JP5069489B2 - 固体酸化物型燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池からの発電電力を、商用電源からの交流電力と系統連系して電力負荷へ供給する固体酸化物型燃料電池システムに関する。
酸化物イオンを伝導する膜として固体電解質を用いた固体酸化物型燃料電池が知られている。このような固体酸化物型燃料電池では、一般的に、固体電解質としてイットリアをドープしたジルコニアが用いられており、この固体電解質の片側には燃料ガスを酸化するための燃料極が設けられ、またその他側には空気中の酸素を還元するための空気極が設けられている。この固体酸化物型燃料電池では、作動温度が約700〜1000℃と比較的高く、このような高温下において、燃料ガス中の水素や一酸化炭素、炭化水素と空気中の酸素とが電気化学反応を起こすことにより発電が行われる。
近年、このような固体酸化物型燃料電池を用いた固体酸化物型燃料電池システムが注目されている。この固体酸化物型燃料電池システムは、例えば、数十kW〜MW程度の出力電力を発生するビルや工場用の分散電源やコージェネレーションシステム、10MW〜数百MW程度の出力電力を発生する大型発電プラント、あるいは1kW〜10kW程度の小型のコージェネレーションシステムなどに利用されている。
この固体酸化物型燃料電池システムは、種々のタイプのものが提案されており、例えば次のようなタイプのものがある。第1のタイプの固体酸化物型燃料電池システムは、固体酸化物型燃料電池と、固体酸化物型燃料電池からの発電電力を所定の交流電力に変換するためのインバータと、固体酸化物型燃料電池を制御するための制御手段と、を備えており、インバータからの交流電力は商用電源と系統連系され、インバータ及び商用電源からの交流電力が電力負荷に供給される。制御手段は、固体酸化物型燃料電池の発電電力が電力負荷の負荷電力よりも所定値(例えば、数十W程度)低くなるように、固体酸化物型燃料電池の発電電力を電力負荷の負荷電力に追従させて制御している。すなわち、制御手段は、電力負荷の負荷電力が低下するときには、負荷電力の低下電力割合よりも大きい電力割合で固体酸化物型燃料電池の発電電力を低下させ、また電力負荷の負荷電力が上昇するときには、例えば数十W/分〜数百W/分の上昇電力割合で固体酸化物型燃料電池の発電電力を上昇させる。
図15は第2のタイプの固体酸化物型燃料電池システムであり、図示の固体酸化物型燃料電池システム100は、上述した固体酸化物型燃料電池102、インバータ104及び制御手段106に加え、インバータ104からの交流電力を所定の直流電力に変換するための双方向インバータ108と、双方向インバータ108からの直流電力を蓄電するための蓄電池110と、蓄電池110の充電電圧を検出するための充電電圧検出手段112と、蓄電池110の充電及び放電を制御するための充放電制御手段114と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。インバータ104からの交流電力は商用電源116と系統連系され、インバータ104及び商用電源116からの交流電力が電力負荷118に供給される。
制御手段106は、上述した第1のタイプの固体酸化物型燃料電池システムと同様に、固体酸化物型燃料電池102の発電電力が電力負荷118の負荷電力よりも所定値低くなるように、固体酸化物型燃料電池102の発電電力を電力負荷118の負荷電力に追従させて制御している。また、固体酸化物型燃料電池102の発電電力には下限設定値が設定されており、発電電力がこの下限設定値よりも低下しないように構成されている。この固体酸化物型燃料電池システムにおいて、電力負荷118の負荷電力が固体酸化物型燃料電池102の発電電力の下限設定値よりも低下すると、固体酸化物型燃料電池102において余剰電力が発生するようになり、このように余剰電力が発生すると、充放電制御手段114は充電電圧検出手段112の検出電圧に基づき双方向インバータ108を制御し、これにより固体酸化物型燃料電池102の余剰電力がインバータ104及び双方向インバータ108を介して蓄電池110に充電され、このように余剰電力を蓄電することによって、余剰電力が商用電源116に逆潮流するのが防止される。
特開2005−130572号公報
しかしながら、上述のような従来の固体酸化物型燃料電池システムでは、次のような問題がある。第1のタイプの固体酸化物型燃料電池システムでは、固体酸化物型燃料電池の発電電力の上昇速度は例えば数十W/分〜数百W/分と比較的低いため、電力負荷の負荷電力が急激に低下した後にすぐに上昇するような場合には、固体酸化物型燃料電池の発電電力に制御遅れが生じる(すなわち、発電電力が負荷電力に再び追従するまでに比較的長時間を要する)。このため、負荷電力に対する固体酸化物型燃料電池の発電電力の不足分が増大し、この発電電力の不足分を賄うために、商用電源からの購入電力が増大してしまうという問題がある。また、電力負荷の負荷電力の低下に追従して発電電力が低下すると、それに伴って固体酸化物型燃料電池の発熱量が低下し、固体酸化物型燃料電池の温度が低下する。固体酸化物型燃料電池の温度が所定温度よりも低下した状態においては、負荷電力が上昇して発電電力が負荷電力に再び追従する際における発電電力の上昇速度が低下してしまい、それ故に、発電電力の制御遅れが大きくなるという問題が生じる。
また、第2のタイプの固体酸化物型燃料電池システム100では、固体酸化物型燃料電池102の余剰電力を消費させるための蓄電池110等を別途設置する必要があるため、固体酸化物型燃料電池システム100の設備コストが増大してしまうという問題がある。
