JP5072187B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、各ビード部を補強するワイヤチェーファを設けた空気入りタイヤに関し、特に、負荷走行時の耐久性を向上させたものに関する。
タイヤ走行時のビード部の周方向変形を抑制し、これに起因して発生する熱劣化を防止するため、ゴムシート中に複数のワイヤコードを平行に配列して形成されたワイヤチェーファを1枚以上を積層してなり、各ビードコアに対してその周りのラジアルカーカスとタイヤ表面との間をタイヤ内側表面からタイヤ外側表面延在するワイヤ補強帯を設けた空気入りラジアルタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、これらの文献に例示されているワイヤ補強帯において、周方向変形や熱劣化を抑制する効果を向上させるために、タイヤ幅方向断面における延長総長さを増やすことが行われる。
特開2002−115714号公報
しかしながら、ワイヤチェーファの延長総長さを増やすため、タイヤ外側表面側の端の半径方向位置を高くした場合には、荷重下で走行するタイヤにおいて、サイドウォール部が幅方向外側に広がりビード部の半径方向外側部分までリムフランジ表面に拘束される、いわゆる倒れ込み変形を起こし、このときリムフランジに拘束されたワイヤチェーファと、その幅方向内側に位置してリムフランジに拘束されることなく、タイヤの転動に伴って変形するラジアルカーカス側部との間とで繰り返し剪断歪が発生し、この歪によりビード部故障が生じてしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ワイヤチェーファの、ビード部周方向変形および、これに起因する熱劣化に対する抑制効果を犠牲にすることなく、ビード部倒れ込みによるワイヤチェーファの耐久性の低下を防止することを目的とする。
この発明の空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部に配設されたビードコア間にトロイダル状に延在させて側部部分を各ビードコアの周りで半径方向外側に巻き返された少なくとも1枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、これらのビード部におけるタイヤ内側表面からタイヤ外側表面までタイヤ表面に沿って延在するよう配置されたそれぞれのワイヤ補強帯とを具える空気入りラジアルタイヤにおいて、
各ワイヤ補強帯は、ワイヤコードを一方向に並べて形成された3枚のワイヤチェーファよりなり、
規定内圧下で所定リムに装着され規定荷重が付加された条件を第一条件とし、第一条件において荷重だけをゼロにした条件を第二条件として、軸直下の周方向位置に対応するタイヤ幅方向断面において、点Pを、第一条件下でタイヤ表面がリムから離隔し始めるタイヤ表面上の点とし、直線Lを、前記点Pが第二条件下において位置する点P1を通り、第二条件下でのタイヤ表面と直交する直線とし、点Qを、前記第二条件下で、タイヤ表面がリムから離隔し始めるタイヤ表面上の点とし、直線Mを、点Qを通りタイヤ表面と直交する直線としたとき、
前記3枚のワイヤチェーファのうち、1枚のワイヤチェーファのみがビードコアの周りで巻き返されるとともに、該ワイヤチェーファのタイヤ外側表面側の端およびタイヤ内側表面側の端は共に、直線Mより半径方向内側に位置し、残る2枚のワイヤチェーファのタイヤ内側表面側の端は共に、直線Mより半径方向外側に位置し、前記残る2枚のワイヤチェーファのうち少なくとも1枚はタイヤ内側表面側の端が直線Lより半径方向外側に位置することを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。

