JP5579910B1 - 減温管 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し温度変化を伴う環境下において、強度信頼性および耐久性の向上が可能な減温管を提供する。
【解決手段】配管内部を流通する高温蒸気に冷却水を噴霧することによって減温する減温管10において、板状の第一金属材21と板状の第二金属材22の異なる二つの金属材を接合して成る2層の複合材23を管状に曲げて形成した。第一金属材21は、第二金属材22の内側に配置され、第一金属材21の線膨張係数が、第二金属材22の線膨張係数より小さく設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、火力発電プラントやプロセス蒸気を供給する一般産業用プラントにおいて、内部流体の温度を急激に減温する装置に適用される減温管に関する。
火力発電プラントやプロセス蒸気を供給する一般産業用プラントにおいて、減温管は、用途に応じて配管内を流れる蒸気や熱水等を減温する系統に設置される。配管内を流れる蒸気や熱水等を減温する方法としては、冷却水を混合することにより熱水を減温する方法の他に、減温管に挿入されたスプレノズルから冷却水を噴霧して水の気化熱により蒸気を減温する方法が一般的である。特に、後者における冷却水を噴霧する減温方式では、減温幅が大きく、減温管に急激な温度変化を伴うため、熱衝撃、熱疲労が生じやすく、比較的短期間で配管設備に損傷を与え、ひいては亀裂に至る事象が確認されている。
そこで、母管を保護する目的で、母管より一回り口径が小さい配管(内筒管)を内側に設置し、すみ肉溶接を伴う部品により内筒管を母管内部に固定した減温管が知られている(特許文献1参照)。このような減温管は、母管(外筒管)内に内筒管が挿入されることで、内筒管が熱衝撃、熱疲労による損傷を許容し、母管(外筒管)に発生する熱衝撃、熱疲労を緩和させ、母管を保護する構造となっている。
特開2007−24456号公報
ところで、近年増加しつつあるコンバインドサイクル発電形式では、優れた負荷変化特性を有することから、DSS(Daily Shutdown and Start-up)運転、WSS(Weekend Shutdown and Start-up)運転など電力需要に応じた運用で使用するケースが多くなっている。DSS運転とは、特に電力需要が減少する深夜にプラントを停止し、朝方の電力需要増加を見越してプラントを起動する運転である。WSS運転とは、特に電力需要が減少する週末にプラントを停止し、週明けの電力需要増加を見越してプラントを起動する運転である。
このため、プラントの起動および停止に伴い、繰り返し生じる急激な温度変化に配管設備が追従できず、特許文献1に記載のように内筒管をすみ肉溶接により母管に溶接する方式では、数年の間で内筒管を固定する部品のすみ肉溶接を起点とした損傷、亀裂が生じる虞があった。
本発明は、前記した従来の問題を解決するものであり、繰り返し温度変化を伴う環境下において、強度信頼性および耐久性の向上が可能な減温管を提供することを目的とする。
本発明は、配管内部を流通する高温蒸気に冷却水を噴霧することによって減温する減温管において、第一金属材と第二金属材の異なる二つの金属材の対向する全面を拡散接合して成る2層構造の管部を有し、前記第一金属材が前記第二金属材の内面側に位置し、前記第一金属材の線膨張係数は、前記第二金属材の線膨張係数より小さいことを特徴とする。
本発明によれば、繰り返し温度変化を伴う環境下において、強度信頼性および耐久性の向上が可能な減温管を提供できる。
本発明の実施形態に係る減温管が適用される発電設備の配管概略系統を示す構成図である。 実施形態に係る減温管を軸方向に沿って切断したときの断面図である。 (a)実施形態に係る減温管を管状にする前の状態、(b)は実施形態に係る減温管を管状にした状態を示す概略図である。 比較例としての減温管の構造を示す断面図である。 (a)は図4のA−A線矢視断面図、(b)は図4のB−B線矢視断面図、(c)は図4のC−C線矢視断面図である。 (a)は図4のD部拡大断面図、(b)は図4のE部拡大断面図、(c)は図4のF部拡大断面図、(d)は図4のG部拡大断面図、(e)は図4のH部拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る減温管について詳細に説明する。なお、図1では、本実施形態に係る減温管が火力発電設備(火力発電プラント)に適用される場合を例に挙げて説明するが、火力発電設備に限定されるものではなく、水蒸気でタービンを回して電力に変換するものであれば、様々な汽水発電設備に適用することができる。また、以下において、高温蒸気(蒸気)の流れ方向上流側を単に上流側、蒸気の流れ方向下流側を単に下流側と略記して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る減温管が適用される発電設備の配管概略系統を示す構成図である。
