以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1は、遊技盤5の盤面に、所定の部材や装置などを取り付けるための下穴を、ゲージ板3を用いて形成することができる装置(すなわち、遊技盤5の下穴形成装置)である。ゲージ板3は、ポンチなどが立設された工具であり、ゲージ板3を遊技盤5の盤面に押し付けることにより、遊技盤5の盤面に下穴が形成される。本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1は、複数の種類のゲージ板3を貯留することができ、これらの貯留される複数のゲージ板3のうちから、遊技盤5の種類(換言すると、遊技機の機種)に応じたゲージ板3を選択して用いて、複数の種類の遊技盤5のそれぞれに、その種類に応じた位置、数、種類の下穴を形成することができる。ゲージ板3の選択は、遊技盤5に設けられた識別コード56を読み取って遊技盤5の種類を識別することによって行う。
まず、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置により製造される遊技盤5について、簡単に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置により製造される遊技盤5の構成の一例を、模式的に示した平面図である。本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1により製造される遊技盤5は、パチンコ遊技機に組み込まれる遊技盤5である。パチンコ遊技機の遊技盤5は、その盤面に所定の図柄が描かれるとともに(所定の図柄が描かれたステッカーが貼り付けられることもある)、所定の部材や装置が設けられるという構成を有する。所定の部材や装置には、たとえば、遊技球(=パチンコ球)をガイドするガイドレール52、遊技球が衝突できる遊技釘53や装飾部材54、遊技球が入賞できる入賞口55や入賞装置、所定の図柄を表示できる表示装置(図略)などがある。これらの所定の部材や装置などの種類、数、位置などは、遊技盤の種類ごとに相違することがある。
本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置により製造される遊技盤5の盤面には、あらかじめ、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1に投入される前の段階で、識別コード56が設けられる。識別コード56は、遊技盤5の種類を識別するための(換言すると、遊技盤5の種類を特定するための)情報が含まれるコードである。識別コード56には、撮像手段によって読み取り可能な(=撮像可能な)一次元コードや二次元コードが適用される。一次元コードとしては、たとえばバーコードが適用され、二次元コードとしては、たとえばQRコード(「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標)が適用される。また、遊技盤5には、ゲージ板を押し付けて下穴を形成する際に、ゲージ板3との位置決めを行う位置決め穴が形成される。
識別コード56は、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1により下穴が形成される面と同じ面に設けられる。ただし、識別コード56が設けられる具体的な位置は、特に限定されるものではない。たとえば、図1に示すように、遊技盤5の周縁部など(たとえば、遊技機に組み込まれた状態で、遊技者から見えない位置など)に設けられる。なお、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1により製造される複数の種類の遊技盤5のすべてについて、同じ位置に設けられることが好ましい。
さらに、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置により製造される遊技盤5の盤面には、第二の位置決め穴58が形成される(図1においては、すべて実線で示してあるが、遊技盤5の盤面に所定の部材などが組み付けられると、隠れて見えなくなることがある)。第二の位置決め穴58は、下穴を形成する際に、ゲージ板3と遊技盤5との位置決め(ここでは、面方向の位置決め)をするための穴である。第二の位置決め穴58は、たとえば厚さ方向に貫通する貫通孔が適用される。なお、第二の位置決め穴58の寸法や形状は特に限定されるものではない。後述の位置決めピン1441を挿入可能であればよい。また、第二の位置決め穴58が形成される位置は、ゲージ板3を押し付けて下穴を形成する際において、ゲージ板3に形成される第一の位置決め穴32と面方向において一致する位置(=軸線が一致する位置)に形成される。このため、第二の位置決め穴58の位置は、ゲージ板3との関係において設定されるものであり、具体的には特に限定されるものではない。ただし、遊技領域(すなわち、下穴が形成される領域)の外側に形成される構成が適用される(換言すると、ゲージ板3の第一の位置決め穴32は、遊技盤5の遊技領域の外側に位置するように形成される)。
遊技盤5の製造工程には、所定の寸法および形状に形成された遊技盤5に、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1を用いて下穴を形成する工程と、下穴を形成した遊技盤5に、所定の部材や装置などを取り付ける工程と、が含まれる。なお、説明の便宜上、遊技盤5の未完成品(たとえば、遊技盤5となる前の板状の部材など)についても、単に「遊技盤」5と記す。
本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1は、遊技盤5に設けられる識別コード56を読み取り、読み取った識別コード56に含まれる情報に基づいて、ゲージ板3を自動的に選択して交換することができる。このため、遊技盤5には、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1により下穴を形成する工程よりも前の段階で、あらかじめ識別コード56が設けられる。たとえば、遊技盤5を所定の形状および寸法に形成した後、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1により下穴を形成する工程の前に、遊技盤5の盤面に識別コード56が設けられる。
遊技盤5の盤面に識別コード56を設ける方法は、特に限定されるものではない。たとえば、所定の形状および寸法に形成された遊技盤5の盤面に、識別コード56が印刷されたステッカーを貼り付ける方法が適用できる。
次いで、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1で使用するゲージ板3について、簡単に説明する。図2は、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1に用いられるゲージ板3の構成を模式的に示した図であり、(a)は、外観斜視図、(b)は、(a)のX−X線矢視図であって、断面構造を模式的に示した図である。なお、図2(a)においては、併せて、遊技盤5とプレスユニット14との関係を示す。このため、ゲージ板3が押し付けられている遊技盤5を、二点鎖線で示す。さらに、図2(a),(b)は、ゲージ板3がプレスユニット14の昇降ヘッド144(後述)に装着された状態を示しており、昇降ヘッド144および昇降ヘッド144の位置決めピン1441(後述)についても二点鎖線で示す。なお、図2(a)においては、ゲージ板3の構成を分かり易く示すため、遊技盤5に押し付ける側(=ポンチ31などが立設される側)を上側に向けて示しているが、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1に組み付けられた状態では、図2(b)に示すように、遊技盤5に押し付ける側が下を向く(=図2(a)の上方が下側を向く)。すなわち、図2(a)と図2(b)では、上下方向を反対にして示しており、通常の設置態様においては、図2(b)に示す状態となる。また、図2(b)は、断面構造を模式的に示した図であり、現実の特定の切断線に沿った断面図ではない。
ゲージ板3は、板状の部材33の所定の位置に、遊技盤5の盤面に下穴を形成するためのポンチ31などが立設される構成を有する。ゲージ板3に立設されるポンチ31の種類(径や高さなど)、数、位置などは、形成する下穴の種類、数、位置(すなわち、遊技盤5の種類。換言すると、遊技機の機種)に応じて相違することがある。このため、複数の種類の遊技盤5のそれぞれに、種類に応じた下穴を形成するためには、遊技盤5の種類に応じた複数の種類のゲージ板3を備える必要がある。
さらに、ゲージ板3の所定の箇所には、遊技盤5に押し付ける際に、遊技盤5を位置決めするための後述する位置決めピン1441(位置決め手段に相当する)が貫通する第一の位置決め穴32(位置決め手段に相当する)が設けられる。第一の位置決め穴32は、厚さ方向に貫通する貫通孔である。そして、図2に示すように、ゲージ板3がプレスユニット14の昇降ヘッド144に装着されると、昇降ヘッド144に設けられる位置決めピン1441が、ゲージ板3に形成される位置決め穴32を貫通して突出する。昇降ヘッド144に設けられる位置決めピン1441が、ゲージ板3に形成される位置決め穴32を貫通することにより、ゲージ板3は、昇降ヘッド144に対して位置決めされる(特に、面方向に位置決めされる)。
そして、前記のとおり、遊技盤5の下穴が形成される側の面(本実施形態においては下穴が形成される領域を避けた位置)には、第一の位置決め穴32に挿通されて貫通した位置決めピン1441を受け入れるための第二の位置決め穴58が設けられている。これにより、ゲージ板3を遊技盤5に押し付ける際に、位置決めピン1441が第二の位置決め穴に挿入されることで、ゲージ板3の遊技盤5に対する位置決め(特に、面方向の位置決め)を行うことができる。このため、遊技盤の所定の位置に、下穴を形成することができる。なお、第二の位置決め穴58は、遊技盤5の厚み内で位置決めピン1441を受け入れるように構成されることが望ましい。すなわち、ゲージ板3を遊技盤5に押し付けた状態で、位置決めピン1441の先端が、遊技盤5を貫通せずに、その内部に厚さ方向の中間に位置する構成であることが好ましい。
また、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1で使用されるゲージ板3は、前記説明以外の部分については、従来公知のゲージ板3と同じ構成が適用できる。したがって、詳細な説明は省略する。
図3と図4は、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の全体的な構成を、模式的に示した平面図である。それぞれ、図3は、通常の設置態様において側方から見た図であり、図4は、上方から見た図である。図5は、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の機能ブロック図である。
図3〜図5に示すように、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1は、遊技盤搬入ユニット11と、反り測定ユニット12と、遊技盤排出ユニット13と、プレスユニット14と、ゲージ板貯留・交換ユニット15と、遊技盤搬出ユニット16と、制御ユニット17(図3に図4おいては省略)とを備える。
本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の各ユニット11,12,13,14,15,16,17の機能の概略と、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の動作の全体的な流れは、次のとおりである。
遊技盤搬入ユニット11は、外部から搬入された複数の遊技盤5を、一枚ずつ順次、反り測定ユニット12に送り渡す。反り測定ユニット12は、遊技盤5の反りや歪みを測定するとともに、遊技盤5に設けられる識別コード56を読み取る。そしてその後、遊技盤5を遊技盤排出ユニット13に送り渡す。遊技盤排出ユニット13は、反りや歪みが許容範囲内にある正常な遊技盤5を受け渡された場合には、当該遊技盤5をプレスユニット14に送り渡す。一方、遊技盤排出ユニット13は、反りや歪みが許容範囲内にない異常な遊技盤5を受け渡された場合には、当該遊技盤5をプレスユニット14に送り渡さない。ゲージ板貯留・交換ユニット15は、複数のゲージ板3を貯留し、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3をプレスユニット14に組み付ける(=プレスユニット14のゲージ板3を交換する)。プレスユニット14は、ゲージ板を用いて、遊技盤排出ユニット13から受け渡された遊技盤5の盤面に下穴を形成し、遊技盤搬出ユニット16に送り渡す。遊技盤搬出ユニット16は、遊技盤5を次の工程に送ることができるように纏める。
このため、図3と図4に示すように、遊技盤搬入ユニット11と、反り測定ユニット12と、遊技盤排出ユニット13と、プレスユニット14と、遊技盤搬出ユニット16とが、この記載の順序で略直列に並べて配列される。図3中の矢印Aと図4中の矢印Bは、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1における遊技盤の進行の方向を示す。そして、プレスユニット14の側方(=遊技盤5の進行方向の側方)に、ゲージ板貯留・交換ユニット15が配設される。
