JP5080198B2 - グレートーンマスク - Google Patents

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Description

本発明は、グレートーンマスクに関するものである。
薄膜トランジスタ液晶表示装置(TFT-LCD:Thin Film Transistor-Liquid Crystal Display )の製造工程においては、コストダウンを図るために、グレートーンマスクが用いられる。グレートーンマスクは、1枚のマスクを用いても多階調の露光量を表現できる。そのため、グレートーンマスクを用いる製造工程は、中間階調を表現できないフォトマスクを用いる場合に比べて、マスクの数量、すなわちフォトリソ工程の工程数を少なくできる。グレートーンマスクは、上記TFT-LCD の他に、フラットパネルディスプレイの製造工程においても多用されている。
グレートーンマスクは、光を遮光する遮光部と、光を透過する開口部と、光を半透過する半透光部とを有する。グレートーンマスクから得られる露光量が二種類である場合、開口部は、100%の露光量を与えることにより露光部分を形成し、遮光部は、0%の露光量を与えることにより未露光部分を形成する。そして、半透光部は、0%と100%との間の中間の露光量を与えることにより中間露光部分を形成する。半透光部の露光量は、半透光膜の透過率により決定されるものであり、TFT基板製造工程に求められる条件に応じて5〜70%の範囲で選択される。なお、本発明における透過率とは、光の透過率である。
グレートーンマスクは、半透光部の構造に応じて,スリットマスクとハーフトーンマスクに分類される。図10(a)、(b)は、それぞれスリットマスクを示す平面図及び断面図である。
図10において、スリットマスク40の半透光部41は、基板Sの上に解像限界のピッチからなるスリットパターン42を有し、このスリットパターン42により中間の露光量を得る。しかし、スリットパターン42は、フォトマスクのサイズが1m×1m以上へ大型化するに従って描画データを大幅に増大させるため、スリットマスク40を用いる製造工程において、描画時間の長期化と生産コストの増大を招いてしまう。この結果、グレートーンマスクを用いる製造工程においては、その描画データを少なくする技術が望まれている。
ハーフトーンマスクは、半透光部の構造に応じて二種類に分類される。図11(a)、(b)及び図12(a)、(b)は、それぞれ異なるタイプのハーフトーンマスクを示す平面図及び断面図である。
図11において、ハーフトーンマスク50は、基板Sの上に半透光膜50Tを有し、半透光膜50Tの上に遮光膜50Uを有する。ハーフトーンマスク50の遮光部51は、これら半透光膜50Tと遮光膜50Uとからなる二層構造で構成され、半透光部52は、半透光膜50Tの単層構造により構成される。ハーフトーンマスク50の製造工程では、半透光膜50Tと遮光膜50Uとの間のエッチング性の差を利用するハーフエッチングにより、中間の膜厚からなる半透光部52を得る(例えば、非特許文献1)。
非特許文献1は、上記構成の半透光膜50TとしてNi系膜を用い、この半透光膜50Tのエッチング技術としてITO(Indium Tin Oxide )エッチング液(HCl+FeC
系、又はHNO+FeCl系)、FeCl溶液、又は希塩酸溶液を用いるウェットエッチングを提案する。また、非特許文献1は、遮光膜50UとしてCr膜を用い、この遮光膜50Uのエッチング技術としてCrエッチング液(硝酸第二セリウムアンモニウムを含む溶液)を用いるウェットエッチングを提案する。非特許文献1は、これら遮光膜(Cr膜)と半透光膜(Ni系膜)とからなる二層膜に対して、上記エッチング液を用いた選択エッチングを施すことにより中間の膜厚を得る。また、この他に、半透光膜と遮光膜との間に組成の異なるエッチストッパ層を設け、半透光膜のエッチングをエッチストッパ層でストップさせてストッパー層を除去することにより半透光部を得る構造も提案されている。
一方、図12において、ハーフトーンマスク60は、基板Sの上に遮光膜60Uを有し、遮光膜60Uの上に半透光膜60Tを有する。ハーフトーンマスク60の遮光部61は、これら半透光膜60Tと遮光膜60Uとからなる二層構造で構成されて、半透光部62は、半透光膜60Tの単層構造により構成される(例えば、特許文献1)。
特許文献1は、上記構成の遮光膜60UとしてCr膜を用い、半透光膜60Tとして酸化Cr膜(CrOx膜)を提案する。特許文献1は、Cr膜フォトマスクパターンをフォトリソ工程で形成した後、マスク開口部の一部に酸化Cr膜(CrOx膜)等の半透光膜60Tを成膜することにより半透光部62を得る。これによって、特許文献1は、大型Crフォトマスクの製造工程や製造設備を利用することができる。半透光膜の材質としては、CrOx膜の他に、MoSi膜(モリブデンシリサイド膜)、金属Ta膜、金属Al膜、金属Si膜、SiOx(酸化ケイ素膜)、SiOxNy(酸化窒化珪素膜)を用いることができる。
WO2007/0180866 特開2006−18001号公報
しかしながら、特許文献1において遮光膜と半透光膜とをCr系材料で構成する場合、半透光膜のエッチング工程において、遮光膜と半透光膜との間のエッチングの選択性が得難くなるため、グレートーンマスクの加工上の制約が多くなる。また、透過率の特性不良や修復不能な欠陥がある場合、グレートーンマスクの製造工程においては、以降の工程を進め難くなり、最終的には製造工程を再び最初の工程から進めなければならなくなる。この結果、遮光膜と半透光膜とをCr系材料で構成する技術は、製造コストの大幅な増大を招いてしまう。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、加工性の向上と製造コストの低下とを可能にしたグレートーンマスクを提供することである。
