JP5076862B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば路面入力に対し車両の挙動を安定させることが可能な車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、車両に発生する左右力を抑制するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された左右力推定装置及びそれを用いた操舵制御装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、車輪と車体との距離及び車速に基づいて路面外乱により車輪に発生する左右力を推定する左右力推定手段と、検出された距離に基づいて車両の横方向速度であるボデー絶対左右速度を推定する左右速度推定手段とを有し、この推定したボデー絶対左右速度を考慮して左右力推定を行うことによって、低周波数の路面外乱による左右力を精度良く推定することが出来るとされている。
尚、ばね状態量から車両に生じる横方向外乱を推定し、これをキャンセルするように操舵制御を行う技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、操舵のアシストトルクを、キングピン軸回りのモーメントレバー長さから補正することによって、サスペンションジオメトリの変化による操舵反力の変化を抑制する装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−207803号公報 特開2005−239010号公報 特開平11−255138号公報
車輪と車体との距離は、ドライバの意思で車輪が操舵されることによっても変化する。従って、従来の技術において、路面外乱により車輪に発生するものとして推定される左右力には、この種のドライバの意思に基づいた操舵に起因する成分が含まれており、この種の操舵の影響を含んだ左右力を例えば舵角制御等によってキャンセルしようとしても、車両の挙動はかえって不安定となりかねない。一方、車輪と車体との距離が変化、即ち車体がロールすると、そのロール動作がドライバの意思に沿わない操舵を誘発することがあり、この場合、車輪に発生する左右力が不要に増加しかねない。即ち、従来の技術には、路面外乱に対する車両の挙動の安定化が図り難い旨の技術的問題点がある。本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであり、路面外乱に対し車両の挙動を安定させることが可能な車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の制御装置は、前輪及び後輪のうち少なくとも一方を含む対象車輪に対し操舵力を付与可能な操舵力付与手段を備えてなる車両の制御装置であって、前記前輪及び前記後輪のうち少なくとも一方に対応する第1のロール量を特定する第1のロール量特定手段と、前記対象車輪の実舵角に対応する第2のロール量を特定する第2のロール量特定手段と、前記特定された第1及び第2のロール量から、第3のロール量として、路面入力に起因する、前記前輪及び前記後輪のうち少なくとも一方のロール量を特定する第3のロール量特定手段と、前記特定された第3のロール量に基づいて、前記対象車輪に対し、前記車両の挙動が安定する方向へ前記操舵力が付与されるように前記操舵力付与手段を制御する操舵力制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明において、「対象車輪」とは、前輪及び後輪のうち少なくとも一方を含み(即ち、前輪のみであっても、後輪のみであっても、また前輪及び後輪を含む全車輪であってよい)、操舵力付与手段からの操舵力の付与対象となる車輪である。
ここで、操舵力付与手段から対象車輪に付与される、本発明に係る「操舵力」とは、例えばステアリングホイール等の操作手段を介してなされる人為的若しくは自動的な、且つ物理的、機械的、機構的、電気的若しくは磁気的な各種操舵動作の度合いを規定し得る、例えば操舵角や入力操舵トルク等、物理的、機械的、機構的、電気的又は化学的の別を問わない各種操舵入力に応じた、対象車輪の実舵角を直接的に又は間接的に変化させ得る例えば物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な各種の駆動力を包括する概念であり、例えば各種の操舵トルク、当該各種の操舵トルクが上記ステアリングホイールを含み得る概念としての操舵装置を構成する例えばステアリングシャフト、ラックアンドピニオン式やボールナット式等の各種態様を採り得る操舵機構及び例えばタイロッド等の物理的伝達手段等を適宜介して変換されてなる、対象車輪を左右方向に動かす物理力、或いはこのような操舵トルク及び操舵トルクに相関する力とは少なくとも制御上独立し得る(無論、相互に協調制御されていてもよい)、例えばモータ或いは電気駆動式又は油圧駆動式の各種アクチュエータ等から出力される、対象車輪の実舵角を変化させ得る各種駆動力等の形態を採る。
尚、本発明に係る「操舵トルク」とは、上述した、入力操舵トルクそのものを概念の一部として含み、上述したステアリングシャフト若しくはモータシャフト等の各種軸体、ピニオンギア等の各種ギア若しくはギア機構又はボールスクリュ等の動力伝達部材に対し、例えば各種モータや各種アクチュエータ等から当該入力操舵トルクをアシスト若しくは抑制すべく当該入力操舵トルク若しくは車両の各種走行条件等に応じて付与され得る各種のアシストトルク、或いは当該入力操舵トルクと当該アシストトルクとが合算されてなるトルク等、を包括する概念である。
また、操舵力が各種態様を採り得ることに鑑みれば、必然的に、操舵力付与手段の採り得る物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な構成も、操舵力の採り得る形態に応じて各種の態様を採り得る。例えば、操舵力付与手段は、EPS(Electronic Power Steering)等の所謂電子制御式操舵装置であってもよいし、4輪バイワイヤ又は後輪バイワイヤ等、好適な一形態として実舵角を制御目標とする所謂ステア・バイ・ワイヤ式の操舵装置等であってもよい。また、操舵力付与手段とは、例えば対象車輪毎に、その物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な構成が異なっていてもよく、その駆動系が複数であっても単数であってもよい。
本発明に係る第1の車両の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1のロール量特定手段により、前輪及び後輪のうち少なくとも一方に対応する第1のロール量が特定される。
ここで、本発明に係る「特定」とは、特定対象(例えばこの場合、第1のロール量)又は予め実験的に、経験的に、理論的に若しくはシミュレーション等に基づいて特定対象との相関が明らかにされている、特定対象を導出し得る手法が確立されている、若しくは特定対象と一義的に扱い得る旨が許可されている、特定対象と一対一、一対多、多対一若しくは多対多に対応する各種の状態量、物理量若しくは指標値を、例えば何らかの検出手段を介して直接的に若しくは間接的に検出すること、何らかの検出手段を介して直接的に若しくは間接的に検出された各種の状態量、物理量若しくは指標値を、例えば電気信号等の各種信号等として取得すること若しくは認識すること、予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から選択すること、又は予め設定されたアルゴリズムや計算式に従って導出若しくは同定すること等を包括すると共に、これらが適宜に組み合わされ得る概念である。