制御ユニット17は、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の各ユニット11,12,13,14,15,16を制御し、各ユニット11,12,13,14,15,16に、所定のタイミングで所定の動作を行わせる。また、制御ユニット17は、反り測定ユニット12において測定された遊技盤5の反りや歪みが、許容範囲内にあるか否かを判定する。さらに制御ユニット17は、反り測定ユニット12において読み取った遊技盤5に設けられる識別コード56に基づいて、遊技盤5の種類を識別(=遊技盤5の種類を特定)する。
次に、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の各ユニット11,12,13,14,15,16,17の構成および動作の詳細について説明する。
図6は、遊技盤搬入ユニット11の平面図であり、通常の設置態様において側方から見た図である。遊技盤搬入ユニット11は、複数の遊技盤5を、識別コード56が設けられた面を上側にして積み重ねられた状態で受け入れることができる。そして、積み重ねられた複数の遊技盤5を、一枚ずつにバラして(=毎葉で)、反り測定ユニット12に送り渡すことができる。図3、図4、図6に示すように、遊技盤搬入ユニット11は、第一の遊技盤リフタ111と、第一の昇降台112と、第一の遊技盤搬送手段113とを有する。
第一の昇降台112は、複数の遊技盤5を積み重ねられた状態で載置することができる。第一の昇降台112には、たとえば、ローラコンベアが適用できる。第一の昇降台112にローラコンベアが適用される構成であると、外部から搬送された遊技盤を自動的に第一の昇降台112に載置することができる。そして、載置された複数の遊技盤5を、第一の遊技盤リフタ111が遊技盤5を保持できる高さに持ち上げることができる。すなわち、第一の昇降台112は、図略の動力源によって上下方向に往復動可能な構成を有する。図6中の矢印Cは、第一の昇降台112の往復動の方向を示す。第一の昇降台112を上下方向に往復動させるための動力源および機構は、限定されるものではなく、公知の各種動力源および昇降機構が適用できる。
第一の遊技盤リフタ111は、第一の昇降台112に載置されている遊技盤5を、一枚ずつ、第一の遊技盤搬送手段113に載置することができる。具体的には、たとえば、次のような構成を有する。
第一の遊技盤リフタ111は、可動体1111と、可動体駆動機構1112と、遊技盤保持具1113と、遊技盤保持具駆動機構1114とを備える。可動体1111は、略水平方向に往復動できる部材である。可動体駆動機構1112は、動力源(図略)を備え、可動体1111を略水平方向に往復動させることができる。遊技盤保持具1113は、遊技盤5を上方から保持することができる器具である。そして遊技盤保持具1113は、可動体1111と一体となって略水平方向に往復動できるとともに、可動体1111に対して上下方向に往復動できる。遊技盤保持具駆動機構1114は、動力源を備え、遊技盤保持具1113を可動体1111に対して上下方向に往復動させることができる。
可動体1111の具体的な構成は限定されるものではない。要は、可動体駆動機構1112により略水平方向(矢印Eは、可動体1111の往復動の方向を示す)に往復動でき、遊技盤保持具駆動機構1114を組み付けることができる構成であればよい。
可動体駆動機構1112は、可動体1111を略水平方向に往復動させることができる。具体的には、可動体駆動機構1112は、可動体1111を、第一の昇降台112の上方と第一の遊技盤搬送手段113の上方との間を、往復させることができる。可動体駆動機構1112には、たとえば、電動アクチュエータや、流体シリンダと流体シリンダ内の流体圧により駆動するピストンの組合せなどが適用できる。
可動体駆動機構1112に、電動アクチュエータが適用される場合には、電動アクチュエータの本体が、遊技盤搬入ユニット11の筐体やフレームに組み付けられる(=第一の昇降台112および第一の遊技盤搬送手段113に対して変位しないように組み付けられる)。そして、電動アクチュエータのスライダが、可動体1111に結合される。可動体駆動機構1112に、流体シリンダと流体シリンダ内の流体圧により駆動するピストンの組合せが適用される場合には、流体シリンダの本体が、遊技盤搬入ユニットの筐体やフレームに組み付けられ(=第一の昇降台112および第一の遊技盤搬送手段113に対して変位しないように組み付けられ)、流体シリンダ内の流体圧により往復動するピストンに、可動体1111が結合される。
なお、電動アクチュエータの種類や構成、流体シリンダとピストンの種類や構成は、特に限定されるものではない。たとえば、電動アクチュエータには、ボールネジとボールネジ上を往復動するスライダを有する構成が適用できる。流体シリンダとピストンの組合せには、ピストンの動作媒体として空気などの気体を用いるものや、水または油などの液体を用いるものなど、各種の流体シリンダとピストンの組合せが適用できる。要は、可動体駆動機構1112は、可動体1111を、昇降台112の上方と第一の遊技盤搬送手段113の上方との間を往復動させることができる構成であればよく、具体的な構成は限定されるものではない。
遊技盤保持具1113は、所定の数の吸着パッド1115を備える。そして、これらの吸着パッド1115により、遊技盤5を保持すること(=持ち上げること)ができる。すなわち、遊技盤保持具1113には、所定の数の吸着パッド1115が、下を向く態様で(=昇降台112に載置される遊技盤5の上側の面に吸着できる態様で)設けられる。なお、遊技盤保持具1113に設けられる吸着パッド1115の構成や数は、限定されるものではない。要は、第一の昇降台112に載置された遊技盤5(複数の遊技盤が積み重ねられている場合には、そのうちの最も上に位置する一枚の遊技盤5)を、上側から持ち上げることができる構成であればよい。
さらに、遊技盤保持具1113は、遊技盤保持具駆動機構1114により、可動体1111に対して上下方向に往復動できる。図6中の矢印Dと矢印Fは、遊技盤保持具駆動機構1114による遊技盤保持具1113の往復動の方向を示す。遊技盤保持具駆動機構1114には、たとえば流体シリンダと流体シリンダ内の流体圧により駆動するピストンの組合せなどが適用できる。この場合には、流体シリンダにより駆動するピストンが、流体シリンダから下側に突出して上下方向に往復動できる態様で、流体シリンダの本体が可動体1112に固定される。そして、遊技盤保持具1113は、このピストンの下端に結合される。このような構成によれば、遊技盤保持具1113は、ピストンが往復動すると、可動体1111に対して上下方向に往復動する。なお、遊技盤保持具駆動機構1114の構成は、前記構成に限定されるものではなく、公知の各種の往復動力源を発生することができる。
遊技盤保持具1113の上限方向の往復動の可動範囲は、次のとおりである。
可動体1111が第一の昇降台112の上方に位置している場合には、遊技盤保持具1113が上下方向の往復動の範囲の下端に移動すると、遊技盤保持具1113に設けられる吸着パッド1115が、第一の昇降台112に載置される遊技盤5(複数の遊技盤5が積み重ねられている場合には、最も上に位置する一枚の遊技盤5)に吸着することができる(たとえば、吸着パッド1115を、当該遊技盤5の上側を向く面に接触させることができる)。そして、上下方向の往復動の範囲の上端に移動すると、保持している遊技盤5を第一の昇降台112から浮かせることができる(複数の遊技盤5が積み重ねられている場合には、他の残りの遊技盤5から浮かせることができる)。
可動体1111が第一の遊技盤搬送手段113の上方に位置している場合には、遊技盤保持具1113が上下方向の往復動の範囲の上端に移動すると、保持している遊技盤5を第一の遊技盤搬送手段113から浮かせることができる。すなわち、保持している遊技盤5と第一の遊技盤搬送手段113とが物理的に干渉しないようにできる。そして、上下方向の往復動の下端に移動すると、保持している遊技盤5を第一の遊技盤搬送手段113に載置することができる(たとえば、保持している遊技盤5の下側の面を第一の遊技盤搬送手段113に接触させることができる)。
第一の遊技盤搬送手段113は、遊技盤5を一枚ずつにバラした状態で(=毎葉で)搬送することができる。図6中の矢印Gは、第一の遊技盤搬送手段113による遊技盤5の搬送の向きを示す。具体的には、遊技盤5を、識別コード56が設けられる面(すなわち、下穴を形成する面)を上側に向けた状態で、遊技盤5の盤面の面方向に(たとえば、略水平方向に)搬送することができる。換言すると、遊技盤5を、識別コード56が設けられる面を上に向けるように寝かせた状態で(=遊技盤5の盤面の面方向を、略水平に向けた状態で)、略水平方向に搬送できる。第一の遊技盤搬送手段113には、たとえば、ローラコンベアが適用される。第一の遊技盤搬送手段113としてローラコンベアが適用される構成であると、遊技盤5を前記態様で搬送することができる。なお、ローラコンベアの種類や構成は特に限定されるものではなく、従来公知の各種のローラコンベアが適用できる。したがって、説明は省略する。
また、第一の遊技盤搬送手段113には、ローラコンベアのほか、チェーンコンベア、ベルトコンベアなどが適用される構成であってもよい。要は、第一の遊技盤搬送手段113は、遊技盤5を一枚ずつにバラした状態で、かつ、識別コード56が設けられる面を上側に向けて略水平に寝かせた状態で、反り測定ユニット12に送り渡すことができる構成であればよい。
このような構成の遊技盤搬入ユニット11は、次のような動作を行うことができる。
第一の昇降台112が上下方向の往復動の範囲の下端にある状態では、外部から搬送された複数の遊技盤5を、第一の昇降台112に、積み重ねた状態で載置することができる。第一の昇降台112としてローラコンベアが適用される構成であれば、積み重ねられた複数の遊技盤5の一群を、水平方向にスライドさせるようにして第一の昇降台112に載置することができる。
まず、第一の昇降台112が上昇するとともに、第一の遊技盤リフタ111の遊技盤保持具1113が昇降台112の上方に移動する。第一の昇降台112が上昇すると、第一の昇降台112に載置された遊技盤5は、第一の遊技盤リフタ111の遊技盤保持具1113に接近する。そして、第一の遊技盤リフタ111の遊技盤保持具1113が下降する。そうすると、遊技盤保持具1113に設けられる吸着パッド1115が、遊技盤5の上側の面に接触して遊技盤5に吸着する。複数の遊技盤5が積み重ねられている場合には、最も上側に位置する一枚の遊技盤5に吸着する。吸着パッドが遊技盤5の上側の面に吸着した状態で、遊技盤保持具1113が上昇する。そうすると、一枚の遊技盤5が第一の昇降台112から持ち上げられる。
そして、第一の遊技盤リフタ111の遊技盤保持具1113が、一枚の遊技盤5を保持した状態(=吸着した状態)で、上下方向の往復動の範囲の上端に移動する。そして、可動体1111と遊技盤保持具1113が、可動体駆動機構1112により略水平方向に移動して、第一の遊技盤搬送手段113の上側に位置する。そして、遊技盤保持具1113が、遊技盤保持具駆動機構1114により下降する。これにより、遊技盤保持具1113は、遊技盤保持具1113が保持している遊技盤5を、第一の遊技盤搬送手段113の上側に載置する。その後、遊技盤保持具1113は、遊技盤5の保持を解除し(=吸着を解除し)、上昇する。このような動作により、一枚の遊技盤5が、識別コード56が設けられる面を上側に向けた状態で、第一の遊技盤搬送手段113に載置される。第一の遊技盤搬送手段113は、載置された遊技盤5を搬送し、反り測定ユニット12に送り渡す。
遊技盤搬入ユニット11は、このような動作を繰り返すことにより、昇降台112に積み重ねられた複数の遊技盤5を、一枚ずつにバラした状態で順次、反り測定ユニット12に送り渡すことができる。ここで、複数の遊技盤5が、識別コード56が設けられた面を上側にして積み重ねられていると、第一の遊技盤リフタ111は、遊技盤5を、識別コード設けられる面が上側を向いた状態で、第一の遊技盤搬送手段113に載置することができる。そして、第一の遊技盤搬送手段113は、遊技盤5を、識別コード56が設けられた面を上側に向けた状態で、反り測定ユニット12に送り渡すことができる。
次に、反り測定ユニット12について説明する。図7は、反り測定ユニット12のを側方から見た図であり、反り測定ユニット12の構成を模式的に示した一部断面(すなわち、手前側の構造物を一部除去して示した図)である。なお、図7においては、下部の一部(土台となる構造物など)を省略してある。図8と図9は、反り測定ユニット12を上方から見た図であり、反り測定ユニット12の構成を、模式的に示した平面図である。それぞれ、図8は、図7のA−A線矢視図であり、図9は、図7のB−B線矢視図である。また、図9は、遊技盤5と、反り測定ユニット12の変位計124および読み取り手段125との位置関係も示しており、遊技盤5の輪郭を破線(二点鎖線)で示す。図7の矢印H、図8の矢印I、図9の矢印Jは、遊技盤5の搬送の向きを示す。図10は、反り測定ユニット12を、遊技盤5の搬送方向から見た図である。すなわち、図10の紙面の法線方向が、遊技盤5の搬送方向である。
