JP5076984B2 - 電縫管の超音波探傷方法及び超音波探傷装置ならびに製造方法 - Google Patents

電縫管の超音波探傷方法及び超音波探傷装置ならびに製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電縫管の溶接シーム部を超音波探傷する電縫管の超音波探傷方法及び超音波探傷装置ならびに製造方法に関する。
電縫管の製造プロセスは鋼板を管状に曲げ成形していき、酸化物を含んだ溶鋼を押し出して良好な溶接品質を得るために、鋼板の左右両端部を押し付けながら溶接接合するというプロセスが一般的であり、溶接後は溶接接合された箇所を超音波探傷装置により超音波探傷し、さらにシームアニーラによりアニール(焼鈍)処理が施されて製品化される。
このような製造プロセスで製造される電縫管の溶接シーム部を超音波探傷する場合、通常は斜角探傷が用いられ、溶接ビードの切削後や水圧試験後に実施されるが、斜角超音波が所望の位置に入射するように、超音波探触子を位置決めしてから超音波探傷を行う必要がある。また、シームアニーラについても溶接シーム部をピンポイントでアニール処理するために、シームアニーラを位置決めしてからアニール処理を行う必要がある。
しかし、電縫管は製造ライン上で様々な力を受けるため、溶接シーム部が必ずしも超音波探傷装置やシームアニーラの中心線上に位置しているとは限らず、左右にずれることがある。そこで、超音波探触子を溶接シーム部の真上に位置させるために、電縫管の溶接シーム部を挟んで配置された二つの放射式温度計により溶接シーム部の温度を測定し、その測定温度の差からシーム位置を検出するようにした方法が知られている(特許文献1参照)。
また、放射式温度計を用いずにシーム位置を検出する方法として、溶接シーム部のテンパーカラーが入熱の最も加わった部分であることに基づき電縫管周方向の色調変化を色度計により検出して溶接シーム部の位置を検出する方法(特許文献2参照)や、カメラにより撮像された溶接シーム部の輝度変化などから溶接ビードの切削部を特定し、その中心を溶接シーム部と見做す方法(特許文献3〜6参照)が知られている。
特開昭61−107102号公報 特開平6−201596号公報 特開平1−302103号公報 特開平2−96602号公報 特開平4−340403号公報 特開平10−170228号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、超音波探触子を電縫管の周方向に駆動する探触子駆動機構に溶接シーム追従用のサーボ信号を出力して超音波探触子を溶接シーム部の真上に位置決めしているため、放射式温度計と探触子駆動機構とを一体化させる必要がある。そのため、溶接シーム部の温度が100℃を超えるような位置で超音波探傷が行われることになり、探傷精度を高めるために、超音波探触子を溶接シーム部に近づけて超音波探傷しようとすると、溶接シーム部と超音波探触子との間の音響伝達媒質(水)が沸騰してしまい、溶接シーム部を超音波探傷することができなくなる。一方、溶接シーム部を冷却してから超音波探傷を実施しようとすると、特許文献1に開示された方法は溶接シーム部の温度を二つの放射式温度計により計測して溶接シーム追従用のサーボ信号を出力する方式であるため、原理的に適用できなくなってしまうという問題がある。
特許文献2に開示された方法は、溶接ビードの切削状態によって切削面の表面状態が影響されてしまうため、実際には電縫管の製造ライン上でテンパーカラーを安定して検出することは困難である。
特許文献3〜6に開示された方法は、ビード切削帯の中心を溶接シーム部と見做しているが、ビード切削用バイトの当たり方によって溶接シーム部の中心位置が必ずしもビード切削帯の中心とは限らない。ビード切削帯の幅は10mm程度であるから、数mmの誤差が生じる可能性がある。通常行われている超音波探傷では超音波ビームの幅が数mmであるから、これらの方式でも十分であるが、ビームの交差領域が狭いタンデム法や集束ビームを用いて溶接シーム部の微小な欠陥まで探傷する場合には精度が不十分である。