本発明の第1の目的は、商用電源からの購入電力の増大を抑制して、省エネルギー化を実現することができる固体酸化物型燃料電池システムを提供することである。
また、本発明の第2の目的は、設備コストを低減することができる固体酸化物型燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池システムでは、固体酸化物型燃料電池と、前記固体酸化物型燃料電池からの発電電力を所定の交流電力に変換するためのインバータと、を備え、前記インバータからの交流電力は商用電源と系統連系され、前記インバータ及び前記商用電源からの交流電力が電力負荷に供給される固体酸化物型燃料電池システムであって、
前記電力負荷の負荷電力を検出するための負荷電力検知手段と、前記固体酸化物型燃料電池から前記電力負荷に供給される電力の一部を消費するための電力消費手段と、前記電力消費手段を導通制御するためのスイッチング手段と、前記固体酸化物型燃料電池及び前記スイッチング手段をそれぞれ制御するための制御手段と、が設けられており、前記制御手段は、前記固体酸化物型燃料電池の発電電力が前記電力負荷の負荷電力に追従するように前記固体酸化物型燃料電池を制御し、
前記負荷電力検知手段の検知負荷電力が100W/分以上の割合で低下すると、この検知負荷電力が低下してから設定時間の間、前記制御手段は、発電電力が一定に保持されるように前記固体酸化物型燃料電池を制御するとともに、前記スイッチング手段を導通状態に保持し、前記固体酸化物型燃料電池から前記電力負荷に供給される電力の一部が前記電力消費手段により消費されることを特徴とする。
また、本発明の請求項に記載の固体酸化物型燃料電池システムでは、前記電力消費手段は、起動時に温度を上昇させるために前記固体酸化物型燃料電池に供給される燃料ガスを点火させるための点火用ヒータから構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の請求項に記載の固体酸化物型燃料電池システムでは、前記電力消費手段は、前記インバータに設けられた電力消費抵抗から構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池システムによれば、負荷電力検知手段の検知負荷電力が100W/分以上の電力割合で低下した場合に、この低下したときから設定時間の間、制御手段は、発電電力が一定に保持されるように固体酸化物型燃料電池を制御するので、検知負荷電力がこの割合以上で急激に低下した後にすぐに上昇したときにおいては、固体酸化物型燃料電池は負荷電力の変動に追従せず、これによって、固体酸化物型燃料電池の発電電力の制御遅れを小さくすることができる。したがって、負荷電力に対する発電電力の不足分を低減することができ、商用電源からの購入電力量を少なく抑えて省エネルギー化を実現することが可能となる。また、負荷電力検知手段の検知負荷電力が100W/分以上の電力割合で低下してから設定時間の間、制御手段はスイッチング手段を導通状態に保持するので、固体酸化物型燃料電池にて発生する余剰電力が電力消費手段により消費され、これによりこの余剰電力が商用電源に逆潮流するのを防止することが可能となる。例えば、電気機器として使用電力が一時的に大きく低下する状態が繰り返して生じるものがあり、このような電気機器を使用した場合には、検知負荷電力が急激に低下した後にすぐに上昇する状態が繰り返し生じ、このような場合に、商用電源からの購入電力量を少なく抑えることができるとともに、固体酸化物型燃料電池の余剰電力が商用電源に逆潮流するのを防止することができる。
また、本発明の請求項に記載の固体酸化物型燃料電池システムによれば、電力消費手段は、固体酸化物型燃料電池に供給される燃料ガスを点火させるための点火用ヒータから構成されているので、固体酸化物型燃料電池にて発生する余剰電力を専用の電力消費手段を設けることなく消費させることができ、固体酸化物型燃料電池システムの設備コストを低減することができる。
さらに、本発明の請求項に記載の固体酸化物型燃料電池システムによれば、電力消費手段は、インバータに設けられた電力消費抵抗から構成されているので、固体酸化物型燃料電池にて発生する余剰電力を電力消費抵抗を設けるという簡単な構成でもって消費させることができ、固体酸化物型燃料電池システムの設備コストを低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物型燃料電池システムの各種実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムを簡略的に示すブロック図であり、図2は、図1の固体酸化物型燃料電池を簡略的に示すブロック図であり、図3は、図1の固体酸化物型燃料電池システムの制御系を簡略的に示すブロック図であり、図4は、図1の固体酸化物型燃料電池システムの制御の流れを簡略的に示すフローチャートである。
図1〜図3を参照して、図示の固体酸化物型燃料電池システム2は、固体酸化物型燃料電池4と、固体酸化物型燃料電池4からの発電電力を所定の交流電力に変換するためのインバータ6と、を備えており、インバータ6の交流側には電力負荷8が接続され、インバータ6からの交流電力は商用電源10と系統連系され、商用電源10及び固体酸化物型燃料電池4からの電力が電力負荷8に供給される。
固体酸化物型燃料電池4は、固体電解質12と、固体電解質12の片側に設けられた燃料極14と、固体電解質12の他側に設けられた空気極16と、を備えており、固体電解質12として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。燃料極14は改質された燃料ガスを酸化し、また空気極16は空気中の酸素を還元し、燃料極14側の酸化及び空気極16側の還元による燃料電池発電反応により発電が行われ、これにより固体酸化物型燃料電池4の出力部(図示せず)より所定の直流電力(すなわち、発電電力)が出力される。
