JP5079322B2 - 新規のコラーゲン製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、新規のコラーゲン製造方法に関し、より詳しくは、発酵工程を使用するコラーゲン含有組織からのコラーゲンの抽出と、それにより製造されるコラーゲン生成物に関する。
コラーゲンは細胞外マトリックスの主要なタンパク質成分である。哺乳動物では、コラーゲンは、多くの場合、全身タンパク質の60%をも構成している。コラーゲンは、皮膚、腱、骨および歯の有機質の大部分を構成しており、他の大部分の身体構造においては繊維性封入体(fibrous inclusion)として生じている。さらに、コラーゲンは魚の皮の主成分でもある。
コラーゲンには多数の型があり、それらは種々の組織の条件に合致するように互いに異なっている。現在、I型からXIX型までの動物コラーゲンが発見されており、これらのうち、I型からV型のコラーゲンが医療用材料および化粧品用材料、ならびに栄養補助食品として様々な方法で用いられている。特に、I型コラーゲンは、細胞外マトリックスとして最も一般的に用いられている。これらのコラーゲンは、酸可溶化、アルカリ可溶化、中性可溶化、および/または酵素的可溶化により、ウシ、ブタ、トリ、カンガルー等の動物の皮膚、骨、軟骨、腱および内臓等の様々な器官の結合組織から抽出、精製されている。
アルカリ可溶化では、塩溶液を用いて、極小の架橋を含む小型画分であるコラーゲンの塩可溶性画分を抽出する。
また希釈酸性溶液を用いて、若く急激に成長している組織からコラーゲンが抽出されている。酸可溶性画分は、塩可溶性画分に比べてわずかに大きい。しかしながら、その抽出溶液の取り扱いは、それらのpH値が酸性であるために危険性が大きい場合がある(Grossら、Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A.、41、pp1〜7 (1955)、およびDavisonら、Conn. Tiss. Res.、1、pp205〜216 (1972))。
酵素的可溶化(例えば、ペプシンの使用)もまたコラーゲンの別の画分を可溶化するために用いられている。酵素抽出は、その方法が高収率であって、かつ高純度のコラーゲンを製造することから、多くの場合において望ましいものである。しかし、酵素抽出は、部分的な分解コラーゲンを産生する(すなわち、この抽出酵素は、コラーゲンの相互架橋を含む末端の非らせん状領域でコラーゲン分子を切断する)という欠点がある。酵素ペプシン(酵素抽出コラーゲンの製造にあたって多くの場合用いられている酵素)の使用により抽出されたコラーゲンは、生存組織同等物を生じるが、あいにくこれらは、特定の適用(例えば、この組織同等物の実質的な機械処理を含む適用)には不向きであることがわかっている。
Grossら、Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A.、41、pp1〜7 (1955) Davisonら、Conn. Tiss. Res.、1、pp205〜216 (1972) Samuel, B.ら、Medical Microbiology 第4版、第1節、(1996) Skyes, B.ら、Biochemical and Biophysical Research Communications 72(4): 1472-1480 (1976) Berg, M. Jeremyら、Biochemistry chap. 16 (2002) 米国特許第5106949号 米国特許第5436135号
したがって、改良されたコラーゲン組成物と、かかる組成物の製造方法が求められている。
本発明は、発酵工程を用いてコラーゲン含有組織からコラーゲンを取得する、新規のコラーゲン製造方法を提供することによって前記課題を解決する。発酵は、生合成反応または同化反応で細胞によって必要とされるATPとよりシンプルな有機化合物を製造するための、微生物によるグルコース等の有機化合物の嫌気性生物学的酸化である(Samuel, B.ら、Medical Microbiology 第4版、第1節、(1996))。微生物は、発酵の終了時に広範囲の分子を産生することができる。コラーゲン含有組織は、種々の微生物(これらに限定されるものではないが、一般に安全と認められる(GRAS)と考えられている微生物を含む)による発酵に供することができる。発酵反応に供されたコラーゲン含有組織によってより質の高いコラーゲンが得られるとともに、コラーゲン抽出率を高めることができる。また発酵を適用した場合、環境および労働者に有害な可能性がある化学的溶媒および有機溶媒の使用が減少する。
