JP5068951B2 - モータ用ロータの製造方法および製造装置 - Google Patents

モータ用ロータの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明はモータ用ロータの製造方法および製造装置に関し、特に、ハルバッハ配列の磁石を有するアキシャルディスク型のモータ用ロータの製造方法および製造装置に関する。
従来、ハルバッハ配列の磁石が用いられたモータとして様々なタイプのものが知られている。例えば特許文献1にはリニアモータに適用されるものが提案されており、特許文献2には回転子に適用されるものが提案されている。従来、特許文献1に記載されるリニアモータ、あるいは特許文献2に記載される回転子が提案されている。特許文献1によるリニアモータでは、界磁極の磁石配列としてハルバッハ配列構造(Halbach Magnet Array)が採用されている。特許文献2による回転子ではハルバッハ配列構造を採用することを前提にしてその熱的減磁の低減や有効磁束の増加等の改善が行われている。
特開2003−209963号公報 特開2004−350427号公報
前述したハルバッハ配列構造は、磁極(N極、S極)の配置方向(以下「磁化方向」という)が第1の方向である主磁石と、磁化方向が上記第1の方向にほぼ直角な第2の方向である副磁石とによって構成される。さらに主磁石は第1主磁石および第2主磁石から成り、副磁石は第1副磁石および第2副磁石から成る。これらの磁石は永久磁石である。ハルバッハ配列構造によれば、第1主磁石、第1副磁石、第2主磁石、第2副磁石の配列順序を基本的配列構成として、繰り返して所要長さの分だけ、あるいは所要形状にて配置される。これにより、モータ用ロータにおける磁石組立体の全体の構成が形成される。上記の磁石組立体の配列状態において、交互に配列される第1主磁石と第2主磁石の磁化方向は上記第1の方向であって向きは逆になっており、同様に、交互に配列される第1副磁石と第2副磁石の磁化方向は上記第2の方向であって向きは逆になっている。
上記ハルバッハ配列構造に基づく磁石組立体を有するモータ用ロータによれば、磁石の配列構造によって磁束密度を高め、磁束を有効利用し、かつ磁路を形成するための継鉄を必要とせず(ヨークレス)、小型で高性能のロータを実現できる。
近年、磁石の性能が向上し、非常に磁力の強い磁石が普及してきている。しかしながら、磁化方向が異なる複数の磁石を密に配列するハルバッハ配列を採用した場合、隣接する磁石同士の反発力による離散を防止するために磁石周りに強固なカバーや大型のガイドが必要となる。またMRI等では、磁石の確実な固定を優先させる結果、磁石間を少しずつ離してガイドで保持する機構を採用している。一方、風力発電用やエレベータ駆動用、車両ホイール内に直接組み込まれるインホイール用などのモータは、狭いスペースに合わせて構造を作り込む必要があるが、大型のガイドやカバーはこれを阻害してしまい、磁石間を離して配列した場合には磁束密度が低減するので、モータ性能が低下する。より詳細には、磁石を離して配列した場合、磁石が形成する磁気回路内の磁気抵抗が増加して、巻線と鎖交してモータ出力に寄与する有効磁束が減少することとなるため、モータ性能が低下する。
特に、上記のごとくハルバッハ配列構造を有したアキシャルディスク型のロータは、相対的にフラットな円盤状のディスク体上に磁石を円盤形状またはリング板形状に並べなければならない。しかしながら、このロータの製造方法は、隣り合う磁石の磁化方向(磁化方向)が異なることから、その吸引力や反発力によってその組立が難しいとされている。特に近年は、強力な磁石が普及してきており、出力の大きいモータには、このような磁石が多数使用されるため、磁石組立体の製造時には磁石間の非常に強い吸引力や反発力が生じる。このため、磁石の位置決めや固定が困難になってきている。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、非常に強力な磁石を使った場合であっても、ハルバッハ配列構造の磁石組立体に関して隣り合う磁石を隙間なく密着させて並べることができ、密着させることにより磁石組立体の性能を向上させることができ、製造組立時の磁石飛散を防止することができ、薄型、軽量、コンパクトなモータ用ロータの製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明に係るモータ用ロータの製造方法および製造装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の製造方法は(請求項1に対応)は、磁化方向が第1の方向である第1タイプの第1磁石、第1の方向に直交する第2の方向である第2タイプの第2磁石からなるリング板形状の磁石組立体と、内周保持部およびリング状外周保持部とを有するモータ用ロータの製造方法であり、第1磁石と第2磁石のうち少なくとも一方は、扇形平面部を有しており、第1磁石と第2磁石は、それぞれの扇形平面部がほぼ同一の回転面となった磁石組立体を形成しており、1磁石を、内周保持部の周囲に配列する第1磁石配列工程と、第1磁石の配列状態を保持しつつ、磁化方向が第1の方向に直交する第2の方向である第2磁石を内周側に送りながら、第1磁石の間に配列する第2磁石配列工程と、磁石組立体の外周にリング状外周保持部を嵌合させる嵌合工程と、を有する方法である。
上記のモータ用ロータの製造方法によれば、ロータの全体形状が円盤状であり、磁石の一部または全部が扇型平面部を有し、外周側から内周側へ押し込みながら挿入・設置してリング板形状の磁石組立体を形成する。磁石組立体が、磁石間隙間がなく、薄型・軽量でコンパクトに作られ、容易に作ることが可能となる。
第2の製造方法(請求項2に対応)は、上記の製造方法において、好ましくは、第1磁石は、前記内周保持部の周囲に交互に配置され、互いの磁化方向が正反対の第1主磁石および第2主磁石であり、第2磁石は、第1主磁石および第2主磁石の間に交互に配列され、互いの磁化方向が正反対の第1副磁石および第2副磁石である、という方法である。
また、第3の製造方法(請求項3に対応)は、上記の製造方法において、好ましくは、
前記第1の方向はロータ回転軸方向であり、前記第2の方向は略ロータ回転方向であることを特徴とする。
第4の製造方法(請求項4に対応)は、上記の製造方法において、好ましくは、磁石組立体が組み付けられるロータディスクをターンテーブル上に固定し、ロータディスクの支持部に第2磁石と同一形状で磁力作用を持たないダミーの第2磁石を等間隔に並べ、ダミーの第2磁石の平面形状と略同一で、第1磁石が入るスペースを有する複数のスリットが形成されたスリットプレートを、ダミーの第2磁石の上に配置して第1磁石の位置決めを行う第1磁石設置工程と、を有することを特徴とする。
第5の製造方法(請求項5に対応)は、上記の製造方法において、好ましくは、ターンテーブル上に固定されたロータディスクに対し、スリットプレートが装着された状態で第1磁石のすべてが装着される第1磁石設置工程の後、ターンテーブルに向かって前進・後退可能な磁石挿入ヘッドを備えた第2磁石設置移動装置を用い、第1磁石の間のスペースに第2磁石を挿入して設置する第2磁石設置工程と、を有することを特徴とする。
第6の製造方法(請求項6に対応)は、上記の製造方法において、好ましくは、第2磁石設置工程は、磁石挿入ヘッドの先端に第2磁石を仮固定し、その後、磁石挿入ヘッドの先端に第2磁石の飛び出しを防ぐカバーを装着する第2磁石飛び出し防止工程、を含むことを特徴とする。
