JP5080186B2 - 分子分析光検出方法およびそれに用いられる分子分析光検出装置、並びにサンプルプレート - Google Patents

分子分析光検出方法およびそれに用いられる分子分析光検出装置、並びにサンプルプレート Download PDF

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Description

本発明は、試料中の蛍光標識された被分析物質の挙動を検出する、蛍光相関分光法や蛍光強度分布解析法などの分子蛍光検出方法や、被分析物質のラマン散乱光を分光分析するラマン分光法などを含む分子分析光検出方法、およびそれに用いられる分子分析光検出装置並びにサンプルプレートに関するものである。
従来、蛍光相関分光法 (Fluorescence Correlation Spectroscopy;以下FCSと称する、非特許文献1)や蛍光強度分布解析法 (Fluorescence Intensity Distribution Analysis;FIDA、特許文献1)など、微小領域からの蛍光信号を受光し、統計的に処理することで蛍光を発する粒子・分子の数や動き易さを検出する装置が提案され、実用化されている。例えば、和光純薬工業株式会社から蛍光相関分光システム、オリンパス株式会社から1分子蛍光分析システムが市販されている。
これらの装置は、微小な体積中に出入りする蛍光分子の変化(蛍光信号のゆらぎ)を検出するものである。従来の装置においては蛍光励起する光学系として共焦点レーザを用い、蛍光検出光学系とし共焦点顕微鏡が用いられており、共焦点レーザを用い1フェムトリットルの領域までレーザ光の焦点を絞り、分子が共焦点領域を通過したときに発する蛍光のみを極めて高い感度で検出することができるよう構成されている。具体的には、照明用のレーザ光の焦点を絞り、さらに蛍光を集光するための大きな開口数(NA)の対物レンズと、光検出器の手前の対物レンズの焦点位置と共役な位置(像位置)に配置されたピンホールを備え、対物レンズによる絞りで面内(x−y)方向の領域を制限し、さらにピンホールにより光軸方向(z軸方向)の検出範囲を制限することによって、1フェムトリットルの微小な測定体積を実現している。
小さな分子は動きが早く、共焦点領域を早く通過するため蛍光の信号強度の変化が早くなり、大きな分子は動きが遅いため蛍光信号強度の変化が遅くなる。この蛍光の信号強度のゆらぎの早さから分子の運動速度を自己相関法により求め、分子の大きさを推測することができる。
このように、従来の装置では、大きなNAの対物レンズを備える必要があるが、微小体積内の分子蛍光を検出するに足る大きなNAの対物レンズは非常に高価なものであるために、装置全体として高価格なものとなるという問題がある。
レーザ照明では、NAの大きな対物レンズにより面内方向の照射領域は十分に絞ることができるが、光軸方向については照射領域を制限できず、光路に出入りする蛍光体を励起してしまうために、z軸方向の検出範囲を制限するためのピンホールの配置が必須となっている。
レーザ照明を用いた場合の問題点を解決する手段として、エバネッセント波により蛍光の励起を行うエバネッセント照明を用いた、蛍光相関分光法による分子の挙動を検出する装置が非特許文献2や特許文献2に開示されている。
これらは、試料と接触するプレートの試料接触面と試料との界面で全反射するように励起光を入射させることにより生じるエバネッセント波を蛍光励起の照明として用いるものである。このエバネッセント波は、界面から数百nmの領域にしか到達しないので、ピンホールを備えなくても、エバネッセント照明を用いることにより光軸方向の深さ(z軸方向)の蛍光励起範囲を限定することができる。
一方、蛍光を検出するためにエバネッセント波を照明光として用いた顕微鏡装置が、非特許文献3および特許文献3等において提案されているが、これらの顕微鏡装置では、1分子単位の計測が可能なほどの感度が得られていないのが実情である。
特公表2001−502062号公報 特開2003−294631号公報 特開平10−90169号公報 Biopolymers 13, 29-61(1974) Journal of Physical Chemistry B 106, 2365-2371(2002) Biochemical and Biophysical Research Communications 235, 47-53(1997)
しかしながら、いずれの装置においても検出系には大きなNA>0.3程度の対物レンズが必要であり、微小体積内の分子蛍光を検出するに足る大きなNAの対物レンズは非常に高価なものであるために、装置全体として高価格なものとなるという問題が残っている。
また、ラマン散乱光を生じる被分析物質の分子レベルの挙動を微小体積内のラマン散乱光を検出して分析する装置においても、上記と同様の問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、安価であり、かつ極めて高い感度で微小な測定領域からの蛍光を検出することができる分子分析光検出方法およびそれに用いられる分子分析光検出装置並びにサンプルプレートを提供することを目的とする。
本発明の分子分析光検出方法は、被分析物質を含む試料と接触する試料接触面の微小な所定領域に、所定の励起光が照射された場合に、該所定領域上において該試料接触面の他の領域上と比較して前記被分析物質から生じる光を増強させる増強場を生じさせる増強部材を備えたサンプルプレートを用意し、
前記所定の励起光を、前記試料接触面の前記所定領域を含む該所定領域より大きい照射領域に照射し、
前記所定の励起光の照射により生じた前記増強場により増強された前記被分先物質から生じ光のゆらぎを検出することを特徴とするものである。
前記試料として、予め蛍光標識した被分析物質を含む試料を用い、前記被分析物質から生じる光として該被分析物質の前記蛍光標識から生じる蛍光のゆらぎを検出するようにしてもよいし、前記被分析物質から生じる光として該被分析物質から生じるラマン散乱光のゆらぎを検出するようにしてもよい。すなわち、上記において「被分析物質から生じる光」とは、被分析物質自体から生じる光のみならず、標識された蛍光体からの光をも含む。
また、励起光が照射される照射領域は、所定領域よりも大きく、大きなNA(>0.3)の高価なレンズを用いないで照射できる程度の領域である。
本発明の分子分析光検出装置は、被分析物質を含む試料と接触する試料接触面の微小な所定領域に、所定の励起光が照射された場合に、該所定領域上において該試料接触面の他の領域上と比較して前記被分析物質から生じる光を増強させる増強場を生じさせる増強部材を備えたサンプルプレートと、
前記所定の励起光を、前記試料接触面の前記所定領域を含む該所定領域より大きい照射領域に照射する励起光照射光学系と、
前記増強場により増強された前記被分析物質から生じる光のゆらぎを検出する信号検出部とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の分子分析光検出装置は、試料として予め蛍光標識された被分析物質を含む試料を用いた場合、励起光照射光学系として蛍光を励起する波長の励起光を照射するものとし、信号検出部として蛍光を検出するものとすれば、分子蛍光検出装置として用いることができる。また、本発明の分子分光検出装置は、励起光照射光学系として被分析物質のラマン散乱を生じさせる波長の励起光を照射するものとし、信号検出部としてラマン散乱光を検出するものとすれば、ラマン分光分析装置として用いることができる。
なお、本発明の分子分析光検出装置は、蛍光、ラマン散乱に限らず、電磁波により発光されうる標識・物質でしかも、その強度に信号が依存する検出法に応答可能な方法である。