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電縫管の溶接シーム部を高精度に超音波探傷することのできる電縫管の超音波探傷方法及び超音波探傷装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、製品品質の安定した電縫管を製造することのできる電縫管の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係る電縫管の超音波探傷方法は、超音波探傷装置の上流側において電縫管の溶接シーム部の温度分布を計測して該温度分布から前記電縫管の溶接シーム位置を検出し、検出された溶接シーム位置から前記超音波探傷装置の超音波探触子の移動量を算出し、算出された移動量を基に前記超音波探触子を電縫管の周方向に動かして溶接シーム部に追従させながら超音波探傷を行う電縫管の超音波探傷方法であって、溶接シーム部に欠陥が存在する電縫管を用いて、該電縫管の溶接シーム位置を前記温度分布から検出すると共に前記欠陥を前記超音波探傷装置により探傷し、その欠陥信号からも溶接シーム位置を検出し、前記温度分布から検出された溶接シーム位置と前記欠陥信号から検出された溶接シーム位置との差により、前記探触子移動量を補正することを特徴とする。
請求項2記載の発明に係る電縫管の超音波探傷方法は、請求項1記載の電縫管の超音波探傷方法において、超音波探傷を行う前に、前記溶接シーム部を冷却することを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る電縫管の超音波探傷装置は、電縫管の溶接シーム部の欠陥を探傷する超音波探傷手段と、該超音波探傷手段の超音波探触子の上流側に配置され、前記溶接シーム部の温度分布を計測するシーム部温度分布計測手段と、該シーム部温度分布計測手段により計測された温度分布から前記電縫管の溶接シーム位置を検出し、検出された溶接シーム位置から前記超音波探触子の移動量を算出する移動量算出手段と、溶接シームに欠陥が存在する電縫管が装入されたときに、前記超音波探傷手段の欠陥信号から溶接シーム位置を検出する超音波探傷シーム位置検出手段と、該超音波探傷シーム位置検出手段により検出されたシーム位置と前記溶接シーム部に欠陥が存在する電縫管のシーム部温度分布を前記シーム部温度分布計測手段で計測したときのシーム位置との差を算出し、その差を用いて前記移動量算出手段で算出した移動量を補正する移動量補正手段と、該移動量補正手段により補正された移動量を基に、前記超音波探触子を電縫管の周方向に動かして溶接シーム部に追従させる追従手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明に係る電縫管の超音波探傷装置は、請求項3記載の電縫管の超音波探傷装置において、前記シーム部温度分布計測手段と前記超音波探傷手段との間に、溶接シーム冷却手段が配置されたことを特徴とする。
請求項5記載の発明に係る電縫管の製造方法は、電縫管を製造する製造工程において、請求項1又は2に記載の電縫管の超音波探傷方法を実施することを特徴とする。
請求項1、3記載の発明によれば、電縫管の溶接シーム部が電縫管製造ラインの中心から左右に多少ずれていても超音波探傷装置の超音波探触子を所定位置に位置決めすることが可能となる。したがって、電縫管の溶接シーム部を高精度に超音波探傷することができる。
請求項2、4記載の発明によれば、超音波探傷装置の超音波探触子と溶接シーム部との間の水を沸騰させることなく超音波探触子を電縫管の溶接シーム部に接近させて超音波探傷できるため、超音波ビームの交差領域が狭いタンデム法や集束ビームでも電縫管をより高精度に超音波探傷することができる。
請求項5記載の発明によれば、製品品質の安定した電縫管を製造することができる。
以下、図1〜図6を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は電縫管の製造ラインを示す図であり、同図に示すように、電縫管1は管状に曲げ成形された鋼帯の左右両端部を溶接接合して形成された溶接シーム部1aを有しており、この溶接シーム部1aは溶接ビード切削機構2により溶接ビードが切削された後、超音波探傷器3により超音波探傷され、さらにシームアニーラ4によりアニール処理されるようになっている。
