JP2004039051A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Masatoshi Takahashi
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Abstract

【課題】高密度の磁気記録媒体であって、非磁性支持体表面の影響を受け難く、かつ記録再生装置内での貼付き等による走行異常、粉塵の吸着によるドロップアウトを有効に低減できる、MRヘッドを用いる磁気記録再生システムに有利な磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】非磁性支持体の少なくとも一方の面に平滑化層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層をこの順に有し、または前記平滑化層と非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有する、MRヘッドによる磁気記録信号再生用磁気記録媒体であって、前記平滑化層が平均粒径0.01〜0.3μmの球状導電性粉末または/および短軸径0.01〜0.3μmの針状導電性粉末を含む。
【選択図】         なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布型の磁気記録媒体に関し、特に磁気記録された信号をMRヘッド(磁気抵抗ヘッド)を用いて再生したときに、低エラーレートを実現できる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録の分野では、従来のアナログ記録から記録の劣化の少ないデジタル記録の実用化が進展している。デジタル記録に使用される記録再生装置および磁気記録媒体は、高画質・高音質であることが要求されるとともに、小型化・省スペース化のニーズも高まっている。しかし、一般にデジタル記録ではアナログ記録よりも多くの信号記録が必要とされる。このため、デジタル記録に使用される磁気記録媒体には、より一層の高密度記録が要求される。
【0003】
上記高密度記録を達成するためには、記録信号の短波長化や記録軌跡の狭トラック化が不可欠である。したがって、これまでに強磁性粉体の微粒子化、高充填化のための技術や磁気記録媒体表面の平滑化のための技術に加えて、体積密度を向上させる磁気記録媒体の薄層化のための技術も開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記磁気記録媒体の薄層化のための技術として、これまでに非磁性支持体を薄くする方法、または非磁性層を薄くする方法が知られていた。しかしながら、非磁性支持体を薄くする方法では、所定の厚さ以下になると非磁性支持体の耐久性が低下してしまうという問題があった。一方、非磁性層を薄くする方法では、磁性層が非磁性支持体の表面の影響を受けやすくなってしまうため、出力の低下、エラーレートの上昇、ドロップアウトの増加等の問題があった。
特にMRヘッドを用いた磁気記録再生システムでは、媒体ノイズがシステムのS/Nを支配するため、システムのS/Nを向上させるためには媒体ノイズの低ノイズ化を図ることが重要であった。
【0005】
上記の磁気記録媒体の薄層化における問題を解決するには、非磁性支持体の耐久性を確保した状態で、非磁性支持体表面の影響を抑える必要があった。そのような観点から、これまでに非磁性支持体に含まれるフィラーを変更する方法や非磁性支持体の表面を平滑化する方法が採られていた。しかしながら、いずれも方法も非磁性支持体の特性を大きく変化させてしまうため有効な方法とはいえなかった。
【0006】
また、これまでに非磁性支持体と磁性層または非磁性支持体と非磁性層の間に下塗層を設けた磁気記録媒体も開発されている(特公昭57−42890号公報、特公昭60−38767号公報等)。これらの磁気記録媒体では非磁性支持体の特性を変化させずに磁気記録媒体の薄層化を図ることは可能である。しかしながら、これらの下塗層ではポリエステル系樹脂が使用されるため、ポリエステル系樹脂のオリゴマーが下塗層表面に経時的に析出され、磁性層に悪影響を及ぼして記録再生時のエラーの原因となる等の問題が指摘されていた。
【0007】
一方、非磁性支持体の表面状態の影響が抑えられて磁性層の表面が平滑化されると、磁性層と記録再生装置内の機構部品との接触面積が増加するため、磁性層表面の帯電量が増加し、その結果、貼付き等の走行異常、塵埃の吸着等が発生してしまうという問題があった。この問題を解決するために、これまで磁性層に導電性カーボンブラックや微粒子を混入させた磁気記録媒体も開発されている(特開昭61−73236号公報、特公平5−22968号公報等)。しかし、磁性層に含まれるカーボンブラックの含有量が増加すると、磁性体の充填度が低下し、磁気特性が低下してしまう等の欠点があった。また、微粒子を磁性層に含有させた磁気記録媒体をMRヘッドを用いる磁気記録再生システムで再生した場合、充分な低ノイズ化を図ることはできなかった。
したがって、予ねてから非磁性支持体のフィラーの変更等を行わなくても、非磁性支持体表面の影響を受けず、かつ記録再生装置内での貼付き等による走行異常、塵埃の吸着等による磁気記録時におけるドロップアウトの増加を有効に防止できる磁気記録媒体の開発が要望されていた。特にMRヘッドを用いた磁気記録再生システムでは、磁気記録媒体の平滑性化と帯電量の低下が不可欠であり、上記の要望は顕著であった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高密度の磁気記録媒体であって、非磁性支持体表面の影響を抑え、かつ記録再生装置内での貼付き等による走行異常、粉塵の吸着によるドロップアウトを低減したエラーレートの低い、磁気記録された信号をMRヘッドを用いて再生させるための磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、磁気記録媒体の薄層化により発生するドロップアウトの主な原因が非磁性支持体の表面上に散在する非常に小さい突起(いわゆるフィッシュアイ)であると考えた。すなわち、本発明者らは、前記フィッシュアイがアンチブロッキングフィラーとなって磁性層表面を持ち上げて突起を形成し、この磁性層上の突起がドロップアウトの主原因であると考えた。
【0010】
本発明者らは、上記想定に基づき、非磁性支持体の表面に存在するフィッシュアイの影響を受けずにドロップアウトをなくし、安定したエラーレートが得られる手段について鋭意検討した。さらに本発明者らは、非磁性支持体表面の平滑化に伴う帯電の問題を解決する手段についても鋭意検討した。その結果、本発明者らは、MRヘッドを用いて磁気記録された信号を再生した場合に、たとえ非磁性支持体上にフィッシュアイが存在していてもドロップアウトを有効に低減でき、かつ磁気記録媒体の帯電を少なくして安定したエラーレートを実現できる手段を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の目的は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に平滑化層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層をこの順に有し、または前記平滑化層と非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有する、前記磁性層に磁気記録された信号をMRヘッドで再生するために用いられる磁気記録媒体であって、前記平滑化層が平均粒径0.01〜0.3μmの球状導電性粉末または/および短軸径0.01〜0.3μmの針状導電性粉末を含むことを特徴とする磁気記録媒体により達成される。
【0012】
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層の間に、あるいは非磁性支持体と非磁性層の間に平滑化層を設けることにより、これまで制御が困難であると言われていたH1フィッシュアイ(高さ約0.273μmの突起)が非磁性支持体上に存在していても磁性層表面上の突起を最小限に抑えることができる。また、本発明の磁気記録媒体は、さらに平滑化層に所定の粒径を有する導電性粉末を含むため、磁性層が帯電し難く、記録再生装置内での貼付き等や塵埃の吸着を防止できる。その結果、本発明の磁気記録媒体は、MRヘッドを用いた記録再生システムでエラーレートの低減を図れる。
【0013】
本発明の磁気記録媒体の好ましい態様は、次のとおりである。(1)前記平滑化層の厚さが0.3〜3.0μmであり、かつ前記平滑化層の表面に存在する突起の最大高さが100nm以下である前記磁気記録媒体。
(2)前記平滑化層が放射線硬化型化合物を含有し、かつ前記放射線硬化型化合物が放射線照射されている前記磁気記録媒体。
(3)前記非磁性支持体の表面がコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理および電子線照射のいずれかで昜接着処理される前記磁気記録媒体。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の磁気記録媒体についてさらに詳細に説明する。
【0015】
[平滑化層]
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に平滑化層を有する。本発明における平滑化層には、導電性粉末のほか、例えば、結合剤、放射線硬化型化合物およびその両者が含まれる。
