JP2007120985A - 電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出方法、装置、及び、シームアニーラの加熱子位置制御方法、装置 - Google Patents

電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出方法、装置、及び、シームアニーラの加熱子位置制御方法、装置 Download PDF

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Toshibumi Kodama
俊文 児玉
Satoru Yabumoto
哲 籔本
Shigeki Yoshida
成樹 吉田
Hitomaro Ohashi
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Abstract

【課題】大幅な設備追加を必要とすることなく、電縫管のシームアニーラ位置ずれを的確且つ迅速に検出する。
【解決手段】シームアニーラ(24)出側において電縫管12のシーム位置とシームアニーラにより加熱された領域をそれぞれ検出し、シーム位置の幅方向中央位置x1と加熱された領域の幅方向中央位置x2の偏差Δxを検出する際に、電縫管表面のシーム位置を含む各部に照射したレーザー光の反射パターンと管表面の放射光を同時に撮像し、撮像した画像群を撮像手段(35)の視野範囲に基づいてレーザー光の反射パターンと管表面の放射光パターンに分離して演算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、突合せ溶接によって生じるビードが切削された後、溶接部がアニールされる電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出方法、装置、及び、シームアニーラの加熱子位置制御方法、装置に係り、特に、大幅な設備追加を必要とすることなく、電縫管のシーム(ボンド)位置と加熱位置のずれ(シームアニーラ位置ずれと称する)を的確且つ迅速に検出することが可能な、電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出方法、装置、及び、これを用いた、電縫管のシームアニール工程におけるシームアニーラの加熱子位置制御方法、装置に関する。
電縫管(電縫鋼管とも称する)の製造工程においては、図10(A)に例示する如く、帯状の素材(母板と称する)10を管状に成形し、幅方向両縁を溶接機20により突合せ溶接して管12とした後に、図10(B)に示す如く、溶接によって内外面に生じるビード(肉盛り)14を切削工具22によって切削除去するのが一般的である。この電縫管の溶接部(シーム部)16については、図10(C)に示す如く、造管後にシームアニール(焼鈍)工程で、例えばアニーラの加熱子(インダクタコイル)24により誘導加熱することで、溶接によって焼入れ状態に近くなったシーム部16の材質を、その他の部分と均一にしている。
これらの工程においては、電縫管12のシーム部16の位置(シーム位置と称する)を常時正確に把握することが重要である。
例えば、シーム位置を適切に加熱するために、電縫管のシーム位置を正確に把握する必要があるが、電縫管のパスライン変動や捩れが発生するために、現在は作業員が時々電縫管の走行状態を目視観察し、シームアニーラの加熱子24をシーム位置に合致するように手動で補正している。
ここでシームとは一般に溶接線のことを指すが、厳密には溶接により母板が接合されている部位、即ちボンド部のことを指す。即ち、理想的なシームアニール工程では、加熱する範囲の中心が前記ボンド位置と一致するように加熱するのが最適である。しかし、ボンド部を外観により識別するのは困難であるので、通常は切削部をシーム部と見なして、そのシーム部の位置を作業員が把握するような操業を行なっていた。即ち、電縫管の切削部は、通例、ビード切削によって周囲の素材部分より光沢を増しているので、作業者が目視により加熱範囲と前記切削帯の光沢部分の幅方向の中心位置が一致していることを確認しながら操業を行なっていた。
