JP5077217B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
図12は、一対のベルトを用いて定着ニップを形成する定着装置の構成を説明するための断面模式図である。この定着装置70では、トナー画像が転写されて上方に向って搬送される記録シートSを左右方向から加圧する一対の第1ベルト71および第2ベルト72を備えている。図12においては、第1ベルト71と第2ベルト72とを相互に離間させた状態で示しているが、実際の定着装置70では、第1ベルト71および第2ベルト72は、記録シートSの搬送方向上流側(下側)部分同士および下流側(上側)部分同士がそれぞれ圧接されて、第1ベルト71および第2ベルト72における相互に対向するベルト部分の間に定着ニップが形成されている。第1ベルト71は、記録シートSの搬送方向上流側に配置された第1上流側ローラ73と、記録シートSの搬送方向下流側に配置された第1下流側ローラ74とに所定の引っ張り力(ベルトテンション)が加わった状態で巻き掛けられており、例えば、第1下流側ローラ74が駆動モータによって回転駆動されることにより、矢印Bで示す方向に周回移動される。第1上流側ローラ73の内部には、直線状に形成されたヒータランプ77が、軸方向に沿って配置されている。
第2ベルト72は、記録シートSの搬送方向上流側(下側)に配置された第2上流側ローラ75と、記録シートSの搬送方向下流側(上側)に配置された第2下流側ローラ76とに巻き掛けられて矢印Cで示す方向に周回移動するようになっている。第2上流側ローラ75および第2下流側ローラ76も、第1上流側ローラ73および第1下流側ローラ74と同じ半径r1をそれぞれ有しており、相互に平行に配置されている。第2上流側ローラ75も、第2ベルト72に記録シートSの搬送方向に沿ったベルトテンションF1が加わるように、テンションばね(図示せず)によって下方に付勢されている。
好ましくは、前記加熱手段は、ヒータランプまたは電熱線ヒータであることを特徴とする。
好ましくは、前記一対の第1ローラのそれぞれと、前記一対の第2ローラのそれぞれとが、前記第1ベルトおよび前記第2ベルトを介して相互に圧接されていることを特徴とする。
定着装置50は、第1ベルト51と、第2ベルト52とを備えており、下方の2次転写部46において記録シートSに2次転写されたトナー画像は、当該記録シートSが上方に向って搬送されて第1ベルト51および第2ベルト52における相互に圧接されたベルト部分の間の定着ニップを通過する際の加熱及び加圧によって当該記録シートSに熱定着される。定着装置50を通過した記録シートSは、排紙ローラ61によって、画像プロセス部30の上方に設けられた排紙トレイ62上へ排出される。
E・t/φ≦2000000(mN/mm2) ・・・(1)
第1ベルト51は、ヤング率Eおよび厚さtが大きくなると、楕円形状に変形させるために大きなベルトテンションが必要になるが、円筒形状の外径が大きくなると楕円形状に変形させることが容易になる。このことから、第1ベルト51を所望の楕円形状に変形させて第2ベルト52を確実に凹状に湾曲させるためには、上記(1)式の関係を有していることが好ましい。2000000mN/mm2の値は実験的に求められたものである。
W=1000・384・E・b・t3・δ/12・L3 ・・・(2)
このことから、第1ベルト51の単位幅当たりの押圧荷重W/b(mN/mm)は、次式(3)になる。
定着装置では、定着ニップにおけるニップ圧を増加させることによって、トナー画像を溶融させるための定着温度を低くできることが知られている。図7の表は、図2に示す定着装置50によって、トナー画像(湿式造粒法によって体積平均粒径約6.5μmのトナーを使用)を普通紙に定着させる場合に、第1ベルト51による押圧荷重W/b(mN/mm)と定着温度との関係を示している。なお、第2ベルト52としては、従来の定着装置において一般的に使用されているものと同様に、ポリイミド樹脂製の耐熱層を有するものを使用している。図7の表によれば、第1ベルト51による単位幅当たりの押圧荷重W/b(mN/mm)の値が1以上になると、定着温度220℃よりも低い190℃の定着温度で、トナー画像をトナー剥離が生じることのない良好な定着性で定着させることができる。また、押圧荷重W/b(mN/mm)の値が10以上になると、加圧力が大きくなった分、さらに低い170℃以上の定着温度で、良好な定着性でトナー画像を定着させることができる。さらには、押圧荷重W/b(mN/mm)の値が100以上になると、さらに低い150℃の定着温度で、良好な定着性でトナー画像を定着させることができる。従って、楕円形状の第1ベルト51の単位幅当たりの押圧荷重W/b(mN/mm)が1以上になれば、190℃程度の定着温度に設定でき、10以上になることによりさらに定着温度を下げることでウォームアップ時間を短縮することができ、100以上になることによって、ウォームアップ時間を著しく短縮することができる。