【0016】
<導電性粉末>
本発明における平滑化層で用いられる導電性粉末としては、導電性の金属、金属化合物、カーボンブラック等が挙げられる。具体的には、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル等の金属粉末;チタン酸カリウム、酸化錫、アンチモン含有酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、錫含有酸化インジウム、TiB、ZrB、TiC、TiN等の金属化合物;ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが単独あるいは2種類以上を組み合せたものが挙げられる。中でも酸化錫系導電性化合物、導電性酸化亜鉛、カーボンブラックが好ましい。さらに本発明では、導電性に乏しい粉末の表面に金属化合物等の導電性化合物をコーティングしたものを用いることもできる。
【0017】
導電性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれであってもよい。また導電性粉末の粒子サイズは、球状導電性粉末では平均粒径で0.01〜0.3μm、針状導電性粉末では平均短軸径で0.01〜0.3μmの範囲であることが好ましく、0.01〜0.2μmの範囲であることがさらに好ましい。0.01μm以上であれば分散も良好であり、また0.3μm以下であれば平滑化層の表面粗さも良好である。
本発明の磁気記録媒体には、球状導電性粉末だけが含まれる態様、針状導電性粉末だけが含まれる態様のほか、さらに球状と針状の両方の導電性粉末が含まれる態様も含まれる。
【0018】
本発明における平滑化層で用いる導電性金属化合物、および表面に導電性金属化合物をコーティングした導電性粉末の具体的な例としては、例えば、石原産業製導電性酸化チタン ET300W,同500W,600W,700W、針状導電性酸化チタンFT1000,同2000,同3000、導電性酸化錫 SN100P、針状導電性酸化錫FSシリーズ、チタン工業製KV−400,ECTT−1、三菱金属製導電性粉末 T−1,W−1,W−10、チタンブラック20M、大塚化学製導電性チタン酸カリウム デントール、堺化学工業製導電性超微粒子酸化亜鉛ECZシリーズ、ハクスイテック製導電性酸化亜鉛23−K、メルク社製ミナテックCMなどが挙げられる。
【0019】
また、導電性カーボンブラックの具体的な例としては、例えば、キャボット社製ACKPEARLS2000,1300,1000,900,800,880,700,VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950B,#650B,#970B,#850B,MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC,RAVEN8800,8000,7000,5750,5250,3500,100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ分散剤、結合剤で分散してもかまわない。
本発明の磁気記録媒体の平滑化層で用いるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編」を参考にすることができる。
【0020】
本発明における平滑化層に添加される導電性粉末の添加量は、結合剤100質量部に対して0.01〜100質量部であり、0.1〜80質量部であることが好ましく、0.2〜50質量部であることがさらに好ましい。平滑化層に添加される導電性粉末が0.01〜100質量部の範囲であれば、導電性微粒子の効果が得られ、かつ平滑化層表面が粗面化せずにドロップアウトを低減でき、もって低エラーレートを得ることができる。
【0021】
<結合剤>
本発明における平滑化層で用いられる結合剤としては、従来公知の有機溶剤可溶性の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が挙げられる。具体的には、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられる。また、平滑化層形成後に非磁性層および/または磁性層を塗布する際には非磁性層および磁性層に含まれる溶剤により平滑層が膨潤し、あるいは溶解して表面性が低下することがあり、そのような場合には非磁性層および磁性層に含まれる溶剤には溶解せず、他の有機溶剤に溶解するものが好ましい。
【0022】
結合剤のガラス転移温度については、0〜120℃であることが好ましく、10〜80℃であることがより好ましい。0℃以上であれば端面でのブロッキングを生じることもなく、また、120℃以下であれば平滑化層内の内部応力を緩和することができ、かつ密着力にも優れている。また、結合剤の分子量については、質量平均分子量1,000〜100,000の範囲内にあるものを用いることができるが、特に5,000〜50,000の範囲のものが好ましい。1,000以上であれば、端面でのブロッキング等を生じることもなく、また質量平均分子量が100,000以下であれば、有機溶剤への溶解性も良好であり、平滑化層の塗布することも充分可能である。
【0023】
<放射線硬化型化合物>
本発明における平滑化層に含まれる「放射線硬化型化合物」とは、紫外線または電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。放射線硬化型化合物は、外部からエネルギー(紫外線または放射線)を与えない限り反応が進行しない。このため、放射線硬化型化合物を含む塗布液は、紫外線または放射線を照射しない限り粘度が安定しており、高い塗膜平滑性を得ることができる。また、紫外線または放射線による高いエネルギーにより瞬時に反応が進むため、放射線硬化型化合物を含む塗布液では高い塗膜強度を得ることができる。
なお、本発明で用いられる放射線には、電子線、X線、α線、β線、γ線などの各種の放射線が含まれる。
【0024】
本発明で使用される放射線硬化型化合物の分子量は、200〜2,000の範囲であることが好ましい。分子量が上記範囲であると、塗液が流動しやすく平滑な塗膜を実現することができる。
放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等を挙げることができる。なお、ここでいう「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの総称である。
【0025】
2官能の放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物に(メタ)アクリル酸、を付加させたものや、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を有するものが挙げられる。
【0026】
3官能の放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変成トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変成トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変成ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】
4官能以上の放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変成ヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
【0028】
上記の放射線硬化型化合物の中でも、具体例として好ましいものは、分子量200〜2,000の2官能の(メタ)アクリレート化合物であり、さらに好ましいものは、ジメチロールトリシクロデカン、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF等の脂環族化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物に(メタ)アクリル酸を付加させたものである。
本発明の磁気記録媒体の平滑化層で用いられる放射線硬化型化合物は、上記の結合剤と併用してもよい。
【0029】
上記放射線硬化型化合物を重合させるために紫外線を用いる場合、重合開始剤を併用することが好ましい。重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤および光アミン発生剤等を用いることができる。
【0030】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ミヒラーケトン類、アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α, α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン、トリス(トリハロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;アシルホスフィンオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物などが挙げられる。