大型Crフォトマスクの製造工程では、マスクの洗浄処理液として、一般的に、50〜120℃の熱濃硫酸処理と、無機アルカリ処理(例えば、5%水酸化カリウム水溶液:40℃)のいずれか一方が用いられる。そのため、大型Crフォトマスクの製造工程では、膜材料に耐熱濃硫酸性と耐アルカリ性の少なくともいずれか一方の耐性が求められる。また、レジストプロセスにおける熱処理やグレートーンマスクの使用時における露光処理においては、プロセス耐性の指標として耐熱性が求められる。
Cr膜ブランクスを用いるグレートーンマスクにおいて、上記大型Crフォトマスクの製造工程を利用するためには、半透光膜に対して、これら耐熱濃硫酸性と耐アルカリ性の
少なくともいずれか一方の耐性と耐熱性とが求められる。純Ni金属膜は、耐熱性(耐酸化性)、耐アルカリ性、及びCr膜ブランクスとの間のエッチングの選択性に優れている一方、透明基板との間の密着性が乏しいため、上記半透光膜の構成材料として用いると、フォトマスクのパターンを透明基板から剥離し易くしてしまう。
本発明者らは、Niへの添加元素として種々の添加元素を検討した結果、添加元素としてAlとCrのいずれか一方を用いることにより、半透光膜と透明基板との間の密着性を向上でき、かつ、添加元素によるNiの耐熱性(耐酸化性)、耐アルカリ性、エッチングの選択性が損なわれないことを見出した。しかも、本発明者らは、半透光膜をNi−Al、Ni−Crの窒化物で構成することにより、半透光膜とCr膜ブランクスとの間のエッチングの選択性、すなわち各種エッチング液に対するエッチング速度の差を、さらに向上できることを見出した。
請求項1に記載の発明は、透明基板上に遮光部と透光部と半透光部とを有するグレートーンマスクであって、前記遮光部は、透明基板上に形成されるCr膜を有し、前記半透光部は、前記Cr膜にCrエッチング液を用いるエッチングを施すことにより前記透明基板上に形成される開口と、前記開口に形成される半透光膜とを有し、前記半透光膜は、5〜15原子%のAlを含み、残部がNiからなる膜であって、10〜40容量%の窒素ガスを含み、残部がアルゴンガスからなる混合ガスを用いた反応性スパッタリング法を利用して形成されて、波長365nm〜436nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が1.0%以下、又は、波長300nm〜500nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が4.0%以下になる窒化物であることを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、半透光膜は、波長365nm〜436nmの範囲にける透過率の最大値と最小値の差が1.0%以下、又は波長300nm〜500nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が4.0%以下になる。したがって、分光透過率曲線が平滑であって、i線(波長365nm)、h線(波長405nm)、g線(波長436nm)のそれぞれで透過率の値が略同じ、すなわち透過率に関して波長依存性を有しなしない半透光膜を形成することができる。この結果、請求項1に記載の発明は、上記各域の露光プロセスにそれぞれ適用することができる。しかも、半透光膜がNi−Al、Ni−Crの窒化物により構成されるため、請求項1に記載の発明は、半透光膜とCr膜ブランクスとの間のエッチングの選択性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のグレートーンマスクであって、前記透光部は、複数の前記開口の中から選択される前記開口であって、前記選択される開口の前記半透光膜を、ITOエッチング液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される液を用いてエッチングすることにより形成され、前記半透光部は、前記選択される開口の前記半透光膜がエッチングされるときに、ネガレジストからなるレジストパターンより覆われて、前記レジストパターンを除去することにより形成される前記半透光膜を有することを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、半透光部の領域が小さい場合、レジストパターンの領域が小さくなるため、ネガレジストを用いるフォトリソ工程の工程時間が短くなる。したがって、請求項2に記載の発明は、グレートーンマスクの生産性を向上させることができる。また、請求項2に記載の発明は、ネガレジストのパターン領域を最小にすることができる、すなわち半透光膜の領域を最小にすることができる。そのため、グレートーンマスクに対して、Crフォトマスクが本来有している低反射特性(Crフォトマスクの低反射
特性と同じ反射率、例えば波長436nmの光の反射率5.0〜15.0%、波長600nmの光の反射率15.0〜25.0%)を十分に与えることができる。
上記したように、本発明によれば、加工性の向上と低コストを可能にしたグレートーンマスクを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
(第一の製造方法)
図1(a)〜(i)は、それぞれグレートーンマスクの製造工程を示す工程図である。図1(a)は、大型フォトマスク用のCr膜ブランクス10を示す。Cr膜ブランクス10は、基板Sと遮光膜11とを有する。基板Sとしては、例えばガラス基板を用いることができ、遮光膜11としては、基板Sの表面上に直接的もしくは間接的に形成されるCr膜を用いることができる。なお、本発明における遮光膜11は、反射防止膜を含む構成であっても良い。図1(a)において、遮光膜11は、その表面に塗布されたポジレジストからなるレジスト膜12を有する。
図1(b)は、レジスト膜12のフォトリソ工程を示す工程図である。Cr膜ブランクス10は、レジスト膜12に応じた露光光による露光、現像、及びプリベークを経ることにより、遮光膜11の上にレジストパターン12Pを形成する。
