JP5077923B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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そこで、このような場合に衝撃を緩和するため、膨張・展開するエアバッグで乗員を受け止めた後は、エアバッグ内のガスを急速に排気して乗員をエアバッグで柔らかく受け止め、衝突により乗員に加わる衝撃を吸収する必要がある。
このエアバッグ装置は、図示のように、袋状のエアバッグ100と、エアバッグ100下面のハウジング104に設けられたインフレータ(図示せず)とを有し、車両衝突時等には、インフレータから供給されるガスにより、エアバッグ100を乗員に向かって膨張展開させる。
エアバッグ100には、乗員12と反対側に、エアバッグ内のガスを外部に排気するためのベントホール102が設けられており、このベントホール102の周りにフラップ104,106が筒状に取り付けられたスイッチベントホール機構(排気状態切替部材ともいう)が備えられている。
この場合には、フラップ104,106は、テザー116により膨張・展開するエアバッグで内方へ引っ張られてエアバッグ内に収納された状態を維持し、かつそれに作用するエアバッグの内圧でフラップ104,106同士が密着してベントホール102を閉塞している。
これに対し、図4に示すように、膨張展開中のエアバッグ100に乗員12が侵入すると、エアバッグ100が変形し同時にテザー116が緩む。テザー116が緩むと、フラップ104,106に作用していたエアバッグ内方向きの張力が喪失するため、フラップ104,106はエアバッグ100の内圧により外へ押し出され、フラップ104,106上に作用する圧力が解放されると同時にエアバッグ100の内圧でフラップ104,106が開きベントホール102からの排気が行われる。
ただ、このスイッチベントホール機構の構造では、上記フラップ104,106がエアバッグ100と別体に構成されているため、エアバッグ100を構成するパネルの製造及び接合工程とは別工程でフラップを製造し、エアバッグ100に縫合などの手段で接合しなければならず、手間やコストが掛かるという問題がある。
このフラップ部材120A、120Bからフラップ120を形成するには、上記直線部125A、125B同士、及び上辺部分122A、122B同士を例えば縫合して一体化する。
図6Bは、このようにフラップ部材120Aと120Bを一体化して形成したフラップ120を示す。
なお、開口132はエアバッグの一側のサイドパネルのみに設けてもよいし、両側のサイドパネルに設けてもよい。
即ち、図6Bで示すフラップ120の各半円の円周部126A、126Bをサイドパネル120bの開口132の周縁部に縫合などにより接合して一体化する。ここで、フラップ120の斜辺部125A、125B間は縫合しておらず、かつその上辺122は縫合されているから、乗員がエアバッグ100に侵入するとフラップは、図4に示したと同様にエアバッグの外部に押し出される。フラップ120がエアバッグの外部に押し出されると、開口132から排出されるガスは前記縫合されていない斜辺部125A、125B間からエアバッグ外に排出される。したがって、フラップ120の上記斜辺部125A、125B間がガスを流出させるベントホールになる。つまり、エアバッグのサイドパネル130の上記開口132からガスが流入すると、上記フラップ120の平面視略台形部分の縫合していない斜辺部125A、125B間からガスが放出される。
図示のように、センターパネル140は、図左側の比較的長い第一の矩形の部分142とそれに続く図中上下に湾曲した膨らみを持った中央部分146と、その左側の比較的短い第二の矩形の部分144とからなっている。
第一の矩形の部分142には、インフレータからのガスをエアバッグ内に導入するためのガス導入口142aが設けられており、上記中央部分146には、エアバッグと同様の基布を略帯状または紐状に裁断するなどして形成したテザー148の一端部が縫合などにより取り付けられている。
まず、図8Aに示すように、センターパネル140の第一及び第二の矩形部分142,144及び中央部分146の両側縁を、サイドパネル120bの外周に縫合などにより一体に接合すると共に、センターパネル140の第一及び第二の矩形部分142,144の自由端同士を縫合などにより接合する。
続いて、図8Bに示すように、このように接合一体化されたセンターパネル140とサイドパネル120の内外面を反転する。
最後に、図8Cに示すように、一端部をセンターパネルの略中央部に取り付けたテザー148の他端部をフラップ120の台形の上辺122に縫合などで一体化して、エアバッグが完成する。
しかし、既に述べたように、上記構成を採ると、フラップを別部品として形成するため部品点数も増加し、エアバッグの組立工程とは別に、フラップをエアバッグに取り付けるための工程が必要となり組立が煩雑化し、かつコストも掛かるという問題がある。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたエアバッグ装置において、前記フラップ部材は、前記第一及び第二のパネル部材と一体に形成され、その先端部を互いに接合することで、その側縁に沿ってベントホールとなる開口を形成したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載されたエアバッグ装置において、前記サイドパネルは、センターパネルと一体に接合されてエアバッグを構成し、前記連結部材の他端は、センターパネルの乗員側となる部分に連結されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、前記連結部材の他端部が、エアバッグ内部に膨張・展開するエアバッグに侵入する乗員を受け止める第2室を形成するための隔壁に連結されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずかに記載されたエアバッグ装置において、前記第2室は、予め定めた正規位置にいない乗員を受け止めるよう位置決めされることを特徴とする。
