JP3950692B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト加熱方式の像加熱装置である定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無端ベルト加熱方式・加圧回転体駆動方式の加熱方式は、加熱回転体としての無端ベルト(ベルト部材)と、前記無端ベルトの内側に位置し前記無端ベルトをルーズに外嵌させる無端ベルト内部部材(ベルト内部部材)と、前記無端ベルトを挟んで前記無端ベルト内部部材と相互圧接してニップ部を形成し、かつ回転駆動される加圧回転体(加圧部材)と、を有し、前記加圧回転体の回転駆動により前記無端ベルトが前記ニップ部において前記無端ベルト内部部材の面を摺動しながら回転され、前記ニップ部の前記無端ベルトと前記加圧回転体の間で被加熱材を挟持搬送して加熱する装置構成のものとしている。
【0003】
このような加熱方式としては、前記無端ベルトを電磁誘導発熱性部材にして、磁場発生手段の発生磁場の作用で前記無端ベルト自体を発熱させ、その発熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式(特開平9−171889号公報等)や、前記ニップ部に対応する前記無端ベルト内側にセラミックヒータや電磁誘導発熱体のヒータ(発熱体、加熱体)を固定して配設し、該ヒータの熱を該無端ベルトを介して被加熱材に与えて加熱する方式(特開平4−44075〜44083号公報等)等が提案されている。
【0004】
このような加熱方式は、熱ローラ方式の加熱装置等との対比においてクイックスタート性や省エネルギー性に優れている。
【0005】
そのため、複写機・プリンタ等の画像形成装置において、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段部で、被加熱材としての被記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォーマット紙等)に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた目的の画像情報の未定着画像(トナー画像)を、被記録材面に永久固着画像として加熱定着させる定着装置として、上記のような無端ベルト加熱方式・加圧回転体駆動方式の加熱方式(ヒータの熱を、無端ベルトを介して被記録材に与えて加熱する方式)が提案されている。
【0006】
また、市販されたもののなかには、ニップ部における無端ベルト内部部材の面を単一平面とし、被記録材面の無端ベルトからの分離性能を確保するものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の無端ベルトには、円筒状の無端ベルトが無端ベルト内部部材のニップ部形成面である平面を通過するときの変形による機械的応力、及び被加熱材に熱を奪われて発生する熱応力が繰り返しかかる。
【0008】
この繰返し応力によって、無端ベルトの電磁誘導発熱層が疲労破壊してしまうことがある。
【0009】
これを防ぐため、機械的応力を低減しようと、無端ベルト内部部材のニップ部形成面に良熱伝導性部材を配置し、これに曲率をもたせることが提案されている(特開平08−30126号公報)。
【0010】
一方で、無端ベルト内部部材のニップ部形成面に曲率をもたせると、ニップ部において加熱された被加熱材が無端ベルトから分離せず巻き付いてしまうというおそれがある。
【0011】
そこで、本発明の目的としては、上記課題を解決することであり、詳しくは、無端ベルトの使用寿命を延ばしながら、被加熱材の無端ベルトへの巻き付きを防止する加熱装置及び画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無端形状のベルト部材と、ベルト部材の内面に接触しておりベルト部材の回転を案内するベルト内部部材と、弾性層を有しておりベルト部材を介してベルト内部部材と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、定着ニップ部で未定着トナー像を担持する被記録材を挟持搬送しつつ未定着トナー像を被記録材に加熱定着する定着装置において、ベルト内部部材のベルト部材と接触する面の定着ニップ部形成領域のうち、被記録材の搬送方向上流側の領域は、ベルト部材の断面形状が真円の場合の曲率半径より大きな曲率半径を有する曲面となっており、被記録材の搬送方向下流側の領域は、上流側の領域の曲率半径より大きな曲率半径を有する曲面、または平面となっていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に沿って説明する。本実施の形態における例示が本発明を限定することはないとする。
【0021】
(第一の実施の形態)
以下、本発明に係る第一の実施の形態について図1から図7を参照にして説明する。各図に共通する部材には同一の符号を付している。
【0022】
(1)画像形成装置例
まず、本第一の実施の形態に係る画像形成装置の一形態として電子写真カラープリンタについて説明する。
【0023】
図2は、電子写真カラープリンタの概略構成を示す断面図である。
【0024】
図2において、101は有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、図中矢示の反時計回り方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0025】
