JP2009127515A - 高温蒸気タービン - Google Patents

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Abstract

【課題】部位毎の温度によりオーステナイト系耐熱材料とフェライト系耐熱鋼とを使い分け、オーステナイト系耐熱材料の使用量を少なくしながら、両材料の接合部の温度を低くして接合部の信頼性を向上させた蒸気温度700℃級の高温蒸気タービンを提供する。
【解決手段】タービンケーシング3を内部ケーシング5および外部ケーシング6で構成し、蒸気入口部7を、内部ケーシング5に設けられて高温蒸気Aをノズルケーシングに導く内筒13と、当該内筒13をほぼ同心状の間隙12を隔てて囲繞するように外部ケーシング6に設けられた外筒11から構成したタービンで、内筒13はオーステナイト系耐熱材料で形成し、外筒11は高温蒸気の流通方向上流側の上流側部分11aをオーステナイト系耐熱材料、下流側の下流側部分11bをフェライト系耐熱鋼で形成し、該外筒11の上流側部分11aの下流側端と下流側部分11bの上流側端とを接合部15を設けて接合し、接合部15を間隙12に導入した冷却蒸気Bにより冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば作動蒸気温度が700℃級である高温蒸気タービンに関する。
一般に高温蒸気タービンでは、そのケーシングを設計する時に、ケーシング各部位の運転中の使用最高温度に応じて適切なメタル材料の選択が行われ、そのメタル材料のメタル温度以下となるように設計、製作され使用される。そして、作動蒸気温度が600℃程度、またはそれ以下である高温蒸気タービンのケーシングにおいては、製造性や経済性に優れた低合金鋼あるいは12%Cr鋼などのフェライト系耐熱鋼(ケーシングの場合には主として鋳鋼)が使用されてきた。なお、フェライト系耐熱鋼を使用した高温蒸気タービンが数十年間にわたって使用されてきた状況から見ると、フェライト系耐熱鋼の使用限界温度は、クリープ強度及び耐蒸気酸化の制約から600℃を若干超える程度であると言える。
一方、高温蒸気タービンを備えた火力発電設備等の高温蒸気タービンプラントでは、地球環境保護の観点からのCOガス、SOガス、NOガス等の発生量の抑制、また温暖化防止のため、発電事業における更なる高効率化のニーズが高まっている状況にある。そして発電事業では、火力発電設備におけるプラント熱効率の一層の向上を図る必要があり、使用する蒸気温度をより高温にするのが最も有効な手段の一つである。このため、作動蒸気温度が700℃級の高温蒸気タービンの開発が進められている。
この作動蒸気温度が700℃級の高温蒸気タービンに対しては、従来用いられていたフェライト系耐熱鋼よりも、より高温強度、耐酸化性に優れたオーステナイト系耐熱材料(オーステナイト系ステンレス鋼あるいはニッケル基超合金)を使用することが必要不可欠である。しかし、オーステナイト系耐熱材料がフェライト系耐熱鋼よりも一般に高価なものであるため、タービンの信頼性を維持しつつもオーステナイト系耐熱材料の使用量をより少なくてすむようにすることが考えられている。
そして、オーステナイト系耐熱材料の使用量を少なくするようにしたものとしては、蒸気タービンを構成する高圧、中圧の各タービンの高圧側と低圧側のタービン部を分離すると共に、高圧タービンと中圧タービンの各高圧側タービン部を一体化し、高圧タービンと中圧タービンの各低圧側タービン部を一体化して使用部分を少なくしたもの(例えば、特許文献1参照)や、蒸気タービンのタービンケーシングをタービン軸方向に分割された複数の分割ケーシングとし、650℃以上の温度に晒される分割ケーシングをオーステナイト系鉄鋼材料としたもの(例えば、特許文献2参照)がある。