本発明のサンプルプレートは、被分析物質を含む試料に所定の励起光を照射して生じる光のゆらぎを検出する請求項1記載の分析分子光検出方法に用いられるサンプルプレートであって、
前記試料と接触する試料接触面の、該試料接触面における前記励起光の照射領域よりも狭い微小な所定領域に、前記所定の励起光が照射された場合に、該所定領域上において該試料接触面の他の領域上と比較して前記被分析物質から生じる光を増強させる増強場を生じさせる増強部材を備えていることを特徴とするものである。
上記において「微小な所定領域」は該領域上に生じる増強場の体積(測定体積)が、数フェムトリットル程度となる面積である。例えば、測定体積が1フェムトリットルの場合、増強場が深さ方向に300nm程度有効であるとすると、所定領域は18μm×18μm程度の面積となる。
増強部材は、主として、励起光を受けて表面プラズモンあるいは局在プラズモンのように伝播しない電磁波を生じさせ、その表面に電場増強場を生じるものが挙げられるが、増強部材を備えない他の領域と比較して光を増強する効果を得られるものであればいかなるもので構成されていてもよい。
前記増強部材は、前記所定領域上に備えられた金属膜により構成することができる(A)。
また、前記試料接触面上に金属薄膜層が形成されており、前記増強部材が、前記金属薄膜層上の、前記所定領域に対応する領域に形成された金属膜により構成されていてもよい(B)。
さらに、前記試料接触面上に金属薄膜層が形成されており、前記増強部材が、前記金属薄膜層上の、前記所定領域に対応する領域に形成された、前記光の消光を防止する不撓性膜により構成されていてもよい(C)。
(A)〜(C)において、前記金属膜および/または前記金属薄膜層が、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を主成分とすることが望ましい。なおここで、「主成分」は、含量90質量%以上の成分と定義する。また、(A)の場合、前記金属膜をAgで構成し、さらにこの金属膜をAu膜で覆うことが特に好ましい。なお、ここで、金属膜は、表面が平坦な膜のみならず、複数の金属微粒子が配列されてなるものであってもよい。
さらには、前記増強部材は、前記所定領域上に備えられた誘電体多層膜により構成されていてもよい(D)。前記試料接触面を有する基体が屈折率nの誘電体からなる場合、誘電体多層膜は、少なくとも屈折率nの誘電性材料のキャビティー層と、キャビティー層と基体とに挟まれた屈折率n(n<n、n)の誘電性スペーサ層とから構成するものとする。
また、前記増強部材は、前記所定領域上に備えられた、前記所定の励起光の波長よりも小さい周期の凹凸を表面に有する金属微細構造体により構成されていてもよいし、前記所定領域上に配置された、前記所定の励起光の波長よりも小さいサイズの複数の金属ナノロッドにより構成されていてもよい。「励起光の波長よりも小さい凹凸構造」とは、凹凸構造をなす凸部及び凹部の平均的な大きさと平均的なピッチが励起光の波長よりも小さいことを意味する。凹部に金属はあってもなくてもよい。また、「金属ナノロッド」とは、短軸長さと長軸長さが異なる棒状の金属ナノ粒子のことである。金属微細構造体および金属ナノロッドは、上記金属膜と同様に、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を主成分とすることが望ましい。
なお、前記試料接触面に設けられる前記所定領域は単数でもよいが、複数備えてもよい。この場合、複数の所定領域の面積を互いに異なるものとしてもよい。さらに、複数の所定領域のうち少なくとも1つの領域に、前記被分析物質と特異的に結合する結合膜が固定されており、他の少なくとも1つの領域には、前記結合膜が固定されていないようにしてもよい。
上記(C)において用いられる不撓性膜としては、SiO2やポリマーからなるものが好適に用いられる。なお、上記の「不撓性」とは、サンプルプレートを普通に使用しているうちに膜厚が変わってしまうほどに変形することが無い程度の剛性を備えていることを意味するものとする。また、このポリマーからなる不撓性膜が適用される場合は、その不撓性膜の上に、特定物質と結合する親水性リンカーが形成されることが望ましい。また、不撓性膜の膜厚は10〜100nmの範囲であることが望ましい。
本発明の分子分析光検出方法および装置は、被分析物質を含む試料と接触する試料接触面の微小な所定領域に、所定の励起光が照射された場合に、該所定領域上において該試料接触面の他の領域上と比較して前記被分析物質から生じる光を増強させる増強場を生じさせる増強部材を備えたサンプルプレートを用い、増強場により増強された光を検出するものである。微小な所定領域にのみ増強部材を備えているため、増強部材上に生じた増強場内で生じた光のみを効果的に検出することができる。すなわち、測定体積は増強場の有効な領域により定まるものであり、検出の際には広い範囲の検出を行っても検出された光うち信号強度の強いものを抽出すれば結果としてこの増強場内で増強された光のみを検出する(測定体積を絞る)ことができるため、従来の装置のように大きなNAの対物レンズにより微小な測定体積に絞って蛍光検出をする必要がなくなる。既述の通りNAの大きな対物レンズは非常に高価であり、本発明の方法および装置においてはこれを用いる必要がないことから、装置を安価なものとすることができる。
本発明のサンプルプレートは、試料と接触する試料接触面の、該試料接触面における励起光の照射領域よりも狭い微小な所定領域に、前記所定の励起光が照射された場合に、該所定領域上において該試料接触面の他の領域上と比較して前記被分析物質から生じる光を増強させる増強場を生じさせる増強部材を備えているので、これを用いることにより分子分析光検出方法および装置において既述の効果を得ることができる。
増強部材が、所定領域上に備えられた金属膜により構成されていれば、全反射条件で入射される励起光の照射により該所定領域の表面に表面プラズモンを生じさせて、この表面上の電場を増強し、結果としてこの電場増強領域中の光を他の領域と比較して増強させることができる。
試料接触面上に金属薄膜層が形成されており、増強部材が、金属薄膜層上の、所定領域に対応する領域に形成された金属膜により構成されていても同様の効果を得ることができる。
試料接触面上に金属薄膜層が形成されており、増強部材が、金属薄膜層上の、所定領域に対応する領域に形成された、消光を防止する不撓性膜により構成されていれば、金属薄膜層の表面に表面プラズモンを生じさせて、この表面上の電場を増強した上で、この金属薄膜層に被分析物質(蛍光標識)が接近しすぎる場合に、励起光の照射により励起されたエネルギーが蛍光発生させる前に金属へ遷移してしまい、蛍光が生じないという現象(いわゆる金属消光)を防止することから、結果としてこの不撓性膜を設けた領域の蛍光強度を不撓性膜を設けていない箇所と比較して増強させることができる。
金属膜および/または金属薄膜層が、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を主成分とするものであれば、表面プラズモンを誘起し、表面に電界分布を生じさせ、電界分布が生じた範囲において蛍光を増強させることができる。特にAuは金属膜を備えない場合と比較して約10倍以上、Agは約30倍以上電場を増強することができるため好ましい。金属膜をAgで構成し、さらにこの金属膜をAu膜で覆う場合には、Agが酸化するのを効果的に防止することができる。
増強部材が、所定領域上に備えられた誘電体多層膜により構成されていれば、全反射条件で入射される励起光の照射により、所謂導波モードがキャビティー層内で励起され、そのキャビティー層表面において電場を増強し、結果としてこの電場増強領域中の光を増強させることができる。
