JP5072406B2 - 軽金属合金鋳包み用鉄系部材 - Google Patents
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Description
アルミニウム合金製部品の材料特性の向上方法として、異種材料を鋳包む方法や、異種材料との複合化が知られている。しかし、高圧のダイカスト鋳造法を用いて、異種材料をアルミニウム合金製部品に鋳包む際に、所望の界面の接合強度を安定して確保することは、かなりの困難を伴う。とくに、多孔質焼結体を軽金属合金で鋳包み複合部材とする際には、鋳包み後の軽金属合金溶湯の溶浸状態が、複合部材の機械的特性や物理的特性に大きく影響することが知られており、このような影響を少なくするために、鋳込み条件が大きく制約されることが多い。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、鉄系部材を軽金属合金で鋳包む際に、軽金属合金側の割れの発生を防止でき、軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系部材を提供することを目的とする。
(1)軽金属合金に鋳包れて使用される鉄系部材であって、該鉄系部材は、鉄系粉末にプレス成形−焼結工程を施して得られた鉄系焼結体であり、少なくとも前記プレス成形時に加圧される相対する二面に、前記プレス成形または前記鉄系焼結体の加工時の機械加工により形成された平面形状が円形の複数の凹部を有し、前記凹部は、前記相対する二面における平面形状が直径A(mm)の円形状を呈し、直径A:2.0mm以上10.1mm以下、深さB:0.05〜2.0mmで、かつB/Aが0.005〜1で、隣接する凹部の中心間の距離Cが次(1)式
A<C≦2.5A …(1)
(ここでC:凹部の中心間の距離(mm)、A:凹部平面形状の直体(mm))
を満足することを特徴とする軽金属合金鋳包用鉄系部材。
本発明の鉄系部材は、少なくとも相対する二面に複数の凹部を有する。ここでいう「相対する二面」とは、鋳包む際に、軽金属合金との接触面積が最も大きい、相対する面をいうものとする。例えばプレス成形で製造される場合には、プレス成形時に加圧される、相対する二面をいう。図1で示した内燃機関の軸受部補強用部材でいえば、側面11をいう。
形成される凹部は、形成される面での平面形状が直径A(mm)の円形状を有するものとする。形成される凹部の形状の一例を図2に示す。図2(i)は平面形状である。形成される面での平面形状を円形状とすることにより、鋳包まれた際に発生する応力が等方的となり、特定の方向に偏ることがなくなり、割れ発生の頻度が低下する。また、少なくとも相対する二面に、このような平面形状を有する凹部を複数形成することにより、鋳包み時に軽金属合金溶湯と鉄系部材との接触面積が増加し、割れを発生することなく、鉄系部材と軽金属合金との接合強度を増加させる効果(アンカー効果)を顕著に増大させることができる。
また、形成される複数の凹部は、隣接する凹部の中心間の距離Cが下記(1)式
A<C≦2.5A …(1)
(ここでC:凹部の中心間の距離(mm)、A:凹部平面形状の直体(mm))
を満足するように調整することが好ましい。
本発明の鉄系部材の表面は、ショットブラスト処理を施された面とすることが好ましい。ショットブラスト処理を施した表面とすることにより、表面に形成された酸化皮膜等が除去されて表面が清浄化されるとともに、表面に微小な凹凸が形成され、軽金属合金溶湯との濡れ性が向上して、密着性、接合性がさらに向上し鉄系部材が鉄系焼結体である場合には、アンカー効果も加わり界面強度が更に増加する。また、鉄系部材が鉄系焼結体である場合には、ショットブラスト処理により、表面の空孔が潰されて、鋳包み時に溶湯が焼結体内部に多量に浸透することを防止でき、鉄系焼結体の特性を鋳包み後にも維持できるという効果もある。なお、ショットブラスト処理が施された表面は、表面粗さRzで20〜100μmとすることが好ましい。表面粗さRzはJIS B0601-1994の規定に準拠して測定された値である。
得られた複合体試験片について、断面を目視および顕微鏡により、凹部の湯廻り不良、引け巣(0.3mm以上)等の鋳造欠陥の有無の確認をし、これら欠陥のないものについては、カラーチェック試験を実施し、焼結体とアルミニウム合金との界面の接合状態、およびアルミニウム合金側の割れ(クラック)を調査した。鋳造欠陥、クラック等がある場合を×、全く無い場合を○として、接合状態を評価した。
得られた各複合体テストピースの割れ発生限界応力が、上記した基準値を超え、かつ鋳造時に内部クラック、界面剥離等が無い場合には○、基準値以下である場合を×として疲労強度の評価とした。
なお、疲労試験終了後、外観検査でクラック等の発生が認められなかったテストピースについては、さらに断面を観察し、内部クラックの有無、界面剥離の有無を調査した。
10 軸受部補強部材
11 側面
12 外周面
13 内周面
Claims (2)
- 軽金属合金に鋳包れて使用される鉄系部材であって、該鉄系部材は、鉄系粉末にプレス成形−焼結工程を施して得られた鉄系焼結体であり、少なくとも前記プレス成形時に加圧される相対する二面に、前記プレス成形または前記鉄系焼結体の加工時の機械加工により形成された平面形状が円形の複数の凹部を有し、前記凹部は、前記相対する二面における平面形状が直径A(mm)の円形状を呈し、直径A:2.0mm以上10.1mm以下、深さB:0.05〜2.0mmで、かつB/Aが0.005〜1で、隣接する凹部の中心間の距離Cが下記(1)式を満足することを特徴とする軽金属合金鋳包用鉄系部材。
記
A<C≦2.5A …(1)
ここでC:凹部の中心間の距離(mm)、
A:凹部平面形状の直径(mm) - 前記鉄系部材の表面は、前記凹部を形成した後にさらにショットブラスト処理を施された面であることを特徴とする請求項1に記載の軽金属合金鋳包用鉄系部材。
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JP2007086690A JP5072406B2 (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | 軽金属合金鋳包み用鉄系部材 |
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