固体酸化物型燃料電池4に関連して、燃料供給バルブ18、脱硫器20、改質器22及び燃焼部24が設けられている。燃料供給バルブ18は、原燃料ガス供給源(図示せず)から脱硫器20を通して改質器22に送給される原燃料ガス(例えば、天然ガス)の送給量を制御するためのものであり、燃料供給バルブ18の開度が出力上昇方向(開く方向)に調節されると固体酸化物型燃料電池4の発電電力が上昇し、また燃料供給バルブ18の開度が出力低下方向(閉じる方向)に調節されると固体酸化物型燃料電池4の発電電力が低下する。脱硫器20は、硫黄成分を除去するためのものであり、原燃料ガス供給源からの原燃料ガスは脱硫器20に送給され、原燃料ガスに含まれる硫黄成分がこの脱硫器20において除去される。
改質器22は、脱硫処理された燃料ガスを改質反応して水素及び一酸化炭素を含むガスに改質するためのものであり、改質触媒(図示せず)下において燃料ガスの改質が行われる。この改質器22には、脱硫器20において脱硫処理された燃料ガスが燃料送給流路26、燃料供給バルブ18及び燃料送給流路28を通して送給されるとともに、水蒸気が水蒸気送給流路30を通して燃料送給流路28に送給される。これにより、改質器22においては、燃料ガスの一部と水蒸気とが改質反応して改質され、かく改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給流路32を通して固体酸化物型燃料電池4の燃料極14側に送給される。
燃焼部24は、固体酸化物型燃料電池4の下流側に配設され、点火用ヒータ34(電力消費手段としても機能する)を備えている。この点火用ヒータ34は、例えばセラミックヒータなどの抵抗加熱ヒータから構成され、この点火用ヒータ34に電力が供給されると点火用ヒータ34が発熱して電力が消費される。この燃焼部24には、固体酸化物型燃料電池4の燃料極14側から排出される反応燃料ガスとその空気極16側から排出された空気とが送給され、反応燃料ガス中に残留する水素ガスが、点火用ヒータ34からの熱により点火されて空気中の酸素により燃焼され、燃焼排ガスが排気流路36を通して外部に排出される。
排気流路36には、再生器38が配設されている。再生器38は、固体酸化物型燃料電池4の空気極16側に供給される空気を加温する。すなわち、ブロア44からの空気は空気供給流路46を通して再生器38に送給され、この再生器38において、ブロア44からの空気と排気流路36を流れる燃焼排ガスとの間で熱交換が行われ、熱交換により加温された空気が空気送給流路48を通して固体酸化物型燃料電池4の空気極16側に送給される。なお、燃焼排ガスの熱を温水として貯湯するように構成することもできる。
インバータ6の直流側には固体酸化物型燃料電池4の出力部が接続され、またその交流側には電力負荷8が接続されている。このインバータ6は、固体酸化物型燃料電池4からの発電電力(直流電力)を所定の交流電力(商用電源10からの交流電力と同様の交流電力であって、例えば100V,60Hzの単相交流電力)に変換する。また、インバータ6からの交流電力は商用電源10と系統連系されており、これにより商用電源10及びインバータ6からの交流電力は電力負荷8に送給され、これら交流電力が電力負荷8において消費される。電力負荷8は、例えば一般家庭や工場などに設置された空調装置、各種機械装置又は照明装置などから構成される。なお、図1においては、電力負荷8は1つのみ図示してあるが、複数の電力負荷をインバータ6の交流側に接続するようにしてもよい。
この固体酸化物型燃料電池システム2は更に、固体酸化物型燃料電池4の発電電力を検知するための発電電力検知手段56と、電力負荷8の負荷電力を検知するための負荷電力検知手段58と、点火用ヒータ34を導通制御するためのスイッチング手段60と、固体酸化物型燃料電池4及びスイッチング手段60をそれぞれ制御するための制御手段62と、を備えている。
発電電力検知手段56及び負荷電力検知手段58は例えば電力計などから構成される。発電電力検知手段56は、例えば固体酸化物型燃料電池システム2が稼働している間に渡って発電電力の検知を行い、また負荷電力検知手段58は、例えば一日24時間の常時に渡って負荷電力の検知を行う。
スイッチング手段60は、固体酸化物型燃料電池4の点火用ヒータ34とインバータ6の交流側との間に配設されており、点火用ヒータ34とインバータ6の交流側とが導通される導通状態と、点火用ヒータ34とインバータ6の交流側との導通が遮断される遮断状態とに選択的に保持される。スイッチング手段60が導通状態に保持されると、インバータ6から電力負荷8に供給される交流電力の一部がスイッチング手段60を介して点火用ヒータ34に供給され、この点火用ヒータ34にて消費される。
制御手段62は、例えばマイクロプロセッサなどから構成され、制御信号生成手段64、記憶手段66、電力割合演算手段68、スイッチング作動信号生成手段70及びスイッチング遮断信号生成手段71を含んでいる。制御信号生成手段64は、負荷電力検知手段58の検知負荷電力が低下すると電力低下信号を生成し、また負荷電力検知手段58の検知負荷電力が上昇すると電力上昇信号を生成する。制御手段62は、電力低下信号が生成されると、燃料供給バルブ18の開度を出力低下方向に調節して固体酸化物型燃料電池4の発電電力を低下させ、また電力上昇信号が生成されると、燃料供給バルブ18の開度を出力上昇方向に調節して固体酸化物型燃料電池4の発電電力を上昇させる。これにより、固体酸化物型燃料電池4の発電電力を電力負荷8の負荷電力に追従させて変動させ、固体酸化物型燃料電池4の発電電力が電力負荷8の負荷電力よりも所定値(例えば、約30W程度)低くなるように保持させることができる。