増強部材が、所定領域上に備えられた、所定の励起光の波長よりも小さい周期の凹凸を表面に有する金属微細構造体、あるいは、励起光の波長よりも小さいサイズの複数の金属ナノロッドにより構成されていれば、励起光の入射により増強部材の表面に局在プラズモンを生じさせて、この表面上の電場を増強し、結果としてこの電場増強領域中の光を他の領域と比較して増強させることができる。試料接触面に増強部材を備えた所定領域が複数を設けられている場合、種々の態様の測定が可能となる。
複数の所定領域の面積を互いに異なるものとした場合、より狭い面積の所定領域を被分析物質が高濃度な場合の測定に用い、より広い面積の所定領域を低濃度な場合に用いるなど高濃度から低濃度な試料まで対応することができダイナミックレンジの広域化を測ることができる。
また、複数の所定領域のうち少なくとも1つの領域に、被分析物質と特異的に結合する結合膜が固定されており、他の少なくとも1つの領域には、前記結合膜が固定されていないようにすれば、一方を測定領域、他方をリファレンス領域として用いることができる。
<第1の実施形態>
図面を参照して、本発明の分子分析光検出方法および装置に係る第1実施形態である分子蛍光検出方法およびそれに用いられる分子蛍光検出装置、並びにサンプルプレートについて説明する。図1は装置の全体図、図2〜図5はサンプルプレートの好適な例を示す図である。各図において説明の便宜上、各部の寸法は実際のものとは異ならせている。
図1に示す分子蛍光検出装置1は、蛍光標識fされた被分析物質Aを含む試料Sと接触する試料接触面10aの微小な所定領域に、励起光が照射された場合に該所定領域上において該試料接触面10aの他の領域と比較して光を増強させる効果を有する増強部材12を備えたサンプルプレート10と、サンプルプレート10の試料接触面10aに、その試料接触面10aで励起光L0が全反射するように、サンプルプレート10の試料Sと接触しない側から励起光L0を、増強部材12を含むその増強部材12が備えられた所定領域より大きい照射領域に照射し、照射領域の試料接触面10a上にエバネッセント波Ewを生じさせる励起光照射光学系20と、蛍光標識fがエバネッセント波Ewを受けて生じる蛍光信号のゆらぎを検出する信号検出部30とを備えている。
励起光照射光学系20は、励起光L0を出力する半導体レーザ(LD)等からなる光源21と、サンプルプレート10に一面が接触するように配置されたプリズム22とを備えている。プリズム22は、試料接触面10aで励起光L0が全反射するようにサンプルプレート10内に励起光L0を導光するものである。なお、プリズム22とサンプルプレート10とは、屈折率マッチングオイルを介して接触されている。光源21は、プリズム22の他の一面からサンプルプレート10の試料接触面10aで励起光L0が全反射する角度で入射するように配置されている。光源21とプリズム22との間に必要に応じて導光部材を配置してもよい。
試料接触面10a上において、励起光が照射される照射領域は増強部材12が設けられた所定領域よりも大きく、NAが0.3以下のレンズで照射可能な程度、すなわちNAが0.3より大きなレンズを要しないで照射できる程度に大きい。
信号検出部30は、蛍光Lfを集光する集光レンズと、蛍光Lfを検出するフォトダイオードなどの光検出器および光検出器からの信号を自己相関法により処理する自己相関器などを備えるものである。
サンプルプレート10は、ガラス等の板状の誘電体プレート11と、誘電体プレート11上の所定の微小な領域に形成された増強部材12とからなる。所定の微小な領域は、増強部材12が設けられたのとは反対側から試料接触面10aと増強部材12との界面に入射される励起光L0の照射領域よりも小さい領域である。この微小な領域の面積は、励起光が照射された際にその領域上に生じる増強場の有効な体積で定められる測定体積が数フェムトリットル程度となる面積である。
なお、本実施形態においては、サンプルプレート10上に液体試料Sを保持する試料保持部9が備えられ、サンプルプレート10と試料保持部9により液体試料を保持可能な箱状セルが構成されている。なお、サンプルプレート10上に表面張力で留まる程度の微量な液体試料を測定する場合には、試料保持部を備えない態様であってもよい。
図2から図5を参照して、サンプルプレート10の好適な態様10A〜10Fについて説明する。図2(A)、図5(A)、(B)は斜視図、図2(B)、図3(A)〜(C)、図4(A)、(B)は断面図、図2(C)は上面図である。
図2(A)〜(C)に示すサンプルプレート10Aは、ガラス板などの誘電体プレート11の一表面の微小な所定領域に金属膜13が成膜されたものである。金属膜13は、所定領域に開口を有するマスクをプレート11の一表面に形成し、既知の蒸着法で成膜形成することができる。所定領域は図2(B)に示すように、金属膜13が設けられたのとは反対側から試料接触面10aと金属膜13との界面に入射される励起光L0(図中破線で示す)の照射領域よりも小さい領域である。励起光L0が界面に対して全反射する角度で入射されることにより、金属膜13に接している試料中にエバネッセント波が滲み出し、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。この表面プラズモンにより金属膜表面に電界分布が生じ、金属表面近傍の電場がその他の領域と比較して増強され、この電場増強領域において光強度が増強される。本例では、金属膜13により増強部材12Aが構成されている。
金属膜13が設けられる領域の面積は、図2の例では、同図(C)に示すように、20μm×20μmの大きさである。また、金属膜13の厚みは、金属膜13の材料と、励起光の波長により表面プラズモンが強く励起されるように適宜定めることが望ましい。例えば、励起光として780nmに中心波長を有するレーザ光を用い、金属膜として金(Au)膜を用いる場合、金属膜の厚みは50nm±5nmが好適である。このとき、電場増強度はAu膜を備えない場合と比較して30%増強している。
図3(A)に示すサンプルプレート10Bは、ガラス板などの誘電体プレート11の一表面の微小な所定領域を含む一部領域に金属薄膜層14aが形成され、その金属薄膜層14a上の微小な所定領域の部分に金属膜14bが積層されている。金属膜14bの表面において、金属薄膜層14aの表面よりも表面プラズモンによる電場増強効果が大きく生じる。すなわち、金属膜14bが積層され金属層の厚みが厚くなった部分により増強部材12Bが構成されている。金属薄膜層14aと、金属膜14bとは異なる材料であってもよいし、同一材料であってもよい。例えば、励起光として780nmに中心波長を有するレーザ光を用い、金属膜として金(Au)膜を用いる場合、金属膜の厚みは厚い部分が50nm、薄い部分が10nm程度が好適である。
なお、金属薄膜層14a上に設けられる金属膜14bに代えて、は図3(B)に示すような金属粒子を複数配列した金属粒子層14cを形成したサンプルプレート10Cとしてもよい。ここでは金属粒子層14cにより増強部材12Cが構成されている。なお、図3(B)に示すように金属薄膜14a上に金属微粒子が複数配列して固着された態様のほか、大きめの金属粒子が1つのみ固定されていてもよい。金属粒子のサイズはΦ50nm〜1um程度である。
なお、誘電体プレート11上に形成される金属膜および/または金属薄膜層は、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を主成分とするものであれば、表面プラズモンを誘起することができる
図3(C)に示すサンプルプレート10Dは、ガラス板などの誘電体プレート11の一表面の微小な所定領域にAg膜15が形成されており、さらに、このAg膜15を覆うようにAu膜16が形成されている。Ag膜15が形成されている領域が増強領域に相当し、ここでは、増強部材12DはAg膜15により構成されている。AgはAuと比較して表面プラズモン増強効果が大きいが、酸化し易いという欠点がある。従って、このようにAg膜をAu膜で覆う、例えば、50nm厚のAg膜を10nm厚のAu膜で覆うことにより、Agが酸化するのを効果的に防止することができ好ましい。