【0031】
また光ラジカル重合開始剤の具体的な例としては、例えば、IRGACURE−184、同261、同369、同500、同651、同907(チバ−ガイギー社製)、Darocur−1173、同1116、同2959、同1664、同4043(メルクジャパン社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA(日本化薬(株)製)、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD製)、TRIGONALP1(AKZOCo.LTD製)、SANDORAY1000(SANDOZ Co.LTD製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、QUANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP Co.LTD製)等の市販品を挙げることができる。
【0032】
光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、メタロセン化合物類、ジアリールヨードニウム塩類、ニトロベンジルスルホナート類、α−スルホニロキシケトン類、ジフェニルジスルホン類、イミジルスルホナート類が挙げられる。
光カチオン重合開始剤の具体的な例としては、アデカウルトラセットPP−33、OPTMER SP−150、同170(旭電化工業(株)製)(ジアゾニウム塩)、OPTOMER SP−150、170(旭電化工業(株)製)(スルホニウム塩)、IRGACURE261(チバ−ガイギー(株)製)(メタロセン化合物)等の市販品を挙げることができる。
【0033】
光アミン発生剤としては、例えば、ニトロベンジカーバミメート類、イミノスルホナート類が挙げられる。これらの光重合開始剤は、露光条件(たとえば酸素雰囲気下であるか、無酸素雰囲気下であるか)等によって適宜選択され用いられる。またこれらの光重合開始剤は、2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0034】
上記放射線硬化型化合物を重合させるために電子線を用いる場合、電子線の加速器としてはバンデグラーフ型のススキャニング方式、ダブルスキャニング方式、またはカーテンビーム方式を採用できるが、好ましくは比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、加速電圧が10〜1,000kV、好ましくは50〜300kVである。加速電圧が10kV以上であれば、エネルギーの透過量としては充分である。また加速電圧が1,000kV以下であれば、重合に使われるエネルギー効率が低下することもない。吸収線量は0.5〜20Mrad、好ましくは1〜10Mradである。吸収線量が0.5Mrad以上であれば、硬化反応により充分な強度が得られ、また20Mrad以下であれば、硬化に使用されるエネルギー効率が低下することがなく、さらに被照射体が発熱することもないため、非磁性支持体の変形を防止できる。
【0035】
一方、上記放射線硬化型化合物を重合させるために紫外線を用いる場合、その量は10〜100mJ/cmが好ましい。10mJ/cm以上であれば、硬化反応により充分な強度が得られ、100mJ/cm以下であれば硬化に使用されるエネルギー効率の低下、被照射体の発熱を防ぐことができるため、非磁性支持体が変形することはない。紫外線(UV)および電子線(EB)照射装置、照射条件などについては、「UV・EB硬化技術」((株)総合技術センター発行)や「低エネルギー電子線照射の応用技術」(2000(株)シーエムシー発行)などに記載されている公知のものを用いることができる。
【0036】
本発明の平滑化層で用いられる結合剤および放射線硬化型化合物は、単独または両者を組み合せて使用することができる。結合剤および放射線硬化型化合物の添加量は、導電性粉末の添加量に応じて適宜決定される。結合剤と放射線硬化型化合物を混合して使用する場合、例えば、結合剤100質量部に対して放射線硬化型化合物105〜2,000質量部、好ましくは110〜1,000質量部、さらに好ましくは120〜800質量部の範囲で添加する平滑化層に添加する。結合剤に対する放射線硬化型化合物の混合量が上記範囲内であれば、平滑化に有利なレベリング性が確保できると共に、架橋による硬化収縮が抑えられるため好ましい。
【0037】
本発明の平滑化層に含まれる導電性粉末、結合剤、放射線硬化型化合物および光重合開始剤からなる組成物は、それらを溶解できる溶媒で塗布液とされるが、その溶媒は従来公知の有機溶剤を使用でき、特に限定されるものではない。本発明の平滑化層の乾燥は、自然乾燥および加熱乾燥のいずれであってもよい。また、平滑化層が放射線硬化型化合物を含む場合、非磁性支持体上に上記の塗布液を塗布して乾燥した後に上記の放射線を塗布層に照射する。
【0038】
本発明の平滑化層は、その表面上に散在する突起の最大高さは100nm以下であることが好ましく、20〜80nmであることがさらに好ましい。平滑化層に存在する突起の高さが100nm以下であれば、磁性層の表面におけるエラーの原因となり、ドロップアウトの増加を抑えることができる。すなわち、本発明では、平滑化層を塗布することにより非磁性支持体表面に存在する突起の突起の平滑化層表面への影響を制御でき、ひいては平滑化層の上層の磁性層表面への影響を抑えてドロップアウトを低減することができる。
上記平滑化層の表面の最大突起高さを100nm以下とするための方法としては、例えば、平滑化層に粒子径100nm以下のフィラーを分散し、非磁性支持体表面の突起を遮断する方法のほか、新たに最大高さ100nm以下の突起を形成する方法が挙げられる。
【0039】
次に、本発明の磁気記録媒体の磁性層、非磁性層、非磁性支持体、バックコート層、下塗層、層構成、製造方法、物理的特性について述べる。
【0040】
[磁性層]
<強磁性粉末>
本発明における磁性層に含まれる強磁性粉末は、強磁性金属粉末および強磁性六方晶フェライト粉末のいずれも用いることができる。
(強磁性金属粉末) 本発明における磁性層に用いられる強磁性金属粉末は、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末であることが好ましい。この強磁性金属粉末は、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。前記α−Fe以外にAl、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの群から選ばれる少なくとも1つを含むものが好ましく、特に、Co、Al、Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
【0041】
これらの強磁性粉末には、後述する分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものであってもよい。強磁性粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性粉末の含水率は最適化するのが好ましい。結晶子サイズは、8〜20nm、好ましくは10〜18nmであり、特に好ましくは12〜16nmである。結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製RINT2000)を使用し線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値を用いる。強磁性金属粉末の長軸長は、10〜100nmであり、好ましくは30〜90nmであり、特に好ましくは40〜80nmである。長軸長は、透過型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から強磁性粉末の短軸長と長軸長とを直接読みとる方法と画像解析装置カールツァイス社製IBASSIで透過型電子顕微鏡写真トレースして読みとる方法を併用して求められる。
【0042】
本発明における磁性層に使用される強磁性粉末のBET法による比表面積(SBET)は30m/g以上50m/g未満が好ましく、38〜48m/gであることが好ましい。これにより、良好な表面性と低いノイズの両立が可能となる。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲はpH4〜12であるが、好ましくはpH7〜10の範囲である。強磁性粉末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり、表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。
【0043】
上記強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。また、本発明における磁性層で用いられる強磁性金属粉末は、空孔が少ない方が好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。また形状については、先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば、針状、粒状、米粒状、あるいは板状いずれであっても構わないが、特に針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。針状強磁性金属粉末の場合、針状比は4〜12であることが好ましく、さらには5〜12であることが好ましい。
