JP5070698B2 - カチオン可染性ポリエステル繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、カチオン染料で染色したときに高発色性を有するカチオン可染性ポリエステル繊維に関し、織物や編み物において、毛羽や経筋などが発生せず高品位な布帛を得ることができるカチオン可染性ポリエステル繊維に関する。
ポリエステル繊維は寸法安定性や耐薬品性等の耐久性に優れ、その機能性の有用さから多目的に用いられており、例えば、衣料用、産業資材用、医療用等に好適に用いられている。
一方、市場では合成繊維の特品化の要望が年々高まっており、中でも高発色性繊維の要望が強く、合成繊維各社を中心に種々の検討がなされており、高発色性繊維を得るために金属スルホネート基を含有するイソフタル酸とグリコール成分を共重合したカチオン可染性ポリエステル繊維が知られている。該繊維は優れた高発色性を有しているが製糸工程においてホモPETと同様の処理剤を使用した場合、延伸、整経、製織、製編時にガイド類等との擦過によって糸切れが起こりやすかったり、毛羽の発生、白粉の発生等のトラブルが発生するという問題があった。
これら問題を解決する方法として、カチオン可染性ポリエステル繊維をR[O(CO)x・(CO)y・H]n(但し、Rは1〜6価の脂肪族炭化水素であり、xおよびyはn(55x+44y)≧1500を満足する正の整数であり、xとyは同一でもよくnはRの価数に対応した1〜6の整数)で表される共重合物を含有する油剤で処理することが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では織物準備工程で使用される糊剤との相性の悪い化合物を使用しているため、製織工程などで糊剤の脱落が発生し製織性が低下するばかりか、製品品位も損なうことになる。また、加工時のヒータージャンピングを防止するために第4級アンモニウム塩を使用することが提案されている(特許文献2参照)。確かにこの方法で、加工時のヒータージャンピングを抑制することはできるが、一方で、該成分は樹脂系部品を膨潤させ強度劣化、破損を引き起こす成分であり、製糸工程、高次加工工程で使用される樹脂系部品に悪影響を及ぼし、処理剤供給ライン、ガイド類、ローラー類等さまざまな部品の耐久性を低下させ、繊維の品位、加工性等を満足するものではなかった。
特開昭51−55496号公報(特許請求の範囲第1項) 特開昭61−252370号公報(特許請求の範囲第1項)
そこで、本発明の目的は、上述の問題を解決し、カチオン染料で染色したときに優れた高発色性を有し、かつ織物や編み物の加工に適した処理剤を付与することにより従来にない高品位な布帛を得ることが可能なカチオン可染性ポリエステル繊維を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するために以下の構成を採用する。すなわち、0.1〜6モル%の5−スルホイソフタル酸金属塩と0.1〜5重量%の重量平均分子量200〜6000のポリエチレングリコールを共重合したポリエステルからなるポリエステル繊維であって、該ポリエステル繊維には、多価アルコールエステルを10〜30重量%、脂肪酸を1〜8重量%含有する処理剤が繊維重量に対し0.1〜5重量%付与されていることを特徴とするカチオン可染性ポリエステル繊維である。
本発明によれば、カチオン染料で染色したときに優れた高発色性を有し、かつ織物や編み物の加工に適した処理剤を付与することにより従来にない高品位な繊維製品および安定した操業性により高品位な布帛を得ることができる。
以下、本発明のカチオン可染性ポリエステル繊維についてさらに詳細に説明する。
本発明のカチオン可染性ポリエステル繊維は、0.1〜6モル%の5−スルホイソフタル酸金属塩と0.1〜5重量%の重量平均分子量200〜6000のポリエチレングリコールを共重合したポリエステルからなるものである。5−スルホイソフタル酸金属塩の共重合量が0.1モル%以上であることでカチオン染料の染着量が大きくなり、発色性が向上する。一方、共重合量が大きくなりすぎるとポリマの溶融粘度が大きく上昇するため、濾圧上昇や曳糸性の低下を伴う。このため、5−スルホイソフタル酸金属塩の共重合量は6モル%以下であることが重要である。さらには、0.5〜2モル%であることが好ましい。また、同時に重量平均分子量200〜6000のポリエチレングリコールの共重合量が0.1重量%以上であることでカチオン染料の染着量が大きくなるため、発色性が向上すると同時に5−スルホイソフタル酸金属塩による増粘効果を抑制する。一方、共重合量が大きすぎるとポリマの耐熱性低下やそれに伴った繊維の強伸度の低下、色調の悪化が発生するため、5重量%以下であることが重要である。好ましくは0.5〜4重量%であり、中でも1〜2重量%がより好ましい。なお、ポリエチレングリコールの重量平均分子量が大きすぎると、共重合せずポリエステル中で塊を形成しやすく、小さすぎると染色性に劣るため、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は2000〜4000が好ましい。ここで重量平均分子量は、GCP法(Gel Parmeation Chromatography)などで測定できる。