しかしながら、電縫管の切削部の位置は切削直後の位置では容易に目視観察可能であるが、シームアニール工程を通過した電縫管は、切削部分及びその周辺部が加熱されることで表面に酸化膜が付着して光沢が失われて目視による判別がしづらくなり、又、誘導加熱により赤熱発光した電縫管の表面を凝視して切削位置を判別するのは作業者にとって過酷な作業となる。
又、電縫管の製造工程においては、溶接部分の表面及び内部に対し超音波探傷を行ない、溶接が適切に行われているか、又、溶接部に異物が混入していないか検査を行なうのが通例であって、この場合も、電縫管のシーム位置を正しく把握して超音波探触子をシーム位置、理想的にはボンド部の位置に正しく配置させることが重要であるが、前述のようにシームアニールを施した電縫管では、スケール付着によってシーム部の光沢が失われて目視判別ができないという問題点があった。
又、前述のいずれの場合でも、目視判別による方法では、作業者の主観に依存した作業であるために、切削部をシームとみなして位置を把握する従来の場合でも、客観性、再現性に欠け、又、フィードバック制御等の高度な操業が実現できないという問題点があるのは明らかである。
これらの問題点を解決するために、従来より、画像方式、マーキング方式、電磁気的手法、光学的手法による電縫管のシーム位置検出方法が種々提案されている。
まず、シーム部の位置を直接検知するために提案されている方法として電磁気的手法がある。これは、例えば特許文献1に開示されているように、シーム部と素材部の材質の違いを渦流センサー、漏洩磁束センサー等で検出するものである。この手法は、詳しくは結晶粒径等の組織の差に起因した透磁率や電気伝導度の差が磁束分布の差として現われる現象を感知するものであるが、管表面のスクラッチ等、表面の筋状の形状不均一の影響を受け易く、又、アニールによって材質が均一された場合には検出が困難になるといった問題点がある。更に、透磁率や電気伝導度は温度により大きく変化するため、アニール後の電縫管のように、管の周方向で温度分布が生じている場合は、それが外乱になるという問題もあった。
又、切削部をシームとして検出する方法も多数提案されている。
このうち、画像方式は、例えば特許文献2に開示されているように、シーム部と素材部の光沢の差を、CCDカメラ等の画像検出手段により検出するものである。
又、マーキング法は、例えば特許文献3に開示されているように、電縫管溶接直後の、シーム位置が既知であるライン位置において、管の側面等、シーム位置と既知の幾何学的関係にある周方向の管表面に塗料等のマーキングを行ない、下流工程でシーム位置を把握したい場所において、ITVや受光素子により、マーカーの周方向位置を読み取ることで、当該ライン位置でのシーム位置を検出するものである。
又、レーザー光の散乱現象を用いるものとしては、レーザーの光源波面の等位相性により、物体表面の微細な凹凸の方向性が反射光の2次元分布の差異となって現われることを利用したものが提案されている。
例えば特許文献4は、電縫管素材部では略等方的な反射パターンを生じるのに対し、シーム部に残る管長手方向に略平行な切削痕により、シーム部では反射パターンが横断方向に広がる、という性質を利用して、シーム部と素材部を区別しようとしている。
又、特許文献5では、特許文献4の問題点に対応して、レーザー光の波長及び入射角を限定して、レーザー散乱によるシーム位置検出を的確に行なうものである。
更に、特許文献6では、反射パターン画像から水平、垂直方向の閾値処理を繰り返すことで、最大信号幅なるものを算出し、シーム部(切削部)位置検出を行なう方法が提案されている。
特開昭56−33542号公報 特開平10−170228号公報 特開平5−240844号公報 特開昭52−25687号公報 特開昭59−108903号公報 特開昭62−42004号公報
しかしながら、前述したように、シーム部が焼鈍された場合には、シーム部にも酸化膜が付着して光沢の差が殆ど無くなることが知られており、このような場合に、特許文献2に記載されたような画像方式では検出が困難であるという問題点があった。
