JP5075898B2 - 警報器 - Google Patents

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Description

本発明は、自ら異常を検知したとき、あるいは外部から異常信号を受信したときに、警報を鳴動させる警報器の改良に関する。
一般に、警報器が出力する警報音量は下限値のみが規定されている場合が多い。具体例を挙げると、火災警報器の警報音量は、NS規定値として約70dB以上が要求されているが、実際の製品は、その規定値を上回るように、例えば、本体から1メートル離れた地点で80dB以上となるように設定されている。しかしながら、警報音量の上限については特に規定はない。
しかしながら、電源電池の長寿命化、あるいは動作保証の観点で、警報音量を制御することも求められている。また、仕向地によっては、警報音量の下限、上限が規定されている場合もある。
警報音量を制御する従来技術の例としては、例えば、次の特許文献1には、警報器内部又は外部周辺近傍の温度を測定して、その温度に応じた音量設定をし、異常発生による警報の発報が指示されると、設定された音量の音声による警報を出力する構成が開示されている。具体的には、警報音量の制御は、音量の異なる2以上の音声データを用意しておき、それらの中から設定された音量となる音声データを適宜選択する、あるいは、音声データは共通として警報出力の際の増幅率を切り換える等によってなされる。
特開2009-205593号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、警報音声の音量を調節するための仕組みが複雑、例えば、複数の音声データを準備しておくためのメモリが必要、あるいは、増幅率を自由に調節できる出力部が必要等なため、コスト高になるという問題があった。そこで本発明は、簡単な仕組みで部品点数を少なくして警報音量を調節できるようにした警報器を提供することを目的とする。
本発明による警報器は、指令信号を受け付けると、警報信号を生成する信号生成部と、スピーカを有し、前記警報信号を前記スピーカから出力させる出力部と、前記警報信号の周波数を予め設定する設定部とを備え、前記出力部は、3kHz〜4kHzの周波数域において単調増加する周波数特性を有したスピーカを備えることによって、前記警報信号の周波数に応じて前記スピーカの音量が変わる構成であり、前記信号生成部は、前記設定部で調節された周波数の警報信号を生成することによって、前記スピーカの音量が目標値に設定されている。
本発明では、設定部で警報信号の周波数を設定変更することによって、出力部が警報信号の周波数に応じてスピーカの音量を変える周波数特性を有していることから、周波数を変更すれば警報音量の調節ができるようになっている。このようにすれば、警報音量を調節するために、出力部の増幅率を変化させる仕組みが不要なので、仕組みが簡単であり、コストも抑えられる。特に、警報信号をパルス信号として、マイコン等から出力させる場合には、警報信号の周波数の調節がプログラム処理で簡単に行える。また、警報音量の下限、上限が規定されている場合でも、その規定に対応した製品を安価に得ることができる。
特に、信号生成部で、3kHz〜4kHzの周波数域の警報信号を生成し、出力部が有する周波数特性を、その周波数域で単調となる構成にすれば、周波数と警報音量との関係が単純なため、調整がより簡単にできる。
は、実施例の基本的なブロック図である。 は、実施例の全体的な斜視図である。 は、スピーカの周波数特性の一例である。 (a)は警報信号の基本波形図、(b)は警報信号の周波数を高く調節した例、(c)は警報信号の周波数を低く調節した例である。 (a)、(b)は、警報器の複数サンプルにおける警報音量、周波数のバラツキ具合を示した分布図で、(a)の調節前の分布状態、(b)は調節後の分布状態である。
以下、住宅用の火災警報器を実施例として、図に従って具体的に説明する。この警報器は、住宅の天井面あるいは壁面に取り付けて使用され、火災要因として空気中の煙濃度を監視して火災発生と判断すると、火災警報として特定周波数のブザー音等を出力するものである。また、外部センサ、あるいは他の火災警報器等から異常信号を受信した場合も、同様に警報を出力する機能を有している。
図1は、実施例の基本的なブロック図で、警報器1は、基本的な構成要素として、煙濃度を検知する検知部11と、外部の機器から異常信号を受信する受信部12と、警報信号の周波数を予め設定する設定部13と、スピーカ16から出力すべき警報信号を生成する信号生成部14と、その警報信号を増幅してスピーカ16から出力させる出力部15と、各部を制御する制御手段17とを備える。更に、警報の停止操作を受け付ける操作部や、装置の状態を示す作動ランプ等を備えてもよい。この警報器1は、源原電池で作動するものに限られず、商用電源を整流降圧した電源によって作動するものであってもよい。
図2は、実施例の外観を示した斜視図であって、警報器1は、検知部11を突設させた本体部1aに、スピーカ16を収容した鳴動部1bを連設した構造になっている。検知部11は通気孔1cを設けた保護カバーで覆われており、鳴動部1bには通音孔1dが形成されている。
検知部11の具体的な構成は特に制限されない。例えば、光電方式で煙粒子を検出するものでもよい。具体的には、遮光しつつ空気の流通を許容するラビリンス壁で囲まれた検知空間内に、発光ダイオード等で構成した発光部と、ホトダイオード等で構成した受光部とを適宜配置し、発光部から照射された光が煙粒子によって反射された反射光を受光部で光電変換して、検知信号として出力するようにしてもよい。
受信部12の具体的な構成も特に制限されない。例えば、単純に、他の機器から異常信号として接点信号を受け付ける構成としてもよいし、無線通信によって異常信号を受け付けるような構成としてもよい。
検知部11が出力する検知信号、受信部12が受信する異常信号は、発報指令信号として、信号生成部14に伝送される。