なお、上記本発明で規定する5−スルホイソフタル酸金属塩の金属塩としてはナトリウム塩やリチウム塩等が挙げられるが、中でもナトリウム塩が好ましい。その他に、アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸等のオキシカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体等が共重合されていてもよい。
処理剤としては、多価アルコールエステルを10〜30重量%、脂肪酸を1〜8重量%含有し、該処理剤が繊維重量に対し0.1〜5重量%付与されていることが重要である。
多価アルコールエステルは繊維に平滑性と集束性、油膜の強度を付与する成分で、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタンなどから選ばれた少なくとも1種の多価アルコールのエステルである。特に好ましい成分としてグリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリントリステアレート、トリメチロールプロパンモノステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、トリメチロールプロパントリステアレートなどがある。
処理剤中の多価アルコールエステル含有率は10〜30重量%であって、10〜20重量%がより好ましい。多価アルコールエステルの含有率が10重量%未満では、平滑性、集束性が不十分であり、油膜の強度も不足する。含有率が30重量%を超えると、その他の処理剤成分との相溶性が悪くなり、均一付着性が低下し操業性が低下する。
脂肪酸は制電剤としての効果の他、繊維を安定解舒する効果がある。
脂肪酸の例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、リシノレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などから選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
処理剤中の脂肪酸の含有率は0.1〜8重量%であって、1〜5重量%がより好ましい。脂肪酸の含有率が0.1重量%未満では、制電性能、解舒安定性が不足し、8重量%を越えると、延伸の熱セットの際にホットロールやヒーターの汚れが増加する。
上記の多価アルコールエステル、および脂肪酸を含有する処理剤は、繊維重量に対し0.1〜5重量%付与されていることが重要である。処理剤の付与量が0.1重量%未満では平滑性、集束性、制電性が不足して繊維の擦過による毛羽、糸切れの増加、張力の増加、金属摩耗の増加、静電気が発生し操業上好ましくない。5重量%を越えると、操業中に処理剤が飛散し作業環境を悪化させる他、紡糸機の汚れによる糸切れの発生や製造コストも高くなる。
本発明で用いられる処理剤は処理剤全成分を1.0〜30.0重量%含有する水性エマルションとして繊維に付与するのが適当である。この際、付与方法としてはオイリングローラー方式、ノズルを用いる方式など従来使用されている方法であればよい。
本発明の処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲内で鉱物油や脂肪酸エステルを含有しても良い。
また、製織準備工程で用いる糊剤の脱落を防止するためポリエーテル化合物は含有すべきではない。
本発明の処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲内で油剤成分相互の相溶性効果があり、繊維への均一付着性が良好となり、繊維の擦過、削れが低減し強伸度の劣化を抑制するためアルキレングリコールを含有してもよい。アルキレングリコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどが挙げられる。
アルキレングリコールの含有率は1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜6重量%である。
さらに、本発明の処理剤中には本発明の効果を損なわない範囲内でその他の成分を含有してもよい。例えば、アルキルスルホネート塩やアルキルホスフェート塩などのアニオン系界面活性剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、乳化剤を添加してもよい。
本発明のカチオン可染性ポリエステル繊維においてはアンチモン化合物を含まないかあるいはポリエステルに対するアンチモン原子換算での含有量が30ppm以下であることが好適である。
なお、アンチモン化合物に代わる重合触媒として特に限定するものではないが、チタン化合物が好ましく、カルボニル基またはカルボキシル基またはエステル基を含有する少なくとも1種であるチタン化合物が挙げられる。
さらに、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、カーボンブラック等の粒子のほか、着色防止剤、安定剤、抗酸化剤等の添加剤を含有していても差支えない。
また、本発明のポリエステル成分としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは衣料用合成繊維として最も汎用性の高い、ポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルである。
本発明のカチオン可染性ポリエステル繊維のポリマの固有粘度IVは0.6〜1であると好ましい。固有粘度が0.6以上であることで繊維強伸度が高くなるため、着衣快適性向上を目的に単糸細繊度化が可能である。また固有粘度が1未満であると曳糸性が向上するので好ましい。
