しかしながら、母基板に複数の電子部品収納用パッケージを配列させた複数個取り基板においては、複数個取り基板の状態のままでは、個々の電子部品収納用パッケージに対して凹部の気密性を確認することができないという問題を有していた。すなわち、複数個取り基板は、母基板に複数の電子部品収納用パッケージ領域を配列形成しているため、電子部品収納用パッケージごとに個片化する前の複数個取り基板の状態では、各電子部品収納用パッケージの側面が外部に露出しておらず、凹部から側面まで連通する空隙部が存在するかどうかの確認ができないこととなる。
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑み案出されたもので、その目的は、凹部の気密性を良好に確認することができる複数個取り電子部品収納用パッケージおよび複数個取り電子部品収納用パッケージの判別方法を提供することにある。また、信頼性に優れた電子装置を提供することにある。
本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と、凹部を形成するために前記絶縁基体の少なくとも一方主面に搭載された枠体と、前記絶縁基体と前記枠体との間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて配置された一対のパッケージ測定用電極とを備えてており、
平面透視において前記一対のパッケージ測定用電極は、前記枠体の内側の縁と外側の縁との間に設けられており、前記内側の縁部に沿って平行に配置されているとよい。
或いは、本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と、凹部を形成するために前記絶縁基体の少なくとも一方主面に搭載された複数層からなる枠体と、前記枠体の層間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて配置された一対のパッケージ測定用電極とを備えており、平面透視において、前記一対のパッケージ測定用電極は、前記枠体の内側の縁と外側の縁との間に設けられており、前記内側の縁部に沿って平行に配置されているとよい。
また、好ましくは、前記一対のパッケージ測定用電極が、前記枠体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されているとよい。
また、好ましくは、前記一対のパッケージ測定用電極が、平面視で前記凹部を囲繞するように形成されているとよい。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージは、母基板と、該母基板の一方主面上に配置された格子状体とにより、複数の凹部及び該凹部に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域が形成され、さらに電子部品収納用パッケージ領域の前記母基板と前記格子状体との間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて配置された一対の測定用電極を備えており、平面透視において、前記一対の測定用電極は、前記格子状体の内側の縁と外側の縁との間または前記格子状体の前記内側の縁同士の間に設けられており、前記内側の縁部に沿って平行に配置されているとよい。
或いは、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージは、母基板と、該母基板の一方主面上に、配置された複数層からなる格子状体とにより、複数の凹部及び該凹部に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域が形成され、さらに前記電子部品収納用パッケージ領域の前記複数層からなる格子状体の層間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて配置された一対の測定用電極を備えており、平面透視において、前記一対の測定用電極は、前記格子状体の内側の縁と外側の縁との間または前記格子状体の内側の縁同士の間に設けられており、前記内側の縁部に沿って平行に配置されているとよい。
また、好ましくは、前記一対の測定用電極が、前記格子状体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されているとよい。
また、好ましくは、前記電子部品収納用パッケージ領域に形成された前記測定用電極のそれぞれが、平面視で前記電子部品収納用パッケージ領域の前記凹部を囲繞しているとよい。
また、好ましくは、前記母基板または前記格子状体は、前記電子部品収納用パッケージ領域の配列領域よりも外側に、外側ダミー領域を備えており、一対の測定用電極のそれぞれに電気的に接続される測定用端子が、前記外側ダミー領域における前記母基板または前記格子状体の一方主面に導出されているとよい。
また、好ましくは、前記母基板または前記格子状体は、隣接する前記電子部品収納用パッケージ領域間に中間ダミー領域を備えており、一対の測定用電極のそれぞれに電気的に接続される測定用端子が、前記中間ダミー領域における前記母基板または前記格子状体の一方主面に導出されているとよい。
また、好ましくは、前記一対の測定用電極は、第2の測定用端子をそれぞれ備えているとよい。
本発明の電子装置は、本発明の電子部品収納用パッケージと、該電子部品収納用パッケージに搭載される電子部品とを備えているとよい。
或いは、本発明の電子装置は、前記複数個取り電子部品収納用パッケージと、該複数個取り電子部品収納用パッケージの前記電子部品収納用パッケージ領域に搭載される電子部品とを備えた複数個取り電子装置を、電子部品収納用パッケージ領域ごとに分割して得られる。
本発明の電子部品収納用パッケージの判別方法は、前記一対のパッケージ測定用電極間に対して耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することで行われる。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの判別方法は、前記一対の測定用電極間に対して耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージの領域の凹部の気密性を確認することで行われる。
本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と、凹部を形成するために前記絶縁基体の少なくとも一方主面に搭載された枠体と、前記絶縁基体と前記枠体との間に埋設された第1のパッケージ測定用電極と、前記凹部の内面に設けられ、且つ前記第1のパッケー
ジ測定用電極に電気的に非接触である第2のパッケージ測定用電極とを備えており、
平面透視において、前記第1のパッケージ測定用電極は、前記枠体の内側の縁と外側の縁との間に設けられており、前記内側の縁部に沿って配置されているとよい。
或いは、本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と、凹部を形成するために前記絶縁基体の少なくとも一方主面に搭載された複数層からなる枠体と、前記枠体の層間に埋設された第1のパッケージ測定用電極と、前記凹部の内面に設けられ、且つ前記第1のパッケージ測定用電極に電気的に非接触である第2のパッケージ測定用電極とを備えており、平面透視において、前記第1のパッケージ測定用電極は、前記枠体の内側の縁と外側の縁との間に設けられており、前記内側の縁部に沿って配置されているとよい。
また、好ましくは、前記第1のパッケージ測定用電極が、前記枠体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されているとよい。
また、好ましくは、前記第1のパッケージ測定用電極が、平面視で前記凹部を囲繞するように形成されているとよい。
本発明の複数個取り電子部品収容用パッケージは、母基板と、該母基板の一方主面上に配置された格子状体とにより、複数の凹部及び該凹部に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域が形成され、さらに電子部品収納用パッケージ領域の前記母基板と前記格子状体との間に埋設された第1の測定用電極と、前記凹部の底面或いは内壁面に設けられ、且つ前記第1の測定用電極に電気的に非接触である第2の測定用電極とを備えており、平面透視において、前記第1の測定用電極は、前記格子状体の内側の縁と外側の縁との間または前記格子状体の内側の縁同士の間に設けられており、前記内側の縁部に沿って配置されているとよい。
或いは、本発明の複数個取り電子部品収容用パッケージは、母基板と、該母基板の一方主面上に、配置された複数層からなる格子状体とにより、複数の凹部及び該凹部に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域が形成され、さらに前記電子部品収納用パッケージ領域の前記複数層からなる格子状体の層間に埋設された第1の測定用電極と、前記凹部の底面或いは内壁面に設けられ、且つ前記第1の測定用電極に電気的に非接触である第2の測定用電極とを備えており、平面透視において、前記第1の測定用電極は、前記格子状体の内側の縁と外側の縁との間または前記格子状体の内側の縁同士の間に設けられており、前記内側の縁部に沿って配置されているとよい。
また、好ましくは、前記第1の測定用電極が、前記格子状体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されているとよい。
また、好ましくは、前記電子部品収納用パッケージ領域に形成された前記第1の測定用電極が、平面視で前記電子部品収納用パッケージ領域の前記凹部を囲繞しているとよい。
また、好ましくは、前記複数の電子部品収納用パッケージ領域のうち、一の電子部品収納用パッケージ領域の前記第1の測定用電極と、他の電子部品収納用パッケージ領域の前記第1の測定用電極とが、電気的に接続されており、且つ一の電子部品収納用パッケージ領域の前記第2の測定用電極と、他の電子部品収納用パッケージ領域の前記第2の測定用電極とが電気的に非接触であるか、或いは、前記複数の電子部品収納用パッケージ領域のうち、一の電子部品収納用パッケージ領域の前記第1の測定用電極と、他の電子部品収納用パッケージ領域の前記第1の測定用電極とが電気的に非接触であり、且つ一の電子部品収納用パッケージ領域の前記第2の測定用電極と、他の電子部品収納用パッケージ領域の前記第2の測定用電極とが電気的に接続されているとよい。
また、好ましくは、前記格子状体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されている前記第1の測定用電極同士が、互いに電気的に接続されているとよい。
また、好ましくは、前記第2の測定用電極は、前記凹部内に搭載される電子部品の電極と電気的に接続される配線導体として用いられるとよい。
本発明の電子装置は、本発明の電子部品収納用パッケージと、該電子部品収納用パッケージに搭載される電子部品とを備えている。
或いは、本発明の電子装置は、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージと、該複数個取り電子部品収納用パッケージの前記電子部品収納用パッケージ領域に搭載される電子部品とを備えた複数個取り電子装置を、電子部品収納用パッケージ領域ごとに分割して得られる。
本発明の電子部品収納用パッケージの判別方法は、本発明の電子部品収納用パッケージの前記第1のパッケージ測定用電極と前記第2のパッケージ測定用電極との間に対して耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することで行われる。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの前記第1の測定用電極と前記第2の測定用電極との間に対して耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することで行われる。
本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と、凹部を形成するために絶縁基体の少なくとも一方主面に搭載された枠体と、絶縁基体と前記枠体との間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて配置された一対のパッケージ測定用電極とを備えている。電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と枠体との間への異物の混入や絶縁基体と枠体との密着不良によって絶縁基体と枠体との間に凹部とパッケージの外壁とを連通するような空隙部が形成された場合には、絶縁基体と枠体との間に位置する一対のパッケージ測定用電極間においても空隙部が形成された状態となる。そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージに対して、一対のパッケージ測定用電極間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、一対のパッケージ測定用電極間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、一対のパッケージ測定用電極が短絡することとなる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生の有無を調べることにより、絶縁基体と枠体との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することができる。
本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と、凹部を形成するために絶縁基体の少なくとも一方主面に搭載された複数層からなる枠体と、枠体の層間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて配置された一対のパッケージ測定用電極とを備えている。電子部品収納用パッケージは、枠体の層間への異物の混入や枠体の層間の密着不良によって枠体の層間に凹部とパッケージの外壁とを連通するような空隙部が形成された場合には、枠体の層間に位置する一対のパッケージ測定用電極間にも空隙部が形成された状態となる。そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージに対して、一対のパッケージ測定用電極間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、一対のパッケージ測定用電極間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、一対のパッケージ測定用電極が短絡することとなる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生の有無を調べることにより、枠体の層間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することができる。