感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ等の帯電装置102により所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
【0026】
次いで、感光体ドラム101の帯電処理面に、レーザ光学箱(レーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103によって、目的の画像情報の走査露光処理がなされる。
【0027】
レーザ光学箱110は、不図示の画像読み取り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光103を出力し、このレーザ光103により回転感光体ドラム101面に走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0028】
109はレーザ光学箱110からの出力レーザ光を感光体ドラム101の露光位置に偏向させるミラーである。
【0029】
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器104Yの作動でイエロートナー画像として現像される。そして、このイエロートナー画像は、感光体ドラム101と中間転写体ドラム105との接触部(あるいは近接部)である一次転写部T1において、中間転写体ドラム105の面に転写される。中間転写体ドラム105面に対するトナー画像転写後の回転感光体ドラム101面は、クリーナ107により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0030】
上記したイエロー成分画像の作像と同様に、帯電・走査露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作動)、及び第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、及び黒トナー画像の合計4色のトナー画像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像が合成形成される。
【0031】
中間転写体ドラム105は、金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光体ドラム101に接触してあるいは近接して感光体ドラム101と略同じ周速度で図中矢示の時計回り方向に回転駆動される。そして、中間転写体ドラム105の金属ドラムにバイアス電位を与えることで、感光体ドラム101との電位差により、感光体ドラム101側のトナー画像を中間転写体ドラム105面側に転写させる。
【0032】
上記のように回転中間転写体ドラム105面に合成形成されたカラートナー画像は、回転中間転写体ドラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である二次転写部T2において、不図示の給紙部から所定のタイミングで二次転写部T2に送り込まれた被加熱材としての被記録材Pの面に転写されていく。
【0033】
転写ローラ106は、被記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで、中間転写体ドラム105面側から被記録材P面側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
【0034】
二次転写部T2を通過した被記録材Pは、中間転写体ドラム105の面から分離されて加熱装置としての定着装置100へ導入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受けて、カラー画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出される。
【0035】
なお、定着装置100については後述する(2)項で詳述する。
【0036】
被記録材Pに対するカラートナー画像転写後の回転中間転写体ドラム105は、クリーナ108により転写残りトナーや紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0037】
このクリーナ108は、常時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に接触状態に保持される。
【0038】
また、転写ローラ106は、常時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に被記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0039】
なお、上記したような本第一の実施の形態に係る装置は、白黒画像等モノクロカラー画像のプリントモードにおいても実行することができる。さらには、両面画像プリントモード、あるいは多重画像プリントモードにおいても実行できる。
【0040】
両面画像プリントモードの場合においては、定着装置100を出た1面目画像プリント済みの被記録材Pは、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて、再び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再度、定着装置100に導入されて2面に対するトナー画像の定着処理を受けることで、両面画像プリントが出力される。
【0041】