また、繊維の断面形状は丸断面の他、3葉以上の異形断面であってもよく、2種類以上の組み合わせからなる混繊糸、芯鞘型複合繊維糸、サイドバイサイド型複合繊維糸、海島型複合繊維糸、割繊糸、ポリマブレンド糸、中空部を有する糸、C型断面糸などの複合繊維であってもよい。
また、本発明の処理剤を付与した繊維は、織物、編み物、産業資材、分繊、混繊、モノフィラメントなどいずれも用途でもよいが、織物、編物に適用すると最も効果が大きいので好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)ポリマの固有粘度IV
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(2)製糸性(操業性)
連続7日間(168時間)紡糸を行い、次いで得られた未延伸糸を延伸して製糸性(操業性)を下記の通り判定した。
○:糸切れ率が5%未満
△:糸切れ率が5%以上7%未満
×:糸切れ率が7%以上
××:判定不可
(3)延伸機ヒーター汚れ
延伸工程で熱板のセット温度を130℃に設定し、14日間連続運転した際の熱板汚れを下記の通り判定した。なお、着色汚れとは熱板上の堆積物の色が微黄色、褐色、黒褐色などの色を呈する状態である。
○:着色汚れなし
×:着色汚れあり
−:判定不可
(4)パッケージからの解舒安定性
パッケージから給糸ガイドまでの距離を1mに調整し、温度35°、湿度80%RHで解舒張力を60分間測定、チャート化、張力の最大値の変動を下記の通り判定した。
○:5g未満
×:5g以上
−:判定不可
(5)油膜強度
抱合力試験機を用いた。84dtexクラスで荷重250gをかけ、切断までの回数を5回測定し平均値を求め、下記の通り判定した。
○:2000回以上
△:1000回以上2000回未満
×:1000回未満
−:判定不可
(6)発色性
繊維を金属プレートに巻き取り、赤色染料にて染色したサンプルと同様に処理した標準サンプルとの比較評価を熟練者5名による3段階判定で評価した。
◎:優
○:良
×:同等
−:判定不可
(7)品位
布帛の表面品位の均一性および染色斑の判定を熟練者5名による4段階判定で評価した。
◎:優
○:良
△:可
×:不可
−:判定不可
(8)樹脂膨潤
処理剤原液中(水分5%以下)に仮撚り機で使用されるツイスターベルトを浸漬し、50℃、14日間の条件下で処理した前後の硬度変化を測定、変化率を下記の通り判定した。
○:変化率3%未満
×:変化率3%以上
実施例1
高純度テレフタル酸82.5kgとエチレングリコール35.4kgのスラリーを予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約100kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×10Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の101.5kgを重縮合槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、シリコン5gを添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト11.5g(ポリマに対してコバルト原子換算で30ppm)、酢酸マンガン15g(ポリマに対してマンガン原子換算で33ppm)、ペンタエリスリトールーテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート)75g、酢酸リチウム45g、ポリマに対してチタン原子換算で10ppm相当の乳酸キレートチタン化合物及びリン原子換算で6ppm相当のリン酸からなるエチレングリコール溶液、ポリマに対して70ppm(リン原子換算で7ppm)相当のビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトのエチレングリコールスラリーの混合物を添加した。更に5分間撹拌した後、重量平均分子量4000のポリエチレングリコールを1kg添加した。更に5分間撹拌した後、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ヒドロキシエチルエステルのエチレングリコール溶液を、ポリマに対する硫黄分量が0.3%となるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリマのペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
得られたポリマの固有粘度IVは0.7であった。また、ポリマから測定したチタン触媒由来のチタン原子の含有量は10ppm、リン原子の含有量は13ppmであり、Ti/P=0.50であり、アンチモン原子の含有量は0ppmであることを確認した。
また、このポリエステルを乾燥後、紡糸機に供し、紡糸温度290℃の条件下、吐出量21g/分の溶融ポリマを口金ノズル(φ0.25mm、24ホール)より吐出させて紡速1500m/分で紡糸し、表1記載の成分を含む処理剤を繊維重量に対して1重量%ノズルを用いて付与し、140dtex−24フィラメント、残留伸度300%の未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を延伸温度87℃、熱セット温度140℃、倍率2.5倍で延伸熱セットし、56dtex−24フィラメントの延伸糸を得た。得られた延伸糸をフロントに、バックには44dtexのポリウレタン弾性糸を15%混率で用い、28ゲージのハーフトリコットを編成した。次いで90℃×30秒でリラックスセット後、190℃×40秒で熱セットした。その後、マラカイトグリーン5%owf、酢酸0.5g/L、浴比1:100、125℃×30分で染色を施し、160℃×40秒の熱セットを行った。得られた編物は(実施例1)優れた発色性を有するものが得られた。
