JP2006256522A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗性能等を損なうことなく、制動性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ベルト層28,30及びカーカス層24でのコード構成が式(1)及び(2)を満足するように設定する。
AB(CE)< AB(SH) …(1)
AP(CE)> AP(SH)≧ AP(BAT) …(2)
(AB(CE)はトレッドセンター部CEでのベルトコード角度、AB(SH)はトレッドショルダー部SHでのベルトコード角度、AP(CE)はトレッドセンター部CEでのカーカスコード角度、AP(SH)はトレッドショルダー部SHでのカーカスコード角度、AP(BAT)はバットレス部BATでのカーカスコード角度)
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものであり、特に、摩耗性能や転がり抵抗性能を損なうことなく制動性能を向上することができる空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤにおいて、制動性能の向上を図るための手法としては、トレッドキャップを摩擦抵抗の高いゴム配合で形成するのが一般的である。しかしながら、この手法では、制動性能は向上するものの、摩耗性能や転がり抵抗性能が悪化することが予測される。
ところで、特開2002−144813号公報(特許文献1)には、ベルト層の幅方向端部域におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度を70〜110°に設定して中央域におけるベルトコードの角度より大きく設定した空気入りタイヤが開示されている。しかしながら、この技術は、タイヤの外径成長時にベルト層の幅方向端部域におけるベルトコードの角度変化を抑えてタイヤ寿命を向上させることを目的としたものである。そのため、ベルト層の幅方向端部域のベルトコード角度をタイヤ周方向に対して略直角に設けており、このように直角に設けたことによる剛性低下を抑制するために該端部域の外周にタイヤ周方向に対して略0°のコードからなるエッジ補強層を設けて当該端部域の外径成長を抑制するというものであり、ベルトコードの角度構成による制動性能向上については何ら示唆されていない。
また、特開2002−127712号公報(特許文献2)には、カーカス層の幅方向両端部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度を中央部における角度よりも小さく設定した空気入りタイヤが開示されている。しかしながら、この技術は、優れた高速耐久性と操縦安定性を発揮しながら軽量化を達成するために、カーカス層の折り返し部にベルト層との重なり部を設けるとともに、ベルト拘束領域におけるカーカスコードの角度をベルト非拘束領域におけるカーカスコードの角度よりも大きく設定するというものであり、カーカスコードの角度構成による制動性能向上については何ら示唆されていない。
一方、特開平9−207518号公報(特許文献3)には、ベルト層の外側にタイヤ周方向に延びるコードからなるバンド層を設けるとともに、これらバンド層とベルト層との間におけるトレッドショルダー部に補助層を設け、この補助層を構成するコードを、ベルトコードおよびバンド層のコードのいずれに対しても10°以上の交差角を有するようにした空気入りタイヤが開示されている。しかしながら、この技術は、加硫時におけるベルトコードのせり上がりに起因したベルトコードとハンドコードとの接触を防止して高速耐久性を向上するために、ショルダー部に配する補強層のコードを傾斜させるというものであり、ベルト層の外側に配する補強層においてそのコードの角度をトレッド幅方向で変化させる技術については開示されていない。
特開2002−144813号公報 特開2002−127712号公報 特開平9−207518号公報
本発明は、ベルト層及びカーカス層のコード構成につき、トレッドショルダー部とトレッドセンター部での角度を変えることにより、背反性能の低下を伴うことなく制動性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、制動するために必要なエネルギー、即ち制動時に消費されるエネルギーはゴムのヒステリシスによる損失エネルギーとほぼ等価であると考えた。そのため、制動時の損失エネルギーと定常荷重負荷時の損失エネルギーとの差が大きいタイヤは制動時に消費されるエネルギーが大きく、制動性能が向上すると考えた。そして、かかる損失エネルギーを解析したところ、損失エネルギーの大きい部位は、最大幅のベルト層とこれに重ねられたベルト層との間のトッピングゴム、及び、カーカス層のトッピングゴムであり、特に、ベルト層ではトレッドショルダー部、カーカス層ではトレッドショルダー部からバットレス部のエネルギー損失率の寄与が大きいことを突き止めた。そのため、これらの部位の損失エネルギーが高くなるように、ベルト層及びカーカス層、更にベルト補強層を有する場合には同補強層でのコードの角度を変えれば、摩耗性能や転がり抵抗性能などの背反性能を損なうことなく、制動性能を向上できるのではないかと考え、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトを備える空気入りタイヤであって、前記ベルト層は、トレッドショルダー部におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度よりも大きく設定され、前記カーカス層は、トレッドショルダー部及びバットレス部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度よりも小さく設定されたものである。
