JP5069616B2 - マグネットキャッチ - Google Patents
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Description
より詳細には、製造時におけるマグネットキャッチの吸着力を変更容易とする技術に関する。
特許文献2に記載のマグネットキャッチは、上面に窪みが形成された鉄片と、当該窪みに配設された磁石とからなるものである。
しかし、特許文献2に記載のマグネットキャッチは鉄片を製造するために外形を形成する加工(例えば、押し抜き加工)に加えて鉄片に所定の深さの窪みを形成する加工(例えば、切削加工)を要し、部品点数が少ない割には製造コストが大きいという問題を有する。
また、鉄片の外形を形成する加工と所定の深さの窪みを形成する加工との間に付帯作業として中間品(外形が形成された鉄片)を搬送する作業および中間品を加工装置の所定の位置に据え付けする作業を行う必要が生じ、製造コストが更に増大する。
常磁性体からなり、第一表面および第一裏面からなる一対の板面を有する板状の部材であって、前記第一表面から前記第一裏面まで貫通するとともに前記第一表面に向かって拡径する一対の第一貫通孔および前記一対の第一貫通孔に挟まれる位置において前記第一表面から前記第一裏面まで貫通する収容孔が形成される第一プレートと、
第二表面および第二裏面からなる一対の板面を有する板状の部材であって、前記第二表面から前記第二裏面まで貫通する一対の第二貫通孔が形成され、前記第二表面が前記第一プレートの第一裏面に対向する位置に配置される第二プレートと、
前記第一プレートに形成された収容孔に収容されるとともに前記第二プレートの第二表面に固定される永久磁石と、
を具備し、
前記第二プレートの第二表面が前記第一プレートの第一裏面に対向する位置に配置されたとき、前記一対の第一貫通孔および前記一対の第二貫通孔はそれぞれ連通し、
前記第一プレートの厚さが前記永久磁石の厚さよりも大きいものである。
常磁性体からなり、前記第一プレートの収容孔と当該収容孔に収容される前記永久磁石との隙間に配置される隙間調整部材を具備するものである。
第三表面および第三裏面からなる一対の板面を有する板状の部材であって、前記第三表面から前記第三裏面まで貫通する一対の第三貫通孔および前記一対の第三貫通孔に挟まれる位置において前記第三表面から前記第三裏面まで貫通する追加収容孔が形成される単数または複数の第三プレートを具備し、
前記単数または複数の第三プレートが前記第一プレートおよび前記第二プレートに挟まれる位置に配置されたとき、前記一対の第一貫通孔、前記一対の第二貫通孔および前記単数または複数の第三プレートの一対の第三貫通孔はそれぞれ連通し、前記第一プレートの収容孔および前記単数または複数の第三プレートの追加収容孔は連通するものである。
被吸着物は永久磁石により吸着され得る材料、すなわち常磁性体あるいは強磁性体からなる。被吸着物は通常、マグネットキャッチが固定される構造体と異なる他の構造体に固定される。
なお、被吸着物は他の構造体と一体であっても良い(他の構造物自体が被吸着物であっても良い)。
強磁性体は永久磁石の材料となり得るものであり、常温かつ単体で強磁性体としての性質を有する材料の具体例としては鉄、コバルト、ニッケル、ガドリニウムが挙げられる。
永久磁石の具体例としては、アルニコ磁石、KS鋼、MK鋼、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石等が挙げられる。
図1に示す如く、マグネットキャッチ100は主として第一プレート110、第二プレート120および永久磁石140を具備する。
第一プレート110は常磁性体の一種であるフェライト鋼からなる板状の部材である。
ここで、「板状」は、厚み方向に比べて幅方向および長手方向に長い形状を指す。
図1および図2に示す如く、第一プレート110は第一表面111および第一裏面112からなる一対の板面を有する。第一表面111はマグネットキャッチ100における「被吸着物の当接面」となる面である。