又、特許文献3に記載されたようなマーキング方式では、シームアニール等により管を再加熱する工程が存在すると、マーキング塗料が剥げ落ちて検出の信頼性が低下する場合があり、又、マーキング装置あるいはITV等の読み取り装置の向きと管中心軸の位置ずれが検出誤差に直結する等の問題点があった。
又、電縫管シーム部付近のレーザー光の反射パターンは、入射角度によっては、表面に存在する酸化膜の影響を受け易いのに対して、特許文献4では、レーザー光の波長、入射光や反射光に関する好適範囲が規定されておらず、又、切削部、素材部の識別を、受光面の幅方向両端に配置した一対の受光素子による反射光検知の有無で判別しようとしているため、実際の電縫管シーム部周辺に発生し得る酸化膜や擦り傷等によっては、散乱パターンが発生した場合でも受光強度が弱くなって、適切にシーム位置を検出できないという問題点もあった。
なお、特許文献5では、レーザー光の波長や入射角を限定しているが、シーム部(切削部)を特定するための反射パターン画像の特徴量の算出方法を具体的に記述しておらず、そのままではシーム部(切削部)の自動検出ができないという問題点があった。
又、特許文献6に記載された方法では、最大信号幅を得るまでに、適正走査線選別のための実験式、最大振幅幅を得るための閾値処理のパラメータ等、画像処理の過程で設定すべきパラメータが多数存在し、これらは材質、鋼管の規格等で異なるため、運用上煩雑であるばかりでなく、適切な設定パラメータ取得のために長期間の確性試験が必要であるという問題点や、散乱パターンが画像の斜め方向に方向性を有した場合に適切な検出ができないという問題点があった。
ところで、これまで説明したような従来技術は、いずれもシームの位置を製造ライン上の基準座標に基づいて検出することを想定しているが、実際には電縫管のパスラインは幅方向に数mm程度緩やかに変動することが知られている。このようなパスラインの変動がある場合、検出装置によるシームの位置に基づいてアニーラ加熱子24の位置を修正しようとしても、検出装置とアニーラ加熱子24の位置でのパスライン変動量が同一であるとは限らず、アニーラ加熱子24の位置制御が正確に行なえない、という問題もあった。
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、大幅な設備追加を必要とすることなく、電縫管のシームアニーラ位置ずれを的確且つ迅速に検出できるようにすることを課題とする。
請求項1の発明は、シームアニーラ出側において電縫管のシーム位置とシームアニーラにより加熱された領域をそれぞれ検出し、シーム位置の幅方向中央位置と加熱された領域の幅方向中央位置の偏差を検出する際に、電縫管表面のシーム位置を含む各部に照射したレーザー光の反射パターンと管表面の放射光を同時に撮像し、撮像した画像群を撮像手段の視野範囲に基づいてレーザー光の反射パターンと管表面の放射光パターンに分離して演算するようにして、前記課題を解決したものである。
又、請求項2の発明は、請求項1により検出されたシームアニーラ位置ずれに基づいてシームアニーラの加熱子の位置補正量を決定することを特徴とする、シームアニーラの加熱子位置制御方法である。
又、請求項3の発明は、請求項2に記載のシームアニーラの加熱子位置制御方法を用いることを特徴とする電縫管の製造方法である。
又、請求項4の発明は、シームアニーラ出側において電縫管のシーム位置とシームアニーラにより加熱された領域をそれぞれ検出し、シーム位置の幅方向中央位置と加熱された領域の幅方向中央位置の偏差を検出する電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出装置であって、電縫管表面のシーム位置を含む各部に照射したレーザー光の反射パターンと管表面の放射光を同時に撮像する撮像手段と、撮像した画像群を該撮像手段の視野範囲に基づいてレーザー光の反射パターンと管表面の放射光パターンに分離して演算する手段と、を備えることにより、前記課題を解決したものである。