記憶手段66は例えばメモリなどから構成され、設定時間データ及び設定電力割合データがそれぞれ記憶されている。電力割合演算手段68は、負荷電力検知手段58からの検知負荷電力に基づき、電力負荷8の負荷電力の低下電力割合を演算する。制御信号生成手段64は、電力割合演算手段68による演算結果に基づき、負荷電力の低下電力割合が記憶手段66に記憶された設定電力割合(例えば、100W/分)以上であるとき(すなわち、負荷電力が急激に低下したとき)には電力保持信号を生成する。電力保持信号が生成されると、制御手段62は、固体酸化物型燃料電池4の発電電力を電力負荷状態に応じて変動させることなく、そのときの発電電力でもって記憶手段66に記憶された設定時間(例えば、1秒程度)の間保持させる。
スイッチング作動信号生成手段70は、電力割合演算手段68による演算結果に基づき、負荷電力の低下電力割合が設定電力割合以上であるときにはスイッチング作動信号を生成し、このようにスイッチング作動信号が生成されると、スイッチング手段60は遮断状態から導通状態に保持される。スイッチング遮断信号生成手段71は、スイッチング手段60が導通状態に保持されてから上記設定時間が経過するとスイッチング遮断信号を生成し、このようにスイッチング遮断信号が生成されると、スイッチング手段60は導通状態から遮断状態に保持される。
次に、図4をも参照して、この固体酸化物型燃料電池システム2の制御の流れを説明すると次の通りである。固体酸化物型燃料電池4の運転が開始されると(ステップS1)、固体酸化物型燃料電池4の出力部より発電電力が出力される(ステップS2)。この発電電力はインバータ6に送給され、このようにインバータ6に送給された発電電力は、例えば単相交流の100V,60Hzの交流電力に変換された後に電力負荷8に送給され、この電力負荷8にて消費される。また、商用電源10からも同様に、例えば単相交流の100V,60Hzの交流電力が電力負荷8に供給される。このような運転状態においては、発電電力検知手段56は固体酸化物型燃料電池4の発電電力を検知し、また負荷電力検知手段58は電力負荷8の負荷電力を検知し(ステップS3)、これら検知信号がそれぞれ制御手段62に送給される(ステップS4)。また、スイッチング手段60は遮断状態に保持されている。
負荷電力検知手段58の検知負荷電力が上昇すると、ステップS5からステップS6に進んで、制御信号生成手段64は電力上昇信号を生成し、制御手段62はこの電力上昇信号に基づき燃料供給バルブ18の開度を出力上昇方向に調節し(ステップS7)、これにより固体酸化物型燃料電池4の発電電力が電力負荷8の負荷電力よりも所定値(例えば、約30W程度)低くなるように上昇され(ステップS8)、その後に再びステップS5に戻る。
また、電力負荷8の負荷電力が低下した場合において、負荷電力の低下電力割合が設定電力割合より小さいときには、ステップS9からステップS10を経てステップS11に進み、制御信号生成手段64は電力低下信号を生成し、制御手段62はこの電力低下信号に基づき燃料供給バルブ18の開度を出力低下方向に調節し(ステップS12)、これにより固体酸化物型燃料電池4の発電電力が電力負荷8の負荷電力よりも上記所定値低くなるように低下され(ステップS13)、その後に再びステップS5に戻る。
以上のようにして、固体酸化物型燃料電池4の発電電力は電力負荷8の負荷電力に追従して変動され、固体酸化物型燃料電池4の発電電力が電力負荷8の負荷電力よりも上記所定値低くなるように保持される。
また、負荷電力検知手段58の検知負荷電力が低下した場合において、負荷電力の低下電力割合が設定電力割合以上であるときには、ステップS9からステップS10を経てステップS14に進み、制御信号生成手段64は電力保持信号を生成する。かくすると、検知負荷電力が低下してから設定時間の間、制御手段62は、この電力保持信号に基づき燃料供給バルブ18の開度を低下する前の状態に保持し(ステップS15)、これにより固体酸化物型燃料電池4の発電電力が低下する前の一定電力状態に保持される(ステップS16)。また、スイッチング作動信号生成手段70はスイッチング作動信号を生成し(ステップS17)、スイッチング手段60はこのスイッチング作動信号に基づき遮断状態から導通状態に保持される(ステップS18)。このとき、固体酸化物型燃料電池4の発電電力が負荷電力を超えるようになるが、スイッチング手段60が導通状態に保持されるので、インバータ6から電力負荷8に供給される交流電力の一部(すなわち、固体酸化物型燃料電池4の余剰電力)がスイッチング手段60を介して点火用ヒータ34に供給され、この余剰電力は点火用ヒータ34により消費され、これによって、この余剰電力が商用電源10に逆潮流するのが防止される。
この発電電力の保持は設定時間(例えば、1秒程度)行われ、この設定時間が経過すると、ステップS18からステップS19を経てステップS20に進み、スイッチング遮断信号生成手段71はスイッチング遮断信号を生成し、スイッチング手段60は、このスイッチング遮断信号に基づき導通状態から遮断状態に保持される(ステップS21)。そして、ステップS21からステップS5に戻り、検知負荷電力が低下してから設定時間の経過前に復帰したとき(例えば、低下する直前の検知負荷電力付近まで上昇したとき)には、設定時間の経過後に固体酸化物型燃料電池4の発電電力を上昇又は低下させることにより発電電力を負荷電力に再び追従させ、また検知負荷電力が低下してから設定時間の経過前に負荷電力が復帰していないときには、設定時間の経過後に固体酸化物型燃料電池4の発電電力を電力負荷8の負荷電力よりも上記所定値低い値まで低下させることにより発電電力を負荷電力に再び追従させる。