図4(A)に示すサンプルプレート10Eは、ガラス板などの誘電体プレート11の一表面の微小な所定領域を含む一部領域に金属膜17が設けられており、さらに金属膜17上の微小な所定領域に対応する箇所に不撓性膜18が設けられている。金属膜17と試料中の蛍光体が接近しすぎると、蛍光体内で励起されたエネルギーが蛍光を生じる前に金属に移る金属消光が生じるが、不撓性膜18を備えた箇所では、蛍光体が金属消光が起きる程度まで金属膜に接近してしまうのを防止することができる。すなわち、不撓性膜18が設けられていない箇所では、金属消光により表面プラズモン電場による蛍光の増強効果が小さくなってしまうのに対して、不撓性膜18が設けられている微小な所定領域では、表面プラズモンによる電場増強作用を確実に享受でき蛍光強度が増強される。従って、この不撓性膜18が設けられている微小な所定領域上は、不撓性膜18が設けられていない箇所上と比較して相対的に蛍光が増強される増強領域となっており、ここでは、増強部材12Eが金属膜17および不撓性膜18により構成されている。
不撓性膜18の厚みは10nmから100nmの範囲が好ましく、その理由は以下の通りである。金属の近傍に存在する蛍光体分子は、金属へのエネルギー移動により消光を起こす。エネルギー移動の程度は、金属が半無限の厚さを持つ平面なら距離の3乗に反比例して、金属が無限に薄い平板なら距離の4乗に反比例して、また、金属が微粒子なら距離の6乗に反比例して小さくなる。金属膜の場合は、金属と蛍光分子との間の距離は少なくとも数nm以上、より好ましくは10nm以上確保しておくことが望ましい。
一方、蛍光体分子は、表面プラズモンによって増強された、金属膜表面に染み出したエバネッセント波によって励起される。エバネッセント波の到達範囲(金属膜表面からの距離)は励起光の波長程度であり、その電界強度は金属膜表面からの距離に応じて指数関数的に急激に減衰することが知られている。蛍光体分子を励起する電界強度は大きいほど望ましいので、効果的な励起を行なうためには、金属膜表面と蛍光体分子との距離を100nmより小さくすることが望ましい。
ここで、上述のような特性を備える不撓性膜の好ましい材料としてはSiOやポリマーが挙げられるが、ポリマーには、多くの場合試料液中に含まれるタンパク等が容易に非特異吸着しやすくなっている。そうであると、例えば該不撓性膜の表面に塗布した抗体に特異吸着する抗原を蛍光法によって検出するような場合、この特異吸着が生じたのと同様の状態となるので、それが誤検出を招くことになる。
そこで、特にポリマーからなる不撓性膜が適用される場合、その不撓性膜の上に親水性リンカーが形成されていれば、そのリンカーが上記タンパク等を遮断するので、該タンパク等が不撓性膜に非特異吸着することがなくなり、上述のような誤検出が防止される。他方、本来不撓性膜の表面部分に配置すべき抗体等は、そのリンカーと特異的に結合させて、不撓性膜の表面部分に捉えることができる。
図4(B)に示すサンプルプレート10Fは、ガラス板などの誘電体プレート11の一表面の微小な所定領域上に誘電体多層膜19が設けられたものである。多層膜19は誘電体プレート11側からスペーサ層19aとキャビティー層19bとからなる。プレート11の屈折率n、スペーサ層19aの屈折率n、キャビティー層19bの屈折率nとしたとき、それぞれの屈折率が、n<n、nとなる誘電体から構成するものとする。
誘電体多層膜19を備えるサンプルプレート10Fに、プレート10下面側から、誘電体プレート11とスペーサ層19の界面に対して全反射する角度で励起光が入射することにより、生じたエバネッセント電界がスペーサ層透過し、キャビティー層において導波モードが励起される。この導波モードにより、表面プラズモンの場合と同様に、キャビティー層の表面に電界分布が生じ、多層膜表面近傍の電場がその他の領域と比較して増強される。この電場増強領域において蛍光強度は増強されるものであり、この誘電多層膜19が増強部材12Fを構成している。
スペーサ層19a、キャビティー層19bを構成する誘電体層の材料および厚みは、励起光の波長および蛍光体の波長を考慮してキャビティー層において導波モードが励起され得るものを適宜選択する。例えば、励起光として780nmの中心波長のレーザを用い、蛍光標識として蛍光色素IRDYe800CWを用いる場合には、スペーサ層として、1000nm厚みのフッ化マグネシウム(MgF2)層、キャビティー層として100nm厚みの二酸化チタン(TiO2)を好適に用いることができる。その他の多層膜としては、特表平7−502814号公報、特表平9−505135号公報に記載のものなど既知の導波モードを励起可能なものを用いることができる。
図5(A)に示すサンプルプレート10Gは、ガラス基板などの誘電体プレート11の一表面上に互いに異なる大きさ(面積)の2つの所定領域にそれぞれ該所定領域に応じた大きさの増強部材12G、12Hを設けたものである。ここで所定領域上の増強部材12G、12Hは、プレート11上に異なる大きさで形成された金属膜13により構成されているが、既述の図3、図4に示すいかなる手段により構成されたものであってもよい。精度の高い分子蛍光検出を行うためには、測定体積中の被分析物質の数を制限する必要がある。従って、低濃度な試料の場合にはある程度大きい測定体積でもよいが、高濃度な試料の場合にはより小さい測定体積とする必要がある。本サンプルプレート10Gのように、互いに異なる大きさの所定領域を備えた場合、より狭い面積の所定領域を被分析物質が高濃度な場合の測定に用い、より広い面積の所定領域を低濃度な場合に用いるなど高濃度から低濃度な試料まで対応することができダイナミックレンジの広域化を測ることができる。増強部材を備えた所定領域(増強領域)の面積は例えば、一方を20μm×20μm、他方を60μm×60μmとするなど適宜設定すればよい。
図5(B)に示すサンプルプレート10Hは、ガラス板などの誘電体プレート11の一表面上に互いに同じ大きさの所定領域に増強部材12I、12Jを設けたものである。さらに、一方の増強部材12I上には被分析物質と特異的に結合する結合膜40が固定されている。このサンプルプレート10Hを用いれば、増強部材12Iを測定領域、他方の増強部材12Jをリファレンス測定領域として用いることができる。
なお、一つの誘電体プレート上に設けられる増強部材を備えた所定領域(増強領域)は、1つあるいは2つに限らず、3以上設けてもよい。複数の増強領域がある場合には、励起光を一度に複数の増強領域に照射して、蛍光検出器をそれぞれに別個に用意して、それぞれの領域からの蛍光を同時に検出する形態としてもよいし、サンプルプレートと照射領域を相対的に移動させて励起光を順次照射し、順次測定を行う形態としてもよい。
上記構成の分子蛍光検出装置1を用いた分子蛍光検出方法について説明する。ここでは、増強部材12が誘電体プレート11上の所定な微小領域に設けられた金属膜13からなるものとして説明する。