また、好ましくは、一対のパッケージ測定用電極が、枠体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されていることから、枠体の高さ位置の異なる層間に形成されたそれぞれの一対のパッケージ測定用電極間に対して耐電圧試験を行うことで、枠体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに対して空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を良好に確認することができる。
また、好ましくは、一対のパッケージ測定用電極が、平面視で凹部を囲繞するように形成されていることから、電子部品収納用パッケージの凹部周囲の広範囲にわたって空隙部の有無を確認することができる。これにより、電子部品収納用パッケージの凹部の気密性をより良好に確認することができる。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージは、母基板と、母基板の一方主面上に配置された格子状体とにより、複数の凹部及び凹部に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域が形成され、さらに電子部品収納用パッケージ領域の母基板と格子状体との間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて配置された一対の測定用電極を備えている。そして、母基板と格子状体との間への異物の混入や母基板と格子状体との密着不良によって母基板と格子状体との間に凹部と電子部品収納用パッケージ領域の外縁とを連通するような空隙部が形成された場合には、この電子部品収納用パッケージ領域の母基板と格子状体との間に位置する一対の測定用電極間においても空隙部が形成された状態となる。このような状態にある電子部品収納用パッケージ領域に対して、一対の測定用電極間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、一対の測定用電極間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、一対の測定用電極が短絡することとなる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生の有無を調べることにより、電子部品収納用パッケージ領域の母基板と格子状体との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することができる。
また、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性の確認を、複数個取り電子部品収納用パッケージの形態のままで行うことができるので、複数の電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性の確認を効率良く、かつ良好に行うことができる。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージは、母基板と、母基板の一方主面上に、配置された複数層からなる格子状体とにより、複数の凹部及び凹部に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域が形成され、さらに電子部品収納用パッケージ領域の複数層からなる格子状体の層間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて配置された一対の測定用電極を備えている。そして、格子状体の層間への異物の混入や格子状体の層間の密着不良によって格子状体の層間に凹部と電子部品収納用パッケージ領域の外縁とを連通するような空隙部が形成された場合には、この電子部品収納用パッケージ領域の層間に位置する一対の測定用電極間にも空隙部が形成された状態となる。このような状態にある電子部品収納用パッケージ領域に対して、一対の測定用電極間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、一対の測定用電極間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、一対の測定用電極が短絡することとなる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生の有無を調べることにより、電子部品収納用パッケージ領域の格子状体の層間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することができる。
また、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性の確認を、複数個取り電子部品収納用パッケージの形態のままで行うことができるので、複数の電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性の確認を効率良く、かつ良好に行うことができる。
また、好ましくは、一対の測定用電極が、格子状体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されていることから、格子状体の高さ位置の異なる層間に形成されたそれぞれの一対の測定用電極間に対して所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うことで、格子状体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに対して空隙部の有無を容易に確認することができる。従って各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を良好に確認することができる。
また、好ましくは、電子部品収納用パッケージ領域に形成された前記測定用電極のそれぞれが、平面視で電子部品収納用パッケージ領域の凹部を囲繞していることから、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の周囲領域の広範囲にわたって空隙部の有無を確認することができる。これにより、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性をより良好に確認することができる。
また、好ましくは、母基板または格子状体は、電子部品収納用パッケージ領域の配列領域よりも外側に、外側ダミー領域を備えており、一対の測定用電極のそれぞれに電気的に接続される測定用端子が、外側ダミー領域における母基板または格子状体の一方主面に導出されていることから、測定用端子を電子部品収納用パッケージ領域以外の主面に導出することによって、電子部品収納用パッケージ領域の主面に測定用端子が導出される領域を形成する必要がなくなる。これにより、電子部品収納用パッケージ領域を小型化しやすくなる。
また、好ましくは、母基板または格子状体は、隣接する電子部品収納用パッケージ領域間に中間ダミー領域を備えており、一対の測定用電極のそれぞれに電気的に接続される測定用端子が、中間ダミー領域における母基板または格子状体の一方主面に導出されていることから、測定用端子を電子部品収納用パッケージ領域以外の主面に導出することによって、電子部品収納用パッケージの主面に測定用端子が導出される領域を形成する必要がなくなる。これにより、電子部品収納用パッケージ領域を小型化しやすくなる。
また、好ましくは、一対の測定用電極は、第2の測定用端子をそれぞれ備えている。上述した母基板と格子状体との間、もしくは格子状体の層間への異物の混入によって母基板と格子状体との間や格子状体の層間に凹部と電子部品収納用パッケージ領域の外縁とを連通するような空隙部が存在する場合は、測定用電極に断線が生じていることがある。この場合は、第2の測定用端子を用いて、測定用端子と第2の測定用端子との間の電気的導通状態を確認することにより、空隙部の有無を確認することができる。従って、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性をより確実に確認することができる。
本発明の電子装置は、本発明の電子部品収納用パッケージと、該電子部品収納用パッケージに搭載される電子部品とを備えたことから、凹部の気密性に優れていることが確認された電子部品収納用パッケージに電子部品を搭載することができるので、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
本発明の電子装置は、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージと、該複数個取り電子部品収納用パッケージの前記電子部品収納用パッケージ領域に搭載される電子部品とを備えた複数個取り電子装置を、電子部品収納用パッケージ領域ごとに分割して得られたことから、凹部の気密性に優れていることが確認された電子部品収納用パッケージ領域に電子部品を搭載することができるので、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
本発明の電子部品収納用パッケージの判別方法では、本発明の電子部品収納用パッケージの一対のパッケージ測定用電極間に対して耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することで行われる。この耐電圧試験によれば、一対のパッケージ測定用電極間に空隙部が形成されている場合には、空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、一対のパッケージ測定用電極が短絡することとなる。この短絡の有無を調べることにより、一対のパッケージ測定用電極間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することができる。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの判別方法は、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの一対の測定用電極間に対して耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することで行われる。この耐電圧試験によれば、一対の測定用電極間に空隙部が形成されている場合には、空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、一対の測定用電極が短絡することとなる。この短絡の有無を調べることにより、一対の測定用電極間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することができる。
本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と、凹部を形成するために絶縁基体の少なくとも一方主面に搭載された枠体と、絶縁基体と枠体との間に埋設された第1のパッケージ測定用電極と、凹部の内面に設けられ、且つ第1のパッケージ測定用電極に電気的に非接触である第2のパッケージ測定用電極とを備えている。電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と枠体との間への異物の混入や絶縁基体と枠体との密着不良によって絶縁基体と枠体との間に凹部とパッケージの外壁とを連通するような空隙部が形成された場合には、絶縁基体と枠体との間に位置する第1のパッケージ測定用電極と凹部の内面に設けられた第2のパッケージ測定用電極との間においても空隙部が形成された状態となる。そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージに対して、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極との間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極との間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極とが短絡することとなる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生の有無を調べることにより、絶縁基体と枠体との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することができる。
本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体と、凹部を形成するために絶縁基体の少なくとも一方主面に搭載された複数層からなる枠体と、枠体の層間に埋設された第1のパッケージ測定用電極と、凹部の内面に設けられ、且つ第1のパッケージ測定用電極に電気的に非接触である第2のパッケージ測定用電極とを備えている。電子部品収納用パッケージは、枠体の層間への異物の混入や枠体の層間の密着不良によって枠体の層間に凹部とパッケージの外壁とを連通するような空隙部が形成された場合には、枠体の層間に位置する第1のパッケージ測定用電極と凹部の内面に設けられた第2のパッケージ測定用電極との間においても空隙部が形成された状態となる。そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージに対して、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極との間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極との間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極とが短絡することとなる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生の有無を調べることにより、絶縁基体と枠体との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することができる。
また、好ましくは、第1のパッケージ測定用電極が、枠体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されていることから、枠体の高さ位置の異なる層間に形成されたそれぞれの第1のパッケージ用電極と第2のパッケージ測定用電極との間に耐電圧試験を行うことで、枠体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに対して空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を良好に確認することができる。
また、好ましくは、第1のパッケージ測定用電極が、平面視で凹部を囲繞するように形成されていることから、電子部品収納用パッケージの凹部周囲の広範囲にわたって空隙部の有無を確認することができる。これにより、電子部品収納用パッケージの凹部の気密性をより良好に確認することができる。