図1(c)は、遮光膜11のエッチング工程を示す工程図である。レジストパターン12Pを有するCr膜ブランクス10は、レジストパターン12PをマスクとしてCrエッチング液を用いるウェットエッチングを経ることにより、レジストパターン12Pから露出する遮光膜11を除去する。これにより、Cr膜ブランクス10は、遮光膜11によって囲まれる第一開口11a及び第二開口11bを形成する。なお、本発明におけるCrエッチング液とは、硝酸第二セリウムアンモニウムを含む溶液であって、調整された市販のものを用いることができる。
図1(d)は、レジストパターン12Pの除去工程を示す工程図である。第一開口11a及び第二開口11bを有するCr膜ブランクス10は、レジスト膜12に応じた洗浄液(アルカリ液)を用いる洗浄処理を経ることにより、遮光膜11上にあるレジストパターン12Pを除去する。これにより、Cr膜ブランクス10は、第一開口11a及び第二開口11bを有するCrフォトマスク13を形成する。
図1(e)は、半透光膜14の成膜工程を示す工程図である。Crフォトマスク13は、スパッタリング法あるいは反応性スパッタリング法を用いた成膜処理を経ることにより、基板Sの全体にわたり半透光膜14を積層する。これにより、Crフォトマスク13は、半透光膜14からなる半透光部15を第一開口11aに形成する。半透光膜14は、半透光部15において中間の露光量を得るためのものであり、半透光膜14から得られる露光量は、半透光膜14の透過率により決定される。半透光膜14の透過率は、自身の膜厚により調整され、TFT−LCD製造工程に求められる条件に応じて5〜70%の範囲で選択される。
半透光膜14としては、Alを添加元素とするNi合金(以下単に、Ni−Alという。)、Crを添加元素とするNi合金(以下単に、Ni−Crという。)、及びこれらの酸化物、酸窒化物、窒化物からなる群から選択される少なくともいずれか一種を用いる。すなわち、半透光膜14としては、Niを主成分とする材料であって、かつ、添加物とし
てAl又はCrを含む材料、もしくはこれらの酸化物、酸窒化物、窒化物を用いる。なお、Niを主成分とする材料とは、添加物としてのAlもしくはCrを除く残部が、実質的にNi、もしくはNiの酸化物、酸窒化物、窒化物であって、不純物としては、成膜に起因する元素(例えば、スパッタガスやターゲット中の不純物等)を含んでも良い。
半透光膜14の成膜方法としては、スパッタリング法や反応性スパッタリング法を用いることができる。反応性スパッタリング法においては、例えば10〜40容量%の窒素ガスを含み、残部がアルゴンガスからなる混合ガスを用いて、波長365nm〜436nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が1.0%以下、又は、波長300nm〜500nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が4.0%以下になる窒化物を成膜することができる。これによれば、i線(波長365nm)、h線(波長405nm)、g線(波長436nm)のそれぞれで透過率の値が略同じ、すなわち透過率に関して波長依存性を有しない半透光膜14を形成することができる。
半透光膜14の成膜工程では、半透光部15の透過率に関する検査が実行される。この際、半透光部15に特性不良が認められる場合、あるいは半透光部15にピンホールやパーティクル等の修正不能な欠陥が認められる場合、半透光膜14は、ITOエッチング液、FeCl溶液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される少なくとも1つの液を用いて除去される。半透光膜14は、これらのエッチング液の下において遮光膜11との間に十分な選択性を有するため、Crフォトマスク13から選択的に除去される。Crフォトマスク13は、半透光膜14を除去した後に所定の洗浄処理を経て、再度、半透光膜14の成膜処理を経ることにより、再び半透光部15を形成する。これにより、Crフォトマスク13は、半透光膜14の成膜工程を再び実行するだけで再生することができる。半透光膜14の成膜工程と半透光膜14の除去工程とは、良好な半透光部15が得られるまで何度も繰り返すことができる。これにより、Crフォトマスク13の利用効率が向上される。なお、本発明におけるITOエッチング液とは、HCl+FeCl系、又はHNO+FeCl系の溶液であって、調整された市販のものを用いることができる。
図1(f)は、レジストの塗布工程を示す工程図である。半透光膜14の成膜工程を経たCrフォトマスク13は、半透光膜14の全体にわたって再度ポジレジストを塗布されることによりレジスト膜16を形成する。
図1(g)は、レジスト膜16のフォトリソ工程を示す工程図である。レジスト膜16を有するCrフォトマスク13は、レジスト膜16に応じた露光光による露光、現像、及びプリベークを経ることにより、半透光膜14の上であって、第二開口11b上を除いた領域に、レジストパターン16Pを形成する。
図1(h)は、半透光膜14のエッチング工程を示す工程図である。レジスト膜16のフォトリソ工程を経たCrフォトマスク13は、レジストパターン16Pをマスクとして、ITOエッチング液、FeCl溶液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される少なくとも一つの液を用いるウェットエッチング処理を経ることにより、レジストパターン16Pから露出する半透光膜14を除去する。これにより、Crフォトマスク13は、半透光膜14の除去された透光部17を第二開口11bに形成する。なお、半透光膜14のエッチング工程においては、半透光膜14としてNi−Crを用いる場合、遮光膜11のエッチング工程と同じく、Crエッチング液を用いて半透光膜14をエッチングしても良い。
図1(i)は、レジストパターン16Pの除去工程を示す工程図である。半透光膜14のエッチング工程を経たCrフォトマスク13は、レジストパターン16Pに応じた洗浄
