JP7114817B2 - 焼結材、及び焼結材の製造方法 - Google Patents
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Description
金属からなる母相と、
前記母相中に存在する複数の気孔とを備え、
任意の断面における前記気孔の平均断面積が500μm2以下であり、
相対密度が93%以上99.5%以下である。
金属からなる母相と、
前記母相中に存在する複数の気孔とを備え、
任意の断面における前記気孔の平均周囲長が100μm以下であり、
相対密度が93%以上99.5%以下である。
原料粉末を加圧圧縮して、相対密度が93%以上99.5%以下である圧粉成形体を作製する工程と、
前記圧粉成形体を焼結する工程とを備え、
前記原料粉末は、ビッカース硬度Hvが80以上200以下である鉄系材料からなる粉末を含み、
前記圧粉成形体を焼結する工程における焼結温度が1000℃以上1300℃未満である。
高強度であって、生産性にも優れる焼結材が望まれている。
本開示の焼結材は、高強度で、生産性にも優れる。本開示の焼結材の製造方法は、高強度な焼結材を生産性よく製造できる。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る焼結材は、
金属からなる母相と、
前記母相中に存在する複数の気孔とを備え、
任意の断面における前記気孔の平均断面積が500μm2以下であり、
相対密度が93%以上99.5%以下である。
以下、本開示の一態様に係る焼結材を第一の焼結材と呼ぶことがある。
・第一の焼結材は、93%以上の相対密度を有しており、緻密である。緻密な焼結材であれば、気孔が少ないため、気孔が割れの起点になり難い。
・第一の焼結材は複数の気孔を含むものの、各気孔が割れの起点になり難い。この理由は、気孔の平均断面積が500μm2以下であれば、複数の気孔のうち、多くの気孔の断面積が小さいといえるからである。断面積が小さい気孔は割れの起点になり難い。
・第一の焼結材は、例えば、93%以上の相対密度を有するといった緻密な圧粉成形体を比較的低温で焼結することで製造される。焼結温度が低いことで、熱エネルギーを低減することができる。
・上述の緻密な圧粉成形体は、切削加工性に優れる。そのため、必要に応じて、焼結前の圧粉成形体に切削加工を施せば、加工時間が短くなり易い。また、所定の寸法、形状を満たす焼結材がより得られ易い。そのため、歩留りがより高くなり易い。
金属からなる母相と、
前記母相中に存在する複数の気孔とを備え、
任意の断面における前記気孔の平均周囲長が100μm以下であり、
相対密度が93%以上99.5%以下である。
以下、本開示の別の態様に係る焼結材を第二の焼結材と呼ぶことがある。
・第二の焼結材は複数の気孔を含むものの、各気孔が割れの起点になり難い。この理由は、気孔の平均周囲長が100μm以下であれば、複数の気孔のうち、多くの気孔の周囲長が短いといえ、周囲長が短い気孔では断面積も小さいといえるからである。
任意の断面における前記気孔の平均周囲長が100μm以下である形態が挙げられる。
前記相対密度が96.5%以上である形態が挙げられる。
前記気孔の最大径の平均値が5μm以上30μm以下である形態が挙げられる。
前記金属は、鉄基合金であり、
前記鉄基合金は、C,Ni,Mo,及びBからなる群より選択される1種以上の元素を含有する形態が挙げられる。
原料粉末を加圧圧縮して、相対密度が93%以上99.5%以下である圧粉成形体を作製する工程と、
前記圧粉成形体を焼結する工程とを備え、
前記原料粉末は、ビッカース硬度Hvが80以上200以下である鉄系材料からなる粉末を含み、
前記圧粉成形体を焼結する工程における焼結温度が1000℃以上1300℃未満である。
・93%以上の相対密度を有する緻密な圧粉成形体を用いるため、93%以上の相対密度を有する焼結材が得られる。この焼結材では、気孔が少なく緻密であるため、気孔が割れの起点になり難い。
・鉄系材料は、代表的には、鉄基合金が挙げられる。鉄基合金は、一般に、高強度である。そのため、高強度な焼結材が得られる。