なお、ここで定義された方向はマグネットキャッチ100が使用される時の姿勢を規定するものではない。
第一貫通孔113L・113Rは本発明に係る一対の第一貫通孔の実施の一形態であり、いずれも第一表面111から第一裏面112まで貫通する。
図2に示す如く、第一貫通孔113L・113Rの内周面は第一表面111側の開口部の直径は第一裏面112側の開口部の直径よりも大きくなるようにテーパしている。すなわち、第一貫通孔113L・113Rは第一表面111に向かって拡径している。
収容孔114は本発明に係る収容孔の実施の一形態であり、第一貫通孔113L・113Rに挟まれる位置に形成される孔である。収容孔114は第一表面111から第一裏面112まで貫通する。
図1および図2に示す如く、第二プレート120は板状の部材であり、第二表面121および第二裏面122からなる一対の板面を有する。
第二プレート120には第二貫通孔123L・123Rが形成される。
第二貫通孔123L・123Rは本発明に係る一対の第二貫通孔の実施の一形態であり、いずれも第二表面121から第二裏面122まで貫通する。
ここで、「非磁性体」は強磁性体あるいは磁化した常磁性体との間で磁力が作用しない(強磁性体あるいは磁化した常磁性体に吸着しない)材料を指し、具体例としてはアルミニウム合金、銅合金あるいは樹脂材料等が挙げられる。
図1および図2に示す如く、永久磁石140の外形は薄い直方体形状を成す。
図2および図3に示す如く、第一プレート110の厚さTpは永久磁石140の厚さTmよりも大きい(Tp>Tm)。
また、図4に示す如く、第一プレート110の収容孔114の幅Wpは永久磁石140の幅Wmよりも大きく(Wp>Wm)、第一プレート110の収容孔114の長手方向の長さLpは永久磁石140の長手方向の長さLmよりも大きい(Lp>Lm)。
皿ネジ20Lは、第一プレート110の第一貫通孔113Lおよび第二プレート120の第二貫通孔123Lに貫装され、構造体10のネジ穴12Lに螺装される。
皿ネジ20Rは、第一プレート110の第一貫通孔113Rおよび第二プレート120の第二貫通孔123Rに貫装され、構造体10のネジ穴12Rに螺装される。
このように、第一プレート110および第二プレート120は、皿ネジ20Lおよび皿ネジ20Rにより構造物10の表面11に固定される。
同様に、皿ネジ20Rの頭部は第一貫通孔113Rのテーパした内周面に係合した状態で第一貫通孔113Rに収容され、第一プレート110の第一表面111から外部に突出しない。
収容孔114に収容された永久磁石140の磁力により(より詳細には、永久磁石140から側方(前後方向および左右方向)に放射される磁力線により)第一プレート110は磁化され、第一プレート110は被吸着物を吸着することが可能となる。
より詳細には、図5に示す如く、第一プレート110の収容孔114の幅Wpおよび第一プレート110の収容孔114の長手方向の長さLpを大きくする、すなわち収容孔114の内周面と永久磁石140との隙間を大きくすることにより、マグネットキャッチ100の外形および永久磁石140の外形を変化させずにマグネットキャッチ100の吸着力を小さくすることが可能である。
また、図6に示す如く、第一プレート110の収容孔114の幅Wpおよび第一プレート110の収容孔114の長手方向の長さLpを小さくする、すなわち収容孔114の内周面と永久磁石140との隙間を小さくすることにより、マグネットキャッチ100の外形および永久磁石140の外形を変化させずにマグネットキャッチ100の吸着力を大きくすることが可能である。
より詳細には、第一プレート110の厚さTpを大きくする(第一プレート110の厚さTpと永久磁石140の厚さとの差を大きくする)ことにより、マグネットキャッチ100の前後方向および左右方向の外形および永久磁石140の外形を変化させずにマグネットキャッチ100の吸着力を小さくすることが可能である。
また、第一プレート110の厚さTpを小さくする(第一プレート110の厚さTpと永久磁石140の厚さとの差を小さくする)ことにより、マグネットキャッチ100の前後方向および左右方向の外形および永久磁石140の外形を変化させずにマグネットキャッチ100の吸着力を大きくすることが可能である。