液(アルカリ液)を用いる洗浄処理を経ることにより、半透光膜14上のレジストパターン16Pを除去する。これにより、Crフォトマスク13は、半透光膜14からなる半透光部15を第一開口11aに形成し、基板Sのみからなる透光部17を第二開口11bに形成する。そして、Crフォトマスク13は、半透光部15と透光部17とを除く領域に、遮光膜11と半透光膜14とからなる遮光部18を形成し、これら半透光部15、透光部17、及び遮光部18からなるグレートーンマスク20を形成する。
なお、上記レジスト膜12のフォトリソ工程、遮光膜11のエッチング工程、レジストパターン12Pの除去工程により、第一工程が構成される。また、半透光膜14の成膜工程、レジストの塗布工程、レジスト膜16のフォトリソ工程、半透光膜14のエッチング工程、レジストパターン16Pの除去工程により、第二工程が構成される。
(第二の製造方法)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図面に従って説明する。第二実施形態は、第一実施形態における第二開口11bを省略したものであるため、以下においては、この変更点について詳細に説明する。図2(a)〜(i)は、それぞれグレートーンマスクの製造工程を示す工程図である。
図2(a)〜(f)の各工程は、それぞれCrフォトマスク13のレイアウトが異なる以外は、図1(a)〜(f)の各工程と同じである。すなわち、図2(a)〜(f)の各工程は、第一実施形態における第二開口11bを形成しない点において図1(a)〜(f)の各工程と異なり、その他の点においては、図1(a)〜(f)の各工程と同じ構成である。そのため、図2(e)における半透光膜14の成膜工程においても、必要に応じてCrフォトマスク13を再生することができる。
図2(g)は、レジスト膜16のフォトリソ工程を示す工程図である。半透光膜14の上のレジスト膜16は、レジスト膜16に応じた露光光による露光、現像、及びプリベークを経ることにより、半透光膜14の上であって、第一開口11aを含む領域にレジストパターン16Pを形成する。
図2(h)は、半透光膜14及び遮光膜11のエッチング工程を示す工程図である。レジストパターン16Pを有するCrフォトマスク13は、レジストパターン16PをマスクとしてITOエッチング液、FeCl溶液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される少なくとも一つの液を用いるウェットエッチング処理を経ることにより、レジストパターン16Pから露出する半透光膜14を除去する。次いで、Crフォトマスク13は、レジストパターン16PをマスクとしてCrエッチング液を用いるウェットエッチング処理を経ることにより、レジストパターン16Pから露出する遮光膜11を除去する。これにより、Crフォトマスク13は、レジストパターン16Pから露出する領域に半透光膜14及び遮光膜11の除去された透光部17を形成する。なお、半透光膜14及び遮光膜11のエッチング工程において、半透光膜14としてNi−Crを用いる場合は、Crエッチング液のみを用いて半透光膜14と遮光膜11とを一括してエッチングしても良い。
図2(i)は、レジストパターン16Pの除去工程を示す工程図である。半透光膜14及び遮光膜11のエッチング工程を経たCrフォトマスク13は、レジストパターン16Pに応じた洗浄液(アルカリ液)を用いる洗浄処理を経ることにより、半透光膜14上にあるレジストパターン16Pを除去する。これにより、Crフォトマスク13は、半透光膜14からなる半透光部15を第一開口11aに形成し、透光部17を基板Sの上に形成する。そして、Crフォトマスク13は、半透光部15と透光部17とを除く領域に遮光膜11と半透光膜14とからなる遮光部18を形成し、これら半透光部15、透光部17
、及び遮光部18からなるグレートーンマスク20を形成する。
(第三の製造方法)
以下、本発明を具体化した第三実施形態を図面に従って説明する。第三実施形態は、第一実施形態におけるレジスト膜16をネガレジストに変更したものであるため、以下においては、この変更点について詳細に説明する。図3(a)〜(i)は、それぞれグレートーンマスクの製造工程を示す工程図である。
図3(a)〜(e)の各工程は、それぞれCrフォトマスク13のレイアウトが異なる以外は、図1(a)〜(e)の各工程と同じである。そのため、図2(e)における半透光膜14の成膜工程においても、必要に応じてCrフォトマスク13を再生することができる。
図3(f)は、レジストの塗布工程を示す工程図である。Crフォトマスク13は、半透光膜14の全体にわたってネガレジストを塗布されることにより、レジスト膜16を形成する。
図3(g)は、レジスト膜16のフォトリソ工程を示す工程図である。レジスト膜16を有するCrフォトマスク13は、レジスト膜16に応じた露光光による露光、現像、及びプリベークを経ることにより、半透光膜14の上であって第一開口11a上の領域に、レジストパターン16Pを形成する。
図3(h)は、半透光膜14のエッチング工程を示す工程図である。レジストパターン16Pを有するCrフォトマスク13は、レジストパターン16PをマスクとしてITOエッチング液、FeCl溶液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される少なくとも一つの液を用いるウェットエッチング処理を経ることにより、レジストパターン16Pから露出する半透光膜14を除去する。これにより、Crフォトマスク13は、半透光膜14の除去された透光部17を第二開口11bに形成する。また、Crフォトマスク13は、遮光膜11上の殆どの領域から半透光膜14を選択的に除去することにより、遮光膜11のみからなり低反射特性を発現する遮光部18を形成する。