超音波探傷器3は、図1に示すように、超音波探触子3a,3bを有しており、これらの超音波探触子3a,3bと溶接ビード切削機構2との間には、電縫管1の溶接シーム部1aを真上から撮像するシーム部温度分布計測手段としての赤外線カメラ5が配置されている。また、超音波探傷器3は超音波探触子3a,3bを保持する超音波探触子保持機構3cと、超音波探触子3a,3bから出力された探傷信号を処理して溶接シーム部1aの溶接欠陥を検出する欠陥検出部3dと、超音波探触子保持機構3cを介して超音波探触子3a,3bを電縫管1の周方向に駆動する探触子駆動機構3eとを有しており、この探触子駆動機構3eには、超音波探触子3a,3bを電縫管1の周方向に動かして所定位置(例えば溶接シーム部1aを斜角探傷したときに溶接欠陥からの超音波エコーが同じビーム路程となる探触子位置)に位置決めするための溶接シーム追従信号がシーム位置検出装置6から供給されるようになっている。また、欠陥検出部3dからは、検出結果が操業管理コンピュータ7に出力されるようになっている。
シームアニーラ4は電縫管1の周方向に移動可能となっており、このシームアニーラ4には、シームアニーラ4を電縫管1の周方向に動かして所定位置(例えば溶接シーム部1aの真上にシームアニーラ4が位置決めされる位置)に位置決めするための溶接シーム追従信号がシーム位置検出装置6から供給されるようになっている。
シーム位置検出装置6は赤外線カメラ5により撮像された溶接シーム部1aの赤外線画像、すなわち温度分布から電縫管1の溶接シーム位置を検出し、検出された溶接シーム位置から超音波探触子3a,3bの移動量を算出する移動量算出手段としてのシーム位置及び移動量演算部6aと、超音波探傷器3からの欠陥信号(超音波探触子3a,3bの受信波形、欠陥エコーなど)を基に溶接シーム位置を検出する超音波探傷シーム位置検出手段としての超音波探傷シーム位置検出部6bと、シーム位置及び移動量演算部6aで演算されたシーム位置と超音波探傷シーム位置検出部6bにより検出されたシーム位置との差を算出し、その差を記憶しておき、その差を基にシーム位置及び移動量演算部6aで演算された移動量を補正する移動量補正部6cと、この移動量補正部6cにより補正された移動量に基づいた溶接シーム追従信号を超音波探傷器3とシームアニーラ4に出力する追従信号出力部6dとからなり、シーム位置及び移動量演算部6a、超音波探傷シーム位置検出部6b、移動量補正部6cには、電縫管製造ラインの操業を管理する操業管理コンピュータ7から操業開始信号などの各種信号が供給されるようになっている。
なお、超音波探傷器3と赤外線カメラ5との間には、電縫管1の溶接シーム部1aを100℃以下に冷却する溶接シーム部冷却手段としての冷却帯8が配置されている。
電縫管1の溶接シーム部1aを超音波探傷器3により超音波探傷するには、溶接シーム部1aに超音波探触子3a,3bを追従させる必要がある。赤外線カメラ5により溶接シーム1aの赤外線画像を得、得られた赤外線画像を画像処理して電縫管1の溶接シーム位置を検出し、その検出した溶接シーム位置に基づいて、超音波探触子3a,3bを移動させて、溶接シーム部1aに追従させればよい。しかし、電縫管1の周方向における、赤外線カメラ5の中心軸と超音波探触子3a,3bの検査位置とが、完全に一致していれば問題ないが、鉄鋼製造ラインでは装置取り付けの機械的精度が十分に確保できないとか、経時的な位置ずれなどがあるため、常に一致させることは困難である。
そこで、本発明では、通常操業をする前や操業途中において、溶接部に欠陥が存在する電縫管を用いて、そのシーム位置を超音波探傷器3により検出し、赤外線カメラ5の検出結果と比較して、超音波探触子3a,3bと赤外線カメラ5との相対位置関係、すなわち、位置ずれ量を求めておく。そして、その位置ずれ量を記憶しておき、以降の探傷においては、赤外線カメラ5で検出したシーム位置を、記憶された位置ずれ量によって補正して、その補正された値にしたがって、超音波探触子3a,3bを移動させるのである。
図2はシーム位置検出装置の作用を説明するためのフローチャート、図3は電縫管溶接シーム部の温度分布を示す図、図4は超音波探傷器の探傷結果から電縫管の真の溶接シーム位置を検出する方法の一例を示す図であり、以下、これらの図を参照して本発明に係る電縫管の超音波探傷方法について説明する。