【0044】
強磁性金属粉末の抗磁力Hcは、159〜239kA/m(2000〜3000 Oe)であることが好ましく、167〜231kA/m(2100〜2900 Oe)であることがさらに好ましい、飽和磁束密度は150〜300T・m(1500〜3000 G)であることが好ましく、160〜290T・m(1600〜2900 G)であることがさらに好ましい。飽和磁化σsは140〜170A・m/kg(emu/g)であることが好ましく、145〜160A・m/kg(emu/g)であることがさらに好ましい。
【0045】
磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散α−Feを使用する、粒子間の焼結を防止する等の方法がある。
【0046】
強磁性金属粉末は、公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。焼結防止処理を行った含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeまたはFe−Co粒子などを得る方法、複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理する。含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素含有ガスと不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表面に酸化皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好ましい。
【0047】
(強磁性六方晶フェライト粉末)
本発明の磁性層に含まれる強磁性六方晶フェライト強磁性粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
【0048】
強磁性六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径は、5〜40nmの範囲であり、20〜35nmであることが好ましく、20〜30nmであることがさらに好ましい。トラック密度を上げるため、磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)で再生する場合には低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下であることが好ましい。また、平均板径が5nm以下であれば、熱揺らぎの影響を受けずに安定した磁化が望める。
強磁性六方晶フェライト強磁性粉末の板状比(板径/板厚)は、1〜15であることが好ましく、1〜7であることがさらに好ましい。板状比が小さいと磁性層中の充填性は高くなり好ましいが、小さすぎると十分な配向性が得られないため、1以上であることが好ましい。また板状比が15以下であれば、粒子間のスタッキングによりノイズを抑えることができる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10〜200m/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符合する。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
【0049】
強磁性六方晶フェライト粒子の抗磁力(Hc)は、39.8〜398kA/m(500〜5000 Oe)程度まで作成できる。抗磁力(Hc)は、高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。本発明では抗磁力(Hc)は、159.2〜238.8kA/m(2000〜3000 Oe)程度であるが、好ましくは175.1kA/m(2200 Oe)〜222.9kA/m(2800 Oe)である。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラーを越える場合は、159.2kA/m(2000 Oe)以上にすることが好ましい。抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化(σs)は、40〜80A・m/kg(40〜80emu/g)である。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量を選択する等の公知の方法を用いることができる。また本発明における磁性層ではW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
【0050】
強磁性六方晶フェライト粉末を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の化合物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して0.1〜10%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
【0051】
強磁性六方晶フェライト粉末の製法としては、▲1▼酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、▲2▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、▲3▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等を挙げられるが、本発明の強磁性六方晶フェライト粉末の製法は特に限定されず、いずれの製法を用いてもよい。強磁性六方晶フェライト強磁性粉末は、必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的にない方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
【0052】
<結合剤>
本発明の磁性層で用いられる結合剤としては、従来公知のポリウレタン樹脂および塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体または共重合体等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を挙げることができる。
【0053】
中でもポリウレタン樹脂が好ましく、更には水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物等の環状構造およびアルキレンオキサイド鎖を有する分子量500〜5,000のポリオールと鎖延長剤として環状構造を有する分子量200〜500のポリオールと有機ジイソシアネートを反応させ、かつ親水性極性基を有するポリウレタン樹脂もしくはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸と2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなるポリエステルポリオールと鎖延長剤として、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖をもつ脂肪族ジオールと有機ジイソシアネート化合物を反応させかつ親水性極性基を有するポリウレタン樹脂もしくはダイマージオール等の環状構造および長鎖アルキル鎖を有するポリオール化合物と有機ジイソシアネートを反応させかつ親水性極性基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。
【0054】
本発明で使用される極性基含有ポリウレタン系樹脂の平均分子量は、5,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜50,000であることがさらに好ましい。平均分子量が5,000以上であれば、得られる磁性塗膜が脆くなるなど物理的強度が低下するという欠点もなく、磁気記録媒体の耐久性を維持できる。また平均分子量が100,000以下であれば、溶剤への溶解性と分散性を維持できる。また、平均分子量が上記範囲内であれば、適度の塗料粘度が得られ、作業性がよく、取扱いも容易である。
【0055】
上記ポリウレタン系樹脂に含まれる極性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)(以上につき、Mは水素原子またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR、−N(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CNなどが挙げられ、これらの極性基の少なくとも1つ以上を共重合または付加反応で導入したものを用いることができる。また、この極性基含有ポリウレタン系樹脂がOH基を有する場合、分岐OH基を有することが硬化性、耐久性の面から好ましく、1分子当たり2〜40個の分岐OH基を有することが好ましく、1分子当たり3〜20個有することがさらに好ましい。また、このような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
【0056】