図7〜図10のそれぞれに示すように、反り測定ユニット12は、第二の遊技盤搬送手段121と、遊技盤昇降手段122と、所定の数の複数の変位計124と、読み取り手段125と、第一の遊技盤ストッパ126とを備える。
第二の遊技盤搬送手段121は、遊技盤5を、識別コード56が設けられる面を上側に向けて寝かせた状態で、その面方向に搬送することができる。そして、遊技盤搬入ユニット11の第一の遊技盤搬送手段113から受け渡された遊技盤5を、遊技盤昇降手段122上(=遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221上)に移動させることができるとともに、遊技盤昇降手段122上(=遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221上)にある遊技盤5を、遊技盤排出ユニット13の第三の遊技盤搬送手段131(後述)に送り渡すことができる。
第二の遊技盤搬送手段121には、たとえば、ベルトコンベアが適用できる。具体的には、図7〜図9(特に図8)に示すように、複数(本発明の実施形態においては二基)のベルトコンベアが、所定の間隔をおいて略平行に設けられる。または、複数(本発明の実施形態においては二本)のベルトが所定の間隔をおいて並列的に設けられるベルトコンベアが適用される。そして、二基のベルトコンベア、または二本のベルトを有する一基のベルトコンベアにより、遊技盤5を搬送することができる。
遊技盤昇降手段122は、遊技盤5を、識別コード56が設けられる面を上側に向けて略水平に寝かせた状態で、第二の遊技盤搬送手段121から持ち上げることができる器具である。具体的には、遊技盤昇降手段122は、遊技盤5を載置できる昇降ステージ1221と、昇降ステージ1221を上下方向に往復動させる昇降ステージ駆動機構1222とを有する。そして、昇降ステージ1221は、昇降ステージ駆動機構1222により、第二の遊技盤搬送手段121に対して上下方向に往復動することができる。昇降ステージ1221が上下方向の往復動の範囲の上端に位置すると、遊技盤5を第二の遊技盤搬送手段121から上方に浮かせることができ、昇降ステージ1221が往復動の範囲の下端に位置すると、遊技盤5を、第二の遊技盤搬送手段121に載置することができる(=第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を阻碍しない状態となる)。
昇降ステージ1221の上面は、遊技盤5を寝かせた状態で載置できるように、略水平方向の平面となっている。たとえば、昇降ステージ1221には、略平板状の部材が適用される。そして、昇降ステージ1221には、第二の遊技盤搬送手段121の少なくとも一部(=遊技盤5の搬送に必要な部分)を挿通可能な切り欠き12211または開口部が設けられている。図8と図9においては、昇降ステージ1221に切り欠き12211が設けられる構成を示す。
そして、昇降ステージ1221の下方には、昇降ステージ1221を上下方向に往復動させるための昇降ステージ駆動機構1222が設けられる。昇降ステージ駆動機構1222には、たとえば流体シリンダと流体シリンダ内の流体圧により駆動するピストンの組合せが適用できる。この場合には、流体シリンダの本体は、ピストンの軸線(=往復動の方向)が、上下方向を向くようにして、反り判定ユニット12の筐体やフレームなどに固定される(=第二の遊技盤搬送手段121に対して変位しないように固定される)。昇降ステージ1221は、ピストンに結合される。このような構成によれば、昇降ステージ駆動機構1222は、昇降ステージ1221を持ち上げられるようにして、上下方向に往復動させることができる。
なお、昇降ステージ駆動機構1222は、その一部または全部(たとえば、流体シリンダやピストンの一部または全部)が、第二の遊技盤搬送手段121の二基のベルトコンベアどうしの間、または二本のベルトの間に設けられる構成であることが好ましい。このように、第二の遊技盤搬送手段121として、二基のベルトコンベア、または二本のベルトを備える一基のベルトコンベアが適用される構成であると、第二の遊技盤搬送手段121と昇降ステージ駆動機構1222とが、物理的に干渉することなく配設することができる。
昇降ステージ1221が上下方向の往復動の範囲の下端に位置すると、遊技盤昇降手段122の上面(=遊技盤5を載置する面)の高さは、第二の遊技盤搬送手段121により搬送される際の遊技盤5の搬送軌跡よりも低い位置となる。具体的には、第二の遊技盤搬送手段121としてベルトコンベアが適用される場合には、昇降ステージ1221の上面の高さが、ベルトコンベアのベルトの上面よりも低い位置に位置する。すなわち、昇降ステージ1221に設けられる切り欠きまたは開口部から、ベルトコンベアのベルトの上面(=遊技盤5を搬送する際に、遊技盤5に接触する部分)が、昇降ステージ1221の上面よりも上方に位置する。
一方、遊技盤昇降手段122が上下方向の往復動の範囲の上端に位置すると、昇降ステージ1221の上面の高さが、第二の遊技盤搬送手段121に搬送される遊技盤5の搬送軌跡の高さよりも高い位置となる。すなわち、第二の遊技盤搬送手段121としてベルトコンベアが適用される場合には、昇降ステージ1221の上面の高さが、ベルトコンベアのベルトの上面の高さよりも高い位置となる。
このように、昇降ステージ1221は、上下方向の往復動の範囲の下端に位置すると、第二の遊技盤搬送手段121に搬送される遊技盤5に接触しない。このとき、遊技盤5は、ベルトコンベアのベルトにのみ接触する。このため、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を阻碍せず、第二の遊技盤搬送手段121は遊技盤5を搬送することができる。一方、昇降ステージ1221が上下方向の往復動の範囲の上端に位置すると、遊技盤5は、昇降ステージ1221によって第二の遊技盤搬送手段121から上方に位置する。すなわち、遊技盤5がベルトコンベアのベルトに接触しなくなる。このため、遊技盤5は、第二の遊技盤搬送手段121から離れ、第二の遊技盤搬送手段121は遊技盤5を搬送できなくなる(=第二の遊技盤搬送手段121の動力が、遊技盤5に伝達しない)。
なお、第二の遊技盤搬送手段121は、ベルトコンベアに限定されるものではない。たとえば、ローラコンベアやチェーンコンベアなどが適用される構成であってもよい。
第一の遊技盤ストッパ126は、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送(=遊技盤5の移動)を一時的に停止させて、遊技盤5を遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221の上側に一時的に留めおくことができる装置である。換言すると、第一の遊技盤ストッパ126は、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を阻止する状態と、阻止しない状態とを、交互に変換可能な装置である。
第一の遊技盤ストッパ126は、次のような構成が適用される。第一の遊技盤ストッパ126は、係止部材1261と、この係止部材1261を駆動する係止部材駆動機構1262とを備える。係止部材駆動機構1262には、たとえば、ソレノイドや流体シリンダが適用される。係止部材1261には、このソレノイドに駆動される部材や流体シリンダにより駆動されるピストン(または、このピストンに結合された部材。形状や寸法は特に限定されない)が適用される。
遊技盤ストッパ126は、遊技盤昇降手段122の下方であって、第二の搬送手段121による遊技盤5の搬送方向の下流側に設けられる。具体的には、係止部材1261が上下方向に往復動できる(=流体シリンダ本体から伸縮できる)態様で、流体シリンダの本体が、反り測定ユニット12の筐体やフレームに固定される(=第二の遊技盤搬送手段126に対して変位しないように固定される)。
そして、係止部材1261が、上下方向の往復動の範囲の上端に位置すると(=ソレノイドや流体シリンダから最も伸びた状態にあると)、係止部材1261の少なくとも一部が、第二の遊技盤搬送手段121に搬送される遊技盤5の軌跡に入り込む。たとえば、第二の遊技盤搬送手段121にベルトコンベアが適用される場合には、係止部材1261の少なくとも一部が、ベルトコンベアのベルトの上面よりも高い位置に位置する。一方、係止部材1261が、上下方向の往復動の範囲の下端に位置すると(ソレノイドや流体シリンダに引っ込むと)、第二の遊技盤搬送手段121に搬送される遊技盤5の搬送軌跡から外に出る。たとえば、第二の遊技盤搬送手段121にベルトコンベアが適用される場合には、係止部材1261の上端が、ベルトコンベアのベルトの上面よりも低い位置に位置する。
このような構成によれば、第一の遊技盤ストッパ126が遊技盤5の進行を阻止する状態においては、遊技盤5は、第二の遊技盤搬送手段121により搬送されて遊技盤昇降手段122の上側に到達すると、その端面(=進行方向の先端側の端面)が、第一の遊技盤ストッパ126の係止部材1261に接触する。このため、遊技盤5の進行(=第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送)が一時的に停止し、遊技盤5は、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221の上側に一時的に留めおかれる。そして、その後、第一の遊技盤ストッパ126が遊技盤5の進行を阻止しない状態に移行すると、遊技盤5の進行が再開し(遊技盤5は、第二の遊技盤搬送手段121により搬送され)、遊技盤5は、第二の遊技盤搬送手段121(具体的にはベルトコンベアのベルト)に接触した状態で、第二の遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221の上側とは接触せずに移動する。遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221の上側から移動する。
なお、第一の遊技盤ストッパ126は、遊技盤5を第二の遊技盤搬送手段121の上側に一時的に停止させておくことができる構成であればよく、その構成は前記構成に限定されるものではない。たとえば、第一の遊技盤ストッパ126が遊技盤昇降手段122の側方に設けられ、係止部材1261が側方から突出できる構成であってもよい。また、係止部材駆動機構1262も、ソレノイドや流体シリンダに限定されるものではない。
さらに、第一の遊技盤ストッパ126の作動態様も前記実施形態に限定されるものではない。例えば、第一の遊技盤搬送手段113から第二の遊技盤搬送手段121へと遊技盤5が搬送される前に予め第一の遊技盤ストッパ126を遊技盤5の進行を阻止する状態に移行させておき、その状態で遊技盤5が搬入されてから遊技盤昇降手段122を作動させて遊技盤5が載置されている昇降ステージ1221を上昇させ、昇降ステージ1221が上昇し終えたタイミングで第一の遊技盤ストッパ126を遊技盤5の進行を阻止する状態に移行させるようにしてもよい。これにより、遊技盤5の反りの測定や識別コード56の読み込みが終了して昇降ステージ1221が下降すると第二の遊技盤搬送手段と遊技盤5が接触可能となり、第三の遊技盤搬送手段131へと遊技盤5が搬送される。なお、この場合には、昇降ステージ1221に上方に向けて突出した位置決めピンを形成しておき、昇降ステージ1221が上昇して遊技盤5と接触したときに位置決めピンが遊技盤5の第二の位置決め穴58に挿入されることで、第一の遊技盤ストッパ126により第三の遊技盤搬送手段131側への遊技盤5の移動が規制されることがなくても、遊技盤5が位置決めされるように構成される。
遊技盤昇降手段122の上方には、複数の変位計124と、少なくとも一つの読み取り手段125とが設けられる。具体的には、特に図9と図10に示すように、遊技盤昇降手段122の上方にフレーム123が設けられ、このフレーム123に、所定の数の複数の変位計124と、少なくとも一つの読み取り手段125とが取り付けられる。これらの複数の変位計124は、反り測定手段172を構成する器具である(図6参照)。