また、上記ベルトの半径方向外側に配されたベルト補強層を備える場合には、上記の角度設定に加え、更に、前記ベルト補強層に関して、前記ベルト補強層は、トレッドショルダー部におけるコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部におけるコードのタイヤ周方向に対する角度よりも大きく設定されていることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤでは、ベルト層におけるトレッドショルダー部でのベルトコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部での角度よりも大きく設定されている。また、カーカス層については、トレッドショルダー部やその幅方向外側のバットレス部でのカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部での角度よりも小さく設定されている。このような構成を採用することにより、ショルダー部の周方向の拘束力を低減することができる。従って、制動時のように前後方向に大きな力がタイヤに作用するとき、センター部に比べショルダー部の歪みエネルギーが大きくなることにより、損失エネルギーも増大する。よって、制動するために必要なエネルギーを稼ぐことができ、制動性能を向上することができる。
特に、エネルギー損失率の寄与が大きいベルト層のショルダー部とカーカス層のショルダー部からバットレス部において剪断歪みが大きくなるようにしているため、他の性能を損なうことなく、効果的に制動性能を向上することができる。また、制動性能を向上させるためにトレッドキャップゴムの配合を変える必要がないため、摩耗性能や転がり抵抗性能などの背反性能の低下を抑えることができる。
また、ベルト補強層がある場合、同補強層についてもトレッドショルダー部でのコードのタイヤ周方向に対する角度をトレッドセンター部での角度よりも大きく設定することにより、トレッドショルダー部での周方向の拘束力が低減し、この部位でのコード間のゴムの剪断歪みを大きくして損失エネルギーを効果的に高めることができ、制動性能を向上することができる。
以下、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤについて図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ10のトレッド幅方向断面図である。このタイヤ10は、左右一対のビード部12及びサイドウォール部14と、両サイドウォール部14間にまたがるトレッド部16とを備えて構成されている。
ビード部12には、ビードワイヤをタイヤ周方向に巻回してなる環状のビードコア18が設けられ、該ビードコア18の半径方向外周にゴム製のビードフィラー20が配設されている。
左右一対のビードコア18間にはカーカス22が設けられている。カーカス22は、トレッド部16からサイドウォール部14を通り、ビード部12においてビードコア18で折り返すことにより係止されている。カーカス22は、有機繊維コード等からなるカーカスコードをタイヤ周方向に対しほぼ直角に配列してなるカーカス層の少なくとも一層からなり、この実施形態では一層のカーカス層24で構成されている。カーカス層24は、上記カーカスコードをトッピングゴムで被覆することにより構成されている。
トレッド部16におけるカーカス22の半径方向外側にはベルト26が配されている。ベルト26は、カーカス22のクラウン部の径方向外周面に重ねて設けられており、スチールコード等の非伸長性のベルトコードをタイヤ周方向に対し浅い角度で傾斜配列してなるベルト層の少なくとも2層を上記ベルトコードが交差するように重ね合わせてなり、この実施形態では内側の第1ベルト層28と外側の第2ベルト層30との2層で構成されている。そのうち、カーカス22に隣接する内側の第1ベルト層28の方が幅が広く、即ち、第1ベルト層28が最大幅ベルト層である。これらのベルト層28,30は、上記ベルトコードをトッピングゴムで被覆することにより構成されている。
このような構成からなるものにおいて、本実施形態では、図2に示すように、各ベルト層28,30のベルトコード34,36がそれぞれ下記式(1)を満足するよう構成されている。
AB(CE)< AB(SH) …(1)