電縫管1の溶接シーム部1aを超音波探傷器3により超音波探傷する場合には、先ず、溶接シーム部に欠陥が存在する電縫管(例えば、試験材)を製造ラインに装入する。ここで、シーム位置検出装置6は操業管理コンピュータ7から操業開始信号が出力されると(ステップS1)、赤外線カメラ5から出力された画像信号を取り込んで溶接シーム部1aの赤外線画像を得、得られた赤外線画像を画像処理して電縫管1の溶接シーム位置(赤外線カメラ5の光軸を基準とした溶接シーム部1aのX座標)Xcをシーム位置及び移動量演算部6aで算出する(ステップS2)。
具体的には、図3に示すように、赤外線カメラ5で得られた赤外線画像から溶接シーム部1aの温度分布(電縫管1の周方向に沿った温度分布)を求め、次いで所定の閾値を横切る二ヶ所を溶接シーム部1aの温度分布から求めた後、閾値を横切る二ヶ所の中点(電縫管1の軸方向と直角な方向のおける溶接シーム部のX座標Xc)を電縫管の溶接シーム位置Xcとしてシーム位置及び移動量演算部6aで算出する。
なお、この場合の閾値は固定値でもよいし、温度分布のピーク値を基準としてある割合で決める値でもよい。また、溶接シーム部1aの温度分布を電縫管の長手方向における複数の位置で求め、それらの値を平均化してもよく、このようにすると、溶接機などからのノイズによる赤外線画像の揺らぎの影響を低減できるので、超音波探触子3a,3bとシームアニーラ4の位置決め精度を高めることができる。
ところで、赤外線カメラ5の取付精度によっては赤外線画像の中心が溶接シーム部1aの中心位置とは限らないため、上述の方法で得られた溶接シーム部のX座標Xcの絶対値は基準が不明確である。そこで、溶接シーム部1aの赤外線画像から電縫管1の溶接シーム位置XcをステップS2で算出したならば、シーム位置検出装置6は超音波探傷器3に探傷指令信号を送出する(ステップS3)。そして、このときの探傷結果を超音波探傷器3から取り込み、溶接シーム部1aの溶接欠陥位置を溶接シーム部1aの中心位置(真の溶接シーム位置)Ycとして超音波探傷シーム位置検出部6bで算出する(ステップS4)。
具体的には、図4に示すように、溶接シーム部1aを挟んで配置された超音波探触子3a,3bにより溶接シーム部1aの両側から斜角探傷を行い、溶接欠陥9からの超音波エコーが同じビーム路程となるように超音波探触子3a,3bを電縫管1の周方向に移動させる。そして、溶接欠陥9からの超音波エコーが同じビーム路程となったときの超音波探触子3a,3bの移動量を予め定めた基準位置から測定し、その測定値を溶接シーム部1aの中心位置Ycとして算出する。
このようにして超音波探傷器3で探傷された溶接欠陥の欠陥エコーから溶接シーム部1aの中心位置Ycを算出したならば、シーム位置検出装置6は中心位置Ycと溶接シーム位置Xcとの差を求めてシーム位置補正量D(=Yc−Xc)を算出して記憶する(ステップS5)。そして、シーム位置補正量Dを算出したならば、シーム位置検出装置6は赤外線カメラ5から出力された画像信号を取り込んで赤外線カメラ5の光軸を基準とした溶接シーム部1aのX座標Xmをシーム位置及び移動量演算部6aで算出し、シーム位置及び移動量演算部6aで算出された溶接シーム部1aのX座標Xmにシーム位置補正量Dを加えたX座標Xr(=Xm+D)を真の溶接シーム位置として移動量補正部6cで算出する(ステップS6,S7)。
なお、シーム位置補正量Dを求めるタイミングは、赤外線カメラや超音波探触子保持機構のメンテナンスを行った直後が適当であり、さらに精度を良好に維持するためには、製造ロット毎の最初や、コイル毎の最初に行うとよい。
このようにして溶接シーム部1aの真の溶接シーム位置Xrを移動量補正部6cで算出したならば、シーム位置検出装置6は真の溶接シーム位置Xrを基に探触子移動量とシームアニーラ移動量を算出し、算出した移動量だけ超音波探触子3a,3bとシームアニーラ4を電縫管1の周方向に移動させるための溶接シーム追従信号を追従信号出力部6dから超音波探傷器3とシームアニーラ4に送出する(ステップS8,S9)。そして、追従信号出力部6dから溶接シーム追従信号を超音波探傷器3とシームアニーラ4に送出したならば、シーム位置検出装置6は操業管理コンピュータ7からの信号を取り込んで電縫管1の製造が終了か否かを判定し(ステップS10)、電縫管1の製造が終了していない場合には,電縫管1の製造が終了するまで前述したステップS6〜S9を繰り返し実行する。