第7の製造方法(請求項4に対応)は、上記の製造方法において、好ましくは、ターンテーブル上に設置されたロータディスクに対し、スリットプレートが装着された状態で、すべての第1磁石と第2磁石が装着された第2磁石設置工程の後、ロータディスクの周縁部に、すべての第1磁石および第2磁石の外周端部を抑えるようにリング形状の磁石プレスホルダを取り付け固定する磁石プレスホルダ取り付け工程と、ターンテーブル上のロータ構造物に磁石プレスホルダを取り付けた状態において、当該構造物を恒温漕に所定時間置いた後磁石プレスホルダを取り外し、リング板形状の磁石組立体をロータディスクに固定した状態とする磁石プレスホルダ取り外し工程と、を有することを特徴とする。
第1の製造装置(請求項に対応)は、ロータディスクと、磁化方向が第1の回転方向である第1タイプの第1磁石、第1の方向に直交する第2の方向である第2タイプの第2磁石からなるリング板形状の磁石組立体と、内周保持部およびリング状外周保持部とを有するモータ用ロータを製造する製造装置であって、磁石組立体は、第1磁石と第2磁石のうち少なくとも一方が扇形平面部をなし、第1磁石と第2磁石は、それぞれの扇形平面部がほぼ同一の回転面となって形成され、第1磁石を、内周保持部の周囲に配列し、第1磁石の配列状態を保持しつつ、磁化方向が前記第1の方向に直交する第2の方向である第2磁石を内周側に送りながら、第1磁石の間に配列し、磁石組立体の外周にリング状外周保持部を嵌合させてロータディスク上に組み付け、製造されるものであって、ロータディスクが取り付けられる回転自在ターンテーブルと、ターンテーブルに向って前進・後退自在な磁石挿入ヘッドを備えた第1磁石と第2磁石の磁石設置移動装置と、磁石設置移動装置を動作させる操作手段と、ターンテーブルに取り付けられたロータディスクに取り付けられ、ロータディスクの円周領域部で第1磁石と第2磁石の磁石設置場所を指定するスリットプレートとから構成されている。
第2の製造装置(請求項に対応)は、上記の装置構成において、好ましくは、ロータディスク上に第1磁石を設置するとき、ロータディスクに所定数のダミーの第2磁石を並べ、スリットプレートは、その全周部に形成された複数のスリットのそれぞれがダミーの第2磁石間の隙間に一致するように、ロータディスクに取り付けられることを特徴とする。
第3の製造装置(請求項10に対応)は、上記の装置構成において、好ましくは、ロータディスク上にすべての第1磁石が設置された後、スリットプレートは、その全周部に形成された複数のスリットのそれぞれが第1磁石間の隙間に一致するようにロータディスクに取り付けられ、複数の第2磁石の各々は、磁石設置移動装置の磁石挿入ヘッドの前進動作で複数のスリットの各々に挿入・設置されることを特徴とする。
第4の製造装置(請求項11に対応)は、上記の装置構成において、好ましくは、ターンテーブルは、ロックピン機構によってその回転動作が規制されることを特徴とする>
第5の製造装置(請求項12に対応)は、上記の装置構成において、好ましくは、すべての第1磁石および第2磁石は接着剤でロータディスクに接着されることを特徴とする。
第6の製造装置(請求項13に対応)は、上記の装置構成において、好ましくは、スリットプレートは、第2磁石を挿入する時に第1磁石の飛出しを防ぐ手段であることを特徴とする。
本発明によれば、次の効果を奏する。
モータ用ロータの製造方法に係る本発明によれば、ロータは全体形状を非常に薄い円盤状に作ることができ、またハルバッハ配列構造であってリング板形状の磁石組立体を、第1および第2の主磁石と第1および第2の副磁石の少なくとも一方が扇型平面部を有しているこれらの磁石を外周側から内周側へ押し込むようにして設置することで形成することにより、磁石間隙間を実質的になくし、磁石密度を高め、磁束密度を高めることにより性能の高いロータを実現することができる。またロータの組立でボルト等の締結具を使用せず、外周リングの焼き嵌めおよび外周リングの磁石飛出し防止部、ロータディスクの中央部の外周部の磁石飛出し防止部、およびせん断剥離に強い接着剤で固定するようにしたため、薄型・軽量・コンパクトであり、構造が簡素で、さらにロータの外径および厚み、リング板形状の磁石組立体の正面部の平坦性を極力小さくすることができる。
またモータ用ロータの製造装置に係る本発明によれば、ロータディスクに対して例えば扇型平面部を有した多数の磁石を手動等の操作で外周側から内周側に押し込んで挿入・設置することができ、磁力が強い磁石をロータディスクに確実に設置でき、リング形状の磁石組立体を容易にかつ確実に製作することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
最初に、図1〜図4を参照して、本発明の製造方法が適用されるモータ用ロータの構造を説明する。図1はマグネットカバーを取り外したロータの正面図、図2は同ロータの斜視図、図3はロータの背面図、図4はロータの分解組立図である。
ロータ10の全体の外観形状は相対的にフラットな円盤形状である。ロータ10において、11はロータディスクであり、12は磁石組立体であり、13は外周リングである。ロータ10の磁石部を形成する磁石組立体12は、多数の磁石片を配列することにより、
リング板形状を有するごとく形成されている。磁石組立体12を構成する各磁石片は、所定のテーパー角を有した同一の扇平面形状であるので、隙間なく密に平面リング形状が実現する。これは、ロータ10の薄型化、高出力化に貢献する。ここで、「隙間なく密に」とは、上述の従来例のように磁石を保持するためのカバーやガイドを必要とせず、隣り合う磁石同士が密着しているという意味である。ただし、本実施形態では後述するように、磁石間にはエポキシ系の接着剤が薄く塗布され磁石組立体12の形状維持が図られている。ロータディスク11は、リング板状の磁石組立体12の片面側を覆いつつ格納すると共にリング板状の磁石組立体12の内周側を保持・固定する部材として機能する。図4に示すごとく、ロータディスク11の部分11Aが磁石組立体12を格納する格納部であり、ロータディスク11の中央部11Bは磁石組立体12の内周側を保持・固定する部分である。外周リング13はリング板形状の磁石組立体12の外周側を保持する部材として機能する。
ロータディスク11と外周リング13は、共に高強度かつ非磁性体の金属(材質:A2017またはA7075)で製作されている。ロータディスク11と外周リング13はCFRP(またはGFRP)のような高強度樹脂複合材で構成してもよい。これらの非磁性軽金属や高強度樹脂複合材を使用することで、ロータ10が軽量化される。本実施形態ではハルバッハ配列を採用することで、鉄系の磁性材を用いなくても十分な磁束量が確保できるため、ロータディスク11の強度が確保できるものであれば、アルミニウム等の非磁性軽金属や高強度樹脂複合材を適用できるようになった。また本実施形態では、ハルバッハ配列の採用によって、磁石背面への漏れ磁束が低減され、かつ、磁石背面の漏れ磁束を防止するために一般的に使用される鉄系の磁性材ヨークが不要となり、ロータ10の更なる軽量化および薄型化が可能となっている。なおロータ10の重量が問題とならない用途においては、周知の鉄系磁性金属を用いることで有効磁束量を高めるようにしてもよい。例えばロータ10の軽量化が優先される場合、ロータディスク11および外周リング13は、マグネットカバー22と共に非磁性軽金属または高強度樹脂複合材で形成するのが望ましく、風力発電用のモータのようにサイズや重量よりも、低コストや高剛性等が優先される場合には、磁石使用量低減のために、ロータディスク11および外周リング13は鉄系磁性金属で形成するようにしてもよい。
