以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。以下では、送信機能を有するデジタル複合機として本発明を具体化する。送信機能は、FTP(File Transfer Protocol)、SMB(Server Message Block)等のデータ転送プロトコルを使用したデータ送信、および電子メールの添付ファイルとしたデータ送信等を含む。
図1は本実施形態におけるデジタル複合機の全体構成の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、複合機100は、画像読取部120および画像形成部140を含む本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102とを備える。本体101の上面には原稿台103が設けられており、原稿台103はプラテンカバー102によって開閉されるようになっている。また、プラテンカバー102は、原稿搬送装置110と原稿トレイ111と排紙トレイ112を備えている。
原稿台103の下方には、画像読取部120が設けられている。画像読取部120は、原稿の画像を読み取りその画像のデジタルデータ(画像データ)を生成する。画像データには、必要に応じて指定された画像処理が実施されている。原稿は、原稿台103に載置することができる。原稿台103の下方には走査光学系121が配置されている。走査光学系121は、第1キャリッジ122や第2キャリッジ123、集光レンズ124を備える。第1キャリッジ122には線状の光源131およびミラー132が設けられ、第2キャリッジ123にはミラー133および134が設けられている。光源131は原稿を照明する。ミラー132、133、134は、原稿からの反射光を集光レンズ124に導き、集光レンズ124はその光像をラインイメージセンサ125の受光面に結像する。この走査光学系121において、第1キャリッジ122および第2キャリッジ123は、副走査方向135に往復動可能に設けられている。第1キャリッジ122および第2キャリッジ123を副走査方向135に移動することによって、原稿台103に載置された原稿の画像をイメージセンサ125で読み取ることができる。イメージセンサ125は、受光面に入射した光像から、原稿の画像データを生成する。
また、原稿は、原稿トレイ111に載置することもできる。原稿搬送装置110は、ピックアップローラ113により原稿トレイ111にセットされた原稿を1枚ずつ搬送路116へ送り出す。その搬送路116上には画像読取位置Pがある。搬送ローラ114は画像読取位置Pへ原稿を搬送する。原稿トレイ111にセットされた原稿の画像を読み取る場合、画像読取部120は、第1キャリッジ122および第2キャリッジ123を画像読取位置Pに合わせて一時的に固定する。原稿が画像読取位置Pを通過するとき、光源131は原稿を照明する。光源131からの光は、原稿台103を透過して原稿読取位置Pを通過する原稿において反射し、ミラー132、133、134、集光レンズ124によってイメージセンサ125に導かれる。イメージセンサ125は、受光光に基づいて、例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色に対応する画像データを生成する。画像読取位置Pを通過した原稿は、排紙ローラ115により排紙トレイ112に排出される。
なお、生成された画像データは、画像形成部140において用紙に印刷することができる。また、生成された画像データは、ネットワークアダプタ161等を介して、ネットワーク162を通じて他の機器へ送信することもできる。なお、図1では、他の機器として、データベース171(サーバ装置)のみを例示している。
画像形成部140は、画像読取部120で得た画像データや、ネットワーク162に接続された他の機器からネットワークアダプタ161を介して受信した画像データを用紙に印刷する。画像形成部140は、感光体ドラム141を備える。感光体ドラム141は一定速度で一方向に回転する。感光体ドラム141の周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器142、露光器143、現像器144、中間転写ベルト145が配置されている。帯電器142は、感光体ドラム141表面を一様に帯電させる。露光器143は、一様に帯電した感光体ドラム141の表面に、画像データに応じて光を照射し、感光体ドラム141上に静電潜像を形成する。現像器144は、その静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラム141上にトナー像を形成する。中間転写ベルト145は、感光体ドラム141上のトナー像を用紙に転写する。画像データがカラー画像である場合、中間転写ベルト145は、各色のトナー像を同一の用紙に転写する。なお、RGB形式のカラー画像は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)形式の画像データに変換され、各色の画像データが露光器143に入力される。
画像形成部140は、手差しトレイ151、給紙カセット152、153、154等から、中間転写ベルト145と転写ローラ146との間の転写部に用紙を給送する。手差しトレイ151や各給紙カセット152、153、154には、様々なサイズの用紙を載置または収容することができる。画像形成部140は、ユーザの指定した用紙や、自動検知した原稿のサイズに応じた用紙を選択し、選択した用紙を給送ローラ155により手差しトレイ151やカセット152、153、154から引き出す。引き出した用紙は搬送ローラ156やレジストローラ157で転写部に送り込む。トナー像を転写した用紙は、搬送ベルト147により定着器148に搬送される。定着器148は、ヒータを内蔵した定着ローラ158および加圧ローラ159を有しており、熱と押圧力によってトナー像を用紙に定着する。画像形成部140は、定着器148を通過した用紙を排紙トレイ149へ排紙する。