ここで、規定荷重、規定内圧および所定リムとは、次の説明に従うものとする。すなわち、規定荷重とは所定の産業規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、規定内圧とは同規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、また所定リムとは同規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または“Approved Rim”、“Recommended Rim”)のことである。かかる産業規格については、タイヤが生産もしくは使用される地域においてそれぞれ有効な規格が定められており、これらの規格は、例えば、アメリカ合衆国では“The Tire and Rim Association Inc. YEAR BOOK”(デザインガイドを含む)により、欧州では、“The European Tire and Rim Technical Organization Standards Manual”により、日本では日本タイヤ自動車タイヤ協会の“JATMA Year Book”によりそれぞれ規定されている。
この発明の好適な態様は、前記残る2枚のワイヤチェーファのタイヤのタイヤ内側表面側の端は共に、前記直線Lより半径方向外側に位置するワイヤチェーファを少なくとも2枚有してなる空気入りラジアルタイヤである。
また、この発明の好適な態様は、ワイヤ補強帯を構成する各ワイヤチェーファは、そのワイヤコードのタイヤ半径方向に対する角度が20〜70度である空気入りラジアルタイヤである。なお、ここでいう角度は、タイヤを前記所定リムに装着して内圧を充填しない状態において測定したときの角度である。
さらに、この発明の好適な態様は、ワイヤ補強帯のタイヤ内側表面側端と、この端に最も近いタイヤ表面との間に、半径方向内外に延在するナイロンチェーファを設けてなる空気入りラジアルタイヤである。
しかも、この発明の好適な態様は、ワイヤ補強帯のタイヤ内側表面側端の半径方向外側に、この端に位置するゴムの変形を抑制する硬質ゴムを設けてなる空気入りラジアルタイヤである。
本発明によれば、もし、ワイヤチェーファのタイヤ外側表面側の端が、前記点Pに対応する半径方向位置、もしくはこれを越えた位置にある場合には、前記点Pの近傍は、タイヤの断面内倒れ込み変形と、タイヤ外側表面がリムに固定されていることによる剪断変形がもっとも大きい位置であるために、ワイヤチェーファ端やカーカスプライとワイヤチェーファとの層間でセパレーションが発生することになるところ、ワイヤ補強帯を構成するどのワイヤチェーファも、そのタイヤ外側表面側の端が、直線Lより半径方向内側に位置するようにしたので、ワイヤチェーファを剪断応力変動が大きな領域から外すことができ、この剪断歪に起因するワイヤチェーファ、特にその端部からの破壊を防止し、耐久性を低下を抑えることができる。
一方、ワイヤ補強帯のタイヤ内側表面側の端は、直線Lより半径方向外側に位置するようにしたので、ワイヤチェーファのタイヤ外側表面側端の半径方向位置を直線Lより内側にしたことによって減少するワイヤ補強帯総長さを補うとともに、荷重下で走行中のタイヤにおいて、周方向変形がもっとも大きい直線L上の部分を集中的に補強することができ、ワイヤチェーファの周方向変形防止効果を最大限に発揮させることができる。
また、タイヤ内側表面側の端が直線Lより半径方向外側に位置するワイヤチェーファを少なくとも2枚設けたので、ワイヤチェーファの周方向変形防止効果を一層高めることができる。
さらに、どのワイヤチェーファをとってもそのタイヤ外側表面側の端を、ワイヤチェーファがいつもリムに拘束された状態となる、直線Mより半径方向内側の領域に配置したので位置するようにしたので、ラジアルカーカスとワイヤチェーファと間の剪断応力を最小限に抑えることができ、タイヤ故障の発生を一層低減させることができる。
さらに、ワイヤ補強帯を構成する各ワイヤチェーファを、そのワイヤコードのタイヤ半径方向に対する角度が20〜70度と成るようにしたので、ワイヤチェーファに製造を容易なものにするとともに、ワイヤチェーファの周方向補強機能を有効なものにすることができ、もし、この角度を、20度未満とした場合には、十分な周方向補強効果を得ることができず、一方、70度を越えるものとした場合には、ワイヤチェーファ端での歪が大きくなりすぎてワイヤチェーファ端での故障が発生しやすくなる上、ワイヤチェーファの角度が極めて周方向に近いものになってしまい、ワイヤチェーファを高精度に組み付けることが難しくなり、タイヤの製造が困難になる。