リング板形状の磁石組立体12は、同形状の64個の永久磁石片(以下「磁石」という)を円周方向に配列することによって平面状かつリング板形状に形成されている。64個の磁石はハルバッハ配列構造で配列されている。このハルバッハ配列構造によれば、第1主磁石(N極)12A−1、第1副磁石12B−1、第2主磁石(S極)12A−2、第2副磁石12B−2の配列順序を基本的配列構成として、繰り返して全周に渡り配置される。主磁石(12A−1,12A−2)では磁化方向が表裏方向(ロータの回転軸方向に対応)になっている。例えば図2に示すごとく、第1主磁石12A−1では紙面表側がN極になりかつ紙面裏側がS極になる。第2主磁石12A−2では、反対に、紙面表側がS極になりかつ紙面裏側がN極になる。また副磁石(12B−1,12B−2)では磁化方向が円周方向(ロータの回転方向に対応)に沿った直線になっている(略円周方向)。例えば図2に示すごとく、反時計回りにおいて、第1副磁石12B‐1では円周方向の左側がN極になりかつその右側がS極になる。第2副磁石12B−2では、反対に、反時計回りにおいて円周方向の左側がS極になりかつその右側がN極になる。図2において、一例として一部の主磁石に表記された「N」および「S」という記号は主磁石における正面(表面)側の磁化方向を示したものである。また図2において、一例として一部の副磁石に表記された矢印21は副磁石における磁化方向(S⇒N)を示している。主磁石と副磁石の各々の磁化方向は実質的に直交している。
上記のごとくリング板状の磁石組立体12の磁石の配列状態に関して、交互に配列される第1主磁石12A−1と第2主磁石12A−2の磁化方向は第1の方向の表裏方向(ロータ回転軸方向)であって向きは逆になっている。同様に、交互に配列される第1副磁石12B−1と第2副磁石12B−2の磁化方向は第2の方向の円周方向(ロータ回転方向)に沿った直線になっており(略円周方向)、向きは逆になっている。
またロータディスク11の中央部には孔14が形成されている。孔14には図示しないシャフト部材が挿通される。図1と図2に示すごとくロータディスク11の正面側には所要の凹部15および複数のリブ部16が形成されると共に、図3に示すごとくロータディスク11の背面側には複数のリブ部17を放射状に径方向に形成している。これにより、ロータディスク11の軽量化を図りつつ所要の剛性と強度を与えている。また孔14の周囲には大きい径の5つの小孔18と小さい径の5つの小孔19がそれぞれ等間隔で形成されている。1つの小孔18と1つの小孔19とは対を形成し、一定の位置関係で配置されている。小孔18にはベアリングユニット(図示せず)のスレッドが通され、小孔19にはベアリングユニットとロータディスク11とを固定するボルトが通される。ベアリングユニットは、シャフト部材に対してロータ10が滑らかに回転するように設けられたものである。
図4に示すごとく、モータ用のロータ10は、前述したロータディスク11とリング板形状の磁石組立体12と外周リング13と、さらにマグネットカバー22とから構成されている。最初にロータディスク11が用意され、次にこのロータディスク11をロータ製作用の組立装置(図示せず)に備え付け、さらにこの組立装置を利用して当該ロータディスク11に対して磁石(12A−1,12A−2,12B−1,12B−2)を1つずつ予め設定された順序でエポキシ系の接着剤を用いて組み付けていく。なお、使用する接着剤は、エポキシ系に限らず、他の接着剤(例えばウレタン系)でもよい。各磁石がロータディスク11上に組み付けられていく際、互いの磁力で磁石が離散しないように、各磁石は組立装置で押え付けられている。そして、最終的に接着剤が硬化し、磁石がロータディスク11上に固定された状態でリング板形状の磁石組立体12が形成される。さらに、ロータディスク11上の磁石組立体12を固定させるために、その外側周縁部に外周リング13を取り付ける。その後、磁石組立体12の露出面等、マグネットカバー22と接触する部分にエポキシ系の接着剤が塗布された上でロータ10の正面側にマグネットカバー22が取り付けられる。これによって、内部がほぼ密閉された状態でロータ10がコンパクトに一体化される。なお、マグネットカバー22は、ロータディスク11や外周リング13と同様、軽量かつ非磁性体の金属で形成したが、CFRPのような軽量の高強度樹脂複合材で形成してもよい。また、ロータディスク11、外周リング13およびマグネットカバー22は互いに異なる材料(例えば、それぞれA2017,A7075,CFRP)で形成してもよい。
ここで、アルミニウムは磁石に比してその線膨張係数が大きいため、使用温度によってはロータ10に熱変形が生じる可能性もある。そこで、ロータ10の熱変形が生じてしまうような使用温度によってはアルミニウムに代えて、非磁性軽金属として例えばTi−6Al−4V等のようなチタン系材料を用いてもよい。Ti−6Al−4Vは、アルミニウムに比して焼結Nd−Fe−B磁石に近い線膨張係数を有しており、かつ非磁性で軽量なため、ロータ10が使用される温度変化幅が大きい場合には特に適している。またCFRPのような高強度樹脂複合材は、その繊維方向を変えることで線膨張係数を調整できるため、本実施形態によるロータ10の使用温度を考慮した上で繊維方向を適宜調整した高強度樹脂複合材を形成し、ロータ10内で使用する磁石と線膨張係数の差を少なくしてもよい。
上記のロータ10は、図示しないステータと対面配置され、ステータ内のコイルに3相交流が通電制御されることでロータ10が回転する。ステータの両側に2枚のロータ10が配置された構成とすることもできる。
上記のロータディスク11、外周リング13、およびマグネットカバー22で、磁石組立体12を隙間なく密閉し、かつ磁石間と、磁石組立体12とロータディスク11とマグネットカバー22の間とを接着剤で接着することでロータ10の一体化が維持され、磁石の飛出しも防止される。また、接着剤は振動に対するクッション材としての機能をも果たす。
図5と図6を参照して、リング板形状の磁石組立体12を形成するために用いられる1つの磁石31を説明する。図5は磁石31の平面図を示し、図6は磁石31の外観の斜視図を示す。前述した4つの磁石(12A−1,12A−2,12B−1,12B−2)の各々の形状およびサイズ(寸法)は、図5および図6に示された磁石31の形状およびサイズ(寸法)と同じである。本実施形態では、磁石としては希土類焼結永久磁石(例えば、Nd−Fe−B系)を用いたが、高磁束のものであれば、他のタイプの永久磁石を使用してもよい。
磁石31は、図5に示すごとく、内周縁部31aの側の幅が狭く、外周縁部31bの側の幅が広くなっている。図5に示すように、磁石31の平面部の形状は、扇形の外側部分の一部の形状に一致する。すなわち、磁石31はその正面側(図5では手前側、図6では上側)に所定のテーパー角の扇型平面部32を有している。扇型平面部32における内周縁部31a側との間に角を形成する辺部には傾斜面部33が形成され、その外周縁部31b側との間に角を形成する辺部には傾斜面部34が形成されている。
焼結処理によって磁化方向が決まった上記の磁石31に対して、さらに周知の着磁処理を行って極性を持たせることにより、その磁化方向に応じて前述した第1および第2の主磁石(12A−1,12A−2)と第1および第2の副磁石(12B−1,12B−2)が作られる。
図7は、ロータ10における上記磁石31の取付け・固定構造を示す断面図である。磁石31は、ロータディスク11の格納部11Aの上に置かれ、かつその内周縁部31aを中央部11Bに突き当てて配置している。この状態では、磁石31の内周縁部31a側に形成された傾斜面部33が、中央部11Bの外周側に位置する円周部に形成された磁石飛出し防止部41によって押さえ付けられる。またロータディスク11の上にリング板形状の磁石組立体12が取り付けられた状態で、当該磁石組立体12の外周縁およびロータディスク11の外周縁に対して前述した外周リング13が取り付けられる。図7に示されるごとく、外周リング13は、ロータディスク11に磁石組立体12が設置された後に、ロータディスク11に対して焼き嵌めによって固定される。この状態において、磁石31の外周縁部31b側に形成された傾斜面部34が、外周リング13の正面側の内周縁部に形成された磁石飛出し防止部42によって押さえ付けられる。また外周リング13はインターロック機機43を備える。このインターロック機構43によって、外周リング13がロータディスク11の周縁部から外れて抜けてしまうのを防止することができる。