光源21から出射された励起光L0はプリズム22を介してサンプルプレート10の試料接触面10aとは反対の面側から試料接触面10a(界面)に全反射角で入射され、全反射される。この励起光L0の照射により界面においてエバネッセント波Ew(図中破線で示す)が生じ、金属膜13表面に表面プラズモンが励起される。この表面プラズモンにより金属膜13上には、電界分布D(図中実線で模式的に示す)が生じ、電場増強領域が形成される。一方、エバネッセント波Ewの滲み出し領域においては蛍光標識fが励起されて蛍光が発生する。このとき、電場増強領域にある蛍光標識f1からの蛍光Lf1の強度は増強されるが、電場増強領域外にある蛍光標識f2からの蛍光Lf2強度は増強されない。また、エバネッセント波Ewの滲み出し領域以外の蛍光標識fは励起されず蛍光を発しない。信号検出部30においては、図示しない集光レンズにより蛍光を集光し、光検出器により蛍光検出を行う。この際には電場増強領域を含む広範囲の蛍光標識からの蛍光が集光され得るが、例えば、該蛍光を減衰させるフィルタを集光レンズと光検出器との間に備えることにより、蛍光強度が増強され強度の大きいものを検出することが可能となる。また、受光する蛍光を減衰させるためには、その他、受光素子のゲインを変更する、あるいは照明光の光量を変えるなどの方法がある。
光検出器で検出された蛍光信号は自己相関器で演算処理がなされ蛍光標識された分子の挙動から分子の大きさなどを推測することができる。
本分子蛍光検出装置および方法によれば、エバネッセント波の滲み出し領域と、電場増強領域とが重なる微小体積内に入出する蛍光標識からの蛍光信号のみを効果的に検出することができるため、蛍光標識された分子の挙動を高精度に測定することが可能となる。
従来の装置においては、測定体積を微小な領域とするために、共焦点顕微鏡を用いており、大きなNAの対物レンズを備えて共焦点領域にある蛍光のみを集光するように構成されていたが、本実施形態の装置においては、検出領域を共焦点顕微鏡の共焦点領域ほどに小さな領域に絞る必要がないために、大きなNAの対物レンズを必要とせず、蛍光を集光するためにも一般的な集光レンズを備えればよいため、装置を安価に構成することができる。また、従来の装置においては測定体積の光軸に沿った深さを、検出器の手前に配置されたピンホールを備えることにより制限していたが、エバネッセント波の滲み出し領域により光軸方向の蛍光励起領域を制限することができるために、ピンホールは必須ではなくなる。ピンホールを備えない構成とすれば、より簡単な構成となり、試料の屈折率の変動等の影響によりピンホールを通過する光の光量が減じられるなどの問題を抑制することができる。
なお、励起光源と蛍光標識に用いられる蛍光色素の好適な組合せの具体例としては以下の組合せが挙げられる。
光源として、743nmに中心波長を有するLD(シャープ株式会社製 LTO21MFO)、または白色LED(豊田合成株式会社製 E1L5C-AWOA*-04)にAndover社製のバンドパスフィルタ(740FS10-25)を組み合わせたものを用いる場合、蛍光色素として、743nmで励起され767nmの蛍光を生じるCy7もしくは752nmで励起され779nmの蛍光を生じるMolecular probe社のAlexa 750を用いる。
また、光源として、780nmに中心波長を有するLD(シャープ株式会社製 LTO24MD)または白色LED(豊田合成株式会社製 E1L5C-AWOA*-04)にAndover社製のバンドパスフィルタ(780FS10-25)を組み合わせたものを用いる場合、蛍光色素として、787nmで励起され812nmの蛍光を生じるLI-COR社製のIRDye800を用いる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態である分子蛍光検出方法およびそれに用いられる分子蛍光検出装置、ならびにサンプルプレートについて説明する。図6は装置の全体図、図7および図8は本実施形態に好適なサンプルプレートの例を示す図である。各図において説明の便宜上、各部の寸法は実際のものとは異ならせている。なおここでは、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
図6に示す分子蛍光検出装置2は、増強部材72と、励起光照射光学系20’とが上述の第1の実施形態の分子蛍光検出装置1とは異なる。
増強部材72は、励起光の照射を受けて、所謂局在プラズモンを生じるものであり、局在プラズモンにより、上述の表面プラズモンの場合の同様に電場増強効果を生じるものである。このような増強部材72を備えた場合には、励起光は全反射するように入射させる必要はなく、ここでは、励起光照射光学系20’は、ンプルプレート上方から励起光L0を照射するよう構成されている。
励起光照射光学系20’は、励起光L0を出力する半導体レーザ(LD)等からなる光源21と、励起光を反射してサンプルプレートへ導光するハーフミラー23とを備えている。ハーフミラー23は、励起光L0を反射し、蛍光を透過するものである。
ここで、図7、8を参照して、本実施形態に好適なサンプルプレートの態様について説明する。なお、図7、8はサンプルプレートの微小な所定領域に設けられた増強部材72の一部を示すものであり、図7(A),(B)は斜視図、図7(C)は断面図、図8は平面図である。
励起光の照射を受けて局在プラズモンを生じ増強場を生じさせる、微小な所定領域に設けられる増強部材は、表面に励起光L0の波長よりも小さい凹凸構造を有する金属微細構造体、あるいは、励起光の波長よりも小さいサイズの複数の金属ナノロッドにより構成することができる。
図7(A)に示す増強部材72Aは、誘電体プレート11の所定領域上にアレイ状に固着された複数の金属粒子73aからなる金属微細構造体73で構成されている。金属粒子73aの配列パターンは適宜設計できるが、略規則的であることが好ましい。かかる構成では、金属粒子73aの平均的な径及びピッチが励起光L0の波長よりも小さく設計される。
図7(B)に示す増強部材72Bは、誘電体プレート11の上に、金属細線74aが格子状にパターン形成された金属パターン層からなる金属微細構造体74で構成されている。金属パターン層のパターンは適宜設計でき、略規則的であることが好ましい。かかる構成では、金属細線74aの平均的な線幅及びピッチが励起光L0の波長よりも小さく設計される。
図7(C)に示す増強部材72Cは、Alなどの金属76の陽極酸化の過程で形成される金属酸化物体77の複数の微細孔77a内に成長させた複数のマッシュルーム状の金属75aからなる金属微細構造体75により構成されている。この金属微細構造体75は、金属体(Al等)の一部を陽極酸化して金属酸化物体(Al等)とし、陽極酸化の過程で形成される金属酸化物体77の複数の微細孔77a内に各々金属75aをメッキ等により成長させて得ることができる。
図7(C)に示す例では、マッシュルーム状の金属75aの頭部が粒子状であり、サンプルプレート表面から見れば、金属微粒子が配列されたような構造になっている。かかる構成では、マッシュルーム状の金属75aの頭部が凸部であり、その平均的な径およびピッチが励起光L0の波長よりも小さく設計される。
なお、増強部材としては、その他、特開2006-322067号公報、特開2006-250924号公報などに記載の金属体を陽極酸化して得られる微細構造体を利用した種々の形態の金属微細構造体を用いることができる。
さらには、増強部材を、表面が粗面化された金属層により構成してもよい。粗面化方法としては、酸化還元等を利用した電気化学的な方法等が挙げられる。
図8に示す増強部材72Dは、サンプルプレート上に配置された複数の金属ナノロッド79aから構成されている。金属ナノロッドのサイズは、短軸長さが3nm〜50nm程度、長軸長さが25nm〜1000nm程度であり、長軸長さを励起光の波長よりも小さいサイズとする。金属ナノロッドについては、例えば特開2007-139612号公報に記載されている。
なお、金属微細構造体あるいは金属ナノロッドなどは、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を主成分とするものが好ましい。
上記構成の分子蛍光検出装置2を用いた分子蛍光検出方法について説明する。