係る概念の範囲において、本発明に係る第1のロール量特定手段の構成、例えば物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な構成は何ら限定されない趣旨であり、例えば、第1のロール量特定手段は、サスストロークセンサ等、前輪又は後輪、或いはその両方に対応するサスペンションのストローク量を検出し得る各種検出手段から、前輪又は後輪に対応する、或いはその両方に対応するサスペンションのストローク量を取得することにより、第1のロール量を特定してもよい。また、この種のサスペンションのストローク量から、各種アルゴリズム、数値演算式又は論理演算式等に基づいた各種演算処理の結果としてロール角を取得することにより、第1のロール量を特定してもよい。尚、第1のロール量の特定対象となる車輪は、前輪及び後輪のうち少なくとも一方であるが、必ずしも対象車輪と相互に一致しておらずともよい。
ここで、特定された第1のロール量は、車両が走行する路面からの物理的な入力としての路面入力(即ち、上述した路面外乱と等価である)と少なくとも相関する指標であるから、例えば、この特定された第1のロール量に基づいて対象車輪に付与される操舵力を制御(例えば、好適な一形態として実舵角を制御)すること等により、車両の挙動を安定化させる態様の一例として、例えば対象車輪に作用する横力を抑制することが可能となる。
一方、第1のロール量特定手段により特定される第1のロール量は、路面入力と相関する反面、対象車輪の、或いは操舵輪(例えば、対象車輪が後輪である場合の前輪等)の操舵状態とも相関する。即ち、対象車輪又は操舵輪がドライバの操舵操作により操舵された場合、その操舵操作が微視的であるか巨視的であるかは別として、またその操舵操作が実践上与える影響の度合いは別として、車両は幾らかなりロールする。従って、例えばサスペンションのストローク量やロール角等として特定される第1のロール量には、ドライバによりなされた操舵の影響が大なり小なり含まれるのである。
このため、第1のロール量に基づいて例えば上述したような操舵力の制御等を行った場合、路面入力が車両の挙動に与える影響(例えば、路面入力に起因して発生する横力)のみを抑制することは困難であり、必ずしも車両挙動の安定化に有効に寄与しない。或いは、ドライバに与える違和感がドライバビリティの悪化を顕在化させかねない。また、この種の横力の制御に限らず、路面入力に起因する車両の挙動の変化を、第1のロール量に相当する指標値に基づいて、少なくとも実践上有意な効果を得るべく抑制することには実践上の困難が伴い得る。
そこで、本発明に係る第1の車両の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2のロール量特定手段により、ドライバの操舵操作に起因するロール量として、対象車輪の実舵角に対応する第2のロール量が特定される。ここで、第2のロール量は、例えば前輪又は後輪或いは両方の実舵角、車両に固有の物理量及び車両の走行条件等に基づいた(好適な一形態としてこれらをパラメータとする)数値演算等により導出することが可能である。
第2のロール量が特定されると、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第3のロール量特定手段により、第1及び第2のロール量から、路面入力に起因する前輪及び後輪のうち少なくとも一方のロール量が特定される。この際、先に述べたように、第1のロール量は第2のロール量に相当する成分を含んだ値であるから、第3のロール量特定手段は、例えば両者の偏差等に基づいて、係る路面入力に起因する第3のロール量を特定してもよい。尚、第3のロール量もまた「前輪及び後輪のうち少なくとも一方」について特定されるが、ここで言う少なくとも一方とは、対象車輪と相互に一致しておらずともよく、更には第1のロール量に対応する車輪と相互に一致しておらずともよい。即ち、前輪の挙動と後輪の挙動との間には、車両に固有の物理量及び車両の走行条件等に基づいた相互関係が存在し、一方から他方を導出することが可能であって、上述した特定の概念に鑑みれば、各ロール量がいずれの車輪について特定されたところで、少なくともその特定精度において実践上問題となり得る差は生じないのである。
このようにして、少なくともドライバの操舵操作の影響が排除されたことにより路面入力の影響が占める割合が相対的に上昇してなる第3のロール量が特定されると、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る操舵力制御手段が、この第3のロール量に基づいて、対象車輪に対し車両の挙動が安定する方向へ操舵力が付与されるように操舵力付与手段を制御する。尚、この際、第3のロール量に基づいて車両の挙動を安定ならしめるべく操舵力を付与する態様は、この種の操舵力の制御がなされない場合と較べて幾らかなり車両の挙動を安定化させることが可能である限りにおいて限定されない趣旨であり、操舵力付与手段を直接的に(好適な一形態としては、即ち物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的に)制御するものであってもよいし、間接的に(好適な一形態としては、即ち、付与される操舵力と相関する各種操舵入力の制御、設定、変更又は補正等を介して)制御するものであってもよい。
このように、本発明に係る車両の制御装置によれば、ドライバの操舵操作の影響が排除された第3のロール量に基づいて操舵力の制御を行うことにより、路面入力に対し車両の挙動を好適に安定させることが可能となるのである。
本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記第1の特定手段は、前記第1のロール量として前記前輪に対応するロール量を特定する。
この態様によれば、第1のロール量として前輪に対応するロール量が特定される。車両が通常走行している状態において路面入力による挙動の変化を抑制する必要が生じるのは、好適には車両が前進している場合である。また、このように車両が前進走行している場合、路面入力を最も早く検知する可能性が高いのは前輪側のサスペンションである。従って、第1のロール量として前輪に対応するロール量が特定された場合、第3のロール量の特定及びそれに伴う操舵力制御手段の各種制御動作を、このような路面入力が実際に車両をロールさせる或いは対象車輪に横力を発生させる以前に行うことが可能であるか否かは別としても、少なくとも後輪に対応する第1のロール量に基づいてなされる場合と較べて早期に実行することが可能となる。即ち、この態様によれば、路面入力による挙動変化を可及的に速やかに抑制し、車両の挙動を安定させることが可能となるのである。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記特定された第3のロール量から前記対象車輪に作用する横力を特定する横力特定手段を更に具備し、前記操舵力制御手段は、前記特定された横力に基づいて前記操舵力付与手段を制御する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る横力特定手段により、対象車輪に作用する横力が特定され、この特定された横力に基づいて、例えば操舵トルクや実舵角を変化させるための駆動力の付与を伴う形で操舵力付与手段が制御される。従って、路面入力に起因して対象車輪に作用する横力が減じられ、車両挙動の安定化を図ることが可能となる。
