以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施の形態における発電素子1の斜視図であり、図2は各部品が軸方向に分離された発電素子1の分解立体図である。なお、図1及び図2では、磁歪棒10に巻回されたコイルC(図3参照)の図示は省略する(他の図において同じ)。また、矢印X,Y,Zは、発電素子1の軸方向、幅方向、高さ方向をそれぞれ示している(他の図において同じ)。
図1に示すように発電素子1は、コイルC(図3参照)が巻回されると共に磁歪材料(磁性材料の1種)から構成される磁歪棒10と、磁性材料から構成される剛性棒20と、これら磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向一端側および他端側に取着される一対の第1部材30と、一対の第1部材30にそれぞれ固定される第2部材60と、第2部材60にそれぞれ固定される第3部材70とを備えている。本実施の形態では、互いに高さ方向(Z方向)に対向する1組の磁歪棒10及び剛性棒20が幅方向(Y方向)に3組並設されており、その3組の磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向(X方向)両端が第1部材30に一括して保持されている。第1部材30、第2部材60及び第3部材70は支持部材を構成する。
発電素子1は、例えば、振動体に対して、一対の支持部材(第1部材30、第2部材60及び第3部材70)の内の一方を固着すると共に他方を自由端とした状態で設置され、振動体の振動に伴って磁歪棒10及び剛性棒20の軸直角方向(Z方向)へ他方の支持部材を振り子運動(自由振動)させて使用される。この場合、振り子運動に伴う曲げ変形により軸方向の伸長および収縮が磁歪棒10及び剛性棒20に発生することで、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向と平行な方向に磁束密度が変化し、コイルCに電流が発生することで発電が行われる。
磁歪棒10及び剛性棒20は、厚さに対して幅が大きな矩形の軸直角断面を有する長尺板状に形成される。磁歪棒10及び剛性棒20は、互いに略同一形状(寸法)に形成されると共に、面積が大きな平面(即ち、幅を含む平面)同士を対向させて平行に配置される。なお、剛性棒20は、軸方向内側に比べて軸方向端部側が幅広に形成されており、剛性棒20の軸方向端部側は、磁歪棒10の軸方向端部側より幅広に形成されている。剛性棒20は、磁歪棒10より磁歪効果の低い磁性材料から構成される。本実施の形態では、磁歪棒10は鉄ガリウム合金製であり、剛性棒20は鉄鋼材料製である。磁歪棒10は、銅線から構成される線材(導線)を巻回したコイルC(図3参照)に内設される。コイルと磁歪棒10との間には隙間が設けられる。
図2に示すように磁歪棒10及び剛性棒20は、一対の第1部材30及び一対の永久磁石50が軸方向両端側にそれぞれ取り付けられている。第1部材30は、第2部材60を固定するための部材であり、非磁性材料(本実施の形態ではアルミニウム合金)から構成される。
永久磁石50は、磁歪棒10及び剛性棒20に磁界を与えるための部材であり、磁性材料製の磁歪棒10及び剛性棒20に吸着され、それらの対向間に挟装される。第1部材30は、永久磁石50と共に磁歪棒10及び剛性棒20の対向間に挟装されるので、磁歪棒10、剛性棒20、一対の第1部材30及び一対の永久磁石50を一つの集合体にできる。磁歪棒10、剛性棒20及び永久磁石50が第1部材30に取り付けられることで、磁歪棒10、剛性棒20及び第1部材30(集合体)の高さ方向(Z方向)の端面は、平坦面状に形成される。
一対の永久磁石50は、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向一端側および他端側に互いに磁極を異ならせて配設される。1組の磁歪棒10及び剛性棒20は、永久磁石50を介して吸着されるので、磁歪棒10、永久磁石50、剛性棒20及び永久磁石50により磁気閉回路が形成される。また、永久磁石50の起磁力によるバイアス磁界が磁歪棒10に付与されるので、磁歪棒10の磁化容易方向(磁化の方向または磁化が生じ易い方向)が、磁歪棒10の軸方向(長手方向)に設定される。
第2部材60は、第1部材30に固定される部材であり、第1部材30に固定されることで磁歪棒10及び剛性棒20の高さ方向(Z方向)への移動を規制する。第2部材60は、非磁性材料(本実施の形態ではアルミニウム合金)から構成される。第2部材60は、長手方向(Y方向)の寸法が第1部材30の幅(Y方向寸法)より大きい値に設定される第1支持部61と、第1支持部61の長手方向両端からそれぞれ高さ方向(Z方向)に突設される一対の制限部62と、制限部62に連結されると共に第1支持部61と平行に配設される第2支持部63とを備えている。制限部62は、第1部材30の幅(Y方向寸法)よりわずかに大きい間隔をあけて設けられているので、第2部材60は、板厚方向(X方向)に矩形状の貫通孔60aが貫通形成される。その貫通孔60aに、永久磁石50によって磁歪棒10及び剛性棒20と一体化された第1部材30が嵌入される。
第3部材70は、第2部材60に固定される部材であり、第2部材60に第3部材70が固定されることで貫通孔60aが塞がれる。これにより、第2部材60の貫通孔60aに挿入された磁歪棒10、剛性棒20、第1部材30及び永久磁石50の軸方向(X方向)外側への移動が規制される。