光源21から出射された励起光L0はハーフミラー23により反射されてサンプルプレート10の試料接触面10a上に入射される。この励起光L0の照射領域は、増強部材72が設けられた所定領域を含む該所定領域よりも大きい領域である。この励起光の照射により、増強部材72の表面で局在プラズモンが励起される。この局在プラズモンにより増強部材72上には、電界分布D(図中実線で模式的に示す)が生じ、電場増強領域が形成される。一方、励起光L0が照射された試料中の領域においては蛍光標識fが励起されて蛍光が発生する。このとき、電場増強領域にある蛍光標識f1からの蛍光Lf1の強度は増強されるが、電場増強領域外にある蛍光標識f2からの蛍光Lf2強度は増強されない。信号検出部30においては、図示しない集光レンズにより蛍光を集光し、光検出器により蛍光検出を行う。この際には電場増強領域を含む広範囲の蛍光標識からの蛍光が集光され得るが、例えば、該蛍光を減衰させるフィルタを集光レンズと光検出器との間に備えることにより、蛍光強度が増強された強度の大きいもののみを検出することが可能となる。
本分子蛍光検出装置および方法によれば、電場増強領域に入出する蛍光標識からの蛍光信号のみを効果的に検出することができるため、蛍光標識された分子の挙動を高精度に測定することが可能となり、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態の分子蛍光検出方法および装置3を図9から図11を参照して説明する。ここでは、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
図9に示す分子蛍光検出装置3は、蛍光標識fされた被分析物質Aを含む液体試料Sと該液体試料Sと接触する試料接触面10aおよび試料Sが流下される流路51を備えた試料セル50と、試料セル50の試料接触面10aに、該面10aで全反射するように励起光L0を照射させる励起光照射光学20と、励起光L0が全反射されたことにより試料接触面10aと試料Sとの界面から滲み出すエバネッセント波により励起される蛍光標識fからの蛍光Lfを検出する信号検出部30とを備えている。
励起光照射光学系20は、励起光L0を出力する半導体レーザ(LD)からなる光源21と、サンプルプレート10に一面が接触するように配置されたプリズム22とに加え、光源21から出射された励起光L0を集光し、プリズム22の一面から入射させるレンズ24およびミラー25からなる導光部材と半導体レーザ光源21を駆動するドライバ28とを備えている。
信号検出部30は、蛍光増強領域からの蛍光Lfを集光する集光レンズ31と、励起光L0の散乱光、漏れ光を除去するフィルタ32と、蛍光を検出器に導光するレンズ33と、レンズ33の焦点位置に配置されたピンホール34と、ピンホール34を透過した蛍光を受光する光検出器であるアバランシェフォトダイオード(APD)35と、光検出器からの信号を自己相関法により処理する自己相関器36を備えるものである。測定体積における光軸方向(z軸方向)の深さはエバネッセント波の滲み出し領域により規定することができるため、本来ピンホールはなくてもよい。しかしながら、励起光の散乱光、漏れ光などによりエバネッセント波の滲み出し領域以外の箇所において蛍光が励起されてしまうことも考えられ、ピンホールを備えてz軸方向の検出領域の制限を二重にすることがより望ましい。
図10(A)は、試料セル50の構成を示す平面図、同図(B)は試料セル50の側断面図である。試料セル50は、試料Sと接触する試料接触面10aを有する本発明の一つの実施形態に係るサンプルプレート10Kと、該サンプルプレート10K上に液体試料Sを保持し、液体試料Sの流路51を形成するスペーサ52と、試料Sを注入する注入口53aおよび排出する排出口53bを備えたガラス板からなる上板53とを備えている。注入口53aから流路51に至る箇所にはメンブレンフィルター54が備えられている。また、流路51下流の排出口53bに接続する部分には廃液だめ51bが形成されている。試料充填前においては、サンプルプレート10K上の流路51上流側から、蛍光標識fがなされた2次抗体Y2を物理吸着させてある標識2次抗体吸着エリア56、一次抗体Y1が固定された第1の測定エリア57、抗体が固定されていない第2の測定エリア58が順に設けられている。なお、図9中においては、試料が注入されて抗体が標識2次抗体と結合して流れた後の試料セル50を示しているために標識2次抗体吸着エリア56はもはや存在していない。
第1の測定エリア57および第2の測定エリア58の、試料接触面10aにはそれぞれ微小な所定領域に増強部材としてAu膜57a、および58aが形成されている。第1の測定エリア57にのみAu膜上には一次抗体Y1が固定されている。この点以外は第1の測定エリアと第2の測定エリアは同一の構成である。なお、抗体の固定は、金属膜上に設けられたCM(カルボキシメチルデキストラン)膜あるいはSAM膜(自己組織化単分子膜)などの固定膜を利用して行う。固定膜としては、その他、SiO2膜やPS(ポリスチレン)膜などでもよく、特にSiO2などの無機物が大量生産には向いている。
試料セル50は、励起光照射光学系20および信号検出部30に相対的にX方向に移動可能とされており、第1の測定エリア57からの蛍光検出測定の後、第2の測定エリア58を蛍光検出領域に移動させて第2の測定エリア58からの蛍光検出を行うように構成されている。
上記構成の分子蛍光検出装置を用いた分子蛍光検出方法の原理は第1の実施形態と同様であるため詳細は省略する。本実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様の効果を得ることができ、非常に精度の高い測定を行うことができ、かつ装置を安価に構成することができる。
さらに、この第3の実施形態の分子蛍光検出装置3および検出方法を利用した、試料中の被分析物質の濃度を調べる方法について説明する。
本実施形態のサンプルプレート10Kの第1の測定エリア57には一次抗体Y1が固定されている。被分析物質Aである蛍光標識fされた抗原が徐々に一次抗体Y1と結合して第1の測定エリア57上に固定されるため、この第1の測定エリア57に入出する抗原量は徐々に減ってくる。第1の測定エリア57上の一次抗体Y1への抗原の結合が完了すると蛍光信号のゆらぎが治まる。従って、蛍光信号のゆらぎを検出することにより、ゆらぎの変化(減少)を検出することにより、一次抗体Y1への抗原Aの結合完了時を判断することができる。結合完了した後は、第1の測定エリア57からの蛍光量を測定することにより、試料中の抗原量(濃度)を知ることができる。なお、第2の測定エリア58はリファレンスであり、浮遊している蛍光色素などによるバックグラウンドを第1の測定エリアの検出信号から補正するために用いられる。
被分析物質である抗原を含む血液(全血)を試料セル50の注入口から注入し、抗原が一次抗体と結合するまでの流れを図11を参照して説明する。
step1:注入口53aから被分析物質である抗原Aを含む血液(全血)S0を注入する。図11中において全血S0は網掛け領域で示している。
step2-step3:全血S0はメンブレンフィルター54により濾過され、赤血球、白血球などの大きな分子が残渣となる。
step4:メンブレンフィルター54で血球分離された血液(血漿)Sが毛細管現象で流路51に染み出す。図11中において血漿Sは斜線領域で示している。
step5:流路51に染み出した血漿Sと標識2次抗体Y2とが混ぜ合わされ、血漿中の抗原Aが標識2次抗体Y2と結合する。
step6:血漿Sは流路51に沿って排出口53b側へと徐々に流れる。
step7:標識2次抗体Y2と結合した抗原Aが、第1の測定エリア57上に固定されている一次抗体Y1と結合し、抗原Aが1次抗体Y1と2次抗体Y2で挟み込まれたいわゆるサンドイッチが形成される。