式中、AB(CE)は、トレッドセンター部CEにおけるベルトコード34,36のタイヤ周方向Lに対する角度であり、AB(SH)は、トレッドショルダー部SHにおけるベルトコード34,36のタイヤ周方向Lに対する角度である。
ここで、トレッドショルダー部SHとは、加硫成形後のタイヤ10において、第1ベルト層(最大幅ベルト層)28の各幅方向端28Aからその幅Wの15〜35%の範囲内の側部区域部分のことであり、より好ましくは上記幅Wの20〜30%の範囲内の側部区域部分のことであり、この実施形態では上記幅Wの25%、即ち上記幅Wをトレッド幅方向に4等分したときの外側の側部区域部分のことである。トレッドセンター部CEとは、第1ベルト層28の幅Wにおけるトレッドショルダー部SHの残余の中央区域部分のことであり、この実施形態では上記幅Wをトレッド幅方向に4等分したときの中央の2区分からなる中央区域部分のことである。
図2に示すように、ベルトコード34,36は、トレッドセンター部CEとショルダー部SHとの境界線Mにて屈折しており、これにより上記角度変化がつけられている。すなわち、ベルトコード34,36は、トレッドセンター部CEにおいてタイヤ周方向Lに対して角度AB(CE)にて傾斜配列された第1部分34A,36Aと、該第1部分34A,36A両端の屈曲部34C,36Cを介して幅方向外方に延び、トレッドショルダー部SHにおいてタイヤ周方向Lに対して角度AB(SH)にて傾斜配列された第2部分34B,36Bとで構成されている。
タイヤ周方向Lに対するベルトコード34,36の角度は、AB(CE)及びAB(SH)ともに15〜35°の範囲内であることが好ましい。また、両者の差(AB(SH)−AB(CE))は3〜20°であることが好ましく、より好ましくは5〜20°である。この角度の差が3°より小さいと、目標性能の効果代が小さく、逆に、20°よりも大きいと、耐久性能の悪化が懸念される。なお、第1ベルト層28のベルトコード34のタイヤ周方向Lに対する角度と第2ベルト層30のタイヤ周方向Lに対する角度とは、大きさは互いに同一であり、タイヤ周方向Lに対して互いに逆方向に傾斜している。
本実施形態ではまた、カーカス層24のカーカスコード38が下記式(2)を満足するよう構成されている。
AP(CE)> AP(SH)≧ AP(BAT) …(2)
式中、AP(CE)は、トレッドセンター部CEにおけるカーカスコード38のタイヤ周方向Lに対する角度であり、AP(SH)は、トレッドショルダー部SHにおけるカーカスコード38のタイヤ周方向Lに対する角度であり、AP(BAT)は、バットレス部BATにおけるカーカスコード38のタイヤ周方向Lに対する角度である。ここで、バットレス部BATとは、上記第1ベルト層28の各幅方向端28Aよりも幅方向外側の区域のことであり、この実施形態では上記幅方向端28Aからタイヤ外周に沿って最大タイヤ断面幅位置32(タイヤをトレッド幅方向に切断した断面において幅が最大となる位置)までの区域のことである。
図2に示すように、カーカスコード38は、トレッドセンター部CEとショルダー部SHとの境界線Mにて屈折しており、これにより上記角度変化がつけられている。すなわち、カーカスコード38は、トレッドセンター部CEにおいてタイヤ周方向Lに対して角度AP(CE)にて配列された第1部分38Aと、該第1部分38A両端の屈曲部38Cを介して幅方向外方に延び、トレッドショルダー部SH及びバットレス部BATにおいてタイヤ周方向Lに対して角度AP(SH),AP(BAT)にて傾斜配列された第2部分38Bとで構成されている。
タイヤ周方向Lに対するカーカスコード38の角度は、AP(CE)、AP(SH)及びAP(BAT)ともに45〜90°の範囲内であることが好ましい。また、トレッドショルダー部SH又はバットレス部BATとトレッドセンター部CEとの間の角度差、即ち、AP(CE)−AP(SH)およびAP(CE)−AP(BAT)はともに、5〜45°であることが好ましく、より好ましくは10〜40°である。この角度の差が5°より小さいと、目標性能の効果代が小さく、逆に、45°よりも大きいと、耐久性能の悪化が懸念される。なお、図示した実施形態では、トレッドショルダー部SHでの角度AP(SH)とバットレス部BATでの角度AP(BAT)とを同じに設定しているが、AP(SH)の方を大きくしてもよい。
また、図2に示す実施形態では、トレッドショルダー部SHにおいて、カーカス層24のカーカスコード38と、これに重ねられる第1ベルト層28のベルトコード34とが、タイヤ周方向Lを挟んで反対側に傾斜するように設けている。これによりコードの交差角度が大きくなり、交差角度が大きくなると、コード34,38間の剪断歪みが大きくなるため、本発明の作用効果を奏する上で有利である。
以上よりなる本実施形態の空気入りタイヤ10であると、両ベルト層28,30におけるベルトコード34,36の傾斜角度が、トレッドセンター部CEではタイヤ周方向Lに近い小さな角度に設定されるとともに、トレッドショルダー部SHではこれよりも大きく設定されているので、ベルトコード34,36によるタイヤ周方向Lに対する拘束力がショルダー部SHで小さくなる。また、このようにベルトコード34,36の角度を変化させることで、ベルトコード34,36の打込密度(コードの長手方向に直交する方向での所定幅(25.4mm)当たりの打込本数)がトレッドセンター部CEよりもショルダー部SHで小さくなっており、かかる打込密度の違いからも、ショルダー部SHでの拘束力が小さくなっている。