さらに、ワイヤ補強帯のタイヤ内側表面側端と、この端に最も近いタイヤ表面との間に、半径方向内外に延在するナイロンチェーファを設けたので、ワイヤチェーファ端の変形を抑えることができ、応力が集中しやすいワイヤチェーファ端部に起因する早期故障を防止することができる。
しかも、ワイヤ補強帯のタイヤ内側表面側端の半径方向外側に、この端に位置するゴムの変形を抑制する硬質ゴムを設けたので、ワイヤチェーファ端の変形を抑えることができ、応力が集中しやすいワイヤチェーファ端部に起因する早期故障を防止することができる。
本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図1は、所定リムに装着した状態におけるタイヤの片方のビード部を示すタイヤ幅方向断面図であり、このタイヤ21は、一対のビード部10に配設したビードコア1間にトロイダル状に延在させて側部部分32aを各ビードコア1の周りで半径方向外側に巻き返した少なくとも1枚のカーカスプライ32からなるラジアルカーカス2と、ビード部10におけるタイヤ内側表面4Aからタイヤ外側表面4Bまでタイヤ表面4に沿って延在するよう配置されたそれぞれのワイヤ補強帯3とよりなり、ワイヤ補強帯3は、ワイヤコードを一方向に並べて形成されたワイヤチェーファ11、12、13よりなる。なお、図中、8は所定リム、9はビード部10を補強するビードフィラを示す。
ここで、規定内圧下で所定リム8に装着され規定荷重が付加された条件を第一条件とし、第一条件において荷重だけをゼロにした条件を第二条件として、タイヤ幅方向断面において、4B(S1)は、第一条件におけるタイヤ軸下直下位置でのタイヤ外側表面を表し、4B(S2)は、第二条件におけるタイヤ外側表面を表すものとする。また、点Pは、第一条件において、タイヤ表面4B(S1)がリム8から離隔し始めるタイヤ表面上の点、すなわち、タイヤ表面4B(S1)がリム8と接触を保つ領域の半径方向最外端の点を表し、点P1は、このタイヤ表面上の点Pが移動して、第二条件において位置する点を表し、そして、直線Lは、点P1を通り、第二条件下のタイヤ表面4B(S2)に直交する直線、すなわち、点P1におけるタイヤ表面の接線に直交する直線を表すものとする。
以上のように定義された直線Lに対して、ワイヤ補強帯3のタイヤ外側表面側の端3b(より具体的には、ワイヤチェーファ11のタイヤ外側表面側の端11b)は、直線Lより半径方向内側に位置し、ワイヤ補強帯3のタイヤ内側表面側の端3aは、直線Lより半径方向外側に位置する。
また、点Qを、前記第二条件において、タイヤ外側表面4B(S2)がリム8から離隔し始めるタイヤ表面上の点、すなわち、タイヤ外側表面4B(S2)がリム8と接触を保つ領域の半径方向最外端の点を表し、直線Mを、第二条件において、点Qを通り、タイヤ外側表面4B(S2)の接線に直交する直線としたとき、ワイヤ補強帯3のタイヤ外側表面側の端3bは、直線Mよりもさらに半径方向内側に位置するよう配置されている。
タイヤの転動に際し、所定荷重下で走行するタイヤにおいて、いわゆる荷重下でのビード部倒れ込み現象によって、タイヤ外側表面4Bは、S1とS2との状態の間を繰り返し、したがって、もし、ワイヤ補強帯3が、タイヤ表面上の点Pに対応する位置まで、もしくはこの位置を越えた位置まで延在したとするならば、その部分のワイヤ補強帯3を構成するワイヤチェーファ端部とラジアルカーカスとの間には、繰り返しの曲げ変形により大きな振幅の剪断応力変動が発生することになり、これがワイヤチェーファの繰り返し疲労を招き、タイヤ寿命を短縮させることになってしまう。
本発明は、まずこの点に注目してなされたものであり、ワイヤ補強帯3のタイヤ外側表面側の端を直線Lより、半径方向内側に位置させ、さらに、これを、直線Lより半径方向内側にある直線Mに対しても、さらに半径方向内側に位置するよう配置したので、このような繰り返し応力変動による寿命の低下を抑えもしくは防止することができる。
また、ワイヤ補強帯3を構成するワイヤチェーファ11、12、13の、タイヤ半径方向に対する角度が20〜70度としたので、先に説明したい通り、ワイヤチェーファ11、12、13の製造を容易なものにするとともに、ワイヤチェーファの周方向補強機能を極めて有効なものにすることができる。