横力特定手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記対象車輪に作用する横力を減少させるための前記対象車輪の実舵角の補正量を算出する第1の算出手段を更に具備し、前記操舵力制御手段は、前記算出された実舵角の補正量に基づいて前記操舵力付与手段を制御する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1の算出手段により、対象車輪に作用する横力を減少させるための実舵角の補正量が算出され、操舵力付与手段の制御に供される。即ち、この態様によれば、好適な一形態として、操舵力付与手段は、操舵角を操舵入力とし、実舵角を制御目標(無論、最終的にこれらを導き得る、より上流側の制御量を含む趣旨である)とする、例えばステア・バイ・ワイヤ等の操舵形態を採る。このため、対象車輪に作用する横力を実舵角の制御により効果的に抑制することが可能となる。
横力特定手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記対象車輪は前記前輪であり、前記前輪のキングピン軸回りに作用するトルクを減少させるための操舵トルクの補正量を算出する第2の算出手段を更に具備し、前記操舵力制御手段は、前記算出された操舵トルクの補正量に基づいて前記操舵力付与手段を制御する。
この態様によれば、操舵力付与手段は、入力操舵トルクを操舵入力とし、操舵トルクを制御目標とする、前輪を対象車輪としたEPS等の形態を採る。前輪に作用する横力は、前輪が方向を変える際の回転中心軸であるキングピン軸(実体の有無は限定されず、仮想の軸であってもよい)回りにトルクを作用させる。このキングピン軸回りに作用するトルクを減少させた場合には、上述した実舵角による横力の低減と同様の効果を得ることができる。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2の算出手段により、例えば特定された横力及び横力の作用点からキングピン軸までの距離を規定するキャスタトレールやニューマティックトレール(即ち、一種のモーメントアームである)等に基づいて当該キングピン軸回りに作用するトルクが算出され、更に例えばステアリングギアボックスのギア比等に基づいてこの算出されたトルクが操舵トルクの次元に換算されること等によって、最終的にこのキングピン軸回りに作用するトルクを減少させるための操舵トルクの補正量が算出され、操舵力付与手段の制御に供される。従って、実舵角の制御と同等に、前輪に作用する横力が減じられ、車両挙動を安定化させることが可能となる。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記特定された第3のロール量から第4のロール量として前記路面入力に起因する前記車両のロールに係るロール量を特定する第4のロール量特定手段を更に具備し、前記操舵力制御手段は、前記特定された第4のロール量に基づいて、前記路面入力に起因するロールに伴って発生する操舵入力に応じた前記対象車輪の実舵角の変化が抑制されるように前記操舵力付与手段を制御する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第4のロール量特定手段により、例えば好適な一形態として、サスペンションストローク量やロール角等の第3のロール量、並びに車両に固有の物理量及び車両の走行条件等に基づいた(好適な一形態としてこれらをパラメータとする)数値演算等により、路面入力に起因するロール量(例えば、車両のロール角等)としての第4のロール量が特定される。
一方、車両がロールすると、ドライバの意思とは無関係に、例えばステアリングホイールが操作され、操舵角や入力操舵トルク等、各種操舵入力が発生することがある。この種の操舵入力は、ドライバの意思に沿わない操舵入力である(即ち、第1のロール量特定手段により特定される第1のロール量に含まれる、ドライバの操舵操作に相当する成分には、ドライバの意思に基づいてなされた操舵操作の成分と、ドライバの意思に沿わない操舵操作の成分とが混在している)が、操舵入力である以上対象車輪の実舵角は幾らかなり変化し、例えば、対象車輪に作用する横力等に影響を及ぼす結果、車両の挙動が、その影響の大小は別として少なくとも幾らかなり変化する。
ここで、第2のロール量特定手段により特定される第2のロール量は、対象車輪の実舵角を考慮して導かれるものであり、実舵角の変化がドライバの意思に沿った操舵入力により生じようが、ドライバの意思に沿わない操舵入力により生じようが、その特定精度に少なくとも実践上看過し得ない程度の影響が及ぶことはなく、また対象車輪に作用する横力の特定精度にしても同様であるが、さりとて可及的に抑制されるべき旨の性質を有することは明らかである。それは、この種の操舵入力が、操舵トルクであれ、また操舵角であれ何ら変わりがない。
この態様によれば、操舵力制御手段が、第4のロール量に基づいて、路面入力に起因するロールに伴って発生する操舵入力に応じた実舵角の変化が抑制されるように操舵力付与手段を制御する。その結果、操舵力制御手段の制御形態が如何なるものであろうと、路面入力が実舵角に与える影響は幾らかなり低減され、好適には相殺され、車両に言わば無用なロールが生じる事態が防止されると共に、例えば上述した横力の低減がなされるに際して、操舵力制御手段の物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な負荷を軽減することが可能となる。即ち、この態様によれば、路面入力に起因するドライバの意思に沿わない操舵入力が、この種の操舵入力が実際に車両の挙動変化として現れる以前に抑制され得るため、効率的且つ効果的に車両挙動を安定ならしめる旨の実践上の高い利益が提供される。
第4のロール量特定手段を備えた本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記路面入力に起因するロールに伴って発生する操舵入力を減少させるための該操舵入力の補正量を算出する第3の算出手段を更に具備し、前記操舵力制御手段は、前記算出された操舵入力の補正量に基づいて前記操舵力付与手段を制御する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第3の算出手段により、路面入力に起因するロールの発生に伴って生じる操舵入力を減少させるための補正量が算出され、操舵力付与手段の制御に供される。即ち、この態様によれば、操舵力付与手段の構成に応じて、例えば操舵角、目標舵角、入力操舵トルク又は目標操舵トルク等の形態を採り得る各種操舵入力が補正され、操舵力付与手段が言わば間接的に制御される。このため、操舵力付与手段を制御するに際しての物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な各種の負荷が軽減され、且つこの種の操舵入力に起因する実舵角の変化そのものを生じさせないため、車両の挙動を効果的に安定させることが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照して本発明の車両の制御装置に係る好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10において、本発明に係る車両の制御装置に関連する部分の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、左前輪FL及び右前輪FR(以下、適宜「前輪」と略称する)並びに左後輪RL及び右後輪RR(以下、適宜「後輪」と略称する)を備え、これら前輪及び後輪が後述する4輪バイワイヤ機構200により操舵されることによって所望の方向に進行することが可能に構成されている。即ち、前輪及び後輪は、夫々本発明に係る「対象車輪」の一例である。