実施例2〜6,比較例1〜2
実施例2は5−スルホイソフタル酸金属塩として5−スルホイソフタル酸リチウムを用いた以外は実施例1と同様に編物を得た。製糸性は良好で、延伸機のヒーター汚れもなかった。また得られた編物は品質に優れ、品位も良好であった。
実施例3〜6、比較例1〜2は5−スルホイソフタル酸金属塩の共重合量をそれぞれ変更した以外は実施例1と同様に実施した。
実施例3〜6は工程安定性に優れ、発色性が良好なものが得られた。
比較例1は5−スルホイソフタル酸金属塩の共重合量を0.05モル%とした例であるが、共重合量が少なかったために発色性が劣っていた。
比較例2は5−スルホイソフタル酸金属塩の共重合量を7モル%とした例であるが、共重合量が高すぎたために、濾圧上昇が大きく、糸切れも散発した。また、得られた編物は毛羽が目立ち、品位が悪かった。評価結果を表1に示す。
Figure 0005070698
実施例7〜14、比較例3〜6
ポリエチレングリコールの重量平均分子量、共重合量をそれぞれ変更した以外は実施例1と同様に実施した。
実施例7〜14は糸切れ、延伸機ヒーター汚れ共にが少なく、発色性に優れたものが得られた。
比較例3、および4はポリエチレングリコールの重量平均分子量がそれぞれ100、および7000のものを用いた例であるが、発色性は満足するものの、毛羽立ちがあり、風合いが悪かった。
比較例5はポリエチレングリコールの共重合量を6重量%とした例であるが、製糸性はそこそこ安定していたが、共重合量が高すぎたために整経、製編時に毛羽が発生した。
比較例6はポリエチレングリコールを添加しない例であるが、糸切れが若干見られ、発色性に劣っていた。評価結果を表2に示す。
Figure 0005070698
実施例15〜20、比較例7〜14
処理剤の組成を変更した以外は実施例1と同様に実施した。
実施例15〜17は多価アルコールエステルの含有率を変更した例である。得られた繊維は製糸性、油膜強度ともに良好で高品位な編物を得た。
比較例7と8は多価アルコールエステルの含有率をそれぞれ5重量%と50重量%に変更した例である。比較例7では十分な油膜強度が得られず、得られた編物には毛羽が目立ち低品位なものであった。一方、比較例8では油膜強度は十分であったが、その他の油剤組成との相溶性が悪く、処理剤としての機能を発揮できず製糸性が低調であった。
実施例18は脂肪酸の含有率を0.1%とした例である。得られた繊維は製糸性、油膜強度ともに良好で解舒性も安定しており、高次加工で安定した加工性を有していた。また得られた編物は高品位なものであった。
比較例9と10は脂肪酸の含有率を0%と10重量%に変更した例である。
比較例9では解舒性が不安定で高次加工時に安定加工が不可能であった。また、比較例10では解舒安定性は良好であったが、延伸機のヒーター汚れが激しかった。
実施例19、20、比較例11、12は処理剤付着量を変更した例である。
実施例19、20で得られた繊維は製糸性、油膜強度ともに良好で高品位な編物を得た。
比較例11では処理剤が付与されていないため油膜形成ができず繊維を得ることができなかった。
比較例12は処理剤付着量が8重量%であるため、繊維を得ることはできたが、紡糸の際、処理剤の飛散が激しく、延伸機のヒーター汚れも激しかった。
比較例13、14は公知の処理剤を使用した例である。
比較例13はポリエーテル系成分により油膜強度は優れていたが、解舒時の張力変動が大きく編み立て工程が安定で品位の高い編物が得られなかった。
比較例14は処理剤中の第4級アンモニウム塩の影響で樹脂膨潤が大きく、経時での樹脂系部品の劣化、それに伴う製糸性等の低下が懸念される。評価結果を表3に示す。
Figure 0005070698

Claims (3)

  1. 0.1〜6モル%の5−スルホイソフタル酸金属塩と0.1〜5重量%の重量平均分子量200〜6000のポリエチレングリコールを共重合したポリエステルからなるポリエステル繊維であって、該ポリエステル繊維には、多価アルコールエステルを10〜30重量%、脂肪酸を1〜8重量%含有する処理剤が繊維重量に対し0.1〜5重量%付与されていることを特徴とするカチオン可染性ポリエステル繊維。
  2. 多価アルコールエステルを構成するアルコールが、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタンから選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載のカチオン可染性ポリエステル繊維。
  3. 脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、リシノレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載のカチオン可染性ポリエステル繊維。
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