ただし、第二プレートを構成する材料を非磁性体とする場合には、永久磁石が第一プレートの収容孔から脱落することを防止するために、例えば接着剤や両面テープ等を用いて永久磁石を第二プレートに固定することを要する。
従って、第一プレート110の第一表面111に被吸着物が吸着するときに被吸着物が直接的に永久磁石140に衝突することはなく、永久磁石140の破損を防止することが可能である。
常磁性体からなり、第一表面111および第一裏面112からなる一対の板面を有する板状の部材であって、第一表面111から第一裏面112まで貫通するとともに第一表面111に向かって拡径する一対の第一貫通孔113L・113Rおよび一対の第一貫通孔113L・113Rに挟まれる位置において第一表面111から第一裏面112まで貫通する収容孔114が形成される第一プレート110と、
第二表面121および第二裏面122からなる一対の板面を有する板状の部材であって、第二表面121から第二裏面122まで貫通する一対の第二貫通孔123L・123Rが形成される第二プレート120と、
第一プレート110に形成された収容孔114に収容されるとともに第二プレート120の第二表面121に固定される永久磁石140と、
を具備し、
第二プレート120の第二表面121が第一プレート110の第一裏面112に対向する位置に配置されたとき、一対の第一貫通孔113L・113Rおよび一対の第二貫通孔123L・123Rはそれぞれ連通し、
第一プレート110の厚さTpが永久磁石140の厚さTmよりも大きい。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、収容孔114の大きさ、すなわち収容孔114の内周面と永久磁石140との隙間の大きさを変更することにより、製造時に容易に吸着力を変更することが可能である。
また、マグネットキャッチ100を構成する板状の部材である第一プレート110および第二プレート120は互いに重なった状態で構造体10に固定され、収容孔114の大きさを変更してもマグネットキャッチ100の外形は変化しないので、全体としてマグネットキャッチ100の外形を薄型とすることが可能である。
図7から図9に示す如く、マグネットキャッチ100の別実施形態は、図1から図6に示すマグネットキャッチ100が具備する第一プレート110、第二プレート120および永久磁石140に加えて、第三プレート130および隙間調整部材150L・150Rを具備する。
図7および図8に示す如く、第三プレート130は板状の部材であり、第三表面131および第三裏面132からなる一対の板面を有する。
第三貫通孔133L・133Rは本発明に係る一対の第三貫通孔の実施の一形態であり、いずれも第三表面131から第三裏面132まで貫通する。
追加収容孔134は本発明に係る追加収容孔の実施の一形態であり、第三貫通孔133L・133Rに挟まれる位置に形成される孔である。追加収容孔134は第三表面131から第三裏面132まで貫通する。
なお、本発明に係る第三プレートを構成する材料は常磁性体に限定されず、非磁性体でも良い。
また、第一プレート110と第二プレート120の間に挟まれる第三プレート130の数は単数(一つ)に限定されず、二つ以上(複数)とすることも可能である。
従って、製造時に第一プレート110の出発材として厚さの異なる複数種類の板材を用意する代わりに予め第三プレート130を複数個用意し、第一プレート110と第二プレート120の間に挟まれる第三プレート130の数を変更することにより、マグネットキャッチ100の吸着力を容易に変更することが可能である。
隙間調整部材150L・150Rは常磁性体の一種であるフェライト鋼からなる略直方体形状の部材であり、図7から図9に示す如く、第一プレート110の収容孔114(の内周面)と収容孔114に収容された永久磁石140(の側面)との隙間に配置され、接着剤により固定される。