図3(i)は、レジストパターン16Pの除去工程を示す工程図である。Crフォトマスク13は、レジストパターン16Pに応じた洗浄液(アルカリ液)を用いる洗浄処理を経ることにより、半透光膜14の表面上にあるレジストパターン16Pを除去する。これにより、Crフォトマスク13は、半透光膜14からなる半透光部15を第一開口11aに形成する。そして、半透光部15と透光部17とを除く領域には、遮光膜11のみからなる遮光部18が形成され、Crフォトマスク13は、これら半透光部15、透光部17、及び遮光部18からなるグレートーンマスク20を形成する。
(実施例1)
基板Sとして、厚さが5.0mmの石英基板、又は厚さが4.8mmの青板ガラスを用いた。半透光膜14の成膜条件として、スパッタリング法を用い、真空チャンバ内に設けられる石英ヒーターを用いることにより、成膜中の基板Sを150〜200℃に加熱した。また、スパッタガスとして50sccmのArガスを用い、成膜時の圧力を4.0×10−1Paに調整した。半透光膜14の膜厚は、スパッタリングターゲットに投入する電力値により調整した。すなわち、スパッタリングターゲットに約0.8kW(パワー密度0.3W/cm)を投入することにより、半透光膜14の透過率が30〜50%になる膜厚、すなわち5〜20nmの半透光膜14を得た。
この際、以下の組成からなるスパッタリングターゲットを用いて実施例1の半透光膜1
4を得た。なお、各スパッタリングターゲットを用いて得た半透光膜14の組成比は、それぞれ対応するスパッタリングターゲットの組成比と実質的に同じ組成比である。
・Ni90原子%−Al10原子%(厚さ:4mm)
・Ni85原子%−Al15原子%(厚さ:4mm)
・Ni92原子%−Cr8原子%(厚さ:6mm)
・Ni78原子%−Cr22原子%(厚さ:6mm)
また、以下の組成からなるスパッタリングターゲットを用いて比較例の半透光膜14を得た。なお、各スパッタリングターゲットを用いて得た半透光膜14の組成比は、それぞれ対応するスパッタリングターゲットの組成比と実質的に同じ組成比である。
・Ni91原子%−Ti9原子%(厚さ:4mm)
・Ni82原子%−Ti18原子%(厚さ:4mm)
・Ni91原子%−Zr9原子%(厚さ:4mm)
・Ni84原子%−Ta7原子%−Ti9原子%(厚さ:4mm)
・Ni63−Mo22原子%−Ti15原子%(厚さ:6mm)
・Ni(厚さ3mm)
・Cr(厚さ6mm)
そして、各半透光膜14に関して、それぞれ透過率の膜厚依存性、耐アルカリ性、耐熱性、エッチングレート、及び密着性を計測した。
図4は、「Ni90原子%−Al10原子%」から得た半透光膜14の透過率に関する膜厚依存性を示す図であり、図5は、「Ni92原子%−Cr8原子%」から得た半透光膜14の透過率に関する膜厚依存性を示す図である。
図4及び図5に示すように、半透光膜14の透過率は、自身の膜厚により一義的に規定されるため、膜厚を調整することにより制御できる。「Ni90原子%−Al10原子%」から得た半透光膜14の場合、5nm〜40nmの膜厚範囲において、5〜50%の透過率が得られる。また、「Ni92原子%−Cr8原子%」からなる半透光膜14の場合、5nm〜40nmの膜厚範囲において、5〜60%の透過率が得られる。
図6及び表1は、それぞれ各実施例及び比較例の耐アルカリ性を示す図及び表である。また、図7及び表2は、それぞれ各実施例及び比較例の耐熱性を示す図及び表である。
耐アルカリ性の評価においては、各半透光膜14にアルカリ処理を施し、該処理の前後における透過率の差分(透過率差ΔT)を指標にした。アルカリ処理としては、各半透光膜14を3%−水酸化カリウム水溶液(40℃)に30分間浸漬する処理を用い、透過率としては、波長365nmにおける透過率を計測した。
耐熱性の評価においては、各半透光膜14に熱処理を施し、該処理の前後における透過率の差分(透過率差ΔT)を指標にした。熱処理としては、各半透光膜14を200℃の大気燃焼炉に投入して、30分、60分、120分の処理時間の下で熱処理を行い、透過率としては、波長365nmにおける透過率を計測した。
図6及び表1に示すように、「Ni90原子%−Al10原子%」、「Ni85原子%−Al15原子%」、「Ni90原子%−Cr10原子%」及び「Ni92原子%−Cr8原子%」から得た半透光膜14は、それぞれ比較例の「Ni」及び「Cr」と同等の変化量ΔTを示し、同等の耐アルカリ性を有する。一方、他の比較例は、「Ni」及び「Cr」よりも大幅に高い変化量ΔTを示し、「Ni」及び「Cr」に比べて明らかに低い耐アルカリ性である。したがって、Ni−Al、又はNi−Crからなる半透光膜14では、Niの耐アルカリ性を損なわれないことが分かる。すなわち、Ni−Al、又はNi−Crからなる半透光膜14は、Crフォトマスクの洗浄工程に耐えうる耐アルカリ性を持っていることが分かる。
図7及び表2に示すように、「Ni90原子%−Al10原子%」、「Ni85原子%−Al15原子%」、「Ni90原子%−Cr10原子%」、及び「Ni92原子%−Cr8原子%」から得た半透光膜14は、それぞれ比較例の「Ni」及び「Cr」と同等の変化量ΔTを示し、同等の耐熱性を有する。一方、他の比較例は、「Ni」及び「Cr」よりも大幅に高い変化量ΔTを示し、「Ni」及び「Cr」に比べて明らかに低い耐熱性である。したがって、Ni−Al、又はNi−Crからなる半透光膜14は、Niの耐熱性を損なわないことが分かる。すなわち、Ni−Al、又はNi−Crからなる半透光膜14は、Crフォトマスクの各種工程(洗浄工程、塗布工程、除去工程等)に耐え得る耐熱性を持っていることが分かる。
Ni−Al、又はNi−Crからなる半透光膜14に関して上記性質が得られる理由は、添加元素であるCrがそれ自身耐アルカリ性に優れており、さらにAl及びCrは膜表面上に、それらの酸化物からなる不動体層を形成し易いためである。すなわち、Ni−Al、又はNi−Crからなる半透光膜14は、純Alや純Crと同様に表面上に不動体層を形成し、この結果、耐アルカリ性を得ることができ、かつ、内部に酸化が進まないため、耐熱性を損なうことが無い。