次に図3を参照して磁歪棒10及び剛性棒20について説明する。図3は各部品が軸直角方向に分離された発電素子1の立体分解図である。図3に示すように磁歪棒10は、軸方向(X方向)に亘って同一の幅(Y方向寸法)及び厚さ(Z方向寸法)に形成された略矩形の軸直角断面を有する本体部11と、本体部11の軸方向両端に位置する軸端部12の端から軸直角方向(Y方向)に向かって凸設される矩形の軸直角断面を有する被係合部13とを備えている。被係合部13は、本体部11及び軸端部12の厚さと同一の厚さに設定される。磁歪棒10は本体部11にコイルCが巻回される。
剛性棒20は、中央部分が軸方向(X方向)に亘って同一の幅(Y方向寸法)及び厚さ(Z方向寸法)に形成されると共に、軸方向両端に位置する軸端部22に近づくにつれて幅広に形成される略矩形の軸直角断面を有する本体部21と、本体部21の軸方向両端に位置する軸端部22の端から軸直角方向(Y方向)に向かって凸設される矩形の軸直角断面を有する被係合部23とを備えている。被係合部23は、本体部21及び軸端部22の厚さと同一の厚さに設定される。
次に図4を参照して第1部材30について説明する。図4は第1部材30及び永久磁石50の斜視図である。第1部材30は、断面矩形の角柱状に形成される間隔保持部31と、間隔保持部31の幅方向(Y方向)両端に垂直に突設される保持部32と、保持部32の間に位置し間隔保持部31に垂直に突設される保持部33とを備えている。保持部32,33は、同じ向き(X方向)に間隔保持部31から突出すると共に、互いに平行となるように設けられる。
間隔保持部31は、互いに対向する磁歪棒10及び剛性棒20(図3参照)の対向間隔を確保するための部位であり、厚さ(Z方向寸法)が、磁歪棒10及び剛性棒20の間隔(対向間隔)とされる。保持部32,33は、断面矩形の棒状に形成される永久磁石50を保持し、間隔保持部31の幅方向(Y方向)への永久磁石50の移動を規制するための部位である。なお、間隔保持部31の厚さ(Z方向寸法)は、永久磁石50の厚さと同一か永久磁石50よりわずかに大きく設定される。また、保持部32,33の間隔は、永久磁石50の長さ(Y方向寸法)よりわずかに大きく設定され、保持部32,33の突設長さ(X方向寸法)は、永久磁石50の幅(X方向寸法)と略同一に設定される。
間隔保持部31は、間隔保持部31の幅方向(Y方向)に互いに所定の間隔をあけて間隔保持部31の厚さ方向(Z方向)へ向かう係合部34,35が突設される。係合部34,35は、係合部34,35間に軸端部12,22が配置された磁歪棒10及び剛性棒20(図3参照)の被係合部13,23と係合して、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向内側への移動を規制するための部位である。係合部34,35は、厚さ(Z方向寸法)が、磁歪棒10及び剛性棒20の厚さと同一か磁歪棒10及び剛性棒20の厚さよりわずかに大きく設定される。また、係合部34,35の間隔は、剛性棒20の軸端部22の幅よりわずかに大きく設定され、係合部35,35の間隔は、磁歪棒10の軸端部12の幅よりわずかに大きく設定される。
間隔保持部31は、係合部34,35が一面に突設され、その一面の反対側に位置する反対面に係合部38,39が突設される。係合部38,39は、間隔保持部31の一面側に配置された磁歪棒10又は剛性棒20に対向して配置される剛性棒20又は磁歪棒10の被係合部13,23と係合する部位である。係合部38,39は、係合部34,35と同様に構成されるので、説明を省略する。
サポート部36,37は、第1部材30が第2部材60(図2参照)の貫通孔60aに挿入されたときに、係合部34,35と共に第1支持部61と接触する部位であり、幅(Y方向寸法)が、それぞれ係合部34,35の幅より小さく設定されている。具体的には、サポート部36,37の幅は、軸端部12,22に対する被係合部13,23の突設長さ(Y方向寸法)を、係合部34,35の幅から差し引いた大きさに設定される。本実施の形態では、サポート部36,37は、間隔保持部31に対して保持部32,33が突設される突設方向(X方向)と同じ方向に、係合部34,35にそれぞれ突設される。間隔保持部31の幅方向(Y方向)におけるサポート部36,37の間隔は、剛性棒20の軸端部22及び被係合部23を合わせた幅よりわずかに大きめに設定され、サポート部37,37の間隔は、磁歪棒10の軸端部12及び被係合部13を合わせた幅よりわずかに大きめに設定される。サポート部36,37の間に磁歪棒10及び剛性棒20の軸端部12,22及び被係合部13,23を配置するためである。
サポート部40,41は、第1部材30が第2部材60(図2参照)の貫通孔60aに挿入されたときに第2支持部63と接触する部位であり、幅(Y方向寸法)が、それぞれ係合部38,39の幅より小さく設定されている。本実施の形態では、サポート部40,41は、間隔保持部31に対して保持部32,33が突設される突設方向(X方向)と同じ方向に、係合部38,39にそれぞれ突設される。サポート部37,41の間隔は、永久磁石50の厚さよりわずかに大きめに設定されている。これにより、永久磁石50は保持部32,33とサポート部37,41との間に挿入可能にされる。なお、サポート部36,37,40,41は、厚さ(Z方向寸法)が、磁歪棒10及び剛性棒20の厚さと同一か磁歪棒10及び剛性棒20の厚さよりわずかに大きく設定される。
