JP5069078B2 - X線スペクトルを用いる分析方法 - Google Patents

X線スペクトルを用いる分析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5069078B2
JP5069078B2 JP2007268963A JP2007268963A JP5069078B2 JP 5069078 B2 JP5069078 B2 JP 5069078B2 JP 2007268963 A JP2007268963 A JP 2007268963A JP 2007268963 A JP2007268963 A JP 2007268963A JP 5069078 B2 JP5069078 B2 JP 5069078B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
count
time
value
spectral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007268963A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009097957A (ja
Inventor
辺 一 保 河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2007268963A priority Critical patent/JP5069078B2/ja
Priority to US12/249,209 priority patent/US7742565B2/en
Publication of JP2009097957A publication Critical patent/JP2009097957A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5069078B2 publication Critical patent/JP5069078B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/22Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material
    • G01N23/225Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material using electron or ion
    • G01N23/2251Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material using electron or ion using incident electron beams, e.g. scanning electron microscopy [SEM]
    • G01N23/2252Measuring emitted X-rays, e.g. electron probe microanalysis [EPMA]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/22Treatment of data
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/25Tubes for localised analysis using electron or ion beams
    • H01J2237/2505Tubes for localised analysis using electron or ion beams characterised by their application
    • H01J2237/2555Microprobes, i.e. particle-induced X-ray spectrometry
    • H01J2237/2561Microprobes, i.e. particle-induced X-ray spectrometry electron

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、波長分散型X線分光器を用いたX線分析方法に関わり、特にX線スペクトルの測定方法と表示方法に関する。
電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)や蛍光X線分析装置(XRF)は、波長分散型X線分光器(WDS)によりX線スペクトルを測定し、定性分析や定量分析等を行っている。図4は、EPMAに搭載されるWDSの原理を説明するための図である。このX線分光器は、湾曲型X線分光結晶の中心CがX線発生点Sから取出し角αだけ傾斜した直線上を移動し、このときS,C及びX線検出器のスリット中心Dは常に一定半径Rのローランド円上にある。また、距離SCと距離CDが等しく保たれ、結晶格子面が曲率半径2Rに湾曲された分光結晶Cは常にローランド円の中心Oに向くようになっている。