さらに、加熱器から蒸気が供給される高圧タービンと、超高温加熱器からより高温の蒸気が供給される別置き高圧タービンと、高圧タービン及び別置き高圧タービンからの蒸気を受けた再熱器からの蒸気が供給される中圧タービンを有し、別置き高圧タービンの系だけにオーステナイト鋼を使用したもの(例えば、特許文献3参照)や、高圧タービン部と中圧タービン部を一体化構造として1つのケーシングに収容し、高圧タービン部と中圧タービン部等に跨って設けた中間グランド部分で高圧タービン初段落の出口蒸気と冷却蒸気とを混合して中圧タービン初段落に供給するようにしたもの(例えば、特許文献4参照)がある。
しかし、蒸気温度が700℃であってもタービンケーシング全体のメタル温度分布から見ると、従来、主に使用してきたフェライト系耐熱鋼が使用可能である600℃以下のメタル温度となる部分が、タービンケーシングの大部分であることから、蒸気入口部の限られた部分だけを700℃級の蒸気温度に対応できるオーステナイト系耐熱材料とし、他の部分をフェライト系耐熱鋼と使い分けすることが原理的に可能である。
ところが、タービンケーシングでオーステナイト系耐熱材料とフェライト系耐熱鋼とを溶接等によって接合し、使い分けを行った場合、タービンケーシングにおいては、高温でかつ高圧の蒸気を閉じ込める必要から、その接合部分で蒸気漏れが生じないようにしなければならない。
一般にオーステナイト系耐熱材料は、フェライト系耐熱鋼よりも線膨張係数が高いため、異種材料による溶接などの接合状態が過度な高温に晒されると線膨張の違いから熱応力が過大になり、起動停止などにおける温度変動に起因した熱歪の繰り返しで生じる低サイクル疲労損傷と、長時間の運転の繰り返しによるクリープ損傷がそれぞれ累積し、亀裂の発生やその進展が懸念される。また、結晶構造が異なる材料の溶接等による接合部は、それを用いる部分が熱影響部などの材料強度上の弱点部分とならないよう一層の注意が必要となってくる。
特開平7−247806号公報 特開2000−282808号公報 特許第3095745号公報 特開平2006−46088号公報
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは、作動蒸気温度が700℃級の高温蒸気タービンを形成するに際し、700℃級の蒸気温度に対応する部分をオーステナイト系耐熱材料、その他の600℃以下のメタル温度となる部分をフェライト系耐熱鋼となるよう使い分け、溶接等により両材料を接合して用いる時に、使用時の接合部の温度を可能な限り低くなるようにして、接合部の信頼性を向上させると共に、オーステナイト系耐熱材料の使用量を少ないものとした高温蒸気タービンを提供することにある。
本発明の高温蒸気タービンは、
タービンケーシングを内部ケーシングおよび外部ケーシングで構成し、蒸気入口部を、前記内部ケーシングに設けられて高温蒸気をノズルケーシングに導く内筒と、当該内筒をほぼ同心状の間隙を隔てて囲繞するように前記外部ケーシングに設けられた外筒から構成した高温蒸気タービンにおいて、前記内筒は、オーステナイト系耐熱材料で形成され、前記外筒は、高温蒸気の流通方向上流側の部分がオーステナイト系耐熱材料、下流側の部分がフェライト系耐熱鋼でそれぞれ形成され、該外筒の上流側部分の下流側端と下流側部分の上流側端とは接合部を設けて接合されており、前記接合部は、前記間隙に導入された冷却蒸気により冷却されることを特徴とするものである。
さらに、前記接合部は、冷却蒸気による冷却によってフェライト系耐熱鋼を用いることができるメタル温度以下の位置に設けられていることを特徴とするものである。
さらに、前記接合部に相対する前記内筒の外面部分に、セラミックス製の遮熱部材が設けられていることを特徴とするものである。
さらに、前記接合部近傍の前記外筒の内面部分に、伝熱促進用の凹凸部が設けられていることを特徴とするものである。
さらに、前記接合部を冷却する冷却蒸気は、前記間隙内に設けた冷却蒸気ガイドを流れるように導入され、該冷却蒸気ガイドの噴射口から前記接合部に向けて噴射された後、該間隙外に排出されるものであることを特徴とするものである。