次に発電素子1の組立方法について説明する。発電素子1を組み立てるには、まず、磁歪棒10の本体部11の周りにコイルCが巻回される。次に、第1部材30の保持部32,33とサポート部37,41との間に軸方向(X方向)から永久磁石50を挿入し、第1部材30に永久磁石50を保持させる。次いで、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向一端側の被係合部13,23を第1部材30の係合部34,35に係合させつつ、軸端部12,22をサポート部36,37間に配置する。磁歪棒10及び剛性棒20は、磁性材料から構成されているので永久磁石50に吸着され、永久磁石50を介して第1部材30に仮固定される。
次に、別の磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向一端側の被係合部13,23を第1部材30の係合部38,39に係合させつつ、軸端部12,22をサポート部40,41間に配置し、軸端部12,22及び被係合部13,23を永久磁石50に吸着させる。磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向他端側も同様に、永久磁石50を介して第1部材30に仮固定させる。
次いで、第2部材60の貫通孔60aに、磁歪棒10及び剛性棒20が仮固定された第1部材30を圧入する。永久磁石50に磁歪棒10及び剛性棒20が吸着されることで磁歪棒10及び剛性棒20が第1部材30に仮固定されるので、磁歪棒10及び剛性棒20を第1部材30と一纏まりにして第2部材60へ圧入し易くできる。また、サポート部36,37,40,41は先端にR面取り加工が施されているので、貫通孔60aに第1部材30を挿入し易くできる。次に、第2部材60及び第3部材70の厚さ方向に貫通形成された孔部(図示せず)にボルトやリベット等の軸状部材(図示せず)を挿通し、第2部材60に第3部材70を固定する。これにより第2部材60の貫通孔60aが塞がれる。
次に図5から図8を参照して発電素子1について説明する。図5は発電素子1の平面図であり、図6は図5のVI−VI線における発電素子1の断面図であり、図7は図5のVII−VII線における発電素子1の断面図であり、図8は図5のVIII−VIII線における発電素子1の断面図である。なお、磁歪棒10に巻回されるコイルCの図示は省略する。
図5に示すように磁歪棒10及び剛性棒20は、被係合部13,23が、第1部材60に形成された係合部34,35と係合し、第1部材30に対して磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向内側への移動が規制される。また、図5及び図6に示すように、磁歪棒10及び剛性棒20は軸端部12,22が第3部材70に当接されるので、第3部材70に対して磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向外側への移動が規制される。
図6に示すように、第2部材60の第1支持部61及び第2支持部63により、対向して配置される磁歪棒10及び剛性棒20が、互いに離反する方向(Z方向)へ移動することを防止できる。そのため、磁歪棒10及び剛性棒20の被係合部13,23が、第1部材30の係合部34,35,38,39(図3参照)から外れてしまうことを防止できる。その結果、磁歪棒10及び剛性棒20が第1部材30に対して軸方向内側へ移動することを確実に防止できる。
また、間隔保持部31と第3部材70との間に永久磁石50が挟まれるので、永久磁石50が軸方向(X方向)に移動することを防ぎ、永久磁石50が発電素子1から脱落することを防止できる。
なお、永久磁石50は、厚さ(Z方向寸法)が、間隔保持部31の厚さより小さく設定されている。永久磁石の破損を抑制すると共に発電を安定させるためである。即ち、間隔保持部31及び永久磁石50を磁歪棒10及び剛性棒20の対向間の軸方向に並設し、間隔保持部31の厚さを永久磁石50の厚さより大きくすることにより、磁歪棒10及び剛性棒20の対向間で永久磁石50が押圧されることを抑制できる。その結果、脆性材料である永久磁石の破損を抑制できる。
また、間隔保持部31及び永久磁石50を磁歪棒10及び剛性棒20の対向間の軸方向に並設する場合に、間隔保持部31を永久磁石50に対して軸方向内側に配置し、間隔保持部31の厚さを永久磁石50の厚さより大きくすることにより、間隔保持部31を支点として磁歪棒10及び剛性棒20を振り子運動(曲げ変形)させることができる。よって、一対の第2部材60の相対移動の大きさ(発電中の振動の状態)によらず、磁歪棒10及び剛性棒20の自由長を一定として、発電を安定させることができる。
なお、永久磁石50が間隔保持部31に対して磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向内側に配置される場合には、一対の第2部材60の相対移動の大きさによっては、振り子運動(曲げ変形)時に、磁歪棒10及び剛性棒20が永久磁石50に接触または離間を繰り返しつつ振動するモードが発生し、磁歪棒10及び剛性棒20の自由長が一定とならずに不定となる。そのため発電が不安定となる。