・代表的には、気孔の平均断面積が500μm2以下である焼結材が得られる。又は、気孔の平均周囲長が100μm以下である焼結材が得られる。このような焼結材では、上述のように各気孔が割れの起点になり難い。
・鉄系材料からなり、上述の特定のビッカース硬度Hvを有する粉末を用いるため、加圧圧縮することで、上述の緻密な圧粉成形体が得られる。また、緻密な圧粉成形体を用いるため、1300℃未満といった低温で焼結しても、上述の緻密な焼結材が得られる。即ち、1300℃以上、更には1400℃以上といった高温での焼結が不要である。そのため、熱エネルギーを低減することができる。
・上述の高温焼結を行わないため、形状精度や寸法精度に優れる焼結材が得られ易い。そのため、歩留りが高くなり易い。
更に、前記圧粉成形体を焼結する前に、前記圧粉成形体に切削加工を施す工程を備える形態が挙げられる。
前記鉄系材料からなる粉末は、鉄基合金からなる粉末を含み、
前記鉄基合金は、0.1質量%以上2.0質量%以下のMo及び0.5質量%以上5.0質量%以下のNiの少なくとも一方の元素を含有する形態が挙げられる。
以下、適宜図面を参照して、本開示の実施形態に係る焼結材、本開示の実施形態に係る焼結材の製造方法を順に説明する。
主に図1を参照して、実施形態の焼結材1を説明する。
図1は、実施形態の焼結材1の一例として外歯歯車を示す。
実施形態の焼結材1は、金属を主体とする緻密な焼結材である。また、焼結材1の任意の断面において、気孔が小さい。具体的には、実施形態の焼結材1は、金属からなる母相10と、母相10中に存在する複数の気孔11とを備える(後述の図2参照)。実施形態の焼結材1の相対密度は93%以上99.5%以下である。そして、実施形態の焼結材1の一例では、任意の断面における気孔11の平均断面積が500μm2以下である。実施形態の焼結材1の別例では、任意の断面における気孔11の平均周囲長が100μm以下である。
(組成)
実施形態の焼結材1の母相10を構成する金属は、各種の純金属、又は合金が挙げられる。純金属は、例えば、鉄、ニッケル、チタン、銅、アルミニウム、マグネシウム等が挙げられる。合金は、例えば、鉄基合金、チタン基合金、銅基合金、アルミニウム基合金、マグネシウム基合金等が挙げられる。合金は、一般に、純金属よりも高強度である。そのため、母相10が合金である焼結材1は、強度に優れる。
Moの含有量は、例えば、0質量%以上2.0質量%以下、更に0.1質量%以上2.0質量%以下、更には1.5質量%以下が挙げられる。
Bの含有量は、例えば、0質量%以上0.1質量%以下、更に0.001質量%以上0.003質量%以下が挙げられる。
実施形態の焼結材1は、任意の断面において、複数の気孔11を含むものの、各気孔11が小さい。そのため、各気孔11が割れの起点になり難い。気孔11に起因する割れが生じ難いことで、焼結材1は強度に優れる。
気孔11の平均断面積が500μm2以下であれば、焼結材1中の気孔11の多くは、断面積が小さい気孔11であるといえる。上記平均断面積が小さいほど、各気孔11の断面積が小さいといえる。各気孔11が小さければ、割れの起点になり難い。気孔11に起因する割れの発生を低減する観点から、上記平均断面積は480μm2以下、更に450μm2以下、特に430μm2以下が好ましい。
気孔11の平均周囲長が100μm以下であれば、焼結材1中の気孔11の多くは、周囲長が短い気孔11であるといえる。周囲長が短い気孔11では、断面積も小さい。上記平均周囲長が短いほど、各気孔11の断面積が小さいといえる。各気孔11が小さければ、割れの起点になり難い。気孔11に起因する割れの発生を低減する観点から、上記平均周囲長は90μm以下、更に80μm以下、特に70μm以下が好ましい。
更に、気孔11の最大径の平均値も小さいことが好ましい。ここでの気孔11の最大径の平均値は、焼結材1から任意の断面をとり、この断面において、複数の気孔11について各気孔11の最大径を求め、求めた複数の最大径を平均した値である。