結合剤の具体例としては、例えば、ユニオンカーバイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バ−ノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280、大日精化社製ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化成社製MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310、F210などを挙げることができる。
【0057】
本発明の磁性層に用いられる結合剤の添加量は、六方晶フェライト強磁性粉末の質量に対して5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲である。また、強磁性金属粉末の質量に対しては5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%の範囲である。また、ポリウレタン樹脂合を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合せて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合には、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。その他の樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いる場合には5〜30質量%の範囲であることが好ましい。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm)、降伏点は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm)が好ましい。
【0058】
本発明の磁性層で用いられる結合剤は、添加量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは含有する樹脂の物理特性などを必要に応じて、磁性層と後述する非磁性層の間で変更することはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層で結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層の結合剤量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層の結合剤量を多くして柔軟性を持たせることができる。
【0059】
本発明で使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を挙げることができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMRミリオネートMTL、武田薬品社製タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製デスモジュールL,デスモジュールIL、デスモジュールNデスモジュールHL等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して2つ若しくはそれ以上の組み合せで各層とも用いることができる。
【0060】
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。
これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸およびこれらの金属塩、またはステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF、CCl、CBr等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
【0061】
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
【0062】
上記分散剤、潤滑剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0063】
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
【0064】
本発明の磁性層で用いられる有機溶剤は、公知のものが使用できる。有機溶剤は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
【0065】
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
【0066】
本発明の磁性層で用いられるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は磁性層および後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性粉末の表面に、また後述する非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した有機リン化合物は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。したがって、本発明の強磁性粉末表面あるいは後述する非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
【0067】
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。本発明の磁気記録媒体においてカーボンブラックを添加する場合、磁性層にπ電子共役系の導電性高分子を含むため、従来の磁気記録媒体における添加量よりも少量で済ませることができる。本発明の磁性層に使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300mμ、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
【0068】
本発明の磁性層で用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化成工業社製#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN150、50、40、15、RAVEN−MT−P、日本EC社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用したりしてもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独または組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層および非磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、PHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にすることができる。
【0069】
[非磁性層]
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に結合剤および非磁性粉末を含む非磁性層を有する。非磁性層に使用できる非磁性粉体は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
【0070】
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO、SiO、Cr、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO、CaCO、BaCO、SrCO、BaSO、炭化珪素、炭化チタンなどが単独または2種類以上を組み合せて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
【0071】
非磁性粉体の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜1μmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
【0072】
非磁性粉末の比表面積は、1〜100m/gであり、好ましくは5〜70m/gであり、さらに好ましくは10〜65m/gである。比表面積が1〜100m/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下または脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはない。非磁性粉末の含水率は、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
【0073】
また、非磁性粉体が無機粉体である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉体のステアリン酸吸着量は、1〜20μmol/mであり、さらに好ましくは2〜15μmol/mである。非磁性粉体の25℃での水への湿潤熱は、200〜600erg/cmの範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面にはAl、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl、SiO、TiO、ZrOであるが、さらに好ましいのはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合せて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0074】