[第2の実施形態]
次に、図5及び図6を参照して、本発明の第2の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムについて説明する。図5は、本発明の第2の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムの制御系を簡略的に示すブロック図であり、図6は、図5の固体酸化物型燃料電池システムの制御の流れを簡略的に示すフローチャートである。なお、以下の各実施形態において、上記第1の実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
この第2の実施形態による固体酸化物型燃料電池システム2Aでは、固体酸化物型燃料電池(図示せず)の発電電力には下限設定値(例えば、100W)が設定されており、発電電力がこの下限設定値よりも低下しないように構成されている。また、固体酸化物型燃料電池に送給される改質燃料ガスには下限設定ガス量が設定されており、固体酸化物型燃料電池に送給される改質燃料ガス量がこの下限設定ガス量よりも低下しないように構成されている。制御手段62Aは、上述した制御信号生成手段64A、記憶手段66A、スイッチング作動信号生成手段70A及びスイッチング遮断信号生成手段71Aに加えて、タイマ74を含んでいる。タイマ74は、負荷電力検知手段58の検知負荷電力が所定値、即ち、第1設定負荷電力(例えば、100W)よりも低下した後において、負荷電力検知手段58の検知負荷電力が上昇して第2設定負荷電力(例えば、180W)を超えると計時を開始する。
スイッチング作動信号生成手段70Aは、負荷電力検知手段58の検知負荷電力が第1設定負荷電力よりも低下すると、スイッチング作動信号を生成する。スイッチング遮断信号生成手段71Aは、タイマ74により計時された時間が設定時間(例えば、30秒)を超えると、スイッチング遮断信号を生成する。記憶手段66Aには、上述した設定時間データ、下限設定値データ、第1設定負荷電力データ及び第2設定負荷電力データがそれぞれ記憶されている。なお、この固体酸化物型燃料電池システム2Aの他の構成は、上記第1の実施形態とほぼ同様である。
次に、図6をも参照して、この固体酸化物型燃料電池システム2Aの制御の流れを説明すると、次の通りである。上述した第1の実施形態と同様に、ステップS31〜ステップS39が行われ、ステップS40において、負荷電力検知手段58の検知負荷電力が第1設定負荷電力より低下しないときには、ステップS40からステップS41に進み、制御信号生成手段64Aは電力低下信号を生成し、制御手段62はこの電力低下信号に基づき燃料供給バルブ18の開度を出力低下方向に調節し(ステップS42)、これにより固体酸化物型燃料電池の発電電力が電力負荷(図示せず)の負荷電力よりも上記所定値(例えば、約30W程度)低くなるように低下され(ステップS43)、その後に再びステップS35に戻る。
ステップS40において、負荷電力検知手段58の検知負荷電力が第1設定負荷電力よりも低下したときには、ステップS40からステップS44に進み、上述したのと同様にステップS44〜ステップS46が行われ、固体酸化物型燃料電池の発電電力は下限設定値まで低下され、固体酸化物型燃料電池は最小出力状態に保持される。スイッチング作動信号生成手段70Aはスイッチング作動信号を生成し(ステップS47)、スイッチング手段60はこのスイッチング作動信号に基づき遮断状態から導通状態に保持される(ステップS48)。このとき、固体酸化物型燃料電池の発電電力が負荷電力を超えるようになるが、スイッチング手段60が導通状態に保持されるので、インバータ(図示せず)から電力負荷に供給される交流電力の一部(即ち、固体酸化物型燃料電池の最小出力状態における余剰電力)がスイッチング手段60を介して点火用ヒータ(図示せず)に供給され、この点火用ヒータにおいて消費される。これによって、点火用ヒータからの熱によって固体酸化物型燃料電池の温度低下を抑制することができ、また、この余剰電力が商用電源(図示せず)に逆潮流するのが防止される。
負荷電力検知手段58の検知負荷電力が上昇すると、ステップS49からステップS50に進み、制御信号生成手段64Aは電力上昇信号を生成し、制御手段62Aはこの電力上昇信号に基づき燃料供給バルブ18の開度を出力上昇方向に調節し(ステップS51)、これにより固体酸化物型燃料電池の発電電力が上昇される(ステップS52)。上述したように固体酸化物型燃料電池の温度低下が抑制されるので、発電電力の上昇速度の低下を抑制することができ、それ故に、発電電力の制御遅れを小さくすることができる。
負荷電力検知手段58の検知負荷電力が第2設定負荷電力よりも上昇すると、ステップS53からステップS54に進み、タイマ74による計時が開始される。タイマ74により計時された時間が設定時間を超えると、ステップS55からステップS56に進み、スイッチング遮断信号生成手段71Aはスイッチング遮断信号を生成し、スイッチング手段60は、このスイッチング遮断信号に基づき導通状態から遮断状態に保持され(ステップS57)、再びステップS35に戻る。
[第3の実施形態]
次に、図7を参照して、本発明の第3の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムについて説明する。図7は、本発明の第3の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムを簡略的に示すブロック図である。