図1において、車両10は、ECU100及び4輪バイワイヤ機構200を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の制御装置」の一例である。尚、ECU100は、本発明に係る「第1のロール量特定手段」、「第2のロール量特定手段」、「第3のロール量特定手段」、「操舵力制御手段」、「第4のロール量特定手段」、「横力特定手段」、「第1の算出手段」及び「第2の算出手段」の夫々一例として機能する一体の電子制御ユニットであるが、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成は、これに限定されるものではなく、例えば複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
4輪バイワイヤ機構200は、ECU100によりその駆動状態が制御される、本発明に係る「操舵力付与手段」の一例たる電子制御式舵角制御装置である。4輪バイワイヤ機構200は、ステアリングホイール210、ステアリングシャフト220、反力装置230、操舵角センサ240、前輪用アクチュエータ250、操舵シャフト260、後輪用アクチュエータ270及び操舵シャフト280を備える。
ステアリングホイール210は、ドライバによる操舵入力が可能に構成された物理的な操作手段である。
ステアリングシャフト220は、一端部がステアリングホイール210に連結され、ステアリングホイール210の回転に連動して回転可能に構成された軸体である。ステアリングシャフト220の他端部は、反力装置230に連結されている。
反力装置230は、ステアリングホイール210に加えられる入力操舵トルクに対する反力トルクを生成する装置である。反力装置230からの反力トルクにより、ステアリングホイール210を操作するドライバは、常に適切な操舵感を得ることが可能となっている。
操舵角センサ240は、ステアリングホイール210の操舵量たる操舵角(即ち、本発明に係る「操舵入力」の一例)を検出することが可能に構成されたセンサである。操舵角センサ240は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵角δstは、一定又は不定の周期でECU100により把握される構成となっている。
前輪用アクチュエータ250は、本発明に係る「操舵力付与手段」の一例として機能するように構成された駆動装置である。前輪用アクチュエータ250は、左右の前輪を相互に連結する操舵シャフト260に対し、当該操舵シャフト260を図中左右方向に往復運動させるための駆動力を付与することが可能に構成されている。前輪用アクチュエータ250は、ECU100と電気的に接続されており、操舵シャフト260に対する駆動力の付与状態は、ECU100により制御される構成となっている。
補足すると、操舵シャフト260に対し図中左右方向に駆動力が付与され、操舵シャフト260が左右方向に変位した場合、タイロッド及びナックル等を介して操舵シャフト260に連結された左右の前輪は、夫々同一方向に回頭し前輪が操舵される。即ち、前輪用アクチュエータ250により操舵シャフト260に付与される駆動力は、本発明に係る「操舵力」の一例である。
後輪用アクチュエータ270は、本発明に係る「操舵力付与手段」の他の一例として機能するように構成された駆動装置である。後輪用アクチュエータ270は、左右の後輪を相互に連結する操舵シャフト280に対し、当該操舵シャフト280を図中左右方向に往復運動させるための駆動力を付与することが可能に構成されている。後輪用アクチュエータ270は、ECU100と電気的に接続されており、操舵シャフト280に対する駆動力の付与状態は、ECU100により制御される構成となっている。
補足すると、操舵シャフト280に対し図中左右方向に駆動力が付与され、操舵シャフト280が左右方向に変位した場合、タイロッド及びナックル等を介して操舵シャフト280に連結された左右の後輪は、夫々同一方向に回頭し後輪が操舵される。即ち、後輪用アクチュエータ270により操舵シャフト280に付与される駆動力は、本発明に係る「操舵力」の他の一例である。
尚、このように、本実施形態に係る車両10では、操舵系が、ステアリングホイール210等の操舵入力系と、前輪及び後輪を実際に操舵する操舵駆動系とに物理的に分離され、所謂SBW(Steer By Wire)が実現されている。従って、例えば路面入力に応じて前輪からステアリングホイール210に突き上げ等の物理的な衝撃が逆入力されることはなく、好適な操舵感が実現されている。
一方、図1において、車両10には、前輪及び後輪の操舵に関連する各種のセンサが備わっている。即ち、車両10は、車速センサ11、左前ストロークセンサ12、右前ストロークセンサ13、前輪舵角センサ14及び後輪舵角センサ15を備える。
車速センサ11は、車両10の速度(即ち、車速)Vを検出することが可能に構成されたセンサである。車速センサ11は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100によって一定又は不定の周期毎に把握される構成となっている。
左前ストロークセンサ12は、図示せぬ前輪側サスペンションのうち、左前輪FLに対応するサスペンションスプリングのストローク量(以下、適宜「サスストローク量」と称する)を検出することが可能に構成されたセンサである。左前ストロークセンサ12は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたサスストローク量は、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
右前ストロークセンサ13は、図示せぬ前輪側サスペンションのうち、右前輪FRに対応するサスストローク量を検出することが可能に構成されたセンサである。右前ストロークセンサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたサスストローク量は、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
ここで、ECU100は、これら各ストロークセンサにより検出されるサスストローク量に基づいて、ロール角に換算された前輪ロールストローク量θf−θを算出する。ここで、「θf」とは、左右輪の逆相成分として検出された路面入力に相当するサスストローク量をロール角に換算してなる値であり、「θ」とは、車両10の車体のロール角である。但し、この場合の「路面入力」とは、即ち、真の路面入力のみならず、前後輪の実舵角に応じて生じるロールの成分を含んでいる。
尚、「θf−θ」とは、θfからθを減じる旨の数値演算が行われることを意味するものではなく、サスストロークセンサの出力値が、予め車体のロール角の成分を含まない旨を意味する。従って、このような前輪サスストローク量θf−θが検出値として取得されたところで、この段階では車体のロール角は不明である。尚、前輪サスストローク量θf−θは、本発明に係る「第1のロール量」の一例である。
前輪舵角センサ14は、左前輪FL及び右前輪FRからなる前輪の実舵角(以下、適宜「前輪実舵角」と略称し、本実施形態では、常に等しいとする)δfを検出することが可能に構成されたセンサである。前輪舵角センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出された前輪実舵角δfは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
後輪舵角センサ15は、左後輪RL及び右後輪RRからなる後輪の実舵角(以下、適宜「後輪実舵角」と略称し、本実施形態では、常に等しいとする)δrを検出することが可能に構成されたセンサである。後輪舵角センサ15は、ECU100と電気的に接続されており、検出された後輪実舵角δrは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