また、カーカス層24におけるカーカスコード38の角度が、トレッドセンター部CEではタイヤ周方向Lに対してほぼ直角に設定されるとともに、トレッドショルダー部SH及びバットレス部BATではこれに対して傾斜させたことにより、カーカスコード38によるタイヤ周方向での拘束力がショルダー部SHやバットレス部BATで小さくなる。なお、カーカス層24の場合、上記のようにカーカスコード38の角度を変化させることにより、打込密度としては、ショルダー部SH及びバットレス部BATの方がセンター部CEよりも若干高くなり、周方向での拘束力という点では不利に作用するが、この程度の打込密度差であれば、通常は角度変化の方が大きく作用するため、問題とはならない。
以上より、ベルト26のショルダー部SHとカーカス22のショルダー部SH及びバットレス部BATにおいてコード間のゴム(トッピングゴム)の剪断歪みが大きくなるので、これらの部位の損失エネルギーを効果的に高めることができる。よって、制動するために必要なエネルギーを効果的に稼ぐことができ、制動性能を向上することができる。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤ50のトレッド幅方向断面図である。この実施形態では、ベルト26の半径方向外側にベルト補強層52を設けた点が上記第1の実施形態と相違する。
ベルト補強層52は、第1ベルト層28の幅Wとほぼ等しい幅を有し、ベルト26を全幅にわたって覆うようにベルト26の外周面に重ねられており、タイヤ周方向にほぼ平行に配列されたナイロン等の有機繊維コードから構成されている。
そして、この場合、図4に示すように、上記式(1)及び(2)に加え、ベルト補強層52が下記式(3)を満足するよう構成されている。
AC(CE)< AC(SH) …(3)
式中、AC(CE)は、トレッドセンター部CEにおける補強層52のコード54のタイヤ周方向Lに対する角度であり、AC(SH)は、トレッドショルダー部SHにおける補強層52のコード54のタイヤ周方向Lに対する角度である。
タイヤ周方向Lに対するコード54の傾斜角度は、AC(CE)及びAC(SH)ともに0〜35°の範囲内であることが好ましい。両者の差(AC(SH)−AC(CE))は2〜35°であることが好ましく、より好ましくは3〜25°である。この角度の差が2°より小さいと、目標性能の効果代が小さく、逆に、35°よりも大きいと、耐久性能の悪化が懸念される。なお、図4に示すように、トレッドセンター部CEでのコード54の角度AC(CE)を0°とした場合、トレッドセンター部CEではタイヤ周方向Lに平行に延びるコード54Aが配列されるとともに、トレッドショルダー部SHではタイヤ周方向Lに対して傾斜したコード54Bが配列されている。また、この場合、トレッドショルダー部SHでの打込密度がトレッドセンター部CEでの打込密度と同等以下になるように設定されることが好ましい。
このようにベルト補強層52を設ける場合には、同補強層52についてもコード54の傾斜角度をトレッドショルダー部SHで大きく設定することにより、コード54によるタイヤ周方向Lに対する拘束力がショルダー部SHで小さくなるので、この部位でのゴムの剪断歪みを大きくすることができ、そのため、損失エネルギーを効果的に高めて、制動性能を向上することができる。
第2の実施形態について、その他の構成は上記した第1の実施形態と同様であり、同様の作用効果が奏される。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、ベルト26の幅方向における端部区域のみを覆うエッジプライを設けることもできる。エッジプライは、上記ベルト補強層52と同様、タイヤ周方向にほぼ平行に配列されたナイロン等の有機繊維コードからなるものである。エッジプライを設ける場合、エッジプライのコードの傾斜角度はトレッド幅方向で一定でよい。
(実施例1及び比較例1〜4)
実施例1及び比較例1〜4のタイヤとして、図1に示す断面構造の空気入りラジアルタイヤを、タイヤサイズ:225/45ZR17として作製した。各タイヤにおけるベルト層28,30及びカーカス層24の構成は、下記表1に示すとおりである(表中の各コードの角度は加硫後での値である)。ここで、比較例1はコントロールタイヤであり、比較例2は、従来手法により制動性能の向上を図ったタイヤであり、比較例1に対してトレッドキャップのゴム配合を制動性能が向上する高摩擦抵抗の配合に変更し、その他は比較例1と同じ構成のタイヤである。また、比較例3,4及び実施例1は、比較例1に対してベルト層及びカーカス層のコード構成を表1に示す通り変更したものであり、その他は比較例1と同じ構成のタイヤである。
実施例1及び比較例1〜4の各タイヤについて、制動性能と摩耗性能を評価した。評価方法は以下の通りである。