本発明の非磁性層で用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX 石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOPおよびそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉体は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
【0075】
非磁性層には非磁性粉体と共に、必要に応じてカーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。本発明の磁気記録媒体では非磁性層にπ電子共役系の導電性高分子を含ませることができるため、従来の磁気記録媒体における添加量よりも少量にすることができる。非磁性層のマイクロビッカース硬度は、通常25〜60kg/mm、好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50kg/mmであり、薄膜硬度計(日本電気製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
【0076】
本発明の非磁性層に使用可能なカーボンブラックの比表面積は100〜500m/g、好ましくは150〜400m/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は5〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
【0077】
本発明の非磁性層に使用可能なカーボンブラックの具体的な例としては、例えば、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げることができる。
【0078】
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用したり、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
【0079】
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
【0080】
非磁性層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0081】
[バックコート層、下塗層]
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層および磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
【0082】
本発明の磁気記録媒体は、さらに磁性層とバックコート層との間に接着剤層を設けてもよい。また、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上にさらに下塗層を設けてもよい。下塗層を設けることによって非磁性支持体と磁性層または非磁性層との接着力を向上させることができる。下塗層では、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂および電子線、紫外線等の電離放射線硬化型の各種の樹脂等を用いることができる。下塗層は厚さとして1μm以下のものが用いられる。
【0083】
[非磁性支持体]
本発明に用いられる非磁性支持体としては、例えば、二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等を挙げることができる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドなどが挙げられる。これらの非磁性支持体は、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また本発明に用いることのできる非磁性支持体は、中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1μ以上の粗大突起がないことが好ましい。
【0084】
得られた非磁性支持体の算術平均粗さは、(Ra)の値[JIS B0660−1998、ISO 4287−1997]で0.1μm以下であることが、得られた磁気記録媒体のノイズが小さくなるので好ましい。
【0085】
本発明における非磁性支持体は、表面を処理していないものを用いることができる。好ましくは、その表面がコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理および電子線照射のいずれかで昜接着処理されているものである。
上記処理方法のうち、例えばコロナ処理の場合、例えば、気体中で10〜40kV程度の高電圧で発生するコロナ放電による表面処理であることができる。金属ロール等の導電性ロール(アース側)に沿って支持体に連続的に走行させ、ロールと平行に対設された一本のコロナ電極とロールとの間にコロナ放電を生じさせてもよく、また2本の平行な電極をロールと平行に対設し、両電極間に高電圧を印加し、電極−ロールー電極間に生ずる放電を利用してもよい。いずれの場合もロールに支持されない側、すなわち電極に面している側の支持体の表面が処理される。また、
プラズマ処理の場合、例えばDCプラズマ、RFプラズマ、ACプラズマ等のいずれも使用でき、またそれぞれマグネトロン方式であってもよい。
また、電子線照射の場合には、スキャニング方式、ダブルスキャニング方式またはカーテンビーム方式等の加速器を用いて、加速電圧10〜300kV、吸収線量として10〜100kGy程度で電子線を非磁性支持体表面全体に照射する。
【0086】
[層構成]
本発明で用いられる磁気記録媒体の構成において、平滑化層の厚さは、0.3〜3.0μmの範囲であれば特に制限はないが、好ましくは0.35〜2.0μmであり、さらに好ましくは0.4〜1.5μmである。平滑化層の厚さは、平滑塗布層の構成成分等によるが、平滑塗布層の表面性、物理強度が確保されるのであれば、高容量化には薄い程好ましい。
非磁性支持体の好ましい厚みは、3〜80μmである。また、非磁性支持体と非磁性層または磁性層の間に下塗層を設けた場合、下塗層の厚みは、0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。また、非磁性支持体の非磁性層および磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚みは、0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
【0087】
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には0.01〜0.10μm以下であり、好ましくは0.02μm以上0.08μm以下であり、更に好ましくは0.03〜0.08μmである。また、磁性層の厚み変動率は±50%以内が好ましく、さらに好ましくは±40%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
【0088】
本発明の非磁性層の厚みは、0.02〜0.3μmであり、0.03〜0.25μmであることが好ましく、0.04〜0.2μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10T・m(100G)以下または抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
【0089】
[製造方法]
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる六方晶フェライト強磁性粉体または強磁性金属粉末、非磁性粉体、ベンゼンスルホン酸誘導体、π電子共役系の導電性高分子、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末または非磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)および磁性体100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液および非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
【0090】
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層用塗布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層用塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、下層の磁性層用塗布液と上層の磁性層用塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性層用塗布液もしくは下層の磁性層用塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0091】