本発明の複数個取り電子部品収容用パッケージは、母基板と、母基板の一方主面上に配置された格子状体とにより、複数の凹部及び凹部に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域が形成され、さらに電子部品収納用パッケージ領域の母基板と格子状体との間に埋設された第1の測定用電極と、凹部の底面或いは内壁面に設けられ、且つ第1の測定用電極に電気的に非接触である第2の測定用電極とを備えている。そして、母基板と格子状体との間への異物の混入や母基板と格子状体との密着不良によって母基板と格子状体との間に凹部と電子部品収納用パッケージ領域の外縁とを連通するような空隙部が形成された場合には、この電子部品収納用パッケージ領域の母基板と格子状体との間に位置する第1の測定用電極と凹部の内面に設けられた第2の測定用電極との間においても空隙部が形成された状態となる。このような状態にある電子部品収納用パッケージ領域に対して、第1の測定用電極と第2の測定用電極との間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、第1の測定用電極と第2の測定用電極との間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1の測定用電極と第2の測定用電極とが短絡することとなる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生の有無を調べることにより、電子部品収納用パッケージ領域の母基板と格子状体との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することができる。
また、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性の確認を、複数個取り電子部品収納用パッケージの形態のままで行うことができるので、複数の電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性の確認を効率良く、かつ良好に行うことができる。
或いは、本発明の複数個取り電子部品収容用パッケージは、母基板と、母基板の一方主面上に、配置された複数層からなる格子状体とにより、複数の凹部及び凹部に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域が形成され、さらに電子部品収納用パッケージ領域の複数層からなる格子状体の層間に埋設された第1の測定用電極と、凹部の底面或いは内壁面に設けられ、且つ第1の測定用電極に電気的に非接触である第2の測定用電極とを備えている。そして、格子状体の層間への異物の混入や格子状体の層間の密着不良によって格子状体の層間に凹部と電子部品収納用パッケージ領域の外縁とを連通するような空隙部が形成された場合には、この電子部品収納用パッケージ領域の層間に位置する第1の測定用電極と凹部の内面に設けられた第2の測定用電極との間においても空隙部が形成された状態となる。このような状態にある電子部品収納用パッケージ領域に対して、第1の測定用電極と第2の測定用電極との間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、第1の測定用電極と第2の測定用電極との間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1の測定用電極と第2の測定用電極とが短絡することとなる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生の有無を調べることにより、電子部品収納用パッケージ領域の格子状体の層間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することができる。
また、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性の確認を、複数個取り電子部品収納用パッケージの形態のままで行うことができるので、複数の電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性の確認を効率良く、かつ良好に行うことができる。
また、好ましくは、前記第1の測定用電極が、前記格子状体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されているとよいことから、枠体の高さ位置の異なる層間に形成されたそれぞれの第1の用電極と第2の測定用電極との間に耐電圧試験を行うことで、枠体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに対して空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を良好に確認することができる。
また、好ましくは、電子部品収納用パッケージ領域に形成された第1の測定用電極が、平面視で電子部品収納用パッケージ領域の凹部を囲繞していることから、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の周囲領域の広範囲にわたって空隙部の有無を確認することができる。これにより、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性をより良好に確認することができる。
また、好ましくは、複数の電子部品収納用パッケージ領域のうち、一の電子部品収納用パッケージ領域の第1の測定用電極と、他の電子部品収納用パッケージ領域の第1の測定用電極とが、電気的に接続されており、且つ一の電子部品収納用パッケージ領域の第2の測定用電極と、他の電子部品収納用パッケージ領域の前記第2の測定用電極とが電気的に非接触であるか、或いは、複数の電子部品収納用パッケージ領域のうち、一の電子部品収納用パッケージ領域の第1の測定用電極と、他の電子部品収納用パッケージ領域の第1の測定用電極とが電気的に非接触であり、且つ一の電子部品収納用パッケージ領域の第2の測定用電極と、他の電子部品収納用パッケージ領域の第2の測定用電極とが電気的に接続されている。このことから、複数の電子部品収納用パッケージ領域同士で第1の測定用電極同士あるいは第2の測定用電極同士が電気的に接続されており、複数の電子部品収納用パッケージ領域の第1の測定用電極あるいは第2の測定用電極に電圧を一括して印加させることができるので、耐電圧試験を行う際に、各電子部品収納用パッケージ領域毎の第1の測定用電極あるいは第2の測定用電極のいずれかに対して電圧の印加の切替を行わなくて良く、各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を効率良く確認することができる。
また、各電子部品収納用パッケージ領域では、第1の測定用電極同士あるいは第2の測定用電極同士が電気的に非接触であることから、第1の測定用電極同士および第2の測定用電極同士が電気的に接続されている場合と比較して、各電子部品収納用パッケージ領域毎の凹部の気密性を確認することができるので、凹部の気密性が低下する可能性のある電子部品収納用パッケージ領域のみを容易に特定することができる。
また、好ましくは、格子状体の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されている第1の測定用電極同士が、互いに電気的に接続されていることから、電子部品収納用パッケージ領域の異なる層間に埋設された複数の第1の測定用電極に電圧を一括して印加することができるので、複数の層間の状態を同時に測定することができる。従って各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を効率良く確認することができる。
また、好ましくは、第2の測定用電極は、凹部内に搭載される電子部品の電極と電気的に接続される配線導体として用いられることから、第2の測定用電極が電子部品に電気的に接続される配線導体の役割と第1の測定用電極との間の耐電圧とを測定するための電極の役割とを兼用させることができるので、第2の測定用電極のための領域を形成する必要がなく、電子部品収納用パッケージ領域の小型化を図ることができる。
本発明の電子装置は、本発明の電子部品収納用パッケージと、電子部品収納用パッケージに搭載される電子部品とを備えていることから、凹部の気密性に優れていることが確認された電子部品収納用パッケージに電子部品を搭載することができるので、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
本発明の電子装置は、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージと、複数個取り電子部品収納用パッケージの電子部品収納用パッケージ領域に搭載される電子部品とを備えた複数個取り電子装置を、電子部品収納用パッケージ領域ごとに分割して得られることから、凹部の気密性に優れていることが確認された電子部品収納用パッケージ領域に電子部品を搭載することができるので、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
本発明の電子部品収納用パッケージの判別方法は、本発明の電子部品収納用パッケージの第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極との間に対して耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することで行われる。この耐電圧試験によれば、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極との間に空隙部が形成されている場合には、空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極とが短絡することとなる。この短絡の有無を調べることにより、第1のパッケージ測定用電極と第2のパッケージ測定用電極との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部の気密性を確認することができる。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの第1の測定用電極と第2の測定用電極との間に対して耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することで行われる。この耐電圧試験によれば、第1の測定用電極と第2の測定用電極との間に空隙部が形成されている場合には、空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1の測定用電極と第2の測定用電極とが短絡することとなる。この短絡の有無を調べることにより、第1の測定用電極と第2の測定用電極の間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って各電子部品収納用パッケージ領域の凹部の気密性を確認することができる。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの実施の形態について説明する。図1(a)は、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A’線における断面図、図1(c)は、図1(a)のB−B’線における断面図である。図1において、1は母基板、2は格子状体、3は測定用電極、4は測定用端子、5は凹部、6は電子部品収納用パッケージ領域、7は配線導体である。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージは、母基板1と、母基板1の一方主面上に配置された格子状体2とにより、複数の凹部5及び凹部5に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域6が形成されている。さらに電子部品収納用パッケージ領域6の母基板1と格子状体2との間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて対向するように配置された一対の測定用電極3を備えている。一対の測定用電極3同士は、互いに電気的に非接触である。
母基板1および格子状体2は、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体等の電気絶縁材料から成る。例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、まず、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状となす。そしてこの泥漿状物を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を採用し、シート状に成形する。これによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得、次にセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施す。また、必要に応じてセラミックグリーンシートが複数枚積層される。最後に高温(約1500〜1800℃)で焼成することによって製作される。
なお、格子状体2用のセラミックグリーンシートの所定の領域には、金型やパンチングマシンによる打ち抜き方法またはレーザ加工等の加工方法により凹部5となる複数の貫通部が形成される。そして格子状体2用のセラミックグリーンシートを母基板1用のセラミックグリーンシートの一方主面に搭載することにより、複数の凹部5が形成される。そして母基板1用のセラミックグリーンシートと格子状体2用のセラミックグリーンシートとを高温で焼成することにより、母基板1と格子状体2とが焼結一体化される。
さらに、上記複数個取り電子部品収納用パッケージには、複数の電子部品収納用パッケージ領域6が、母基板1の中央部に形成されている。また各電子部品収納用パッケージ領域6には凹部5と配線導体7とがそれぞれ形成されている。図1(a)の平面図において、各電子部品収納用パッケージ領域の外縁に沿って形成される分割予定線8を一点鎖線により示している。この複数個取り電子部品収納用パッケージを分割予定線8に沿って電子部品収納用パッケージ領域6毎に分割することにより、多数の電子部品収納用パッケージを形成することができる。個々の電子部品収納用パッケージに分割する方法としては、複数個取り電子部品収納用パッケージの分割予定線8に分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って撓折して分割する方法が採用可能である。また、スライシング法等により電子部品収納用パッケージ領域6毎に切断する方法も採用可能である。
また、配線導体7は、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5内に収容される電子部品を、外部電気回路基板に電気的に接続するための導電路として機能する。配線導体7は、タングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成る。配線導体7は、以下のようにして作成される。即ち、配線導体7用のメタライズペーストを、母基板1用のセラミックグリーンシートや格子状体2用のセラミックグリーンシートの所定領域に、スクリーン印刷法等により塗布する。そして、このメタライズペーストを母基板1用のセラミックグリーンシートおよび格子状体2用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって所定の領域に被着形成される。