フレーム123の構成は特に限定されるものではないが、たとえば次のような構成が適用できる。フレーム123は、第一のサブフレーム1231と、第二のサブフレーム1232と、第三のサブフレーム1233と、第四のサブフレーム1234とを備える。これらは、いずれも略棒状の部材である。第四のサブフレーム1234は、昇降ステージ1221の外側の四方において、上側に向かって突起するように立設される。すなわち、昇降ステージ1221の四方に、一本ずつ合計四本の第四のサブフレーム1234が立設される。第三のサブフレーム1233は、四本の第四のサブフレーム1234のうち、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送の軌跡の同じ側の側方に設けられる二本の第四のサブフレームどうしの間に跨って設けられる。すなわち、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送の軌跡の両外側であってその上方に、一本ずつ合計二本の第三のサブフレーム1233が、遊技盤5の搬送の方向に略平行に架設される。そして、各第三のサブフレーム1233は、第四のサブフレーム1234に対して、上下方向に変位させることができるように組み付けられる。第一のサブフレーム1231と第二のサブフレーム1232は、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤の搬送の軌跡の上方に、遊技盤の搬送の方向に対して略直角に設けられる。そして、第一のサブフレーム1231と第二のサブフレーム1232とは、第三のサブフレーム1233に対して、遊技盤の搬送方向に変位させることができるように組み付けられる。なお、第一のサブフレーム1231の数は、変位計124の数や位置などに応じて設定されるものであり、特に限定されるものではない。
各変位計124は、第一のサブフレーム1231に、その軸線方向(すなわち、遊技盤5の搬送方向に略直角な方向)に変位させることができるように組み付けられる。同様に、読み取り手段125は、第二のサブフレーム1231に、その軸線方向に変位させることができるように組み付けられる。
このような構成によれば、各変位計124と読み取り手段125は、それらの位置を容易に変更や調整することができる。すなわち、各変位計124や読み取り手段125を第一のサブフレーム1231や第二のサブフレーム1232に対して変位させることにより、遊技盤5の搬送方向に対して直角な方向の位置を変更できる。第一のサブフレーム1231や第二のサブフレーム1232を、第三のサブフレーム1233に対して変位させることにより、遊技盤5の搬送方向に沿った位置を変更できる。第三のサブフレーム1233を、第四のサブフレーム1234に対して変位させることにより、上下方向の位置を変更することができる。
各変位計124には、従来公知の各種の接触式変位計が適用できる。すなわち、各変位計124は、往復動する態様で変位可能な接触子を有し、接触子の変位量を電気信号として出力することができる。そして、各変位計124は、下側を向けて(=接触子が下側に向かって突出し、接触子の上側への変位量を測定できる態様で)配設される。なお、各変位計124には、接触式変位計のほか、非接触式変位計が適用される構成であってもよい。要は、対象物(ここでは、遊技盤5)の変位量や対象物までの距離を測定できるものであれば、その種類や構成は限定されない。
読み取り手段125は、遊技盤5に設けられる識別コード56を読み取る(=撮影する)ことができる。前記のとおり、遊技盤5に設けられる識別コード56には、撮像手段により読み取り可能な二次元コード(具体的には、たとえばQRコード)が適用されるから、読み取り手段125には、画像を撮影できる装置が適用できる。たとえば、公知の各種CCDカメラが適用できる。
各変位計124と、遊技盤昇降手段122と、第一の遊技盤ストッパ126との位置関係は、次のとおりである。図7〜図9に示すように、第一の遊技盤ストッパ126が、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を阻止する状態にあると、遊技盤5は、その進行方向の先端側の端面が第一の遊技盤ストッパ126の係止部材1261に接触し、遊技盤昇降手段122上で進行が停止する(特に図9参照)。各変位計124は、遊技盤5がこの位置にある状態において、遊技盤5の周縁部の上方に位置する。たとえば、反り測定ユニット12を上方から見ると、各変位計124は、遊技盤5の周縁部に重なる位置にある(特に図9参照)。
具体的には、たとえば図9に示すように、反り測定ユニット12が六基の変位計124を備え、そのうちの四個の変位計124が、遊技盤5の四隅に位置し、残りの二個の変位計124が、それぞれ、相対向する二辺(=進行方向の側方の二辺)のそれぞれの長手方向の略中間に位置する構成が適用できる。このように、反り測定ユニット12が四基以上の変位計124を備え、そのうちの四基の変位計124が、遊技盤5の四隅部に位置する構成が適用できる。なお、変位計124の数および具体的に位置は、この構成に限定されるものではない。要は、遊技盤5の反りや歪みを測定できる位置および数であればよい。また、遊技盤5の種類(構成)が異なった場合でも測定できる汎用性のある場所(位置)であればより好ましい。
このように、第一の遊技盤ストッパ126は、第二の遊技盤搬送手段121により搬送される遊技盤5を、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221の上側の「遊技盤昇降手段122が上昇すると各変位計124が遊技盤5の周縁部における変位量を測定できる位置」に、一時的に停止させることができる。さらに好ましくは、「遊技盤昇降手段122が上昇すると、複数の変位計に含まれる四個の変位計のそれぞれが、遊技盤の四隅における変位量を測定できる位置」である。この位置は、各変位計に接触式変位計が適用される構成であれば、「遊技盤昇降手段122が上昇すると各接触式変位計の接触子が遊技盤5の周縁部に接触して変位量を測定できる位置」であり、好ましくは、「遊技盤昇降手段122が上昇すると、複数の接触変位計に含まれる四個の接触変位計のそれぞれが、遊技盤5の四隅に接触して変位量を測定できる位置」である。
各変位計124は、フレーム123に対して(直接的には、第一のサブフレーム1231に対して)同期して多方向(上下方向または左右方向)に往復動可能に組み付けられる。図7中の矢印Kは、各変位計の往復動の方向を示す。フレーム123に複数の往復駆動機構1241が設けられ、各往復駆動機構1241により、各変位計が上下方向に往復動することができる。たとえば、往復駆動機構1241には、流体シリンダと流体シリンダにより駆動するピストンの組合せや、ソレノイドとソレノイドにより駆動する軸芯の組合せが適用できる。すなわち、フレーム123に、複数の流体シリンダやソレノイドが設けられ、各流体シリンダにより駆動する各ピストンやソレノイドにより駆動する軸芯に、各変位計が取り付けられる構成が適用できる。そして、制御ユニット17が、すべての往復駆動機構1241を、同期して作動させる(または、同期して作動するように制御する)。このような構成によれば、複数の接触式変位計124は、フレーム123に対して同期して上下方向に往復動することができるため、遊技盤5の反り状態を測定することができる。
各変位計124の上下方向の位置および上下方向の往復動の範囲は、次のとおりである。
遊技盤昇降手段122が、その上下方向の往復動の下端に位置している場合には、各変位計124は、それらの上下方向の往復動の範囲内のいずれに位置にあるかにかかわらず(=上下方向の往復動の範囲の上端にあるか下端にあるかにかかわらず)、第二の遊技盤搬送手段121に載置される遊技盤5の上側の面に接触しない。このため、各変位計124は、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を妨げない。つまり、搬送される。
遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221が、その上下方向の往復動の上端に位置している場合においては、次のとおりである。各変位計124が、それらの上下方向の往復動の範囲の上端に位置すると、遊技盤昇降手段122により持ち上げられた遊技盤5の上側の面に接触しない。一方、各変位計124が、それらの上下方向の往復動の範囲の下端に位置すると、遊技盤昇降手段122により持ち上げられた遊技盤5の上側の面の変位量を測定できる。各変位計124に接触式変位計が適用される構成であれば、各変位計124は、それらの接触子が、遊技盤昇降手段122により持ち上げられている遊技盤5の上側の面に接触して上方向に向かって変位する。
なお、複数の変位計124が上下方向に往復動できない構成であってもよい。たとえば、各変位計124がフレーム123に固定される構成であってもよい。
各変位計124が上下方向に往復動できない構成における各変位計124の上下方向の位置は、次のとおりである。遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221が、その上下方向の往復動の範囲の下端に位置すると、各変位計124は、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221の上側に載置される遊技盤5の上側の面に接触しない。すなわち、各変位計124は、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を妨げない。一方、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221が、その上下方向の往復動の範囲の上端に位置すると、各変位計124は、遊技盤昇降手段122により持ち上げられた遊技盤5の上側の面に接触した状態となり変位量を測定できる。各変位計124に接触式変位計が適用される構成であれば、各変位計124は、それらの接触子が、遊技盤昇降手段122により持ち上げられている遊技盤5の上側の面に接触して上方向に向かって変位する。
このように、反り測定ユニット12においては、各変位計124が、遊技盤5の上側の面の周縁部の変位量(=遊技盤5の上側の面の周縁部の各位置が、各変位計124にどの程度接近したか)を測定することができる。
読み取り手段125は、遊技盤昇降手段122により上方に持ち上げられた遊技盤5に設けられる識別コード56を読み取ることができる。読み取り手段125と、遊技盤昇降手段122と、第一の遊技盤ストッパ126との位置関係は、次のとおりである。図9に示すように、遊技盤の進行が第一の遊技盤ストッパ126により一時的に停止している状態において、読み取り手段125は、遊技盤5に設けられる識別コード56の上側に位置する。すなわち、反り測定ユニット12を上方から見ると、読み取り手段125は、遊技盤5に設けられる識別コード56に重なる位置にある。
なお、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1が、識別コード56が同じ位置に設けられる遊技盤5のみを扱う場合には(たとえば、異なる種類の遊技盤5であっても、識別コード56が設けられる位置が同じである場合には)、反り測定ユニット12が一つの読み取り手段125を備え、当該一つの読み取り手段125が、遊技盤5に設けられる識別コード56の上方に設けられる構成が適用される。一方、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1が、識別コード56が互いに異なる位置に設けられる遊技盤5を扱う場合には、反り測定ユニット12が、識別コード56が設けられる位置の種類に応じた複数の読み取り手段125を備えることで、当該複数の読み取り手段125が、それぞれ、異なる位置の識別コード56の上方に設けられる構成を適用して対応できる。
このような構成であると、遊技盤昇降手段122が遊技盤5を持ち上げると、遊技盤5に設けられる識別コード56が、読み取り手段125に接近する。このため、読み取り手段125は、接近した識別コード56を読み取ることができる。したがって、識別コード56の読み取りの精度の向上を図ることができる。
なお、第二の遊技盤搬送手段121と遊技盤昇降手段122の構成は、前記構成に限定されるものではない。たとえば、第二の遊技盤搬送手段121として、ローラコンベアが適用され、遊技盤昇降手段122として、上下方向に往復動可能な支持ピン(上方向に突出する棒状またはピン状の部材)が適用される構成であってもよい。この場合には、支持ピンを駆動する機構や動力源が、ローラコンベアの下方に配設され、支持ピンがローラどうしの間から突出するように上下方向に往復動できる構成が適用できる。また、第二の遊技盤搬送手段121としてチェーンコンベアやベルトコンベアが適用される構成においては、支持ピンが、チェーンどうしの間またはベルトどうしの間から突出するように上下方向に往復動可能に配設される構成が適用できる。これらのような構成によれば、昇降可能な部材により遊技盤を下方から支持する態様で持ち上げることができる。
このように、遊技盤昇降手段122は、遊技盤5を第二の遊技盤搬送手段121から上方に持ち上げることができる構成を有していればよい。
このような構成の反り測定ユニット12は、読み取り手段125とともに、遊技盤5の反りや歪みを測定することができる。反り測定ユニット12の動作は、次のとおりである。
反り測定ユニット12の第二の遊技盤搬送手段121は、遊技盤昇降手段122がその上下方向の往復動の下端に位置している間において、遊技盤搬入ユニット11の第一の遊技盤搬送手段113から受け渡された遊技盤5を搬送することができる。遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221が、上下方向の往復動の範囲の下端に位置した状態で、第一の遊技盤ストッパ126が、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤の搬送を阻止する状態にあると、第二の遊技盤搬送手段121により搬送された遊技盤5は、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221の上側で停止する。具体的な停止位置は前記のとおりである。