図1Aは、本実施形態に係るエアバッグ10の第一のサイドパネル部材20aと第二のサイドパネル部材20bの平面図である。
即ち、図1Aに示すように、第一及び第二のサイドパネル部材20a、20bは、それぞれを組み合わせたときに、エアバッグの膨張・展開した一連の外形を規定する湾曲した外周部28a、28bと、互いに重なり合う部分であって、間に所定長さの部分を残して両端側から互いに内方に向かって切り欠いた第一の直線部26a、26bと、この直線部26a、26bの内方側端部から先端の第二の直線部22a、22bに向かって幅が徐々に縮小する平面視略台形を形成するように延びる斜辺部24a、24bとからなっている。
第一と第二のサイドパネル部材20a、20bは、それぞれの台形部分即ちフラップ部材Fa、Fbのうち、一方のフラップ部材を折り返して、第一の直線部26aと26b、及び第二の直線部22a、22b同士を例えば縫合により一体に接合する。
つまり、本実施形態のエアバッグでは、第一及び第二のサイドパネル部材20a,20b同士を接合するだけで、上記台形部分の長辺に相当する箇所に開口が形成され、かつその斜辺部分24a,24bにベントホールが形成される。
センターパネル40は、図左側の比較的長い第一の矩形の部分42とそれに続く上限に湾曲して膨らみを持った中央部分46と、その左側の比較的短い第二の矩形の部分44とからなっている。
本実施形態では、中央部分46は、エアバッグ10を形成したとき、その内部を区画する隔壁となるパネル46(1)とエアバッグ10の外面を構成するパネル46(2)の二重構造から成っている。隔壁となるパネル46(1)には、連結部材であるテザー48の一端部が取り付けられていると共に、図中そのテザー48の右側には、パネル46(1)と46(2)で仕切られた第2室が形成されたとき、その第2室にガスを流入させる逆止弁(図示せず)付き通気孔45が設けられている。また、第一の矩形の部分42には、インフレータからのガスをエアバッグ内に導入するためのガス導入口42aが設けられている。
センターパネル40に対し、サイドパネル30をその縁部(外周)に沿って接合すると共に、センターパネル40の第一及び第二の矩形の部分42,44の端部同士を接合して一体化する。
続いて、このように接合されたサイドパネル20aとセンターパネル40の内外面を、図3Bに示すように内外反転する。
最後に、図3Cに示すように、一端をセンターパネル20aの隔壁46(1)の中央部に取り付けた連結部材であるテザー48の他端を、フラップ20aの台形の短辺つまり、その自由端、即ち第二の直線部22に縫合などにより一体に接合して、エアバッグ10の組立を完了する。
また、エアバッグ内に第二室を設けなくともよく、その場合は、上記テザーの他端を乗員側のエアバッグの内面に接合すればよい。
Claims (5)
- ガスの導入により膨張展開可能なエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータとを備えたエアバッグ装置において、
前記エアバッグのサイドパネルを構成する第一及び第二のパネル部材であって、前記各パネル部材同士を接合するための接合部と、該接合部に隣接して形成されたフラップ部材とを備えた前記第一及び第二のパネル部材と、
前記フラップ部材同士を接合して形成されるフラップであって、前記各パネル部材を接合したとき、前記接合部に隣接して前記各パネル部材間に形成される開口に連通するベントホールを備えたフラップと、
一端が前記フラップに連結され、他端がエアバッグ内面に連結された連結部材と、を有し、
前記連結部材は、前記エアバッグが膨張展開した状態では前記フラップに張力を作用させてベントホールを閉鎖し、前記膨張展開したエアバッグに乗員が突入してエアバッグが変形したときには、前記連結部材が弛んで、前記フラップに作用する張力を解放してベントホールを開放することを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
前記フラップ部材は、前記第一及び第二のパネル部材と一体に形成され、その先端部を互いに接合することで、その側縁に沿ってベントホールとなる開口を形成したことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1又は2に記載されたエアバッグ装置において、
前記サイドパネルは、センターパネルと一体に接合されてエアバッグを構成し、前記連結部材の他端は、センターパネルの乗員側となる部分に連結されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記連結部材の他端部が、エアバッグ内部に膨張・展開するエアバッグに侵入する乗員を受け止める第2室を形成するための隔壁に連結されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし4のいずかに記載されたエアバッグ装置において、
前記第2室は、予め定めた正規位置にいない乗員を受け止めるよう位置決めされることを特徴とするエアバッグ装置。
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