図2は複合機が備える操作パネルの外観の一例を示す図である。ユーザは、操作パネル200を用いて、複合機100に複写開始やその他の指示を与えたり、複合機100の状態や設定を確認したりすることができる。操作パネル200には、タッチパネル付きディスプレイ201や操作ボタン203が配置されている。ユーザは、例えば、タッチペン202を使用して、ディスプレイ201を通じて入力を行うことができる。
ディスプレイ201は、設定部204およびメッセージ表示部205を有する操作画面を表示する。設定部204には、複数のタブ206が用意されている。「基本」タブは、用紙のサイズや向き、複写倍率、濃度などの設定に使用される。「基本」タブは、その設定のためボタンなどの各種の要素を有している。例えば「濃度設定」ボタン207を押す操作をユーザが行うと、濃度の数値を指定するためのウィンドウがそのタブ上に重ねて表示される。図2の例では、「基本」タブのほか、「ユーザ機能」、「機能リスト」、「プログラム」タブも設けられている。ユーザは、タブボタン208を選択する(触れる)操作を行うことによって、これらのタブの表示を切り替えることができる。一つのタブが選択されている間、操作画面上で他のタブやその要素は隠れている。
メッセージ表示部205は、複写が可能かどうかや用紙の補給が必要かどうかなどの複合機の状態や、複写部数などの設定をユーザに知らせるメッセージを表示する。この表示には、複合機100が備える各種のセンサの検知結果やユーザの操作結果が反映される。
操作キー203は、主電源キー209、テンキー210やスタートキー211、クリアキー212等を含む。例えば、主電源キー209は、複合機100の主電源のON、OFFの切り替えに使用される。テンキー210は、複写部数の指定や複写倍率の設定に用いることができる。ユーザがそれらの設定をすると、複合機は、例えば「コピーできます(設定あり)」のようなメッセージを表示部205に表示し、ユーザによる設定が行われたことを通知する。スタートキー211は、複写や画像印刷の開始指示に使用される。ユーザは、自身でした設定を解除する場合、クリアキー212を操作する。ユーザによる設定を機械が受け付けているかどうかは上述のメッセージで判断することができるので、その設定が不要になれば、クリアキー212を操作すればよい。
図3は、複合機における制御系のハードウェア構成図である。本実施形態の複合機100は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304および原稿搬送装置110、画像読取部120、画像形成部140における各駆動部に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。ROM303やHDD304等はプログラムを格納しており、CPU301はその制御プログラムの指令にしたがって複合機100を制御する。例えば、CPU301はRAM302を作業領域として利用し、ドライバ305とデータや命令を授受することにより上記各駆動部の動作を制御する。また、HDD304は、画像読取部120により得られた画像データや、他の機器からネットワークアダプタ161を通じて受信した画像データの蓄積にも用いられる。
内部バス306には、操作パネル200や各種のセンサ307も接続されている。操作パネル200は、ユーザの操作を受け付け、その操作に基づく信号をCPU301に供給する。また、ディスプレイ201は、CPU301からの制御信号にしたがって上述の操作画面を表示する。また、センサ307は、プラテンカバー102の開閉検知センサや原稿台103上の原稿検知センサ、定着器148の温度センサ、搬送される用紙または原稿の検知センサなど各種のセンサを含む。CPU301は、例えばROM303に格納されたプログラムを実行することで、以下の各手段を実現するとともに、これらセンサからの信号に応じて各手段の動作を制御する。
図4は、本実施形態の複合機の機能ブロック図である。設定入力部401は、画像読取部120における画像データの生成に適用される画像データ生成条件、および基準値をユーザが入力するために使用される。基準値は、画像データ生成条件が含む複数の設定項目についての優先度、および上限画像データサイズを含む。例えば、ディスプレイ201が設定入力部401として機能する。
条件保持部402は、設定入力部401を通じて入力された画像データ生成条件を保持する。画像データ生成条件は、画像読取部120が原稿を読み取って画像データを生成する際に設定可能な条件である。画像データ生成条件は、複数の設定項目の組み合わせにより構成される。画像データ生成条件は、例えば、画像の送信サイズ(用紙サイズ)、解像度、画像フォーマット(例えば、JPEG、TIFF、PDF、GIF、BMP、PNG等)、画質(圧出率)等の設定項目から構成される。1つの設定項目について複数の値を設定することができる。この場合、画像データ生成条件は、実質的に複数の条件を含むことになる。また、基準保持部403は、設定入力部401を通じて入力された上記基準値を保持する。
項目抽出部404は、条件保持部402に保持された画像データ生成条件を構成する設定項目の中から、複数の設定値を含む設定項目を抽出する。条件生成部405は、項目抽出部404が抽出した設定項目についての設定値、および非抽出の各設定項目についての設定値に基づいて、生成可能な画像データ生成条件の全組み合わせを生成する。