上記のごとく、ロータ10において、ロータディスク11に取り付けられるリング板形状の磁石組立体12は、64個の磁石31のそれぞれが上記磁石飛出し防止部41,42で押さえ付けられることにより、ロータディスク11に固定される。
本実施形態に係るロータ10は、風力発電やエレベータ駆動用等、薄型かつ軽量で強力な回転力の発揮が要求されるモータ用のロータとして利用される。
上記の実施形態において、ロータディスク11、外周リング13、およびマグネットカバー22の固定化をボルト・ナットではなく、外周リング13およびロータディスク11における磁石飛出し防止構造および焼き嵌めで行っているので、ボルト・ナット用のスペースを確保する必要がない分、外周リング13の厚みを薄くすることができる。このこともロータ10の軽量化および小型化に貢献する。ロータディスク11、外周リング13およびマグネットカバー22の固定化はボルトレスであれば、図7に示した構造以外の凹凸嵌合関係によって実現してもよい。例えば、図7のインターロック機構43の部分は他の形状のものでもよい。
また上記実施形態のロータ10では、磁石組立体12をロータ10の中央部ではなく、外周部に位置させているので、トルクアームが稼げる結果、当該ロータ10を用いたモータの高出力化が実現する。上述のごとく、外周リング13の厚みを薄くしているために、いっそう磁石組立体12を外周部に位置付けることができる。
さらに本実施形態では、同形状の64個の磁石で形成されたリング板形状の磁石組立体12の例を示したが、磁石の数はこれに限定されない。磁石は最低4つ(主磁石2個、副磁石2個)であれば、本発明に係るロータ10は実現することができる。磁石の数は、実際には、磁石の素材、リング板形状の磁石組立体12の径、ロータ10が適用されるモータの要求出力等のパラメータに応じて、ステータコイルの銅損が最も少なく効率よくロータ10が回転できるように、磁気シミュレーションをするなどしてその厚みや横幅(扇平面形状における内周および外周)と共に、最適に決定することが望ましい。
さらに本実施形態では、磁石の配列構造をハルバッハ配列にすることにより、ロータ10の磁束密度を向上させ、主磁石のみで構成される通常の磁石ロータに必要とされる、鉄系磁性材製のバックヨークが不要となる。この結果、ロータの軽量化が実現する。ただし、本実施形態に係るモータ用ロータは、ハルバッハ配列以外の磁石配列でも実現することが可能である。例えば、公知の極異方性の磁石を使えば、ハルバッハ配列の場合と磁気的に等価であって、より簡略化された構成の磁石組立体が実現する。また副磁石を省略し、主磁石のみを用いた磁石配列を作ることも可能である。
次に、上記のような構造を有するロータ10の製造方法を、製造装置(組立装置)の構成と共に説明する。
先ずロータ10を製造するための組立装置100の構成を図8と図9を参照して説明する。図8は組立装置100の上側から見た斜視図を示し、図9は当該組立装置100の分解組立図を示す。
板状のベース101は水平に設置されている。このベース101の上にターンテーブル102がベース101に対して平行な状態で回転自在になるように設置されている。ターンテーブル102は、ベース101の上に固定されたターンテーブルシャフト103によって回転自在に支持される。
図9に示すごとく、ベース101に形成された円形凹所104にターンテーブルシャフト103を配置し、4つのボルト105で固定している。ターンテーブルシャフト103の先端部にターンテーブルベアリング106を挿入して取り付け、ベアリングナット107でターンテーブルベアリング106を固定する。このターンテーブルベアリング106に4つのボルト108によって上記ターンテーブル102を取り付ける。ターンテーブルベアリング106の機能によって、ターンテーブル102はターンテーブルシャフト103に対して回転自在となる。
ターンテーブル102の手前側の下部には2箇所にターンテーブル位置決めベース109が設けられている。2つのターンテーブル位置決めベース109は、ベース101上の予め決められた図示の位置に4つのボルト110で固定される。
図8において、ベース101の上には、さらにターンテーブル102の手前側に副磁石設置移動装置120が設置される。副磁石設置移動装置120は、副磁石挿入ヘッド121を上部に取り付けた副磁石挿入装置フランジ122と、副磁石挿入装置フランジ122の移動をガイドする移動ガイド装置とから構成される。
副磁石挿入ヘッド121は、その先端部をターンテーブル102に向け、かつ全体はターンテーブル102の径方向に向いている。
移動ガイド装置は、ベース101の両側にその長辺に沿って配置されたボールガイドシャフト131と、それらの間の中央位置に配置された台形ネジシャフト132とを備える。2本のボールガイドシャフト131と1本の台形ネジシャフト132とは平行に配置されている。2本のボールガイドシャフト131は、その両側の端部を、ボールガイドブラケット133で支持されている。また1本の台形ネジシャフト132は、その両側の端部を台形ネジシャフトブラケット134で回転自在に支持されている。
副磁石挿入装置フランジ122は、2本のボールガイドシャフト131と1本のネジシャフト132に対して掛け渡されるように、直交する位置関係にて配置されている。2本のボールガイドシャフト131は、副磁石挿入装置フランジ122の両側部分にボールネジ機構部を介して挿通されている。また台形ネジシャフト132は副磁石挿入装置フランジ122の中央部分に螺合関係形成部を介して挿通されている。図8等において、手前側の台形ネジシャフトブラケット134からさらに外側に延設された台形ネジシャフト132の端部にはハンドル135が取り付けられている。
2本のボールガイドシャフト131が挿通される副磁石挿入装置フランジ122の両側部分には挿通用の孔123が形成され、かつこの孔123にはボールガイドフランジ124が設けられている。また台形ネジシャフト132が挿通される副磁石挿入装置フランジ122の中央部分には挿通用の孔125が形成され、かつこの孔125には台形ネジフランジ126が設けられている。
図8と図9に示すごとく、ベース101の上には、4つのボールガイドブラケット133と2つの台形ネジシャフトブラケット134が図示位置にてそれぞれボルト141により固定されている。組になった2つのボールガイドブラケット133の間にはボールガイドシャフト131が掛け渡され、取り付けられる。2つの台形ネジシャフトブラケット134の間には台形ネジシャフト132が掛け渡され、回転自在に取り付けられる。これらの2本のボールガイドシャフト131と1本の台形ネジシャフトブラケット34には、各ブラケットに取り付ける前に、前述のごとく、ボールガイドフランジ124と台形ネジフランジ126を介して副磁石挿入装置フランジ122が装着される。ボールガイドフランジ124と台形ネジフランジ126は、図9に示すごとく、それぞれボルト142で、副磁石挿入装置フランジ122の孔123,125の各々に固定される。さらに、副磁石挿入装置フランジ122の上部にはボルト143で副磁石挿入ヘッド121が固定される。なお、副磁石挿入ヘッド121の先部の裏面には好ましくは鉄板台紙が貼付されている。