表3は、各実施例及び比較例のエッチングレートと密着性を示す表である。
エッチングレートの評価においては、エッチング液として、Crエッチング液(室温)、ITOエッチング液(室温)、40%−FeCl溶液(室温)、18%−HCl溶液(30℃)、及び23%−HNO溶液(30℃)を用いた。
密着性の評価においては、基板Sの上に成膜される各半透光膜14(ただし、膜厚は密着性の比較評価が適切に行われる100nm以上とした)にそれぞれ接着テープを接着し、該接着テープを剥がす際に半透光膜14が剥がれるか否かを検出した、すなわちテープ剥離テストを実施した。表3に示す○印は、密着性が良好であることを示し、×印は密着性が不良を示す。
表3において、実施例の各半透光膜14は、比較例に比べて、ITOエッチング液、FeCl溶液、希塩酸溶液、希硝酸溶液に対するエッチングレートを増大させる。したがって、Ni−Al又はNi−Crからなる半透光膜14は、Crフォトマスク13に積層される状態において、その加工性を向上できる。また、Ni−Al、又はNi−Crからなる半透光膜14は、半透光膜14の成膜工程において、Crフォトマスク13を再生させることができる。
詳述すると、Alを添加元素とするNi合金からなる半透光膜14は、いずれもCrエッチング液に不溶であるが、ITOエッチング液、40%−FeCl3溶液、18%−HCl溶液、23%−HNO溶液に可溶である。反対に、比較例としてのCrは、Crエッチング液に可溶であるが、ITOエッチング液、40%−FeCl3溶液、18%−HCl溶液、23%−HNO溶液に不溶である。したがって、Alを添加元素とするNi合金からなる半透光膜14は、Crエッチング液、ITOエッチング液、40%−FeCl溶液、18%−HCl溶液、及び23%−HNO溶液を用いることにより、遮光膜11に対して高いエッチングの選択性を得られることが分かる。
また、Ni−Crからなる半透光膜14は、いずれも40%−FeCl3溶液、18%−HCl溶液、23%−HNO溶液に不溶であるが、Crエッチング液、ITOエッチング液に可溶である。したがって、Ni−Crからなる半透光膜14は、ITOエッチング液を用いることにより、遮光膜11に対して高いエッチングの選択性を得られることが分かる。
なお、添加元素がCrの場合、Cr含有量が多くなるとエッチングの選択性が乏しくなるため、含有量の上限値は25原子%以下であることが好ましい。
表3において、各半透光膜14は、比較例としての「Ni」を除き、いずれも優れた密着性を有する。したがって、添加元素としてのAlとCrは、それぞれ半透光膜14と基板Sとの間の密着性を向上できることが分かる。すなわち、Ni−Al、又はNi−Crからなる半透光膜14は、Crフォトマスクの各製造工程(洗浄工程、塗布工程、除去工程、成膜工程等)に耐え得る密着性を持っていることが分かる。
(実施例2)
基板Sとして、厚さが5.0mmの石英基板を用いた。半透光膜14の成膜条件として、反応性スパッタリング法を用い、真空チャンバ内に設けられる石英ヒーターを用いることにより、成膜中の基板Sを150〜200℃に加熱した。また、スパッタガスとして、50sccmのArガスを用い、反応ガスとして25sccmの窒素ガスを用いて、成膜時の圧力を5.0×10−1Paに調整した。半透光膜14の膜厚は、スパッタリングターゲットに投入する電力値により調整した。すなわち、スパッタリングターゲットに約0.8kW(パワー密度0.3W/cm)を投入することにより、半透光膜14の透過率が30〜50%になる膜厚、すなわち5〜20nmの半透光膜14を得た。
この際、スパッタリングターゲットとして「Ni90原子%−Al10原子%」からなるターゲットを用いることにより、実施例2の半透光膜14を得た。
また、反応ガスとしての窒素ガスの流量を0sccmに変更し、その他の条件を同じくしてNi−Alからなる半透光膜14を得た。また、スパッタリングターゲットを「Cr」からなるターゲットに変更し、反応ガスを酸素ガスに変更することにより、「酸化Cr(CrOx)」からなる比較例の半透光膜14を得た。
そして、各半透光膜14に関して、分光透過率、屈折率(n)、消衰係数(k)、耐アルカリ性、耐熱性、エッチングレート、及び密着性を計測した。分光透過率、屈折率(n)、消衰係数(k)の測定結果を図8、図9、及び表4に示す。耐アルカリ性に関する測定結果を、図6及び表1に示し、耐熱性に関する測定結果を図7及び表2に示す。また、エッチングレートと密着性に関する測定結果を表3に示す。
図8は、実施例2の半透光膜14の分光透過率を示す図であり、図9は、Ni−Alからなる半透光膜14の分光透過率を示す図である。また、表4は、各半透光膜14の波長365〜436nmの範囲における透過率、透過率の均一性、光学定数、及び組成比を示す表である。なお、透過率の均一性は、波長365〜436nmの範囲で透過率の最大値と最小値を用いて、均一性=最大値−最小値に基づいて算出した。また、屈折率(n)、消衰係数(k)は、分光透過率、分光反射率、及び膜厚を測定し、RT法を用いて算出した。組成比は、オージェ分光分析装置を用いて計測した。
図8及び図9に示すように、実施例2の半透光膜14は、Ni−Alからなる半透光膜14に比べて、波長300〜500nmの範囲における透過率を均一にする。表4に示すように、実施例2の半透光膜14は、波長365〜436nmの範囲における透過率の均一性として0.6%を有し、Ni−Alからなる半透光膜14の1.3%に比べて、波長依存性の無い分光透過率を示す。詳述すると、実施例2の半透光膜14の透過率は、波長435nmで最小値37.0%を示し、波長367nmで最大値37.6%を示すことが分かった。一方、Ni−Alからなる半透光膜14は、波長436nmで最小値37.6%を示し、波長378nmで最大値38.9%を示すことが分かった。
なお、実施例2の半透光膜14は、波長300〜500nmの範囲における透過率の均