多重画像プリントモードの場合においては、定着装置100を出た1回目画像プリント済みの被記録材Pは、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに、再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、定着装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受けることで、多重画像プリントが出力される。
【0042】
(2)定着装置
次に、上記した電子写真カラープリンタに設けられる定着装置100について詳述する。
【0043】
この定着装置100は電磁誘導加熱方式を採用したもので、図1、図3から図7を用いて以下に詳細に説明する。
【0044】
A)定着装置100の全体的な概略構成
図1は定着装置100の概略縦断面図であり、図3は定着装置100の概略横断面図である。
【0045】
図1及び図3において、10はベルト部材としての無端ベルト状の定着ベルトである。この定着ベルト10は、電磁誘導発熱性の円筒状部材であり、電磁誘導発熱層(導電体層、磁性体層、抵抗体層)を有する。
【0046】
16はベルト内部部材としての略円筒形状のベルトガイド部材である。このベルトガイド部材16に上記の定着ベルト10をルーズに外嵌させている。
【0047】
また、ベルトガイド部材16の両側側部分には他の部分よりも外径をすこし小さくした環状溝部16a・16bを形成している。
【0048】
また、定着ベルト10の長手方向の両端部には周方向にそれぞれ前記環状溝部16aと16bに係合する環状フランジ部材23aと23bが取付けられ、この環状フランジ部材23aと23bによりベルトガイド部材16に対して回動する無端状の定着ベルト10の長手方向両端部をそれぞれ規制・保持しており、ベルトガイド部材16と係合している領域においてベルトガイド部材16の長手方向端部によって定着ベルト10の半径方向の位置決めがなされる。
【0049】
磁場発生手段は、磁性コア17a・17b・17c、及び励磁コイル18で構成されている。
【0050】
19は励磁コイル保持部材であり、ベルトガイド部材16の内側で、定着ベルト10の回転方向に対して定着ニップ部Nの上流側半分側(図1において右半分側)に配置している。
【0051】
22は、ベルトガイド部材16内に通した縦断面下向きコの字型の加圧ステーである。この加圧ステー22の長手方向左右両端部は、ベルトガイド部材16の長手方向左右両端部から外方向に突出させている。
【0052】
図4は定着装置100の長手方向左側端部の斜視図である。右側端部も同様の構成としている。
【0053】
図4において、21a・21bは左右の加圧ブロック(右側端部21bは不図示)であり、上記加圧ステー22の長手方向左右両端部に装着してビス締め等の手段で固定している。この加圧ブロック21a・21bには、それぞれ前記環状フランジ部材23a・23bの外径と略同じ外径の円盤状の鍔座部21e・21fを一体的に設けており、それぞれ環状フランジ部材23a・23bの外側面と当接して環状フランジ部材23a・23bの軸方向外方への移動を規制している。
【0054】
上記した組立て体、すなわちベルトガイド部材16、定着ベルト10、環状フランジ部材23a・23b、加圧ステー22、加圧ブロック21a・21b、及び鍔座部21e・21fを加熱アセンブリとしている。
【0055】
また、30は加圧部材としての加圧ローラであり、定着ベルト10を従動回転させ、かつ定着ベルト10に圧力を与える。この加圧ローラ30は、芯金30aと、該芯金30a周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂等の耐熱性・弾性を有する弾性層30bとで構成されている。
【0056】
この加圧ローラ30は、その芯金30aの長手方向左右両端部を装置シャシー70の左右側板70a・70b間に軸受28a・28bを介して軸支することで、回転自由に配設している。
【0057】
また、芯金30aの長手方向左端部には駆動ギアGが固定され、この駆動ギアGに不図示の駆動系Mから回転力が伝達されて加圧ローラ30が所定の周速度をもって図1の矢印の反時計回り方向に回転駆動される。
【0058】
装置シャシー70の左右側板70a・70bには、図4に示すように、上端側を開放した縦方向のガイド穴部70c・70d(右側端部は不図示)を有している。このガイド穴部70c・70dの上部開口部から、上記した加熱アセンブリの左右加圧ブロック21a・21bの加圧ステー22側の縦溝部21cを、ガイド穴部70cの長穴に沿って下方に落とし込むことによって、加熱アセンブリを装置シャシー70の左右側板70a・70b間において上記加圧ローラ30の上側に配置させている。
【0059】
また、加圧ばね25a・25bを定着フレーム24と加圧ブロック21a・21bの間に設けることで、ベルトガイド部材16を加圧ローラ30に押し付けている。これにより、ベルトガイド部材16の下面と加圧ローラ30の上面とが定着ベルト10を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0060】
そして、加圧ローラ30が回転駆動すると定着ベルト10は内周面とベルトガイド部材16の摩擦力により回転力が作用し、図1中矢示の時計回り方向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって回転状態になる。
【0061】
前記ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部には、上述の回転駆動時の駆動トルクを減少させるため、低摩擦係数の別部材で摺動部材としての摺動板41を装着しても良い。この別部材の材料には、フッ素樹脂、ガラス、2硫化モリブデンをコートした金属板等が挙げられる。