図7に示すように永久磁石50は、サポート部37,41の間に配置される。サポート部37,41の間隔(Z方向寸法)は、永久磁石50の厚さと同じかわずかに小さく設定されている。その結果、第2部材60の第1支持部61及び第2支持部63による圧接荷重が永久磁石50に作用することを抑制できるので、永久磁石の破損を抑制できる。
第1部材30の係合部34,35,38,39(図3参照)、サポート部36,37,40,41は、第2部材60(貫通孔60a)に圧入後の厚さ(Z方向寸法)が、磁歪棒10及び剛性棒20の軸端部12,22に少なくとも接触する寸法(第1支持部61、第2支持部62による軸端部12,22の圧接荷重が0以上となるゼロタッチ以上の寸法)に設定される。これにより、係合部34,35,38,39及びサポート部36,37,40,41を第2部材60(貫通孔60a)に圧入可能な寸法(厚さ)にしておけば、磁歪棒10及び剛性棒20とは無関係に、第1部材30を第2部材60(貫通孔60a)に嵌合保持させることができる。また、第1支持部61、第2支持部62を軸端部12,22に少なくとも接触させることで、磁歪棒10及び剛性棒20の厚さ方向(Z方向)のガタつきをなくすことができる。
第1部材30は、間隔保持部31の厚さ方向(Z方向)に係合部35,39及び係合部34,38(図4参照)が一体に突設されている。第2部材60の第1支持部61及び第2支持部62は、間隔保持部31及び係合部34,35,38,39を厚さ方向(Z方向)に押圧するので、十分な圧接荷重を第1部材30に与えることができる。よって、第2部材60は第1部材30に強固に固定される。
図8に示すように、保持部32の厚さ方向(Z方向)にサポート部36,40が一体に突設されている。第2部材60の第1支持部61及び第2支持部62は、保持部32及びサポート部36,40を厚さ方向(Z方向)に押圧するので、十分な圧接荷重を第1部材30に与えることができる。その結果、第2部材60を第1部材30に強固に固定できると共に、サポート部36,40によって圧接荷重を分散させるので、第1部材30を破損させ難くできる。
また、サポート部37,41(図4参照)が係合部35,39にそれぞれ突設されているので、第2部材60の第1支持部61及び第2支持部62によりサポート部37,41が厚さ方向(Z方向)に押圧される。その結果、サポート部37,41により圧接荷重をさらに分散させることができ、第1部材30をさらに破損させ難くできる。
また、サポート部36,37,40,41が磁歪棒10及び剛性棒20の幅方向(Y方向)外側に配置され、サポート部36,37,40,41の幅方向端面が磁歪棒10及び剛性棒20にそれぞれ密接される。その結果、磁歪棒10及び剛性棒20の幅方向(Y方向)へのガタつきを防ぎ、磁歪棒10及び剛性棒20の損傷を抑制できる。
以上説明した発電素子1によれば、第1部材30は、磁歪棒10及び剛性棒20の被係合部13,23と係合して磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向内側への移動を規制する係合部34,35,38,39を備えているので、磁歪棒10及び剛性棒20は、係合部34,35,38,39が被係合部13,23と係合することにより軸方向内側への移動が規制される。また、第2部材60の第1支持部61及び第2支持部63が係合部34,35,38,39及びサポート部36,37,40,41(接触部)に接触(圧接)することで、互いに離反する方向(Z方向)への磁歪棒10及び剛性棒20の移動が第2部材60により規制され、係合部34,35,38,39と被係合部13,23との係合が維持される。
係合部34,35,38,39及びサポート部36,37,40,41は、磁歪棒10及び剛性棒20の軸端部12,22及び被係合部13,23を磁歪棒10及び剛性棒20の対向方向(Z方向)へ投影した投影面の外側に配設されるので、第2部材60が磁歪棒10及び剛性棒20へ与える荷重(圧接荷重)を、係合部34,35,38,39及びサポート部36,37,40,41へ第2部材60が与える荷重(圧接荷重)より小さくできる。よって、磁歪棒10及び剛性棒20を破損させ難くできる。
また、係合部34,35,38,39及びサポート部36,37,40,41は、磁歪棒10及び剛性棒20の軸端部12,22及び被係合部13,23を磁歪棒10及び剛性棒20の対向方向(Z方向)へ投影した投影面の外側に配設されるので、第1部材10の厚さ(Z方向寸法)を、磁歪棒10、剛性棒20及び永久磁石50を合わせた厚さ(Z方向寸法)と略同一にできる。発電素子1の軸方向端部に配設される第1部材10の厚さが必要以上に大きくなることを抑制できるので、発電素子1の軸方向端部を小型化(端部の厚さを小さく)できる。
また、第2部材60が第1部材30に固定されることにより、互いに離反する方向への磁歪棒10及び剛性棒20の移動が規制され、係合部34,35,38,39と被係合部13,23との係合が維持されるので、磁歪棒10及び剛性棒20を軸方向内側へ抜け難くできる。よって、磁歪棒10及び剛性棒20を破損させ難くできると共に、磁歪棒10及び剛性棒20を軸方向内側へ抜け難くすることができる。
また、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向一端側および他端側において、磁歪棒10及び剛性棒20の対向間に互いに磁極を違えて一対の永久磁石50が吸着され、永久磁石50は、第2部材60により磁歪棒10及び剛性棒20の対向間に吸着される状態が維持される。よって、磁歪棒10、剛性棒20及び一対の永久磁石50によって磁気閉回路が形成される。永久磁石50は、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向に沿って間隔保持部31と並設されるので、発電素子1を小型化できる。