特定部406は、条件生成部405が生成した画像データ生成条件の組み合わせを適用して画像読取部120により生成される画像データの中で、上限画像データサイズ以下であり、かつ付与された優先順位が最も高い画像データ生成条件の組み合わせにより生成される画像データを特定する。当該画像データは、画像読取部120により生成される画像データのデータサイズ、各組み合わせに付与された優先順位および上限画像データサイズに基づいて特定される。そして、送信部407は、特定部406により特定された画像データを、ネットワークアダプタ161を通じて外部の装置へ送信する。なお、本実施形態では、画像読取部120が生成した画像データは、画像データ保持部408に保持されるようになっている。
図5は、特定部406の構成の一例をより詳細に示す機能ブロック図である。図5に示す例では、特定部406は、データサイズ取得部411および判定部412を備えている。データサイズ取得部411は、条件生成部405により生成された画像データ生成条件の各組み合わせについて、各組み合わせに付与された優先順位にしたがって、順に、画像読取部120に画像データを生成させる。そして、画像読取部120により生成されて画像データ保持部408に保持された画像データのデータサイズを取得する。また、判定部412は、データサイズ取得部411が画像データのデータサイズを取得する都度、取得されたデータサイズと上限画像データサイズとを比較する。そして、その画像データが上限画像データサイズ以下であり、かつ付与された優先順位が最も高い画像データ生成条件の組み合わせにより生成されたか否かを判定する。なお、ここでは、画像データは、画像データ生成条件の各組み合わせに付与された優先順位にしたがって順に生成されるため、最初に上限画像データサイズ以下と判定された画像データが当該条件を満足することになる。
図6は、図5に示す複合機が実行する画像送信処理手順の一例を示す図である。当該手順は、ユーザから送信機能の起動指示が与えられたことをトリガとして進行する(ステップS601Yes)。送信機能は、操作キー203に含まれる「Send」ボタン(図2参照)を押下することで起動できる。送信機能が起動すると、操作パネル200のディスプレイ201に送信設定操作画面が表示される。図7は、送信設定操作画面の例を示す図である。
図7に示すように、送信設定操作画面701は、あて先入力欄702、「あて先表」ボタン703、「送信方法選択」ボタン704、「自動サイズ」ボタン705、「原稿読込」ボタン706、「キャンセル」ボタン707、「読取設定」ボタン708を備える。あて先入力欄702は画像データの送信先の指定に使用される。あて先入力欄702には直接あて先を入力することができ、また、あて先表を用いてあて先を入力することもできる。「あて先表」ボタン703は、予め登録されているあて先一覧を表示する際に使用される。あて先一覧からユーザが選択したあて先が、あて先入力欄702に送信先として入力される。「送信方法選択」ボタン704は、電子メール、ftp、SMB等、画像データの送信方法の選択に使用される。「自動サイズ」ボタン705は一対のラジオボタンで構成され、指定された画像データ生成条件にしたがって送信用画像データを自動的に生成するか否かを指定する。「ON」が選択された場合は指定された生成条件にしたがって送信用画像データが自動的に生成され、「OFF」が選択された場合は、ユーザが指定した画像データが送信用画像データとして送信される。「原稿読込」ボタン706は、送信用画像データの生成源になる原稿を画像読取部120で読み取る場合に使用される。「キャンセル」ボタン707は、操作を中止して送信設定操作画面701を閉じるために使用される。「読取設定」ボタン708は、送信用画像データを自動的に生成する際に適用される画像データ生成条件を確認および設定するために使用される。
送信用画像データの自動生成を実現する場合、まず、ユーザは画像データ生成条件を設定する。このとき、ユーザは、送信設定操作画面701において、「読取設定」ボタン708を選択する。これにより、ディスプレイ201に画像読取設定画面が表示される。
図8は、画像読取設定画面の例を示す図である。図8に示すように、原稿読取設定画面801は、基準値設定画面への表示切替の際に選択される「基準設定」ボタン802、その時点で登録されている画像データ生成条件を示す条件一覧表示部803、原稿読取設定を終了して送信設定操作画面701を表示させるために使用される「戻る」ボタン804を備える。条件一覧表示部803は、設定項目と設定値とが対応づけて表示され、さらに設定項目ごとに「変更」ボタンが配置されている。図8の例では、4つの設定項目、「フォーマット」、「送信サイズ」、「解像度」、「画質」として、「JPEG」、「A4、B5」、「200、300」、「3、4、5」がそれぞれ登録されている。なお、この例では、「送信サイズ」、「解像度」、「画質」について、それぞれ、複数の設定値が登録されている。
例えば、設定項目「フォーマット」の設定値を変更する場合、ユーザは、条件一覧表示部803の設定項目「フォーマット」に対応する「変更」ボタンを選択する。図8の例では、設定項目「フォーマット」と同列にある「変更」ボタンが、対応するボタンである。ユーザが、設定項目「フォーマット」に対応する「変更」ボタンを選択すると、ディスプレイ201に、設定項目「フォーマット」についての画像読取設定画面が表示される。
図9は、設定項目「フォーマット」についての画像読取設定画面の例を示す図である。図9に示すように、原稿読取設定画面901は、画像フォーマット選択部902、指定した画像フォーマットを確定して原稿読取設定画面901を閉じ、原稿読取設定画面801を表示するために使用する「設定」ボタン903、指定した画像フォーマットをキャンセル(変更前の画像フォーマットに指定)して原稿読取設定画面901を閉じるために使用する「キャンセル」ボタン904を備える。図9の例では、画像フォーマット選択部902において「JPEG」、「TIFF」、「PDF」、「GIF」、「BMP」、「PNG」の画像フォーマットを選択できるようになっている。なお、図8に示した条件一覧表示部803に表示される設定項目は、設定項目の設定値に応じて変化する。例えば、画像フォーマット選択部902において、「BMP」や「GIF」等を選択した場合(チェックボックスにチェックが入力された状態、以下同様)には、JPEGフォーマットおける圧縮率である「画質」の設定項目は設定不可能であるため表示されない。なお、画像フォーマット選択部902では、複数の画像フォーマットを選択できるようになっている。