【0062】
また、ベルトガイド部材16の内側の右半分側に配設された磁場発生手段としての励磁コイル18には、図7に示すように、給電部18a・18bに励磁回路27を接続している。この励磁回路27は20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。励磁コイル18は励磁回路27から供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生する。電磁誘導発熱性ベルトである定着ベルト10には前記交番磁界を打ち消す方向に渦電流が流れ、ジュール熱が発生し、定着ベルト10が発熱することになる。
【0063】
この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで、所定の温度が維持されるように温調される。26は定着ベルト10の温度を検知するサーミスタ等の温度センサであり、本第一の実施の形態においては定着ニップ部Nの後で温度センサ26で測定した定着ベルト10の温度情報をもとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。定着ベルト10の、励磁コイル18の対向位置に、暴走時の励磁コイル18への給電を遮断するために安全用温度検知素子50を配設している。
【0064】
こうして、加圧ローラ30が回転駆動され、それに伴って定着ベルト10が回転し、励磁回路27から励磁コイル18への給電により上記のように定着ベルト10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された被記録材Pが不図示の入り口ガイド60により定着ニップ部Nに導かれ、定着ニップ部Nの定着ベルト10と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、すなわち定着ベルト面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト10の外面に密着して定着ベルト10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。このように定着ニップ部Nを定着ベルト10と一緒に被記録材Pが挟持搬送されていく過程において、定着ベルト10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。この際、前述の入口ガイド60上で被記録材Pと未定着トナー画像tが予備加熱される。被記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると回転定着ベルト10の外周面から分離して排出搬送されていく。被記録材P上の加熱定着トナーt画像は定着ニップ部N通過後、冷却して永久固着像となる。
【0065】
本第一の実施の形態では、トナーtに低軟化物質を含有させたトナーを使用したため、定着装置100にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合にはオイル塗布機構を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行ってもよい。
【0066】
B)ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状と、定着ベルト10の歪み・被記録材P分離の関係
次に、本第一の実施の形態に特徴的な部分について詳述する。
【0067】
従来、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成面は単一平面であった。このような構成を図5(a)に示し、同図中X部の拡大図を図5(b)に示す。図5に示すように、無端状の定着ベルト10が定着ニップ部Nの形成部に進入するとき(Na)、定着ニップ部Nの形成部内部にあるとき(Nb)、及び定着ニップ部N形成部から出るとき(Nc)に、それぞれ定着ベルト10に大きい歪みが発生することがある。
【0068】
この歪みは、主に加圧ばね25a・25bの押圧力、定着ベルト10の周長、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状、及び定着ベルト10の電磁誘導発熱層の厚さによって決定される。
【0069】
このような歪みの低減のため、これらを変更しようとする場合、加圧ばね25a・25bの押圧力は定着性の確保のため、また定着ベルト10の電磁誘導発熱層の厚さは高効率な発熱及び物流や定着器組立時の取り扱いのため、ある一定の値が必要で、歪み低減のためだけに変更することは難しい。また、定着ベルト10の周長を増やすことは、定着ベルト10のコストが上昇するだけではなく、定着装置100サイズ、ひいては画像形成装置サイズが必然的に拡大してしまうことになる。
【0070】
そこで、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状を複数種類準備し、定着ベルト10の表面の曲げ歪みと、定着後の被記録材Pとしての紙の分離性能を見るために実験を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
本実験では、定着ベルト10として内径をΦ34mm、厚さ50μのNi電鋳を用い、総加圧力18kgfを加え、そのときの定着ベルト10の表面の曲げ歪みを計測した。この構成を紙送り速度94mm/sのカラーレーザープリンターの定着装置100として適用し、薄紙(60g/m2)にベタ画像を転写したのち定着して、定着ニップ部Nにおける紙の分離性能を調べた。