さらに、前記接合部を冷却する冷却蒸気が、高温蒸気を前記内筒の前記接合部より高温蒸気の流通方向上流位置に形成された導入孔を介して前記間隙に導入し、該間隙内のシールリング部材を設けた部分を漏れ蒸気として流下させることにより得たものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、作動蒸気温度が700℃級の高温蒸気タービンを形成するに際し、700℃級の蒸気温度に対応する部分をオーステナイト系耐熱材料、その他の600℃以下のメタル温度となる部分をフェライト系耐熱鋼となるよう使い分けることができ、オーステナイト系耐熱材料の使用量を少ないものとすることができると共に、オーステナイト系耐熱材料とフェライト系耐熱鋼とを溶接等により接合して用いても、使用時の接合部の温度を可能な限り低くすることができ、異種材料を接合した接合部の信頼性を向上したものにすることができる等の効果を奏する。
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
先ず第1の実施形態を図1及び図2により説明する。図1は高温蒸気タービンの上半部分を示す概略縦断面図であり、図2は蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。
図1及び図2において、高温蒸気タービン1は、タービンロータ2を内部に収容するタービンケーシング3を備えて形成されており、タービンケーシング3は、タービンノズル4を備える内部ケーシング5と外部ケーシング6を有する二重構成となっている。そして、タービンケーシング3には、700℃級の高温蒸気Aを内部に導入するための蒸気入口部7と、膨張仕事をした後の蒸気等を排出回収するための蒸気出口部8が設けられている。また、タービンロータ2は、ロータシャフト9に動翼10が軸方向に配列するよう植設されており、タービンノズル4が設けられた内部ケーシング5との間に形成された蒸気流路内を流通する高温蒸気Aが、動翼10とこれと対応するタービンノズル4とから成る段落を流下する間に膨張仕事を行うようになっている。
蒸気入口部7は、外部ケーシング6に形成された内側断面が円形の外筒11と、この外筒11との間に所定寸法の間隙12が形成されるようにして内部ケーシング5に設けられた円筒状の内筒13とを備えており、高温、高圧の高温蒸気Aを導入することから二重管構造をとるように構成されている。そして内筒13は、蒸気温度が700℃級の高温蒸気Aが内側を流通し、直接高温の蒸気に晒されるため、これに耐え得るようにオーステナイト系耐熱材料であるIN625(インコネル625)というニッケル基超合金で形成されており、その下端部分は内部ケーシング5内に貫通し、下端部にノズルケーシング14が設けられている。
一方、外部ケーシング6の外筒11は、蒸気入口部7に導入する高温蒸気Aの流通方向上流側となる上流側部分11aが、内筒13と同じオーステナイト系耐熱材料であるIN625というニッケル基超合金で形成されている。そして、下流側部分11bは、外部ケーシング6の他の部分と同じフェライト系耐熱鋼である12Cr鋼で形成されており、また下流側部分11bの上流側端と上流側部分11aの下流側端とが、溶接等の接合による接合部15を形成するようにして、一体の構造となっている。
また、外筒11と内筒13との間の間隙12は、両筒11,13が同軸に設けられていることにより、等間隔寸法となっている。さらに間隙12は、高温蒸気Aの流通方向上流側となる上端部が、図示しないが、外筒11の上流側部分11aの端部を内筒13の外面に溶接等により気密に接合することで、気密に閉塞されたものとなっている。そして間隙12には、図示しない冷却蒸気管から外筒11の上流側部分11aに形成された導入開口(図示せず)を介し、別の蒸気タービンの系統(図示せず)から400℃程度の冷却蒸気Bが導入され、高温蒸気Aの流通方向と同じ方向に流れ、接合部15を冷却蒸気Bで冷却するようになっている。
このようになっているので、接合部15の形成位置は、冷却蒸気Bで冷却することによってメタル温度がフェライト系耐熱鋼を用いることができる温度以下となる位置となっている。なお、別の蒸気タービンの系統からの冷却蒸気は、冷却蒸気管16を介して内部ケーシング5内に導入され、ノズルケーシング14の回りを冷却するようになっている。また間隙12内を流れた冷却蒸気Bは、内部ケーシング5と外部ケーシング6の間の流路を流れて排出回収される。