したがって、発酵によるコラーゲン抽出には多くの利点がある。先行技術の方法により抽出されるコラーゲンは、多くのコラーゲンポリマーと分子量の小さいタンパク質不純物を含んでいるが、発酵により抽出されるコラーゲンは純度が高く、保存性の高いコラーゲンモノマーを主として含有している。また、このコラーゲンの収率は、先行技術の方法により製造される収率の約5〜10倍である。さらに、発酵を使用した場合、抽出工程で使用されている化学溶媒および有機溶媒の使用が減少する。実際、多量のアルカリ溶媒を使用する先行技術の方法と異なり、本発明では、コラーゲン含有組織の処理にアルカリ溶媒は使用しない。したがって、本発明はまた環境保護の理由においても良好な選択である。
コラーゲンの全型は発酵を介して抽出することが可能である。また、種々の型のコラーゲンの分離は、異なるイオン強度とpH値を有する溶液中におけるそれらの溶解性に関してすでに十分に報告されている。コラーゲンのI型、II型およびIII型は、抽出後、それらのイオン強度の違いに基づいて単離することができることが十分に確立されている。I型コラーゲンおよびIII型コラーゲンの分離は、断続的電気泳動によって達成することができる。この技術は当業者には周知である(Skyes, B.ら、Biochemical and Biophysical Research Communications 72(4): 1472-1480 (1976))。I型コラーゲンは、主として真皮層および腱の中に存在する。II型コラーゲンは、主に軟骨で確認されている。III型コラーゲンもまた真皮層中で確認されている。
本発明は、コラーゲンを得るために発酵を利用する方法を対象とする。
本発明は、細菌または酵母等の微生物が関与する発酵を介して得られるコラーゲンに関する。
あるいは、本発明は、発酵後、酸性溶液中に発酵させた組織を溶解させることを提供する。別の実施形態では、酸性溶液で可溶化した後、コラーゲンを塩の添加により沈殿させる。
さらに本発明は、発酵により製造されるコラーゲンと、そのようにして製造されるコラーゲンを対象とする。
添付の図面(本明細書中に組み入れられ、本明細書の一部を構成する)は、本発明のいくつかの実施形態を説明し、本記載と一緒に、本発明の原理について説明する役目を果たすものである。
本発明は、コラーゲンを微生物が関与する発酵を介して取得する、新規のコラーゲンの製造方法を対象とする。さらに、本発明は、発酵させた組織の酸可溶化と、その後の塩添加による抽出コラーゲンの沈殿とをさらに提供する。また本発明は、本発酵工程によりこのように製造されるコラーゲンと、かかるコラーゲンを含有するコラーゲン生成物も提供する。
定義
本明細書では、「コラーゲン」という用語は、高伸張強度を持ち、かつ大部分の多細胞生物で確認されている、結合組織の主要タンパク質を意味する。コラーゲンは主要な繊維状タンパク質であって、さらに基底膜中の非繊維性タンパク質でもある。コラーゲンは、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、およびヒドロキシリシンを豊富に含有している。現在、コラーゲンI型〜XIX型が同定されており、それらの型はα鎖のアミノ酸構造によって異なっている。本明細書で用いる「コラーゲン」という用語は、天然または非天然のいずれかの、アテロコラーゲン、不溶性コラーゲン、コラーゲン繊維、可溶性コラーゲン、および酸可溶性コラーゲンなどの、すべての形態のコラーゲンとすべての型のコラーゲンを意味するものと理解する。
本明細書では、「コラーゲン含有組織」という用語は、これらに限定されるものではないが、腱、皮膚、角膜、骨、軟骨、歯、椎間板、胎児の皮膚、心臓血管系、基底膜、胎盤、および任意の皮膜組織下の固着性繊維をはじめとする、コラーゲンを含有するすべての組織を意味する。
本明細書では、「コラーゲン生成物」という用語は、少なくとも1種のコラーゲンを含有するすべて生成物、および加水分解物をはじめとするすべての誘導生成物を意味する。加水分解物は、当業者に周知の方法により化学的にまたは酵素的に得ることができる。コラーゲンまたはその誘導体は、その形態にかかわらず、全体的に副成分または主成分であり得る。
本明細書では、「加水分解する」という用語は、加水分解(水を用いて化合物を分解する化学反応;この反応は、結合を中断して水分子を介入させ、化合物中の共有結合を開裂させることにより達成されるものである)に供することを意味する。
本明細書では、「発酵する」および「発酵」という用語は、細菌、酵母および他の微細生物等の微生物が、1種または複数の物質を代謝して生存していくために必要なエネルギーと化学物質を製造し、かつ再産生する、嫌気性の工程を意味する。この化学反応の工程は、いくつかの形態の副産物を製造する。微生物は、発酵の終了時に多様な分子を生成し得る。例えば、二酸化炭素とエタノールは、酵母による醸造で製造される副産物であり、ピルビン酸塩は乳酸発酵で乳酸に変換される。発酵は、有機化合物が電子の供与体および受容体の両方の役割を果たすATP産生工程であり、発酵はO2の不在下で起こり得る(Berg, M. Jeremyら、Biochemistry chap. 16 (2002))。