上述のように、電縫管1の溶接シーム部1aを赤外線カメラ5により撮像して赤外線画像を得、得られた赤外線画像から電縫管1の溶接シーム位置Xcを検出し、次いで電縫管1の溶接シーム位置Xcから超音波探傷器3の探触子移動量を算出し、算出した探触子移動量を基に超音波探傷器3の超音波探触子3a,3bを電縫管1の周方向に動かしながら電縫管1の溶接シーム部1aを超音波探傷するに際して、溶接シーム部に欠陥が存在する電縫管を用い、該電縫管の溶接シーム位置Xcを赤外線カメラ5により得られた赤外線画像から検出すると共に欠陥を超音波探傷器3により探傷し、その欠陥信号からも溶接シーム位置Ycを検出し、検出された溶接シーム位置Xcと溶接シーム位置Ycとの差により探触子移動量を補正することで、電縫管1の溶接シーム部1aが電縫管製造ラインの中心から左右に多少ずれていても超音波探傷器3の超音波探触子3a,3bを所定位置に位置決めすることが可能となる。したがって、電縫管1の溶接シーム部1aを高精度に超音波探傷することができ、製品品質が安定した電縫管1を製造することができる。
また、赤外線カメラ5を超音波探傷器3に近づけて両者を一体化しなくても電縫管1の溶接シーム部1aを超音波探傷できるため、超音波探傷器3と赤外線カメラ5との間に冷却帯8を配置することが可能となる。これにより、電縫管1の溶接シーム部1aを冷却帯8により100℃以下に冷却してから電縫管1の溶接シーム部1aを超音波探傷することが可能となり、超音波探傷器3の超音波探触子3a,3bと溶接シーム部1aとの間の水を沸騰させることなく超音波探触子3a,3bを電縫管1の溶接シーム部1aに接近させて超音波探傷できるため、超音波ビームの交差領域が狭いタンデム法や集束ビームでも電縫管1をより高精度に超音波探傷することができる。
因みに、超音波探傷器3の超音波探触子3a,3bとして5MHzで振動子サイズが10mm×10mm、屈折角45°の斜角探触子を用いるとともに、赤外線カメラ5としてマイクロボロメータ方式の二次元赤外線カメラを用い、溶接欠陥からのエコー(1.0skip)が最大となるような位置関係で電縫管(外径300mm、肉厚6mm)1の溶接シーム部1aを超音波探傷し、その探傷結果から溶接シーム位置を検出した結果、図5に示すように、溶接シーム部1aの赤外線画像から検出した溶接シーム位置はXc=4mm、図4に示す方法で超音波探触子3a,3bの位置を電縫管1の溶接シーム部1aに合わせたときの溶接シーム部1aの中心位置(超音波探触子保持機構3cの位置)はYc=−7mmとなった。この場合、溶接シーム位置の補正量DはD=Yc−Xc=−11mmとなり、補正量Dを求めた後に溶接シーム部1aの赤外線画像から検出した溶接シーム位置が例えば4mmであるとすれば、超音波探触子保持機構3cの目標位置は4−11=−7mmとなる。従って、超音波探触子保持機構3cを基準位置から−7mmだけ移動させれば超音波探触子3a,3bが所定位置に位置決めされることになるので、溶接品質の高い電縫管を製造することができる。
上述した本発明の一実施形態では、電縫管1の溶接シーム部1aを撮像する赤外線カメラ5として、マイクロボロメータ方式の二次元赤外線カメラを用いた例を示したが、赤外線カメラ5はリニア型の一次元タイプや二次元タイプでもよい。
また、上述した本発明の一実施形態では、電縫管溶接シーム部の温度分布を計測する手段として赤外線カメラ5を用いたが、走査型放射温度計などの温度分布データを測定可能な計測手段を赤外線カメラの代わりに用いても構わない。この場合は、温度分布データを赤外線カメラの赤外線画像と考えて処理すれば同様の作用効果を得られることは言うまでもない。
また、溶接シーム部1aの中心位置(真の溶接シーム位置)Ycを求める方法として、図4に示す方法、すなわち溶接欠陥からの超音波エコーが同じビーム路程となるように超音波探触子3a,3bを電縫管1の周方向に動かして溶接シーム部1aの中心位置Ycを求めるようにしたが、これに限られるものではない。たとえば、図6に示す方法、すなわち電縫管1の溶接シーム部1aに対してタンデム探傷を行い、溶接欠陥9からの超音波エコーが最も強くなるように超音波探触子3a,3bを電縫管1の周方向に動かして溶接シーム部1aの中心位置Ycを求めるようにしてもよい。
