' は、単結合、炭素数1〜18のアルキレン基、又は、下記式(5)もしくは式(6)で表される置換基を表し、R2はイソシアナト基又は前記式(1)で表される置換基を表す。)
    Figure 0005080312
    (上記式(5)及び式(6)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R5及びR6はそれぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、水素原子又はメチル基を表し、Y2は、単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、n1は1〜20の整数である。なお、**は、R1との結合位置、***はR2との結合位置を表す。)
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