また、上記の通り構成されたものでは、蒸気温度700℃級の高温、高圧の高温蒸気Aが蒸気入口部7を介して高温蒸気タービン1に導入されると、その内筒13内を流通し、ノズルケーシング14へと流れる。一方、外筒11と内筒13との間の間隙12には、導入開口を介して400℃程度の冷却蒸気Bが導入され、冷却蒸気Bを高温蒸気Aの流通方向と同じ方向に流すことで、外筒11は、接合部15近傍でのメタル温度がフェライト系耐熱鋼を使用できる温度となる。また冷却することで接合部15の温度は550℃程度となり、起動停止などに起因する低サイクル疲労損傷やクリープ損傷等が接合部15に発生することがないような温度となる。
また、ノズルケーシング14へと流れた高温蒸気Aは、内部ケーシング5のタービンノズル4とタービンロータ2の動翼10とが配置された蒸気流路内の各段落を流通する間に膨張仕事を行い、蒸気出口部8に流下し、タービンケーシング3外に排出回収される。
その結果、上記のように構成したものでは、外筒11の接合部15よりも高温蒸気Aの流通方向上流側の上流側部分11aはオーステナイト系耐熱材料としても、下流側部分11bをフェライト系耐熱鋼と使い分けすることができ、オーステナイト系耐熱材料の使用量を低減できる。また接合部15の温度も十分に低くできるため、低サイクル疲労損傷やクリープ損傷等を生じる虞がなくなり、異種材料のオーステナイト系耐熱材料とフェライト系耐熱鋼とを接合した接合部15の信頼性を高いものとすることができる。
なお、上記実施形態では、冷却蒸気Bを外筒11と内筒13との間の間隙12に導入開口を介して導入し、高温蒸気Aの流通方向と同じ方向に流すようにしたが、冷却蒸気Bを導入する冷却蒸気管の配管状態やタービンケーシング3の形態等によっては、冷却蒸気Bを高温蒸気Aの流通方向とは逆方向、すなわち対向流として流れるよう外筒11の下流側部分11b側から間隙12内に導入し、上流側部分11a側から排出回収するようにしてもよい。
次に第2の実施形態を図3により説明する。図3は蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。なお、本実施形態は第1の実施形態と蒸気入口部のみ異なっており、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図3において、蒸気入口部17は、外筒11と内筒13、さらに両筒11,13の間に間隙12を設けており、内筒13は、オーステナイト系耐熱材料のニッケル基超合金で形成されており、外筒11は、その上流側部分11aが、内筒13と同じオーステナイト系耐熱材料のニッケル基超合金で形成され、下流側部分11bが、外部ケーシング6の他の部分と同じフェライト系耐熱鋼の12Cr鋼で形成されている。そして、外筒11の上流側部分11aの下流側端と下流側部分11bの上流側端とは、溶接等の接合による接合部15を形成して、一体化されている。
また、オーステナイト系耐熱材料で形成された内筒13は、外筒11の接合部15に間隙12を間にして相対する外面部分に、接合部15への輻射を減ずるように、例えばセラミックスコーティングを全周にわたり施すことにより形成したセラミックス製の遮熱部材18が設けられている。なお、セラミックスコーティングに代えて、複数のセラミックタイルを全周にわたり貼付するようにして遮熱部材18を形成してもよい。
このように構成することで、蒸気入口部17の内筒13内に蒸気温度が700℃級の高温蒸気Aを導入し流通させると共に、遮熱部材18によって内筒13からの輻射量が減じている状態で、間隙12内を流れる冷却蒸気Bにより接合部15を冷却することになる。その結果、上記第1の実施形態と同様に、外筒11の使用材料を上流側部分11aと下流側部分11bとで使い分けすることができ、オーステナイト系耐熱材料の使用量を低減できる。それと共に、蒸気温度が700℃級の高温蒸気Aが内側を流通することで高温となっている内筒13から接合部15への輻射量を約1/2にすることができ、輻射による熱伝達を大幅に低減することができることになり、上記第1の実施形態に比し、接合部15の温度を更に40℃程度低温化させることが可能で、異種材料を接合した接合部15の信頼性をより高いものとすることができる。