配線導体7用のメタライズペーストは、主成分の金属粉末に有機バインダー、有機溶剤、分散剤等を適宜加えたものを、ボールミル、三本ロールミル、プラネタリーミキサー等の混練手段により混練することで製作される。このメタライズペーストには、セラミックグリーンシートの焼結挙動にメタライズペーストの焼結挙動を合わせたり、あるいは焼結後の積層基板との接合強度を高めたりするために、ガラスやセラミックスの粉末を添加しても良い。
また、母基板1または格子状体2の表面および内部に形成された配線導体7は、必要に応じて母基板1または格子状体2を貫通する貫通導体により電気的に接続されている。このような貫通導体は、以下のようにして作成される。即ち、母基板1用のセラミックグリーンシートまたは格子状体2用のセラミックグリーンシートに、金型やパンチングによる打ち抜き方法またはレーザ加工等の加工方法により貫通導体用の貫通孔を形成する。そしてこの貫通孔に貫通導体用のメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段により充填する。そして、この貫通導体用のメタライズペーストを、母基板1用のセラミックグリーンシートおよび格子状体2用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって各領域に形成される。貫通導体用のメタライズペーストは配線導体7用のメタライズペーストと同様にして作製されるが、有機バインダーや有機溶剤の量により充填に適した粘度に調製される。
また、配線導体7の母基板1および格子状体2の外表面に露出する部分は、ニッケル(Ni)、金(Au)等の耐蝕性に優れる金属を被着させておくとよい。これにより配線導体7が酸化等により腐食することを抑制できる。また配線導体7と電子部品との接合、および配線導体7とAuワイヤや半田バンプ等の電気的接続、および配線導体7と外部の回路基板との接合を強固なものとすることができる。従って、配線導体7が母基板1および格子状体2の外表面に露出する部分には、厚み1〜10μm程度のNiめっき層と厚み0.1〜3μm程度の金(Au)めっき層とが電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されているとよい。
そして、本発明の複数個取り収納用パッケージは、電子部品収納用パッケージ領域6の母基板1と格子状体2との間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて対向するように配置された一対の測定用電極3を備えている。そして一対の測定用電極3は、互いに電気的に非接触である。
ところで、母基板1用のセラミックグリーンシートと格子状体2用のセラミックグリーンシートとの間に異物が混入したり、母基板1用のセラミックグリーンシートと格子状体2用のセラミックグリーンシートとの密着不良によって母基板1と格子状体2との間に凹部5と電子部品収納用パッケージ領域6の外縁とを連通するような空隙部が形成された場合には、この電子部品収納用パッケージ領域6の母基板1と格子状体2との間に位置する一対の測定用電極3間にも空隙部が形成された状態となる。
そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージ領域6に対して、一対の測定用電極3間に所定の電圧を印加して耐電圧試験を行うと、一対の測定用電極3間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じて一対の測定用電極3が短絡することとなる。なお、一対の測定用電極3が短絡した際、電圧が瞬時に低下するので、このことによって、短絡の発生を確認することができる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生、すなわち短絡による電圧の瞬時の低下の有無を調べることにより、電子部品収納用パッケージ領域6の母基板1と格子状体2との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を確認することができる。なお、一対の測定用電極3間の空隙部がない箇所には、母基板1や格子状体2を構成する絶縁体としてのセラミックスが介在していることから、上記のような短絡は生じない。
また、各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性の確認を、複数個取り電子部品収納用パッケージの形態のままで行うことができる。従って複数の電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性の確認を効率良く、かつ良好に行うことができる。なお、電子部品収納後に、短絡による電圧の瞬時の低下の有無を調べることにより気密性の確認を行うことも当然可能である。
この一対の測定用電極3は、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の周囲に沿って、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の内壁と各電子部品収納用パッケージ領域6の外縁との間(各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の内壁と分割予定線8との間)にそれぞれ埋設されている。上述の場合では、母基板1と格子状体2との間に埋設されている。そして、一対の測定用電極3は、互いに電気的に非接触であり互いに対向して配置される。なお、互いに電気的に非接触であるとは、電子部品を作動する際に使用されるような電圧下において互いが絶縁している状態にあることであり、上述の耐電圧試験におけるような高電圧下におけるものではない。また、互いに対向して配置されているとは、複数個取り電子部品収納用パッケージにおいて、一対の測定用電極3が各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の周囲領域に、互いに離間した状態で凹部5に沿って配置されていることを示している。測定用電極3は、配線導体7と同様にタングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成る。ここで測定用電極3の作成方法の一例を以下に説明する。まず母基板1用のセラミックグリーンシートまたは格子状体2用のセラミックグリーンシートの所定の領域(母基板1用のセラミックグリーンシートと格子状体2用のセラミックグリーンシートとが積層により当接する領域)に、測定用電極3用のメタライズペーストが塗布される。そして母基板1用のセラミックグリーンシートと格子状体2用のセラミックグリーンシートとを積層する。その後、そのメタライズペーストを母基板1用のセラミックグリーンシートおよび格子状体2用のセラミックグリーンシートとともに焼成する。これにより母基板1と格子状体2との間に埋設された測定用電極3が形成される。
測定用電極3用のメタライズペーストは、配線導体7用のメタライズペーストと同様な手法により製作することができる。
なお、各電子部品収納用パッケージ領域6の外縁と凹部5の内壁との間に形成される測定用電極3の長さは各凹部5の内壁の長さよりも長くなるように形成しておくことが好ましい。これにより母基板1と格子状体2とを積層することにより形成される凹部5の気密性をより確実に確認することができる。
また、一対の測定用電極3の対向する間隔は、母基板1および格子状体2の材質や形状により適宜選択される。例えば前記間隔は、0.02mm〜0.10mm程度となるように形成されることが好ましい。0.02mm以上であると、印刷時のにじみ等により、一対の測定用電極3が互いに接触することが抑制できる。また、0.10mm以下であると、一対の測定用電極3間の空隙部の気体に絶縁破壊を生じさせるために必要とされる電圧を低くできる。
さらに一対の測定用電極3に印加する電圧は、一対の測定用電極3の間隔等により適宜選択されるが、少なくとも空隙部の気体に絶縁破壊を生じさせることができる電圧以上の電圧が選択される。例えば、一対の測定用電極3の間隔が0.05mmの際には、一対の測定用電極3間に500V程度の電圧を印加することで、気体に絶縁破壊が生じる。
また、一対の測定用電極3のそれぞれの幅は、一対の測定用電極3が各電子部品収納用パッケージ領域6の外縁と凹部5との間に配置できる幅に設定される。なお、測定用電極3のそれぞれの幅は、母基板1および格子状体2や形状等により異なっていてもよいが、0.05mm以上として形成することが好ましい。0.05mm以上であると、母基板1用のセラミックグリーンシートまたは格子状体2用のセラミックグリーンシートに、測定用電極3のメタライズペーストをより確実に塗布できる。
そして、一対の測定用電極3のそれぞれに電気的に接続された測定用端子4が、母基板1または格子状体2の外表面に導出されている。この測定用端子4は、耐電圧試験を行う際に、一対の測定用電極3に電圧を印加するための導電路として機能する。測定用端子4は、タングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成る。金属粉末メタライズは、以下のようにして作成される。即ち、母基板1用のセラミックグリーンシートや格子状体2用のセラミックグリーンシートの所定の領域(焼成後に母基板1の外表面または格子状体2の外表面となる領域)にスクリーン印刷法等により測定用端子4用のメタライズペーストを塗布する。次に母基板1用のセラミックグリーンシートと格子状体2用のセラミックグリーンシートとを積層した後、そのメタライズペーストを母基板1用のセラミックグリーンシートおよび格子状体2用のセラミックグリーンシートとともに焼成する。これにより測定用電極3に接続された測定用端子4が、母基板1の外表面または格子状体2の外表面に形成される。測定用端子4用のメタライズペーストは、配線導体7用のメタライズペーストと同様な手法により製作することができる。
このような測定用端子4が、母基板1または格子状体2の主面に導出される場合は、測定用電極3から母基板1または格子状体2を貫通する貫通導体として母基板1または格子状体2の主面にかけて測定用端子4を導出して形成すれば良い。また外側面に導出する場合は、一対の測定用電極3から母基板1または格子状体2の側面にかけて測定用端子4を導出して形成すれば良い。
なお、母基板1または格子状体2の外表面における測定用端子4同士の間隔は、一対の測定用電極3間に印加する電圧により気体に絶縁破壊が発生しない間隔に形成される。これにより、一対の測定用電極3の対向する間隔よりも狭く形成した結果、空隙部が形成されていなくても、外表面において測定用端子4間に気体の絶縁破壊が発生してしまうことが抑制される。
また、母基板1または格子状体2の主面に配線導体7等を形成するために、測定用端子4の形成領域に制約がある場合は、測定用端子4は、母基板1または格子状体2の側面に導出させておくことが好ましい。
また、耐電圧試験を行う際に効率良く行うことができるように、一対の測定用端子4は、同一の外表面、例えば、一方の測定用端子が上面に形成されるのであれば、他方の測定用端子も上面に導出させておくことが好ましい。
さらに、測定用端子4の母基板1または格子状体2の外表面に露出する部分には、配線導体7と同様に、厚み1〜10μm程度のNiめっき層と厚み0.1〜3μm程度の金(Au)めっき層とが電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されていることが好ましい。これにより測定用端子4が酸化等により腐食することを抑制できる。
また、図2に示すように、格子状体2は複数層(図2においては、絶縁層2a,2b)からなっていても良い。この場合、電子部品収納用パッケージ領域6の複数層からなる格子状体2の層間(絶縁層2aと絶縁層2bとの間)に、互いに間隔を設けて対向するように配置された一対の測定用電極3を埋設しておくとよい。
これによっても上述の母基板1と格子状体2との間に埋設された一対の測定用電極3と同様に、電子部品収納用パッケージ領域6の格子状体2の層間において凹部5の気密性を確認することができる。
すなわち、絶縁層2a、2b用のセラミックグリーンシート間に異物が混入したり、絶縁層2a、2b用のセラミックグリーンシート同士の密着不良によって格子状体2の層間に凹部5と電子部品収納用パッケージ領域6の外縁とを連通するような空隙部が形成された場合には、この電子部品収納用パッケージ領域6の格子状体2の層間に位置する一対の測定用電極3間にも空隙部が形成された状態となる。そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージ領域6に対して、一対の測定用電極3間に所定の電圧を印加して耐電圧試験を行うと、一対の測定用電極3間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じて、一対の測定用電極3が短絡する。一対の測定用電極3が短絡した際、電圧が瞬時的に低下するので、短絡の発生を確認することができる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生、すなわち短絡による電圧の瞬時の低下の有無を調べることにより、電子部品収納用パッケージ領域6の複数層からなる格子状体2の層間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を確認することができる。なお、一対の測定用電極3間の空隙部がない箇所には、格子状体2の各層を構成する絶縁体としてのセラミックスが介在していることから、上記のような短絡は生じない。
また、上述と同様に各電子部品収納用パッケージ領域6に対する凹部5の気密性の確認を複数個取り電子部品収納用パッケージの形態のまま行うことができる。従って、複数の電子部品収納用パッケージ領域6に対して凹部5の気密性の確認を効率良く、かつ良好に行うことができるようになる。
このような格子状体2は、絶縁層2a用のセラミックグリーンシートと、絶縁層2b用のセラミックグリーンシートを積層した後、焼成することにより作成される。
そして、絶縁層2a用のセラミックグリーンシートと絶縁層2b用のセラミックグリーンシートとが積層により当接する領域に、上述と同様の手法にて測定用電極3用のメタライズペーストが塗布される。その後、母基板1用のセラミックグリーンシートに、間にメタライズペーストが印刷された格子状体2(絶縁層2a,2b)用のセラミックグリーンシートを積層した後、前記メタライズペースト、母基板1用のセラミックグリーンシートおよび格子状体2用のセラミックグリーンシートが、ともに焼成される。これによって格子状体2a、2bの層間に測定用電極3が埋設されたものが得られる。