本明細書では、「微生物」という用語は、細菌、菌類、原生動物、藻類、およびウイルスをはじめとする、肉眼で見るには小さすぎる生物を意味する。
本明細書では、「GRAS」という用語は、これらに限定されるものではないが、バチルス属、ラクトバチルス属、シュードモナス属、および酵母をはじめとする、当業者に周知の一般に安全と認められている微生物(Generally Regarded as Safe Microorganisms)を意味する。
本明細書では、「栄養培地」という用語は、微生物生命の増殖と維持に必要な物質を含有している培地を意味する。
本明細書では、「トリ」という用語は、鳥類または鳥類由来のものを意味する。
本明細書では、「水生動物」という用語は、これらに限定するものではないが、魚、クラゲ、甲殻類(クルマエビおよびカニ等)、ならびに頭足類(ヤリイカおよびタコ等)をはじめとする、水中で成長し生存している空気呼吸動物および非空気呼吸動物を意味する。
本明細書では、「ブタ」という用語は、豚または豚由来のものを意味する。
本明細書では、「酸性溶液」という用語は、以下の特性:酸味がある、青色リトマス紙を赤色に変化させる、の1つ以上有する溶液を意味し、金属と結合して塩を形成し得る化合物を含有する。この溶液のpH値は7未満である。酸性溶液の例としては、これらに限定されるものではないが、酢酸、クエン酸、ギ酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、プロピオン酸、および乳酸等の溶液が挙げられる。
本明細書では、「塩」という用語は、金属または金属と同じように作用する基(これらに限定されるものではないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、アンモニア硫酸塩、硫酸ナトリウム、酢酸カリウム、および酢酸ナトリウム等)により酸の一部または全部の酸水素を置換させる任意の多くの化合物を意味する。
本明細書では、「濾過」という用語は、濾過方法または濾過作用を有する任意の他の方法(例えば、遠心分離、蒸留、透析、もしくは懸濁液中の物質を分離させる作用を有する任意の他の方法)を意味する。
発酵を用いるコラーゲンの製造
本発明は、コラーゲン含有組織を供給するステップと、微生物を供給するステップと、前記微生物に前記コラーゲン含有組織を発酵させるステップとを含む、コラーゲンの製造方法を対象とする。発酵は、細菌、酵母および他の微小生物等の微生物が1種または複数の物質を代謝し、生存に必要なエネルギーと化学物質を製造し、かつ再製造するとともに、いくつかの形態の副産物を製造する、嫌気性工程である。コラーゲン含有組織は、哺乳動物、水生動物、またはトリから得ることができる。コラーゲン含有組織を発酵工程に供した場合、先行技術の他の方法から得られる収率に比べると高収率で、主としてコラーゲンモノマーを含むコラーゲン組成物をそれらの組織から容易に抽出することができる。
コラーゲン含有組織の発酵は、微生物を使用して実施する。一実施形態では、微生物は細菌を含む。より具体的な一実施形態では、使用される細菌はグラム陽性である。本発明のさらに具体的な一実施形態では、バチルス属に属する細菌を用いる。あるいは、本発酵は、酵母を含む微生物を用いることにより実施する。別の実施形態では、本発酵は、GRAS微生物を含む微生物を用いることにより実施する。より具体的な一実施形態では、本発酵は、GRASグラム陽性微生物である微生物を用いることにより実施する。
本発明の別の実施形態では、コラーゲン含有組織は、哺乳動物、水生動物、またはトリから得る。
別の実施形態では、本発明は、発酵させた組織を上に定義した酸性溶液中で溶解させることによりコラーゲンを抽出することをさらに含む。より具体的な一実施形態では、コラーゲンの抽出は、濾過により酸性溶液から不溶性組織を除去することをさらに含む。さらなる実施形態では、コラーゲンの抽出は、上に定義した塩の添加により、発酵させた組織を含有する酸性溶液からコラーゲンを沈殿させることをさらに含む。より具体的な実施形態では、沈殿させたコラーゲンは濾過により回収する。別の実施形態は、抽出コラーゲンを加水分解することをさらに提供する。加水分解は、例えば、酸処理、アルカリ処理、加熱変性後のプロテアーゼ開裂、超音波法、およびコラゲナーゼ処理等の当業者に周知の種々の方法により実施することができる。