この第3の実施形態による固体酸化物型燃料電池システム2Bでは、インバータ6Bのインバータ回路(図示せず)には、インバータ6Bから電力負荷8に供給される交流電力の一部を消費するための電力消費抵抗72(電力消費手段を構成する)が設けられている。スイッチング手段60Bは、インバータ6Bの交流側と電力消費抵抗72との間に配設されており、スイッチング手段60Bが導通状態に保持されると、インバータ6Bからの交流電力の一部がスイッチング手段60Bを介して電力消費抵抗72に供給され、またスイッチング手段60Bが遮断状態に保持されると、インバータ6Bから電力消費抵抗72への交流電力の供給が遮断される。
この他の実施形態による固体酸化物型燃料電池システム2Bにおいても、上述した実施形態と同様に、負荷電力が急激に低下した(例えば、低下電力割合が100W/分である)ときには、固体酸化物型燃料電池4の発電電力が設定時間(例えば、1秒程度)の間一定に保持され、また制御手段62Bによりスイッチング手段60Bが導通状態に保持される。これにより、固体酸化物型燃料電池4にて発生した余剰電力は、スイッチング手段60Bを介して電力消費抵抗72に供給され、この電力消費抵抗72により消費される。したがって、インバータ6Bの内部に設けられた電力消費抵抗72を用いて、固体酸化物型燃料電池4にて発生する余剰電力を消費させることができ、上述した実施形態と同様の作用効果が達成される。
以上、本発明に従う固体酸化物型燃料電池システムの各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
例えば、インバータ6(6B)の交流側と商用電源10との間に、商用電源10への逆潮流を監視するための逆潮流監視センサ(図示せず)を更に設けるようにしてもよい。この逆潮流監視センサが逆潮流を検知すると(すなわち、発電電力が負荷電力を超えると)、制御手段62(62A)(62B)は、固体酸化物型燃料電池4の発電電力を電力負荷8の負荷電力よりも低下させ、これにより商用電源10への逆潮流を防止することができる。
また例えば、上記第1及び第3実施形態では、記憶手段66(66B)に記憶された設定時間を1秒程度に設定し、また設定電力割合を100W/分に設定したが、これらは固体酸化物型燃料電池システム2の用途等に応じて適宜設定することができる。
また例えば、上記第2実施形態では、下限設定値及び第1設定負荷電力をともに100Wに設定したが、下限設定値を第1設定負荷電力よりも大きく設定してもよい。
[実施例及び比較例]
(実施例1及び比較例1)
本発明の効果を確認するために、次の通りの実験を行った。実施例1として図1〜図4に示す固体酸化物型燃料電池システムを用い、ある1日の15時〜16時の1時間に渡って稼働させた。この実施例1では、設定電力割合として100W/分を設定し、また設定時間として1秒を設定し、負荷電力が100W/分以上の電力割合で低下したときに、1秒間の間に渡って固体酸化物型燃料電池の発電電力を維持し、余剰電力を点火用ヒータで消費するようにした。
この実施例1における固体酸化物型燃料電池システムの実験結果は、図8及び図9に示す通りであった。図8は、実施例1の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図であり、図9は、実施例1の固体酸化物型燃料電池システムにおける商用電源からの購入電力の変化を示す図である。図8において、上側の波形Aが電力負荷の負荷電力を示す波形であり、下側の波形Bが固体酸化物型燃料電池の発電電力を示す波形である。
実施例1の固体酸化物型燃料電池システムでは、図8に示されるように、負荷電力が設定電力割合(100W/分)以上の電力割合で低下したときには、固体酸化物型燃料電池の発電電力は設定時間(1秒)の間一定に保持されるので、発電電力が負荷電力に再び追従する際の制御遅れが小さくなった。このように発電電力の制御遅れが小さいと、負荷電力に対する発電電力の不足分が低減して商用電源からの購入電力を少なく抑えることができ、図9に示されるように、電力負荷の負荷電力が急激に低下した際の商用電源からの購入電力のピークは約70〜90Wであった。
比較のために、負荷電力が急激に低下したときに、この負荷変動に応じて固体酸化物型燃料電池の発電電力を追従させた固体酸化物型燃料電池システムを用い、上記実施例1と同じ電力負荷状態でもって変動するある一日の15時〜16時の1時間に渡って稼働させた。
この比較例1における固体酸化物型燃料電池システムの実験結果は、図10及び図11に示す通りであった。図10は、比較例1の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図であり、図11は、比較例1の固体酸化物型燃料電池システムにおける商用電源からの購入電力の変化を示す図である。図10において、上側の波形aが電力負荷の負荷電力を示す波形であり、下側の波形bが固体酸化物型燃料電池システムの発電電力を示す波形である。