・制動性能:使用リム:17×7.5JJ、空気圧:220kPaとして、各タイヤを2500ccの乗用車に装着する。該乗用車を助走区間で時速100kmまで加速し、初速度調整区間で試験速度100km/hを維持した後、制動開始点を通過すると同時にブレーキペダルを迅速に強く踏み込み、停止するまでその状態を維持し、停止距離を読み取る。結果は、比較例1の停止距離を100とした逆指数表示とし、数値が大きいほど制動性能が優れることを示す。
・摩耗性能:使用リム:17×7.5JJ、空気圧:220kPaとして、各タイヤを2500ccの乗用車に装着し、テストコース(市街地と高速道の混合)にて10000km走行を行う。トレッドセンター部CEとトレッドショルダー部SHの摩耗量を測定し、両者の平均を算出する。結果は、比較例1の摩耗量を100として指数評価し、数値が大きいほど摩耗性能が優れることを示す。
Figure 2006256522
表1に示すように、従来手法による比較例2では、比較例1に対して、制動性能は向上したものの、摩耗性能が悪化していた。また、ベルトコードのみ角度変化をつけた比較例3やカーカスコードのみ角度変化をつけた比較例4では、それぞれ角度変化をつけなかったベルト層やカーカス層のショルダー部がセンター部と同様に周方向の拘束力が低減されていないためか、制動性能の向上効果は認められなかった。これに対し、実施例1では、摩耗性能を損なうことなく、制動性能が向上していた。
(実施例2及び比較例5,6)
実施例2及び比較例5,6のタイヤとして、図3に示す断面構造の空気入りラジアルタイヤを、タイヤサイズ:225/45ZR17として作製した。各タイヤにおけるベルト層28,30、カーカス層24及びベルト補強層52の構成は、下記表2に示すとおりである(表中の各コードの角度は加硫後での値である)。ここで、比較例5はコントロールタイヤであり、比較例6は、従来手法により制動性能の向上を図ったタイヤであり、比較例5に対してトレッドキャップのゴム配合を制動性能が向上する高摩擦抵抗の配合に変更し、その他は比較例5と同じ構成のタイヤである。また、実施例2は、比較例5に対してベルト層、カーカス層及びベルト補強層のコード構成を表2に示す通り変更したものであり、その他は比較例5と同じ構成のタイヤである。
実施例2及び比較例5,6の各タイヤについて、制動性能と摩耗性能を評価した。評価方法は上記した通りである。
Figure 2006256522
結果は表2に示すとおりであり、従来手法による比較例6では、比較例5に対して、制動性能は向上したものの、摩耗性能が悪化していた。これに対し、実施例2では、摩耗性能を損なうことなく、制動性能が向上していた。
第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。 第1の実施形態におけるベルト及びカーカスの展開平面図である。 第2の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。 第2の実施形態におけるベルト、カーカス及びベルト補強層の展開平面図である。
符号の説明
10,50…空気入りタイヤ、12…ビード部、14…サイドウォール部、16…トレッド部、18…ビードコア、22…カーカス、24…カーカス層、26…ベルト、28…第1ベルト層(最大幅ベルト層)、30…第2ベルト層、34,36…ベルトコード、38…カーカスコード、52…ベルト補強層、54…ベルト補強層のコード、CE…トレッドセンター部、SH…トレッドショルダー部、BAT…バットレス部

Claims (2)

  1. トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトを備える空気入りタイヤであって、
    前記ベルト層は、トレッドショルダー部におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度よりも大きく設定され、
    前記カーカス層は、トレッドショルダー部及びバットレス部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度よりも小さく設定されたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトと、該ベルトの半径方向外側に配されたベルト補強層を備える空気入りタイヤであって、
    前記ベルト層は、トレッドショルダー部におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部におけるベルトコードのタイヤ周方向に対する角度よりも大きく設定され、
    前記カーカス層は、トレッドショルダー部及びバットレス部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度よりも小さく設定され、
    前記ベルト補強層は、トレッドショルダー部におけるコードのタイヤ周方向に対する角度がトレッドセンター部におけるコードのタイヤ周方向に対する角度よりも大きく設定されたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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