さらに、ワイヤチェーファ11、12、13を、隣接したもの同士で、ワイヤコードの交差角度が、50〜130度となるよう配置することが好ましい。ここで隣接したワイヤチェーファ同士の交差角とは、図2に示すθをいうものであり、図中のa、bは、隣接しあうワイヤチェーファのそれぞれのコードを示すものである。
図3は、先の実施態様の変形例として、所定リム8に装着された状態のタイヤの片方のビード部を示すタイヤ幅方向断面図であり、このタイヤ22は、先に示したタイヤ21におけるワイヤ補強帯3を、ワイヤ補強帯3Aに代えたものであり、他の部分の構成はタイヤ21と全く同一である。
ワイヤ補強帯3Aは3枚のワイヤチェーファ14、15、16よりなり、タイヤ内側表面からタイヤ外側表面までタイヤ表面に沿って延在するよう設けられ、ワイヤ補強帯3Aのタイヤ外側表面側の端3Ab(16b)は、前記の通りに定義された直線Lより半径方向内側に位置することはもちろん、直線Mよりも半径方向内側に位置し、一方、タイヤ補強帯Aのタイヤ内側表面側の端3Aa(14a)は直線Lの半径方向外側に位置するよう設けられ、このとき、ワイヤチェーファ14、15、16のうち、2枚のワイヤチェーファ14、15のタイヤ内側表面側の端14a、15aは、直線Lを超えてその半径方向外側にも延在するよう設けられる。
ワイヤ補強帯3Aは、以上のように、ワイヤ補強帯3と同じ枚数のワイヤチェーファで構成されるが、ワイヤ補強帯3においては、1枚のワイヤチェーファ11だけが、そのタイヤ内側表面側の端11aを直線Lの半径方向外側に位置させるのに対し、ワイヤ補強帯3Aでは、2枚のワイヤチェーファ14、15のタイヤ内側表面側の端14Aa、15Aaが直線Lの半径方向外側に位置しており、このことによって、ワイヤ補強帯3Aの周方向角度変化を抑制する効果をさらに高めることができる。
なお、ワイヤ補強帯3Aを構成するワイヤチェーファ14、15、16はいずれも、ワイヤコードのタイヤ半径方向に対する角度が20〜70度であり、また、これら相互のワイヤコードの交差角度は、隣接するもの同士で、50〜130度となるよう構成されている点については、ワイヤ補強帯3と同様である。
図4は、参考例として、所定リム8に装着された状態のタイヤの片方のビード部を示すタイヤ幅方向断面図であり、このタイヤ23は、先に示したタイヤ21におけるワイヤ補強帯3を、ワイヤ補強帯3Bに代えたものであり、他の部分の構成はタイヤ21と全く同一である。
ワイヤ補強帯3Bは2枚のワイヤチェーファ17、18よりなり、タイヤ内側表面からタイヤ外側表面までタイヤ表面に沿って延在するよう設けられ、ワイヤ補強帯3Bのタイヤ外側表面側の端3Bb(18b)は、前記の通りに定義された直線Lより、さらには直線Mよりも、半径方向内側に位置し、一方、タイヤ補強帯3Bのタイヤ内側表面側の端3Ba(17a)は直線Lの半径方向外側に位置するよう設けられ、このとき、ワイヤチェーファ17、18のうち、1枚のワイヤチェーファ17のタイヤ内側表面側端17bが、直線Lを超えてその半径方向外側に延在するよう設けられる。
ワイヤ補強帯3Bも、以上のように、ワイヤ補強帯3と同様に、1枚のワイヤチェーファ17のタイヤ内側表面側端17aが、直線Lの半径方向外側に位置する構成となるが、ワイヤ補強帯3に対比して、これを構成する枚数が少なく、その分、ワイヤ補強帯3Bの周方向角度変化を抑制する効果が少なくなものの、ビード部を軽量に構成することができる。
なお、ワイヤ補強帯3Bにおいても、これを構成するワイヤチェーファ17、18はいずれも、ワイヤコードのタイヤ半径方向に対する角度が20〜70度であり、また、これら相互のワイヤコードの交差角度は、50〜130度であり、これらの点については、ワイヤ補強帯3と同様である。
図5は、以上説明したものとは異なる実施形態のタイヤについて、所定リム8に装着され状態のタイヤの片方のビード部を示すタイヤ幅方向断面図であり、このタイヤ24のワイヤ補強帯3Aは、図3に示したタイヤ22を構成するものと同じものが用いられていて、このタイヤ24がタイヤ22と異なる点は、ワイヤ補強帯3Aのタイヤ内側表面側端3Aaと、タイヤ表面4Aの、この端3Aaに最も近い部分との間に、半径方向内外に延在するナイロンチェーファ5を設けた点にあり、このようにナイロンチェーファ5を端部に配置することによって、特に高変形下で応力の集中しやすいワイヤチェーファの端部のゴムを補強して変形を抑えることができ、ワイヤチェーファ端部の劣化に起因する寿命の低下を防止することができる。