又、請求項5の発明は、請求項4に記載のシームアニーラ位置ずれ検出装置と、検出されたシームアニーラ位置ずれに基づいてシームアニーラの加熱子の位置補正量を決定する手段と、を備えたことを特徴とするシームアニーラの加熱子位置制御装置である。
又、請求項6の発明は、請求項5に記載のシームアニーラの加熱子位置制御装置を備えたことを特徴とする電縫管の製造設備である。
本発明によれば、電縫管表面のシーム位置を含む各部に照射したレーザー光の反射パターンと管表面の放射光を同時に撮像し、撮像した画像群を撮像手段の視野範囲に基づいてレーザー光の反射パターンと管表面の放射光パターンに分離して演算するようにしたので、大幅な設備追加を必要とすることなく、電縫管のシームアニーラ位置ずれを的確且つ迅速に検出することが可能となる。従って、電縫管のシームアニーラ加熱子位置を的確且つ迅速に制御して、電縫管製造におけるシーム部焼鈍工程におけるコイル位置追従を高精度化、自動化させることができ、製品品質や生産性、歩留りを向上させることができる。又、本発明により検出するシーム位置とアニーラ加熱子のずれ量の情報を次工程に伝送することにより、製品品質の全長保証等の品質データベース化にも利用可能である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出装置の構成を示す概略図である。図1において、21は、帯状の母板10を丸めて溶接するための成形・溶接装置、22はビード切削工具、24はアニーラ加熱子、30は検出ヘッド、40は画像分離装置、51は第1の演算装置、52は第2の演算装置、53は第3の演算装置である。
前記検出ヘッド30は、前記アニーラ加熱子24の出側に配設され、アニール後の電縫管(管とも称する)12の切削帯(シーム部)16の位置を検出するために、管表面の各部にレーザー光を照射して得られる正反射光及び散乱光のパターンの画像群を検出すると同時に、管表面の赤熱部からの放射光を検出するものである。
この検出ヘッド30は、例えば図2に詳細に示す如く、図3に示す如く管12の周囲方向に走査されるレーザー光を発生するレーザー光投光部31と、該レーザー光投光部31で発生されたレーザー走査光を電縫管12の表面に向けて斜め方向に反射するミラー32と、電縫管表面からの反射光を映す反射スクリーン33と、図4に示す如く該反射スクリーン33上の反射光パターン及びその下方の電縫管表面の自発光画像を同時に検出するための、レンズ34を備えた撮像手段(例えばエリアセンサカメラ)35と、検出ヘッド30を電縫管表面の高熱から保護するための防熱手段36とを主に含んで構成されている。
前記レーザー光投光部31は、管中心軸を含む略垂直な面内にあり、例えば図3に詳細に示す如く、レーザー光源31aと、ミラー31bと、走査用の回転ミラー31cと、その駆動モータ31dと、回転ミラー31cで作られた回転走査ビームを平行走査ビーム化するためのレンズ31eを含んで構成されている。このレーザー投光部31で発生された管周囲方向の走査ビームは、ミラー32により反射され、管中心軸と所定の角度をなす入射方向から、管周囲方向に沿って、溶接ビード切削後のシーム部16を含む管12表面の各部に照射される。
前記レーザー光源31aの波長、出力、電縫管12への入射角度は、特許文献5に記載された条件に従って選定及び配置をすればよいので、本実施形態では、波長532nm、出力3mWの半導体レーザーを用い、入射角は、垂直を0°として70°とした。
なお、レーザー光を、シーム面との入射角度を保ったまま管周囲方向に平行に走査する平行ビームスキャナの構成は、これに限定されず、他の構成、例えばレンズ31eの代りに放物面鏡を用いる構成や、レーザー光源31aを直接左右に移動させる構成、反射ミラーを幅方向に移動させる構成等を採っても良く、又、レーザービームスポットを調整するためのレンズや絞りを中間に配置しても良い。
前記反射光パターンは、装置小型化と正反射光のハレーションを抑える目的で設けた反射スクリーン33を介して撮影するのが好適であるが、更にこのとき、スクリーンの下端が、カメラの視野範囲の下端よりも若干短くなるように配置し、エリアセンサカメラ35は、図4に例示する如く、レーザー光の管表面での反射光パターンと管表面の自発光画像を同時に検出できるようにする。