この状態で、昇降ステージ1221が昇降ステージ駆動機構1222により上昇して、その上下方向の往復動の範囲の上端に位置すると、遊技盤5は、第二の遊技盤搬送手段121から上方に持ち上げられて、第二の遊技盤搬送手段121から浮いた状態となる。すなわち、遊技盤5は第二の遊技盤搬送手段121から離れる(たとえば、ベルトコンベアのベルトの上面から離れる)。このため、遊技盤5には、第二の遊技盤搬送手段121から遊技盤5を搬送するような力(=面方向に移動させるような力)は加わらなくなる。したがって、遊技盤5と、各変位計124および読み取り手段125との水平面方向の位置関係は、第一の遊技盤ストッパ126の係止部材1261に接触して停止した状態から変化しない。このように、遊技盤昇降手段122は、遊技盤5と各変位計124とを、図9に示すような位置関係を維持しつつ、遊技盤5を持ち上げることができる。
遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221が上昇して上下方向の往復動の範囲の上端に位置すると、次に、各変位計124が降下する。そして、各変位計124は、遊技盤5の上側の面のそれぞれの位置(=各変位計の直下の位置)の変位量を測定できる。
具体的には、上下方向に可動な各変位計124に接触式変位計が適用される構成においては、各接触式変位計の接触子が遊技盤5の上側の面のそれぞれの位置に接触し、上側に向かって変位する。このため、各接触式変位計は、この接触子の変位量を測定することができる。一方、各変位計124に非接触式の変位計が適用される構成においては、各非接触式変位計と遊技盤5の上側の面のそれぞれの位置(=各非接触式変位計の直下の位置)との距離を測定できる。また、各非接触式変位計は、遊技盤5の上側の面のそれぞれの位置(=各非接触式変位計の直下の位置)が、基準となる位置(非接触式変位計のゼロ点位置)からどれだけ接近したか(ゼロ点位置からの変位量)を測定できる。
そして、各変位計124は、測定結果(接触式変位計であれば、接触子の変位量。非接触式変位計であれば、遊技盤5の上側の面の所定の位置までの距離、または、ゼロ点位置からの接近量)を、反り算出手段1711に出力する。反り算出手段1711は、これらの測定結果に基づいて、遊技盤5の反りや歪みを測定する(=算出する)。
反り測定手段171が測定できる遊技盤5の「反りや歪み」とは、「幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ」をいうものとする。遊技盤5の上側の面が「幾何学的に正しい平面」であった場合には、各変位計124の出力(接触式変位計であれば、接触子の変位量。非接触式変位計であれば、遊技盤5の上側の面の所定の位置までの距離、または、ゼロ点位置からの接近量)は許容範囲内で均一となる。これに対して、遊技盤5に反りや歪みがある場合には、各変位計124の出力は不均一となり互いに異なる。このため、反り算出手段1711は、各変位計124の出力の差を算出する。この出力の差が、遊技盤5の反りや歪みを示す指標となる。本実施形態においては、たとえば、この出力の差が±0.8mm以内であれば、正常な遊技盤5として判定される許容範囲として設定されている。なお、許容範囲は遊技盤5の種類などに応じて任意に設定可能である。このように、反り測定手段171は、各変位計124と反り算出手段1711とにより、全体として、遊技盤5の反りや歪みを測定できる。なお、各変位計124の出力の差は、あらかじめ許容範囲が設定されており、判定手段172は、反り算出手段1711により算出された出力の差が許容範囲内であるか否かで反りや歪みを判定する。
また、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221が上下方向の往復動の範囲の上端に位置している間に、読み取り手段125は、遊技盤5に設けられる識別コード56を読み取る。読み取り手段125は、識別コード56の読み取り結果を、識別手段173に出力する。識別手段173は、読み取り結果に基づいて、遊技盤5の種類を識別する(=遊技盤の種類を特定する)。
各変位計124が変位量の測定を完了し、読み取り手段125が遊技盤5に設けられる識別コード56の読み取りを完了すると、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221は、降下して上下方向の往復動の範囲の下端に移動する。そうすると、遊技盤は第二の遊技盤搬送手段121に載置され、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221からは浮いた状態となる。その後、第一の遊技盤ストッパ126は、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を阻止しない状態に移行する。そうすると、第二の遊技盤搬送手段121は、遊技盤5の搬送を再開し(=遊技盤5の進行が再開し)、遊技盤5を遊技盤昇降手段122から移動させて遊技盤排出ユニット13に送り渡すことができる。
なお、読み取り手段125による遊技盤5に設けられた識別コード56の読み取りと、各変位計124による測定とは、同時に行われるとより望ましい。それにより、読み取り手段125による識別コード56の読み取りと、各変位計124による測定とが、別々のタイミングで行われる場合に比べて、製造工程にかかる時間を短縮することができる。さらに、読み取り手段125による識別コード56の読み取りの完了とともに、対応する後述のゲージ板3が後述の昇降ヘッド144に装着されるようにすれば、仮に判定手段172により反りや歪みが許容範囲内にないと判定された遊技盤5に対応して装着されたゲージ板3が無駄になる可能性はあるが、後続してプレスされるその他の遊技盤5の反りや歪みが許容範囲内であり、かつゲージ構成が同じ(識別コード)であれば、引き続き同じゲージ板3を使用することができるので、遊技盤5のプレス工程にかかる時間を短縮することができる。
次に、遊技盤排出ユニット13について説明する。図11〜図13は、遊技盤排出ユニット12の構成を模式的に示した平面図である。それぞれ、図11は、通常の設置態様において側方から見た図、図12は、上方から見た図、図13は、遊技盤5の搬送方向から見た図である。図11中の矢印Lと図12中の矢印Mは、遊技盤5の搬送方向を示す。図13においては、その紙面の法線方向が、遊技盤5の搬送方向となる。
図11〜図13のそれぞれに示すように、遊技盤排出ユニット13は、第三の遊技盤搬送手段131と、第二の遊技盤リフタ132と、遊技盤ストッカ133と、第二の遊技盤ストッパ134とを備える。
第三の遊技盤搬送手段131は、反り測定ユニット12から受け渡された遊技盤5を、識別コード56が設けられる面(=下穴を形成する面)を上側に向けて寝かせた状態で、略水平方向に搬送することができる。第三の遊技盤搬送手段131には、ローラコンベアなど、第一の遊技盤搬送手段113と同じ構成が適用できる。したがって、説明は省略する。
遊技盤ストッカ133は、遊技盤5を積み重ねた状態で、一時的に貯留する(=保管する)ことができる装置である。特に図13に示すように、遊技盤ストッカ133は、遊技盤5を積み重ねて載置することができる遊技盤載置台1331と、遊技盤載置台1331を所定の高さに調整することができる(=上下方向に往復動させることができる)遊技盤載置台駆動機構1332とを有する。
遊技盤載置台1331は、その上側に遊技盤5を積み重ねて載置できる構成を有していればよく、その構成は限定されない。たとえば、遊技盤載置台1331には、上側の面が略平面の板状の部材などが適用できる。遊技盤載置台駆動機構1332も、遊技盤載置台1331を上下方向に往復動させることができるとともに、遊技盤載置台1331を所定の高さ位置に保持することができる構成を有していればよく、その構成は限定されない。たとえば、遊技盤載置台駆動機構1332には、流体シリンダと流体シリンダにより駆動するピストンの組合せが適用できる。すなわち、流体シリンダの本体が、遊技盤排出ユニット13の筐体やフレームなどに固定され(=第三の遊技盤搬送手段131に対して変位しないように固定され)、ピストンに遊技盤載置台1331が結合される構成が適用できる。
第二の遊技盤ストッパ134は、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送を一時的に阻止する(=一時的に停止する)ことができる装置である。すなわち、第二の遊技盤ストッパ134は、第三の遊技盤搬送手段による遊技盤5の搬送を阻止する状態と、阻止しない状態とを交互に切り替わることができる。この第二の遊技盤ストッパ134には、反り測定ユニット12の第一の遊技盤ストッパ126と同じ構成が適用できる。したがって、説明は省略する。
第二の遊技盤リフタ132は、第二の遊技盤ストッパ134によって搬送が一時的に停止された遊技盤5を、遊技盤ストッカ133の遊技盤載置台1331に移すことができる装置である。この第二の遊技盤リフタ132には、遊技盤搬入ユニット11の第一の遊技盤リフタ111と同じ構成が適用できる。したがって、第一の遊技盤リフタ111と同じ符号を付して示し、説明は省略する。
図11〜図13に示すように、第二の遊技盤ストッパ134が、第三の遊技盤搬送手段131に設けられる。そして、遊技盤ストッカ133が、第三の遊技盤搬送手段131の側方であって、第二の遊技盤ストッパ134により遊技盤5が一時的に停止する位置の側方(=遊技盤5の搬送方向の側方)に設けられる。さらに、第三の遊技盤搬送手段131の上方(=第二の遊技盤ストッパ134により遊技盤5が一時的に停止する位置の上方)と遊技盤ストッカ133の上方とに跨って、第二の遊技盤リフタ132が設けられる。
このような構成を有する遊技盤排出ユニット13は、反り測定ユニット12から受け渡された複数の遊技盤5のうち、特定の一部の異常な遊技盤5(=反りや歪みが許容範囲にない遊技盤5)を、プレスユニット14に送り渡さないようにすることができる。そして、それ以外の遊技盤5を、プレスユニット14に送り渡すことができる。
なお、後述のゲージ板ストッカ1521に収容されたゲージ板3の中に、読み取った識別コード56に対応するゲージ板3が存在していない場合にも、遊技盤5をプレスユニット14に送り渡さずに後述の遊技盤載置台1331に移し換えるように構成してもよい。このような構成とすると、遊技盤5に設けられた識別コード56に対応するゲージ板3がないのにもかかわらず反りや歪みが許容範囲内にあるがためにプレス位置にセットされ、セットされた遊技盤5に対応していないゲージ板3でプレスされてしまうという事態や、プレス自体が停止するという事態が回避される。
具体的な動作は、次のとおりである。まず、遊技盤5をプレスユニット14に送り渡す動作について説明する。遊技盤排出ユニット13の第三の遊技盤搬送手段131が、遊技盤5を、反り測定ユニット12の第二の遊技盤搬送手段121から受け取る。第三の遊技盤搬送手段131は、受け取った遊技盤5を搬送する。図12中の矢印Mは、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送方向を示す。第二の遊技盤ストッパ134が、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送を阻止しない状態に移行していると、第三の遊技盤搬送手段131は、遊技盤5を搬送して、プレスユニット14に送り渡す。なお、第二の遊技盤ストッパ134が、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送を阻止する状態に移行していると、遊技盤5の進行が一時的に停止する。ただし、その後、第二の遊技盤ストッパ134が、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送を阻止しない状態に移行すると、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送が再開される(=遊技盤5の進行が再開する)。このため、第三の遊技盤搬送手段131は、遊技盤5を、プレスユニット14に送り渡すことができる。
遊技盤5を、プレスユニット14に送り渡さないようにする動作は、次のとおりである。第二の遊技盤ストッパ134は、あらかじめ(=第三の遊技盤搬送手段131により搬送される遊技盤5が第二の遊技盤ストッパ134に到達するよりも前の段階で)、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送を阻止する状態に移行する。そうすると、第三の遊技盤搬送手段131により搬送される遊技盤5は、第二の遊技盤ストッパ134により、その進行が停止する。そして、第二の遊技盤リフタ132が、第三の遊技盤搬送手段131上に停止している遊技盤5を、遊技盤ストッカ133の遊技盤載置台1331に移し換える。図12中の矢印Nと図13中の矢印Oは、第二の遊技盤リフタ132による遊技盤の搬送方向を示す。図12に示すように、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤の搬送方向と、第二の遊技盤リフタ132による遊技盤5の搬送方向は、略直交する構成が適用される。なお、遊技盤載置台1331に、既に別の遊技盤5が載置されている場合には、当該別の遊技盤5の上側に、遊技盤保持具1113が保持している遊技盤5を、積み重ねるように載置する。