なお、図4または図6に示した方法で溶接シーム部1aの溶接欠陥9を検出する場合、溶接電流を弱めたりセットアップ量を少なくしたりして溶接シーム部1aに溶接欠陥を発生させると、より容易に溶接シーム部の位置を検出できるが、超音波探傷装置の感度を高くして溶接シーム部に残留している微小な酸化物からの超音波エコーを検出するようにしてもよい。また、溶接シーム部1aの超音波探傷は図4及び図6に示すようなシングルプローブによるものだけでなく、アレイプローブによる探傷でもよく、アレイプローブを用いて超音波を集束したりタンデム探傷したりすると、より真の溶接シーム位置を検出しやすくなる。
電縫管の製造ラインを示す図である。 電縫管の溶接シーム位置を検出するシーム位置検出装置の作用を説明するためのフローチャートである。 電縫管溶接シーム部の温度分布を示す図である。 超音波探傷器の探傷結果から電縫管溶接シーム部の中心位置を検出する方法の一例を示す図である。 本発明に係る電縫管の超音波探傷方法を説明するための図である。 電縫管溶接シーム部の超音波探傷結果から電縫管溶接シーム部の中心位置を検出する方法の他の一例を示す図である。
符号の説明
1 電縫管
1a 溶接シーム部
2 溶接ビード切削機構
3 超音波探傷器
3a,3b 超音波探触子
3c 超音波探触子保持機構
3d 欠陥検出部
3e 探触子駆動機構
4 シームアニーラ
5 赤外線カメラ
6 シーム位置検出装置
6a シーム位置及び移動量演算部
6b 超音波探傷シーム位置検出部
6c 移動量補正部
6d 追従信号出力部
7 操業管理コンピュータ
8 冷却帯
9 溶接欠陥

Claims (5)

  1. 超音波探傷装置の上流側において電縫管の溶接シーム部の温度分布を計測して該温度分布から前記電縫管の溶接シーム位置を検出し、検出された溶接シーム位置から前記超音波探傷装置の超音波探触子の移動量を算出し、算出された移動量を基に前記超音波探触子を電縫管の周方向に動かして溶接シーム部に追従させながら超音波探傷を行う電縫管の超音波探傷方法であって、
    溶接シーム部に欠陥が存在する電縫管を用いて、該電縫管の溶接シーム位置を前記温度分布から検出すると共に前記欠陥を前記超音波探傷装置により探傷し、その欠陥信号からも溶接シーム位置を検出し、前記温度分布から検出された溶接シーム位置と前記欠陥信号から検出された溶接シーム位置との差により、前記探触子移動量を補正することを特徴とする電縫管の超音波探傷方法。
  2. 超音波探傷を行う前に、前記溶接シーム部を冷却することを特徴とする請求項1記載の電縫管の超音波探傷方法。
  3. 電縫管の溶接シーム部の欠陥を探傷する超音波探傷手段と、
    該超音波探傷手段の超音波探触子の上流側に配置され、前記溶接シーム部の温度分布を計測するシーム部温度分布計測手段と、
    該シーム部温度分布計測手段により計測された温度分布から前記電縫管の溶接シーム位置を検出し、検出された溶接シーム位置から前記超音波探触子の移動量を算出する移動量算出手段と、
    溶接シームに欠陥が存在する電縫管が装入されたときに、前記超音波探傷手段の欠陥信号から溶接シーム位置を検出する超音波探傷シーム位置検出手段と、
    該超音波探傷シーム位置検出手段により検出されたシーム位置と前記溶接シーム部に欠陥が存在する電縫管のシーム部温度分布を前記シーム部温度分布計測手段で計測したときのシーム位置との差を算出し、その差を用いて前記移動量算出手段で算出した移動量を補正する移動量補正手段と、
    該移動量補正手段により補正された移動量を基に、前記超音波探触子を電縫管の周方向に動かして溶接シーム部に追従させる追従手段と、
    を備えたことを特徴とする電縫管の超音波探傷装置。
  4. 前記シーム部温度分布計測手段と前記超音波探傷手段との間に、溶接シーム冷却手段が配置されたことを特徴とする請求項3記載の電縫管の超音波探傷装置。
  5. 電縫管を製造する製造工程において、請求項1又は2に記載の電縫管の超音波探傷方法を実施することを特徴とする電縫管の製造方法。
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