JP5069623B2 - 打掛け錠 - Google Patents
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Description
このようなドアを室内側からレバーの揺動操作で施錠開錠するとともに、その施錠開錠の別を室外側に表示する錠として、特許文献1のような打掛け錠が知られている。
この打掛け錠は、壁パネルとドアのいずれにも取り付け可能であるが、以下ではドアに取り付けた例について説明する。
このレバーを揺動させ、床とほぼ平行になるまで倒伏させて、その長手方向の他端を壁パネルの室内側面に設けられた受け具に係合させる。
すると、レバーがドアの室内側面とパネルの室内側面との間に架け渡された状態となってドアが施錠され、壁パネルの出入口が閉止される。
逆に、レバーを床に対してほぼ垂直になるまで起立させると、その長手方向の他端が前記壁パネルの室内側面上からドアの室内側面上へと退避するため、ドアが開錠され、壁パネルの出入口が開閉可能となる。
表示体の表面には、ドアが施錠されたことを示す施錠標識(たとえば扇型の赤色着色部)とドアが開錠されたことを示す開錠標識(たとえば扇型の青色着色部)とが回転方向に並列して付されている。
この表示体にはカバーが被せられ、カバーの上半部には扇型の表示窓が開口し、この表示窓を通じて表示体の施錠標識や開錠標識が視認できるようになっている。
したがって、室内側からレバーを揺動操作すると、原動軸を回転軸として表示体はレバーと一体に回転し、これにより表示窓に施錠標識および開錠標識が切り替え表示され、室外側からドアの施錠開錠状態が判別できるようになっている。
したがって、レバーと一体に回転する円板形の表示体の回転角度も同じく約90度となる。
ところが、表示窓の扇型の開度(扇型の中心角度)が表示体の回転角度を超えると、ドアの施錠時に開錠標識の一部が表示窓から見えてしまい、またドアの開錠時に施錠標識の一部が表示窓から見えてしまうため、施錠開錠の判別がしにくくなる。
実際に特許文献1の表示窓では、その図4(b)に示すように、扇型の開度が上限となる約90度(1/4円形)になっている。
また、表示体として、従動軸を回転軸として一体に回転する表示ドラムを採用したのである。
ここで、従動軸と表示ドラムとは、一体に成型してもよいし、別体のものを一体に回転するように組立てもよい。
以下、打掛け錠1をドアDに取り付けた例について説明するが、壁パネルPに取り付けた場合においても、当然に同様の作用を発揮する。
また、ドアDの室外側面には、前記表示ドラム51が回転可能に支持される室外座40が固定されている。
この室外座40の正面には、表示ドラム51を覆う前記カバー60が取り付けられ、その上半部に開口する前記表示窓61には、表示ドラム51の一部が臨んでいる。
これら室内座20および室外座40のドアDへの固定は、室外座40の背面に形成されたねじ筒41aに、室内座20を貫通するボルト20aをねじ合わせ、これにより座20、40同士をドアDを挟んで連結することによる。
なお、室内座20や室外座40はドアDと一体に成型してもよい。
この収納凹部22には、内向きの突起23aを有する係合片23と、この係合片23の背部に組み込まれたばね24とが収納されており、係合片23はばね24によって軸受孔21に向けて付勢されている。
この回転座11は、外面が楕円球面を長軸に沿って半割りした半割楕円球面形をしており(図3、図4参照)、その内面からは取り付け軸12が突出している。
取り付け軸12の外周には周方向に等間隔をおいて4つの係合凹部12aが形成されており、取り付け軸12の端面には軸方向に延びる角穴12bが形成されている。
また、レバー10の回転座11が固定された端部と逆側の端部には、レバー10を操作しやすくするために、グリップ13が固定されている(図1から図4参照)。
なお、取り付け軸12は、軸受孔21に差し込まれた状態で抜け止めされている。