step8:標識2次抗体吸着エリアに抗原Aと結合しなかった標識2次抗体Y2が残っている場合があっても、後続の血漿が洗浄の役割を担い、プレート上に物理吸着していた標識2次抗体を洗い流す。
このように、血液を注入口から注入し、抗原が一次抗体と結合するまでのstep1からstep8までの間、図9のように励起光照射光学系20と信号検出部30は、第1の測定エリア57からの蛍光信号を検出する位置に配置されて、蛍光信号のゆらぎ測定を行っている。血漿の流れに従い蛍光標識が第1の測定エリア57上に入出し、一部は固定される。これに伴い検出される蛍光信号のゆらぎは徐々に減少する。蛍光信号のゆらぎが治まった後、この第1の測定エリア57からの蛍光強度を検出することにより、抗原の濃度を得ることができる。その後、試料セル50を第2の測定エリアからの蛍光信号を検出できるようにX方向に移動させ、第2の測定エリアからの蛍光信号を検出する。第2の測定エリアからの蛍光信号は試料セル50内部で浮遊する、抗原とは結合していない蛍光色素からの信号であると考えられ、この信号をリファレンスとして、第1の測定エリアからの信号を補正することにより、より精度の高い検出結果を得ることができる。
上述の本実施形態においては、サンプルプレート基体としては、いずれも誘電体プレートを用いるものとし、誘電体プレートの下方に励起光を全反射条件で入射させるためにプリズムを備えるものとしたが、プリズムの一面を試料接触面としてプリズムをサンプルプレート基体として用いるようにしてもよい。
<第3の実施形態の変更例>
図12および図13は第3の実施形態の変更例を示すものである。第1の測定エリア57および第2の測定エリア58内の、試料接触面10aにはそれぞれ微小な所定領域に増強部材として金属微細構造体73が形成されている。第2の実施形態で説明したように、増強部材として金属微細構造体73を備えたことにより、励起光として全反射光でなく、落射光、透過光などを用いることができる。なおこの場合、蛍光を励起するのはエバネッセント光ではなく、励起光L0自体である。
図12に示す装置3’において、励起光照射光学系20は測定エリアの下方から励起光L0を全反射光としてではなく、透過光として測定エリアに照射するよう構成されている。
図13に示す装置3”において、励起光照射光学系20は試料セル50の上方に配置され、試料セル50上方から励起光L0を測定エリアに照射するよう構成されている。
図12、図13のような場合、金属微細構造体73に励起光が照射されることにより生じた局在プラズモンにより電場増強場が生じ、該増強場において増強された蛍光を測定することとなる。これらの場合にも、第3の実施形態の場合と同様に、被分析物質の濃度検出を行うことができ、同様の効果を得ることができる。
<第4の実施形態>
本発明の分子分析光検出方法および装置に係る第4の実施形態であるラマン分光分析法および装置の構成について説明する。図14は装置の全体図を示す図である。なお、装置構成は第1の実施形態で説明した分子蛍光検出装置とほぼ同様であり、同一部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すラマン分光分析装置101は、被分析物質Aを含む試料Sと接触する試料接触面10aの微小な所定領域に、励起光が照射された場合に該所定領域上において該試料接触面10aの他の領域と比較して光を増強させる効果を有する増強部材12を備えたサンプルプレート10と、サンプルプレート10の試料接触面10aに、その試料接触面10aで励起光L0が全反射するように、サンプルプレート10の試料Sと接触しない側から励起光L0を、増強部材12を含むその増強部材12より大きい照射領域に照射し、照射領域の試料接触面10a上にエバネッセント波Ewを生じさせる励起光照射光学系120と、被分析物質Aがエバネッセント波Ewを受けて生じるラマン散乱光のゆらぎを検出する信号検出部130とを備えている。
励起光照射光学系120は、被分析物質Aのラマン散乱光を生じさせる波長の励起光L0を出力する半導体レーザ(LD)等からなる光源121と、サンプルプレート10に一面が接触するように配置されたプリズム22とを備えている。
信号検出部130は、ラマン散乱光Lを集光する集光レンズと、ラマン散乱光Lを検出する光検出器および光検出器からの信号を自己相関法により処理する自己相関器などを備えるものである。光検出は、受光した光を分光してラマン散乱光を検出し、ラマンスペクトルを得る分光検出器である。
サンプルプレート10は、第1の実施形態の装置で使用することができる、図2〜図5で説明したものを同様に用いることができる。
本実施形態のラマン分光分析装置101による分光分析方法は次の通りである
光源121から出射された励起光L0はプリズム22を介してサンプルプレート10の試料接触面10aとは反対の面側から試料接触面10a(界面)に全反射角で入射され、全反射される。この励起光L0の照射により界面においてエバネッセント波Ew(図中線で示す)が生じ、金属膜13表面に表面プラズモンが励起される。この表面プラズモンにより金属膜13上には、電界分布D(図中実線で模式的に示す)が生じ、電場増強領域が形成される。一方、エバネッセント波Ewの滲み出し領域においては被分析物質が励起されてラマン散乱光が発生する。このとき、電場増強領域にある被分析物質A1からの散乱光LA1の強度は増強されるが、電場増強領域外にある被分析物質A2からの散乱光LA2の強度は増強されない。また、エバネッセント波Ewの滲み出し領域以外の被分析物質は励起されず散乱光を発しない。信号検出部130においては、図示しない集光レンズにより散乱光を集光し、光検出器によりラマン散乱光の検出を行う。ラマン散乱光は非常に微弱な光であるため、増強された光のみが効果的に検出される。
<第5の実施形態>
第5の実施形態であるラマン分光分析方法および装置、ならびにサンプルプレートについて説明する。図15は装置の全体図を示す図である。ここでは、上述の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
図15に示すラマン分光分析装置102は、増強部材72と、励起光照射光学系120’とが上述の第4の実施形態のラマン分光分析装置101とは異なる。
増強部材72は、励起光の照射を受けて、所謂局在プラズモンを生じるものであり、局在プラズモンにより、上述の表面プラズモンの場合の同様に電場増強効果を生じるものである。このような増強部材72を備えた場合には、励起光は全反射するように入射させる必要はなく、ここでは、励起光照射光学系120’は、サンプルプレート10上方から励起光L0を照射するよう構成されている。
励起光照射光学系120’は、励起光L0を出力する半導体レーザ(LD)等からなる光源121と、励起光を反射してサンプルプレート10の試料接触面へ導光するハーフミラー123とを備えている。ハーフミラー123は、励起光L0を反射し、ラマン散乱光を透過するものである。
サンプルプレート10は、第2の実施形態の装置で使用することができる、図7および図8を参照して説明した、局在プラズモンに基づく増強場を生じるものを同様に用いることができる。
上記構成の分子蛍光検出装置102を用いた分子蛍光検出方法について説明する。
光源121から出射された励起光L0はハーフミラー123により反射されてサンプルプレート10の試料接触面10a上に入射される。この励起光L0の照射領域は、増強部材72が設けられた所定領域を含む該所定領域よりも大きい領域である。この励起光の照射により、増強部材72の表面で局在プラズモンが励起される。この局在プラズモンにより増強部材72上には、電界分布D(図中実線で模式的に示す)が生じ、電場増強領域が形成される。一方、励起光L0が照射された試料中の領域においては被分析物質Aからラマン散乱光が発生する。このとき、電場増強領域にある被分析物質A1からのラマン散乱光LA1の強度は増強されるが、電場増強領域外にある被分析物質A2からのラマン散乱光LA2の強度は増強されない。信号検出部130においては、図示しない集光レンズによりラマン散乱光を集光し、光検出器によりラマン散乱光の検出を行う。ラマン散乱光は非常に微弱な光であることから、増強された光のみが検出される。