距離SCを分光位置Lといい、分光結晶への入射X線の入射角をθとすると、図4から明らかな通り式(1)の関係がある。
L=2R×sinθ …(1)
一方、分光結晶の回折条件はX線の波長をλ、分光結晶の格子面間隔をdとすると式(2)となる。
2d×sinθ=n×λ …(2)
但し、nは正の整数で回折次数である。
従って、式(1)と式(2)より、式(3)が導かれる。
L=(2R/2d)×n×λ …(3)
式(3)から、X線の波長λと分光位置Lの関係がわかる。
分光位置LをスキャンしながらX線検出器で計数されるX線を測定することにより、横軸を波長λ(または、それに相当するエネルギー値、分光位置L、sinθ値または2θ値などのうちのどれか1つ)で縦軸をX線強度で表したX線スペクトルが得られる。
物質を構成する元素から発生する特性X線は、それぞれの元素に固有の波長を持っているため、特性X線の波長λを知ることにより、分析試料に含まれる元素の種類が分かり(定性分析)、その特性X線の強度を知ることにより含まれる元素の濃度が分かる(定量分析)。例えば、特許文献1の特開2002−181745号公報の従来技術には、WDSにより収集したX線スペクトルから同定された元素の特性X線ピークを用いて、予め求められている標準試料のX線強度との比較により、簡易的な定量分析を行なう技術が記述されている。
ところで、X線の計数はランダム過程を含み、計数値の平均がNカウントの時、分散がNカウントの統計変動を持つ。このため、1点当たりの計数時間を一定値にして取得する従来のX線スペクトルにおいては、ピークトップ近傍の計数値のばらつきが最も大きく、1点当たりの一定計数時間が短時間の測定では正確な波形が得られなかった。図5は、ある高さのピークの頂上近傍における形状が、X線計数値のばらつきの有無によって変わる様子をシミュレーションした例である。先ず、ばらつきの無いピークが得られたと仮定し、各分光位置におけるX線計数値がランダム過程によりばらついた場合のX線計数値を求めて比較している。
X線計数値のばらつきできるだけ少なくして正確なX線スペクトル波形を得るために、従来は1点当たりの一定計数時間を大きくしてX線スペクトル全体を長時間かけて測定したり、X線スペクトルの全体は短時間で測定した後でピーク近傍だけを長時間かけて再測定したりしていた。
しかし実用的にはできるだけ少ない時間で分析を行いたいという要求との矛盾を生じる。そのため、特許文献2の特開昭51−25184号公報には、特性X線のピークが存在するか否かを検出し、存在するピーク付近のみで分光器走査速度を遅くする技術が開示されている。また、特許文献3の特開平1−312449号公報には、予め分析試料に含まれる可能性のある元素の特性X線ピークが表れる波長範囲を設定し、その範囲のみを時間をかけて測定する技術が開示されている。
特開2002−181745号公報 特開昭51−25184号公報 特開平1−312449号公報
特許文献2の特開昭51−25184号公報においては、ピーク付近で分光器走査速度を遅くするのに伴って、X線スペクトルを記録するためのチャート送りを同期させて遅くしている。しかし近年のEPMAやXRFにおけるX線スペクトル測定は高度なデジタル制御システムによりおこなわれるため、チャートを使用することは無い。さらに、X線強度が予め設定したバックグランドレベルを超えたら遅い速度に切り換えるようにしているのみで、ピークの高さが様々に変化しても同じ速度に遅くするだけである。特性X線のピークの高さは数桁程度異なるため、それぞれのピークの高さに応じた走査速度を設定することができない。
特許文献3の特開平1−312449号公報においては、コンピュータ制御によりX線スペクトルをデジタルデータとして取り込むようにしているが、出現が予想される特性X線ピーク付近の波長範囲を一定の条件で測定するのみであり、それぞれのピークの高さに応じた測定条件を設定できるわけではない。
本発明は上記の問題を解決するためになされてものであって、バックグランドレベルからピークを越えてまたバックグランドレベルまで至るX線スペクトル波形の全体の形状を、必要最小時間の1回の測定で正確に測定し、表示するための方法を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するために、請求項1の記載の発明は、
分析試料に荷電粒子線若しくはX線を照射し、発生するX線の分光と検出を波長分散形X線分光器によって行い、該波長分散形X線分光器により得られたX線スペクトルを用いるX線分析方法であって、