本発明のより具体的な実施形態は、以下のステップを含むコラーゲンの製造方法に関する。最初に、1種または複数の哺乳動物、トリまたは水生動物源由来のコラーゲン含有組織を供給する。次いで、バチルス属に属するグラム(+)細菌を供給する。次に、約160μlの細菌および栄養培地とともに、発酵槽中、コラーゲン含有組織を約10%w/vの量で発酵させる。続いて、約0.5M酢酸(pH約3.0)と約1%w/vのペプシンを含む水溶液中に前記の発酵させた組織を溶解させる。次いで、濾過、あるいは上に定義したような、濾過と同様の作用を有する他の方法により不溶性組織を除去する。次に、発酵させた組織を含有する酢酸溶液に塩を添加し、一晩静置してコラーゲンを沈殿させる。
本発明の別の実施形態は、以下のステップを含むコラーゲンの製造方法を対象とする。最初に、1種または複数の哺乳動物、トリまたは水生動物源由来のコラーゲン含有組織を供給する。次いで、バチルス属に属するグラム(+)細菌を供給する。次に、約10μlの細菌および栄養培地とともに、発酵槽中、コラーゲン含有組織を約10%から約40%w/vの量で発酵させる。続いて、約0.5M酢酸(pH約3.0)と約0.4%から2%w/vのペプシンを含む水溶液中に前記の発酵させた組織を溶解させる。
コラーゲンおよびコラーゲン生成物
また本発明は、発酵を介してコラーゲン含有組織から得られたコラーゲンモノマーを含むコラーゲン生成物を対象とする。本コラーゲン生成物は、少なくとも1種のコラーゲン、および任意の誘導生成物(加水分解物を含む)を含有するすべての生成物であり得る。加水分解物は、当業者に周知の方法により化学的または酵素的に得ることができる。コラーゲンまたはその誘導体は、その形態にかかわらず、全体的に副成分または主成分であり得る。より具体的な実施形態では、本発酵は、細菌を含む微生物を用いることにより実施される。より具体的な実施形態では、本発酵工程で用いられる細菌はグラム陽性である。あるいは、用いられる細菌はバチルス属である。別の実施形態では、本発酵工程で用いられる微生物は酵母を含む。次いでさらに、本発酵工程で用いられる微生物はGRAS微生物を含む。より具体的な実施形態では、コラーゲン含有組織は、哺乳動物、水生動物またはトリから得られる。
別の実施形態では、本発明は、コラーゲンモノマーを含むコラーゲン生成物を対象とする。一実施形態では、コラーゲン生成物は、コラーゲン生成物中の全コラーゲン重量に関して少なくとも約10重量%のコラーゲンモノマーを含む。より具体的な実施形態では、その量は少なくとも約50%であり、別の具体的な実施形態では、少なくとも約80%である。
コラーゲン生成物は、医療用材料、薬剤用途、化粧品用途、および食品用途等の多くの用途に使用することができる。
医療用材料として用いられる種々の材料の中で、コラーゲンは生物学的に好適である。コラーゲンの長所としては、以下の特性:優れた生物親和性と組織適合性;低抗原性(コラーゲンは、一つには、その三重らせん構造による潜在的抗原決定基のマスキングにより、免疫原が比較的弱性である);そのらせん構造に起因するタンパク質分解に対する高い耐性;宿主細胞分化および増殖を促進する能力;止血作用;細胞接着および筋肉-骨格系の主要な引張荷重を持つ成分に関する天然物質;完全分解され、かつ身体に吸収される能力、の1つまたは複数が挙げられる。したがって、コラーゲンは、医療用材料としての使用に特に好適な特性を有している。これらの特性ゆえに、コラーゲンは、移植可能な人工器官の製造、生存組織同等物の調製、細胞増殖マトリックスの製造、火傷または創傷用の包帯の製造、あるいは損傷を受けた腱等を治療するための被覆材料(sheathing)の製造において用途がある。
すべての用途で非常に高品質のコラーゲンが所望されており、かつ需要がある。不純物が少なく高度に精製されたコラーゲンは、食品成分としての使用においてだけでなく、医療用材料、化粧品用材料および写真フィルム用乳化剤などの様々な工業上の使用にも適応し得ることは理解されよう。先行技術の方法ではコラーゲンの変性および分解が生じる場合が多く、食品分野および産業分野の両方でこのコラーゲンの使用は制限されている。しかし、本発明に記載の発酵を介したコラーゲン抽出は、保存状態の良好なコラーゲンモノマーが取得可能であり、商業用途および医療用途において有用なコラーゲン源としてこれを提供することができる。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察と本明細書に記載の本発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、単に例示的なものとして検討しているものであり、正確な本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲により開示されているものとする。
特に断りのない限り、本明細書で使用しているすべての技術用語および科学用語の意味は、本発明が属する当業者により通常理解されるものである。また当業者は、本明細書に記載されているものと類似または同等のすべての方法および材料も、本発明を実施または試験に用いることができることを理解するであろう。さらに、本明細書に記載のすべての刊行物は、引用により援用するものとする。