以上によって図8に示される組立装置100が構成される。図8において、ハンドル135を時計方向R1に回転させると、副磁石挿入装置フランジ122はターンテーブル102に接近するようにY1方向に移動する。ハンドル135を反時計方向R2に回転させると、副磁石挿入装置フランジ122はターンテーブル102から離れるようにY2方向に移動する。この移動は、副磁石挿入装置フランジ122における台形ネジシャフト132と台形ネジフランジ126との螺合関係、および2本のボールガイドシャフト131とそれに対応するボールガイドフランジ124とのボールスライドガイド機構によるガイド関係に基づいて実行される。こうして、副磁石移動装置120において、移動ガイド装置のハンドル135を回転操作することにより、副磁石挿入装置フランジ122を直線的に移動させることが可能となり、さらにこれにより副磁石挿入ヘッド121を直線的に前進・後退させることができる。
次に、上記の構造を有する組立装置100を利用して前述のロータ10を組み立てる工程を説明する。ロータ10の組立工程は、基本的に、主磁石設置工程と副磁石設置工程とから構成される。
先ず主磁石設置工程を説明する。組立装置100では、最初に、図10に示すように、そのターンテーブル102の上にロータディスク11が置かれ、固定される。先ずロータディスク11に、5つのボルト152を用いてスリットプレートシャフト151を取り付け、一体化する。この一体物を、ターンテーブル102の中心位置とロータディスク11の中心位置とを位置合わせして、ターンテーブル102の上に配置し、さらに5つのボルト153を用いて固定する。なお、このとき、副磁石挿入装置フランジ122は、ターンテーブル102から離れており、後退した位置にセットされている。
次に図11に示すように、ターンテーブル102上に固定されたロータディスク11に対して、ロータディスク11の支持部11A上にダミー副磁石161を並べる。ダミー副磁石161は、等間隔にて32個並べられる。ダミー副磁石161は、副磁石12B−1,12B−2と同一形状であって、磁力作用を有しないものである。各ダミー副磁石161の上部には孔161aが形成されている。
さらに図11に示されるように、別途にスリットプレート162が用意される。スリットプレート162は、複数の孔が形成され、全体的に円板形状を有し、かつその円周部に円周方向に等間隔でスリット163が32個形成されている。スリット163を形成する結果、スリットプレート162の円周部には32個の突起部164が形成されることになる。突起部164の平面形状はダミー副磁石161の平面形状と略同一であり、スリット163には主磁石12A−1,12A−2が間に入る程度のスペースが空いている。各突起部164には径方向に並ぶ3つの孔164a,164b,164cが形成されている。スリットプレート162は、その中央部に形成された孔165を上記のスリットプレートシャフト151に挿通させ、かつ位置決めしながら取り付けられる。このとき、スリットプレート162の各突起部164は各ダミー副磁石161の上に配置される。この状態において、すべての突起部164の孔164bにダミー副磁石ノックピン166を挿入しセットする。このダミー副磁石ノックピン166は、孔164bと共にダミー副磁石161の孔161aにも挿入される。この状態で、さらにスリットプレートシャフト151に形成された雄ネジ部にナット167を締結する。これにより、ターンテーブル102上に固定されたロータディスク11上にさらにスリットプレート162が固定される。
ロータディスク11に配置された上記の複数のダミー副磁石161と、さらに付設されるスリットプレート162とによって、ロータディスク11上に主磁石(12A−1,12A−2)を設置する際の、磁石吸引力による磁石合体を防止することができ、ロータディスク11に対する主磁石設置の位置決めを正確に行うことができる。また特にダミー副磁石161を利用することにより、後の副磁石設置工程で本来の副磁石を設置するためのスペースを確保することができると共に、主磁石設置工程においてリング板形状に主磁石を設置するための準備構造を与えることができる。
図11に示した組付け工程で形成された構造を有する組立装置100が図12に示される。こうして形成された組立装置100において、ロータディスク11に対して32個の主磁石が取り付けられる。主磁石は、前述のごとく磁化方向に応じて2種類の第1主磁石12A−1と第2主磁石12A−2が存在する。図12では、一例として第1主磁石12A−1と第2主磁石12A−2が1つずつ示されている。
上記の組立装置100において、スリットプレート162に形成されたスリット163の箇所に16個の第1主磁石12A−1を配置する。この場合に、第1主磁石12A−1の下面(裏面)と、内周側端面に接着剤を塗布し、スリット163内であって、2つのダミー副磁石161の間のスペースに設置し、接着剤でロータディスク11に固定しながら取り付ける。スリット163の箇所において第1主磁石12A−1は下面がロータディスク11の支持部11Aに接触し、接着剤で固定されるようにする。さらにこのとき、第1主磁石12A−1の幅寸法が短い端部が内周側に位置するように配置する。その後、第1主磁石12A−1の外周側の端部に対して、これを固定して外周側への飛出し防止のため、ターンテーブル102に対して主磁石仮固定フランジ171がボルト172で締結される。上記において、接着剤としては例えば二液性エポキシ系接着剤が使用される。
第1主磁石12A−1の設置作業が終了した後、設置が完了したスリット163の右隣または左隣のスリット163に対して第2主磁石12A−2の設置作業が、前述の設置作業と同様にして行われる。
上記のごとくして第1主磁石12A−1の設置作業と第2主磁石12A−2の設置作業を交互の配置にて繰り返して主磁石設置工程が実行され、32個の主磁石のすべてが設置される。なお、主磁石仮固定フランジ171で仮固定を行うのは、主磁石が他の主磁石の吸引力により当該他の主磁石へ磁石合体するのを防止するためである。すべての主磁石(12A−1,12A−2)がターンテーブル102上のスリットプレート162のスリット163の箇所に設置された組立装置100の状態を図13に示す。
次に副磁石設置工程を説明する。図13に示した組立装置100の状態から副磁石設置工程に移行する。
図13に示した組立装置100の組付け状態において、主磁石が接着剤で十分にロータディスク11に固定された後、ダミー副磁石ノックピン166をすべて取り除く。その後、ナット167を解除してスリットプレート162を取り外す。次に、取り外したスリットプレート162に対して、再び、図14に示すごとく計64個(=32個×2)のウレタン付きボルト181を締結する。ウレタン付きボルト181は締結するスレットプレート162を貫通して、その先端が主磁石に強く押し付けられるようになっている。主磁石の損傷を防止するために、ウレタン付きボルト181の先端には図示しないウレタンが設けられている。1つの主磁石ごとに内外周2つのウレタン付きボルト181を締結することで、偏りなくバランスよく主磁石をディスクプレート11上に固定することができる。各突起部164の2つの孔164a,164cの各々にウレタン付きボルト181を取り付ける。その後、再度、スリットプレート162をスリットプレートシャフト151に取り付け、ナット167で固定する。このスリットプレート162の設置状態によれば、各突起部164がロータディスク11に固定された各主磁石(12A−1,12A−2)の真上に密着するように設置される。この後に、32個の副磁石が挿入・設置することになる。副磁石を挿入・設置するためには副磁石移動装置120が利用される。副磁石移動装置120の副磁石挿入ヘッド121によって副磁石(12B−1,12B−2)は主磁石の間のスペースに1つずつ挿入・設置される。
ターンテーブル102に固定されたロータディスク11に対して副磁石を挿入するとき、ターンテーブルと副磁石挿入ヘッド121を位置合せする必要があり、かつターンテーブル102が回転しないように位置決めする必要がある。図14において、ターンテーブルノックピン182を、ターンテーブルの円周部に形成した孔183に挿入し、さらに下側に位置するターンテーブル位置決めベース109の頂部に形成された孔184(図14では図示されず、図9に図示される)に挿入する。これにより、上記の位置合せと位置決め・回転防止とが行われる。この設置状態では、スリットプレート162における任意の2つの突起部164の間に形成されるスリット163の箇所には前述したダミー副磁石161が配置されている。