又、管表面からの自発光から撮像素子やレンズ34を保護する目的で、エリアセンサカメラ35の前に防熱フィルタ37を挿入したり、管表面の自発光の乱反射光がレーザー光の反射パターンの外乱となることを防止する目的で、レーザー反射光の撮像視野範囲のみでレーザー光帯域のみ透過させるフィルタ38を挿入するなどすれば、より高信頼な計測が可能である。なお、防熱フィルタ37や、レーザー帯域透過フィルタ38を省略しても良い。
更に、前記のようなスクリーン33の配置において、検出ヘッド30と電縫管12とのギャップGはほぼ一定に保たれるので、エリアセンサカメラ35で撮像する画像におけるレーザー光の管表面での反射パターンと管表面の自発光画像の画像中の領域は、既知とすることができる。
前記画像分離装置40は、前記検出ヘッド30内の撮像手段(35)が撮像した画像から、前記のように予め知れる範囲設定により、レーザー光の反射光パターンの領域と管表面の自発光画像の領域に分割し、それぞれを前記第1の演算装置51及び第2の演算装置52に出力する。
前記第1の演算装置51は、該画像分離装置40が検出する、レーザー光が管の切削帯を含む幅方向の各位置を照射した際に得られる正反射光及び散乱光の画像群のそれぞれから特徴量を算出し、その特徴量に応じて切削帯の幅方向中央位置x1を算出する。
この第1の演算装置51が算出する特徴量としては、画像の第1主成分ベクトルと画像の水平方向とのなす角度が所定の範囲内となる幅方向位置の中央部として算出するのが好適である。
即ち、レーザー光を電縫管シーム部に照射し、その正反射光分布を観察すると、図5(A)に示すように、横方向に広がった散乱パターンが得られる。一方、シーム部を外れた素材部分にレーザー光を照射したときの正反射パターンは、図5(B)に示すように、略縦方向に広がった反射パターンとなる。これは、特許文献4に開示されているように、シーム部には溶接ビード切削により長手方向の筋状の切削痕があって、レーザー光が横断方向にのみ強く散乱するのに対し、素材部分の鋼板表面は略ランダムなパターンであり、且つビーム入射角が低角度である場合には、照射位置でのビーム形状が長手方向に延びるため、結果的に縦方向に長いパターンを生じるためである。
ところで、上記のように得られる反射パターン画像は、その水平、垂直方向の画素アドレスをそれぞれx座標、y座標、各画素の輝度を強度Iと見做した場合に、2次元の分布量I(x,y)と見做すことができるが、一方、統計学の分野で知られている主成分分析の手法を用いると、I(x,y)の2次元分布の分散が最も大きくなる方向を第1主成分ベクトルとして算出できることが知られている。
即ち、画像の水平(x軸)方向の画素アドレスをi=0,・・・,M−1(Mは水平方向の画素数)、画像の垂直(y軸)方向の画素アドレスをj=0,・・・,N−1(Nは水平方向の画素数)とすると、画像中の画素アドレス(i,j)に対応した画素の値IはI(i,j)と表わせ、次式(1)で与えられる行列Aの固有値λ1、λ2(λ1>λ2)に対応した固有ベクトルv1、v2のうち大きい方の固有値λ1に対応した固有ベクトルv1が、散乱画像の主軸方向を表わすことになる。
例えば図5(A)、(B)の各画像の主成分ベクトルv1A、v1Bを算出すると、
v1A=(0.998,-0.0060)、水平方向との角度θ=arctan(0.0602/0.9982)=3.5deg
v1B=(0.293,0.956)、水平方向との角度θ=arctan(0.956/0.293)=73.0deg
となるので、レーザー光を適切な条件で走査(例えば、管中心軸を含む略垂直な面内にあり、前記管中心軸と所定の角度をなす入射方向を有する投光手段(31)により、管周囲方向に沿って走査)して、電縫管のシーム部周辺を照射した際に得られる反射パターンの方向性を、反射パターン画像を2次元分布と見做して算出した第1主成分ベクトルの方向をθとして算出し、このθが所定の範囲内となるレーザー光照射位置がシーム部であるという判別を行なえば、電縫管のシーム位置検出を高精度で行なうことが可能になる。