この比較例1の固体酸化物型燃料電池システムでは、電力負荷の負荷電力が低下すると、固体酸化物型燃料電池の発電電力は負荷電力の低下電力割合よりも大きい低下電力割合で低下し、また電力負荷の負荷電力が上昇すると、固体酸化物型燃料電池の発電電力は約500〜700W/分の上昇電力割合で上昇する。一般に、電力負荷の負荷電力は、使用する電気機器の特性によって、周期的に(例えば、約1〜2分毎に)約1秒間300W程度低下することがあり、このように負荷電力が急激に低下した後にすぐに上昇する場合には、図10に示されるように、固体酸化物型燃料電池の発電電力は急激に低下した後に、電力負荷の負荷電力の上昇電力割合よりも小さい上昇電力割合で上昇され、発電電力が負荷電力に再び追従する際の制御遅れが大きかった。このように発電電力の制御遅れが大きくなると、負荷電力に対する発電電力の不足分が増大し、この発電電力の不足分を補うべく商用電源からの購入電力量が増大する。図11に示されるように、比較例1では、電力負荷の負荷電力が急激に低下した際の商用電源からの購入電力のピークは約400〜500Wまで上昇した。
上述した実験結果をまとめると、実施例1では、1時間における電力負荷の負荷電力量596.1Whのうち566.0Wh(負荷電力量の95.0%に相当する)が固体酸化物型燃料電池の発電電力によって賄われたのに対し、比較例1では、1時間における電力負荷の負荷電力量596.1Whのうち499.0Wh(負荷電力量の83.7%に相当する)が固体酸化物型燃料電池の発電電力によって賄われた。このことから、本発明の固体酸化物型燃料電池システムでは、負荷電力が短時間に一時的に急激に低下したときには、固体酸化物型燃料電池の発電電力を負荷電力に追従させることなく一定に保持させるので、固体酸化物型燃料電池の発電電力を電力負荷の負荷電力に再び追従させる際の制御遅れを小さくすることができ、これにより、商用電源からの購入電力の増大を抑制して省エネルギー化を実現することができることが確認できた。
(実施例2並びに比較例2及び3)
また、実施例2として図5及び図6に示す固体酸化物型燃料電池システムを用い、ある1日の夜間において3.5時間に渡って稼働させた。この実施例2では、下限設定値として100Wを設定し、第1設定負荷電力として100Wを設定し、第2設定負荷電力として180Wを設定し、また設定時間として30秒を設定し、負荷電力が第1設定負荷電力よりも低下したときに、固体酸化物型燃料電池の発電電力を下限設定値に保持し、固体酸化物型燃料電池の最小出力状態における余剰電力を点火用ヒータで消費するようにした。また、固体酸化物型燃料電池の表面に取り付けた熱電対によって、固体酸化物型燃料電池の温度を測定した。
この実施例2における固体酸化物型燃料電池システムの実験結果は、図12に示す通りであった。図12は、実施例2の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図である。図12において、太線で示す波形Cが電力負荷の負荷電力を示す波形であり、細線で示す波形Dが固体酸化物型燃料電池の発電電力を示す波形である。
実施例2の固体酸化物型燃料電池システムでは、図12に示されるように、負荷電力が500Wから50Wまで低下した後に、50Wでほぼ一定に保持された状態で約2時間が経過し、その後再び500Wまで上昇する電力負荷を使用した。負荷電力が500Wであるときの固体酸化物型燃料電池の温度は720℃であった。負荷電力が第1設定負荷電力(100W)よりも低下すると、固体酸化物型燃料電池の発電電力は負荷電力に追従して下限設定値(100W)まで低下され、下限設定値でほぼ一定に保持される。負荷電力が50Wまで低下した際の固体酸化物型燃料電池の温度は680℃であり、このように固体酸化物型燃料電池の温度変化が小さいと、負荷電力が50Wから500Wに上昇して発電電力が負荷電力に再び追従する際における発電電力の上昇速度の低下が抑制され、発電電力の制御遅れが小さくなった。
比較例2として、負荷電力が第1設定負荷電力よりも低下したときに、固体酸化物型燃料電池の最小出力状態における余剰電力を電力消費手段により消費させないようにした固体酸化物型燃料電池システムを用い、上記実施例2と同じ電力負荷状態でもって変動するある1日の夜間において3.5時間に渡って稼働させた。
この比較例2における固体酸化物型燃料電池システムの実験結果は、図13に示す通りであった。図13は、比較例2の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図である。図13において、太線で示す波形c1が電力負荷の負荷電力を示す波形であり、細線で示す波形d1が固体酸化物型燃料電池システムの発電電力を示す波形である。
この比較例2の固体酸化物型燃料電池システムでは、負荷電力が500Wであるときの固体酸化物型燃料電池の温度は720℃であり、電力負荷の負荷電力が50Wまで低下した際の固体酸化物型燃料電池の温度は610℃であった。このように固体酸化物型燃料電池の温度変化が大きいと、負荷電力が50Wから500Wに上昇して発電電力が負荷電力に再び追従する際における発電電力の上昇速度が低下され、発電電力の制御遅れが大きくなった。
更に比較例3として、負荷電力が第1設定負荷電力よりも低下したときに、固体酸化物型燃料電池の最小出力状態における余剰電力を外部の抵抗素子により消費させるようにした固体酸化物型燃料電池システムを用い、上記実施例2と同じ電力負荷状態でもって変動するある1日の夜間において3.5時間に渡って稼働させた。
この比較例3における固体酸化物型燃料電池システムの実験結果は、図14に示す通りであった。図14は、比較例3の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図である。図14において、太線で示す波形c2が電力負荷の負荷電力を示す波形であり、細線で示す波形d2が固体酸化物型燃料電池システムの発電電力を示す波形である。