尚、4輪バイワイヤ機構200は、検出される前輪実舵角δf及び後輪実舵角δrを制御対象とする舵角制御装置である。即ち、4輪バイワイヤ機構200では、前後輪の実舵角が、操舵入力としての操舵角δstに応じて前輪及び後輪各々について設定される前輪目標舵角δftg及び後輪目標舵角δrtgを制御目標として制御される。この際、前輪目標舵角δftgに対する前輪用アクチュエータ250の制御量の基準値及び後輪目標舵角δrtgに対する後輪用アクチュエータ270の制御量の基準値は、予めROMにマップ化されて格納されており、その都度、ECU100により選択的に取得され制御に供される構成となっている。
<実施形態の動作>
次に、図2を参照し、本実施形態の動作として、車両10における操舵制御について説明する。ここに、図2は、車両10における操舵制御のブロック図である。尚、図2に例示するブロック図は、ECU100が前後輪の実舵角を制御するに際して実行する内部処理の流れを表したものである。
図2において、操舵角センサ240により操舵角δstが検出される(ステップS10)。操舵角δstが検出されると、検出された操舵角δstに基づいて前輪及び後輪の目標舵角が算出される(ステップS11)。ECU100は、算出された前輪目標舵角δftg及び後輪目標舵角δrtgに基づいて、先に述べたように4輪バイワイヤ機構200を制御し、前輪及び後輪各々の実舵角を制御する(ステップS12)。その結果、前輪実舵角δf及び後輪実舵角δrは、夫々目標舵角に収束する。
一方、車両10には、走行中の路面から絶えず路面入力(例えば、路面の凹凸等)が与えられている。この路面入力は、前輪及び後輪のサスペンションスプリングを随時変位させ、左前ストロークセンサ12及び右前ストロークセンサ13のセンサ出力の変化を招く。ECU100は、左前ストロークセンサ12及び右前ストロークセンサ13のセンサ出力に基づいて、先に述べた前輪ロールストローク量θf−θを算出する(ステップS13)。尚、ここでは、前輪ロールストローク量θf−θが、ECU100により算出される構成としたが、左前ストロークセンサ12及び右前ストロークセンサ13が相互に協調して、係る前輪ロールストローク量θf−θに相当する値をセンサ出力としてECU100に出力してもよい。
一方、ステップS11において算出された前輪及び後輪の目標舵角は、時系列上の前後はあれ、前輪及び後輪の実舵角に等しいものとして、操舵ロール角θstの算出に供される(ステップS14)。ここで、操舵ロール角θstとは、ドライバによるドライバの意思に基づいた操舵入力に対応する実舵角の制御により生じる車両10の車体のロール角であり、本発明に係る「第2のロール量」の一例である。
ここで、操舵ロール角θstは、前輪実舵角δf及び後輪実舵角δrの関数として、下記(1)式により導かれる。尚、これ以降、各種数式の説明においては、適宜「MATmn」なる表現を使用することとする。MATとはマトリクス、即ち行列であり、付帯するmnなる記号は、左から順に行数及び列数を表す。即ち、MATmnとはm行n列の行列を意味する。同様に、MATmn−1は、m行n列の逆行列を表す。また、これ以降の説明において、行列を構成する成分を適宜「Zmn」と表現する。例えば、Z11とは1行1列目の値であり、Z21は2行1列目の値を指す。
θst=f・MAT21(01)・・・(1)
上記(1)式において、2行1列の行列MAT21(01)(尚、「01」は通し番号で付与される識別子である)の各行列成分は、上述した各成分の表記規則に従って、下記(2)式及び(3)式にて表される。
Z11=δ・・・(2)
Z21=δ・・・(3)
一方、上記(1)式において、fは、下記(4)式により表される。尚、これ以降の説明においては、各式中の項を適宜「CNST(**)」と表現することとする。尚「**」は通し番号で付与される識別子である。
f=CNST(01)・MAT12(02)・・・(4)
上記(4)式において、CNST(01)は、下記(5)式により表される。
CNST(01)=H/(I+(C+C)s+(K+K))・・・(5)
ここで、Hは車両10の重心高であり、Iはロール慣性モーメントであり、sはラプラス演算子であり、Cはフロントロール減衰係数であり、Cはリアロール減衰係数であり、Kはフロントロール剛性係数であり、Kはリアロール剛性係数である。ラプラス演算子sを除く各物性値は、予めROMに参照可能に格納されている。
また、上記(4)式において、MAT12(02)は、下記(6)式により表される。
MAT12(02)=MAT12(03)+MAT12(04)・MAT22−1(05)・MAT22(06)・・・(6)
上記(6)式において、MAT12(03)の各行列成分は、下記(7)式及び(8)式にて表される。
Z11=P/(1+τs)・・・(7)
Z12=P/(1+τs)・・・(8)
ここで、Pは、フロント側等価コーナーリングパワーであり、τは、フロント側の時定数であり、Pはリア側等価コーナーリングパワーであり、τは、リア側の時定数である。これら各物性値は、予めROMに参照可能に格納されている。
また、上記(6)式において、MAT12(04)の各行列成分は、下記(9)式及び(10)式にて表される。
Z11=−1/V(P/(1+τs)+P/(1+τs))・・・(9)
Z12=−1/V(L・P/(1+τs)−L・P/(1+τs))・・・(10)
ここで、Vは、車速センサ11により検出された車両10の車速であり、Lは車両10の重心からフロントアクスルまでの距離であり、Lは車両10の重心からリアアクスルまでの距離である。L及びLの値は、予めROMに参照可能に格納されている。
また、上記(6)式において、MAT22−1(05)の各行列成分は、下記(11)式、(12)式、(13)式及び(14)式にて表される。
Z11=m・s+1/V(P/(1+τs)+P/(1+τs))・・・(11)
Z12=m・V+1/V(L・P/(1+τs)−L・P/(1τs))・・・(12)
Z21=1/V・(L・P/(1+τs)−L・P/(1+τs))・・・(13)
Z22=1/V(L ・P/(1+τs)+L ・P/(1+τs))・・・(14)
ここで、mは車両10の質量である。質量mの値は、予めROMに参照可能に格納されている。
また、上記(6)式において、MAT22(06)の各行列成分は、下記(15)式、(16)式、(17)式及び(18)式にて表される。
Z11=P/(1+τs)・・・(15)
Z12=P/(1+τs)・・・(16)
Z21=L・P/(1+τs)・・・(17)
Z22=−L・P/(1+τs)・・・(18)
操舵ロール角δstが算出されると、ステップS13に係る処理で得られた前輪ロールストローク量θf−θより、この算出された操舵ロール角δstが減算される(ステップS15)。既に述べたように前輪ロールストローク量θf−θには、ステアリングホイール210を介して与えられた操舵入力に起因して生じるロールの成分が含まれており、操舵ロール角δstが減じられることにより、この種のロールの成分を除外することが可能となる。尚、これ以降、この減算処理の結果得られた指標値を適宜「路面入力前輪ロールストローク量θf−θ−θst」と称する。
路面入力前輪ロールストローク量θf−θ−θstを算出すると、ECU100は、下記(19)式に従って、車体ロール角θ(即ち、車体ロール角θとは、路面入力によって生じる車体のロール角である)を算出する(ステップS18)。車体ロール角θは、本発明に係る「第4のロール量」の一例である。
θ=g・(θf−θ−θst)・・・(19)
ここで、周波数領域の関数gは、下記(20)式に従って算出される。
g=((Cs+K)+(Cs+K)・e−τs)/I+(1−e−τs)・(Cs+K)・・・(20)