以上の状態において、その後に32個の本来の副磁石(12B−1,12B−2)を挿入・設置するため、すべてのダミー副磁石161が取り除かれる。
その後、組立装置100において、スリットプレート162における32箇所のスリット163に副磁石(12B−1,12B−2)を挿入・設置する。この副磁石の設置工程を図15に示す。図15において、副磁石挿入ヘッド121は、ターンテーブル102上に固定されたロータディスク11に対して設置されたスリットプレート162の1つのスリット163に対向して配置されている。図15で示された状態では、副磁石挿入ヘッド121はターンテーブル102から離れた位置にある。また副磁石挿入ヘッド121が対向しているスリット163は、副磁石が設置される対象である。
図15において、副磁石挿入ヘッド121の先部の下面には例えば第1副磁石12B−1が仮固定される。その後に副磁石挿入ヘッド121の先部の上側から副磁石飛出し防止カバー191を付設し、ボルト192でこの副磁石飛出し防止カバー191を固定する。ボルト192は副磁石挿入ヘッド121と副磁石飛出し防止カバー191とを締結するためのものである。副磁石飛出し防止カバー191は、副磁石の挿入の際に、不測の方向に副磁石が飛出してしまうことを防止する。副磁石挿入ヘッド121の裏面には図示しない鉄板台紙が貼り付けられており、副磁石はこの鉄板台紙に磁力でくっついた状態でスリット163内に挿入されていく。この場合において、第1副磁石12B−1の下面(裏面)と内周側端面には接着剤が塗布されている。またスリット163の両側に位置する主磁石のスリット側側面にも接着剤が塗布されている。この状態で、ハンドル135を時計方向R1に回転させ、副磁石挿入装置フランジ122をY1方向に移動させ、副磁石挿入ヘッド121をスリット163の中に挿入する。この副磁石設置工程の動作状態を図16と図17を参照して説明する。
図16は、スリット163に挿入・設置しようとする副磁石12B−1と副磁石飛出し防止カバー191が副磁石挿入ヘッド121に装着された状態を示している。さらに、このように構成された組立装置100で、ハンドル135を時計方向R1に回転させ、副磁石挿入装置フランジ122と副磁石挿入ヘッド121をY1方向に移動させる。その結果、副磁石挿入ヘッド121がスリット163に挿入されつつある。
図18は、図16で示した副磁石挿入ヘッド121がスリット163内に挿入されつつある途中の状態を、上側から見た斜視図である。副磁石挿入ヘッド121には副磁石飛出しカバー191が装着されている。副磁石挿入ヘッド121の下側には副磁石12B−1が取り付けられている。図18に示すごとく途中状態まで副磁石を挿入し、その後に副磁石飛出し防止カバー191は取り外される。副磁石を主磁石の近くまで持っていくと磁力の作用で反発力が生じ、副磁石がどこかへ飛んでしまうおそれがある。そこで、図18に示すように、副磁石飛出し防止カバー191でカバーをしたまま主磁石の近くまで副磁石を挿入すれば、逆に吸引力でロータディスク11面に副磁石が押し付けられることによって、副磁石が飛び出そうとする力は働かなくなる。このような状態になってから副磁石飛出し防止カバー191を取り外すことで副磁石の飛散が防止される。
ここで図21を説明する。図21は、主磁石12A−1,12A−2と副磁石12B−2を磁石組立体12の外周側から見た断面図である。図21のように、主磁石12A−1,12A−2の後から挿入される副磁石12B−2は、ロータディスク11側に向う下側の磁力F1を受けるので、副磁石12B−2の飛出しが防止される。このことは副磁石12B−1を挿入する場合にも同じである。この効果を狙って本実施形態では主磁石を先に設置し、副磁石を後から挿入している。
図17は、図16や図21で示した状態から、副磁石挿入ヘッド121がさらに前進し、前進端部まで移動し、その結果、副磁石挿入ヘッド121の全体がスリットプレート162のスリット163内に完全に挿入されている状態を示した斜視図である。 この状態では、副磁石12B−1の先端である内周縁側の端部が、ロータディスク11の中央部11Bの外側周面に当接している。副磁石12B−1は、その下面がロータディスク11の支持部11Aに接着剤で接着され、内周側端部が中央部11Bの外側周面に接着剤で接着される。
その後、ハンドル135を反時計方向R2に回転させて副磁石挿入装置フランジ122を後退させ(Y2方向への移動)、副磁石挿入ヘッド121を後退させ、ターンテーブル102から離れさせる。この時、副磁石12B−1はロータディスク11に固定されてロータディスク11上に残される。スリット163において、副磁石12B−1は、両側の2つの主磁石12A−1,12A−2の間のスペースに設置され、接着剤でロータディスク11および各主磁石に固定される。スリット163の箇所において第1副磁石12B−1は下面がロータディスク11の支持部11Aに接触して接着剤で固定される。
次には、ターンテーブルノックピン182を取り除き、ターンテーブル102を回転させて副磁石挿入ヘッド121が対向するスリットを隣のスリットに変更する。再び、ターンテーブルノックピン182を、ターンテーブルの円周部に形成した所定の孔183に挿入し、さらに下側に位置するターンテーブル位置決めベース109の頂部に形成された孔184に挿入する。これにより、新たに上記の位置合せと位置決め・回転防止とが行われ、副磁石挿入ヘッド121に対向するスリット163に対して第2副磁石12B−2の挿入・設置を、前述した第1副磁石12B−1の挿入・設置の場合と同様の作業によって行う。
以上によって副磁石設置工程が終了する。その結果、図15等に示された組立装置100において、そのターンテーブル102上に設置されたロータディスク11に対して、スリットプレート162が装着された状態で、すべての主磁石(12A−1,12A−2)と副磁石(12B−1,12B−2)が装着される。
その後、ターンテーブルノックピン182を取り除き、図9で示した4本のボルト108を取り外して、ターンテーブル102を組立装置100それ自体から取り外す。この場合のターンテーブル102の状態は、実質的に、図19の符号200(以下「ロータ構造物200」という)に示されている。ターンテーブル102は、ロータディスク11が取り付けられ、ロータディスク11には32個の主磁石および32個の副磁石が接着剤で固定された状態でリング板形状に配列されており、さらにスリットプレート162がナット167で固定されている。スリットプレート162の各突起部164の2つの孔164a,164cの各々にはウレタン付きボルト181を取り付けられている。こうしてロータ構造物200が形成される。
図19は、ロータ構造物に磁石プレスホルダを取り付ける工程を説明するための分解斜視図を示す。図19に示されたターンテーブル102上のロータ構造物200では、前述した主磁石仮固定フランジ171はすべて取り除かれている。前述した副磁石設置工程が終了すると、組立装置100におけるターンテーブル102上に設置されたロータディスク11に対して、スリットプレート162が装着された状態で、すべての主磁石(12A−1,12A−2)と副磁石(12B−1,12B−2)が装着される。その後、ターンテーブルノックピン182を抜き、組立装置100のボルト108を取り外し、ターンテーブル102を、それへの取付け物と一緒に、組立装置100から取り外す。その後、すべての主磁石仮固定フランジ171を取り外す。かかるターンテーブル102上のロータ構造物200に対して、ロータディスク11の周縁部にすべての主磁石および副磁石の各外周端部を押えるようにリング形状の磁石プレスホルダ201を取り付け、所要数のボルト202で磁石プレスホルダ201をターンテーブル102の周縁部に固定する。この状態を図20に示す。このように磁石プレスホルダ201を取り付け、押し付けると、扇形状をした主磁石と副磁石はすべて内周側へ押され、磁石間の隙間をなくし隣接する磁石同士を密着させて、磁石組立体12の内周および外周を正円にすることができる。さらにウレタン付きボルト181を締めつけることにより主磁石と副磁石の浮き上がりを防止し、主磁石と副磁石の扇型平面部をフラットな面に形成することができる。