図1に示すように、火力発電設備1は、石炭などの化石燃料を燃やして高圧給水加熱器5aから給水管11aおよび給水ポンプ(不図示)を介して供給される給水を加熱し、蒸気を生成するボイラ2、このボイラ2で生成した蒸気によって駆動されるタービン(高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンなど)3、低圧タービンを駆動した排気蒸気を冷却水によって冷却する復水器4、この復水器4で冷却した復水を加熱する低圧給水加熱器5b、復水を復水管11bを通って高圧給水加熱器5aに供給する復水ポンプP、タービン3から取り出した動力で発電する発電機Gなどを含んで構成されている。
また、火力発電設備1は、ボイラ2とタービン3とを接続する主蒸気管6、この主蒸気管6に設けられる主蒸気止弁7、タービン3および主蒸気止弁7を迂回して復水器4と接続されるタービンバイパス配管8、タービンバイパス配管8に設けられる高圧タービンバイパス弁9を備えている。また、ボイラ2は、供給された給水を加熱して主蒸気を生成する。主蒸気は、主蒸気管6を介して高圧タービンに供給される。高圧タービンを駆動して排気される排気蒸気は、配管11cを介してボイラ2の内部に設けられた再熱器2aに供給される。再熱器2aによって再加熱された高温再熱蒸気は、配管11dを介して中圧タービンに供給される。中圧タービンを駆動した排気蒸気は、低圧タービンに供給される。
図1に示すタービンバイパス系統は、プラントの起動時において、主蒸気止弁7を閉じ、高圧タービンバイパス弁9を開いた状態において、ボイラ2から送られた蒸気を、タービンバイパス配管8に通流させることでタービン3を迂回させ、復水器4に送気する系統である。蒸気をタービンバイパス配管8を介して復水器4に送気するには、蒸気の温度を所定温度まで下げる必要がある。そこで、タービンバイパス系統に減温管10を設置することで、減温管10から霧状の冷却水を噴霧し、水の気化熱により蒸気を減温する方式が一般的に行われている。
実施形態に係る減温管10は、事業用または産業用の発電設備に、ボイラ2から発生する蒸気が流れるタービンバイパス配管8に設置され(図1参照)、蒸気に水を噴霧することで蒸気を冷却して蒸気の温度を制御(冷却)する機能を有している。
図2は、実施形態に係る減温管を軸方向に沿って切断したときの断面図である。
図2に示すように、減温管10は、高温蒸気が通流する管部20と、高温蒸気に冷却水を噴霧するためのスプレノズル30とを含んで構成されている。
管部20は、第一金属材21と第二金属材22の異なる二つの金属材を接合して成る2層構造の複合材23(板材)を管状に曲げることで構成されている。
また、管部20は、上流側の端部10aが高圧タービンバイパス弁9から延びる配管8a(8)と接続され、下流側の端部10bが復水器4から延びる配管8b(8)と接続されている。また、管部20の端部10aは、配管8aと周溶接によって接続され、同様に、管部20の端部10bは、配管8bと周溶接によって接続されている。
第一金属材21は、管部20の内面側に位置し、蒸気が直接に接触する部分である。また、第一金属材21は、高温蒸気に冷却水が噴霧されることで、急激な温度変化(例えば、550℃→300℃)による熱衝撃、熱疲労から保護する機能を有する材料により構成されている。
第一金属材21に適用される材料としては、例えば、マルテンサイト系ステンレス鋼を選択することができる。なお、第一金属材21の材料は、急激な温度変化による熱衝撃、熱疲労から保護する機能を有するものであれば、マルテンサイト系ステンレス鋼に限定されるものではない。
第二金属材22は、管部20の外面側に位置し、第一金属材21とは異なる金属材により構成されている。また、第二金属材22は、高温蒸気が流れる配管の一部をなす耐圧部として機能する材料により構成されている。
第二金属材22に適用される材料としては、例えば、炭素鋼やクロムモリブデン鋼などの合金鋼を選択することができる。なお、第二金属材22の材料は、耐圧部として機能を有するものであれば、炭素鋼やクロムモリブデン鋼に限定されるものではない。