なお、格子状体2は、絶縁層2a,2bの2層から形成されている場合に限らず、3層以上から形成されていても良い。例えば、図3に示すように、格子状体2が絶縁層2a,2b,2cの3層から形成されているような場合、一対の測定用電極3が格子状体2の高さ位置の異なる層間(絶縁層2aと絶縁層2bとの間および絶縁層2bと絶縁層2cとの間)のそれぞれに埋設されていることが好ましい。この構成により、凹部5の気密性が低下する可能性のある格子状体2の高さ位置の異なる層間に一対の測定用電極3が形成されることとなる。従って高さ位置の異なる各層間のそれぞれに対して空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を良好に確認することができる。なお、格子状体2が複数層からなる場合においても、上述した母基板1と格子状体2との間および格子状体2の層間の両方に、一対の測定用電極3を埋設しても構わない。
また、一対の測定用電極3が、凹部5を囲繞していることが好ましい。これにより、各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の周囲の広範囲にわたって空隙部の有無を確認することができる。従って各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を良好に確認することができる。
なお、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の内壁に沿ってそれぞれ一組ずつ、一対の測定用電極3が凹部5の周囲を周回するように埋設している(2本の測定用電極3が凹部5の周囲を周回するように埋設している)と、電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を効率良く確認することができるようになる。
また、図4に示すように、凹部5の周囲を全周にわたって周回するように一対の測定用電極3を配設していると、凹部5の気密性を全周にわたって効率良く確認することができる。
また、図5に示すように、一対の測定用端子4が、測定用端子4よりも面積の大きな測定用パッド9により被覆されていても構わない。この構成により測定用パッド9に測定用器具等を良好に接触させることができる。
なお、このような測定用パッド9は、タングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成る。そして、測定用パッド9は、測定用端子4を被覆するように、スクリーン印刷法等により測定用パッド9用のメタライズペーストを塗布し、他のセラミックグリーンシートやメタライズペーストとともに焼成することによって測定用端子4の外表面に被着される。なお、測定用パッド9用のメタライズペーストは、配線導体7用のメタライズペーストと同様な手法により製作することができる。
また、測定用パッド9の母基板1または格子状体2の外表面に露出する部分には、配線導体7と同様に、厚み1〜10μm程度のNiめっき層と厚み0.1〜3μm程度の金(Au)めっき層とが電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されていることが好ましい。これにより、測定用パッド9が酸化等により腐食することを抑制できる。
また、母基板1または格子状体2は、電子部品収納用パッケージ領域6の配列領域よりも外側に、外側ダミー領域を備えていてもよい。そして、測定用端子4が、外側ダミー領域における母基板1または格子状体2の一方主面に導出されていることが好ましい。これにより、電子部品収納用パッケージの主面に、測定用端子4が導出される領域を確保する必要がなくなる。従って、電子部品収納用パッケージ領域6を小型化できる。
なお、外側ダミー領域は、母基板1の外周部に非製品部として形成され、母基板1の製造や搬送を容易にするための領域として用いることができる。また母基板1を加工もしくは搬送する際の位置決め用マーカー形成領域や固定用の領域としても用いることができる。また、外側ダミー領域には、必要に応じて、配線導体7にめっき層を被着するためのめっき導通パターンや、配線基板の側面に外部回路基板に接続するための配線導体7を形成するための貫通穴が形成される。
また、母基板1または格子状体2は、隣接する電子部品収納用パッケージ領域6間に中間ダミー領域を備えていてもよい。そして、測定用端子4が、中間ダミー領域における母基板1または格子状体2の一方主面に導出していることが好ましい。これにより、電子部品収納用6パッケージの主面に測定用端子が導出される領域を確保する必要がなくなる。これにより、電子部品収納用パッケージ領域6を小型化できる。
なお、中間ダミー領域は、母基板1の電子部品収納用パッケージ領域6間に非製品部として形成される。ここには、必要に応じて、配線導体7にめっき層を被着するためのめっき導通パターンや、電子部品収納用パッケージの側面に、外部回路基板に接続するための配線導体7を形成するための貫通穴も形成される。なお、測定用端子4を外部ダミー領域または中間ダミー領域に導出する場合は、製品領域外に導出するので、上述の測定用パッド9を形成しやすくなる。
また、図6および図7に示すように、一対の測定用電極3は、第2の測定用端子10をそれぞれ備えていることが好ましい。上述した母基板1と格子状体2との間、もしくは格子状体2の層間への異物の混入によって母基板1と格子状体2との間や格子状体2の層間に凹部5と電子部品収納用パッケージ領域6の外縁とを連通するような空隙部が存在する場合は、測定用電極3に断線が生じていることがある。この場合は、第2の測定用端子10を用いて、測定用端子4と第2の測定用端子10との間の電気的導通状態を確認することにより、断線が生じるほどの空隙部が有るか無いかを確認することができる。従って、一対の測定用電極3間の耐電圧試験による確認と測定用端子4と第2の測定用端子10との電気的導通状態の確認とにより空隙部の有無を確認することができる。従って、各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性をより確実に確認することができる。
なお、図6および図7においては、母基板1または格子状体2が外側ダミー領域と中間ダミー領域とを備えている。そして、測定用端子4が、電子部品収納用パッケージ領域6の格子状体2の主面に導出されており、第2の測定用端子10が外側ダミー領域または中間ダミー領域の格子状体2の主面まで導出されている。
上記のような場合においては、例えば、測定用端子4と第2の測定用端子10とによりそれぞれの測定用電極3の断線の有無を確認した後、一対の測定用電極3により耐電圧試験を行うといった方法により各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の気密性を確認することができる。
なお、第2の測定用端子10を設ける場合においても、上述と同様の理由により母基板1または格子状体2の外表面における測定用端子4と第2の測定用端子10との間隔および第2の測定用端子10同士の間隔は、一対の測定用電極3間に印加する電圧により気体に絶縁破壊が発生しない間隔に形成される。
本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの耐電圧試験や測定用端子4と第2の測定用端子10との間の電気的導通状態の確認は、母基板1または格子状体2の外表面に導出した測定用端子4または第2の測定用端子10の位置に合わせて配設された測定ピンを備える測定用器具を用いることで良好に確認することができる。また、各電子部品収納用パッケージ領域6の測定用端子4または第2の測定用端子10の位置に合わせて配設された複数の測定ピンを備える測定用器具を用いることで、複数の電子部品収納用パッケージ領域6に対して凹部5の気密性を効率良く確認することができる。
また、一対の測定用電極3を、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とからなるものに置き換えてもよい。具体的には、図13、図14に示すような構成が採用できる。即ち、母基板1と、母基板1の一方主面上に配置された格子状体2とにより、複数の凹部5及び凹部5に対応する複数の電子部品収納用パッケージ領域6が形成されている。さらに電子部品収納用パッケージ領域6の母基板1と格子状体2との間に埋設された第1の測定用電極15と、凹部5の底面或いは内壁面に設けられ、且つ第1の測定用電極15に電気的に非接触である第2の測定用電極16とを備えている。
なお、図13において、(a)は、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は、(a)の母基板1における平面図である。また、図14(a)は、図13(a)のL−L’線における断面図、(b)は、図13(a)のM−M’線における断面図、(c)は、図13(a)のN−N’線における断面図である。
このことから、母基板1用のセラミックグリーンシートと格子状体2用のセラミックグリーンシートとの間に異物が混入したり、母基板1用のセラミックグリーンシートと格子状体2用のセラミックグリーンシートとの密着不良によって母基板1と格子状体2との間に凹部5と電子部品収納用パッケージ領域6の外縁とを連通するような空隙部が形成された場合には、この電子部品収納用パッケージ領域6の母基板1と格子状体2との間に位置する第1の測定用電極15と凹部5の内面に設けられた第2の測定用電極16との間においても空隙部が形成された状態となる。
そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージ領域6に対して、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とが短絡することとなる。なお、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とが短絡した際、電圧が瞬時に低下するので、このことによって、短絡の発生を確認することができる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生、すなわち短絡による電圧の瞬時の低下の有無を調べることにより、電子部品収納用パッケージ領域6の母基板1と格子状体2との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を確認することができる。なお、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間に空隙部がない箇所には、母基板1や格子状体2を構成する絶縁体としてのセラミックスが介在されていることから、このような場合には短絡が生じない範囲で電圧が印加される。
また、各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性の確認を、複数個取り電子部品収納用パッケージの形態のままで行うことができるので、複数の電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性の確認を効率良く、かつ良好に行うことができる。
なお、上述のような第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とからなる複数個取り電子部品収納用パッケージは、電子部品収納用パッケージ領域6内における母基板1と格子状体2とが積層される領域の幅が狭く、一対の測定用電極3を配設することが難しい場合等において良好に適用することができる。
第1の測定用電極15は、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の周囲に沿って、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の内壁と各電子部品収納用パッケージ領域6の外縁との間(各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の内壁と分割予定線8との間)に埋設されている。
また第2の測定用電極16は、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の周囲に沿って、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の内面に設けられる。なお、上述の場合では、第1の測定用電極15は、母基板1と格子状体2との間に埋設されている。第2の測定用電極16は、凹部5の底面、すなわち母基板1の上面に設けられている。そして、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とは、互いに電気的に非接触である。なお、互いに電気的に非接触であるとは、電子部品を作動する際に使用されるような電圧下において互いが絶縁している状態にあることであり、上述の耐電圧試験におけるような高電圧下におけるものではないことはもちろんである。
また第1の測定用電極15および第2の測定用電極16は、一対の測定用メタライズ電極と同様にして作成される。なお、第1の測定用電極15は母基板1と格子状体2との間に埋設されて形成され、第2の測定用電極16は、各凹部5の内面に形成される。
なお、第2の測定用電極16は、図15に示すように、凹部5の内壁面、すなわち、格子状体2の内壁面に設けられていてもよい。この場合、第2の測定用電極16用のメタライズペーストを格子状体2用のセラミックグリーンシートの凹部5の内壁面に塗布しておけばよい。
なお、母基板1と格子状体2とを積層することにより形成される凹部5の気密性をより確実に確認することができるようにするため、各電子部品収納用パッケージ領域6の外縁と凹部5の内壁との間に形成される第1の測定用電極15の長さは各凹部5の内壁の長さよりも長くなるように形成しておくことが好ましい。
また、第2の測定用電極16は、その端部が母基板1と格子状体2との間に埋設されていてもよい。
また、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間隔は、母基板1および格子状体2の材質や形状により適宜選択されるが、一対の測定用電極3の場合と同様な理由により、0.02mm〜0.10mm程度となるように形成されることが好ましい。
さらに第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間に印加する電圧は、空隙部の気体に絶縁破壊を生じさせることができる電圧以上の電圧が選択される。例えば、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間隔が0.05mm(第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間のガスが間に介在する部分が0.05mm)の際には、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間に500V程度の電圧を印加することで、気体に絶縁破壊が生じる。
また、第1の測定用電極15の幅は、第1の測定用電極15が各電子部品収納用パッケージ領域6の外縁と凹部5との間に配置できる幅に設定される。なお、第1の測定用電極15の幅は、母基板1および格子状体2や形状等により異なるが、0.05mm以上として形成することが好ましい。0.05mm以上であると、母基板1用のセラミックグリーンシートまたは格子状体2用のセラミックグリーンシートに、第1の測定用電極15のメタライズペーストを塗布する際、印刷時のかすれ等による断線が生じにくい。