この比較例3の固体酸化物型燃料電池システムでは、負荷電力が500Wであるときの固体酸化物型燃料電池の温度は720℃であり、電力負荷の負荷電力が50Wまで低下した際の固体酸化物型燃料電池の温度は620℃であった。比較例2と同様に、固体酸化物型燃料電池の温度変化が大きくなり、50Wから500Wに負荷電力が上昇して発電電力が負荷電力に再び追従する際における発電電力の上昇速度が低下され、発電電力の制御遅れが大きくなった。
上述した実験結果をまとめると、実施例2では、負荷電力が500Wから50Wに低下した際の固体酸化物型燃料電池の温度変化は40℃であったのに対し、比較例2では、負荷電力が500Wから50Wに低下した際の固体酸化物型燃料電池の温度変化は110℃であり、また比較例3では、負荷電力が500Wから50Wに低下した際の固体酸化物型燃料電池の温度変化は100℃であった。このことから、本発明の固体酸化物型燃料電池システムでは、負荷電力が第1設定負荷電力よりも低下したときには、固体酸化物型燃料電池の最小出力状態における余剰電力を点火用ヒータで消費させるので、この点火用ヒータからの熱によって固体酸化物型燃料電池の温度低下を抑制することができ、それ故に、負荷電力が上昇して発電電力が負荷電力に再び追従する際における発電電力の上昇速度の低下を抑制することができ、発電電力の制御遅れを小さくすることが確認できた。また、このように発電電力の制御遅れを小さくできることにより、固体酸化物型燃料電池に送給される改質燃料ガスの消費量に対する、発電電力によって賄われる負荷電力量の比率を高めることができ、発電効率が高められることが確認できた。
本発明の第1の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムを簡略的に示すブロック図である。 図1の固体酸化物型燃料電池を簡略的に示すブロック図である。 図1の固体酸化物型燃料電池システムの制御系を簡略的に示すブロック図である。 図1の固体酸化物型燃料電池システムの制御の流れを簡略的に示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムの制御系を簡略的に示すブロック図である。 図5の固体酸化物型燃料電池システムの制御の流れを簡略的に示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態による固体酸化物型燃料電池システムを簡略的に示すブロック図である。 実施例1の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図である。 実施例1の固体酸化物型燃料電池システムにおける商用電源からの購入電力の変化を示す図である。 比較例1の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図である。 比較例1の固体酸化物型燃料電池システムにおける商用電源からの購入電力の変化を示す図である。 実施例2の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図である。 比較例2の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図である。 比較例3の固体酸化物型燃料電池システムにおける電力負荷の負荷電力と固体酸化物型燃料電池の発電電力との関係を示す波形図である。 従来の固体酸化物型燃料電池システムを簡略的に示すブロック図である。
符号の説明
2,2A,2B,100 固体酸化物型燃料電池システム
4,102 固体酸化物型燃料電池
6,6B,104 インバータ
8,118 電力負荷
10,116 商用電源
34 点火用ヒータ
58 負荷電力検知手段
60,60B スイッチング手段
62,62A,62B,106 制御手段
72 電力消費抵抗

Claims (3)

  1. 固体酸化物型燃料電池と、前記固体酸化物型燃料電池からの発電電力を所定の交流電力に変換するためのインバータと、を備え、前記インバータからの交流電力は商用電源と系統連系され、前記インバータ及び前記商用電源からの交流電力が電力負荷に供給される固体酸化物型燃料電池システムであって、
    前記電力負荷の負荷電力を検出するための負荷電力検知手段と、前記固体酸化物型燃料電池から前記電力負荷に供給される電力の一部を消費するための電力消費手段と、前記電力消費手段を導通制御するためのスイッチング手段と、前記固体酸化物型燃料電池及び前記スイッチング手段をそれぞれ制御するための制御手段と、が設けられており、前記制御手段は、前記固体酸化物型燃料電池の発電電力が前記電力負荷の負荷電力に追従するように前記固体酸化物型燃料電池を制御し、
    前記負荷電力検知手段の検知負荷電力が100W/分以上の割合で低下すると、この検知負荷電力が低下してから設定時間の間、前記制御手段は、発電電力が一定に保持されるように前記固体酸化物型燃料電池を制御するとともに、前記スイッチング手段を導通状態に保持し、前記固体酸化物型燃料電池から前記電力負荷に供給される電力の一部が前記電力消費手段により消費されることを特徴とする固体酸化物型燃料電池システム。
  2. 前記電力消費手段は、起動時に温度を上昇させるために前記固体酸化物型燃料電池に供給される燃料ガスを点火させるための点火用ヒータから構成されていることを特徴とする請求項に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
  3. 前記電力消費手段は、前記インバータに設けられた電力消費抵抗から構成されていることを特徴とする請求項に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
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