次に第3の実施形態を図4により説明する。図4は蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。なお、本実施形態は第1の実施形態と蒸気入口部のみ異なっており、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図4において、蒸気入口部19は、外筒11と内筒13、さらに両筒11,13の間に間隙12を設けており、内筒13は、オーステナイト系耐熱材料のニッケル基超合金で形成されており、外筒11は、その上流側部分11aが、内筒13と同じオーステナイト系耐熱材料のニッケル基超合金で形成され、下流側部分11bが、外部ケーシング6の他の部分と同じフェライト系耐熱鋼の12Cr鋼で形成されている。そして、外筒11の上流側部分11aの下流側端と下流側部分11bの上流側端とは、溶接等の接合による接合部15を形成して、一体化されている。
また、外筒11のオーステナイト系耐熱材料で形成された上流側部分11aとフェライト系耐熱鋼で形成された下流側部分11bには、その接合部15近傍に、間隙12内を流れる冷却蒸気Bに接するように、内面全周にわたり伝熱促進用の凹凸部を形成する伝熱促進フィン20が突設されている。
このように構成することで、蒸気入口部19の内筒13内に蒸気温度が700℃級の高温蒸気Aを導入し流通させると共に、間隙12内に冷却蒸気Bを流すことで、接合部15近傍に設けた伝熱促進フィン20により効率よく接合部15を冷却することになる。その結果、上記第1の実施形態と同様に、外筒11の使用材料を上流側部分11aと下流側部分11bとで使い分けすることができ、オーステナイト系耐熱材料の使用量を低減できる。それと共に、伝熱促進フィン20によって冷却効果を高め、外筒11の接合部15近傍をより効果的に冷却することができ、異種材料を接合した接合部15の信頼性をより高いものとすることができる。
次に第4の実施形態を図5により説明する。図5は蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。なお、本実施形態は第1の実施形態と蒸気入口部のみ異なっており、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図5において、蒸気入口部21は、外筒11と内筒13、さらに両筒11,13の間に間隙12を設けており、内筒13は、オーステナイト系耐熱材料のニッケル基超合金で形成されており、外筒11は、その上流側部分11aが、内筒13と同じオーステナイト系耐熱材料のニッケル基超合金で形成され、下流側部分11bが、外部ケーシング6の他の部分と同じフェライト系耐熱鋼の12Cr鋼で形成されている。そして、外筒11の上流側部分11aの下流側端と下流側部分11bの上流側端とは、溶接等の接合による接合部15を形成して、一体化されている。
また、外筒11と内筒13との間の間隙12には、冷却蒸気Bを間隙12内に導入するためのパイプ状の冷却蒸気ガイド22が外筒11内面に沿って軸方向に設けられており、その先端には噴射口23が、接合部15方向に向けて開口している。そして、別の蒸気タービンの系統(図示せず)からの400℃程度の冷却蒸気Bを冷却蒸気ガイド22に流し、冷却蒸気Bを冷却蒸気ガイド22先端の噴射口23から接合部15に向けて噴射して、冷却蒸気Bにより接合部15を直接衝突冷却することができ、冷却蒸気Bによる最大限の冷却効果が得られる状態になっている。
このように構成することで、蒸気入口部21の内筒13内に蒸気温度が700℃級の高温蒸気Aを導入し流通させると共に、冷却蒸気ガイド22を通じ冷却蒸気Bを接合部15に噴射し、冷却することになる。その結果、上記第1の実施形態と同様に、外筒11の使用材料を上流側部分11aと下流側部分11bとで使い分けすることができ、オーステナイト系耐熱材料の使用量を低減できる。同時に、異種材料を接合した接合部15の温度を低くすることができるので、接合部15の信頼性をより高いものとすることができる。