そして、第1の測定用電極15に電気的に接続された測定用端子4が、母基板1または格子状体2の外表面に導出されているとよい。この測定用端子4は、耐電圧試験を行う際に、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間に電圧を印加するための導電路として機能する。なお、第2の測定用電極16には、第1の測定用電極15とは別に電気的に接続された測定用端子4を設けても良い。これにより、凹部5を蓋体や樹脂により封止した後であっても、気密性の確認ができる。なお、封止前であれば、第2の測定用電極16は凹部5内に露出しているので、この露出した領域から直接電圧を印加しても良く、この場合には測定用端子4を設けなくても構わない。
なお、このような第1の測定用電極15或いは第2の測定用電極16に電気的に接続される測定用端子4は、一対の測定用電極3に電気的に接続する場合と同様に形成される。
また、図16、図17に示すように、格子状体2は複数層(図17においては、絶縁層2a,2b)からなっていても良い。この場合、電子部品収納用パッケージ領域6の複数層からなる格子状体2の層間(絶縁層2aと絶縁層2bとの間)に、第1の測定用電極15を埋設し、凹部5の底面或いは内壁面に第2の測定用電極16を配設しておくと、上述の母基板1と格子状体2との間に埋設された第1の測定用電極15と凹部5の底面或いは内壁面に配設された第2の測定用電極16との場合と同様に、電子部品収納用パッケージ領域6の格子状体2の層間において凹部5の気密性を確認することができる。
すなわち、絶縁層2a、2b用のセラミックグリーンシートの間に異物が混入したり、絶縁層2a、2b用のセラミックグリーンシート同士の密着不良によって格子状体2の層間に凹部5と電子部品収納用パッケージ領域6の外縁とを連通するような空隙部が形成された場合には、この電子部品収納用パッケージ領域6の格子状体2の層間に位置する第1の測定用電極15と凹部5の内面に設けられた第2の測定用電極16との間においても空隙部が形成された状態となる。
そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージ領域6に対して、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うと、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とが短絡することとなる。なお、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とが短絡した際、電圧が瞬時に低下するので、このことによって、短絡の発生を確認することができる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生、すなわち短絡による電圧の瞬時の低下の有無を調べることにより、電子部品収納用パッケージ領域6の格子状体2の層間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って、電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を確認することができる。
なお、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16との間に空隙部がない箇所には、格子状体2の各層を構成する絶縁体としてのセラミックスが介在していることから、上記のような短絡は生じない。
また、上述と同様に各電子部品収納用パッケージ領域6に対する凹部5の気密性の確認を複数個取り電子部品収納用パッケージの形態のまま行うことができる。従って、複数の電子部品収納用パッケージ領域6に対して凹部5の気密性の確認を効率良く、かつ良好に行うことができるようになる。
なお、このような格子状体2は、一対の測定用電極3を格子状体2の層間に埋設する場合と同様にして製作される。
また、格子状体2は、絶縁層2a,2bの2層から形成されている場合に限らず、3層以上から形成されていても良い。例えば、図18に示すように、格子状体2が絶縁層2a,2b,2cの3層から形成されているような場合、第1の測定用電極15が格子状体2の高さ位置の異なる層間(絶縁層2aと絶縁層2bとの間および絶縁層2bと絶縁層2cとの間)のそれぞれに埋設されていることが好ましい。この構成により、各層の第1の測定用電極15のそれぞれと、凹部5内の第2の測定用電極16とに対して耐電圧試験を行うことで、格子状体2の高さ位置の異なる層間のそれぞれに対して空隙部の有無を容易に確認することができる。従って、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を良好に確認することができる。
なお、格子状体2が複数層からなる場合においては、上述した母基板1と格子状体2との間および格子状体2の層間の両方に、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とを埋設しても構わない。また、第2の測定用電極16は、図18、図19に示すように、それぞれの第1の測定用電極15に対応する第2の測定用電極16同士を電気的に接続して一体としておいても構わない。
また、電子部品収納用パッケージ領域6に形成された第1の測定用電極15が、平面視で電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5を囲繞していることが好ましい。このことから、各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の周囲領域の広範囲にわたって空隙部の有無を確認することができる。これにより、各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性をより良好に確認することができる。
なお、各電子部品収納用パッケージ領域6の各凹部5の内壁に沿って1本ずつの第1の測定用電極15が凹部5の周囲を周回するように埋設されていると、電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を効率良く確認することができる。
また、図20に示すように、凹部5の周囲を全周にわたって周回するように第1の測定用電極15を配設していると、凹部5の気密性を全周にわたって効率良く確認することができる。なお、図20においては、配線導体7は、格子状体2の上面と、母基板1と格子状体2とを貫通する貫通穴の内面とに形成しており、各配線基板領域6を分割予定線8に沿って分割した際、配線導体7は、各電子部品収納用パッケージの側面に形成される。
また、上述と同様に、測定用端子4が、測定用端子4よりも面積の大きな測定用パッド9により被覆されていても構わない。この構成により、母基板1の外表面または格子状体2の外表面により大きく形成された測定用パッド9に測定用器具等を良好に接触させることができる。
なお、このような測定用パッド9は、一対の測定用電極3を母基板1と格子状体2との間、あるいは格子状体2の層間に埋設する場合と同様にして製作される。
また、一対の測定用電極3の場合と同様に、母基板1と格子状体2は、電子部品収納用パッケージ領域6の配列領域よりも外側に、外側ダミー領域を設けたり、隣接する電子部品収納用パッケージ領域6間に、中間ダミー領域を設けても構わない。また、図21に示すように、一対の測定用電極3の場合と同様に、第2の測定用端子10を設けても構わない。
また、複数の電子部品収納用パッケージ領域6のうち、一の電子部品収納用パッケージ領域6の第1の測定用電極15と、他の電子部品収納用パッケージ領域6の第1の測定用電極15とが、電気的に接続されており、且つ一の電子部品収納用パッケージ領域6の第2の測定用電極16と、他の電子部品収納用パッケージ領域の第2の測定用電極16とが電気的に非接触であってもよい。或いは、複数の電子部品収納用パッケージ領域6のうち、一の電子部品収納用パッケージ領域6の第1の測定用電極15と、他の電子部品収納用パッケージ領域の第1の測定用電極15とが電気的に非接触であり、且つ一の電子部品収納用パッケージ領域6の第2の測定用電極16と、他の電子部品収納用パッケージ領域6の第2の測定用電極16とが電気的に接続されていることが好ましい。すなわち、隣接する電子部品収納用パッケージ領域6において、第1の測定用電極15同士或いは第2の測定用電極16同士のいずれか一方のみが互いに電気的に接続されていることを示している。このことから、複数の電子部品収納用パッケージ領域6の第1の測定用電極15あるいは第2の測定用電極16に電圧を一括して印加することができるので、耐電圧試験を行う際に、各電子部品収納用パッケージ領域6毎の第1の測定用電極15あるいは第2の測定用電極16のいずれかに対して電圧の印加の切替を行わなくて良く、各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を効率良く確認することができる。
また、各電子部品収納用パッケージ領域6では、第1の測定用電極15同士あるいは第2の測定用電極16同士が電気的に非接触である。従って、第1の測定用電極15同士および第2の測定用電極16同士が電気的に接続されている場合と比較して、各電子部品収納用パッケージ領域6毎の凹部5の気密性を確認することができるので、凹部5の気密性が低下する可能性のある電子部品収納用パッケージ領域6のみを容易に特定することができる。
また、格子状体2の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されている第1の測定用電極15同士が、互いに電気的に接続されていることが好ましい。このことから、電子部品収納用パッケージ領域6の異なる層間に埋設された複数の第1の測定用電極15に電圧を一括して印加することができるので、複数の層間の状態を同時に測定することができる。従って、各電子部品収納用パッケージ領域6の凹部5の気密性を効率良く確認することができる。なお、上述した母基板1と格子状体2との間および格子状体2の層間の両方に、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とを埋設する場合、上述と同様な理由により、これらの第1の測定用電極15同士が、互いに電気的に接続してもよい。
また本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図を図22(a)に示す。また図22(b)は、図22(a)に電子部品17を搭載した複数個取り電子装置の実施の形態の一例を示す断面図である。なお、図23において、(a)は、本発明の複数個取り電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図、(b)は、(a)に電子部品17を搭載した複数個取り電子装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図22、23に示すように、第2の測定用電極16は、凹部5内に搭載される電子部品17の電極と電気的に接続される配線導体として用いられることが好ましい。このことから、第2の測定用電極16が電子部品17に電気的に接続される配線導体7の役割と第1の測定用電極15との間の耐電圧とを測定するための電極の役割とを果たすことができる。従って、第2の測定用電極16のための領域を形成する必要がなく、電子部品収納用パッケージ領域6の小型化を図ることができる。
例えば、図22、図23に示すように、電子部品17は、一方の電極を導電性樹脂等により凹部15の底面に形成された第2の測定用電極16に電気的に接続される。そして、他方の電極をボンディングワイヤ18等により、配線導体7や他の第2の測定用電極16に電気的に接続するといったことを行えばよい。
また、第2の測定用電極16は、凹部5の底面に設ける場合、凹部5の底面の全面に設けなくても構わない。例えば、凹部5内に収容される電子部品が配線導体7とフリップチップにより電気的に接続される場合、配線導体7の周囲に設けても構わない。また、電子部品を凹部5の底面に樹脂等により接続する場合、第2の測定用電極16領域内に部分的に母基板1を露出させ、電子部品と各電子部品収納用パッケージ領域6との接合を強固なものとしてもよい。また、電子部品の角部に対応する第2の測定用電極16の領域を刳り貫いて母基板1を露出させ、電子部品の角部の欠け等を抑制してもよい。
なお、本発明は、上述のような複数個取り電子部品収納用パッケージに限って適用されるものではなく、個々の電子部品収納用パッケージに対しても適用することができる。次に、添付の図面を用いて、本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態について説明する。図8(a)は、本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図、図8(b)は、図8(a)のH−H’線における断面図、図8(c)は、図8(a)のI−I’線における断面図である。図8において、11は絶縁基体、12は枠体、13はパッケージ測定用電極、14はパッケージ測定用端子、5は凹部、7は配線導体である。
本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体11と、絶縁基体11の少なくとも一方主面に搭載された枠体12と、絶縁基体11と枠体12との間に埋設されている。そして、互いに間隔を設けて対向するように配置された一対のパッケージ測定用電極13とを備え、一対のパッケージ測定用電極13は、互いに電気的に非接触である。
絶縁基体11および枠体12は、上述と同様のセラミック材料からなる。
この場合、枠体12用のセラミックグリーンシートの所定の領域に、金型やパンチングマシンによる打ち抜き方法またはレーザ加工等の加工方法により凹部5となる貫通孔を形成しておき、枠体12用のセラミックグリーンシートを絶縁基体11用のセラミックグリーンシートの一方主面に積層して搭載することにより凹部5が形成される。そして、絶縁基体11用のセラミックグリーンシートと枠体12用のセラミックグリーンシートとをともに高温で焼成することにより、絶縁基体11と枠体12とが焼結一体化される。
また、絶縁基体11または枠体12には、配線導体7が形成されている。配線導体7は、凹部5内に収容される電子部品を外部電気回路基板に電気的に接続するための導電路として機能する。また、絶縁基体11または枠体12の表面および内部に形成された配線導体7は、必要に応じて絶縁基体11または枠体12を貫通する貫通導体により電気的に接続されている。このような貫通導体も上述と同様の手法により作成される。
また、配線導体7の絶縁基体11および枠体12の外表面に露出する部分は、ニッケル(Ni)、金(Au)等の耐蝕性に優れる金属を被着させておくとよいことも上述と同様である。