同様に、ユーザが、原稿読取設定画面801において、条件一覧表示部803の設定項目「送信サイズ」に対応する「変更」ボタンを選択すると、ディスプレイ201に、設定項目「送信サイズ」についての画像読取設定画面が表示される。
図10は、設定項目「送信サイズ」についての画像読取設定画面の例を示す図である。図10に示すように、原稿読取設定画面1001は、送信サイズ選択部1002、指定した送信サイズを確定して原稿読取設定画面1001を閉じ、原稿読取設定画面801を表示するために使用する「設定」ボタン1003、指定した送信サイズをキャンセル(変更前の送信サイズに指定)して原稿読取設定画面1001を閉じるために使用する「キャンセル」ボタン1004を備える。図10の例では、送信サイズ選択部1002において、「原稿サイズと同じ」、「A3」、「B4」、「A4」、「B5」の送信サイズを1又は2以上、選択できるようになっている。また、「縮小してスキャン」するか否かも選択できるようになっている。「縮小してスキャン」が選択状態にあるとき、画像読取部120は、原稿の画像を、等倍または縮小で読み取る。例えば、原稿サイズがA4である場合、「送信サイズ」として「A3」、「B4」、「A4」、「B5」が選択されているときであっても、送信サイズが「A3」、「B4」である画像データは生成されない。なお、原稿サイズは、原稿サイズを検知するセンサにより容易に取得することができる。
同様に、ユーザが、原稿読取設定画面801において、条件一覧表示部803の設定項目「解像度」に対応する「変更」ボタンを選択すると、ディスプレイ201に、設定項目「解像度」についての画像読取設定画面が表示される。
図11は、設定項目「解像度」についての画像読取設定画面の例を示す図である。図11に示すように、原稿読取設定画面1101は、解像度選択部1102、指定した解像度を確定して原稿読取設定画面1101を閉じ、原稿読取設定画面801を表示するために使用する「設定」ボタン1103、指定した解像度をキャンセル(変更前の解像度に指定)して原稿読取設定画面1101を閉じるために使用する「キャンセル」ボタン1104を備える。解像度選択部1102は、「最高値」、「最低値」、「ステップ」を指定する欄を備える。図11の例では、「最高値」=300dpi、「最低値」=200dpi、「ステップ」=100dpiが登録されているので、結果として200dpiと300dpiとの2つの値が解像度として指定されている。
さらに、ユーザが、原稿読取設定画面801において、条件一覧表示部803の設定項目「画質」に対応する「変更」ボタンを選択すると、ディスプレイ201に、設定項目「画質」についての画像読取設定画面が表示される。
図12は、設定項目「画質」についての画像読取設定画面の例を示す図である。図12に示すように、原稿読取設定画面1201は、画質選択部1202、指定した画質を確定して原稿読取設定画面1201を閉じ、原稿読取設定画面801を表示するために使用する「設定」ボタン1203、指定した画質をキャンセル(変更前の画質に指定)して原稿読取設定画面1201を閉じるために使用する「キャンセル」ボタン1204を備える。画質選択部1202では、「1(低画質)」、「2」、「3(標準)」、「4」、「5(高画質)」の画質を1または2以上、選択できるようになっている。図12は、「3(標準)」、「4」および「5(高画質)」が選択された状態を例示している。なお、ここでは、画質(圧縮率)を5段階の中から選択できる構成になっているが、段階数は他の数であってもよい。また、上述のように、設定項目「画質」は、設定項目「フォーマット」において「JPEG」が選択されているときに選択可能になる項目である。
以上のようにして登録された各設定項目についての設定値は、条件保持部402に保持される。
一方、原稿読取設定画面801において、ユーザが「基準設定」ボタン802を選択すると、ディスプレイ201に、基準値設定画面が表示される。
図13は、基準値設定画面の例を示す図である。図13に示すように、基準値設定画面1301は、画像読取設定画面への表示切替の際に選択される「読取設定」ボタン1302、その時点で登録されている基準値の設定値を示す基準値一覧表示部1303、基準値設定を終了して送信設定操作画面701を表示させるために使用される「戻る」ボタン1304を備える。基準値一覧表示部1303は、基準値項目と設定値とが対応づけて表示され、さらに基準値項目ごとに「変更」ボタンが配置されている。図13の例では、2つの基準値項目、「上限サイズ」、「優先度」として、「1MB」、「第1優先:解像度、第2優先:画質、第3優先:送信サイズ」がそれぞれ登録されている。
例えば、基準値項目「上限サイズ」の設定値を変更する場合、ユーザは、基準値一覧表示部1303の基準値項目「上限サイズ」に対応する「変更」ボタンを選択する。図13の例では、基準値項目「上限サイズ」と同列にある「変更」ボタンが、対応するボタンである。ユーザが、基準値項目「上限サイズ」に対応する「変更」ボタンを選択すると、ディスプレイ201に、基準値項目「上限サイズ」についての基準値設定画面が表示される。
図14は、基準値項目「上限サイズ」についての基準値設定画面の例を示す図である。図14に示すように、基準値設定画面1401は、上限サイズ選択部1402、指定した上限サイズを確定して基準値設定画面1401を閉じ、基準値設定画面1301を表示するために使用する「設定」ボタン1403、指定した上限サイズをキャンセル(変更前の上限サイズに指定)して基準値設定画面1401を閉じるために使用する「キャンセル」ボタン1404を備える。図14の例では、上限サイズ選択部1402において「1MB(=220bytes)」、「500KB(=219bytes)」、「250KB(=218bytes)」、「100KB(=217bytes)」、「指定サイズ」のいずれか1の上限画像データサイズを選択できるようになっている。指定サイズでは、任意の上限画像データサイズを設定することができる。