次に第5の実施形態を図5により説明する。図6は蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。なお、本実施形態は第1の実施形態と蒸気入口部のみ異なっており、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図6において、蒸気入口部24は、外筒11と内筒13、さらに両筒11,13の間に間隙12を設けており、内筒13は、オーステナイト系耐熱材料のニッケル基超合金で形成されており、外筒11は、その上流側部分11aが、内筒13と同じオーステナイト系耐熱材料のニッケル基超合金で形成され、下流側部分11bが、外部ケーシング6の他の部分と同じフェライト系耐熱鋼の12Cr鋼で形成されている。そして、外筒11の上流側部分11aの下流側端と下流側部分11bの上流側端とは、溶接等の接合による接合部15を形成して、一体化されている。
また、オーステナイト系耐熱材料で形成された内筒13には、外筒11の接合部15に相対する位置よりも高温蒸気Aの流通方向上流となる位置に、間隙12に連通する導入孔25が形成されており、高温蒸気Aの一部を間隙12内に導入できるようになっている。さらに、接合部15と導入孔25形成位置との間の間隙12内には、高温蒸気Aの流通方向上流側と下流側とを微少隙間により連通するように区切るシールリング部材26が設けられている。
シールリング部材26は、例えば外径が外筒11の内径より小径でかつ内筒13の外側に密に嵌着する第1のリング27と、内径が内筒13の外径より大径でかつ外筒11の内側に挿着する第2のリング28とから構成され、間隙12内には、第1のリング27と第2のリング28とを外筒11と内筒13に軸方向に交互に複数嵌挿するようにして設けられている。このように設けることで、外筒11と第1のリング27との間、内筒13と第2のリング28との間、さらに交互に嵌挿された第1のリング27と第2のリング28との当接部分に、微少隙間が形成される。
なお、シールリング部材26は、第1のリング27と第2のリング28とが、通気性を有する多孔質体で形成されていてもよく、また内径と外径が外筒11と内筒13とにそれぞれ密着して間隙12を横断する通気性を有する多孔質体でなるシールリングを少なくとも1つ設けて形成したものでもよい。多孔質体で形成した場合には、多孔質体に通気性を与えている微小貫通孔も微少隙間となる。
このように構成することで、蒸気入口部24の内筒13内に蒸気温度が700℃級の高温蒸気Aを導入し流通させると、高温蒸気Aの一部が導入孔25を通り間隙12内に流入し、間隙12内を接合部15方向に流れる。そして、高温蒸気Aは、シールリング部材26の微少隙間を流れ、漏れ蒸気としてシールリング部材26を通過する。このシールリング部材26を通過する際に高温蒸気Aは膨張し、低温化して接合部15の近傍に至るまでに500℃程度の冷却蒸気Bとなり、接合部15を冷却する。
これにより、上記第1の実施形態と同様に、外筒11の使用材料を上流側部分11aと下流側部分11bとで使い分けすることができ、オーステナイト系耐熱材料の使用量を低減できる。同時に、異種材料を接合した接合部15の温度を低くすることができるので、接合部15の信頼性をより高いものとすることができる。
なお、上記の各実施形態においてはオーステナイト系耐熱材料としてIN625というニッケル基超合金を用いたが、オーステナイト系ステンレス鋼である20−25Cr系のステンレス鋼材料、例えば22.5Cr−18.5NiWCuNbNや高Cr高Ni系のステンレス鋼材料、例えば23Cr−43NiWNbTi等としてもよい。
またフェライト系耐熱鋼として12Cr鋼を用いたが、改良12Cr鋼(12CrMoWVNb)、12Cr鋼、CrMoV鋼や、9Cr系の鋼材料、例えば9Cr−1MoVNb、9Cr−0.5Mo−2WVNbや12Cr系の鋼材料、例えば12Cr−0.4Mo−2WCuVNb、11Cr−2.6W−2.5CoVNbB等としてもよい。