スプレノズル30は、公知の方法により構成することができ、管部20の軸方向(高温蒸気の流れ方向)の途中に設けられ、管部20に対して径方向から挿入されるように取り付けられている。
すなわち、管部20には、複合材23(第一金属材21および第二金属材22)を貫通する貫通孔20aが形成されている。そして、貫通孔20aには、スプレノズル30が取り付けられる取付管40が溶接などによって取り付けられている。
また、スプレノズル30を取付管40に取り付けることにより、スプレノズル30の先端(冷却水が吐出される部分)が、管部20の径方向の略中心に位置決めされるとともに、冷却水の吐出口が下流側に向けられる。
前記した減温管10では、スプレノズル30から冷却水を噴霧(霧状に吐出)することにより、水の気化熱により蒸気を効果的に減温できる。なお、本実施形態では、公知のスプレノズル30により冷却水を噴霧する構成を例に挙げて説明したが、冷却水を噴霧できる構成であれば、本実施形態に限定されるものではない。例えば、単一のスプレノズル30を設ける構成に限定されず、複数のスプレノズル30を周方向に間隔を空けて配置して、複数個所から冷却水を噴霧する構成であってもよい。
図3は、(a)実施形態に係る減温管を管状にする前の状態、(b)は実施形態に係る減温管を管状にした状態を示す図である。
図3(a)に示すように、減温管10の管部20(図2参照)を管状に加工する前においては、第一金属材21と、この第一金属材21とは異なる種類の第二金属材22と、が互いに面同士が接合された2層構造の複合材23となっている。なお、ここでの接合とは、母材を溶融させることなく、加熱加圧して互いの材料間で原子を相互拡散させて接合する方法によるものである(拡散接合)。
また、複合材23は、第一金属材21と第二金属材22とを、機械的な応力による圧着またはロールプレスによる圧延といった方法により接合することで第一金属材21と第二金属材22との接合面が剥離することがないように構成されている。
第一金属材21の線膨張係数は、第二金属材22の線膨張係数よりも小さく設定することが好ましい。第一金属材21の線膨張係数としては、例えば、9.43×10−6〜12.00×10−6(20〜560℃)のものが使用される。第二金属材22の線膨張係数としては、例えば、10.92×10−6〜14.46×10−6(20〜560℃)のものが使用される(日本工業規格JIS B8265(2012年度)「圧力容器の構造-一般事項」付属書C 表D.2)。
図3(b)に示すように、複合材23は、第一金属材21が内面側、第二金属材22が外面側に位置するように、プレス加工により管状に曲げることで管形状とされている。そして、管状に形成した複合材23の周方向において互いに付き合わせた端面同士を仮固定した状態において、長手溶接によって長手溶接部24を形成する。なお、長手溶接部24は、サブマージ溶接など各種の溶接方法(FSWを含む)を適用できる。
また、長手溶接部24は、例えば、複合材23の内面側が、第一金属材21に使用される材料に相当する溶接金属(マルテンサイト系ステンレス鋼など)で溶接されることで、第一金属材21と同様な機能が確保される。また、長手溶接部24は、複合材23の外面側が、第二金属材22に使用される材料に相当する溶接金属(炭素鋼やクロムモリブデン鋼など)で溶接されることで、耐圧部として必要な配管強度が確保される。
そして、第二金属材22にクロムモリブデン鋼などの合金鋼を使用した場合、長手溶接部24を形成した後、管状に形成した複合材23に対して熱処理を行うことが好ましい。熱処理により、管部20の強度を向上させることができる。よって、第一金属材21および第二金属材22としては、長手溶接後の熱処理が可能な材料を選択することが好ましい。特に、第一金属材21としてマルテンサイト系ステンレス鋼を適用した場合には、熱処理可能なものを選択することが好ましい。第二金属材22に炭素鋼を使用した場合、管部20及び長手溶接部24の強度が十分確保されれば,必ずしも熱処理を行わなくてよい。