焼結材1の断面において、気孔11の形状は、代表的には異形状が挙げられる(図2も参照)。気孔11の形状が円形や楕円形等といった単純な曲線形状ではなく、異形状である理由の一つとして、後述するように、緻密な圧粉成形体を比較的低温で焼結することが挙げられる。なお、図2において、濃い色、主に黒色である粒子状の領域及び白く縁取られた粒子状の領域は、気孔11であり、残部が母相10である。
実施形態の焼結材1の相対密度は93%以上99.5%以下である。つまり、焼結材1は、0.5%以上7%以下の範囲で気孔11を含む。気孔11の含有量が上記範囲であれば、気孔11が少なく、焼結材1は緻密である。気孔11が少ないことからも、気孔11が割れの起点になり難い。上記相対密度が高いほど、気孔11が少ない。気孔11に起因する割れの発生を低減する観点から、上記相対密度は94%以上、更に95%以上、96%以上が好ましく、96.5%以上が特に好ましい。上記相対密度は97%以上、98%以上、99%以上でもよい。
実施形態の焼結材1は、各種の一般構造用部品、例えば機械部品等に利用できる。機械部品は、例えば、スプロケットを含む各種の歯車、ローター、リング、フランジ、プーリー、軸受け等が挙げられる。実施形態の焼結材1は、緻密で強度に優れる上に、小型にできる。そのため、実施形態の焼結材1は、高強度で、小型・軽量化が望まれる歯車、例えば自動車のトランスミッション等に好適に利用できる。
実施形態の焼結材1では、相対密度が高く、気孔11が少ない上に、任意の断面において気孔11が小さい。このような実施形態の焼結材1は、気孔11が割れの起点になり難く、強度に優れる。また、複数の気孔11のうち、少なくとも一つの気孔11が焼結材1の表面に開口する気孔、つまり開気孔であれば、以下に説明するように、焼結材1は耐久性に優れる、静音性に優れるという効果も奏する。
開気孔は潤滑剤を保持できる。焼結材1が歯車といった摺動部材である場合、開気孔に保持される潤滑剤によって、相手部材との焼き付きが低減される。このような焼結材1からなる摺動部材は、長期にわたり良好に使用できる。
開気孔は音を吸収できる。開気孔が上述のように小さければ、開気孔に吸収された音が減衰し易い。
実施形態の焼結材1は、例えば、以下の工程を備える焼結材の製造方法によって製造することが挙げられる。
(第一の工程)原料粉末を加圧圧縮して、相対密度が93%以上99.5%以下である圧粉成形体を作製する。
(第二の工程)圧粉成形体を焼結する。焼結温度は、液相温度未満とする。
以下、工程ごとに説明する。
〈原料粉末の準備〉
原料粉末は、金属粉末を含む。金属粉末は、柔らか過ぎず、かつ硬過ぎない金属からなるものが好ましい。金属粉末が硬過ぎないことで、加圧圧縮によって塑性変形し易い。そのため、相対密度が93%以上である緻密な圧粉成形体が得られ易い。金属粉末が軟らか過ぎないことで、相対密度が99.5%以下である圧粉成形体、即ち気孔を含む圧粉成形体が得られ易い。
(1)原料粉末は、鉄基合金からなる第一合金粉末を含む。第一合金粉末を構成する鉄基合金は、焼結材の母相を構成する鉄基合金と同じ組成を有する。
(2)原料粉末は、鉄基合金からなる第二合金粉末と、所定の元素からなる第三粉末とを含む。第二合金粉末を構成する鉄基合金は、焼結材の母相を構成する鉄基合金に含まれる添加元素のうち、一部の添加元素を含む。第三粉末を構成する元素は、上記添加元素のうち、残部の添加元素のそれぞれからなる。即ち、第三粉末は元素単体からなる。
(3)原料粉末は、純鉄粉と、上述の第二合金粉末及び第三粉末とを含む。
(4)原料粉末は、純鉄粉と、第三粉末とを含む。この場合、第三粉末は、上記母相の鉄基合金における添加元素のそれぞれからなる。
圧粉成形体の相対密度が高いほど、最終的に得られる焼結材の相対密度が高く、気孔が少なくなり易い。また、焼結材中の気孔が小さくなり易い。気孔を低減する観点及び気孔を小さくする観点から、圧粉成形体の相対密度は94%以上、更に95%以上、96%以上、96.5%以上、97%以上、98%以上でもよい。