また、磁歪棒10にコイルが巻回され、剛性棒20にコイルが巻回されていないので、その分、部品点数の削減を図ることができる。ここで、磁歪棒10と剛性棒20との対向間に一対の永久磁石50が磁極を違えて挟装され、磁歪棒10及び剛性棒20と一対の永久磁石50とにより磁気閉回路が形成される構造では、磁歪棒10にその軸方向に沿って形成される磁界の方向と剛性棒20にその軸方向に沿って形成される磁界の方向とが逆方向となる。よって、発電中、磁歪棒10及び剛性棒20が伸長または収縮される際に、軸方向と平行な方向の磁束密度の変化が逆方向となり互いに打ち消し合う。そのため、磁束密度の変化が低減され、発電効率の低下を招く。
これに対し、剛性棒20(即ち、コイルが巻回されないもの)が磁歪棒10よりも磁歪効果の低い磁性材料から構成されるので、発電中、磁歪棒10及び剛性棒20が伸長または収縮される際には、剛性棒20における軸方向と平行な方向の磁束密度の変化を少なくできる。よって、剛性棒20における軸方向と平行な方向の磁束密度の変化によって、磁歪棒10における軸方向と平行な方向の磁束密度の変化が打ち消されることを抑制できるので、その分、発電に必要な磁歪棒10における軸方向と平行な方向の磁束密度の変化を確保して、発電効率の向上を図ることができる。
また、剛性棒20を、磁歪効果の高い磁歪材料から構成する必要がなく、一般的な磁性材料から構成することができるので、その分、剛性棒20の材料コストを削減して、発電素子全体としての製品コストを削減できる。
磁歪棒10及び剛性棒20は、軸直角断面が矩形の長尺板状に形成され、断面において長辺を含む平面同士が対向されると共に、その断面において長辺を含む平面の対向間に永久磁石50が挟持されるので、磁歪棒10及び剛性棒20に対して対面する永久磁石50の面積を確保できる。よって、永久磁石50の起磁力によるバイアス磁界を磁歪棒10及び剛性棒20へ効率良く付与でき、その分、発電効率の向上を図ることができる。
また、磁歪棒10及び剛性棒20の対向間に永久磁石50が保持されるので、発電中に磁歪棒10及び剛性棒20と永久磁石50との間に滑りが発生することを抑制でき、摩擦抵抗によるエネルギーの損失を低減できる。その結果、発電効率の向上を図ることができる。
発電素子1は、第1部材30、第2部材60及び第3部材70が非磁性材料から構成されるので、第1部材30等への磁束の漏洩や短絡を抑制して、磁歪棒10及び剛性棒20へ集中させることができる。よって、永久磁石50の起磁力によるバイアス磁界を磁歪棒10及び剛性棒20へ効率良く付与でき、その分、発電効率の向上を図ることができる。また、第1部材30及び第2部材60が非磁性材料から構成されることで、かかる部材の素材として、じん性の高い材料を選択することができる。よって、第1部材30及び第2部材60の変形性を確保して、磁歪棒10及び剛性棒20の保持の信頼性を高めることができる。
発電素子1を組み立てるときには、磁歪棒10及び剛性棒20に永久磁石50を吸着させることで、永久磁石50を介して第1部材30に仮固定した後、第2部材60を固定できる。その結果、磁歪棒10、剛性棒20、永久磁石50を個別に取り付けて発電素子を組み立てる場合と比較して、発電素子1の組立作業性を向上できる。
また、発電素子1は、磁歪棒10及び剛性棒20における軸方向(X方向)への永久磁石50の移動を拘束する間隔保持部31及び第3部材70(拘束部)を備えている。間隔保持部31及び第3部材70により軸方向への永久磁石50の移動が拘束されるので、永久磁石50が軸方向に移動して脱落することを防止できる。その結果、永久磁石50が脱落することによる不具合の発生を防止できる。
発電素子1は、第1部材30に対して磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向外側への移動を規制する第2部材70(移動規制部)を備えている。第2部材70により第1部材30に対して磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向外側への移動が規制される。よって、振り子運動が繰り返し行われた場合であっても、第1部材30に対して磁歪棒10及び剛性棒20が軸方向外側へ移動することを防ぎ、磁歪棒10及び剛性棒20を第1部材30に強固に固定できる。よって、発電素子1の耐久性を確保できる。
次に図9から図15を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、第1部材30が圧入される第2部材60を備える発電素子1について説明した。これに対し第2実施の形態では、上部材161及び下部材164の2つに分割された第2部材160を備える発電素子101について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。まず、図9を参照して発電素子101の概略構成について説明する。図9は第2実施の形態における発電素子101の斜視図である。