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属微粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。六方晶フェライトの場合は一般的に面内および垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向としてもよい。
【0092】
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
【0093】
乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。本発明の磁気記録媒体は、表面の中心面平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4.0nm、好ましくは0.5〜3.0nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダ処理を施すことにより行われる。カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cmの範囲、好ましくは200〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。
【0094】
熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウエッブ状で熱処理する方法と、バルクまたはカセットに組み込んだ状態などテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)があり、両者が利用できる。前者は、バックコート層表面の突起写りの影響が少ないが、熱収縮率を大きく下げることができない。一方、後者のサーモ処理は、熱収縮率を大幅に改善できるが、バックコート層表面の突起写りの影響を強く受けるため、磁性層が面荒れし、出力低下およびノイズ増加を引き起こす。特に、サーモ処理を伴う磁気記録媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給することができる。得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
【0095】
[物理特性]
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は、100〜300T・m(1000〜3000G)である。また磁性層の抗磁力(Hr)は、143.3〜318.4kA/m(1800〜4000Oe)であるが、好ましくは159.2〜278.6kA/m(2000〜3500 Oe)である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFDおよびSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
【0096】
本発明で用いられる磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.5以下であり、好ましくは0.3以下である。また、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1500kg/mm)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
【0097】
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×10〜8×10Pa(1×10〜8×10dyne/cm)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
【0098】
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m以下、さらに好ましくは10mg/m以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
【0099】
磁性層のTOPO−3Dのmirau法で測定した中心面表面粗さRaは、4.0nm以下であり、好ましくは3.0nm以下であり、さらに好ましくは2.0nm以下である。磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20〜80%、平均波長Sλaは5〜300μmが好ましい。磁性層の表面突起は0.01〜1μmの大きさのものを0〜2000個の範囲で任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉体の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
【0100】
本発明の磁気記録媒体における非磁性層と磁性層と間では、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし保存安定性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
【0101】
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号をMRヘッドにより再生する。本発明の磁気記録媒体の再生に用いられるMRヘッドは特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量が1.0T以上であり、1.5T以上であることが好ましい。
【0102】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」特に示さない限り質量部を示す。
【0103】
(実施例1)
1.平滑化層形成用塗料の調製
下記の組成物をサンドミルで3時間分散して平滑化層形成用塗液を調製した。
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート                    15部
白色導電性酸化チタンET−300W                              1部
メチルエチルケトン                                          100部
【0104】
2.磁性層(上層)塗料液の調製
強磁性針状金属粉末                                          100部
組成:Fe/Co/Al/Y=67/20/8/5
表面処理剤:Al,Y
抗磁力(Hc):175kA/m(2200 Oe)
結晶子サイズ:13nm
長軸径:50nm
針状比:6
BET比表面積(SBET):46m/g
飽和磁化(σs):150A・m/kg(150emu/g)
ポリウレタン樹脂                                              12部
分岐側鎖含有ホ゜リエステルホ゜リオール/シ゛フェニルメタンシ゛イソシアネート系、
親水性極性基:−SONa=70eq/ton含有
フェニルホスホン酸                                              3部
α−Al(粒子サイズ0.15μm)                         2部
カーボンブラック(粒子サイズ 20nm)                        2部
シクロヘキサノン                                            110部
メチルエチルケトン                                          100部
トルエン                                                    100部
ブチルステアレート                                              2部
ステアリン酸                                                    1部
【0105】
2.非磁性層(下層)用塗料液の調製
非磁性無機質粉末                                              85部
α−酸化鉄
表面処理剤:Al,SiO
長軸径:0.15μm
タップ密度:0.8g/ml
針状比:7
BET比表面積(SBET):52m/g
pH8
DBP吸油量:33g/100g
カーボンブラック                                              20部
DBP吸油量:120ml/100g
pH:8
BET比表面積(SBET):250m/g
揮発分:1.5%
ポリウレタン樹脂                                              12部
分岐側鎖含有ホ゜リエステルホ゜リオール/シ゛フェニルメタンシ゛イソシアネート系、
親水性極性基:−SONa=70eq/ton含有
アクリル樹脂                                                    6部
ベンジルメタクリレート/ダイアセトンアクリルアミド系、
親水性極性基:−SONa=60eq/ton含有