ところで、比較例として示す従来の減温管100は、図4ないし図6に示すものが知られている。図4は、減温管の構造を示す断面図、図5の(a)は図4のA−A線矢視断面図、(b)は図4のB−B線矢視断面図、(c)は図4のC−C線矢視断面図、図6の(a)は図4のD部拡大断面図、(b)は図4のE部拡大断面図、(c)は図4のF部拡大断面図、(d)は図4のG部拡大断面図、(e)は図4のH部拡大断面図である。なお、本実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図4に示すように、減温管100は、高温蒸気が流れる配管の一部をなす耐圧部となる外筒管101、スプレノズル30から噴霧される冷却水による急激な温度変化からの熱衝撃、熱疲労から保護する内筒管102、この内筒管102を外筒管101に対して位置を固定するための各種固定部品、を含んで構成されている。各種固定部品は、固定リング104、ガイド105、振止ピン106、補強板107、ストッパ108などである。
図5(a)に示すように、固定リング104は、内筒管102を外筒管101の中心に固定するものである。図5(b)に示すように、ガイド105は、内筒管102の自重を支えるものであり、内筒管102の外面側の下部に設けられている。振れ止めピン106は、蒸気の流入により生じる内筒管102の振動を抑制するものであり、外筒管101の周方向の複数個所において外筒管101を貫通して、内筒管102の外周面に向けて突設されている。補強板107(図4参照)は、スプレノズル30(図4参照)を挿入するために孔開け加工された孔周辺の強度を補強するものであり、孔の周縁部の複数個所に設けられている(図4参照)。図5(c)に示すように、ストッパ108は、スプレノズル30(図4参照)から噴霧される冷却水による急激な温度変化からの熱衝撃、熱疲労によって内筒管102が損傷して周方向に亀裂が生じて破断に至った場合に下流側に破断した内筒管102の一部が流れないようにするものであり、外筒管101の内面の複数個所に設けられている。
図6(a)に示すように、固定リング104は、すみ肉溶接部FW1によって内筒管102の外周面と接合されている。内筒管102は、すみ肉溶接部FW2によって固定リング104の内周面と接合されている。そして、固定リング104が接合された内筒管102が外筒管101に挿入された状態において、固定リング104が、すみ肉溶接部FW3によって外筒管101の内周面と接合されている。図6(b)に示すように、補強板107は、すみ肉溶接部FW4によって内筒管102の外周面と接合されている。図6(c)に示すように、振れ止めピン106は、すみ肉溶接部FW5によって外筒管101の外周面と接合されている。図6(d)に示すように、ガイド105は、すみ肉溶接部FW6によって内筒管102の外周面と接合されている。図6(e)に示すように、ストッパ108は、すみ肉溶接部FW7によって外筒管101の内周面と接合されている。
このような減温管100においては、減温管100の内部に高温蒸気が流入すると、減温管100が熱膨張により径方向および軸方向に熱伸びが発生し、各すみ肉溶接部FW1,FW2,FW3,FW4,FW5,FW6,FW7にはひずみが集中する。外筒管101と固定リング104との間には、わずかながら間隙が形成されており、径方向に熱膨張する際には、外筒管101と固定リング104とが面接触し、その影響で外筒管101と固定リング104とを接合しているすみ肉溶接部FW3(図6(a)参照)にひずみが集中し、過度な応力が付加され、減温管100の寿命が短くなる要因となる。
一方、減温管100が軸方向に熱膨張すると、内筒管102の下流側はすみ肉溶接部による固定点が存在しないため、熱膨張は拘束されないが、仮に別の要因により減温管100の下流側で外筒管101と内筒管102とが引っ掛かり、軸方向への熱膨張が拘束されると、固定リング104と内筒管102とを接合しているすみ肉溶接部FW1,FW2にひずみが集中し、減温管100の寿命が短くなる要因となる。
また、プラントの起動および停止を繰り返し行うコンバインドサイクル方式の発電プラントでは、他の方式の発電プラントと比較して、前記した現象が繰り返し発生するため、熱疲労による亀裂が生じやすい環境となっている。
これに対して、本実施形態に係る減温管10では、熱膨張による応力、ひずみが複合材23の第一金属材21と第二金属材22との接合面の面全体において作用するので、応力やひずみの集中を抑制することが可能になる。第一金属材21と第二金属材22との接合面は、接合面積が大きいほど接合面に生じる応力やひずみは低減されるので、減温管10に損傷が発生する可能性を低減でき、減温管10の長寿命化が可能になる。