ここで、車両10がロールすると、そのロール動作自体がドライバの意思とは無関係にステアリングホイール210を介した操舵入力を発生させる。そこで、車体ロール角θを算出すると、ECU100は、下記(21)式に従ってロール操舵角δrlを算出する(ステップS17)。ここで、ロール操舵角δrlとは、車両10の車体がロールすることによって生じる、ドライバの意思に沿わない操舵入力としての操舵角である。
δrl=−k・θ・・・(21)
ここで、周波数領域の関数−kは、下記(22)式に従って算出される。
−k=(1+α)・(Cs+K)・I−I・(I+Cs+Ks)/I+(1+α)・(Cs+K)+Cs+K)/(I+Cs+K)・・・(22)
ここで、Cはドライバの腕の減衰係数であり、Kはドライバの腕の剛性(ばね)係数であり、Iは乗員の慣性モーメントであり、Iはステアリング系の慣性モーメントであり、Cはシートの減衰係数であり、Kはシートの剛性(ばね)係数であり、Cはステアリング系の減衰係数であり、Kはステアリング系の剛性(ばね)係数であり、αはニュートラル付近のEPSアシスト係数である。これらの値は、全て参照可能な値としてROMに格納されている。
ロール操舵角δrlが算出されると、操舵角センサ240により検出された操舵角δstから、このロール操舵角δrlが減算される(ステップS18)。即ち、先に述べたステップS11に係る前輪目標操舵角δftg及び後輪目標操舵角δrtgの算出に際しては、車両10のロールの影響が予め排除される。定性的に言えば、路面入力に起因する車両10のロールに伴いドライバの意思に沿わない操舵入力が生じたとしても、この種の操舵入力は無視され、ドライバが自分の意思に基づいて行った操舵入力のみが目標操舵角の算出に供されるのである。ロール操舵角δrlは、本発明に係る「操舵入力の補正量」の一例である。
一方、ステップS15に係る処理で得られた路面入力前輪ロールストローク量θf−θ−θstは、前輪及び後輪に作用する横力の算出にも供される。即ち、ECU100は、この路面入力前輪ロールストローク量θf−θ−θstに基づいて前輪横力Ffを算出し(ステップS19)、また後輪横力Frを算出する(ステップS21)。この際、ECU100は、下記(23)式に従って前輪横力Ffを算出し、下記(24)式に従って後輪横力Frを算出する。
Ff=P/(1+τs)・(−Hs/V・g−(α+hs/V))・(θf−θ−θst)・・・(23)
Fr=Pr/(1+τs)・(−Hs/V・g−(αr+hs/V)・h)・(θf−θ−θst)・・・(24)
ここで更に、上記(24)式における周波数領域の関数hは、下記(25)式に従って算出される。
h=I−τs+(e−τs−1)・(Cs+K)/(I+(1−e−τs)・(Cs+K))・・・(25)
尚、本実施形態では、サスストローク量が前輪についてのみ検出され(即ち、本発明に係る「前輪及び後輪のうち少なくとも一方」の一例)、後輪のサスストローク量は、関数hにより数値演算の結果として推定されるが、前輪に加えて後輪に対応するサスストローク量がセンサにより検出される構成としても同様の結果を得ることができる。或いは、後輪のサスストローク量のみが検出される構成としても、同様の結果を得ることができる。但し、前輪側のサスペンションは、車両10において路面入力に対して時系列上最も早く応答する要素に属するから、路面入力に対する車両挙動の安定化に供すべき指標としては、前輪のサスストローク量がより望ましい。
前輪横力Ff及び後輪横力Frが算出されると、ECU100は、前輪横力Ffに基づいて前輪補正舵角δfadjを算出し(ステップS20)、後輪横力Frに基づいて後輪補正舵角δradjを算出する(ステップS22)。尚、ステップS20に係る処理は下記(26)式に従って、またステップS22に係る処理は下記(27)式に従って夫々実行される。
δfadj=Ff・(1+τs)/Pf・・・(26)
δradj=Fr・(1+τs)/Pr・・・(27)
前輪及び後輪各々について補正舵角が算出されると、ECU100は、当該各々に基づいて、目標舵角の補正処理を実行する。即ち、前輪目標舵角δftgから前輪補正舵角δfadjを減算し(ステップS23)、また後輪目標舵角δrtgから後輪補正舵角δradjを減算する(ステップS24)。前輪及び後輪について、路面入力に起因して生じる横力を相殺(即ち、本発明に係る「減少させる」一例)すべく目標舵角が補正されることにより、ステップS12に係る操舵制御により実現される前輪及び後輪の実舵角が補正され、前輪及び後輪の各々について、横力の発生が抑制される。或いは発生した横力がキャンセルされる。即ち、前輪補正舵角δfadj及び後輪補正舵角δradjは、夫々本発明に係る「対象車輪の実舵角の補正量」の一例である。
以上、説明したように、本実施形態に係る車両10によれば、ドライバの意思に基づいて操舵入力の影響を除外してなる言わば真の路面入力(路面外乱)に起因して対象車輪(本実施形態では前後輪)に作用する横力が、実舵角の補正により好適に抑制されると共に、当該真の路面入力に起因する車体のロールが招くドライバの意思に沿わない操舵入力が実舵角に与える影響が操舵入力としての操舵角の補正によって、この種の実舵角への影響が顕在化する以前に除外される。従って、本実施形態によれば、路面入力に起因して対象車輪に作用する横力の発生自体を抑制しつつ、且つ発生した横力を好適に抑制することが可能となり、路面入力に対し車両の挙動を好適に安定化することが可能となるのである。
<第2実施形態>
第1実施形態では、前輪及び後輪の舵角が制御されたが、本発明に係る車両挙動の安定化は、他の操舵形態の下でも好適に図られる。このような趣旨に基づいた本発明の第2実施形態について説明する。始めに、図3を参照し、本発明の第2実施形態に係る車両20の構成について説明する。ここに、図3は、車両20において、本発明に係る車両の制御装置に関連する部分の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、車両20は、後輪のみがバイワイヤ化されており、前輪側の操舵は、EPS300により制御される構成となっている。
EPS300は、トルクセンサ310、アシストモータ320、及びラックアンドピニオン機構330を備え、ドライバがステアリングホイール210を介して与える操舵入力(入力操舵トルク)をアシストモータ320からのアシストトルクの付与により適宜にアシストすることが可能に構成された操舵装置である。尚、本実施形態において、EPS300は、本発明に係る「操舵力付与手段」としては機能しない。即ち、前輪は単なる通常の操舵輪であり、所謂アクティブステア制御に供されることはない。
トルクセンサ310は、ステアリングホイール11の操作を介してステアリングシャフト220に加えられる入力操舵トルクMTを検出することが可能に構成されたセンサである。トルクセンサ310は、ECU100と電気的に接続されており、検出された入力操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
アシストモータ320は、ドライバの操作負担を軽減するアシストトルクを発生させると共に、不図示の減速ギアを介してステアリングシャフト220に当該アシストトルクを付与することが可能に構成されている。アシストモータ320は、例えばインバータ等を含む不図示のモータ制御系を介してECU100と電気的に接続されており、その動作状態がECU100により制御される構成となっている。
ラックアンドピニオン機構330は、車両左右方向に伸長するラックバー332及び当該ラックバーに噛合するピニオンギア331を備えた操舵力(ここでは、本発明に係る「操舵力」とは趣旨が異なる)の伝達機構である。ピニオンギア331の回転運動は、ラックバー332の往復運動に変換され、更にタイロッド(符号省略)を介してラックバー332に連結される前輪FL及びFRの操舵運動に変換される構成となっている。