X線波長軸若しくは前記X線波長軸に対応した表示単位で表される軸上の分光位置について、必ずX線の計測を行なう基準計数時間を予め定めておき、該基準計数時間と該基準計数時間の間に計数された計数値とから該分光位置における計数率を求め、該計数率と該基準計数時間と予め指定した許容値とに基づいて、該分光位置において該基準計数時間を超えて計数を続行する場合にはその計数時間を決めることにより、一定計数時間当たりでX線強度軸に表示されるX線計数値の統計変動に起因するばらつきの大きさが、前記分光位置のいずれにおいても前記許容値又は前記許容値以下となるように、前記分光位置において計数を行なう時間を可変しながらX線を計数し、実測により得られた計数値を一定計数時間当たりの計数値に換算した値を分析に用いるようにしたことを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、
前記一定計数時間当たりの計数値に換算した値を、前記X線スペクトルの表示に用いるようにしたことを特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、
前記一定計数時間当たりの計数値に換算した値を、前記分析試料に含まれる元素の特性X線ピークの計数値として用いることにより、前記分析試料の簡易定量分析を行なうようにしたことを特徴とする。
また請求項に記載の発明は、
前記基準計数時間を一定計数時間として用いるようにしたことを特徴とする。
また請求項に記載の発明は、
前記X線波長軸若しくは前記X線波長軸に対応した表示単位は、波長、エネルギー、X線発生点から分光結晶中心までの距離を表す分光位置、分光結晶による分光角度をθとした時の2θ値又はθ値又はSinθ値のうちの少なくともひとつであることを特徴とする。
本発明によれば、測定前に、取得したい波形の正確さに応じて許容されるばらつき値を決めて、X線スペクトルを取得することにより、必要最小時間の1回の測定で目的の正確さをもったX線スペクトル波形を得ることが出来るようになった。さらに、このようにして得られたX線スペクトルから、ピーク強度の高い特性X線を発生する含有濃度の高い元素のスタンダードレス定量値を精度良く求めることが可能となった。
以下図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。但し、この例示によって本発明の技術範囲が制限されるものでは無い。各図において、同一または類似の動作を行なうものには共通の符号を付し、詳しい説明の重複を避ける。
図2は、EPMAを例にとり本発明を実施する概略構成例を示した図である。図2において、EPMA本体100の中は真空排気系(図示せず)により10−3Pa程度の高真空に保たれている。電子銃1から放出された電子線EBは電子光学系4により細く絞られて試料2に照射される。電子光学系4は集束レンズ、対物レンズ、走査コイルなどから構成されており、電子光学系制御部9を介して制御演算装置12により制御される。
電子線照射により試料2から発生した特性X線3は、WDS20の分光結晶5により分光され、検出器6により検出される。WDS20は分光結晶5、検出器6、WDS駆動系7を含む構成で、WDS測定制御部8を介して制御演算装置12により制御と信号取り込みが行われる。WDSを複数基装着するためには、WDS20と同じ構成が複数組必要である。
試料ステージ11に載置された試料2上の電子線EBの照射位置(即ち分析点)は、試料ステージ駆動機構11を介して制御演算装置12によりX、Y(水平方向)とZ(高さ方向)に移動可能である。制御演算装置12にはキーボード・マウス等の入力装置13、液晶モニタ等の表示装置14が接続されている。
なお、実際の装置では、二次電子・反射電子信号検出器、電源、DA・AD変換器等が構成されているが本発明を理解する上で直接関係しないので図示及び説明を省略している。
次に、本発明の基本的考え方を、図1に基づいて説明する。
なお本発明の説明において、X線スペクトルを各分光位置における一定計数時間to当たりの計数値として表示する場合、このtoを基準計数時間と称す。また、‘X’(任意のパラメータ)の平方根をSqrt(‘X’)で表記する。
図1のAは、ある分光位置においてto時間計数したときの統計変動を含まないX線計数値(若しくは無限に測定を繰り返した計数値の平均値)が、Nカウントであると仮定している。NカウントのX線計数値が持つばらつきを標準偏差Eoであらわす(この標準偏差Eoを統計変動という)と、Eo=Sqrt(N)である。もし、測定するX線スペクトルのどの分光位置においても、このばらつきが一定の大きさEr(表示許容誤差)より小さくしたい場合、Nカウントで表示される分光位置においてもErの大きさのばらつき以下になっていなければならない。
そこで、Eo>Erの場合、図1のCに示すようにX線の計数時間をtoよりも長いtm時間計数して総計数値をNmカウントに増やすようにする。総計数値がNmに増えると、そのばらつき(標準偏差)Emも増加するが、実際にスペクトル表示に使われるX線計数値Ndはto時間の計数値に規格化されるので、表示されるX線計数値のばらつきEdも規格化されて小さくなる。
すなわち、表示するX線スペクトルのどんなX線計数値でも、表示するX線強度のばらつき(表示許容誤差)Erが一定値または一定値以下となるように、各分光位置のX線強度に応じて計数時間を可変しながらX線を計数し、その計数値を一定計数時間当たりの計数値に換算した計数値を分析に用いればよいことになる。以上が本発明の原理である。