また、比較例としての減温管100では、内筒管102を外筒管101に固定する部品である、固定リング104、ガイド105、振れ止めピン106、補強板107、ストッパ108の製作期間が必要となる。また、減温管100の組立てにおいては、固定リング104を内筒管102の外面にすみ肉溶接部FW1,FW2(図6(a)参照)によって固定し、その後、外筒管101の内部に内筒管102を挿入するため、固定リング104の外面と外筒管101の内面との間にわずかながら間隙を設ける必要がある。このため、外筒管101の内面および固定リング104の外径の製作公差が厳しくなり、製作工数が多くなる。
これに対して、本実施形態では、第一金属材21と第二金属材22とを接合(圧着、圧延)して成る複合材23によって減温管10を構成するため、各種固定部品(固定リング104、ガイド105、振止ピン106、補強板107、ストッパ108)が不要になり、固定部品の製作期間を削減することができるとともに、減温管10の組立て期間の短縮を図ることができる。さらに、本実施形態では、すみ肉溶接部FW1〜FW7(図6(a)〜図6(e)参照)が不要になることから、すみ肉溶接作業を削減でき、製造コストの低減を図ることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態に係る減温管10によれば、第一金属材21と第二金属材22の異なる二つの金属材を接合して成る2層構造の管部としたことにより、繰り返しの温度変化による応力、ひずみを、接合(圧着、圧延)された第一金属材21と第二金属材22との接合面の面全体で受け止めることができるので、局所的な応力の集中を低減することができ、熱衝撃、熱疲労に起因する亀裂を抑制することが可能になる。その結果、繰り返し温度変化を伴う環境下における減温管10の強度信頼性および耐久性の向上が可能となる。また、減温管10の強度信頼性および耐久性の向上により、保全コストを低減することが可能となる。
また、本実施形態では、第一金属材21と第二金属材22とを接合して成る板材を管状に曲げて管部20が構成されている。このように、板材を管状に曲げ加工して構成することにより、管形状のものを直接に形成する場合よりも管部20を容易に構成することができる。
また、本実施形態では、第一金属材21が第二金属材22の内面側に位置する複合材23において、第一金属材21の線膨張係数が第二金属材22の線膨張係数より小さく設定されている。高温蒸気による熱の影響を受け易い第一金属材21の線膨張係数を小さくすることにより、第一金属材21の熱伸びを抑制することができるので、第一金属材21と第二金属材22との接合面に生じる応力やひずみを抑制することができる。
また、本実施形態では、複合材23を管状に曲げて形成する際、複合材23の端面同士の溶接に用いる溶接金属が、第一金属材21に対して同等以上の熱衝撃および熱疲労に対する耐久性を有する材料である。これにより、溶接金属を内面側の第一金属材21を基準にすることにより、熱衝撃および熱疲労に対する耐久性を確保することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更することができる。例えば、前記した実施形態では、第一金属材21が第二金属材22の内面側に位置する複合材23において、第一金属材21の線膨張係数が第二金属材22の線膨張係数よりも小さい場合を例に挙げて説明したが、第一金属材21と第二金属材22との線膨張係数の差が小さく、第一金属材21と第二金属材22との接合面に生じる応力、ひずみを低減できるものであれば、第二金属材22の線膨張係数が第一線膨張係数よりも小さいものであってもよい。
10 減温管
20 管部
21 第一金属材
22 第二金属材
23 複合材(板材)
24 長手溶接部
30 スプレノズル

Claims (3)

  1. 配管内部を流通する高温蒸気に冷却水を噴霧することによって減温する減温管において、
    第一金属材と第二金属材の異なる二つの金属材の対向する全面を拡散接合して成る2層構造の管部を有し、
    前記第一金属材が前記第二金属材の内面側に位置し、
    前記第一金属材の線膨張係数は、前記第二金属材の線膨張係数より小さいことを特徴とする減温管。
  2. 前記管部は、前記第一金属材と前記第二金属材とを接合して成る板材を管状に曲げてなることを特徴とする請求項1に記載の減温管。
  3. 前記板材を管状に曲げて形成する際、前記板材の端面同士の溶接に用いる溶接金属は、前記第一金属材に対して同等以上の熱衝撃および熱疲労に対する耐久性を有することを特徴とする請求項2に記載の減温管。
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