値の範囲に関しては、本明細書が特に明示していない限り、本発明は、その範囲の上限値と下限値の間にそれぞれ介在する値をその下限値の単位の少なくとも10分の1まで包含する。さらに本発明は、すべての他の表示された介在値を包含する。さらに本発明は、表示した範囲から明確に外れない限り、その範囲の上限値および下限値のいずれか、または両方以外の範囲も包含する。
さらに、特段の記載のない限り、本明細書と特許請求の範囲で使用している成分の量、反応条件、純度の%、ポリペプチド長およびポリヌクレオチド長などを表すすべての数値は、「約」という用語により調整される。したがって、本明細書と特許請求の範囲に記載の数値パラメーターは、本発明の所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、また、特許請求の範囲に対する等価の原則の適用を限定するものではないが、各数値パラメーターは、通常の四捨五入法を適用して、報告した有効数字の数値を考慮しながら少なくとも解釈すべきである。とはいえ、具体的な実施例で記載している数値は可能な限り正確に報告している。しかし、いかなる数値も、その実験測定の標準偏差に由来する一定の誤差を実質的に含んでいる。
本明細書において、また添付の特許請求の範囲で使用されている場合の「1つの(a)」「または(or)」、および「この(the)」という単数形態には、特段の明確な記載がなされていない限り、複数の指示が含まれることに留意されたい。したがって、例えば、「1つの対象のポリペプチド」という記載には複数のかかるポリペプチドが含まれ、また「この薬剤」という記載には、当業者に周知の1種または複数の薬剤および同等物等についての記載が含まれる。
以下の実施例で本発明をさらに説明する。これらの実施例は本発明の単なる例示であり、本発明の特定の実施形態の有益な種々の特性を記載するものである。以下の実施例は本発明を限定するものとして解釈すべきでない。
(実施例)
特段の指示のない限り、本発明の実施は、当技術分野の範囲内にある細胞生物学、細胞培養および発酵の慣用の技術を用いる。かかる技術は、文献において十分に説明されている。
(実施例1)
コラーゲン抽出発酵で使用する単離細菌の同定
細菌培養物の調製
フィールド(field)から細菌を収集し、上に記載したコラーゲン含有組織からコラーゲンを抽出する発酵に用いた。これらの細菌は、単離細菌TW-S-7-1として同定された。同定用の細菌培養物の調製においては、単離細菌を栄養寒天プレート上に画線塗布した。次いで、このプレートを37℃にて16時間インキュベートした。その後、5つの個別の細菌コロニーを、それぞれ新しい栄養ブロス5mlを入れた異なる5本の「L」型試験管中に接種した。この試験管を37℃にて16〜24時間、撹拌(50〜200rpm)を行いながら保持した。細菌を接種していない新しい栄養ブロス5mlを入れた別の試験管をネガティブコントロールとして調製した。このコントロールの試験管は、37℃にて撹拌(50〜200rpm)を行いながらインキュベートした。
細菌を接種した5本の試験管すべてにおいて、細菌増殖を示す混濁が認められた。ネガティブコントロール試験管では増殖の様子は認められなかった。
グラム染色
TW-S-7-1細菌についてグラム染色を実施した。最初に、きれいなスライド上に新たに培養した細菌の液滴を置き、均一に広げた。10秒間フレームを加熱することにより塗抹標本を固定した。次いで、スライド上の固定塗抹標本を60秒間1%クリスタルバイオレットに浸漬した。過剰の染料を流し、スライドを水道水で丁寧に洗浄した。ペーパータオルを用いてスライド上の水を除いた。肉眼で観察したところ、標本は青紫色であった。
続いて、塗抹標本を60秒間グラムのヨード液(Gram's iodine)で洗浄した。次いで、追加のグラムのヨード液を添加し、塗抹標本をさらに60秒間置いた。次いで、塗抹標本スライドを水道水で洗浄し、ペーパータオルで水を除いた。
続いて、塗抹標本スライドを95%のエタノールで30秒間洗浄し、次いで、コロニー除去を停止するように水道水で洗浄した。対比染色法を行うために、スライドに0.25%のサフラニンを30秒間供した。次いで、このスライドを水道水で洗浄し、ペーパータオルで水を除去し、オイル漬浸領域下で試験した。
細胞の形態、相対的な大きさ、および染色パターンを図1に示した。多くの桿状構造を容易に確認することができる。すべての桿状構造はダークブルー色であるので、これらの構造はしたがってグラム陽性である。この構造の長さは、約1〜1.5μmであると推定された。桿状構造の内部で確認された屈折性卵形微細構造または楕円形微細構造は、細菌内生胞子である。
カタラーゼアッセイ