グリップ13を握ってレバー10を揺動させ、床とほぼ平行となる施錠位置に倒伏させ、そのグリップ13側の端部を受け具2の上面に係合させる(すなわちグリップ13側の端部を壁パネルPの室内側面上に臨ませる)と、レバー10がドアDから壁パネルPへと架け渡されることでドアDが施錠される。
一方、レバー10を揺動させ、床に対してほぼ垂直になる開錠位置に起立させると、グリップ13側の端部が壁パネルPの室内側面から退避するため、ドアDが開錠され、出入口を開閉可能となる。
施錠位置と開錠位置の間のレバー10の揺動角度は、約90度となる。
そのため、レバー10を施錠位置と開錠位置とで仮固定できるようになっている。
ここでレバー10にさらに大きな回転トルクを加えると、係合凹部12aから係合片23の突起23aがばね24の付勢に抗して抜け出るため、前記仮固定が解除されてレバー10をふたたび揺動操作可能となる。
このため、レバー10を揺動させると、レバー10と一体に原動軸30が正逆回転するようになっている。
レバー10の揺動角度が上記のように約90度であるから、原動軸30の回転角度は、約90度となる。
また、原動軸30の室外側端部は室外座40を貫通し、この室外側端部の外周には原動軸ベベルギア31が取り付けられており、その室外側の端面には、ドライバ係合溝32が形成されている。
また従動軸50は、その上下端がそれぞれ上下の支持片42に軸支され、これによりドアDの室外側面とほぼ平行に、かつドアDの上下方向にほぼ一致した状態で、回転可能に室外座40に支持されている。
図1のように、表示ドラム51は、概略楕円球面を短軸に沿って半割りした半割楕円球面形をしており、その長軸が従動軸50と一致している。
この表示ドラム51の外周には、外周360度を等分して、赤色に着色された施錠標識51aと青色に着色された開錠標識51bとが180度分ずつ設けられている。
図6のように、表示ドラム51の下端部で従動軸50の外周には、前記原動軸ベベルギア31と噛み合う従動軸ベベルギア52が連設されている。
したがって、原動軸30が回転すると、それに連動して従動軸50および表示ドラム51も回転するようになっている。
ここで、原動軸ベベルギア31と従動軸ベベルギア52のギア比は、2:1となっているので、従動軸50および表示ドラム51の回転角度は、約180度となる。
なお、従動軸50と表示ドラム51とは一体成型してもよいし、表示ドラム51と従動軸ベベルギア52とは、別体に成型したものを組み立ててもよい。
また、施錠標識51aをたとえば「使用中」の文字とし、開錠標識をたとえば「空室」の文字としてもよい。
カバー60は、楕円球面を長軸方向に半割りした半割楕円球面形であって、その長軸方向がドアDの上下方向と一致している。
このカバー60の上半部には表示窓61が開口して、表示ドラム51の一部が臨んでおり、その下半部には緊急開錠口62が開口して原動軸30のドライバ係合溝32が臨んでいる。
ここで図1および図4のように、表示窓61からは、表示ドラム51の上下方向のほぼ全部と、外周方向の半分(180度分)が視認できるようになっている。
ここで室外座40とカバー60とは、一体に成型してもよい。
この状態から、レバー10を開錠位置に約90度揺動させると、レバー10に連動して原動軸30が約90度回転し、原動軸30に連動して従動軸50および表示ドラム51が約180度回転する。
したがって、レバー10が開錠位置にあるときに、室外側のカバー60の表示窓61には、表示ドラム51の開錠標識51bのみが切り替わって表示される。
レバー10を再び施錠位置に揺動させると、カバー60の表示窓61には、表示ドラム51の施錠標識51aのみが切り替わって再び表示される。
このようにして、表示窓61を見ることで、ドアDの施錠開錠状態を室外側で明瞭に判別できるようになっている。
とくに、表示ドラム51は、半割楕円球面形のカバー60の上半部に開口する表示窓61から室外側に表示されるため、カバー60の斜め上方にある人の視点から確認しやすく、視認性が大きく向上している。