図9に示すように発電素子101は、上部材161及び下部材164の2つに分割可能に形成された第2部材160を備えている。上部材161及び下部材164は、制限部62(図2参照)の軸方向(X方向)に突出されつつ幅方向(Y方向)内側に張り出し、第1部材130の軸方向内側に位置する張出部162,165と、第1部材130の軸方向外側に位置する第3支持部163,166とをそれぞれ備え、それらが一体に形成されている。上部材161及び下部材164は、第1部材130の高さ方向(Z方向)の端面が互いに突き合わされて第1部材130に装着され、上部材161及び下部材164の高さ方向に貫通形成された孔部(図示せず)にボルトやリベット等の軸状部材(図示せず)が挿通され、互いに分離不能に固定される。
次に図10から図13を参照して第1部材130について説明する。図10は磁歪棒10、剛性棒20及び第1部材130の斜視図であり、図11は各部品が軸直角方向に分離された発電素子101の立体分解図であり、図12は第1部材130及び永久磁石50の斜視図である。なお、図10は、第2部材160を取り外した状態を示している。
図10に示すように、第1部材130は、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向端部の軸方向外側に位置する移動規制部131,132が設けられている。移動規制部131,132は、第1部材130と一体に形成される。移動規制部131,132により、磁歪棒10及び剛性棒20は、第1部材130に対して軸方向外側への移動が規制される。
図11に示すように、第1部材130は永久磁石50を保持し、磁歪棒10及び剛性棒20は、永久磁石50に軸方向端部が吸着されることで第1部材130に支持される。これにより、磁歪棒10、剛性棒20、永久磁石50及び第1部材130を1つの集合体にできる。
図12に示すように移動規制部131,132は、間隔保持部31と平行となるように配置されると共に、保持部32,33及びサポート部36,37,40,41に連成される。移動規制部131,132の対向間に永久磁石50が挿入される。
次に図13から図16を参照して発電素子101について説明する。図13は発電素子101の平面図であり、図14は図13のXIV−XIV線における発電素子101の断面図であり、図15は図13のXV−XV線における発電素子101の断面図である。
図13に示すように、第1部材130(図10参照)を挟み込むようにして高さ方向(Z方向)両側に上部材161及び下部材164(図9参照)が装着され、発電素子101に第2部材160が設けられる。第1部材130(図12参照)の軸方向内側に張出部162が位置し、第1部材130(図12参照)の軸方向外側に第3支持部163が位置するので、第2部材160は、第1部材130に対して軸方向の移動が規制される。
図14及び図15に示すように、第2部材160の第3支持部163,166は、第1部材130に保持された永久磁石50の軸方向外側に位置する。これにより、第1部材130に保持された永久磁石50が第1部材130から脱落することを防止できる。
本実施の形態における発電素子101によれば、2つに分割された上部材161及び下部材164(図9参照)によって第1部材130(図10参照)を高さ方向(Z方向)に挟み込むことで、第2部材160が設けられる。そのため、第1部材130に対して軸方向内側または外側に張り出す張出部162,165や第3支持部163,166を比較的自由に設けることができる。張出部162,165や第3支持部163,166によって、第1部材130に対する第2部材160の軸方向の移動を規制できる。従って、発電素子101によれば、第1実施の形態のように第2部材60に第1部材30を圧入する場合に必要な圧接荷重を考慮しなくて良い。その結果、第1部材130は第2部材160によってゼロタッチ以上の荷重が与えられる程度なので、第2部材160が第1部材130に対して与える荷重によって第1部材130が破損され易くなることを防止できる。
次に図16から図18を参照して第3実施の形態について説明する。第2実施の形態では、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向端面に接して磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向外側への移動を規制する移動規制部131,132が設けられた場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、磁歪棒210及び剛性棒220の被係合部213,223に接して磁歪棒210及び剛性棒220の軸方向外側への移動を規制する移動規制部231,232が設けられる場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図16は第3実施の形態における発電素子201の斜視図であり、図17は各部品が軸直角方向に分離された発電素子201の立体分解図であり、図18は第1部材230及び永久磁石50の斜視図である。なお、図16では、第1部材230が圧入固定される第2部材60及び第3部材70(図2参照)の図示を省略する。
図16に示すように第1部材230は、永久磁石50を介して磁歪棒210及び剛性棒220を固定する。図17に示すように磁歪棒210は、軸端部12の軸方向中央付近に、軸端部12の幅方向(Y方向)へ向かう被係合部213が凸設され、剛性棒220は、軸端部22の軸方向中央付近に、軸端部22の幅方向(Y方向)へ向かう被係合部223が凸設される。被係合部213,223は、軸端部12,22とそれぞれ同一の厚さに設定されると共に断面矩形状に形成される。