ここで用いるナイロンチェーファ5としては、弾性率が40Gpa以下とするのが好ましく、弾性率がこれより大きいと、ナイロンチェーファ端部で故障が発生してしまう。
図6は、図5におけるナイロンチェーファ5に代えて、ワイヤ補強帯3Aのタイヤ内側表面側端3Aaの半径方向外側に、この端に位置するゴムの変形を抑制する硬質ゴム6を設けたものであり、この構成によっても、上記の例と同様に、ワイヤチェーファ端部の劣化に起因する寿命の低下を防止することができる。
この場合、硬質ゴム6の硬度は、ワイヤチェーファの端部を被覆するゴムの硬度に対して1.1〜1.4倍程度とするのが好ましく、この硬度の増加比率が1.1未満の場合には、硬質ゴムによる補強効果が十分でなく、これが1.4を超える場合には、硬質ゴム6もしくはその周りで故障が発生してしまう。
以上、異なる実施形態として、タイヤ21〜25の5つの実施例を説明したが、これらのうち、タイヤ22〜25の4つの実施例を、番号順に、それぞれ、実施例1〜4とし、これらのタイヤに、図7に示した比較例のタイヤ26を加えた5種類のタイヤについて、走行時における、
(1)ビード部周方向変形量
(2)ビード部耐久性
(3)ビード部温度上昇
について評価を行って比較した。
上記評価に用いた前記タイヤのサイズは、いずれも4000R57であり、日本タイヤ自動車タイヤ協会のJATMA Year Bookによると、先に定義した、このタイヤサイズに対する所定リムは26.00/6.00、規定内圧は700kPa、そして、規定荷重は588kNである。
実施例1〜4のタイヤにおいて、ワイヤ補強帯3A、3Bを、これらのタイヤ内側表面側の端3Aa、3Baが、先述の第一条件、第二条件の定義に上記の数値を適用して決定される直線L上に位置するよう配置した。なお、実施例1のタイヤ22においては、2枚のワイヤチェーファ14、15の端14a、15aの両方を直線L上に位置させた。
また、比較例として用いたタイヤ26は、図7にビード部の断面図で示すように、ビードコアの外側を補強する部材として、1枚のワイヤチェーファよりなるワイヤ補強帯93と、4枚のキャンバスチェーファよりなるキャンバス補強帯91とを具え、ワイヤ補強帯93はタイヤ表面にそって、タイヤ内側表面からタイヤ外側表面まで延在するよう配置されているものの、タイヤ内側表面の端は直線Lよりもはるか半径方向内側の位置で終端しており、また、キャンバス補強帯91は、タイヤ内側表面に沿って延在し、その半径方向外側端は直線Lよりも外側の半径方向位置で終端する構成になる。
上記の評価(1)〜(3)は、それぞれ以下のようにして行った。
(1)ビード部周方向変形量
タイヤを平面上に載置し、タイヤ外側表面の、タイヤ外径の52%の半径方向位置における踏み込み位置から蹴り出し位置までの周長について、先に定義した第二条件下での値と第一条件下での値との差を、周方向変化量とした。
(2)ビード部耐久性
前記第二条件において、荷重だけを規定荷重の1.7倍の1000kNに代えた条件下で、試験タイヤを、ドラム試験機のドラム上を速度8km/hで走行させ、ビード部が破壊するまでの走行距離を測定した。
(3)ビード部温度上昇
前記(2)項の、ビード部耐久性の評価において、タイヤ走行の最初からビード部が破壊に至るまでの間、連続的にビード部の最大温度を測定し、その間の温度の最大値を記録した。なお温度測定に際しては、赤外線温度計でビード部の表面温度を測定して行った。
表1は、実施例1〜4、および比較例のタイヤについて評価の結果をまとめたものであり、上記試験の結果を指数で表した。指数は、比較例のものを100とし、(1)ビード部周方向変形量については、数字が小さいほど変形量が小さく、(2)ビード部耐久性については、数値が大きいほど耐久性に優れ、(3)ビード部温度上昇に関しては、数字が小さいほど温度が低くなるよう設定した。
表1から明らかなように、実施例のタイヤはいずれも、比較例のタイヤより優れ、その中でも実施例1、3、が示すように、2枚のワイヤチェーファ14、15が直線Lまで延在する例が特に優れ、さらに、これらのうち、端部をナイロンチェーファもしくは、硬質ゴムで補強したものは、ビード部の温度上昇の抑制作用が優れていることが判る。