たとえば、カバー60や表示ドラム51を半割球面形としてもよいし、要は、カバー60が球面または楕円球面の一部を構成する凸曲面形であり、表示ドラム51が従動軸50を回転軸とする回転方向の全周が球面または楕円球面の全部または一部を構成していればよい。
この例においては、従動軸50はドアDの室外側面と平行に、かつドアDの左右方向に一致して室外座40に回転可能に支持されている。
また、表示ドラム51は円筒形をなし、表示ドラム51の端面には原動軸ベベルギア31と噛み合う従動軸ベベルギア52が連設されている。
さらに、カバー60は半割円筒形をなし、表示窓61は表示ドラム51の外周の約半分(180度)だけが視認できるようになっている。
その他の構成については、図1から図6の例と同様である。
この例においても、表示ドラム51は立体的であり、ドアDの室外側面と平行な回転軸に沿って回転し、しかも回転角度が180度と大きく、カバー60に大きく開口する表示窓61を通じて室外側に表示されるため、視認性が非常に良好である。
2 受け具
10 レバー
11 回転座
12 取り付け軸
12a 係合凹部
12b 角穴
13 グリップ
20 室内座
20a ボルト
21 軸受孔
22 収納凹部
23 係合片
23a 突起
24 ばね
30 原動軸
31 原動軸ベベルギア
32 ドライバ係合溝
40 室外座
41 基板
41a ねじ筒
42 支持片
50 従動軸
51 表示ドラム
51a 施錠標識
51b 開錠標識
52 従動軸ベベルギア
60 カバー
61 表示窓
62 緊急開錠口
D ドア
P 壁パネル
Claims (4)
- 室内外を仕切る壁パネルPまたは前記壁パネルPの出入口を開閉するドアDに取り付けられ、室内側からレバー10の揺動操作により前記ドアDを施錠開錠し、その施錠開錠の別を室外側に表示する打掛け錠1であって、
長手方向の一端を中心に前記ドアDまたは前記壁パネルPのいずれか一方の室内側面に沿って回転可能に支持され、長手方向の他端が前記壁パネルPまたは前記ドアDのいずれか他方の室内側面上に臨むドア施錠位置と、前記長手方向の他端が前記壁パネルPまたは前記ドアDのいずれか他方の室内側面上から退避するドア開錠位置との間を揺動操作可能な前記レバー10と、
前記ドアDまたは前記壁パネルPのいずれか前記レバー10が支持された側を貫通し、前記レバー10の揺動操作に連動して正逆回転する原動軸30と、
前記ドアDまたは前記壁パネルPのいずれか前記レバー10が支持された側の室外側面と略平行に支持され、前記原動軸30の正逆回転に連動して正逆回転する従動軸50と、
前記従動軸50を回転軸として一体に回転し、その外周に回転方向に並列する施錠標識51aと開錠標識51bとを有する表示ドラム51と、
この表示ドラム51を覆い、かつ開口する表示窓61を有し、前記レバー10のドア施錠位置とドア開錠位置に対応して、前記表示ドラム51の施錠標識51aと開錠標識51bとを前記表示窓61を通じて前記室外側に切り替えて表示するカバー60と、を備える打掛け錠。 - 前記原動軸30が、原動軸ベベルギア31をドアの室外側面に備え、
前記従動軸50が、前記原動軸ベベルギア31と噛み合う従動軸ベベルギア52を備える請求項1に記載の打掛け錠。 - 前記レバー10の前記室内側面に沿った揺動角度が90度であり、
前記原動軸30が前記レバー10に固定されてレバー10の揺動と一体に回転し、
前記原動軸ベベルギア31と前記従動軸ベベルギア52とのギア比が、2:1である請求項2に記載の打掛け錠。 - 前記カバー60が、球面または楕円球面の一部を構成する凸曲面形であり、
前記表示窓61が、このカバー60の上半部に開口し、
前記従動軸50が、前記ドアDの上下方向と略一致するように、室外側面に支持され、
前記表示ドラム51が、前記従動軸50を回転軸とする回転方向の全周が球面または楕円球面の全部または一部を構成する凸曲面形である請求項3に記載の打掛け錠。
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