【0072】
【表1】
Figure 0003950692
【0073】
表1に示すように、定着ベルト10の曲げ歪みは、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状を曲面にした比較例2、3、参考例1、及び実施例1のほうが、平面にした比較例1よりも低減することがわかる。
【0074】
また、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部の曲面部分の曲率半径が、定着ベルト10の曲率半径に近づくほど、定着ベルト10の歪みを小さくすることができ、定着ベルト10の曲率半径と定着ニップ部Nの形成部との曲率半径を同じにしたものが最も歪みの値が小さくなった。
【0075】
また、定着ニップ部Nの形成部形状は、前面を平面にするよりも、一部分でも曲面にし、例えば参考例1及び実施例1のように曲面+平面という構成にすることで、歪みは低下する。
【0076】
定着ベルト10は、定着ニップ部Nの形成部に引き込まれながら摺動し、定着ニップ部Nの形成部を出たあとは、ベルトガイド部材16から離れる(弛む)ので、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成面は、紙搬送方向上流側を曲面としたほうが、下流側を曲面とするよりも応力低減に効果がある。
【0077】
一方、定着後の紙の分離性能が良いのは、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状を、従来通り平面にした比較例1である。これは、定着ベルト10が定着ニップ部N形成部から離れるときに、定着ベルト10に極小Rができると、紙のコシによって分離するためである。そのため、この部分を曲面にすると、比較例2、3のように、分離性能が低下し、また、その曲率半径が小さくなればなるほど分離性能が悪化することがわかった。紙をコシによって分離できるように、定着ベルト10が定着ニップ部Nの形成部から離れるときに、定着ベルト10に極小Rをつくるためには、少なくとも、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状の紙搬送方向下流側を平面とするとよい。
【0078】
従って、紙分離性能がベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状が平面のときと同等で、定着ベルト10の歪みが低減できるのは、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成面が、紙搬送方向上流側に曲面を、紙搬送方向下流側に平面を設けた構成の実施例1である。
【0079】
実施例1によれば、図6に示すように、定着ニップ部Nの形成面における紙搬送方向上流側の曲面が定着ベルト10の表面の歪み低減に効果を発揮し、紙搬送方向下流側の平面が紙分離を確保するのである。
【0080】
定着ベルト10の内周面の曲率半径(ベルト10を真円とした場合の曲率半径)をR0、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成面の被記録材P搬送方向上流側の曲率半径をR1とすると、R0とR1の関係は、R0≦R1となるようにすると良い。
【0081】
図6に示すように、本実施の形態では、摺動板41に対し、搬送方向上流側における外周面の曲率半径R1を定着ベルト10の内周面の曲率半径R0よりも大きくしている。
【0082】
実施例1においては、定着ベルト10として内径をΦ34mm、厚さ50μのNi電鋳を用い、総加圧力18kgf、定着ニップ部N幅を7mm、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状を紙搬送方向上流側の曲面の曲率半径を60mmとしたところ、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状を平面とした比較例1に対し、無端ベルト表面の歪みは、ニップ入口部では5.1%減、ニップ中央部で12.7%減、ニップ出口で3.9%減となった。
【0083】
また、実施例1の紙分離能力については、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成部形状を平面とした比較例1と同等であった。
【0084】
実施例1の構成を紙送り速度94mm/sのカラーレーザープリンターの定着装置100として適用したところ、A4サイズ10万枚の通紙耐久試験においても、定着ベルト10のNi電鋳部分には亀裂の発生はなかった。また、紙が定着ベルト10に巻き付いてしまうことも無かった。一方、従来通り、ベルトガイド部材16の定着ニップ部N形成部形状を平面とした比較例1では、前記同様の通紙耐久試験において、2万枚において、定着ベルト10のNi電鋳部分に亀裂が確認された。
【0085】
このように、本第一の実施の形態によれば、定着ニップ部Nの上流側の接圧の大きな部分で定着ベルト10の機械的応力を低減し、かつ定着ニップ部Nの下流側で定着ベルト10に形成される段部により定着ベルト10から被記録材Pを分離させることで、定着ベルト10の耐久性を向上させ、かつ紙分離性能を確保することができる。
【0086】
(第二の実施の形態)
以下、本発明に係る第の実施の形態について図8を参照にして説明する。前出の図を含め各図に共通する部材には同一の符号を付している。
【0087】
本第二の実施の形態は以下の点で上記した第一の実施の形態と異なるほかは、特に記述のない部分は第一の実施の形態と同様の構成とする。
【0088】