図18に示すように第1部材230は、サポート部36の軸方向端部に、サポート部36の幅方向内側へ向かう移動規制部231がそれぞれ凸設され、サポート部37の軸方向端部に、サポート部37の幅方向両側へ向かう移動規制部232がそれぞれ凸設される。同様に、サポート部40の軸方向端部に、サポート部40の幅方向内側へ向かう移動規制部233がそれぞれ凸設され、サポート部41の軸方向端部に、サポート部41の幅方向両側へ向かう移動規制部234がそれぞれ凸設される。移動規制部231,232,233,234はサポート部36,37,40,41とそれぞれ同一の厚さに設定されると共に断面矩形状に形成される。
移動規制部231,232,233,234は、磁歪棒210及び剛性棒220の被係合部213,223とそれぞれ係合して、磁歪棒210及び剛性棒220の第1部材230に対する軸方向外側への移動を規制するための部位である。移動規制部232,234の間隔は、永久磁石50の厚さよりわずかに大きい値に設定されるので、永久磁石50は保持部32の内側に保持される。
第3実施の形態における発電素子201によれば、第1部材230が移動規制部231,232,233,234を備えているので、第3部材70(図2参照)がなくても、磁歪棒210及び剛性棒220の軸方向外側への移動を規制できる。
次に図19から図22を参照して第4実施の形態について説明する。第1実施の形態から第3実施の形態では、係合部34,35,38,39及びサポート部36,37,40,41が第1部材30,130,230に設けられる場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、係合部363,364,369及びサポート部365,366,367,368が第2部材360に設けられる場合について説明する。なお、第1実施の形態および第2実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図19は第4実施の形態における発電素子301の平面図であり、図20は図19のXX−XX線における発電素子301の断面図であり、図21は図19のXXI−XXI線における発電素子301の断面図であり、図22は図19のXXII−XXII線における発電素子301の断面図である。
図19及び図20に示すように発電素子301は、上部材361及び下部材362の2つに分割可能に形成された第2部材360を備えている。図19に示すように上部材361(第2部材360)は、係合部363,364及びサポート部365,366が一体に形成されている。係合部363,364に磁歪棒10及び剛性棒20の被係合部13,23が係合することにより、第2部材360に対して磁歪棒10及び剛性棒20が軸方向内側に移動することが規制される。
図21に示すように、上部材361に形成された係合部364は間隔保持部31に当接され、サポート部366は永久磁石50に当接される。また、下部材362に形成された係合部369は間隔保持部31に当接され、サポート部368は永久磁石50に当接される。間隔保持部31(接触部)に係合部364,369を当接させた状態で、上部材361と下部材362とが互いにボルト等によって連結される。これにより第2部材360が固定される。
図22に示すように、上部材361及び下部材362のサポート部365,366,367,368は、幅方向(Y方向)端面が、磁歪棒10及び剛性棒20の幅方向端面に密接される。これにより、磁歪棒10及び剛性棒20の幅方向(Y方向)のガタつきを防止することができる。
本実施の形態における発電素子301によれば、第2実施の形態と同様に、2つに分割された上部材361及び下部材362にそれぞれ形成された係合部363,364,369によって、磁歪棒10及び剛性棒20の軸方向内側への移動が規制される。係合部363,364,369を間隔保持部31に当接させつつ上部材361及び下部材362を互いに連結することで、第2部材360が固定される。
第2部材360は、係合部363,364,369から被係合部13,23が外れない程度に磁歪棒10及び剛性棒20の高さ方向(Z方向)の移動を制限すれば良いので、第2部材360によって磁歪棒10及び剛性棒20に大きな圧接荷重を与える必要がない。よって、第2部材360によって圧接されることによる磁歪棒10及び剛性棒20の破損を抑制できる。また、第2部材360にガタつきが生じない程度にできれば良いので、係合部363,364,369による間隔保持部31の圧接荷重も小さくできる。その結果、第2部材360によって圧接されることによる間隔保持部31の破損を抑制できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、発電素子1,101,201,301を自由振動させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、発電素子1,101,201,301を強制振動(例えば図1において、一端側の保持部材50に対して他端側の保持部材50を、上下方向(Z方向)へ強制的に相対移動)させても良い。