次に、X線スペクトルのX線強度表示値のばらつきを表示許容誤差Er以下にするX線スペクトルの測定と表示の方法について、さらに詳しく説明する。
表示許容偏差Erの値は、その波形測定前に、取得したい波形の正確さに応じて決めておく。各分光位置でのX線強度の計数率I(cps)に見合った計数時間tmだけ計数した計数値Nm(=I*tm ) を得る。X線スペクトル波形表示する時のX線強度Ndは、基準計数時間toの計数値に換算した値とする。この時、Ndの統計変動によるばらつきが表示許容誤差Erとなるようにするのである。すなわち、計数値Nmの統計変動Sqrt(Nm )のto/tm倍がErに等しくなるような計数時間tmだけ計数し、tm時間の計数値Nmを得て、換算強度Ndを下式(4)により求めて表示する。
Nd=Nm ×(to/tm) …(4)
但し、tmがtoより小さいか同一の場合はto時間で計数を終了し、to時間の計数値をそのままその分光位置の計数値として表示する。この場合は統計変動によるばらつきは表示許容誤差Er以下となる。
Ndの統計変動によるばらつきを表示許容誤差Erとするのであるから、Erは下式(5)で与えられる。
(Sqrt(I×tm))×(to/tm)=Er …(5)
従ってX線強度の計数率がI(cps)の分光位置での計数時間tmは、下式(6)で示される。
tm=I×(to/Er) 2 …(6)
なお、各X線強度の計数率I(cps)は、まず基準計数時間toだけ計数した計数値Nから、下式(7)で求める。
I=N/to …(7)
tmは式(6)により計算できる。
tmがtoより小さいか同一の場合はtoで計数を終了し、その計数値をそのままその分光位置の計数値として表示する。tmがtoより大きい場合は、toからさらに計数を続けて計数時間がtmになるまで計数し、tm時間の計数値Nmを基準計数時間toの計数値に換算した値 Ndをその分光位置の計数値として表示する。
上記した方法により、表示されたX線スペクトル波形は、1点当たりの計数時間がtoの計数値となり、どの分光位置においてもX線強度の統計変動(ばらつき)が表示許容誤差Erまたはそれ以下になっている。
図3のフローチャートを参照しながら、本発明の実施の手順例を説明する。なお、適宜図6及び図2も説明に使用する。図3のフローチャートはEPMAに搭載されているWDSを用いてX線スペクトルを取得する時の手順例を示している。図6は、基準計数時間toを0.5秒、表示許容誤差Erを20カウントとしたときの表示されるピークの計数値と実際に測定されるピークの計数値との関係を説明するための模式図である。横軸はi=1〜19の分光位置L(i)で、縦軸は測定又は表示されるピークのX線計数値を表す。
図3のステップS1において、操作者はX線スペクトルを測定するための分析条件(加速電圧、照射電流値、電子線径等)を指定し、電子光学系4は制御演算装置12により指定された条件に設定される。ステップS2において、操作者はX線スペクトルを測定するための試料上の分析位置を指定し、試料ステージ駆動機構11は電子線照射位置に分析位置が一致するように制御演算装置12により駆動される。
ステップS3において、操作者はX線スペクトルの測定に用いる分光器及び分光結晶等の測定条件を指定する。ステップS4において、操作者は基準計数時間to、表示許容誤差Er及び測定開始と終了の分光位置等のX線スペクトル測定条件を指定する。ステップS5において、制御演算装置12は、X線分光器をステップS3とステップS4において指定された測定条件に設定し、測定を開始する分光位置に設定する。
ステップS6において、最初の分光位置L(1)で先ずto時間計数し、分光位置L(1)における計数値N(1)を得る。なお、ステップS6以降のステップにおける動作は全て制御演算装置12により自動的に制御される。ステップS7において、toとN(1)とから計数率I(1)を式(7)により求める。ステップS8において、to、Er及びI(1)とから時間tm(1)を式(6)により求める。
ステップS9において、toとtm(1)の大小を比較し、tm(1)>toであればtm(1)時間になるまで計数を続行しNm(1)を得る。続いて、ステップS11において、to、tm(1)およびNm(1)とを用いて、表示する計数値Nd(1)を式(4)により求め、分光位置L(1)における計数値として表示し、ステップS13に進む。
ステップS9において、tm(1)≦toであれば、to時間で計数を終了し、to時間の計数で得られたN(1)をそのまま分光位置L(1)における計数値として表示し、ステップS13に進む。
ステップS13において、分光位置が測定終了位置にあるか否かを判断し、終了前であればステップ14に進む。ステップS14において、分光器は次の分光位置L(2)に移動し、ステップS6以下の手順を繰り返す。ステップS13において、分光位置が測定終了位置にあると判断されたらX線スペクトルの測定と表示は終了である。
表1は、図6における分光位置L(i)がi=6,10,13の時の測定及び計算で求められたパラメータの例を示している。