本第二の実施の形態は、ベルトガイド部材16の定着ニップ部Nの形成面を、複数の曲率半径を持つ曲面としたものである。
【0089】
図8は本発明の第二の実施の形態を示し、(a)は定着装置100の縦断面模式図、(b)は図8(a)のZ部の拡大図を示す。
【0090】
図8に示すように、定着ベルト10内周面の曲率半径をR0、被記録材P搬送方向上流側の定着ニップ部Nの形成曲面の曲率半径をR1、被記録材P搬送方向下流側の定着ニップ部Nの形成曲面の曲率半径をR2としたときに、R0、R1、R2の関係を、R0≦R1<R2とすることによって、定着ベルト10の歪みをさらに低減することができる。また、紙の分離をよくするために、R2の値をR1よりも大きくし、平面に近づけると、良好な紙の分離性を確保することができる。なお、摺動部材41に上記した被記録材Pの搬送方向上流および下流側に曲率半径R1とR2の曲面部を形成している。
【0091】
このように、本第二の実施の形態によれば、上記した第一の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらには、定着ベルト10は、定着ニップ部Nでの歪みがより低減され、耐久性をより向上させることができる。
【0092】
なお、上記した各実施の形態は、上記した構成に限ることはなく、例えば以下に示す構成にも適用することができる。
【0093】
第一に、加圧部材としては加圧ローラ30のようなローラ体に限らず、回動ベルト型等の形態の部材にすることも可能となる。
【0094】
第二に、加圧ローラ30等の加圧部材側からも被記録材に熱エネルギーを供給するために、加圧部材側にも電磁誘導加熱等の発熱手段を設けて所定の温度に加熱・温調する装置構成にすることも可能となる。
【0095】
第三に、本発明に係る加熱装置は、上記した定着装置100以外に、画像を担持した被記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置等、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用することが可能となる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ベルト加熱方式の定着装置において、簡易で安価な方法で、被加熱材のベルト部材への巻き付きを防止するとともに、ベルト部材への機械的応力を低減し疲労による破壊を抑制するため、高寿命化・低コスト化・省エネルギー化を図ることができ、かつ良好な加熱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る定着装置要部の縦断面図。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る電子写真カラープリンタの概略構成を示す断面図。
【図3】図1の定着装置の長手方向横断面図。
【図4】図1の定着装置の長手方向左側端部の分解斜視図。
【図5】(a)は比較例1の定着ニップ部を形成する定着装置の概略縦断面図、(b)は図5(a)のX部の拡大図。
【図6】(a)は実施例1の定着ニップ部を形成する定着装置の概略縦断面図、(b)は図6(a)のY部拡大図。
【図7】図1の定着装置の磁場発生手段と励磁回路の関係を説明する模式図。
【図8】本発明の第二の実施の形態を示し、(a)は定着装置の概略縦断面図、(b)は図8(a)のZ部拡大図。
【符号の説明】
10 定着ベルト
16 ベルトガイド部材
17a、17b、17c 磁性コア
18 励磁コイル
18a・18b 給電部
19 励磁コイル保持部材
21a・21b 加圧ブロック
21c・21d 縦溝部
21e・21f 鍔座部
22 加圧ステー
23a・23b フランジ部材
23c・23d フランジ部材のベルト当接部、摺動部
24 定着フレーム
25a・25b 加圧ばね
26 温度センサ
27 励磁回路
28a・28b 軸受
30 加圧ローラ
30a 芯金
30b 弾性層
41 摺動板
50 安全用温度検知素子
70 装置シャシー
70a・70b 装置シャシー側板
70c・70d ガイド穴部
100 定着装置
101 感光体ドラム
102 帯電装置
103 レーザ光
104 4色カラー現像装置
104Y イエロー現像器
104M マゼンタ現像器
104C シアン現像器
104BK 黒現像器
105 中間転写体ドラム
106 転写ローラ
107 帯電装置用クリーナ
108 中間転写体ドラム用クリーナ
109 ミラー
110 レーザ光学箱
G 駆動ギア
N 定着ニップ部
P 被記録材
t トナー
T1 一次転写部
T2 二次転写部

Claims (1)

  1. 無端形状のベルト部材と、前記ベルト部材の内面に接触しており前記ベルト部材の回転を案内するベルト内部部材と、弾性層を有しており前記ベルト部材を介して前記ベルト内部部材と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記定着ニップ部で未定着トナー像を担持する被記録材を挟持搬送しつつ未定着トナー像を被記録材に加熱定着する定着装置において、
    前記ベルト内部部材の前記ベルト部材と接触する面の定着ニップ部形成領域のうち、前記被記録材の搬送方向上流側の領域は、前記ベルト部材の断面形状が真円の場合の曲率半径より大きな曲率半径を有する曲面となっており、前記被記録材の搬送方向下流側の領域は、前記上流側の領域の曲率半径より大きな曲率半径を有する曲面、または平面となっていることを特徴とする定着装置。
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