第4および第5の実施形態で説明したように、本発明の分子分析光検出方法および装置は、蛍光検出方法および装置のみならず、ラマン分光分析方法および装置にも適用でき、同様の効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態による分子蛍光検出装置を示す概略構成図 (A)サンプルプレートの好適な例を示す斜視図、(B)(A)に示すサンプルプレートの側断面図、(C)(A)に示すサンプルプレートの上面図 (A)〜(C)はサンプルプレートの好適な例を示す側断面図 (A)、(B)はサンプルプレートの好適な例を示す側断面図 (A)、(B)はサンプルプレートの好適な例を示す斜視図 本発明の第2実施形態による分子蛍光検出装置を示す概略構成図 (A)、(B)は増強部材の一部を示す斜視図、(C)は増強部材の一部を示す側断面図 増強部材の一部を示す平面図 本発明の第3実施形態による分子蛍光検出装置を示す概略構成図 (A)図の装置に用いられるサンプルプレートの上面図、(B)図の装置に用いられるサンプルプレートの側断面図 試料セル50の注入口から試料を注入し、抗原が一次抗体と結合するまでの流れを示す図 本発明の第3実施形態の変更例1 本発明の第3実施形態の変更例2 本発明の第4実施形態によるラマン分光分析装置を示す概略構成図 本発明の第5実施形態によるラマン分光分析装置を示す概略構成図
符号の説明
1、2 分子蛍光検出装置
10、10A〜10K サンプルプレート
10a 試料接触面
11 誘電体プレート
12、12A〜12J、72、72A〜72D 増強部材
13 金属膜
14a 金属薄膜層
14b 金属膜
14c 金属粒子層
15 Ag膜
16 Au膜
17 金属膜
18 不撓性膜
19 誘電体多層膜
19a スペーサ層
19b キャビティー層
20、120 励起光照射光学系
21、121 光源
22 プリズム
30、130 信号検出部
31 集光レンズ
34 ピンホール
35 光検出器(APD)
36 自己相関器
50 試料セル
101、102 ラマン分光分析装置

Claims (16)

  1. 被分析物質を含む試料と接触する試料接触面の微小な所定領域に、所定の励起光が照射された場合に、該所定領域上において該試料接触面の他の領域上と比較して前記被分析物質から生じる光を増強させる増強場を生じさせる増強部材を備えたサンプルプレートを用意し、
    前記所定の励起光を、前記試料接触面の前記所定領域を含む該所定領域より大きい照射領域に照射し、
    前記所定の励起光の照射により生じた前記増強場により増強された前記被分析物質から生じる光を受光し、
    受光した前記光に基づく信号を自己相関法により統計的に処理することで、前記所定領域上に生じた前記増強場の有効な領域により規定される測定体積中への前記被分析物質の出入りに起因して生じる前記信号の変化に基づいて、前記被分析物質の数および/または動き易さを求めることを特徴とする分子分析光検出方法。
  2. 前記被分析物質として予め蛍光標識したものを用い、前記被分析物質から生じる光として該被分析物質の前記蛍光標識から生じる蛍光を受光することを特徴とする請求項1記載の分析光検出方法。
  3. 前記被分析物質から生じる光として該被分析物質から生じるラマン散乱光を受光することを特徴とする請求項1記載の分析光検出方法。
  4. 被分析物質を含む試料と接触する試料接触面の微小な所定領域に、所定の励起光が照射された場合に、該所定領域上において該試料接触面の他の領域上と比較して前記被分析物質から生じる光を増強させる増強場を生じさせる増強部材を備えたサンプルプレートと、
    前記所定の励起光を、前記試料接触面の前記所定領域を含む該所定領域より大きい照射領域に照射する励起光照射光学系と、
    前記増強場により増強された前記被分析物質から生じる光を受光し、受光した前記光に基づく信号を自己相関法により統計的に処理することで、前記所定領域上に生じた前記増強場の有効な領域により規定される測定体積中への前記被分析物質の出入りに起因して生じる前記信号の変化に基づいて、前記被分析物質の数および/または動き易さを求める信号検出部とを備えたことを特徴とする分子分析光検出装置。
  5. 被分析物質を含む試料に所定の励起光を照射して生じる光のゆらぎを検出する請求項1から3いずれか1項記載の分子分析光検出方法に用いられるサンプルプレートであって、
    前記試料と接触する試料接触面の、該試料接触面における微小な所定領域に、前記所定の励起光が照射された場合に、該所定領域上において該試料接触面の他の領域上と比較して前記被分析物質から生じる光を増強させる増強場を生じさせる増強部材を備え
    前記所定領域は、該所定領域上に生じた前記増強場の有効な領域により規定される測定体積中への前記被分析物質の出入りに起因して生じる前記光に基づく信号を、自己相関法により統計的に処理することで、前記信号の変化に基づいて前記被分析物質の数および/または動き易さを求めることができる程度の微小面積を有することを特徴とするサンプルプレート。
  6. 前記微小面積が324〜3600μm であることを特徴とする請求項5記載のサンプルプレート。
  7. 前記増強部材が、前記所定領域上に備えられた金属膜により構成されていることを特徴とする請求項5または6記載のサンプルプレート。
  8. 前記試料接触面上に金属薄膜層が形成されており、
    前記増強部材が、前記金属薄膜層上の、前記所定領域に対応する領域に形成された金属膜により構成されていることを特徴とする請求項5または6記載のサンプルプレート。
  9. 前記試料接触面上に金属薄膜層が形成されており、
    前記増強部材が、前記金属薄膜層上の、前記所定領域に対応する領域に形成された、前記光の消光を防止する不撓性膜により構成されていることを特徴とする請求項5または6記載のサンプルプレート。
  10. 前記金属膜がAgからなり、
    前記金属膜がAu膜に覆われていることを特徴とする請求項記載のサンプルプレート。
  11. 前記増強部材が、前記所定領域上に備えられた誘電体多層膜により構成されていることを特徴とする請求項5または6記載のサンプルプレート。
  12. 前記増強部材が、前記所定領域上に備えられた、前記所定の励起光の波長よりも小さい周期の凹凸を表面に有する金属微細構造体により構成されていることを特徴とする請求項5または6記載のサンプルプレート。
  13. 前記増強部材が、前記所定領域上に配置された、前記所定の励起光の波長よりも小さいサイズの複数の金属ナノロッドにより構成されていることを特徴とする請求項5または6記載のサンプルプレート。
  14. 前記試料接触面に前記増強部材を備えた前記所定領域が複数設けられていることを特徴とする請求項5から13いずれか1項記載のサンプルプレート。
  15. 前記複数の所定領域の面積が互いに異なることを特徴とする請求項14記載のサンプルプレート。
  16. 前記複数の所定領域のうち少なくとも1つの領域上に、前記被分析物質と特異的に結合する結合膜が固定されており、他の少なくとも1つの領域には、前記結合膜が固定されていないことを特徴とする請求項14記載のサンプルプレート。
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