フェニルホスホン酸                                              3部
α−Al(平均粒径0.2μm)                             1部
シクロヘキサノン                                            140部
メチルエチルケトン                                          170部
ブチルステアレート                                              2部
ステアリン酸                                                    1部
【0106】
上記磁性層(上層)用塗料組成物および非磁性層(下層)用塗料組成物のそれぞれについて、各成分をオープンニーダで60分間混練した後、サンドミルで120分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層用塗料および非磁性層用塗料を調製した。
【0107】
予めコロナ処理を行った厚さ6μmのポリエチレンナフタレート支持体上に上記平滑化層形成用塗液を乾燥後の厚みが0.4μmになるように塗布、乾燥した後、加速電圧160kVで吸収線量が5Mradとなるように電子線照射を行い、次いで上記非磁性塗料を乾燥後の厚さが2μmになるように塗布し、さらにその直後に磁性層用塗料を乾燥後の厚さが0.08μmになるように同時重層塗布した。磁性層および非磁性層が未乾燥の状態で300T・m(3000ガウス)の磁石で磁場配向を行い、さらに乾燥後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダで速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃で表面平滑化処理を行った後、70℃で48時間加熱処理を行い、1/2インチ幅にスリットし磁気テープを作成した。
【0108】
(実施例2〜6)
平滑化層に使用する導電性粉末、結合剤、厚みを表1に示したように変更し、実施例1と同様の方法で実施例2〜6を作成した。但し、実施例4では平滑化層への電子線照射を行わずに平滑化層上に非磁性層および磁性層を形成した。
【0109】
(比較例1,2)
平滑化層における導電性粉末および結合剤を表1に示されるように変更し、実施例1と同様の方法で比較例1および2を作成した。
【0110】
(実施例7)
磁性層(上層)用塗料液の調製
強磁性板状六方晶フェライト粉末                              100部
組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9.1/0.2/0.8,
抗磁力(Hc):195kA/m(2450 Oe)
平均板径:30nm
板状比:3
BET比表面積(SBET):60m/g
飽和磁化(σs):50A・m/kg(50emu/g)
ポリウレタン樹脂                                              12部
分岐側鎖含有ホ゜リエステルホ゜リオール/シ゛フェニルメタンシ゛イソシアネート系、
親水性極性基:−SONa=70eq/ton含有
フェニルホスホン酸                                              3部
α−Al(粒子サイズ0.15μm)                         2部
カーボンブラック(粒子サイズ20nm)                          2部
シクロヘキサノン                                            110部
メチルエチルケトン                                          100部
トルエン                                                    100部
ブチルステアレート                                              2部
ステアリン酸                                                    1部
【0111】
上記各組成物を実施例1と同様の方法で調製し、磁性層用塗料を得た。
易接着層を有する厚さ62μmのポリエチレンナフタレート支持体上に上記平滑化層形成用塗液を乾燥後の厚みが0.8μmになるように塗布し、乾燥した後、加速電圧160kVで吸収線量が5Mradとなるように電子線照射を行った。さらに実施例1と同様、非磁性層用塗料を乾燥後の厚さが2μmになるように塗布し、その直後に上記磁性層用塗料を乾燥後の厚さが0.08μmになるように同時重層塗布を行い、磁性層と非磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに周波数50Hz、磁場強度25T・m(250ガウス)および周波数50Hz、12T・m(120ガウス)の2つの磁場強度交流磁場発生装置の中を通過させランダム配向処理を行い乾燥後、7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cmで処理を行い、70℃で48時間加熱処理を行い、3.7インチに打ち抜き表面研磨処理施した後、ライナーが内側に設置済のZip−diskカートリッジに入れ、所定の機構部品を付加し、3.7インチフレキシブルディスクを得た。
【0112】
(実施例8〜10)
平滑化層に使用する導電性粉末、結合剤を表2に示したように変更して、実施例7と同様の方法で実施例8〜10を作成した。但し、実施例10は、平滑化層への電子線照射は行わないで、平滑化層上に非磁性層および磁性層を形成した。
【0113】
(比較例3,4)
平滑化層における導電性粉末および結合剤を表2に示されるように変更し、実施例7と同様の方法で比較例3および4を作成した。
【0114】
<測定方法>
1.エラーレート(初期、保存後)
信号を5℃、10%RHおよび25℃,50%RHにおいて、テープ状記録媒体では1トラック(幅27μm)を90m長のテープで記録再生を行い、出力落ち35%以上かつ4bit以上の長さの信号欠落をエラーとしてその発生回数を測定して評価した。また、ディスク状記録媒体では信号を(2,7)RLL変調方式をディスクに記録し測定した。さらにエラーレート測定後のサンプルを60℃、90%RHにコントロールした環境下に1週間放置した後に再生を行い、正常に再生可能であったものを「○」として保存後の走行性を評価した。その結果を表1および2に示す。
2.磁性層の突起高さおよび個数測定方法
触針式粗さ計(小坂研究所製SE3500)によりカットオフ値0.25mmで測定した粗さの中心面からの突起の高さを求めた。その結果を表1および2に示す。
【0115】
【表1】
Figure 2004039051
【0116】
【表2】
Figure 2004039051
【0117】
表1および2に示されるように、強磁性金属粉末および強磁性六方晶フェライト粉末のいずれの場合も、平滑化層で使用される導電性粉末の粒径/短軸径の大きさが本発明の範囲内(0.01〜0.3μm)であるときは、エラー回数およびエラーレートが25℃,50%RHと5℃,10%RHの間で大差はなく、かつ比較的小さかった。また、60℃,90%RHで1週間後に測定した結果も正常に再生できた。
一方、比較例1、3のように平滑化層を有しない場合には、エラー回数およびエラーレートのいずれも実施例よりも大きかった。さらに比較例2、4のように平滑化層に導電性粉末を含まない場合には、5℃,10%RHでのエラーレートがかなり増加した。
表1および2の結果より、本発明の磁気記録媒体のように平滑化層を設け、かつ平滑化層に含まれる導電性粉末の粒径/短軸径が0.01〜0.3μmの範囲にある場合には、ドロップアウトを抑制して低いエラーレートが得られることが分かる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に0.01〜0.3μmの導電性粉末を含む平滑化層を設けたことにより、非磁性支持体表面上の突起に起因したドロップアウト、および記録再生装置内での走行異常や塵埃の吸着によるドロップアウトのいずれも低減できる。その結果、本発明の磁気記録媒体であれば、MRヘッドを用いた場合にノイズが低下し、S/Nが優れ、ひいては低いエラーレートの磁気記録媒体を提供することができる。

Claims (1)

  1. 非磁性支持体の少なくとも一方の面に平滑化層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、または前記平滑化層と非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有する、磁気抵抗ヘッドによる磁気記録信号再生用磁気記録媒体であって、前記平滑化層が平均粒径0.01〜0.3μmの球状導電性粉末または/および短軸径0.01〜0.3μmの針状導電性粉末を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009048684A (ja) * 2007-08-16 2009-03-05 Fujifilm Corp 磁気記録媒体

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