JP5075564B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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例えば、特許文献1には、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部それぞれの周縁部に弾性部材を配し、更にウエスト開口部の周縁部よりも下方に位置する胴回り部にも弾性部材を配したものが記載されている。
しかし、特許文献1の使い捨ておむつにおいては、レッグ開口部の周縁部は、脚周り方向(レッグ開口部の周方向)の何れの箇所にも弾性部材が同様の伸長率で配されており、また、その弾性部材を挟んでいるシート材も同じであるため、弾性部材の伸長率が高い場合には、着用者の脚周りにゴム跡が付いたり、かぶれの原因となったりする心配があり、弾性部材の伸長率が低い場合には、肌に対するフィット性が低下し、隙間から尿漏れ等が生じる心配がある。
しかし、特許文献2のおむつにおいては、第1部位に配された弾性部材と第2部位に配された弾性部材とが別個の部材であるため、脚の動きに対して即座に追随しにくい。そのため、大腿部とおむつとに隙間が生じやすく漏れにつながる。
尚、特許文献2の段落〔0013〕には、「従来技術のように脚周りの弾性部材の伸長応力を連続的に変化させる場合には、脚周りの内外で伸長応力を極端に変化させることが難しい」と記載されている。
本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1ともいう)は、図2及び図3に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は液難透過性(撥水性等)の裏面シート3及び両シート2、3間に介在配置された液保持性の吸収性コア4を有する実質的に縦長の吸収性本体10と、該吸収性本体10の非肌当接面側(裏面シート3側)に位置して該吸収性本体10を固定している外装体11とを備えている。
外層シート12は、図4及び図5(b)に示すように、おむつ1の腹側部A側に位置する腹側外層シート12Aと、おむつ1の背側部B側に位置する背側外層シート12Bと、おむつ1の股下部Cに位置する股下部外層シート12Cとを有している。
腹側外層シート12A及び背側外層シート12Bは、それぞれ伸縮性シートからなり、股下部外層シート12Cは、非伸縮性シートからなる。
より具体的には、腹側部Aの側縁部A1,A2から股下部Cの中央部付近C1に亘って連続的に配された一対の腹側レッグ部弾性部材61a,61aと、背側部Bの側縁部B1,B2から股下部Cの中央部付近C1に亘って連続的に配された一対の背側レッグ部弾性部材61b,61bとが、レッグ開口部6の周縁部60、60における外層シート12と内層シート13との間に、それぞれ伸長状態で固定されている。股下部Cの中央部付近C1は、外装体11の長手方向(図2や図5(b)の上下方向)における股下部Cの中央部とその付近という意味である。腹側レッグ部弾性部材61a及び背側レッグ部弾性部材61bは、股下部Cを、外装体11の長手方向の長さL1〔図5(b)参照〕を4等分するように4つの領域に区分したときの中央の2領域に、それぞれの一部(股下部側の端部等)が達するように配されていることが好ましく、股下部Cを、前記長さL1〔図5(b)参照〕を3等分するように3つの領域に区分したときの中央の領域に、それぞれの一部(股下部側の端部等)が達するように配されていることがより好ましい。
即ち、弾性部材61a,61bは、部分E〜Hの何れにおいても、それぞれの長手方向に同程度に伸長された状態で、それらを挟む2枚のシート間に接着剤15を介して固定されているが、前記部分F,Gにおいては、弾性部材61a,61bが、何れも非伸縮性シートからなる股下部外層シート12C及び内層シート13間に固定されていることによって、弾性部材61a,61bの弾性伸縮性の発現が大きく抑制されているのに対して、前記部分F,Gにおいては、弾性部材61a,61bが、伸縮性シートからなる腹側外層シート12A又は背側外層シート12Bと非伸縮性シートからなる内層シート13との間に固定されていることによって、弾性部材61a,61bの弾性伸縮性の発現が抑制される程度が、前記部分F,Gにおけるよりも小さくなっている。その結果、前記部分F,Gの伸長応力が前記部分E,Hの伸長応力より小さくなっている。前記部分F,Gの伸長応力が前記部分E,Hの伸長応力より小さいと言えるためには、前記部分Fの伸長応力が前記部分Eの伸長応力より小さく、前記部分Gの伸長応力が前記部分Hの伸長応力よりも小さければ良い。
(伸長応力の測定方法)
弾性部材61a、61bを含む前記部分E〜Hの、長さ50mm、幅25mmのサンプル片を用意し、このサンプルをテンシロン引張り試験機〔(株)オリエンテック社製RTC−1150〕のチャック間30mmに固定し(サンプルの長さ方向両端部から10mm長さ方向内側に入る領域をチャックで留める)、その時の荷重をゼロとする。その後300mm/minで弾性部材61a、61bの長さ方向と同じ方向に自然長の2.0倍になるまで伸長させたときの応力を伸長応力とする。
そのため、おむつ1を着用者が着用した状態において、前記部分E、Hは、着用者の脚周りの外側に位置し、前記部分F,Gは、着用者の脚周りの内側に位置する。
部分E、Hの伸長応力は部分F、Gの伸長応力の1.2倍〜2.0倍であることが好ましい。2.0倍よりも大きいと、脚周りの応力がきつすぎるか、ゆるすぎるかしてゴム跡やかぶれの問題の原因になったり、フィット性が低下して脚周りからの漏れの原因につながる。また1.2倍よりも小さいと、脚周りの外側部分と内側部分の応力の差が小さく、ゴム跡やかぶれが防止されると共に漏れが生じにくいという本発明の効果が発揮されにくい。
尚、接着剤15は、貼り合わせ前の外層シート連続体及び内層シート連続体の何れか一方又はその両者に塗布する。また、ウエスト部弾性部材51は、揺動させない以外は、腹側レッグ部弾性部材用の弾性部材及び背側レッグ部弾性部材用の弾性部材と同様にして前記両連続体間に導入することができる。