同様に、ユーザが、基準値設定画面1301において、基準値一覧表示部1303の基準値項目「優先度」に対応する「変更」ボタンを選択すると、ディスプレイ201に、基準値項目「優先度」についての基準値設定画面が表示される。
図15は、基準値項目「優先度」についての基準値設定画面の例を示す図である。図15に示すように、基準値設定画面1501は、優先順表示部1502、指定した優先度を確定して基準値設定画面1501を閉じ、基準値設定画面1301を表示するために使用する「設定」ボタン1503、指定した優先度をキャンセル(変更前の優先度に指定)して基準値設定画面1501を閉じるために使用する「キャンセル」ボタン1504、「優先度」を入れ替える優先度変更ボタン1505備える。図15の例では、優先順表示部1502に、「第1優先:解像度、第2優先:画質、第3優先:送信サイズ」が登録されている。この場合、例えば、「画質」を第1優先にするときには、ユーザは、優先順表示部1502において第2優先である「画質」を選択し、優先度変更ボタン1505の「高」ボタンを選択する。これにより、「画質」の優先度が高められて第1優先になり、「解像度」が第2優先になる。なお、優先順表示部1502において第1優先である「解像度」を選択し、優先度変更ボタン1505の「低」ボタンを選択しても、同一の優先度変更を実現することができる。また、優先度は、複数の設定値を設定可能な全設定項目について登録する構成であってもよく、複合設定項目についてのみ登録する構成であってもよい。
以上のようにして登録された各基準値項目についての設定値は、基準保持部403に保持される。
以上のようにして、画像データ生成条件および基準値を登録した状態で、送信設定操作画面701においてユーザが「原稿読取」ボタン706を選択する。これにより、ディスプレイ201に原稿読込操作画面が表示される。このとき、項目抽出部404は条件保持部402に保持された画像データ生成条件を構成する設定項目の中から、2以上の設定値を含む設定項目(以下、複合設定項目という。)を抽出する(ステップS602Yes、S603)。
複合設定項目を抽出した場合、項目抽出部404はその旨および抽出した設定項目を条件生成部405へ通知する(ステップS603Yes)。当該通知を受けた条件生成部405は、条件保持部402を参照して、項目抽出部404から通知された各複合設定項目について設定値を抽出し、当該設定値の全組み合わせを生成する(ステップS604)。例えば、図8に示すように複合設定項目が3項目(送信サイズ、解像度、画質)存在し、複合設定項目がそれぞれ2つ、2つ、3つの設定値を有している場合、2×2×3=12通りの組み合わせが生成される。また、項目抽出部404から通知された複合設定項目以外の設定は全て共通であるので、条件生成部405は、生成した組み合わせと、条件保持部402が保持している、複合設定項目以外の設定項目の設定値とを結合することで、全組み合わせに対応する画像データ生成条件(上述の例では12通り)を生成する。
なお、条件生成部405は、当該画像データ生成条件の中から、画像読取部120において有効な画像データ生成条件のみを抽出する。すなわち、生成した複数の画像データ生成条件中に実質的に同一の条件が含まれている場合は、条件生成部405は、その実質的に同一の画像データ生成条件を1つの生成条件として抽出する。例えば、設定項目「フォーマット」において、「JPEG」と「GIF」とが選択され、設定項目「画質」において、「3」、「4」、「5」が選択されている場合、「GIF」に対する「画質」の設定は意味を成さず、実質的に同一の画像データ生成条件になる。この場合、条件生成部405は、「GIF」について設定項目「画質」の設定を無視した組み合わせを生成する。
以上のようにして、全組み合わせに対応する画像データ生成条件を生成した条件生成部405は、基準保持部403から、各設定項目の優先度を読み出し、全組み合わせのそれぞれに優先順位を付与する(ステップS605)。
図16は、図8に示す設定項目の設定値および図13に示す各設定項目の優先度にしたがって条件生成部405が生成した画像データ生成条件を示すテーブルである。図16では、図8に示す4つの設定項目の組み合わせのみを示している。上述のとおり、12通りの組み合わせが生成され、優先度の低い複合設定項目の設定値から順に変化させた組み合わせの順に高い優先順位が付与されている。なお、ここでは、上限画像データサイズ以下で、できるだけ高品質な画像データを生成することを目的とするので、「解像度」については優先順位の低下にしたがって高解像度の設定から低解像度の設定へ変化させ、「画質」については優先順位の低下にしたがって高画質の設定から低画質の設定へ変化させ、「送信サイズ」については優先順位の低下にしたがって大きいサイズの設定から小さいサイズの設定へ変化させている。
図17は、ユーザが「原稿読取」ボタン706を選択した際に、ディスプレイ201に表示される画像読取操作画面の例を示す図である。図17に示すように、原稿読込操作画面1701は、上述の画像データ生成条件等を確認するために選択される「設定確認」ボタン1702、原稿読取を中止して送信設定操作画面701を表示させるために使用される「戻る」ボタン1703を備える。画像読取部120において読み取られる原稿は、上述のように、原稿トレイ111や原稿台103に載置され、操作パネル200のスタートキー211押下により原稿読取が開始する。以下、1枚の原稿を読み取る事例について説明する。