Figure 0005072187
本発明は種々の用途のサイズのタイヤに用いることができる。
本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を示すビード部断面図である。 ワイヤチェーファの交差角度の定義を説明するための図である。 他の実施形態の空気入りタイヤを示すビード部断面図である。 参考例の空気入りタイヤを示すビード部断面図である。 他の実施形態の空気入りタイヤを示すビード部断面図である。 他の実施形態の空気入りタイヤを示すビード部断面図である。 比較例の空気入りタイヤを示すビード部断面図である。
符号の説明
1 ビードコア
2 ラジアルカーカス
3、3A、3B ワイヤ補強帯
3a、3Aa、3Ba ワイヤ補強帯のタイヤ内側表面側の端
3b、3Ab、3Bb ワイヤ補強帯のタイヤ外側表面側の端
4 タイヤ表面
4A タイヤ内側表面
4B、4B(S1)、4B(S1) タイヤ外側表面
5 ナイロンチェーファ
6 硬質ゴム

8 所定リム
9 ビードフィラ
10 ビード部
11〜18 ワイヤチェーファ
21〜26 タイヤ
32 カーカスプライ
32a カーカスプライ側部

Claims (5)

  1. 一対のビード部に配設されたビードコア間にトロイダル状に延在させて側部部分を各ビードコアの周りで半径方向外側に巻き返された少なくとも1枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、これらのビード部におけるタイヤ内側表面からタイヤ外側表面までタイヤ表面に沿って延在するよう配置されたそれぞれのワイヤ補強帯とを具える空気入りラジアルタイヤにおいて、
    各ワイヤ補強帯は、ワイヤコードを一方向に並べて形成された3枚のワイヤチェーファよりなり、
    規定内圧下で所定リムに装着され規定荷重が付加された条件を第一条件とし、第一条件において荷重だけをゼロにした条件を第二条件として、軸直下の周方向位置に対応するタイヤ幅方向断面において、点Pを、第一条件下でタイヤ表面がリムから離隔し始めるタイヤ表面上の点とし、直線Lを、前記点Pが第二条件下において位置する点P1を通り、第二条件下でのタイヤ表面と直交する直線とし、点Qを、前記第二条件下で、タイヤ表面がリムから離隔し始めるタイヤ表面上の点とし、直線Mを、点Qを通りタイヤ表面と直交する直線としたとき、
    前記3枚のワイヤチェーファのうち、1枚のワイヤチェーファのみがビードコアの周りで巻き返されるとともに、該ワイヤチェーファのタイヤ外側表面側の端およびタイヤ内側表面側の端は共に、直線Mより半径方向内側に位置し、残る2枚のワイヤチェーファのタイヤ内側表面側の端は共に、直線Mより半径方向外側に位置し、前記残る2枚のワイヤチェーファのうち少なくとも1枚はタイヤ内側表面側の端が直線Lより半径方向外側に位置すること
    を特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記残る2枚のワイヤチェーファのタイヤのタイヤ内側表面側の端は共に、前記直線Lより半径方向外側に位置する請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. ワイヤ補強帯を構成する各ワイヤチェーファは、そのワイヤコードのタイヤ半径方向に対する角度が20〜70度である請求項1または2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. ワイヤ補強帯のタイヤ内側表面側端と、この端に最も近いタイヤ表面との間に、半径方向内外に延在するナイロンチェーファを設けてなる請求項1〜3の何れか一項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. ワイヤ補強帯のタイヤ内側表面側端の半径方向外側に、該内側表面側端に位置するゴムの変形を抑制する硬質ゴムを設けてなる請求項1〜4の何れか一項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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