隙間調整部材150L・150Rを収容孔114と永久磁石140との隙間に配置することにより、収容孔114の大きさを変更する場合と同様にマグネットキャッチ100の吸着力を変更することが可能である。
常磁性体からなり、第一プレート110の収容孔114と収容孔114に収容される永久磁石140との隙間に配置される隙間調整部材150L・150Rを具備する。
このように構成することにより、マグネットキャッチ100の吸着力を容易に変更することが可能である。
また、隙間調整部材150L・150Rの厚さを第一プレート110の厚さTp以下となるように設定することにより、隙間調整部材150L・150Rを収容孔114と永久磁石140との隙間に配置したときに隙間調整部材150L・150Rが第一プレート110の第一表面111から外部に突出することがなく、マグネットキャッチ100の別実施形態の外形を薄型とすることが可能である。
第三表面131および第三裏面132からなる一対の板面を有する板状の部材であって、第三表面131から第三裏面132まで貫通する一対の第三貫通孔133L・133Rおよび一対の第三貫通孔133L・133Rに挟まれる位置において第三表面131から第三裏面132まで貫通する追加収容孔134が形成される第三プレート130を具備し、
第三プレート130が第一プレート110および第二プレート120に挟まれる位置に配置されたとき、一対の第一貫通孔113L・113R、一対の第二貫通孔123L・123Rおよび第三プレート130の一対の第三貫通孔133L・133Rはそれぞれ連通し、第一プレート110の収容孔114および第三プレート130の追加収容孔134は連通する。
このように、第一プレート110と第二プレート120の間に挟まれる第三プレート130の数を変更することにより、マグネットキャッチ100の吸着力を容易に変更することが可能である。
100 マグネットキャッチ
110 第一プレート
111 第一表面
112 第一裏面
113L・113R 第一貫通孔
114 収容孔
120 第二プレート
121 第二表面
122 第二裏面
123L・123R 第二貫通孔
140 永久磁石
Claims (3)
- 常磁性体からなり、第一表面および第一裏面からなる一対の板面を有する板状の部材であって、前記第一表面から前記第一裏面まで貫通するとともに前記第一表面に向かって拡径する一対の第一貫通孔および前記一対の第一貫通孔に挟まれる位置において前記第一表面から前記第一裏面まで貫通する収容孔が形成される第一プレートと、
第二表面および第二裏面からなる一対の板面を有する板状の部材であって、前記第二表面から前記第二裏面まで貫通する一対の第二貫通孔が形成され、前記第二表面が前記第一プレートの第一裏面に対向する位置に配置される第二プレートと、
前記第一プレートに形成された収容孔に収容されるとともに前記第二プレートの第二表面に固定される永久磁石と、
を具備し、
前記第二プレートの第二表面が前記第一プレートの第一裏面に対向する位置に配置されたとき、前記一対の第一貫通孔および前記一対の第二貫通孔はそれぞれ連通し、
前記第一プレートの厚さが前記永久磁石の厚さよりも大きいマグネットキャッチ。 - 常磁性体からなり、前記第一プレートの収容孔と当該収容孔に収容される前記永久磁石との隙間に配置される隙間調整部材を具備する請求項1に記載のマグネットキャッチ。
- 第三表面および第三裏面からなる一対の板面を有する板状の部材であって、前記第三表面から前記第三裏面まで貫通する一対の第三貫通孔および前記一対の第三貫通孔に挟まれる位置において前記第三表面から前記第三裏面まで貫通する追加収容孔が形成される単数または複数の第三プレートを具備し、
前記単数または複数の第三プレートが前記第一プレートおよび前記第二プレートに挟まれる位置に配置されたとき、前記一対の第一貫通孔、前記一対の第二貫通孔および前記単数または複数の第三プレートの一対の第三貫通孔はそれぞれ連通し、前記第一プレートの収容孔および前記単数または複数の第三プレートの追加収容孔は連通する請求項1または請求項2に記載のマグネットキャッチ。
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