そして、本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体11と枠体12との間に埋設され、且つ互いに間隔を設けて対向するように配置された一対のパッケージ測定用電極13とを備えている。この一対のパッケージ測定用電極13は、互いに電気的に非接触である。
絶縁基体11用のセラミックグリーンシートと枠体12用のセラミックグリーンシートとの間に異物が混入したり、絶縁基体11用のセラミックグリーンシートと枠体12用のセラミックグリーンシートとの密着不良によって絶縁基体11と枠体12との間に凹部5と電子部品収納用パッケージの外壁とを連通するような空隙部が形成された場合、この電子部品収納用パッケージの絶縁基体11と枠体12との間に位置する一対のパッケージ測定用電極13間においても空隙部が形成された状態となる。そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージに対しては、一対のパッケージ測定用電極13間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うことで、一対のパッケージ測定用電極13間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、一対のパッケージ測定用電極13が短絡することとなる。なお、一対のパッケージ測定用電極13が短絡した際、電圧が瞬時的に低下し、これにより、短絡の発生を確認することができる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生、すなわち短絡による電圧の瞬時の低下の有無を調べることにより、絶縁基体11と枠体12との間における空隙部の有無を容易に確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を確認することができる。
一対のパッケージ測定用電極13は、凹部5の周囲に沿って、凹部5の内壁と電子部品収納用パッケージの外壁との間にそれぞれ埋設されており、上述の場合では、絶縁基体11と枠体12との間に埋設されている。そして、一対のパッケージ測定用電極13は、互いに電気的に非接触であり、且つ互いに対向して配置されている。なお、互いに電気的に非接触であるとは、上述の複数個取り電子部品収納用パッケージの場合と同様に、電子部品を作動する際に使用されるような電圧下において互いが電気的に絶縁している状態にあることである。なお、互いに対向して配置されているとは、電子部品収納用パッケージにおいては、一対のパッケージ測定用電極13が凹部5の周囲領域に、互いに離間した状態で凹部5の内壁に沿って配置されていることを示している。尚、パッケージ測定用電極13は、上述と同様にメタライズペーストを用いて作成できる。
また、絶縁基体11と枠体12とを積層することにより形成される凹部5の気密性をより良好に確認することができるようにするため、電子部品収納用パッケージの外壁と凹部5の内壁との間に形成されるパッケージ測定用電極13の長さは凹部5の内壁の長さよりも長くなるように形成しておくことが好ましい。
また、一対のパッケージ測定用電極13の対向する間隔は、上述と同様、0.02mm〜0.10mm程度となるように形成されることが好ましい。
さらに、一対のパッケージ測定用電極13に印加する電圧は、一対のパッケージ測定用電極13の間隔等により適宜選択され、空隙部の気体に絶縁破壊を生じさせることができる電圧以上の電圧が選択される。例えば、一対のパッケージ測定用電極13の間隔が0.05mmの際には、一対のパッケージ測定用電極13間に500V程度の電圧を印加することで、気体に絶縁破壊が生じる。
また、それぞれのパッケージ測定用電極13の幅は、電子部品収納用パッケージの外壁と凹部5との間に配置できる幅に設定される。パッケージ測定用電極3の幅は、絶縁基体11および枠体12の形状等により異なるが、上述と同様、0.05mm以上となるように形成されることが好ましい。
そして、一対のパッケージ測定用電極13にそれぞれに電気的に接続されたパッケージ測定用端子14が、絶縁基体11または枠体12の外表面に導出されている。パッケージ測定用端子14は、耐電圧試験の際に、絶縁基体11と枠体12との間に埋設されたパッケージ測定用電極13に電圧を印加するための導電路として機能する。パッケージ測定用端子14が、タングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから作成できることも上述と同様である。
なお、パッケージ測定用端子14を絶縁基体11または枠体12の主面に導出する場合は、パッケージ測定用電極13から絶縁基体11または枠体12を貫通する貫通導体として絶縁基体11または枠体12の主面にかけてパッケージ測定用端子14を導出して形成すれば良い。また側面に導出する場合は、一対のパッケージ測定用電極13から絶縁基体11または枠体12の側面にかけてパッケージ測定用端子14を導出して形成すれば良い。
また、絶縁基体11または枠体12の主面における配線導体7の形成領域に制約がある場合は、パッケージ測定用端子14は、絶縁基体11または枠体12の側面に導出させておくことが好ましい。また、耐電圧試験を行う際に効率良く行うことができるように、一対のパッケージ測定用端子14は、同一方向の外表面に導出させておくことが好ましい。
そして、絶縁基体11または枠体12の外表面におけるパッケージ測定用端子14同士の間隔は、一対のパッケージ測定用電極13間に印加する電圧により気体に絶縁破壊が発生しない間隔に形成される。例えば、一対のパッケージ測定用電極13の対向する間隔よりも狭く形成した結果、空隙部が形成されていなくても、外表面においてパッケージ測定用端子14間に気体の絶縁破壊が発生してしまうことが抑制される。
なお、パッケージ測定用端子14の絶縁基体11または枠体12外表面に露出する部分には、パッケージ測定用端子14が酸化等により腐食することを防止するために、配線導体7と同様に、厚み1〜10μm程度のNiめっき層と厚み0.1〜3μm程度の金(Au)めっき層とが電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されていることが好ましい。
また、図9に示すように、枠体12は、複数層(図9においては、絶縁層12a,12b)からなっていても良い。この場合、複数層からなる枠体12の層間に、互いに間隔を設けて対向するように配置された一対のパッケージ測定用電極13を埋設しておくと、上述の絶縁基体11と枠体12との間に埋設された一対のパッケージ測定用電極13と同様に、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を確認することができる。
このような枠体12は、絶縁層12a用のセラミックグリーンシートまたは絶縁層12b用のセラミックグリーンシートの所定の領域(絶縁層12a用のセラミックグリーンシートと絶縁層12b用のセラミックグリーンシートとが積層される領域)にスクリーン印刷法等によりパッケージ測定用電極13用のメタライズペーストを塗布し、絶縁基体11用のセラミックグリーンシートと枠体12(絶縁層12a,12b)用のセラミックグリーンシートとを積層した後、そのメタライズペーストを絶縁基体11用のセラミックグリーンシートおよび枠体12用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって枠体12間に埋設して形成される。
なお、枠体12は、絶縁層12a,12bの2層から形成されている場合に限らず、3層以上から形成されていても良い。例えば、図10に示すように、枠体12が絶縁層12a,12b,12cの3層から形成されているような場合、パッケージ測定用電極13が、枠体12の高さ位置の異なる層間(絶縁層12aと絶縁層12bとの間および絶縁層12bと絶縁層12cとの間)のそれぞれに埋設されていることが好ましい。この構成により、枠体12の高さ位置の異なる層間に形成された一対のパッケージ測定用電極13間のそれぞれに対して耐電圧試験を行うことで、電子部品収納用パッケージの高さ位置の異なる層間のそれぞれに対して空隙部の有無を容易に確認することができる。従って、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を良好に確認することができる。
また、枠体12が複数層からなる場合においては、上述した絶縁基体11と枠体12との間および枠体12の層間の両方に、一対のパッケージ測定用電極13を埋設しても構わない。
さらに、一対のパッケージ測定用電極13は、凹部5を囲繞していることが好ましい。これにより、電子部品収納用パッケージの凹部5の周囲領域を広領域にわたって空隙部の有無を確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を良好に確認することができる。なお、凹部5の内壁に沿ってそれぞれ1本ずつの一対のパッケージ測定用電極13が凹部5の周囲を周回するように埋設している(2本のパッケージ測定用電極13が凹部5の周囲を周回するように埋設している)と、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を効率良く確認することができるようになる。また、図11に示すように、全周にわたって凹部5の周囲を周回するように配設していると、凹部5の気密性を全周にわたって効率良く確認することができる。
また、複数個取り電子部品収納用パッケージの場合と同様に、一対のパッケージ測定用端子14が、パッケージ測定用端子14よりも面積の大きな測定用パッド9により被覆されているも構わない。
また、図12に示すように、一対のパッケージ測定用電極13は、複数個取り電子部品収納用パッケージと同様に第2の測定用端子10をそれぞれ備えていても構わない。パッケージ測定用端子14と第2の測定用端子10との電気的導通状態を確認することにより、それぞれのパッケージ測定用電極13に対して断線の有無を確認することができる。例えば、異物の混入によりパッケージ測定用電極13が途中で切断されてしまうと、耐電圧試験によって空隙部の確認ができなくなることがある。このような場合にあっても、断線の有無を確認することによって空隙部の有無を確認することができる。従って、一対のパッケージ測定用電極13間の耐電圧試験とパッケージ測定用端子14と第2の測定用端子10との電気的導通状態の確認とにより空隙部の有無を確認することができる。従って電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性をより確実に確認することができる。
上記のような場合においては、例えば、パッケージ測定用端子14と第2の測定用端子10とによりそれぞれのパッケージ測定用電極13の断線の有無を確認した後、一対のパッケージ測定用電極13により耐電圧試験を行うといった方法により電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を確認することができる。
なお、第2の測定用端子10を設ける場合においても、上述と同様の理由により絶縁基体11または枠体12の外表面におけるパッケージ測定用端子14と第2の測定用端子10との間隔および第2の測定用端子10同士の間隔は、一対の測定用電極3間に印加する電圧により気体に絶縁破壊が発生しない間隔に形成される。
また、一対のパッケージ測定用電極13を第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20に置き換えてもよい。このような電子部品収納用パッケージを図24、図25に示す、本発明の電子部品収納用パッケージは、絶縁基体11と、凹部5を形成するために絶縁基体11の少なくとも一方主面に搭載された枠体12と、絶縁基体11と枠体12との間に埋設された第1のパッケージ測定用電極19と、凹部5の内面に設けられ、且つ第1のパッケージ測定用電極19に電気的に非接触である第2のパッケージ測定用電極20とを備えている。
なお、図24において、(a)は、本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は、(a)の母基板1における平面図である。また、図25(a)は、図24(a)のR−R’線における断面図、(b)は、図13(a)のS−S’線における断面図、(c)は、図13(a)のT−T’線における断面図である。
そして、絶縁基体11用のセラミックグリーンシートと枠体12用のセラミックグリーンシートとの間に異物が混入したり、絶縁基体11用のセラミックグリーンシートと枠体12用のセラミックグリーンシートとの密着不良によって絶縁基体11と枠体12との間に凹部5と電子部品収納用パッケージの外壁とを連通するような空隙部が形成された場合、この電子部品収納用パッケージの絶縁基体11と枠体12との間に位置する第1のパッケージ測定用電極19と凹部5の内面に設けられた第2のパッケージ測定用電極20との間においても空隙部が形成された状態となる。
そして、このような状態にある電子部品収納用パッケージに対しては、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間に所定の電圧を印加する耐電圧試験を行うことで、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間の空隙部の気体に絶縁破壊が生じ、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20とが短絡することとなる。
なお、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20とが短絡した際、電圧が瞬時的に低下し、これにより、短絡の発生を確認することができる。この所定の電圧下における絶縁破壊の発生、すなわち短絡による電圧の瞬時の低下の有無を調べることにより、絶縁基体11と枠体12との間における空隙部の有無を容易に確認することができ、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を確認することができる。ただし、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20と間の空隙部がない箇所には、絶縁基体11や枠体12を構成する絶縁体としてのセラミックスが介在していることから、上記のような短絡は生じない。
上述のような第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20とからなる電子部品収納用パッケージは、電子部品収納用パッケージ内における絶縁基体11と枠体12とが積層される領域の幅が狭く、一対のパッケージ測定用電極13を配設することが難しい場合等において良好に適用することができる。
第1のパッケージ測定用電極19は、電子部品収納用パッケージの凹部5の周囲に沿って、凹部5の内壁と電子部品収納用パッケージの外壁との間に埋設されている。第2のパッケージ測定用電極20は、凹部5の内面に設けられる。なお、上述の例では、第1のパッケージ測定用電極19は、絶縁基体11と枠体12との間に埋設されており、第2のパッケージ測定用電極20は、凹部5の底面、すなわち絶縁基体11の上面に設けられている。そして、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20とは、互いに電気的に非接触である。なお、互いに電気的に非接触であるとは、電子部品を作動する際に使用されるような電圧下において互いが絶縁している状態にあることであり、上述の耐電圧試験におけるような高電圧下におけるものではないことはもちろんである。