ユーザがスタートキー211を押下すると、データサイズ取得部411が、条件生成部405において生成された画像データ生成条件の組み合わせを優先順位の高いものから1つ取得し、その各設定項目の設定値を画像読取部120へ入力する(ステップS606)。画像読取部120は入力された設定値にしたがって画像データを読み取り、必要に応じて画像処理を行って送信用画像データを生成する(ステップS607、S608)。ここで、画像処理とは、例えば、指定された画質に応じた画像圧縮等を意味する。なお、本実施形態では、画像処理実施前の画像データ(以下、原画像データという。)および画像処理実施後の送信用画像データは、ともに画像データ保持部408(図5参照)に保持される。データサイズ取得部411は画像データ保持部408に保持された送信用画像データのデータサイズを取得する。データサイズ取得部411は、取得したデータサイズを判定部412に入力する。判定部412は、入力されたデータサイズと、基準保持部403に保持された上限画像データサイズとを比較する(ステップS609)。入力されたデータサイズが上限画像データサイズを超えている場合、判定部412はその旨をデータサイズ取得部411へ通知する(ステップS609No)。
当該通知を受けたデータサイズ取得部411は、条件生成部405において生成された画像データ生成条件の組み合わせの中から次に優先順位の高いものを1つ取得し、その各設定項目の設定値を画像読取部120へ入力する(ステップS611Yes、S612)。画像読取部120は入力された設定値にしたがって送信用画像データを生成する。このとき、画像読取部120は入力された設定値に基づいて画像を再取得すべきか否かを判定する(ステップS613)。画像読取部120は、画像データ保持部408に保持されている原画像データを画像処理するよりも、新たに原稿を読み取る方が高品質な画像データを取得できる場合、入力された設定値にしたがって原画像データを新たに取得し、送信用画像データを生成する(ステップS613Yes、S607、S608)。また、画像データ保持部408に保持されている原画像データの画像処理により、新たに原稿を読み取る場合と同等の送信用画像データを生成できる場合は、画像読取部120は画像データ保持部408に保持されている原画像データに対する画像処理により入力された設定値にしたがった送信用画像データを生成する(ステップS613No、S608)。例えば、画像データ生成条件において設定項目「送信サイズ」のみが小さくなる場合、設定項目「解像度」は同一であるため原画像データに対する画像処理により送信用画像データを生成するには原画像データから画素を間引く必要がある。この場合、小さい原稿サイズになることを前提とした解像度で原稿を読み取った画像データを用いると、画素を間引く必要がないため画像データが高品質になる。このような場合には、画像読取部120は原画像データを再取得する。一方、画像データ生成条件において設定項目「画質」のみが低くなる場合、原画像データに対する画像処理(圧縮率)を変更するだけで、同等の送信用画像データを生成できる。このような場合には、画像読取部120は原画像データを再取得する必要はない。
データサイズ取得部411は新たに生成された送信用画像データのデータサイズを取得して判定部412に入力する。判定部412は入力されたデータサイズと上限画像データサイズとを比較する(ステップS609)。
以上の処理を繰り返すことで、データサイズ取得部411は、条件生成部405が生成した画像データ生成条件にしたがって、優先順位の高い順に画像読取部120が生成した送信用画像データのデータサイズを取得する。そして、データサイズ取得部411が取得したデータサイズが上限画像データサイズ以下である場合、判定部412はその旨を送信部407へ通知する(ステップS609Yes)。
図18は、データサイズ取得部411が、優先順位にしたがって取得した画像データサイズを示すテーブルである。図18は、上述の手順にしたがって優先順位が「6」の画像データ生成条件までデータサイズ取得部411が画像データサイズを取得した状態を示している。上述のように本実施形態では、上限画像データサイズは1MB(=1020bytes)に設定されている。図18に示すように、優先順位が「1」〜「5」の各画像データ生成条件の画像データサイズは1MBを超えており、優先順位が「6」の画像データ生成条件において初めて画像データサイズが上限画像データサイズ以下になっている。この例では、優先順位が「6」である画像データ生成条件の組み合わせによる送信用画像データが生成されて当該画像データのデータサイズが取得されたときに、判定部412は送信部407に上記通知を行うことになる。
通知を受けた送信部407は、上限画像データサイズ以下になった画像データ生成条件に対応する送信用画像データを画像データ保持部408から読み出して、ネットワークアダプタ161を介して外部の装置へ送信する(ステップS610)。特に限定されないが、本実施形態では、このとき、送信部407がディスプレイ201に送信対象の送信用画像データの確認画面を表示する構成になっている。
図19は、送信画像確認画面の例を示す図である。この例では、送信画像確認画面1901は、画像データ表示欄1902、「送信」ボタン1903、「再読込」ボタン1904を備える。画像データ表示欄1902には、送信対象の送信用画像データが表示される。画像データ表示欄1902の周囲には、画像データの表示範囲を上下左右の任意の方向に移動する移動ボタンが設けられている。ユーザが「送信」ボタン1903を選択すると送信部407は、画像データ保持部408が保持している送信対象の送信用画像データを外部の装置(ここでは、データベース171)へ送信する。また、ユーザが「再読取」ボタン1904を選択すると、原稿トレイ111または原稿台103への当該原稿の載置が要求される。原稿載置後にユーザがスタートボタン211を押下すると、上述の手順が繰り返される。この構成により、送信対象の画像データについて、異常の有無を確認した上で送信することができる。なお、画像形成部140において用紙上に印刷された送信用画像データにより画像データを確認する構成であってもよく、画像データを確認することなく送信する構成であってもよい。