ここで、このピニオンギア331は、ステアリングシャフト220の一端部に連結されており、ステアリングホイール210を介して操舵入力が与えられた場合、ステアリングシャフト220の回転に伴いこのピニオンギア331も回転し、ラックバー332の往復運動を介して操舵が実現される。この際、ステアリングシャフト220にアシストモータ320からアシストトルクが付与されているため、ドライバの操舵負担が軽減されるのである。
尚、本実施形態では、操舵力の伝達機構としてラックアンドピニオン機構が採用されているが、この種の伝達機構は何ら限定されることはなく、例えばボールナット式等、他の方式の伝達機構が採用されていても構わない。また、アシストモータ320から出力されるアシストトルクは、必ずしもステアリングシャフト220に付与されずともよく、例えば、ラックアンドピニオン機構330におけるピニオンギア331に、当該ピニオンギアの回転をアシストすべく付与されてもよいし、ラックバー332に当該ラックバー332の往復運動をアシストすべく付与されてもよい。
次に、図4を参照し、本実施形態の動作として、車両20における操舵制御について説明する。ここに、図4は、車両20における操舵制御のブロック図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、ECU100は、トルクセンサ310から、ドライバの操舵入力により生じた入力操舵トルクMTを取得する(ステップS101)。入力操舵トルクMTを取得すると、ECU100は、当該入力操舵トルクMTをアシストすべくアシストモータ320から出力すべきアシストトルクMTastの値を決定する(ステップS102)。アシストトルクの値は、予め入力操舵トルクMTに対応付けられてマップ化されROMに格納されてなるアシストトルクマップに基づいて決定される。尚、「算出する」とは、このように数値演算を伴わない選択動作も含む趣旨である。
アシストトルクMTastの値が決定されると、ECU100は、操舵制御を実行する(ステップS104)。この際、当該操舵制御により出力される操舵力は、ステップS103に係る処理で得られる、入力操舵トルクMTとアシストトルクMTastとを合算してなる操舵トルクMTfとなる。
一方、後輪についてみれば、操舵制御は第1実施形態と同様であり、操舵角に応じた目標舵角δrtgが得られるように後輪用アクチュエータ270が制御され、後輪の実舵角δrが制御される。
前輪は、EPS300によりその操舵状態が制御される。即ち、アシストモータ320からステップS102に係る処理で算出されたアシストトルクが出力され、入力操舵トルクMTがアシストされる。先に述べたように、ステップS103に係る処理で得られる、この入力操舵トルクMTとアシストトルクMTastとを合算してなる操舵トルクMTfが、ステアリングシャフト220を回転させる駆動力、即ち、本発明に係る「操舵力」の一例となる。その結果、前輪の実舵角δfが変化する。このように、第2実施形態において、前輪側は制御対象が操舵トルクであり、実舵角δfの値は、前輪舵角センサ14により検出されてはいても、操舵制御の制御対象として扱われない。
一方、ステップS16に係る処理で路面入力に起因する車体ロール角θが算出されると、ECU100は、この車体ロール角θに基づいて後輪ロール舵角δrrlを算出する(ステップS105)。ここで、後輪ロール舵角δrrlは、路面入力に起因する車両10のロールに伴い発生する、ドライバの意思に沿わない操舵入力としての操舵角を、後輪の実舵角に換算してなる値であり、第1実施形態に係るロール操舵角δrlと同様に、本発明に係る「操舵入力の補正量」の一例である。
ステップS105に係る処理は、第1実施形態のステップS17に係るロール操舵角δrlの算出過程に、更に操舵角から実舵角への換算処理を加えた処理となっている。後輪ロール舵角δrrlが算出されると、ステップS11に係る処理で算出された目標舵角δrtgからこの後輪ロール舵角δrrlが加算される(ステップS110)。
他方、ステップS19及びステップS21に係る処理で算出された、前輪横力Ff及び後輪横力Frは、夫々一旦モーメントの次元に換算される。即ち、ECU100は、下記(28)式に従って前輪側モーメントMfを算出し(ステップS106)、同様に下記(29)式に従って後輪側モーメントMrを算出する(ステップS107)。
Mf=Lf・Ff・・・(28)
Mr=Lr・Fr・・・(29)
前輪側及び後輪側夫々のモーメントが算出されると、ECU100はその偏差を算出する(ステップS107)。偏差が計算されると、ECU100は、この偏差に基づいて後輪補正舵角δradjを算出する(ステップS109)。ここで、後輪補正舵角δradjは、下記(30)式に従って算出される。
δradj=(1+τs)/P/L・(Mr−Mf)・・・(30)
即ち、ステップS109に係る処理では、モーメントが再び横力の次元に再換算され、第1実施形態と同様に後輪補正舵角が算出される。算出された後輪補正舵角δradjは、ステップS110に係る処理において、後輪目標舵角δrtgに加算される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、路面入力に起因する車両20のロールに伴う、ドライバの意思に沿わない操舵入力は、後輪実舵角δrの補正によりキャンセルされ、無用な横力の発生が防止されて、車両の挙動変化が抑制される。
ここで、ステップS108乃至ステップS110に係る処理から明らかなように、本実施形態では、車両20にヨー方向のモーメントが生じないように後輪の舵角が補正される。即ち、前輪側の舵角補正がなされないために、車両20が横力の方向へ平行移動(横滑り)する現象については許可されており、車両20の回転運動のみが好適に防止されている。回転運動は横滑りに対してより防止すべき挙動変化であり、このように車両の回転運動が防止されることによっても、路面入力に対する挙動安定性は十分に担保される。
<第3実施形態>
第1及び第2実施形態では、前輪側及び後輪側に備わる又は後輪側のみに備わるアクチュエータによる駆動力が、本発明に係る「操舵力」として利用されたが、本発明に係る「操舵力」の採り得る構成は、これに限定されない。ここで、そのような趣旨に基づいた、本発明の第3実施形態について説明する。始めに、図5を参照し、本発明の第3実施形態に係る車両30の構成について説明する。ここに、図5は、車両30において、本発明に係る車両の制御装置に関連する部分の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図5を見れば明らかなように、車両30は、後輪操舵の機能を有しておらず、前輪のみが本発明に係る「対象車輪」の一例となっている。前輪は、第2実施形態と同様に、EPS300によって操舵状態が制御される。但し、本実施形態においては、EPS300がラックバー332を駆動する前輪操舵用の操舵トルクMTf(即ち、入力操舵トルクMTにアシストトルクMTastを付与してなるトルク)が、本発明に係る「駆動力」の一例として機能する。
次に、図6を参照し、本実施形態の動作として、車両30における操舵制御について説明する。ここに、図6は、車両30における操舵制御のブロック図である。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、ドライバの操舵入力により生じる入力操舵トルクMTは、先に述べたステップS102に係る処理で算出されるアシストトルクMTastと合算され(ステップS103)、先に述べた操舵トルクMTfとして、操舵制御に供される(ステップS201)。その結果、操舵トルクMTfに相当するラックバー332の移動量に応じて、前輪の舵角が変化し、操舵が実現される。