新しいTW-S-7-1の細菌培養物30μlをスライド上に塗抹標本し、3分間風乾した。過酸化水素(H2O2)溶液(30%v/v)のアリコートを慎重に施して塗抹標本を完全に被覆し、次いで、この塗抹標本を5分間室温にてインキュベートした。気泡の形成は、細菌によるカタラーゼの産生を示すものである。
H2O2溶液(3%v/v)を添加した場合、気泡は直ちに発生した。カタラーゼは、H2O2を水と酸素に変えて細胞からH2O2を除去するために細胞により産生される。
結果
試験した単離細菌TW-S-7-1は、グラム染色でバイオレット色を保持した。したがってグラム陽性である。この単離細菌の長さは1〜1.5μmである。またこの単離細菌は、カタラーゼアッセイにおいてカタラーゼを産生する。したがって、単離細菌TW-S-7-1は、バチルス属に属するものと同定される。
(実施例2)
細菌発酵を用いるトリ組織由来コラーゲンの製造
約800グラムのニワトリの足を水道水で完全に洗浄した。肉、皮膚および腱(総称して組織として知られている)を含む軟組織約400グラムをこれらの材料から回収し、小さな断片(長さ0.5cm、幅0.5cm)にカットした。これらの組織を15分間70%エタノール中に浸漬した後、0.5〜2時間、バイオセーフティーフード内で風乾した。
バチルス属に属するグラム(+)フィールド単離細菌を、これらの組織からコラーゲンを抽出するために用いられる発酵工程で使用した。この微生物を栄養培地中、150rpmで一定振盪させながら37℃にて24時間培養した。新鮮な細菌培養物1ループ(約10μl)を個別に25mlの栄養培地を入れた4個の125ml容ヒントン(hinton)フラスコへ個別に接種し、250rpmの一定振盪浸下で24時間増殖させた。各フラスコの内容物を均等に100mlまでスケールアップし、さらに24時間増殖させた。発酵前に、4個のフラスコすべてからの細菌培養物を、4リットルの栄養培地を入れた6リットル容の発酵槽に移し、37℃にて24時間増殖させた。細菌増殖条件として、撹拌速度およびエアレーション速度はそれぞれ450rpmおよび3vvmに設定した。
次いで、上述のように調製したトリ組織を発酵槽に投入した(10%w/v)。増殖条件は、撹拌をその後350rpmに調節したという点を除いて、変更はなかった。発酵は24時間実施した。発酵が完了した時点で、発酵させたトリ組織を慎重に培養ブロスから分離し、再蒸留水で完全に洗浄した。
トリコラーゲン(詳しくはI型コラーゲン)は、0.5M酢酸(pH3.0)および1%ペプシン(w/w)を含有する水溶液(3%w/v)中、48時間4℃にて穏やかに撹拌させながら、発酵させた組織を溶解させることにより容易に抽出された。
発酵させた組織を溶解した後に残存していた不溶性組織と回収した酸性溶液中の大型粒子は、4℃にて30μmの接線(tangential)濾過により除去した。その後、濾液を脱脂した。これは、酸性溶液を4℃にて細粒活性炭を通して濾過することにより行った。活性炭粒子を含む不溶性材料は、50分間5000×gでその溶液を遠心分離にかけることにより除去した。
上述のようにして得られた冷却酸性溶液に塩560グラムをゆっくりと添加し、完全に溶解するまで、穏やかに撹拌した。この溶液を一晩4℃にて静置し、コラーゲンをゆっくりと沈殿させた。その混合物を4℃で50分間2000×gで遠心分離することにより沈殿コラーゲンを濃縮させた。上清を慎重に廃棄し、ミルクのような色調にみえるコラーゲン含有ペレットを、新たに調製した0.5M酢酸を含有する酸水溶液中、4℃にて緩やかな撹拌を行いながら再度溶解させた。
粗製トリI型コラーゲン含有溶液は、3μmの細孔径フィルター膜を濾過させることによりさらに精製した。流出液は、0.2μmの細孔径渦巻状カートリッジ(spiral wound cartridge)を用いて逆浸透濾過により精製した。トリI型コラーゲンを濃縮するために、50キロダルトン分離渦巻状カートリッジを用いて別の逆浸透濾過によりその溶液を濃縮した。この濾過ステップを繰り返して、濃縮化し、50キロダルトン未満の分子量を有する小型ペプチドまたは他の混入物を最大限除去した。
この段階で、トリ組織から調製したコラーゲン含有溶液の組成物および純度をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析した。図2を参照されたい。図2は、コラーゲンの抽出されたα形態およびβ形態、ならびにそれらの重量の示す。α形態は、重量が約95〜100kDaのコラーゲンモノマーである。β形態は、重量が約200kDaのポリマーである。抽出されたコラーゲンは、約100〜200kDaの保存状態の良好なコラーゲンモノマーである。この結果は、多くのコラーゲンモノマーが抽出されたことを示している。