Figure 0005069078
基準計数時間to=0.5秒、表示許容誤差Er=20カウント
但し、表1における実計数時間、実計数値、実統計変動、表示計数値、表示誤差は、tm(i)とtoとの大小関係に基づいて表2に示すように異なる。
Figure 0005069078
なお、測定するX線スペクトルのピークの計数率Ip(cps)の概略値が予め推定できる場合は、表示許容誤差Erを次のように決めておくことができる。すなわち、ピーク付近の分光位置における基準計数時間toの計数値をNpとし、ピーク付近表示計数値の相対誤差の許容値Kpを決めるようにする。
このとき、表示許容誤差Erは下式(8)で与えられる。
Er=Np×Kp …(8)
このようにErを決めれば、式(6)を用いてtmを求めることができる。従って、既に説明した手順と同様にして、どの分光位置においてもX線強度の統計変動(ばらつき)が表示許容誤差Erまたはそれ以下になっているX線スペクトル波形を、必要最小時間の1回の測定で得ることができる。
なお、図6における縦軸(X線計数値)はリニアスケールとして表示すると、X線スペクトル波形が理解しやすいとともに、本発明の効果がより顕著である。
また、式(6)で計算したtmは、適当な桁(例えば0.01秒の桁)までの値で用いてよい。
また、上記の説明において、式(6)のtm時間の計算に用いるための各分光位置L(i)の計数率I(i)は、基準計数時間to間の計数値N(i)から、式(7)を用いて求めるとしたが、必ずしも基準計数時間to間の計数値N(i)から求める必要はなく、to以下の適切な時間の計数値から求めてもよい。
また、最終的なX線スペクトルの表示における縦軸(X線強度軸)は、基準計数時間toの計数値N(i)(tmがtoより小さいか同一の場合)またはto時間に換算した計数値Nd(i)(tmがtoより大きい場合)であったが、これらの計数値をI(i)=N(i)/to(tm≦toの場合)またはId(i)=Nd(i)/to(tm>toの場合)としてI(i)またはId(i)を求め、計数率に換算したI(i)またはId(i)で計数率表示してもよい。
また、図6における横軸(分光位置)は、従来のX線スペクトルの表示における横軸と同様に、波長λ、エネルギー、分光位置L、または分光角度をθとした時の2θ値やθ値やSinθ値としてもよい。
上記した本発明の実施の形態は、測定したX線スペクトルを表示する場合のばらつきが一定値以下になる例を述べたが、これに限られるわけではない。
例えば、背景技術において述べたように、WDSにより収集したX線スペクトルから同定された元素の主ピークを用いて、簡易的な定量分析を行なう場合に本発明を用いることができる。簡易的な定量分析を行なう場合、特性X線ピークの最も高い計数値をピーク高さ(実際は、バックグランド値を差し引いた計数値)を、予め求められている標準試料のX線強度で除した値を相対強度として求める。この相対強度に補正計算を施して重量濃度を求めるようにしている。すなわち、特性X線ピークの最も高い計数値の統計変動が、特に含有濃度が比較的高い元素の簡易定量値の精度に直接影響することになる。
図5に示されるように、ピーク付近の計数値のばらつきを小さくするために、各分光位置における計数時間を長くしたのでは、X線スペクトルを収集する全体の時間が膨大になってしまう。しかし、本発明を用いれば、特に高い計数値を持つピーク付近の計数時間を長くするだけで、ばらつきの少ない簡易定量値を得ることが可能となる。そのため、単にスペクトルの表示に留まらず分析精度の向上に大きな効果を奏することができる。
本発明の基本的な考え方を説明するための図。 本発明を実施するEPMAの概略構成例を示す図。 本発明を実施する手順例を示すフローチャートの例。 EPMAに搭載されるWDSの原理を説明するための図。 ばらつきの有無によるピーク形状の違いを説明するための図。 表示ピーク強度と測定ピーク強度の関係を説明するための図。
符号の説明
(同一または類似の動作を行なうものには共通の符号を付す。)
C 分光結晶中心 D 検出器スリット中心
O ローランド円中心 S X線発生点
EB 電子線
1 電子銃 2 試料
3 特性X線 4 電子光学系
5 分光結晶 6 検出器
7 WDS駆動系 8 WDS測定制御部
9 電子光学系制御部 10 試料ステージ
11 試料ステージ駆動機構 12 制御演算装置
13 入力装置 14 表示装置
20 WDS 100 EPMA本体

Claims (5)

  1. 分析試料に荷電粒子線若しくはX線を照射し、発生するX線の分光と検出を波長分散形X線分光器によって行い、該波長分散形X線分光器により得られたX線スペクトルを用いるX線分析方法であって、