第1ベルト51の厚さtは、熱容量等を考慮すると、20〜400μm程度が好ましく、100〜200μm程度がより好ましい。第1ベルト51における単位幅当たりの押圧荷重W/b(mN/mm)の値は大きいほど好ましいことから、ヤング率Eが高い基材が好ましく、具体的には、ヤング率Eが100,000N/mm2以上の基材を用いることが好ましい。
また、本発明の定着装置50は、上記実施の形態に限るものではない。例えば、第1上流側ローラ53と第1下流側ローラ54との間にのみヒータランプ57を設ける構成に限らず、ヒータランプ57とともに別の加熱手段を設けるようにしてもよい。例えば、図9に示すように、第1上流側ローラ53および第2上流側ローラ55が、それぞれ中空の芯金を有する構成において、それぞれの芯金内にヒータランプ58aおよび58bを、ヒータランプ57とともに配置してもよい。あるいは、第1上流側ローラ53および第2上流側ローラ55のいずれか一方の芯金内にのみヒータランプを配置する構成としてもよい。さらには、図10に示すように、ヒータランプ57とともに、第2上流側ローラ55と第2下流側ローラ56との間にもヒータランプ58cを設ける構成としてもよい。いずれの構成においても、定着ニップ部の加熱効率を向上させることができるために、ウォーミングアップ時間をより一層短縮することができる。また、ヒータランプに限らず、直線状の電熱線ヒータも用いることができる。
36 中間転写ベルト
39Y、39M、39C、39K 画像形成ユニット
40 シート搬送部
50 定着装置
51 第1ベルト
52 第2ベルト
53 第1上流側ローラ
54 第1下流側ローラ
55 第2上流側ローラ
56 第2下流側ローラ
57 ヒータランプ
59 励磁コイル
Claims (6)
- 一対の第1ローラのみによって周回移動可能に支持された第1ベルトと、一対の第2ローラのみによって周回移動可能に支持された第2ベルトとが相互に圧接することによって形成された定着ニップを、記録シートが通過する間に、該記録シート上に形成された未定着画像を加熱および加圧することによって熱定着させる定着装置であって、
前記第1ベルトは、前記第2ベルトと離間状態としたとき、前記一対の第1ローラの間における相互に対向するそれぞれのベルト部分が外側に突出した湾曲状態で走行可能な剛性を有し、
前記第2ベルトは、前記第1ベルトよりも低い剛性であって、前記第1ベルトが押し付けられることによって撓む剛性を有するベルトであり、前記一対の第2ローラの間の一方のベルト部分が、前記第1ベルトの外側に突出した一方のベルト部分と相互に圧接することによって、該一方のベルト部分に沿って凹状に湾曲した状態で走行することを特徴とする定着装置。 - 前記記録シートの未定着画像が、前記第1ベルトの周回移動域の内部であって前記一対の第1ローラの間に設けられた加熱手段によって加熱されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記加熱手段は、ヒータランプまたは電熱線ヒータであることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記記録シートの未定着画像が、電磁誘導加熱方式の加熱手段によって加熱されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記一対の第1ローラのそれぞれと、前記一対の第2ローラのそれぞれとが、前記第1ベルトおよび前記第2ベルトを介して相互に圧接されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
- 記録シート上に形成された未定着画像を定着部により熱定着する画像形成装置であって、
前記定着部として、請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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