濾過後、コラーゲン含有溶液を-80℃で凍結保存し、次いで、凍結乾燥してトリI型コラーゲン粉末を得た。この粉末を慎重に計量したところ、回収されたトリI型コラーゲンの重量は、用いた最初の全組織の30%であると推定された。これは、米国特許第5106949号に記載されているコラーゲン調製方法の結果の約10倍である(この特許では、コラーゲン収率は、細かく分断された腱の湿重量の約4%以上である)。米国特許第5436135号には、コラーゲンIV型を含む最終産物180gが出発材料の胎盤組織35.7kgから抽出された抽出工程が記載されている。
(実施例3)
細菌発酵を用いるブタ組織由来コラーゲンの製造
最初に、新たに屠殺されたブタの皮膚を再蒸留水で洗浄し、混入を低減するために続いて第2の洗浄工程を行った。この洗浄工程は、0.2NのNaOHと0.01〜0.2%の次亜塩素酸塩水溶液による処理の組み合わせを用いる。各処理のインキュベーション時間は15分から40分の範囲である。インキュベーション後、処理したブタ皮膚を小型断片(長さ約0.5cm、幅0.5cm)にカットし、パイロジェン非含有水を使用する2回の連続洗浄で完全に洗浄し、風乾した。
バチルス属に属するグラム(+)細菌の菌株を発酵工程に用いてブタ皮膚からコラーゲンを抽出した。細菌培養物は、150rpmの振盪培養器中、37℃で24時間、25mlの栄養ブロス中で増殖させた。次いで、それを均等に100mlまでスケールアップし、発酵槽に移し、24時間増殖させた。撹拌速度およびエアレーション速度は、それぞれ450rpmおよび3vvmに設定した。
次いで、発酵用の10%から40%(w/v)の範囲の組織を発酵槽に投入した。18〜48時間継続可能な発酵期間中、撹拌は350rpmに調節した。発酵後、組織を回収し、パイロジェン非含有水による2回の連続洗浄により洗浄した。
ブタコラーゲンは、0.5M酢酸(pH3.0)および0.4%〜2%ペプシン(w/v)を含有する水溶液中(3%w/v)、発酵させた組織を48時間以内、好ましくは36時間、穏やかに撹拌しながら溶解させることにより抽出した。可溶化した後、コラーゲン含有水溶液は、活性炭を通して濾過し、次いで50分間5000×gで遠心分離を行い、酸可溶性分画のコラーゲン内容物をSDS-PAGEにより分析した。図3を参照されたい。図3は、抽出コラーゲンのα形態、β形態およびγ形態と、それぞれの分子量を示す。コラーゲンモノマー(α形態)およびポリマー(β形態)は、それぞれ約100kDaおよび250kDaの重量で抽出された(基準として、Fluka純粋ウシコラーゲンを用いた)。
(実施例4)
細菌発酵を用いる水生動物組織由来コラーゲンの製造
サメの皮膚約10gを水で洗浄し、30分間風乾した。バチルス属に属するグラム(+)フィールド単離細菌は、150rpmの一定振盪を行いながら、37℃にて24時間、栄養培地中で培養した。新鮮な細菌培養物10μlを、5mlの栄養培地を入れた125ml容のヒントンフラスコへ接種した。次いで、250rpmの一定振盪を行いながらそれを24時間増殖させた。フラスコの内容物を均等に100mlまでスケールアップし、さらに24時間増殖させた。この細菌の増殖において、撹拌速度とエアレーション速度は、それぞれ450rpmおよび3vvmに設定した。
細菌を含有しているこのフラスコに、10グラムのサメ皮膚組織を投入した。増殖条件は変更しなかった。発酵は37℃で24時間行った。
次いで、発酵させた組織を回収し、0.5M酢酸(pH3.0)と1%のペプシンを含有する酸性溶液(3%w/v)と混合した。これらを4℃にて16時間インキュベートした。
次に、不溶性組織と残留物(debris)を50分間5000×gで遠心分離することにより除去した。上清を除去し、5MのNaClと穏やかに混合し、4℃にて一晩静置してインキュベートした。沈殿したコラーゲンを50分間5000×gの遠心分離により濃縮した。得られた上清は廃棄し、ペレットをSDS-PAGE用に回収した。図4を参照されたい。図4は、コラーゲンモノマーの特徴である約100kDaの分子量を持つ抽出コラーゲンを示す。
(実施例5)
酵母発酵を用いるトリ組織由来コラーゲンの製造
ニワトリの足20グラムを水で洗浄し、次いで、風乾した。室温にて24時間、10μlの酵母を5mlのYPD培地に接種した。酵母5mlを、栄養培地25mlを入れた125ml容のヒントンフラスコへ接種した。接種した酵母を120rpmで24時間増殖させた。次いで、フラスコの内容物を均等に100mlまでスケールアップした。
次いで、20グラムのトリ足組織と細菌とをフラスコに投入した。増殖条件は変更なしであった。発酵は37℃にて48時間行った。
次いで、発酵させた組織を回収し、0.5M酢酸(pH3.0)と1%ペプシンを含有する酸性溶液(5%w/v)と混合した。これらを16時間4℃にてインキュベートした。
不溶性組織と残留物(debris)を50分間5000×gで遠心分離することにより除去した。上清を除去し、5MのNaClと穏やかに混合し、4℃にて一晩静置してインキュベートした。沈殿したコラーゲンを50分間5000×gの遠心分離により濃縮した。得られた上清は廃棄し、ペレットをSDS-PAGE用に回収した。図5を参照されたい。図5は、約100kDaの分子量を持つ抽出コラーゲンモノマーを示す。