焼結温度は、上述のように液相温度未満であり、比較的低い。そのため、液相が生じるような高温で焼結する場合に比較して、熱エネルギーを低減することができる。また、上述の高温焼結に比較して、熱収縮に起因する形状精度の低下や寸法精度の低下が生じ難い。そのため、形状精度や寸法精度に優れる焼結材が得られ易く、焼結材の歩留りを高めることもできる。これらのことから、緻密な圧粉成形体を比較的低温で焼結するという焼結材の製造方法は、気孔が少なくかつ小さい焼結材であって、形状精度や寸法精度にも優れる焼結材を生産性よく製造できるといえる。
上述の焼結材の製造方法は、更に圧粉成形体を焼結する前に、圧粉成形体に切削加工を施す工程を備えてもよい。切削加工は、旋削加工でも転削加工でもよい。
実施形態の焼結材の製造方法は、相対密度が高く、気孔が少ない上に、任意の断面において気孔が小さい焼結材、代表的には上述の実施形態の焼結材1を生産性よく製造できる。
相対密度が異なる圧粉成形体を種々の温度で焼結して焼結材を作製し、焼結材の組織、強度を調べた。
原料粉末を用いて圧粉成形体を作製する。
得られた圧粉成形体を焼結する。
焼結後に浸炭焼入れ、焼戻しを順に施す。
鉄基合金は、Niを2質量%、Moを0.5質量%、Mnを0.2質量%含有し、残部がFe及び不純物からなる。この鉄基合金のビッカース硬度Hvは120であり、80以上200以下を満たす。
カーボン粉末の含有量は、混合粉の合計質量を100質量%として0.3質量%である。
上記合金粉末の平均粒径(D50)は100μmである。カーボン粉の平均粒径(D50)は5μmである。
(浸炭焼入れ)930℃×90分、カーボンポテンシャル:1.4質量%⇒850℃×30分⇒油冷
(焼戻し)200℃×90分
試料No.1~No.3の焼結材は、相対密度が93%以上である圧粉成形体を1130℃、つまり液相温度未満で焼結したものである。図2A~図2Cは順に、試料No.1~No.3の焼結材について、任意の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したSEM像である。
作製した各試料の焼結材について、密度(g/cm3)及び相対密度(%)を調べた。
焼結材から複数の断面をとる。各断面をSEMや光学顕微鏡等の顕微鏡で観察する。この観察像を画像解析して、金属成分の面積割合を相対密度とみなす。
作製した各試料の焼結材について、任意の断面をとり、気孔の大きさを調べた。
各試料の焼結材において、任意の断面をとる。上記断面をSEMで観察し、上記断面から、少なくとも一つの視野をとる。気孔の大きさの測定は、合計50以上の気孔を抽出して行う。
倍率は、一つの視野に一つ以上の気孔が存在し、かつ気孔の大きさを精度よく測定できるように、気孔の大きさに応じて調整する。例えば、倍率を100倍として上記断面を観察し、気孔の最大径が70μm以下であれば、倍率を300倍に変更して、再度、上記断面を観察する、という操作を行う。合計50以上の気孔が得られるまで、視野数を増やす。ここでは、試料No.1~No.3における一つの視野の大きさは約355μm×約267μmである。
上述のSEM像から抽出した各気孔の断面積を求める。更に、気孔の断面積の平均値を求める。上記断面積の平均値は、抽出した50以上の気孔の断面積について総和をとり、総和を気孔数で除すことで求める。上記断面積の平均値を平均断面積(μm2)とし、表1に示す。また、断面積等の測定に用いた気孔数(N数)を表1に示す。
上述のSEM像から抽出した各気孔の周囲長、つまり輪郭の長さを求める。更に、気孔の周囲長の平均値を求める。上記周囲長の平均値は、抽出した50以上の気孔の周囲長について総和をとり、総和を気孔数で除すことで求める。上記周囲長の平均値を平均周囲長(μm)とし、表1に示す。
上述のSEM像から抽出した各気孔の最大径を求める。更に、最大径の平均値を求める。上記最大径の平均値は、抽出した50以上の気孔の最大径について総和をとり、総和を気孔数で除すことで求める。上記最大径の平均値(μm)を表1に示す。各気孔の最大径は、以下のように求める。上記SEM像において、各気孔の外形を2本の平行線によって挟み、これら2本の平行線の間隔を測定する。上記間隔は、上記平行線に直交する方向の距離である。各気孔において、任意の方向の平行線の組を複数とり、上記間隔をそれぞれ測定する。各気孔において、測定した複数の上記間隔のうち、最大値を各気孔の最大径とする。