一性としても1.0%を有し、Ni−Alからなる半透光膜14の4.4%に比べて、波長依存性の小さい分光透過率を示す。詳述すると、実施例2の半透光膜14の透過率は、波長435nmで最小値37.0%を示し、波長310nmで最大値38.0%を示すことが分かった。一方、Ni−Alからなる半透光膜14は、波長300nmで最小値34.5%を示し、波長378nmで最大値38.9%を示すことが分かった。
図6及び図7に示すように、実施例2の半透光膜14は、実施例1の半透光膜14と比べて、略同じ耐アルカリ性、及び耐熱性を有する。すなわち、実施例2の半透光膜14は、Crフォトマスクの各種工程(洗浄工程、塗布工程、除去工程等)に耐え得る耐アルカリ性、及び耐熱性を有する。
表3に示すように、実施例2の半透光膜14は、実施例1におけるNi−Alからなる半透光膜14と比べて、略同じエッチングレートと密着性を有する。すなわち、実施例2の半透光膜14は、Crフォトマスク13に積層される状態において、その加工性を向上できる。また、実施例2の半透光膜14は、半透光膜14の成膜工程において、Crフォトマスク13を再生させることができる。
なお、Ni−Alの酸化物及び酸窒化物からなる半透光膜14においても、実施例2と同様の耐アルカリ性、耐熱性、エッチングレート、及び密着性を得られることが認められた。また、Ni−Crの酸化物、酸窒化物、及び窒化物からなる半透光膜14においても、実施例1におけるNi−Crと同様の耐アルカリ性、耐熱性、エッチングレート、及び密着性を得られることが認められた。
(実施例3)
実施例2に示す成膜条件を用いて第三の製造方法に示す各工程を実行し、実施例3のグレートーンマスク20を得た。この際、半透光膜14のエッチング工程におけるエッチング液として、30℃に加温した23%−HNO溶液を用いた。そして、グレートーンマスク20の半透光部15における透過率、遮光部18における反射率を、及び光学濃度を測定した。半透光部15における透過率、遮光部18における光学濃度の測定結果を表5に示す。
表5において、遮光部18は、光学濃度(OD値)として3.7を有し、Cr膜単体の光学濃度(3.0〜4.0)と略同じ値を有することが分かる。遮光部18は、反射率として11.3(%:波長436nm)、22.0(%:波長600nm)を有し、低反射Crフォトマスクと同じ低反射特性(5.0〜15.0(%:波長436nm)、15.0〜25.0(%:波長600nm))を有することが分かる。
(実施例4)
第三の製造方法における半透光膜14の成膜工程にて、Crフォトマスク13を再生し、その他の点を実施例3と同じくして実施例4のグレートーンマスク20を得た。この際、Crフォトマスク13を再生するために必要とする半透光膜14のエッチング液として、室温のITOエッチング液を用いた。そして、グレートーンマスク20の半透光部15における透過率、遮光部18における反射率、及び光学濃度を測定した。実施例4のグレートーンマスク20においても、実施例3と同様の光学特性を得られることが認められた。
Figure 0005080198
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次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態では、基板S上にCr膜を形成したCr膜ブランクス10にCrエ
ッチング液を用いるエッチングを施すことにより基板S上に第一開口11aを形成する工程する。次いで、第一開口11aに、Ni−Al、Ni−Cr、及びこれらの酸化物、酸窒化物、窒化物からなる群から選択される少なくともいずれか一種からなる半透光膜14を成膜することにより第一開口11aに半透光部15を形成する。
したがって、半透光膜14が、耐熱性、耐アルカリ性、及び基板Sとの間の密着性に優れた材料であり、かつ、Cr膜ブランクス10との間のエッチングの選択性に優れた材料により構成される。よって、上記実施形態では、エッチング工程や洗浄工程に関して、大型Crフォトマスクの製造工程を利用することができる。そのため、上記実施形態では、グレートーンマスク20の加工性を向上すると共に製造コストを低減することができる。
(2)上記実施形態では、反応性スパッタリング法を用いて半透光膜14を成膜するため、半透光膜14の中に含まれる酸素や窒素の濃度を広範囲にわたって調整することができる。
(3)上記実施形態では、半透光膜14の成膜方法の1つとして、10〜40容量%の窒素ガスを含み、残部がアルゴンガスからなる混合ガスを用いた反応性スパッタリング法を利用する。そして、波長365nm〜436nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が1.0%以下、又は、波長300nm〜500nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が4.0%以下になる窒化物を半透光膜14として利用する。
したがって、分光透過率曲線が平滑であって、i線(波長365nm)、h線(波長405nm)、g線(波長436nm)のそれぞれで透過率の値が略同じ、すなわち透過率に関して波長依存性を有しない半透光膜14を形成することができる。この結果、グレートーンマスク20は、露光プロセスの波長領域を拡張することができる。
(4)上記実施形態では、半透光膜14として、5〜15原子%のAlを含み、残部がNiからなる膜、あるいは、5〜25原子%のCrを含み、残部がNiからなる膜を利用する。したがって、グレートーンマスク20では、半透光膜14と基板Sとの間の密着性が十分に得られる。また、半透光膜14の中に含まれるAlあるいはCrの含有量が規定されるため、過剰なAlあるいはCrの添加を抑えることができ、半透光膜14の機械的な強度や加工性の低下を抑制させることができる。