そして、第1のパッケージ測定用電極19および第2のパッケージ測定用電極20は、上述と同様にメタライズペーストを、絶縁基体11用のセラミックグリーンシート等とともに焼成することにより作成される。
なお、第2のパッケージ測定用電極20は、図26に示すように、凹部5の内壁面、すなわち、枠体12の内壁面に設けられていてもよい。この場合、第2のパッケージ測定用電極20用のメタライズペーストを枠体12用のセラミックグリーンシートの凹部5の内壁面に塗布しておけばよい。
また、電子部品収納用パッケージの内壁と外壁との間に形成される第1のパッケージ測定用電極19の長さは凹部5の内壁の長さよりも長くなるように形成しておくことが好ましい。これにより絶縁基体11と枠体12とを積層することにより形成される凹部5の気密性の確認を、より確実に行うことができる。
また、凹部5内に水分等が介在した際、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間隔が所定の間隔よりも狭くなってしまうことを抑制するために、第2の測パッケージ測定用電極20は、その端部を絶縁基体11と枠体12との間に埋設しておいてもよい。
また、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間隔は、絶縁基体11および枠体12の材質や形状により適宜選択されるが、一対のパッケージ測定用電極13の場合と同様な理由により、0.02mm〜0.10mm程度となるように形成されることが好ましい。
さらに第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間に印加する電圧は、空隙部の気体に絶縁破壊を生じさせることができる電圧以上の電圧が選択される。例えば、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間隔が0.05mmの際には、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間に500V程度の電圧を印加することで、気体に絶縁破壊が生じる。
また、第1のパッケージ測定用電極19の幅は、電子部品収納用パッケージの内壁と外壁との間に配置できる幅に設定される。なお、パッケージ第1の測定用電極19の幅は、母基板1および格子状体2や形状等により異なるが、0.05mm以上として形成することが好ましい。0.05mm以上であると、絶縁基体11用のセラミックグリーンシートまたは枠体12用のセラミックグリーンシートに、第1のパッケージ測定用電極19のメタライズペーストを塗布する際、印刷時のかすれ等により断線してしまう可能性が低減される。
そして、第1のパッケージ測定用電極19に電気的に接続されたパッケージ測定用端子14が、絶縁基体11または枠体12の外表面に導出されている。このパッケージ測定用端子14は、耐電圧試験を行う際に、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間に電圧を印加するための導電路として機能する。なお、第2のパッケージ測定用電極20には、第1のパッケージ測定用電極19とは別に電気的に接続されたパッケージ測定用端子14を設けても良い。これにより、凹部5を蓋体や樹脂により封止した後であっても、気密性の確認ができる。なお、封止前であれば、第2のパッケージ測定用電極20は凹部5内に露出しているので、この露出した領域から直接電圧を印加しても良く、この場合にはパッケージ測定用端子14を設けなくても構わない。
なお、このような第1のパッケージ測定用電極19或いは第2のパッケージ測定用電極20に電気的に接続されるパッケージ測定用端子14は、一対のパッケージ測定用電極13に電気的に接続する場合と同様に形成される。
また、図27、図28に示すように、枠体12は複数層(図27、図28においては、絶縁層12a,12b)からなっていても良い。この場合、複数層からなる枠体12の層間(絶縁層12aと絶縁層12bとの間)に、第1のパッケージ測定用電極19を埋設し、凹部5の底面或いは内壁面に第2のパッケージ測定用電極20を配設しておくと、上述の絶縁基体11と枠体12との間に埋設された第1のパッケージ測定用電極19と凹部5の底面或いは内壁面に配設された第2のパッケージ測定用電極20との場合と同様に、電子部品収納用パッケージの枠体12の層間において凹部5の気密性を確認することができる。
すなわち、絶縁層12a、12b用のセラミックグリーンシートの間に異物が混入したり、絶縁層12a、12b用のセラミックグリーンシート同士の密着不良によって枠体12の層間に凹部5と電子部品収納用パッケージの外壁とを連通するような空隙部が形成されたか否かを上述と同様に確認することができる。なお、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間に空隙部がない箇所には、枠体12の各層を構成する絶縁体としてのセラミックスが介在していることから、上記のような短絡は生じない。
また、枠体12は、絶縁層12a,12bの2層から形成されている場合に限らず、3層以上から形成されていても良い。例えば、格子状体2が絶縁層2a,2b,2cの3層から形成されているような場合、第1のパッケージ測定用電極19が枠体12の高さ位置の異なる層間(絶縁層12aと絶縁層12bとの間および絶縁層12bと絶縁層12cとの間)のそれぞれに埋設されていることが好ましい。
この構成により、凹部5の気密性が低下する可能性のある枠体12の高さ位置の異なる層間に第1のパッケージ測定用電極19と凹部5の内面に第2のパッケージ測定用電極20とが形成されており、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20とに対して耐電圧試験を行うことができる。そして、格子状体2の高さ位置の異なる層間のそれぞれに対して空隙部の有無を容易に確認することができることから、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を良好に確認することができる。
なお、枠体12が複数層からなる場合においては、上述した絶縁基体11と枠体12との間および枠体12の層間の両方に、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20とを埋設しても構わない。また、第2のパッケージ測定用電極20は、それぞれの第1のパッケージ測定用電極19に対応する第2のパッケージ測定用電極20同士を電気的に接続して一体としておいても構わない。
また、電子部品収納用パッケージに形成された第1のパッケージ測定用電極19が、平面視で電子部品収納用パッケージの凹部5を囲繞していることが好ましい。このことから、電子部品収納用パッケージの凹部5の周囲領域の広範囲にわたって空隙部の有無を確認することができる。これにより、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性をより良好に確認することができる。なお、電子部品収納用パッケージの凹部5の内壁に沿って1本ずつの第1のパッケージ測定用電極19が凹部5の周囲を周回するように埋設していると、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を効率良く確認することができるようになる。また、凹部5の周囲を全周にわたって周回するように第1のパッケージ測定用電極19を配設していると、凹部5の気密性を全周にわたって効率良く確認することができる。
また、上述と同様に、パッケージ測定用端子14が、パッケージ測定用端子14よりも面積の大きな測定用パッド9により被覆されていても構わない。なお、このような測定用パッド9は、一対のパッケージ測定用電極13を絶縁基体1と枠体12との間、あるいは枠体12の層間に埋設する場合と同様にして製作される。
また、一対のパッケージ測定用電極13の場合と同様に、第2の測定用端子10を設けても構わない。
また、枠体2の高さ位置の異なる層間のそれぞれに埋設されている第1のパッケージ測定用電極19同士が、互いに電気的に接続されていることが好ましい。このことから、電子部品収納用パッケージの異なる層間に埋設された複数の第1のパッケージ測定用電極19に電圧を一括して印加することができる。
従って、複数の層間の状態を同時に測定することができ、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を効率良く確認することができる。なお、上述した絶縁基体11と枠体12との間および枠体12の層間の両方に、第1のパッケージ測定用電極19と第2の測パッケージ定用電極20とを埋設する場合、上述と同様な理由により、これらの第1のパッケージ測定用電極19同士が、互いに電気的に接続していてもよい。
また、図29に示すように、第2のパッケージ測定用電極20は、凹部5内に搭載される電子部品の電極と電気的に接続される配線導体として用いられることが好ましい。なお、図29において、(a)は、本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図、(b)は、(a)に電子部品17を搭載した電子装置の実施の形態の一例を示す断面図である。このことから、第2のパッケージ測定用電極20が電子部品17に電気的に接続される配線導体7の役割と第1のパッケージ測定用電極19との間の耐電圧とを測定するための電極の役割とを兼用させることができる。
従って第2のパッケージ測定用電極20のための領域を形成する必要がなく、電子部品収納用パッケージの小型化を図ることができる。例えば、第1のパッケージ測定用電極19と第2のパッケージ測定用電極20との間に耐電圧試験を行い、電子部品収納用パッケージの凹部5の気密性を確認した後、電子部品17の一方の電極を導電性樹脂等により凹部15の底面に形成された第2のパッケージ測定用電極20に電気的に接続し、電子部品17の他方の電極をボンディングワイヤ18等により、配線導体7やこの第2のパッケージ測定用電極20とは電気的に非接触である他の第2のパッケージ測定用電極20に電気的に接続するといったことを行えばよい。
また、第2のパッケージ測定用電極20は、凹部5の底面に設ける場合、凹部5の底面の全面に設けなくても構わない。例えば、凹部5内に収容される電子部品が配線導体7とフリップチップにより電気的に接続される場合、配線導体7の周囲に設けても構わない。
また、電子部品を凹部5の底面に形成された第2のパッケージ測定用電極20に樹脂等により接続する場合、第2のパッケージ測定用電極20の形成領域内に部分的に絶縁基体11を露出させておいても構わない。
また、凹部5の底面に形成された第2のパッケージ測定用電極20上に電子部品を搭載した際に、第2のパッケージ測定用電極2の電子部品の角部に対向する領域を、部分的に切り欠いてもよい。これにより、切り欠いた領域は、第2のパッケージ測定用電極2の厚み分だけ高さが低くなる。従って凹部5の底面が、絶縁基体11の下面側に向かって反っていた場合であっても、電子部品の角部が第2のパッケージ測定用電極20に接触して電子部品の角部が欠けることを抑制できる。
本発明の電子装置は、上述したいずれかの電子部品収納用パッケージと、電子部品収納用パッケージに搭載される電子部品とを備えている。このことから、凹部5の気密性に優れていることが確認された電子部品収納用パッケージに電子部品を搭載することができるので、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
また、本発明の電子装置は、上述の複数個取り電子部品収納用パッケージと、複数個取り電子部品収納用パッケージの電子部品収納用パッケージ領域6に搭載される電子部品とを備えた複数個取り電子装置を、電子部品収納用パッケージ領域ごとに分割して得られる。このことから、凹部5の気密性に優れていることが確認された電子部品収納用パッケージ領域6に電子部品を搭載することができるので、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
なお、上述の電子部品収納用パッケージの凹部5内に、ICチップやLSIチップ等の半導体素子、水晶振動子や圧電振動子等の圧電素子、各種センサ等(これらを総称して電子部品という)を搭載することにより電子装置となる。なお、複数個取り電子部品収納用パッケージにおいては、上述以外に複数個取り電子部品収納用パッケージを分割予定線8に沿って分割した電子部品収納用パッケージに電子部品を搭載しても構わない。
なお、複数個取り電子部品収納用パッケージの各電子部品収納用パッケージ領域6に複数の電子部品を搭載した後に、各電子部品収納用パッケージ領域6毎に、複数個取り電子装置を分割する手法により電子装置を作成する場合は、凹部5の気密性に優れたことが確認された電子部品収納用パッケージ領域6にのみ電子部品を搭載すれば良い。そして、電子部品収納用パッケージ領域6に電子部品を搭載した後に電子部品収納用パッケージ領域6ごとに複数個取り電子装置を分割することにより、複数の信頼性に優れた電子装置を効率良く製作することができる。また、空隙部を有した凹部5には電子部品が搭載されないため、電子部品が無駄にならない。
電子部品の搭載は、電子部品がフリップチップ型の半導体素子である場合には、はんだバンプや金バンプ、または導電性樹脂(異方性導電樹脂等)を介して、半導体素子の電極と配線導体7とを電気的に接続することにより行なわれる。
また、電子部品がワイヤボンディング型の半導体素子である場合には、ガラス、樹脂、ろう材等の接合材により固定した後、ボンディングワイヤを介して半導体素子の電極と配線導体7とを電気的に接続することにより行なわれる。
また、電子部品が水晶振動子等の圧電素子である場合には、導電性樹脂により圧電素子の固定と圧電素子の電極と配線導体7の電気的な接続を行なう。
そして、凹部5内に搭載された電子部品は、エポキシ樹脂等の封止樹脂により覆われることや、金属、セラミックス等からなる蓋体をガラス、樹脂、ろう材等の接着剤により電子部品収納用パッケージに取着することにより封止される。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何ら差し支えない。例えば、複数個取り電子部品収納用パッケージにおいて、母基板1の両主面に格子状体2を搭載し、両主面に凹部5を形成したものであっても構わない。また、凹部5は、各電子部品収納用パッケージ領域6に一つ以上、すなわち複数の凹部5を形成したものであっても構わない。上述のような場合、それぞれの凹部5の周囲に測定用電極3を形成し、この測定用電極3に電気的に接続される一対の測定用端子4を形成しておけば良い。また、第1の測定用電極15と第2の測定用電極16とを設ける場合においても同様である。なお、上述のような例は、複数個取り電子部品収納用パッケージに限って適用されるものではなく、電子部品収納用パッケージに対しても適用することができる。