また、以下のようにして、気孔の真円度を求めた。上述のSEM像から抽出した各気孔の周囲長と、各気孔の断面積と等価の面積を有する円の周囲長とを求める。(気孔の周囲長/上記円の周囲長)を各気孔の真円度とする。50以上の気孔の真円度を平均した値を表1に示す。
更に、各試料の焼結材について、引張強さ(MPa)を調べた。結果を表1に示す。
引張強さは、汎用の引張試験機を用いて引張試験を行って測定した。引張試験の試験片は、日本粉末冶金工業会の規格、JPMA M 04-1992、焼結金属材料引張試験片に準ずるものである。
試験片は、焼結材から切り出した平板材である。
この試験片は、細幅部と、細幅部の両端に設けられる太幅部とで構成される。細幅部は、中央部と、肩部とで構成される。肩部は、中央部から太幅部にかけて形成される円弧状の側面を有する。
試験片のサイズを以下に示す。評点距離は30mmである。
厚さ:5mm
長さ:72mm
中央部の長さ:32mm
細幅部における中央部の幅:5.7mm
肩部における細幅部近くの幅:5.96mm
肩部の側面の半径R:25mm
太幅部の幅を8.7mm
(1)表1,図5に示すように、高密度成形の試料では、高温焼結の試料に比較して、気孔の最大径の平均値が小さい。定量的には、高密度成形の試料における上記最大径の平均値は、30μm以下であり、ここでは特に20μm以下である。また、高密度成形の試料における上記最大径の平均値は、5μm以上、ここでは特に10μm以上である。このような気孔は、小さいものの、小さ過ぎないといえる。
例えば、上述の試験例1において焼結材の組成、製造条件を変更することが挙げられる。焼結材の組成は、例えば鉄系材料以外でもよい。製造条件については、例えば圧粉成形体の相対密度、焼結温度等を変更することが挙げられる。
Claims (7)
- 鉄基合金からなる母相と、
前記母相中に存在する複数の気孔とを備え、
任意の断面における前記気孔の平均断面積が300μm2以下であり、
任意の断面における前記気孔の平均周囲長が55μm以下であり、
任意の断面における前記気孔の形状が円形及び楕円形以外の形状であり、
相対密度が93%以上99.5%以下である、
焼結材。 - 前記相対密度が96.5%以上である請求項1に記載の焼結材。
- 前記気孔の最大径の平均値が5μm以上30μm以下である請求項1又は請求項2に記載の焼結材。
- 前記鉄基合金は、C,Ni,Mo,Mn及びBからなる群より選択される1種以上の元素を含有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の焼結材。
- 原料粉末を加圧圧縮して、相対密度が93%以上99.5%以下である圧粉成形体を作製する工程と、
前記圧粉成形体を焼結して焼結材を作製する工程とを備え、
前記原料粉末は、鉄基合金からなる粉末を含み、
前記鉄基合金のビッカース硬度Hvが80以上200以下であり、
前記鉄基合金からなる粉末の平均粒径は、100μm以上200μm以下であり、
前記圧粉成形体を焼結する工程における焼結温度が液相温度未満であって1000℃以上1200℃未満であり、
前記焼結材の任意の断面における気孔の平均断面積が300μm 2 以下であり、
前記焼結材の任意の断面における気孔の平均周囲長が55μm以下である、
焼結材の製造方法。 - 更に、前記圧粉成形体を焼結する前に、前記圧粉成形体に切削加工を施す工程を備える請求項5に記載の焼結材の製造方法。
- 前記鉄基合金は、0.1質量%以上2.0質量%以下のMo、0.5質量%以上5.0質量%以下のNi及び0.1質量%以上5.0質量%以下のMnからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含有する請求項5又は請求項6に記載の焼結材の製造方法。
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