腹側外層シート12Aや背側外層シート12Bを構成する伸縮性シートとしては、例えば(1)弾性繊維層の両面又は片面に、伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(2)ネット状の弾性シートの両面又は片面に、伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(3)弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に、伸張可能な繊維層が一体化されているシート、(4)互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されてなる伸縮シート等を好ましく用いることができる。尚、弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、これらを積層して水流交絡したり、エアースルー等により繊維を交絡させる方法、また、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。
弾性繊維層と、非弾性繊維層との界面及びその近傍においては、弾性繊維層の構成繊維と、非弾性繊維層の構成繊維との交点が熱融着しており、実質的に全面で均一に接合されている。全面で接合されていることによって、両層が離間して空間が形成されることが防止され、あたかも一層の不織布ごとき一体感のある多層構造の伸縮性不織布となる。「弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態」とは、弾性繊維層の構成繊維のほとんどが、熱や圧力等を付与された場合であっても、フィルム状、又はフィルム−繊維構造に変形していない状態をいう。また、弾性繊維層は、その層内において、構成繊維の交点が熱融着している。同様に、非弾性繊維層も、その層内において、構成繊維の交点が熱融着している。
伸縮性シートは、弾性伸縮性を有する弾性層の両面又は片面に、実質的に非弾性の非弾性繊維層が積層され、これらが規則的なパターンで、部分的に接合されている積層シートに対して延伸加工を施すことにより得られる。
弾性フィラメントとしては、例えば、紡糸ノズルから紡出された弾性樹脂を、溶融又は軟化した状態で1.1〜400倍(より好ましくは4〜100倍)に延伸して得られたもの等を用いることができる。弾性樹脂としては、熱可塑性エラストマーやゴムなどが挙げられる。特に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られたフィラメントは不織布に熱融着させやすいので好適である。熱可塑性エラストマーとしては、上述した弾性繊維の材料として記載した各種のものを挙げることができ、それらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。特にスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、又はそれらを組み合わせて用いることが、弾性フィラメントの成形性、伸縮特性、コストの面で好ましい。
股下部外層シート12Cや内層シート13を構成する非伸縮性シートとしては、例えば、不織布が用いられ、該不織布を構成する繊維としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエステル系、アミド系、アクリル系等の合成繊維等を用いることができ、上記の繊維を不織布に加工する方法としては、通常の加工方法を用いることができ、例えばヒートロールボンド、エアースルーヒートボンド、スパンボンド、メルトブローン等の方法を挙げることができる。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収性コア
5 ウエスト開口部
51 ウエスト部弾性部材
6 レッグ開口部
61a 腹側レッグ部弾性部材
61b 背側レッグ部弾性部材
10 吸収性本体
11 外装体
12 外層シート
12A 腹側外層シート
12B 背側外層シート
12C 股下部外層シート
13 内層シート
Claims (3)
- 吸収性本体と外装体とを備え、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつであって、
前記外装体は、外層シートと該外層シートの内面側に配された内層シートとが積層された構造を有しており、
前記外層シートは、腹側部側に位置する腹側外層シートと背側部側に位置する背側外層シートと股下部に位置する股下部外層シートとを有しており、前記腹側外層シート及び前記背側外層シートはそれぞれ伸縮性シートからなり、前記股下部外層シートは非伸縮性シートからなり、
前記各レッグ開口部の周縁部に、該各レッグ開口部の全周に亘るようにレッグ部弾性部材が配されており、
前記レッグ部弾性部材として、腹側部の側縁部から股下部の中央部付近に亘って連続的に配された腹側レッグ部弾性部材と、背側部の側縁部から股下部の中央部付近に亘って連続的に配された背側レッグ部弾性部材とが、前記各レッグ開口部の周縁部における前記外層シートと前記内層シートとの間にそれぞれ伸長状態で固定されており、
前記腹側外層シート及び前記背側外層シートそれぞれと前記内層シートとの接着強度が、前記股下部外層シートと前記内層シートとの接着強度よりも弱く、
前記各レッグ開口部の周縁部は、前記股下部外層シートと前記内層シートとの間に前記腹側レッグ部弾性部材が配されている部分の脚周り方向の伸長応力が、前記腹側外層シートと前記内層シートとの間に前記腹側レッグ部弾性部材が配されている部分の脚周り方向の伸長応力より小さく、前記股下部外層シートと前記内層シートとの間に前記背側レッグ部弾性部材が配されている部分の脚周り方向の伸長応力が、前記背側外層シートと前記内層シートとの間に前記背側レッグ部弾性部材が配されている部分の脚周り方向の伸長応力より小さい、使い捨ておむつ。 - 前記外装体の長手方向における前記レッグ開口部を形成する部分の長さL1に対する、前記股下部外層シートの同方向の長さL2の割合が70〜120%である、請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 前記腹側外層シート及び前記背側外層シートは、何れも、前記股下部外層シート側の端縁が前記レッグ開口部の上端の位置より下方に位置する、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
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