上記各実施の形態では、磁歪棒10,210のみにコイルCを巻回する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるのもではなく、磁歪棒10,210と剛性棒20,220との両者にそれぞれコイルCを巻回しても良い。なお、この場合には、磁歪棒10,210及び剛性棒20,220を同じ磁歪材料から構成する(即ち、剛性棒20,220を磁歪棒10,210よりも磁歪効果の低い材料で構成する必要はない)。
上記各実施形態では、磁歪棒10,210と剛性棒20,220との対向間に永久磁石50が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、永久磁石50に代えて、電磁石を利用するものを採用できる。また、発電素子1,101,201,301の系外からの磁場により磁気回路に漏れ磁束が発生する構成であれば、発電素子1,101,201,301の系外に磁石を配置した構成とすることは可能である。また、永久磁石や電磁石の起磁力により磁歪棒10,210及び剛性棒20,220にバイアス磁化を印加するバックヨークを設けることも可能である。
上記各実施の形態では、磁歪棒10,210及び剛性棒20,220の寸法(即ち、厚み寸法および幅寸法)を略同一(軸端部12,22側の幅が異なる)とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁歪棒10,210の寸法に対し、剛性棒20,220の寸法を異なる値(厚み寸法および幅寸法の一方のみ又は両方が異なる値)としても良い。
上記各実施の形態では、磁歪棒10,210、剛性棒20,220を断面矩形に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状とすることは当然可能である。他の形状としては、断面方形、断面円形、断面楕円形、断面多角形(例えば、断面六角形)などが例示される。
なお、例えば、磁歪棒10等を断面円形としたことで、永久磁石50と線接触となり、接触面積が確保できない場合には、永久磁石50の寸法または起磁力を大きくするか、或いは、磁歪棒10,210等と永久磁石50との間に磁性体からなり両者の形状に対応した形状(即ち、両者に面接触する形状)のスペーサを介在させ、接触面積を確保することが好ましい。これらにより、付与可能なバイアス磁界の増加を図ることができるからである。
上記各実施の形態では、磁歪棒10,210及び剛性棒20,220の幅方向に被係合部13,23,213,223が凸設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被係合部を磁歪棒10,210及び剛性棒20,220に凹設することは当然可能である。この場合には、第1部材30,130,230又は第2部材60,160,360に、被係合部と係合可能となるように凸設させた係合部を設ける。
また、上記各実施の形態では、磁歪棒10,210及び剛性棒20,220の幅方向に被係合部13,23が凸設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2部材160,360を2つに分割した態様(上部材161,361、下部材164,362)とすれば、磁歪棒10,210及び剛性棒20,220の厚さ方向(Z方向)に被係合部を凸設または凹設することは当然可能である。この場合には、上部材161,361及び下部材164,362に、被係合部に対応して被係合部と係合可能となるような係合部を凸設または凹設させる。
上記各実施の形態では、互いに対向する1組の磁歪棒10,210及び剛性棒20,220を3組並設する場合について説明した。しかしながら、磁歪棒10,210及び剛性棒20,220の数は、これに限られるものではない。第1部材30,130,230及び第2部材60,160,360の幅方向(Y方向)の長さを適宜設定することで、1組ないしは複数組の磁歪棒10,210及び剛性棒20,220を設けることは当然可能である。
上記各実施の形態では、磁歪棒10,210及び剛性棒20,220の軸方向両端に、それぞれ同一形状(寸法)の被係合部13,23,213,223が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、軸方向一端側の被係合部と軸方向他端側の被係合部とを、形状を異ならせたり寸法を異ならせたりすることは当然可能である。その場合には、当然のことながら、被係合部13,23,213,223と係合する係合部は、被係合部に応じた形状や寸法に設定される。
上記第2実施の形態では、係合部34,35,38,39、サポート部36,37,40,41及び移動規制部131,132が第1部材130に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、係合部34,35、サポート部36,37、移動規制部131の内のいずれか1以上を上部材161に設け、係合部38,39、サポート部40,41、移動規制部132の内のいずれか1以上を下部材164に設けることは当然可能である。
なお、上記の各実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。例えば、第2実施の形態における発電素子101の第2部材160を、第1実施の形態における発電素子1の第2部材60及び第3部材70に置き換えることや、第3実施の形態における発電素子201の第2部材60及び第3部材70を、第2実施の形態における発電素子101の第2部材160に置き換えることは可能である。