第二の遊技盤リフタ132および遊技盤ストッカ133の動作は、遊技盤搬入ユニット11の第一の遊技盤リフタ111が、遊技盤5を第一の昇降台から第一の遊技盤搬送手段に載置する動作と略同じである。すなわち、「第一の遊技盤リフタ111」、「第一の昇降台112」、「第一の遊技盤搬送手段113」を、それぞれ、「第二の遊技盤リフタ132」、「第三の遊技盤搬送手段131」、「遊技盤載置台1331」に読み替えればよい。したがって、説明は省略する。
遊技盤載置台駆動機構1332は、遊技盤保持具1113が下降して遊技盤5を遊技盤載置台1331の上側に載置する際に、遊技盤載置台1331の高さを調整する。すなわち、遊技盤保持具1113が下降した際に、遊技盤保持具1113が保持している遊技盤5を、遊技盤載置台1331の上側の面に載置できる高さ(たとえば、遊技盤5の下側の面が遊技盤載置台1331に接触できる高さ)に調整する。遊技盤載置台1331に既に別の遊技盤5が載置されている場合には、当該別の遊技盤5の上側に載置できる高さに調整する。このため、遊技盤載置台駆動機構1332は、遊技盤載置台1331に一枚の遊技盤5が載置されるごとに、たとえば一枚の遊技盤5の厚さだけ、遊技盤載置台1331の高さを低くしていく。このような構成によれば、遊技盤載置台1331における遊技盤5の載置状態を確認することなく、遊技盤5を、既に遊技盤載置台1331に重ねられている他の遊技盤5と干渉せずに積み重ねて行くことが容易となる。尚、遊技盤載置台1331における遊技盤5の載置状態を確認し、その載置状態に応じて遊技盤保持具1113が保持している遊技盤5を載置できるように一定の高さを保つように構成してもよい。
なお、遊技盤載置台1331に移し換えられた遊技盤5は、第三の遊技盤搬送手段131に戻されない。このため、遊技盤載置台1331に移し換えられた遊技盤5は、プレスユニット14に送り渡されない。遊技盤載置台1331に移し換えられた遊技盤5は、たとえば、不良品として、後にまとめて遊技盤ストッカ133から搬出され、所定の処理がなされる。
このように、遊技盤排出ユニット13は、反り測定ユニット12から順次送られてきた複数の遊技盤5のうち、所定の一部の遊技盤5を、プレスユニット14に送り渡さないようにすることができる。したがって、反り測定ユニット12から順次受け渡された複数の遊技盤5のうち、反り判定手段172により反りや歪みが許容範囲内にあると判定された遊技盤5のみを、プレスユニット14に送り渡すことができる。そして、許容範囲内にないと判定された遊技盤5を、第三の遊技盤搬送手段131から除去して、遊技盤載置台1331にまとめて載置しておくこと(まとめて一時的に保管しておくこと)ができる。すなわち、遊技盤排出ユニット13は、遊技盤排出手段として機能する。
次に、プレスユニット14(本発明のプレス手段に相当する)について説明する。図14は、プレスユニット14の構成を模式的に示した図であり、プレスユニット14を通常の設置態様において側方から見た図である。ただし、図14においては、プレスユニット14の下部(土台に相当する構造物など)は省略してある。図15は、図14のC−C線矢視図であって、通常の設置態様において上方から見た図である。
図14と図15に示すように、プレスユニット14は、プレスステージ141と、第四の遊技盤搬送手段142と、第三の遊技盤ストッパ143と、昇降ヘッド144と、昇降ヘッド駆動機構145とを備える。
プレスステージ141は、遊技盤5を、下穴を形成する面を昇降ヘッド144に向けた姿勢にして寝かせて載置することができる部材である。たとえば、プレスステージ141は、その上側の面が略水平の平面に形成される部材である。そして、この上側の面に、遊技盤5を、下穴を形成する面を上側(=昇降ヘッド144の側)に向けて寝かせた状態で載置することができる。なお、プレスステージ141は、昇降ヘッド144がゲージ板3を遊技盤5に押し付ける力を受ける。このため、プレスステージ141は、この力に耐えられるような(=変形や変位しないような)強度を有する。
第四の遊技盤搬送手段142は、遊技盤排出ユニット13の第三の遊技盤搬送手段131から受け渡された遊技盤5を搬送して、プレスステージ141上に載置できる。さらに、プレスステージ上に載置される遊技盤5を搬送して、遊技盤搬出ユニット16に受け渡す(=プレスステージ上から除去する)ことができる。
第四の遊技盤搬送手段142には、所定の回転動力源(図略)により回転する搬送ローラ146が適用できる。そして、複数の搬送ローラ146が、遊技盤5の搬送方向の両側の側方に、それらの回転軸が略上下方向を向く態様で並べて設けられる。なお、搬送ローラ146および搬送ローラ146の回転動力源には、従来公知の各種の搬送ローラおよび各種モータなどの回転動力源が適用できる。したがって、説明は省略する。
このような構成によれば、第四の遊技盤搬送手段142としての搬送ローラ146が、遊技盤5の面方向の端面(搬送方向の側方の端面)に接触して、遊技盤5をその面方向に搬送することができる(=プレスステージ141の上側の面を滑らすように搬送することができる)。したがって、第四の遊技盤搬送手段142は、遊技盤排出ユニット13の第三の遊技盤搬送手段131から受け渡された遊技盤5を、プレスステージ141上に載置できる。さらに、プレスステージ141上に載置される遊技盤5を、遊技盤搬出ユニット16に受け渡すことができる。また、このような構成によれば、プレスステージ141上に載置された遊技盤5にゲージ板3が押し付けられる際において、第四の遊技盤搬送手段142としての各搬送ローラ146には、ゲージ板3を遊技盤5に押し付ける力が加わらない。
第三の遊技盤ストッパ143は、第四の遊技盤搬送手段142による遊技盤5の搬送(=遊技盤5の進行、移動)を一時的に停止させ、遊技盤5をステージ上の所定の位置に停止させる機能を有する。「所定の位置」とは、ゲージ板3を押し付けて遊技盤5に下穴を形成するために、ゲージ板3に対して位置決めされた位置である。第三の遊技盤ストッパ143には、反り測定ユニット12の第一の遊技盤ストッパ126と同じ構成が適用できる。したがって、説明は省略する。そして、第三の遊技盤ストッパ143は、プレスステージ141の一側(=第四の遊技盤搬送手段142による遊技盤5の搬送方向の下流側)であって、遊技盤5を前記「所定の位置」に停止させることができる位置に設けられる。
昇降ヘッド144は、ゲージ板3を着脱可能に装着することができ、装着したゲージ板3をプレスステージに載置される遊技盤5に押し付けることによって、遊技盤5に下穴を形成することができる部材である。昇降ヘッド144は、プレスステージに対して接近および離脱する方向に往復動することができる(=プレスステージの上側の面(=遊技盤5を載置できる面)の法線方向に沿って往復動できる)。
昇降ヘッド144の構成は、特に限定されるものではない。要は、ゲージ板3を着脱可能に装着できる構成であればよい。たとえば、電磁石の発する磁力によりゲージ板3を固定できる構成が適用できる。すなわち、昇降ヘッド144として電磁チャックが適用できる。
また、図2にも示すように、昇降ヘッド144には、位置決めピン1441(位置決め手段に相当する)が設けられる。位置決めピン1441は、下側に向かって突起する棒状またはピン状の部材である。そして、ゲージ板3に形成される第一の位置決め穴32に係合することによって、昇降ヘッド144の下側の面に、ゲージ板3を位置決めすること(ここでは、面方向の位置決めすること)ができる。さらに、遊技盤5にゲージ板3を押し付ける際に、位置決めピン1441が遊技盤5に形成される第二の位置決め穴58に係合することにより、遊技盤5に対しても位置決めできる。このため、昇降ヘッド144に設けられる位置決めピン1441によって、ゲージ板3と遊技盤5の面方向の位置決めがなされ、下穴を形成する位置がずれることが防止される。
昇降ヘッド駆動機構145は、昇降ヘッド144を往復動させることができる。昇降ヘッド駆動機構145には、従来公知の流体シリンダと流体シリンダにより駆動するピストンの組合せなどが適用できる。そして、流体シリンダの本体が、プレスユニット14の筐体やフレームに固定され(プレスステージに対して変位しないように固定され)、ピストンに、昇降ヘッド144が組み付けられる。なお、昇降ヘッド駆動機構145は、往復動力を発生できる構成であればよく、構成は限定されない。
次に、ゲージ板貯留・交換ユニット15について説明する。図16は、ゲージ板貯留・交換ユニット15の構成を、模式的に示した断面図であり、プレスユニット14との位置関係を示した図である。ゲージ板貯留・交換ユニット14は、ゲージ板貯留部151と、ゲージ板交換手段152とを有する。
ゲージ板貯留部151は、複数種類のゲージ板を貯留可能な領域(=後述するゲージ板ストッカ1521を収容可能な領域。すなわち、複数のゲージ板3を、ゲージ板ストッカ1521に収容した状態で貯留可能な領域)である。ゲージ板貯留部151の構成は、特に限定されるものではなく、箱状または骨組み状の構造物が適用できる。
ゲージ板交換手段152は、ゲージ板ストッカ1521と、ゲージ板ストッカ駆動機構(図略)と、ゲージ板駆動機構1522とを有する。
ゲージ板ストッカ1521は、複数のゲージ板3を収容できる部材である。具体的には、複数のゲージ板3のそれぞれを、プレスユニット14の昇降ヘッド144に装着される側の面を、当該昇降ヘッド144の取付面に略平行な姿勢で収容することができる。本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1のプレスユニット14の昇降ヘッド144は、下側の面に略水平な姿勢のゲージ板3を装着できる構成を有する。このため、ゲージ板ストッカ1521は、複数のゲージ板3のそれぞれを、ポンチなどが立設される側の面(=遊技盤5に下穴を形成する際に、遊技盤5に押し付ける側の面)を下向きにして、略水平方向に寝かせた状態で、上下方向に重ねた態様で収容することができる。
そして、ゲージ板ストッカ1521は、ゲージ板3を、その姿勢を維持した状態で、取り出すことおよび収容することができる。すなわち、ゲージ板3を、その面方向(=略水平方向)にスライドさせる態様で移動させることにより、取り出しや収容を行うことができる。
ゲージ板ストッカ1521は、箱状または骨組み状の構造物であり、側方の少なくとも一方が開放している。ゲージストッカ1521の内部には、ゲージ板3を載置可能な複数の可動棚1523が、上下方向に配列される態様で設けられる。各可動棚1523は、ゲージ板3を載置可能な構造物である。そして、各可動棚1523は、水平方向に移動することによって、前記側方の開放している側から、突出と収容ができる。
可動棚1523の構成は、ゲージ板3を載置できる構成であればよく、特に限定されるものではない。たとえば、ゲージ板3の周縁部(ポンチなどが立設されていない部分)を載置可能な額縁状の構造物(ポンチなどが立設される部分は、宙に浮いた状態となる)が適用できる。また、可動棚1523の水平移動のための構成も、特に限定されるものではない。たとえば、ゲージ板ストッカ1521の内側に、ガイドレールが略水平方向に設けられ、各可動棚1523がガイドレールに沿って水平方向に往復動できる構成が適用できる。たとえば、公知の各種事務机などの抽斗(ひきだし)と同じ機構が適用できる。
そして、ゲージ板ストッカ1521の開放している側の側方が、プレスユニット14の昇降ヘッド144の側に向けて配設される。すなわち、ゲージ板ストッカ1521から可動棚1523が突出すると、可動棚1523に載置されるゲージ板3が、上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間(好ましくは、昇降ヘッド144の直下)に位置するように配設される。このような構成によれば、可動棚1523をゲージ板ストッカ1521から突出させることにより、ゲージ板3を、プレスユニット14の昇降ヘッド144の下方(直下)に搬送できる。
ゲージ板ストッカ駆動機構は、ゲージ板ストッカ1521の上下方向位置を調整することができる。そして、ゲージ板ストッカ1521の各可動棚1523の高さ位置を、プレスユニット14の上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間に位置させることができる。換言すると、任意の可動棚1523を、ゲージ板駆動機構1522によりゲージ板3を取り出してプレスユニット14の昇降ヘッド144に取り付ける作業を行うことができる高さ、およびプレスユニット14の昇降ヘッド144から取り外されたゲージ板3をゲージ板駆動機構1522によりゲージ板ストッカ1521に収容できる高さに移動させて維持することができる。このように、ゲージ板ストッカ駆動機構は、ゲージ板ストッカ1521を、上下方向に往復動させることができる。