一方、条件生成部405が生成した画像データ生成条件の全組み合わせにしたがって生成された送信用画像データのデータサイズが上限画像データサイズを超えていた場合、データサイズ取得部411は、ディスプレイ201にその旨を表示する(ステップS609No、S611No、S614)。
図20は、このとき表示される警告画面の一例を示す図である。この例では、警告画面2001は、画像読取操作画面1701に重ねて表示されている。警告画面2001は「確認」ボタン2002を備えるとともに、指定された画像データ生成条件では上限画像データサイズ以下の送信用画像データを生成することができない旨を表示する。当該警告画面2001において、ユーザが「確認」ボタン2002を選択すると手順が終了する。なお、このとき、画像データ保持部408に保持されている原画像データおよび送信用画像データは削除される。
また、上述のステップS603において複合設定項目が存在しなかった場合は、1の画像データ生成条件が設定されていることになる。この場合、その1の画像データ生成条件にしたがって画像読取部120において生成される画像データに対して上限画像データサイズ以下であるか否かが判定される(ステップS603No、S606〜S609)。
以上のように、この複合機では、画像データ生成条件を構成する設定項目において、ユーザが複数の値を設定した場合、当該設定値に基づいて、画像読取部における画像読取に適用される画像データ生成条件の組み合わせが自動的に生成されるとともに、設定項目の優先度に応じて当該組み合わせのそれぞれに優先順位が付与される。そして、上限画像データサイズ以下、かつ付与された優先順位が最も高い画像データ生成条件の組み合わせにより生成される画像データが特定され、当該画像データが送信される。したがって、ユーザの要求に最も適した品質を有し、かつ上限画像データサイズ以下の画像データを自動的に生成することができる。また、上限画像データサイズ以下の画像データが送信されるため、ネットワークの負荷を高めることもない。
なお、上記では、原稿が1枚の事例について説明したが、原稿が複数頁である場合も各頁について上述の手順を実行することで同様の効果を得ることができる。また、上記説明では、データサイズ取得部411が、画像データ保持部408に保持された現実の送信用画像データのデータサイズを取得する構成としているが、類似の画像データ生成条件により生成された画像データに基づいてデータサイズが推定できる場合には、データサイズ取得部411が特定の画像データ生成条件により生成される送信用画像データのデータサイズの予測値を算出する構成であってもよい。例えば、設定項目「解像度」や設定項目「原稿サイズ」の設定値のみが異なり、かつ同一の原画像データに基づいて送信用画像データを生成する場合には、データサイズを比較的容易に予測することができる。例えば、設定項目「解像度」の設定値が1/2になる生成条件ではデータサイズも1/2になる。設定項目「原稿サイズ」の設定値が1/2になる生成条件ではデータサイズも1/2になる。
また、送信用画像データのデータサイズは、全て予測値であってもよい。図21は、このような構成を実現する特定部406の一例を示す機能ブロック図である。図21では、既に説明した要素と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付している。図21に示す例では、特定部406は、データサイズ算出部421、抽出部422、画像読取実行部423および判定部424を備える。
データサイズ算出部421は、条件生成部405により生成された画像データ生成条件の全組み合わせについて、画像読取部120により生成される画像データのデータサイズの予測値を算出する。予測値の算出方法は特に限定されないが、ここでは、予測値の精度を高めるために、読み取り対象の原稿を予め指定された1の画像データ生成条件で取得して算出用基準画像データを生成し、当該算出用基準画像データの情報(例えば、文字部分と画像部分の比率、カラー画像であるかモノクロ画像であるか等)に基づいて、所定の算出アルゴリズムにより各画像データ生成条件の組み合わせについてデータサイズの予測値を算出する。
抽出部422は、データサイズ算出部421により算出された各データサイズと上限画像データサイズとを比較し、算出されたデータサイズが上限画像データサイズ以下であり、かつ付与された優先順位が最も高い画像データ生成条件の組み合わせを抽出する。ここでは、抽出部422は、条件生成部405により生成された画像データ生成条件の全組み合わせを、データサイズ算出部421が算出した各データサイズをソートキーとしてソートする。そして、データサイズ算出値が上限画像データサイズ以下である画像データ生成条件の組み合わせを特定し、当該特定した画像データ生成条件の組み合わせを、それぞれに付与されている優先順位の高い順にソートする。そして、優先順位が最も高い画像データ生成条件の組み合わせを抽出する。
画像読取実行部423は、抽出部422により抽出された画像データ生成条件の組み合わせを適用して画像読取部120に画像データを生成させる。判定部424は、画像読取部120が現実に生成した画像データのデータサイズと上限画像データサイズとを比較し、その画像データが上限画像データサイズ以下であるか否かを判定する。
図22は、図21に示す複合機が実行する画像送信処理手順の一例を示す図である。当該手順は、ユーザから送信機能の起動指示が与えられたことをトリガとして進行する(ステップS2201Yes)。なお、図22に示すステップS2201〜S2205は、図6に示すステップS601〜605と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、図6の説明と同様、以下では、1枚の原稿を読み取る事例について説明する。