信号生成部14は、例えば、警報信号として、所望の周波数のパルス信号を生成する発振回路等で構成され、設定部13で設定された周波数の信号を生成する。ここで生成するパルス信号は、例えば3kHz〜4kHzの周波数域であることが望ましい。この周波数域は、一般の人が聞き取りやすい帯域である。特に老人には、4kHz以上の周波数域を聞き取り難くなる傾向がある。
設定部13は、半固定抵抗、あるいはディップスイッチ等で構成され、電源の有無に関わらず、周波数の設定値が保持されるようになっている。なお、アップ、ダウンキー等によって周波数を設定し、その値を不揮発性のメモリ素子に記憶するようにしてもよい。
出力部15は、例えばオペアンプ等の増幅回路で構成され、信号生成部14が出力した警報信号を所定の増幅率で増幅して、スピーカ16から出力させるが、本発明の特徴として、出力部15は、警報信号の周波数に応じてスピーカ16の音量が変わる周波数特性を有する。なお、増幅回路の増幅率は一定であってもよい。
スピーカ16は、一般的なコーン紙を有したもの、あるいは圧電式のもの等で構成されるが、本発明では、特に警報信号の周波数域で単調(単調増加または単調減少)な周波数特性を有するものを使用する。なお、スピーカ16の周波数特性は、振動板の質量、径等によって物理的に定まるので、条件にあう機種を選択すればよい。
制御手段17は、例えば、マイコン等で構成してもよい。その場合は、所定のタイミングで設定部13を参照して周波数の設定値を読み取り、その値に従って、信号生成部14に、警報信号の周波数を設定する。
図3は、スピーカ16の周波数特性の一例を示したものである。この例では、警報信号の周波数域は、3kHz〜4kHzに設定されており、その帯域でスピーカの周波数特性は単調増加型になっている。従って、警報信号の振幅が等しい場合、周波数を高く調節すれば、警報音量は上がり、周波数をより低く調節すれば、警報音量は下がる。なお、実際の調節作業は、例えば警報音量が目標値に近い値となるように、製品毎に、スピーカ16から警報を出力させ、その音量を測定器によって測定しながら、警報信号の周波数を調節する。
図4(a)〜図4(c)は、図3のスピーカ16に対応した音量調節の例を示した波形図で、(a)は、3848Hzの警報信号の基本波形である。(b)では音量を上げるために、警報信号の周波数を高くしており、(c)では音量を下げるために、警報信号の周波数を低くしている。
図5(a)、図5(b)は、警報器1の複数サンプルにおける警報音量、周波数のバラツキ具合を、本発明による音量調節の前後で示した分布図で、(a)の調節前の分布状態では、音量のバラツキは大きく、周波数は3848Hzを中心にバラツキが小さいのに対して、(b)の調節後の分布状態では、音量は84dBを中心にバラツキが小さくなり、周波数のバラツキは大きくなっている。
なお、近時、安価な汎用マイコンでも、タイマ、プログラマブルI/O(インプット・アウトプット)等をワンチップに集積したものが多数市販されている。そのようなマイコンでは、信号生成部14と、制御手段17とを簡単に構成できる。
具体的には、検知部11、受信部12、設定部13、および出力部15を、マイコンのI/Oポートに接続し、その中でI/Oポートの中、検知部11、受信部12、設定部13に接続したものは入力モードに、出力部15に接続したものは出力モードに設定する。そして、タイマによって周期的に検知タイミングを発生させ、そのタイミングに従って検知部11、受信部12に接続したI/Oポートを参照し、発報指令信号が入力されていれば、発報動作を開始する。発報動作では、タイマによって、警報信号の立ち上がり、立ち下がりのタイミングを発生させ、そのタイミングに従って、出力部15に接続したI/Oポートを駆動して、警報信号を出力させる。また、同時に、タイマによって周期的に設定部13の参照タイミングを発生させ、そのタイミングに従って、設定部13を参照し、読み取った設定値に従って、警報信号のパルス波の立ち上がり、立ち下がりのタイミングを調節する。
このように、本発明は、警報音量を、警報信号の周波数を変えて調節しているので、出力部15の増幅率を変化させるための仕組みが不要である。従って、仕組みが簡単で、部品点数が削減でき、コストも抑えられる。特に、警報信号をパルス信号として、マイコン等から出力させる場合には、周波数の変更がプログラム処理で簡単に行える。また、警報音量の下限、上限が規定されている場合でも、その規定に対応した製品を安価に得ることができる。
特に、信号生成部14で、3kHz〜4kHzの周波数域の警報信号を生成し、出力部15はその周波数域において単調な周波数特性を有する構成とすれば、周波数と警報音量との関係が単純であるため、調整作業が容易になる。
他の実施例として、設定部13では、警報信号のパルス波形(ハイレベルとローレベルとの比率)を予め設定し、信号生成部14は、設定部13で設定されたパルス波形の警報信号を生成して、スピーカ16の音量を調節する構成としてもよい。この場合、出力部15は、警報信号の波形に応じてスピーカ16の音量が変わる特性を有するようにする。このようにしても、上記と同様の効果が得られる。
1 警報器
13 設定部
14 信号生成部
15 出力部
16 スピーカ

Claims (1)

  1. 指令信号を受け付けると、警報信号を生成する信号生成部と、
    スピーカを有し、前記警報信号を前記スピーカから出力させる出力部と、
    前記警報信号の周波数を予め設定する設定部とを備え、
    前記出力部は、3kHz〜4kHzの周波数域において単調増加する周波数特性を有したスピーカを備えることによって、前記警報信号の周波数に応じて前記スピーカの音量が変わる構成であり
    前記信号生成部は、前記設定部で調節された周波数の警報信号を生成することによって、前記スピーカの音量が目標値に設定されている警報器。
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