一方、ステップS22に係る処理において、車体ロール角θが算出されると、ECU100は、ロール操舵トルクMTrlを算出する(ステップS202)。ロール操舵トルクMTrlとは、第1或いは第2実施形態における、操舵角或いは実舵角の補正量と同様に、路面入力に起因する車両30のロールに伴う、ドライバの意思に沿わない操舵入力を相殺するための操舵トルクであり、本発明に係る「操舵入力の補正量」の他の一例である。
尚、補足すると、本実施形態では、後輪は操舵対象ではないため、後輪実舵角δrはゼロである。従って、第1実施形態において説明した上記(3)式に係る行列成分Z21はゼロである。ステップS14に係る処理では、後輪舵角がゼロであるとして操舵ロール角θstが算出される。
ロール操舵トルクMTrlが算出されると、このロール操舵トルクMTrlがステップS101に係る処理で入力される入力操舵トルクMTから減算処理される(ステップS203)。即ち、本実施形態によれば、車両30にロールが生じることによるドライバの意思に沿わない操舵トルクは、アシストトルクMTastの算出に供されることはなく、前輪がドライバの意思と無関係に操舵されることによる車両挙動の変化が、そのような車両挙動の変化が生じる以前に抑制される。
他方、ステップS19に係る処理において、前輪横力Ffが算出されると、この前輪横力Ffに基づいて補正操舵トルクMTadjが算出される(ステップS204)。この補正操舵トルクは、下記(31)式に従って算出される。
MTadj=F・(CT+NMT)/ρ・・・(31)
ここで、CT及びNMTは、夫々前輪におけるキャスタトレール及びニューマティックトレールであり、予めROMに固定値として格納されている。また、ρは、ラックアンドピニオン機構300におけるピニオンギア331のギア比であり、予めROMに固定値として格納されている。即ち、上記(31)式により算出される補正操舵トルクMTadjは、本発明に係る「操舵トルクの補正量」の一例であり、ステアリングシャフト220のトルクに換算された前輪のキングピン軸回りに作用するトルクと等価な値である。このように、本実施形態では、ECU100が更に、本発明に係る「第2の算出手段」の一例として機能する。
この算出された補正操舵トルクMTadjは、ステップS103に係る処理において、操舵トルクMTfから減じられる。即ち、操舵トルクの補正が実現される。ステップS201に係る操舵制御においては、この補正を経た操舵トルクに基づいて操舵制御がなされる。従って、路面入力に起因して前輪に作用する横力に応じて前輪のキングピン軸回りに作用するトルクは抑制され(好適には相殺され)、路面入力に対する車両挙動の変化が抑制される。尚、EPS300において、操舵トルクMTfの調整は、いずれにせよアシストモータ320の出力制御によりなされる。従って、ステップS103に係る操舵トルクMTfの補正は、アシストモータ320から出力されるアシストトルクMTastの補正により実現される。
以上説明したように、本実施形態に係る車両30によれば、第1及び第2実施形態において例示したように実舵角を直接制御対象とせずとも、EPS300の操舵トルク制御により、路面入力に対し車両挙動の安定化を好適に図ることが可能となる。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1の車両における操舵制御のブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図3の車両における操舵制御のブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図5の車両における操舵制御のブロック図である。
符号の説明
FL、FR・・・前輪、RL、RR…後輪、10…車両、11…車速センサ、12…左前サスストロークセンサ、13…右前サスストロークセンサ、14…前輪舵角センサ、15…後輪舵角センサ、20…車両、30…車両、100…ECU、200…4輪バイワイヤ機構、210…ステアリングホイール、220…ステアリングシャフト、230…反力装置、240…操舵角センサ、250…前輪用アクチュエータ、260…操舵シャフト、270…後輪用アクチュエータ、280…操舵シャフト、300…EPS、310…トルクセンサ、320…アシストモータ、330…ラックアンドピニオン機構、331…ピニオンギア、332…ラックバー。

Claims (7)

  1. 前輪及び後輪のうち少なくとも一方を含む対象車輪に対し操舵力を付与可能な操舵力付与手段を備えてなる車両の制御装置であって、
    前記前輪及び前記後輪のうち少なくとも一方に対応する第1のロール量を特定する第1のロール量特定手段と、
    前記対象車輪の実舵角に対応する第2のロール量を特定する第2のロール量特定手段と、
    前記特定された第1及び第2のロール量から、第3のロール量として、路面入力に起因する、前記前輪及び前記後輪のうち少なくとも一方のロール量を特定する第3のロール量特定手段と、
    前記特定された第3のロール量に基づいて、前記対象車輪に対し、前記車両の挙動が安定する方向へ前記操舵力が付与されるように前記操舵力付与手段を制御する操舵力制御手段と
    を具備することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記第1の特定手段は、前記第1のロール量として前記前輪に対応するロール量を特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記特定された第3のロール量から前記対象車輪に作用する横力を特定する横力特定手段を更に具備し、
    前記操舵力制御手段は、前記特定された横力に基づいて前記操舵力付与手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記対象車輪に作用する横力を減少させるための前記対象車輪の実舵角の補正量を算出する第1の算出手段を更に具備し、
    前記操舵力制御手段は、前記算出された実舵角の補正量に基づいて前記操舵力付与手段を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記対象車輪は前記前輪であり、
    前記前輪のキングピン軸回りに作用するトルクを減少させるための操舵トルクの補正量を算出する第2の算出手段を更に具備し、
    前記操舵力制御手段は、前記算出された操舵トルクの補正量に基づいて前記操舵力付与手段を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
  6. 前記特定された第3のロール量から第4のロール量として前記路面入力に起因する前記車両のロールに係るロール量を特定する第4のロール量特定手段を更に具備し、
    前記操舵力制御手段は、前記特定された第4のロール量に基づいて、前記路面入力に起因するロールに伴って発生する操舵入力に応じた前記対象車輪の実舵角の変化が抑制されるように前記操舵力付与手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  7. 前記路面入力に起因するロールに伴って発生する操舵入力を減少させるための該操舵入力の補正量を算出する第3の算出手段を更に具備し、
    前記操舵力制御手段は、前記算出された操舵入力の補正量に基づいて前記操舵力付与手段を制御する
    ことを特徴とする請求項6に記載の車両の制御装置。
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