ゲージ板駆動機構1522は、ゲージ板ストッカ1521の複数の可動棚1523のうち、高さ位置がプレスユニット14の上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間に位置するもの(=昇降ヘッド144の直下に位置するもの)を、往復動させることができる構成を有する。すなわち、当該可動棚1523を、プレスユニット14の上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間と、ゲージ板ストッカ1521の内部に収容された位置と、の間を往復動させることができる。
ゲージ板駆動機構1522には、たとえば公知の各種電動アクチュエータが適用できる。すなわち、電動アクチュエータの本体が、ゲージ板貯留部151に固定され、電動アクチュエータのスライダにより、前記高さに位置する可動棚1523を往復動させる構成が適用できる。すなわち、電動アクチュエータが、ゲージ板貯留部151の内部の所定の高さ(=プレスユニット14の上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間の高さ)に固定される構成が適用できる。このような構成によれば、ゲージ板ストッカ駆動機構が、ゲージ板ストッカ1521の高さ位置を調整することにより、複数の可動棚1523のうちの任意の一つの可動棚1523(=プレスユニット14の上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間に位置する可動棚1523。好ましくは、昇降ヘッド144の直下の位置する可動棚1523)を、往復動させることができる。
なお、ゲージ板ストッカ1521は、複数のゲージ板3を収容することができる構成であり、各ゲージ板3を、略水平方向に移動させることによって、収容および取り出しを行うことができる領域を複数有する構成(すなわち、側方から収容および取り出しを行うことができる領域を複数有する構成)であればよく、その構成は限定されるものではない。
また、ゲージ板ストッカ駆動機構は、ゲージ板ストッカ1521を上下方向の往復動させることができるとともに、所定の高さ位置で停止させることができる構成であればよく、その構成は限定されるものではない。このため、公知の各種昇降機構が適用できる。
このような構成のプレスユニット14とゲージ板貯留・交換ユニット15は、次のような動作を行うことができる。
まず、ゲージ板貯留・交換ユニット15は、識別手段173による遊技盤5の識別結果に基づいて、プレスユニット14の昇降ヘッド144に装着するゲージ板3を特定する。
プレスユニット14の昇降ヘッド144に、既に遊技盤5の種類に応じたゲージ板3が装着されている場合には、ゲージ板貯留・交換ユニット15のゲージストッカ昇降機構およびゲージ板駆動機構1522は作動しない。
プレスユニット14の昇降ヘッド144に、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3とは異なるゲージ板3が既に装着されている場合には、まず、ゲージ板ストッカ駆動機構が、ゲージ板ストッカ1521を移動させ、空の可動棚1523を、ゲージ板駆動機構1522がゲージ板3の収容を行える高さ(=プレスユニット14の上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間の高さ)にする。そして、ゲージ板駆動機構1522が、ゲージ板ストッカ1521の当該空の可動棚1523を、上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間に移動させる。そして、昇降ヘッド144は、ゲージ板3の装着を解除し(たとえば、電磁的に装着する構成であれば、消磁し)、ゲージ板3を可動棚1523に載置する。そして、ゲージ板駆動機構1522は、ゲージ板3が載置された可動棚1523を、ゲージ板ストッカ1521の内部に収容する。これにより、先に装着されていたゲージ板3がゲージ板ストッカ1521に収容される。
次いで、ゲージ板ストッカ駆動機構は、ゲージ板ストッカ1521を移動させ、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3が収容されている可動棚1523を、ゲージ板駆動機構1522が往復動させることができる高さにする。そして、ゲージ板駆動機構1522が、当該可動棚1523に収容されるゲージ板3(=遊技盤の種類に応じたゲージ板)が載置された可動棚1523をゲージ板ストッカ1521から突出させ、ゲージ板3を上下方向の往復動の範囲の上端に位置する昇降ヘッド144とプレスステージ141との間の位置に搬送する。すなわち、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3を、昇降ヘッド144の直下の位置に搬送する。そして、プレスユニット14の昇降ヘッド144に装着する。
このような動作により、ゲージ板貯留・交換ユニット15のゲージ板交換手段152は、プレスユニット14の昇降ヘッド144に、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3を装着できる。すなわち、ゲージ板貯留部151に貯留される複数のゲージ板3のうち、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3を選択して、プレスユニット14の昇降ヘッド144に装着できる(=交換できる)。このように、ゲージ板貯留・交換ユニットは、ゲージ板交換手段として機能し、ゲージ板貯留部151に貯留される複数のゲージ板3のうちの任意の一つのゲージ板3を選択して、プレスユニット14の昇降ヘッド144に装着する(=昇降ヘッド144のゲージ板3を交換する)。
プレスユニット14の第四の遊技盤搬送手段142は、遊技盤排出ユニット13の第三の遊技盤搬送手段131から受け渡された遊技盤5を、プレスステージ141の上側に搬送する。第三の遊技盤ストッパ143は、第四の遊技盤搬送手段142による遊技盤5の搬送を阻止する状態にあり、遊技盤5をプレスステージ141の上側の「所定の位置」で停止させる。
この状態で、昇降ヘッド駆動機構145が動作して、ゲージ板3が装着された昇降ヘッド144が下降する。前記のとおり、昇降ヘッド144には、ゲージ板貯留・交換ユニット15により、遊技盤の種類に応じたゲージ板3が装着されている。そして、昇降ヘッド144が下降して、昇降ヘッド144に装着されるゲージ板3が、プレスステージ141の所定の位置に載置される遊技盤5に押し付けられる。その結果、遊技盤5には、ゲージ板3に設けられるポンチの種類、数、位置に応じた下穴が形成される。すなわち、遊技盤5の種類に応じた下穴が形成される。
そして、昇降ヘッド駆動機構145が作動して、昇降ヘッド144が上昇する。そうすると、ゲージ板3が遊技盤5から離れる。その後、第三の遊技盤ストッパ143が、第四の遊技盤搬送手段142による遊技盤5の搬送を阻止しない状態に移行する。そうすると、第四の遊技盤搬送手段142は、遊技盤の搬送を開始し、遊技盤5を遊技盤搬出ユニット16に送り渡す。
なお、ゲージ板貯留・交換ユニット15によるゲージ板3の装着の作業(または交換の作業)と、プレスユニット14による遊技盤5の搬送の作業(遊技盤5をプレスステージの所定の位置に搬送する作業)の順序は、限定されない。同時並列的に行ってもよい。
次に、遊技盤搬出ユニット16について説明する。遊技盤搬出ユニット16は、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1により製造された遊技盤5(=下穴が形成された遊技盤5)を、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1から搬出できるように、取り纏めて台車の上に載置することができるユニットである。
図17は、遊技盤搬出ユニット16の構成を、模式的に示した平面図である。図17に示すように、遊技盤搬出ユニット16は、第五の遊技盤搬送手段161と、台車昇降台163と、第三の遊技盤リフタ164とを備える。
第五の遊技盤搬送手段161は、プレスユニット14から受け渡された遊技盤5を搬送することができる。図17中の矢印Rは、遊技盤の搬送の向きを示す。第五の遊技盤搬送手段161には、従来公知の各種ローラコンベアなど、遊技盤搬入ユニット11の第一の遊技盤搬送手段113と同じ構成が適用できる。したがって、説明は省略する。第五の遊技盤搬送手段161の搬送方向の最下流またはその近傍には、第四の遊技盤ストッパ162が固定して設けられており、第五の遊技盤搬送手段161により搬送される遊技盤5を停止させるように構成される。なお、本発明の実施形態においては、第四の遊技盤ストッパ162は、第一の遊技盤ストッパ126〜第三の遊技盤ストッパ143とは異なり、固定されているが、第一の遊技盤ストッパ126〜第三の遊技盤ストッパ143と同様に可動であってもよい。
台車昇降台163は、遊技盤5を載置して搬送するための台車601を載置することができる部材である。そして、台車昇降台163は、図略の駆動機構により、台車昇降台163に載置された台車601を、所定の高さ(=第三の遊技盤リフタ164により遊技盤5を台車601に載置できる高さ)に持ち上げることができる。すなわち、台車昇降台163は、上下方向に往復動できる。図17中の矢印Tは、台車昇降台163の往復動の方向を示す。台車昇降台163は、台車601を載置できる構成であればよく、具体的な構成は限定されるものではない。たとえば、上面が単純な平板状の部材などが適用できる。また、上面に、台車601の転動を防止するための機構が設けられる構成であってもよい。台車昇降台163を持ち上げることができる駆動機構の構成も、限定されるものではない。
第三の遊技盤リフタ164は、第五の遊技盤搬送手段161により搬送された遊技盤5を、一枚ずつ、台車昇降台163に載置された台車601に載置することができる。図17中の矢印Sは、第三の遊技盤リフタ164による遊技盤の搬送方向を示す。第三の遊技盤リフタ164は、遊技盤搬入ユニット11の第一の遊技盤リフタ111と同じ構成が適用できる。したがって、第一の遊技盤リフタと同じ符号を付して示す。要は、第五の遊技盤搬送手段161の所定の位置(=第四の遊技盤ストッパ162により停止する遊技盤5の位置)の上方と、台車昇降台163に載置される台車の上方との間を往復動できるとともに、上下方向に往復動できる遊技盤保持具を備える構成であればよい。したがって、説明は省略する。
このような構成の遊技盤搬出ユニット16は、次のような動作を行うことができる。プレスユニット14により下穴が形成された遊技盤5は、プレスユニット14の第四の遊技盤搬送手段142から、遊技盤搬出ユニット16の第五の遊技盤搬送手段161に受け渡される。第五の遊技盤搬送手段161は、受け渡された遊技盤5を搬送する。図17中の矢印Rは、第五の遊技盤搬送手段による遊技盤5の搬送方向を示す。第五の遊技盤搬送手段161に設けられる第四の遊技盤ストッパ162は、遊技盤5の進行を停止させる。このため、遊技盤5は、第五の遊技盤搬送手段の所定の位置で停止する。そして、第三の遊技盤リフタ164が、第五の遊技盤搬送手段161上に停止している遊技盤5を、台車昇降台163に載置されている台車の上に移し換える。
なお、第三の遊技盤リフタ164および台車昇降台163の詳細な動作は、遊技盤排出ユニット13において、遊技盤5を第三の遊技盤搬送手段131から遊技盤載置台1331に移し換える際の第二の遊技盤リフタ132および遊技盤載置台1331の動作と同じである。すなわち、遊技盤排出ユニット13の説明における「第二の遊技盤リフタ132」、「遊技盤載置台1331」、「遊技盤載置台駆動機構1332」を、それぞれ、「第三の遊技盤リフタ164」、「台車昇降台163に載置される台車601」、「台車昇降台163の駆動機構」に読み替えればよい。したがって、説明は省略する。
制御ユニット17は、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の各ユニット11,12,13,14,15,16を制御し、各ユニット11,12,13,14,15,16に、所定のタイミングで所定の動作を行わせる。制御ユニットは、CPU、記憶手段(メモリ)、入出力装置(たとえば、制御盤や表示装置)などからなるコンピュータが適用される。また、制御ユニット17は、判定手段172と識別手段173とを有する。判定手段172は、反り測定ユニット12の反り測定手段171による反りの測定結果に基づいて、遊技盤5の反りや歪みが許容範囲内にあるか否かを判定することができる。識別手段173は、反り測定ユニット12の読み取り手段125による遊技盤5の識別コード56の読み取り結果に基づいて、遊技盤5の種類を識別する(=遊技盤5の種類を特定する)。なお、図5では、反り測定手段171の反り算出手段1711が反り測定ユニット12に設けられる構成を示すが、反り算出手段1711が制御ユニットに設けられる構成であってもよい。