前記第2の演算装置52は、前記画像分離装置40が検出する、電縫管表面からの自発光の強度から加熱範囲の幅方向中央位置x2を算出する。
この第2の演算装置52は、適当な閾値回路と加算回路等の組合せや、それと等価な効果を有するソフトウェアプログラムにより実現することができる。又、該第2の演算装置52の演算頻度、即ち管表面の赤熱部位置の演算頻度は、レーザー光が電縫管12の切削帯を含む幅方向の各位置を照射する一連の走査につき1回程度で良いので、演算周期を間引くか、検出結果を平均化する等によりデータ量を圧縮しても良い。
前記第3の演算装置53は、前記のようにしてそれぞれ検出した切削帯位置と加熱位置の中央位置の偏差(x1−x2)をシームアニーラ位置ずれΔxとして算出する。この第3の演算装置53は、公知の減算回路か、それと等価な効果を有するソフトウェアプログラムにより実現することができる。
図6は、電縫鋼管製造時に第1の演算装置51が算出した、幅方向各部にレーザー光を照射した際の散乱画像の特徴量(第1主成分ベクトルの向きθ)を、幅方向座標に対してプロットしたものである。第1の演算装置51は、散乱画像の第1主成分ベクトルの向きθがその閾値(例えば30°)より小となる幅方向座標の範囲(Xa1,Xa2)を求め、その中央位置を算出した。即ち、第1の演算装置51が出力した切削帯中央位置x1は、ラインセンターを基準として
x1=(Xa1+Xa2)/2
=(−10.5mm+(−3.65mm))/2
=−7.075mm
であった。
図7は、上記と同一操業時に検出ヘッド30のエリアセンサカメラ35が検出した、電縫管12の表面の輝度信号を、幅方向を横軸にとってプロットしたものである。本実施例において、第2の演算装置52は、このような輝度分布信号より輝度が閾値を越えた幅方向座標の範囲(Xc1,Xc2)を算出し、その中央位置を算出した。即ち、第2の演算装置52が出力した加熱帯中央位置x2は、ラインセンターを基準として
x2=(Xc1+Xc2)/2
=(−0.775+0.025)/2
=−0.375mm
であった。
そして、第3の演算装置53は、両者の偏差として、シームアニーラ位置ずれΔxを
Δx=x1−x2
=−6.7mm
と算出した。
次に、上記実施例を電縫管操業時に動作させ、第3の演算装置53の出力した切削帯位置と加熱帯位置の中央位置の偏差Δxを、時間を横軸としてプロットした結果を図8に示す。プロット中の●で示したのは、当該電縫管を製造後、等間隔に抜き取り、切削帯位置とアニール熱による表面変色域の中央部の位置から推定したアニール位置ずれ量であり、本実施例により、ほぼ正確に加熱帯とシーム位置のずれを検出していることが確認できた。
なお、以上の実施例においては、検出ヘッド30をアニーラ加熱子24の出側に設置した構成について説明したが、電縫管製造工程で多用される、多段のアニーラスタンドの各部でのシーム位置を高精度で検出する必要がある場合には、アニーラスタンド間に前記検出ヘッド30と同一のものを複数設置し、そのそれぞれが検出する切削帯と加熱帯の中心位置ずれを検出してアニーラ加熱子位置を補正してやればよい。又、更に精度向上を図るため、アニーラスタンド位置での加熱子位置を補正する方法として、当該スタンドの前後に設置した検出ヘッド30が検出する切削帯と加熱帯の中心位置ずれを、長手方向の距離に応じて比例配分して、加熱子の位置修正補正量とするような制御手法を用いてもよい。
更には、図9に示す第2実施形態のように、アニーラ24入側でビード切削工具22の前後に、例えば光切断法により測定したビード形状の重心位置としてボンド位置Xbを検出するための第1測定器61及び演算装置71と、斜めに照射したスリット光の乱反射光の輝度が低下している部分を切削帯位置として検出するための第2の測定器62及び演算装置72を設けて、電縫管ビードカット前後のビード部形状及び切削帯位置の光切断計測を行なうことにより、ボンド位置Xbと切削帯中央位置のずれ量Δxとの補正と組合せて、補正装置80で、検出ヘッド30の出力により得られアニーラアーム位置ずれΔxを、第1及び第2の測定器61、62により求められたシーム位置ずれで補正することにより、一層の高精度化を図る構成にしても良い。