(5)上記実施形態では、ネガレジストを用いてレジストパターン16Pを形成し、レジストパターン16Pから露出する半透光膜14を、ITOエッチング液、FeCl溶液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される液を用いてエッチングすることにより透光部17を形成する。次いで、レジストパターン16Pを除去することにより半透光部15を形成する。
したがって、半透光部15の領域が小さい場合、レジストパターン16Pの領域が小さくなるため、ネガレジストを用いるフォトリソ工程の工程時間を短くすることができ、グレートーンマスク20の生産性を向上させることができる。また、ネガレジストのパターン領域を最小にすることができるため、半透光膜14の領域を最小にすることができる。この結果、グレートーンマスク20に対して、Crフォトマスクが本来有している低反射特性を十分に与えることができる。
(6)上記実施形態では、Ni−Al、あるいはNi−Crを主成分とする半透光膜14を成膜することにより半透光部15を形成し、半透光膜14上であって半透光部15を含む領域にポジレジストからなるレジストパターン16Pを形成する。
Ni−Alを用いる場合、レジストパターン16Pから露出する半透光膜14を、ITOエッチング液、FeCl溶液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される液を用いてエッチングする。そして、レジストパターン16Pから露出する遮光膜11を除去することにより透光部17を形成し、レジストパターン16Pを除去することにより半透光部15を形成する。
Ni−Crを用いる場合、レジストパターン16Pから露出する半透光膜14を、Crエッチング液を用いてエッチングし、さらにレジストパターン16Pから露出する遮光膜を、Crエッチング液を用いてエッチングすることにより透光部17を形成する。そして、レジストパターン16Pを除去することにより半透光部15を形成する。
たがって、上記実施形態によれば、透光部17の割合が大きい場合、透光部17を除いた領域にポジレジストを用いる分だけ、フォトリソ工程の工程時間を短くすることができ、半透光膜14の除去工程を容易にすることができる。この結果、ポジジストを用いて半透光膜14を除去する場合、エッチング液を変更するだけで、大型Crフォトマスクの製造工程を利用することができる。さらに、Ni−Crを主成分とする半透光膜を用いる場合は、Crエッチング液を用いることができるため、大型Crフォトマスクのエッチング設備を変更することなく利用することができる。
(7)上記実施形態では、半透光膜14を成膜した後、半透光部15の透過率に関する検査が実行される。そして、半透光部15に特性不良等が認められる場合、半透光膜14は、ITOエッチング液、FeCl溶液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される少なくとも一つの液によりエッチングされ、その後、遮光膜11の上には、再び半透光膜14が成膜される。したがって、半透光部15の透過率検査において特性不良等が発生した場合、半透光膜14のみが除去されため、遮光膜11にダメージを与えることなく、Crフォトマスク13を再利用することができる。
(a)〜(i)は、それぞれ第一実施形態のグレートーンマスクの製造工程を示す工程図。 (a)〜(i)は、それぞれ第二実施形態のグレートーンマスクの製造工程を示す工程図。 (a)〜(i)は、それぞれ第三実施形態のグレートーンマスクの製造工程を示す工程図。 半透光膜の膜厚と透過率の関係を示す図。 半透光膜の膜厚と透過率の関係を示す図。 半透光膜の耐アルカリ性を示す図。 半透光膜の耐熱性を示す図。 半透光膜の分光透過率を示す図。 半透光膜の分光透過率を示す図。 (a)、(b)は、それぞれ従来のグレートーンマスクを示す平面図及び断面図。 (a)、(b)は、それぞれ従来のグレートーンマスクを示す平面図及び断面図。 (a)、(b)は、それぞれ従来のグレートーンマスクを示す平面図及び断面図。
符号の説明
S…基板、10…Cr膜ブランクス、11a…第一開口、11b…第二開口、12P,16,16P…レジストパターン、14…半透光膜、15…半透光部、17…透光部、1
8…遮光部、20…グレートーンマスク。

Claims (2)

  1. 透明基板上に遮光部と透光部と半透光部とを有するグレートーンマスクであって、
    前記遮光部は、
    透明基板上に形成されるCr膜を有し、
    前記半透光部は、
    前記Cr膜にCrエッチング液を用いるエッチングを施すことにより前記透明基板上に形成される開口と、前記開口に形成される半透光膜とを有し、
    前記半透光膜は、
    5〜15原子%のAlを含み、残部がNiからなる膜であって、
    10〜40容量%の窒素ガスを含み、残部がアルゴンガスからなる混合ガスを用いた反応性スパッタリング法を利用して形成されて、波長365nm〜436nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が1.0%以下、又は、波長300nm〜500nmの範囲における透過率の最大値と最小値の差が4.0%以下になる窒化物であることを特徴とするグレートーンマスク。
  2. 請求項1に記載のグレートーンマスクであって、
    前記透光部は、
    複数の前記開口の中から選択される前記開口であって、
    前記選択される開口の前記半透光膜を、ITOエッチング液、希塩酸溶液、希硝酸溶液からなる群から選択される液を用いてエッチングすることにより形成され、
    前記半透光部は、
    前記選択される開口の前記半透光膜がエッチングされるときに、ネガレジストからなるレジストパターンより覆われて、前記レジストパターンを除去することにより形成される前記半透光膜を有することを特徴とするグレートーンマスク。
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