次に、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の全体の動作と、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1を用いた遊技盤5の製造方法(=遊技盤5の下穴の形成方法)について説明する。なお、以下の説明では省略するが、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の各部の動作は、制御ユニット17が制御する。すなわち、制御ユニット17が、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1の各部(各ユニット11,12,13,14,15,16や、各ユニット11,12,13,14,15,16に組み付けられる装置など)に、以下に説明する動作を行わせる。
複数の遊技盤5が、積み重ねられた状態で、遊技盤搬入ユニット11に搬入される。すなわち、積み重ねられた複数の遊技盤5が、遊技盤搬入ユニット11の第一の昇降台112に載置される。各遊技盤5は、遊技領域が設けられる側の面(=下穴を形成する面)を上側に向けて積み重ねられる。なお、本実形態においては、遊技盤5には遊技領域が形成される側の面に識別コード56が設けられているが、反り測定手段171による遊技盤5の反りの測定と共に読取手段125による読み取りが可能であれば、識別コード56は遊技盤5の何れの面に設けられてもよい。このとき遊技盤5の搬送により識別コード56が破損するおそれのない位置に設けられることが望ましい。第一の昇降台112が、上下方向の往復動の範囲の下端に位置する状態で、遊技盤5を第一の昇降台112に載置できる。したがって、遊技盤5を高い位置に持ち上げる必要がないから、遊技盤5の搬入が容易となる。
第一の遊技盤リフタ111は、第一の昇降台112に載置された複数の遊技盤5を、一枚ずつ、第一の遊技盤搬送手段113に載置する。そして、第一の遊技盤搬送手段113は、複数の遊技盤5を、一枚ずつにバラされた状態で(=毎葉で)順次搬送し、反り測定ユニット12に送り渡す。詳細な動作は、前記のとおりである。
反り測定ユニット12の第二の遊技盤搬送手段121は、遊技盤搬入ユニット11の第一の遊技盤搬送手段113から受け渡された遊技盤5を搬送する。遊技盤搬入ユニット11から遊技盤5が受け渡された時点では、遊技盤昇降手段122は、上下方向の往復動の範囲の下端に位置し、第一の遊技盤ストッパ126は、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を阻止する状態にある。このため、第二の遊技盤搬送手段121が遊技盤5を搬送すると、遊技盤5が第一の遊技盤ストッパ126の係止部材1261に接触し、遊技盤昇降手段122の上側の所定の位置で停止する。
遊技盤昇降手段122の上側の所定の位置で遊技盤5が停止すると、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221が上昇して、上下方向の往復動の範囲の上端に位置し、遊技盤5を、第二の遊技盤搬送手段121からその上側に持ち上げる。そして、各変位計124が下降して変位量などを測定する。なお、各変位計124が上下方向に往復動しない構成においては、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221が上昇して、上下方向の往復動の範囲の上端に位置した段階で、各変位計124は変位量などを測定することになる。
各変位計124は、変位量などの測定結果を、反り測定手段171の反り算出手段1711に出力する。反り測定手段171の反り算出手段1711は、各変位計124の出力に基づいて、遊技盤5の反りや歪みを算出する。このように、反り測定手段171は、遊技盤5の反りや歪みを測定する(=算出する)。そして、反り測定手段171は、遊技盤5の反りや歪みの測定結果を、反り判定手段172に出力する。反り判定手段172は、遊技盤5の反りや歪みが許容範囲内にあるか否かを判定する。
さらに、遊技盤昇降手段122が遊技盤5を持ち上げて上下方向の往復動の範囲の上端に位置している間(反り測定手段171により反りを測定している間)に、読み取り手段125は、遊技盤5に設けられる識別コード56を読み取る。なお、読み取り手段125による識別コード56の読み取りは、反り測定手段171による反りの測定後であって反り判定手段172による反りの判定が行われている間に行われるように構成してもよい。
識別手段173は、読み取り手段125が読み取った識別コードに含まれる情報に基づいて、遊技盤5の種類(換言すると、遊技機の機種)を識別(=特定)する。
各変位計124が変位量の測定を完了し、読み取り手段125が遊技盤5に設けられる識別コード56の読み取りを完了すると、遊技盤昇降手段122の昇降ステージ1221は、降下して上下方向の往復動の範囲の下端に移動する。そして、第一の遊技盤ストッパ126は、第二の遊技盤搬送手段121による遊技盤5の搬送を阻止しない状態に移行する。そうすると、第二の遊技盤搬送手段121は遊技盤5の搬送を再開し(=遊技盤5の進行が再開し)、遊技盤5を遊技盤昇降手段122上から移動させて遊技盤排出ユニット13に送り渡す。
遊技盤排出ユニット13の第三の遊技盤搬送手段131は、遊技盤5を、反り測定ユニット12の第二の遊技盤搬送手段121から受け取って搬送する。反り測定ユニット12から遊技盤5が受け渡された時点では、第二の遊技盤ストッパ134は、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送を阻止する状態にある。このため、第三の遊技盤搬送手段131が遊技盤5を搬送すると、搬送された遊技盤5は、第二の遊技盤ストッパ134の係止部材に接触して進行できなくなり、第二の遊技盤リフタ132の下側の位置で停止する。
反り判定手段172が、遊技盤5の反りやひずみが許容範囲内になく、異常であると判定した場合には、第二の遊技盤リフタ132は、遊技盤5を第三の遊技盤搬送手段131から遊技盤ストッカ133の遊技盤載置台1331に移し換える。この際の第二の遊技盤リフタ132および遊技盤ストッカ133の詳細な動作は、前記のとおりである。反り判定手段172が、遊技盤5の反りや歪みが許容範囲内にあり、正常な遊技盤であると判定した場合には、第二の遊技盤ストッパ134は、第三の遊技盤搬送手段131による遊技盤5の搬送を阻止しない状態に移行する。そうすると、第三の遊技盤搬送手段131は遊技盤5の搬送を再開し、遊技盤5をプレスユニット14に送り渡す。
このように、遊技盤排出ユニット13は、反り判定手段172により反りや歪みが許容範囲内にないと判定された遊技盤5を、第三の遊技盤搬送手段131から除去し、反りや歪みが許容範囲内にあると判定された遊技盤5のみを、プレスユニット14に送り渡す。
遊技盤貯留・交換ユニット15は、識別手段172による遊技盤5の種類の識別結果に基づき、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3を、プレスユニット14の昇降ヘッド144に装着する。昇降ヘッド144に既に別の種類のゲージ板3が装着されている場合には、当該別の種類のゲージ板3を取り外し、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3を装着する(すなわち、ゲージ板3を交換する)。なお、既に遊技盤の種類に応じたゲージ板3が昇降ヘッド144に装着されている場合には、遊技盤貯留・交換ユニット15は何もしない。
プレスユニット14の第四の遊技盤搬送手段142は、遊技盤排出ユニット13の第三の遊技盤搬送手段131から受け渡された遊技盤5を搬送する。遊技盤排出ユニット13から遊技盤5が受け渡された時点では、第三の遊技盤ストッパ143は、第四の遊技盤搬送手段142による遊技盤5の搬送を阻止する状態にある。このため、第四の遊技盤搬送手段142が遊技盤5を搬送すると、搬送された遊技盤5は、第三の遊技盤ストッパ143の係止部材に接触し、プレスステージ141上の「所定の位置」で停止する。
遊技盤5がプレスステージ141上の所定の位置に停止すると、昇降ヘッド144が下降し、昇降ヘッド144に装着されているゲージ板3を、プレスステージ141に載置される遊技盤5に押し付ける。そうすると、遊技盤5の上側の面には、ゲージ板3の種類に応じた下穴が形成される。前記のとおり、昇降ヘッド144には、遊技盤5の種類に応じたゲージ板3が装着されているから、遊技盤5には、遊技盤5の種類に応じた下穴が形成される。
その後、昇降ヘッド144が上昇する。そうすると、ゲージ板3が遊技盤5から離れる。そして、第三の遊技盤ストッパ143が、第四の遊技盤搬送手段142による遊技盤5の搬送を阻止しない状態に移行する。そうすると、第四の遊技盤搬送手段142は、遊技盤5の搬送を開始し、遊技盤5をプレスステージ上から移動させて遊技盤搬出ユニット16に送り渡す。
遊技盤搬出ユニット16の第五の遊技盤搬送手段161は、プレスユニット14の第四の遊技盤搬送手段142から受け渡された遊技盤5を搬送する。第五の遊技盤搬送手段161の下流側端部またはその近傍には、第四の遊技盤ストッパ162が設けられている。このため、遊技盤5は、第五の遊技盤搬送手段161の下流側の端部またはその近傍に達すると、第四の遊技盤ストッパ162に接触して停止する。そして、第三の遊技盤リフタ164は、停止した遊技盤5を、一枚ずつ、台車昇降台163に載置されている台車に積み重ねていく。
本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1、および本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造方法は、次のような作用効果を奏することができる。
プレスユニット14において遊技盤5に下穴を形成する前に、反り測定ユニット13において遊技盤5の反りや歪みを測定する。そして、反りや歪みが許容範囲を越える遊技盤5を遊技盤排出ユニット13において排出し、プレスユニット14に送らないようにできる(=下穴を形成する工程に送らないようにできる)。したがって、遊技盤5の反りや歪みに起因する不良品の発生を防止できる。
読み取り手段125が遊技盤5に設けられる識別コード56を読み取り、読み取り結果に基づいて、遊技盤の種類に応じたゲージ板3を選択して自動的に装着する。このため、ゲージ板3の装着作業または交換作業に要する手間や時間を削減できる。さらに、読み取り手段125の読み取り結果に基づいて、ゲージ板貯留・交換ユニット15のゲージ板駆動機構がゲージ板3を自動的に交換するから、装着するゲージ板3を間違えることを防止できる。
このように、複数種類のゲージ板3を用いて複数種類の遊技盤5を製造する場合において、遊技盤5の反りや歪みに起因する不良品の発生を防止することができるとともに、ゲージ板3の装着作業または交換作業の自動化と装着するゲージ板3の間違いの発生を防止できる。
さらに、反り測定ユニット12において、遊技盤昇降手段122が遊技盤5を第二の遊技盤搬送手段121から持ち上げた状態において、各変位計124が、変位量を測定できるとともに、読み取り手段125が、遊技盤5に設けられる識別コード56を読み取ることができる。このように、遊技盤5の反りや歪みの測定(正確には、遊技盤5の反りや歪みの算出に必要な変位量の測定工程)と、遊技盤5の種類の識別(正確には、遊技盤5の識別に必要な識別コード56の読み取り工程)とを、ほぼ同時に行うことができるから、これらの工程に要する時間の短縮を図ることができる。
また、本発明の実施形態にかかる遊技盤の製造装置1は、反り測定ユニット12の遊技盤昇降手段122が遊技盤5を持ち上げ、変位計124が変位を測定できる位置(=遊技盤5の反りを測定できる位置)にあると、読み取り手段125が遊技盤5に設けられる識別コードに接近する構成を有する。このため、読み取り手段125は、遊技盤5に設けられる識別コード56に接近して読み取ることができる。したがって、識別コード56の読み取りエラーの発生を防止または抑制できるとともに、読み取りの正確さや精度の向上を図ることができる。
読み取り手段125として、二次元コードを撮像可能なカメラが適用される構成であれば、遊技盤5に設けられる識別コード56として、二次元コード(たとえばQRコード)が適用できる。このため、読み取りの精度の向上を図ることができ、遊技盤の種類の識別の正確さの向上を図ることができる。したがって、ゲージ板3の間違いを防止することができる。
反り測定手段171が、複数の接触式変位計を備える構成であり、これら複数の接触式変位計の出力に基づいて遊技盤の反りや歪みを測定(=算出)する構成であれば、遊技盤5の反りや歪みを正確に測定することができる。
搬送手段として、複数のベルトコンベアまたは複数のベルトを備えるベルトコンベアが適用される構成であると、複数のベルトコンベアまたは複数のベルトの間に、遊技盤昇降手段の少なくとも一部を設けることができる。すなわち、昇降ステージ1221および昇降ステージ駆動機構1222の動作と、第二の遊技盤搬送手段121とが干渉しないようにできる。また、遊技盤昇降手段122として、支持ピンが適用される構成であっても、同様に、第二の遊技盤搬送手段121との干渉を防止できる。これらのような構成であれば、遊技盤5を下側から持ち上げることができるから、遊技盤5の一方の面(すなわち、識別コードが設けられる面であって、反りや歪みを測定する側の面)に接触する必要がない。この面の全体で反りや歪みの測定が阻碍されることがない。また、遊技盤を持ち上げる際に、遊技盤に設けられる識別コードが隠れるなどして読み取り不可能または読み取り困難となることがない。