本発明の第1実施形態に係る電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出装置を示す構成図 第1実施形態で用いられる検出ヘッドの構成を示す断面図 同じく要部構成を示す斜視図 同じく撮像手段の撮像画像の例を示す図 同じく第1の演算装置の作用を説明するための、電縫管のシーム部(A)と素材部分(B)にレーザー光を照射させて反射方向で観察される画像を比較して示す図 同じく第1主成分ベクトルと画像の水平方向とがなす角度を、横軸にビーム照射位置を示す幅方向座標をとってプロットした図 同じく第2の演算装置が算出した値を説明するための、電縫管のシームアニール後の加熱による自発光輝度の分布の例を示す図 同じく第3の演算装置が出力した切削帯位置と加熱帯位置の中央位置の偏差とサンプル抜き取りにより目視で切削帯位置及び加熱帯位置の中央位置の偏差を、造管時の時間を横軸としてプロットした図 本発明の第2実施形態に係る電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出装置を示す構成図 電縫管の製造工程の一部を示す図
符号の説明
12…電縫管
14…ビード
16…シーム部
20…溶接機
21…成形・溶接装置
22…ビード切削工具
24…アニーラ加熱子
30…検出ヘッド
31…レーザー光投光部
33…反射スクリーン
35…エリアセンサカメラ
40…画像分離装置
51…第1の演算装置
52…第2の演算装置
53…第3の演算装置

Claims (6)

  1. シームアニーラ出側において電縫管のシーム位置とシームアニーラにより加熱された領域をそれぞれ検出し、シーム位置の幅方向中央位置と加熱された領域の幅方向中央位置の偏差を検出する際に、
    電縫管表面のシーム位置を含む各部に照射したレーザー光の反射パターンと管表面の放射光を同時に撮像し、
    撮像した画像群を撮像手段の視野範囲に基づいてレーザー光の反射パターンと管表面の放射光パターンに分離して演算するようにしたことを特徴とする、電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出方法。
  2. 請求項1により検出されたシームアニーラ位置ずれに基づいてシームアニーラの加熱子の位置補正量を決定することを特徴とする、シームアニーラの加熱子位置制御方法。
  3. 請求項2に記載のシームアニーラの加熱子位置制御方法を用いることを特徴とする電縫管の製造方法。
  4. シームアニーラ出側において電縫管のシーム位置とシームアニーラにより加熱された領域をそれぞれ検出し、シーム位置の幅方向中央位置と加熱された領域の幅方向中央位置の偏差を検出する電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出装置であって、
    電縫管表面のシーム位置を含む各部に照射したレーザー光の反射パターンと管表面の放射光を同時に撮像する撮像手段と、
    撮像した画像群を該撮像手段の視野範囲に基づいてレーザー光の反射パターンと管表面の放射光パターンに分離して演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする、電縫管のシームアニーラ位置ずれ検出装置。
  5. 請求項4に記載のシームアニーラ位置ずれ検出装置と、
    検出されたシームアニーラ位置ずれに基づいてシームアニーラの加熱子の位置補正量を決定する手段と、
    を備えたことを特徴とするシームアニーラの加熱子位置制御装置。
  6. 請求項5に記載のシームアニーラの加熱子位置制御装置を備えたことを特徴とする電縫管の製造設備。
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