(実施例6)
軟骨からのII型コラーゲンの抽出
ニワトリ肋骨からの軟骨約10グラムを水道水で洗浄し、次いで、風乾した。バチルス属に属する、グラム(+)フィールド単離細菌を発酵工程に用いた。150rpmで一定振盪を行いながら、37℃にて24時間、この微生物を栄養培地中で培養した。新鮮な細菌培養物約10μlを、栄養培地5mlを入れた125ml容のヒントンフラスコへ接種し、250rpmで一定振盪を行いながら24時間増殖させた。フラスコの内容物を均等に100mlまでスケールアップし、さらに24時間増殖させた。
発酵前に、栄養培地を入れた発酵槽にこの細菌を移した。細菌は、撹拌速度およびエアレーション速度をそれぞれ450rpmおよび3vvmに設定して、37℃にて24時間、発酵槽中で増殖させた。次いで、発酵槽に軟骨を投入した。細菌の増殖条件は、撹拌速度を350rpmに調節した以外、変更はなかった。発酵は24時間行った。
発酵終了時、発酵させた軟骨組織を培養ブロスから分離し、再蒸留水で洗浄した。次いで、発酵させた組織を0.5M酢酸(pH3.0)および1%ペプシンを含有する3%w/vの酸性溶液(pH3.0、0.5M)中に溶解し、4℃にて48時間インキュベートした。次いで、不溶性組織を遠心分離により除去した。次いで、上清を5MのNaClと穏やかに混合し、4℃でインキュベートしてコラーゲンを沈殿させた。続いて上清を廃棄し、ペレットをSDS-PAGE分析用に回収した。図6を参照されたい。図6は、II型コラーゲンの特性である約100kDaのはっきりとした単一バンドを示す。この特徴は、通常約100kDaの2本の単一バンドを示すI型コラーゲンとは異なる。
参考文献
本出願で記述されている刊行物は、本出願の出願日前にそれらの開示は単独で提供されている。本明細書においては、先発明の理由から、本発明がかかる刊行物に先行する権利がないということを承認していると解釈すべきではない。さらに、提供されている刊行物の日付は、実際の刊行日付とは異なっている可能性があり、これらは個別に確認する必要があるであろう。
単離細菌TW-S-7-1のグラム染色の写真である。 細菌による発酵を用いて抽出したトリコラーゲンのポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図である。 基準としての市販ウシコラーゲンと、細菌による発酵を用いて抽出したブタコラーゲンのポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図である。 細菌による発酵を用いて抽出したサメ皮膚コラーゲンのポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図である。 酵母による発酵を用いて抽出したトリコラーゲンのポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図である。 トリ軟骨から抽出したコラーゲンのポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図である。

Claims (6)

  1. (a)発酵に関与する細菌または菌類を供給するステップ;
    (b)コラーゲン含有組織を供給するステップ;
    (c)前記細菌または菌類に前記コラーゲン含有組織を発酵させ、コラーゲンモノマーを含むコラーゲン組成物の製造を可能とするステップと
    を含む、コラーゲンモノマーの製造方法。
  2. 前記コラーゲン組成物が、コラーゲン組成物中の全コラーゲン重量に関して少なくとも10重量%のコラーゲンモノマーを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 酸性溶液および酵素調製物の添加によって、前記の発酵させた組織を可溶化するステップを更に含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記発酵を、攪拌およびエアレーションしながら実施する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記コラーゲン含有組織が、哺乳動物、水性動物またはトリから得られるものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記細菌または菌類が一般に安全と認められる(GRAS)微生物を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
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