    X線波長軸若しくは前記X線波長軸に対応した表示単位で表される軸上の分光位置について、必ずX線の計測を行なう基準計数時間を予め定めておき、該基準計数時間と該基準計数時間の間に計数された計数値とから該分光位置における計数率を求め、該計数率と該基準計数時間と予め指定した許容値とに基づいて、該分光位置において該基準計数時間を超えて計数を続行する場合にはその計数時間を決めることにより、一定計数時間当たりでX線強度軸に表示されるX線計数値の統計変動に起因するばらつきの大きさが、前記分光位置のいずれにおいても前記許容値又は前記許容値以下となるように、前記分光位置において計数を行なう時間を可変しながらX線を計数し、実測により得られた計数値を一定計数時間当たりの計数値に換算した値を分析に用いるようにしたことを特徴とするX線分析方法。
  2. 前記一定計数時間当たりの計数値に換算した値を、前記X線スペクトルの表示に用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のX線分析方法。
  3. 前記一定計数時間当たりの計数値に換算した値を、前記分析試料に含まれる元素の特性X線ピークの計数値として用いることにより、前記分析試料の簡易定量分析を行なうようにしたことを特徴とする請求項1に記載のX線分析方法。
  4. 前記基準計数時間を一定計数時間として用いるようにしたことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のX線分析方法。
  5. 前記X線波長軸若しくは前記X線波長軸に対応した表示単位は、波長、エネルギー、X線発生点から分光結晶中心までの距離を表す分光位置、分光結晶による分光角度をθとした時の2θ値又はθ値又はSinθ値のうちの少なくともひとつであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のX線分析方法。
JP2007268963A 2007-10-16 2007-10-16 X線スペクトルを用いる分析方法 Active JP5069078B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268963A JP5069078B2 (ja) 2007-10-16 2007-10-16 X線スペクトルを用いる分析方法
US12/249,209 US7742565B2 (en) 2007-10-16 2008-10-10 Method and apparatus for analysis using X-ray spectra

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268963A JP5069078B2 (ja) 2007-10-16 2007-10-16 X線スペクトルを用いる分析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009097957A JP2009097957A (ja) 2009-05-07
JP5069078B2 true JP5069078B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=40701102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007268963A Active JP5069078B2 (ja) 2007-10-16 2007-10-16 X線スペクトルを用いる分析方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7742565B2 (ja)
JP (1) JP5069078B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111273337A (zh) * 2020-02-27 2020-06-12 成都航空职业技术学院 一种基于蒙特卡罗脉冲插值方法的核能谱处理方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9791390B2 (en) * 2015-01-22 2017-10-17 EDAX, Incorporated Devices and systems for spatial averaging of electron backscatter diffraction patterns
JP6438865B2 (ja) * 2015-09-01 2018-12-19 株式会社堀場製作所 蛍光x線分析装置、蛍光x線分析方法及びコンピュータプログラム
JP6732347B1 (ja) * 2019-03-29 2020-07-29 株式会社リガク 蛍光x線分析装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5125184A (en) 1974-08-24 1976-03-01 Shimadzu Corp X senbunsekisochi
JPS6417369A (en) * 1987-07-10 1989-01-20 Jeol Ltd Spectrum display unit in x-ray microanalyzer and the like
JPH0827244B2 (ja) 1988-06-10 1996-03-21 株式会社島津製作所 分析データ処理装置