さらに、ターンテーブル102上のロータ構造物200に磁石プレスホルダ201を取り付けた状態において、当該構造物を恒温槽に所要時間の間置くと、接着剤の接着強度を高めることができる。
その後、上記ロータ構造物200において、磁石プレスホルダ201を取り外し、図4等に示したリング板形状の磁石組立体12をロータディスク11に固定した状態になる。これに外周リング13を既述のような方法で組み付ける。その後で、ウレタン付きボルト181をすべて取り除き、さらにナット167を取り外してスリットプレート162を取り除く。その後に、さらに例えばCFRP材料で作られたマグネットカバー22が既述のような方法で取り付けられる。こうして図1等に示されるモータ用ロータ10が製作される。
上記の磁石プレスホルダ201について、そのままでは、磁石組立体12の円盤形状がきれいに出ないが、磁石プレスホルダ201を押し付けることで、全磁石を内側に押し込むことができ、これによって扇型平面形状を有する各磁石が密に並べられ、磁石組立体12の正確な円盤形状が形成される。従って、磁石プレスホルダ201による押付け処理は接着剤が固まっていないうちに済ませる必要がある。
上記のロータ10の製造方法によれば、円盤状ロータ10におけるリング板形状の磁石組立体12において隣り合う磁石を接着剤を介在させるだけで密接させることができ、磁石間隙間を可能な限り小さくすることができ、磁石の密着度を高めて磁石密度および磁束密度を高めることができる。よって磁石組立体12としての性能を向上することができる。また最終製品における主磁石と副磁石の固定手段としてボルト等の締結手段を使用せず、外周リング13の焼き嵌めおよび外周リング13の磁石飛出し防止部42、ロータディスク11の中央部11Bの外周部の磁石飛出し防止部41、およびせん断剥離に強い接着剤で固定するようにしたため、構造が簡素で、かつロータ10の外径および厚み、リング板形状の磁石組立体の正面部の平坦性を極力小さくすることができる。
なお前述の実施形態(第1の実施形態)では、主磁石12A−1,12A−2と副磁石12B−1,12B−2とが同一平面形状を有する場合を説明したが、これに限らず、主磁石と副磁石は異なる平面形状であってもよい。
図22は、主磁石12A−1,12A−2が前述の実施形態と同様に扇型形状を有し、副磁石12B−1,12B−2が略長方形の平面形状を有する第2の実施形態の磁石組立体12’の平面図を示している。図22に示すように、副磁石12B−1,12B−2よりも主磁石12A−1,12A−2の平面積が大きくなっている。このように副磁石に比較して主磁石を大型化すれば、磁石組立体12’全体で紙面垂直方向の磁石密度が高くなるので、この磁石組立体12’を適用したモータのより一層の大出力化が可能となる。また一般的に略長方形状の方が扇型平面形状よりも加工が容易となるため、場合によっては第2実施形態の方が加工コストがより低くなる。主磁石12A−1,12A−2と副磁石12B−1,12B−2のサイズ(特に略円周方向の相対的な横幅)は、磁石の素材および数、リング板形状の磁石組立体12の径、ロータ10が適用されるモータの要求出力等のパラメータに応じて、ステータコイルの銅損が最も少なく効率良くロータが回転できるように、磁気シミュレーションをするなどして、最適に決定するのが望ましい。
また第1の実施形態の磁石組立体12は、第2の実施形態の磁石組立体12’に比して、主磁石12A−1,12A−2と副磁石12B−1,12B−2の平面形状が同一であるために、磁石成型用の金型が同一のものを使用することができ、製造工程において使用する磁石飛出し防止用の治具形状も同一にできるといった点で低コスト化が可能である。
上記の2つの実施形態においては、磁石組立体12,12’の内周円および外周円は、予め高精度に曲線加工された主磁石と副磁石の端部が組み合わさってできているが、リング板形状の磁石組立体12を形成してから内周円および外周円の部分を研磨加工して、より高精度の周縁部を完成させてもよい。
なお上記の磁石組立体12,12’を使用する場合には、その形状に応じて、本実施形態にかかるモータ用ロータ10の組立工程が適用できるようにするためには、磁石の押え付けおよび挿入を共に可能にするため、組立装置100のスリットプレート162やダミー副磁石161等の形状を適宜に変更させなければならない。
なお上記の組立装置100は手動用のものを説明したが、モータやセンサを取り付けて、上述のモータ用ロータの製造工程が自動で行われるようにしてもよい。例えばターンテーブル102の回転位置を位置検出センサで検出しながら少しずつ回転/停止をさせて、ターンテーブル102が適当な位置に来た場合に、モータが取り付けられた副磁石設置移動装置120が動作して、副磁石挿入ヘッド121をターンテーブル102側に接近させることで副磁石12B−1,12B−2が挿入されていくようにしてもよい。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、風力発電やエレベータ駆動用等、薄型かつ軽量で非常に強力な回転力の発揮が要求されるモータ用のロータに対して適用される。
本発明に係るモータ用ロータの一実施形態を示す正面図である。 本実施形態に係るモータ用ロータの斜視図である。 本実施形態に係るモータ用ロータの背面図である。 本実施形態に係るモータ用ロータの分解組立図である。 本実施形態に係るモータ用ロータの磁石組立体に使用される磁石の一例を示す平面図である。 本実施形態に係るモータ用ロータの磁石組立体に使用される磁石の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係るモータ用ロータの磁石組立体に使用される磁石の組み付け状態を示す部分断面図である。 本発明に係るモータ用ロータの製造装置(組立装置)の実施形態を示す斜視図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)の分解組立図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)にロータディスクを取り付ける状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)において主磁石設置工程のためスリットプレートを取り付ける状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)において主磁石を設置する工程を説明するための斜視図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)においてすべての主磁石が設置された状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)において副磁石設置工程のため再度スリットプレートを取り付ける状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)において副磁石を設置する工程を説明するための斜視図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)において副磁石を挿入・設置する途中状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る製造装置(組立装置)において副磁石を挿入・設置する最終状態を示す斜視図である。 図16における要部拡大斜視図である。 ロータ構造物に磁石プレスホルダを取り付ける工程を説明する分解斜視図である。 ロータ構造物に磁石プレスホルダが取り付けられた状態を示す斜視図である。 2つの主磁石とその間の1つの副磁石を磁石組立体の外周側から見た断面図である。 第2実施形態に係るモータ用ロータの磁石組立体のみを示す平面図である。