本発明の第1の実施形態である高温蒸気タービンの上半部分を示す概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態における蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。 本発明の第2の実施形態における蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。 本発明の第3の実施形態における蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。 本発明の第4の実施形態における蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。 本発明の第5の実施形態における蒸気入口部の要部を示す縦断面図である。
符号の説明
3…タービンケーシング
5…内部ケーシング
6…外部ケーシング
7…蒸気入口部
11…外筒
11a…上流側部分
11b…下流側部分
12…間隙
13…内筒
15…接合部
A…高温蒸気
B…冷却蒸気

Claims (10)

  1. タービンケーシングを内部ケーシングおよび外部ケーシングで構成し、蒸気入口部を、前記内部ケーシングに設けられて高温蒸気をノズルケーシングに導く内筒と、当該内筒をほぼ同心状の間隙を隔てて囲繞するように前記外部ケーシングに設けられた外筒から構成した高温蒸気タービンにおいて、
    前記内筒は、オーステナイト系耐熱材料で形成され、前記外筒は、高温蒸気の流通方向上流側の部分がオーステナイト系耐熱材料、下流側の部分がフェライト系耐熱鋼でそれぞれ形成され、該外筒の上流側部分の下流側端と下流側部分の上流側端とは接合部を設けて接合されており、前記接合部は、前記間隙に導入された冷却蒸気により冷却されることを特徴とする高温蒸気タービン。
  2. 前記オーステナイト系耐熱材料が、オーステナイト系ステンレス鋼またはニッケル基超合金であり、前記フェライト系耐熱鋼が、改良12Cr鋼、12Cr鋼、CrMoV鋼の何れか1つであることを特徴とする請求項1記載の高温蒸気タービン。
  3. 前記接合部は、冷却蒸気による冷却によってフェライト系耐熱鋼を用いることができるメタル温度以下の位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の高温蒸気タービン。
  4. 前記接合部に相対する前記内筒の外面部分に、セラミックス製の遮熱部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の高温蒸気タービン。
  5. 前記遮熱部材が、セラミックコーティングまたはセラミックタイルであることを特徴とする請求項4記載の高温蒸気タービン。
  6. 前記接合部近傍の前記外筒の内面部分に、伝熱促進用の凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の高温蒸気タービン。
  7. 前記接合部を冷却する冷却蒸気は、前記間隙に導入され、高温蒸気の流通方向と同方向または逆方向に該間隙内を流れた後、該間隙外に排出されるものであることを特徴とする請求項1記載の高温蒸気タービン。
  8. 前記接合部を冷却する冷却蒸気は、前記間隙内に設けた冷却蒸気ガイドを流れるように導入され、該冷却蒸気ガイドの噴射口から前記接合部に向けて噴射された後、該間隙外に排出されるものであることを特徴とする請求項1記載の高温蒸気タービン。
  9. 前記接合部を冷却する冷却蒸気が、高温蒸気を前記内筒の前記接合部より高温蒸気の流通方向上流位置に形成された導入孔を介して前記間隙に導入し、該間隙内のシールリング部材を設けた部分を漏れ蒸気として流下させることにより得たものであることを特徴とする請求項1記載の高温蒸気タービン。
  10. 前記シールリング部材が、通気性を有する多孔質体で形成されていることを特徴とする請求項9記載の高温蒸気タービン。
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