JPH0843329A (ja) * 1994-07-30 1996-02-16 Horiba Ltd 蛍光x線分析方法
US5912940A (en) * 1996-06-10 1999-06-15 O'hara; David Combination wavelength and energy dispersive x-ray spectrometer
JP3291251B2 (ja) * 1998-08-19 2002-06-10 理学電機工業株式会社 蛍光x線分析装置
JP2001099795A (ja) * 1999-09-30 2001-04-13 Shimadzu Corp 元素マッピング装置
JP3950626B2 (ja) * 2000-12-19 2007-08-01 日本電子株式会社 試料分析装置における定量分析方法
JP2003114204A (ja) * 2001-10-03 2003-04-18 Canon Inc 状態検出装置および状態検出方法、走査型分析装置および元素分析方法
US7065175B2 (en) * 2003-03-03 2006-06-20 Varian Medical Systems Technologies, Inc. X-ray diffraction-based scanning system
EP1757925B1 (en) * 2004-04-28 2014-05-07 Panasonic Corporation Fluorescent x-ray analysis method and fluorescent x-ray analysis device

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111273337A (zh) * 2020-02-27 2020-06-12 成都航空职业技术学院 一种基于蒙特卡罗脉冲插值方法的核能谱处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009097957A (ja) 2009-05-07
US7742565B2 (en) 2010-06-22
US20090310748A1 (en) 2009-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5320807B2 (ja) 波長分散型x線分光器
JP5269521B2 (ja) X線分析装置及びx線分析方法
JP6009975B2 (ja) 放射線検出装置および試料分析装置
JPWO2018101133A1 (ja) 蛍光x線分析装置
JP5069078B2 (ja) X線スペクトルを用いる分析方法
US10627354B2 (en) Substitution site measuring equipment and substitution site measuring method
JP2009250867A (ja) エネルギー分散型x線分光器を備えるx線分析装置
JP5425482B2 (ja) エネルギー分散型x線分光器による分析方法及びx線分析装置
JP4499125B2 (ja) 試料分析装置における定量分析方法
JP6009963B2 (ja) 試料分析方法および試料分析装置
JP2009047586A (ja) 化学結合状態分析を行うx線分析装置
EP3745122B1 (en) X-ray analyzer
US20190041343A1 (en) Image Processing Device, Analysis Device, and Image Processing Method
JP3610256B2 (ja) 蛍光x線分析装置
CN114641687B (zh) 荧光x射线分析装置
JP2014211367A (ja) 蛍光x線分析装置
JP7153324B2 (ja) 元素分析方法
JP3950626B2 (ja) 試料分析装置における定量分析方法
JP2006275901A (ja) 結晶評価装置および結晶評価方法
JP2001099795A (ja) 元素マッピング装置
JP2002062270A (ja) 電子線を用いた表面分析装置における面分析データ表示方法
JP5563899B2 (ja) オージェ像収集方法及び装置
JP2005233670A (ja) X線分析装置
JP4365687B2 (ja) 分析方法及び分析装置
JP2018091691A (ja) 蛍光x線分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120814

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120816

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5069078

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150