符号の説明
10 ロータ
11 ロータディスク
12 磁石組立体
12’ 磁石組立体
13 外周リング
12A−1 第1主磁石
12A−2 第2主磁石
12B−1 第1副磁石
12B−2 第2副磁石
31 磁石
32 扇型平面部
33,34 傾斜面部
41,42 磁石飛出し防止部
100 組立装置
101 ベース
102 ターンテーブル
120 副磁石設置移動装置
121 副磁石挿入ヘッド
122 副磁石挿入装置フランジ
135 ハンドル
151 スリットプレートシャフト
161 ダミー副磁石
162 スリットプレート

Claims (13)

  1. 磁化方向が第1の方向である第1タイプの第1磁石、前記第1の方向に直交する第2の方向である第2タイプの第2磁石からなるリング板形状の磁石組立体と、内周保持部およびリング状外周保持部とを有するモータ用ロータの製造方法であり、
    前記第1磁石と前記第2磁石のうち少なくとも一方は、扇形平面部を有しており、
    前記第1磁石と前記第2磁石は、それぞれの扇形平面部がほぼ同一の回転面となった前記磁石組立体を形成しており、
    前記第1磁石を、前記内周保持部の周囲に配列する第1磁石配列工程と
    前記第1磁石の配列状態を保持しつつ、磁化方向が前記第1の方向に直交する第2の方向である第2磁石を内周側に送りながら、前記第1磁石の間に配列する第2磁石配列工程と
    前記磁石組立体の外周に前記リング状外周保持部を嵌合させる嵌合工程と、
    を有することを特徴とするモータ用ロータの製造方法。
  2. 前記第1磁石は、前記内周保持部の周囲に交互に配置され、互いの磁化方向が正反対の第1主磁石および第2主磁石であり、
    前記第2磁石は、前記第1主磁石および前記第2主磁石の間に交互に配列され、互いの磁化方向が正反対の第1副磁石および第2副磁石である、
    ことを特徴とする請求項1記載のモータ用ロータの製造方法。
  3. 前記第1の方向はロータ回転軸方向であり、前記第2の方向は略ロータ回転方向であることを特徴とする請求項1または2記載のモータ用ロータの製造方法。
  4. 前記磁石組立体が組み付けられるロータディスクをターンテーブル上に固定し、前記ロータディスクの支持部に前記第2磁石と同一形状で磁力作用を持たないダミーの第2磁石を等間隔に並べ、前記ダミーの第2磁石の平面形状と略同一で、前記第1磁石が入るスペースを有する複数のスリットが形成されたスリットプレートを、前記ダミーの第2磁石の上に配置して前記第1磁石の位置決めを行う第1磁石設置工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のモータ用ロータの製造方法。
  5. 前記ターンテーブル上に固定されたロータディスクに対し、前記スリットプレートが装着された状態で前記第1磁石のすべてが装着される前記第1磁石設置工程の後、前記ターンテーブルに向かって前進・後退可能な磁石挿入ヘッドを備えた第2磁石設置移動装置を用い、前記第1磁石の間の前記スペースに前記第2磁石を挿入して設置する第2磁石設置工程と、
    を有することを特徴とする請求項4記載のモータ用ロータの製造方法。
  6. 前記第2磁石設置工程は、
    前記磁石挿入ヘッドの先端に前記第2磁石を仮固定し、その後、前記磁石挿入ヘッドの先端に前記第2磁石の飛び出しを防ぐカバーを装着する第2磁石飛び出し防止工程、
    を含むことを特徴とする請求項5記載のモータ用ロータの製造方法。
  7. 前記ターンテーブル上に設置されたロータディスクに対し、前記スリットプレートが装着された状態で、すべての前記第1磁石と前記第2磁石が装着された前記第2磁石設置工程の後、前記ロータディスクの周縁部に、すべての前記第1磁石および前記第2磁石の外周端部を抑えるようにリング形状の磁石プレスホルダを取り付け固定する磁石プレスホルダ取り付け工程と、
    前記ターンテーブル上のロータ構造物に磁石プレスホルダを取り付けた状態において、当該構造物を恒温漕に所定時間置いた後、前記磁石プレスホルダを取り外し、前記リング板形状の磁石組立体をロータディスクに固定した状態とする磁石プレスホルダ取り外し工程と、
    を有することを特徴とする請求項6記載のモータ用ロータの製造方法。
  8. ロータディスクと、磁化方向が第1の回転方向である第1タイプの第1磁石、前記第1の方向に直交する第2の方向である第2タイプの第2磁石からなるリング板形状の磁石組立体と、内周保持部およびリング状外周保持部とを有するモータ用ロータを製造する製造装置であって、
    前記磁石組立体は、前記第1磁石と前記第2磁石のうち少なくとも一方が扇形平面部をなし、前記第1磁石と前記第2磁石は、それぞれの扇形平面部がほぼ同一の回転面となって形成され、
    前記第1磁石を、前記内周保持部の周囲に配列し、前記第1磁石の配列状態を保持しつつ、磁化方向が前記第1の方向に直交する第2の方向である第2磁石を内周側に送りながら、前記第1磁石の間に配列し、前記磁石組立体の外周に前記リング状外周保持部を嵌合させて前記ロータディスク上に組み付け、製造されるものであって、
    前記ロータディスクが取り付けられる回転自在ターンテーブルと、
    前記ターンテーブルに向って前進・後退自在な磁石挿入ヘッドを備えた前記第1磁石と前記第2磁石の磁石設置移動装置と、
    前記磁石設置移動装置を動作させる操作手段と、
    前記ターンテーブルに取り付けられた前記ロータディスクに取り付けられ、前記ロータディスクの円周領域部で前記第1磁石と前記第2磁石の磁石設置場所を指定するスリットプレートと
    から構成されるモータ用ロータの製造装置。
  9. 前記ロータディスク上に前記第1磁石を設置するとき、前記ロータディスクに所定数のダミーの第2磁石を並べ、前記スリットプレートは、その全周部に形成された複数のスリットのそれぞれが前記ダミーの第2磁石間の隙間に一致するように、前記ロータディスクに取り付けられることを特徴とする請求項記載のモータ用ロータの製造装置。
  10. 前記ロータディスク上にすべての前記第1磁石が設置された後、前記スリットプレートは、その全周部に形成された前記複数のスリットのそれぞれが前記第1磁石間の隙間に一致するように前記ロータディスクに取り付けられ、複数の第2磁石の各々は、前記磁石設置移動装置の磁石挿入ヘッドの前進動作で前記複数のスリットの各々に挿入・設置されることを特徴とする請求項記載のモータ用ロータの製造装置。
  11. 前記ターンテーブルは、ロックピン機構によってその回転動作が規制されることを特徴とする請求項10記載のモータ用ロータの製造装置。
  12. すべての前記第1磁石および前記第2磁石は接着剤で前記ロータディスクに接着されることを特徴とする請求項記載のモータ用ロータの製造装置。
  13. 前記スリットプレートは、前記第2磁石を挿入する時に前記第1磁石の飛出しを防ぐ手段であることを特徴とする請求項10記載のモータ用ロータの製造装置。
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