ユーザがスタートキー211を押下すると、データサイズ算出部421が、条件生成部405において生成された画像データ生成条件の全組み合わせについて、画像データサイズを上述のように算出する(ステップS2206)。画像データサイズの算出を完了したデータサイズ算出部421はその旨を抽出部422に通知する。
通知を受けた抽出部422は、データサイズ算出値が上限画像データサイズ以下であり、かつ優先順位が最も高い画像データ生成条件の組み合わせを上述のようにして抽出する(ステップS2207Yes、S2208)。抽出部422は、抽出した画像データ生成条件の組み合わせの画像読取実行部423に入力する。
画像読取実行部423は、画像読取部120に、抽出部422により抽出された画像データ生成条件の設定値にしたがって画像データを取得させ、必要に応じて上述した画像処理により送信用画像データを生成させる(ステップS2209、S2210)。原画像データおよび画像処理実施後の送信用画像データは、ともに画像データ保持部408に保持される。
判定部424は画像データ保持部408に保持された送信用画像データのデータサイズを取得し、取得したデータサイズと、基準保持部403に保持された上限画像データサイズとを比較する(ステップS2211)。取得したデータサイズが上限画像データサイズを超えている場合、判定部424はその旨を抽出部422へ通知する(ステップS2211No、S2213)。
当該通知を受けた抽出部422は、データサイズ予測値が上限画像データサイズ以下であり、かつ先に抽出した画像データ生成条件の組み合わせに次いで優先順位が高い画像データ生成条件の組み合わせを抽出する(ステップS2213Yes、S2208)。抽出部422が抽出した画像データ生成条件の組み合わせを画像読取実行部423に入力すると、画像読取実行部423は、画像読取部120に、当該画像データ生成条件の設定値にしたがって送信用画像データを生成させる(ステップS2209、S2210)。このとき、図6において説明したように、原画像データを再取得すべきか否かを判定してもよい。
判定部424は新たに生成された送信用画像データのデータサイズを取得し上限画像データサイズと比較する(ステップS2211)。
以上の処理を繰り返すことで、判定部424は、画像読取部120が現実に生成した画像データが上限画像データサイズ以下であり、かつ付与された優先順位が最も高い画像データ生成条件の組み合わせにより生成されたか否かを判定することができる。なお、取得したデータサイズが上限画像データサイズ以下である場合、判定部424はその旨を送信部407へ通知する(ステップS2211Yes)。
当該通知を受けた送信部407は、上限画像データサイズ以下である画像データ生成条件の組み合わせに対応する送信用画像データを、ネットワークアダプタ161を介して外部の装置へ送信する(ステップS2212)。このとき、送信部407は、上述したようにディスプレイ201に送信対象の送信用画像データの確認画面を表示することができる。
一方、抽出部422は、データサイズ算出部421が算出した全ての画像データサイズが上限画像データサイズを超えていた場合(ステップS2207No)、およびデータサイズ算出部421が算出した画像データサイズが上限画像データサイズ以下である画像データ生成条件の組み合わせの候補がなくなった場合(ステップS2213No)、ディスプレイ201にその旨を表示する(ステップS2214)。
また、上述のステップS2203において複合設定項目が存在しなかった場合は、1の画像データ生成条件が設定されていることになるので、その1の画像データ生成条件にしたがって画像読取部120において生成される画像データに対して上限画像データサイズ以下であるか否かが判定されることになる(ステップS2203No、S2208〜S2211)。
以上説明したように、この変形例では、特定部406は、画像読取部120において生成される画像データのデータサイズを予測し、当該予測値が上限画像データサイズ以下であり、かつ付与された優先順位が最も高い画像データ生成条件の組み合わせを抽出する。そして、当該画像データ生成条件の組み合わせを適用した画像読取部120が生成した画像データを、送信用画像データとして特定する。したがって、ユーザの要求に最も適した品質を有し、かつ上限画像データサイズ以下の画像データを送信することができる。また、画像データの生成回数が少ないため、処理時間が短くなる。また、判定部424が画像読取部120が生成した画像データのデータサイズと上限画像データサイズとを比較し、その画像データが上限画像データサイズ以下であり、現実に送信される画像データのデータサイズを上限画像データサイズ以下にすることができる。
なお、図21に示す特定部406において判定部424は必須の構成要素ではない。画像データサイズの予測精度が高い場合には、判定部424を備えない構成であっても現実に送信される画像データのデータサイズを上限画像データサイズ以下にすることができる。この場合、図22に示すステップS2211、S2213が省略されることになる。
なお、上述した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、図5に示した構成と図21に示した構成とを併用することも可能である。すなわち、予測精度が比較的低い画像データ生成条件の組み合わせに対しては図5に示した構成での判定を行い、予測精度が比較的高い画像データ生成条件の組み合わせに対しては図21に示した構成での判定を行うことができる。
また、上述の実施形態では、送信機能を有するデジタル複合機として本発明を具体化したが、デジタル複合機に限らず、画像読取機能を備える、スキャナ、複写機などの任意の画像読取装置に本発明を適用することも可能である。