JP5068092B2 - 軸受油組成物 - Google Patents

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本発明は、耐摩耗性に優れる軸受油組成物に関するものである。詳しくは銅系材料を使用した軸受用の潤滑油として優れており、耐摩耗性に優れる軸受油組成物に関するものである。
従来、摩擦が生じる部位の潤滑特性を向上させるため、例えばZnDTPやリン酸エステルなどのリン化合物、ポリサルファイド、硫化油脂、硫化オレフィンなどの硫黄化合物、さらには、MoDTPやMoDTCなどの有機モリブデン化合物が多く使用されている。
近年、HDD、CD−RやDVD−RなどのPC機器、AV機器に使用されるモーターの小型化、高精度化、高速回転化が進んでいる。それに伴い潤滑油にも高い耐摩耗性が求められており、各種摩耗防止剤が添加された潤滑油が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、使用条件によっては、耐摩耗性が不十分である場合があった。
特開平8−34987号公報 特開平9−217077号公報
本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり銅系材料を使用した軸受用の潤滑油として、優れた耐摩耗性を有する軸受油組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の基油に少なくとも1種の炭素数2〜4のジカルボン酸を特定量含有させることにより、優れた耐摩耗性を有することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、合成炭化水素系基油、エステル系基油またはこれらを混合した基油に、炭素数2〜4のジカルボン酸が組成物全質量に対し0.005〜5質量%含有することを特徴とする銅系材料を使用した軸受用軸受油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記軸受油組成物において、基油が、下記一般式(1)で表されるジカルボン酸のジエステルからなる基油である銅系材料を使用した軸受用軸受油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記軸受油組成物において、炭素数2〜4のジカルボン酸が組成物全質量に対し0.005〜1質量%含有する銅系材料を使用した軸受用軸受油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記軸受油組成物において、さらにHLBが3以上の非イオン系界面活性剤が炭素数2〜4のジカルボン酸1質量部に対して2〜40質量部含有することを特徴とする銅系材料を使用した軸受用軸受油組成物を提供するものである。
本発明の軸受油組成物は銅系材料に対する耐摩耗性が優れている。
本発明の軸受油組成物の基油としては、炭化水素系合成油、エステル油またはこれらの混合油が用いられる。本発明の軸受油組成物の他の成分である炭素数2〜4のジカルボン酸はこれらの基油と共に用いることで十分な性能を得ることができ、また軸受の使用環境および炭素数2〜4のジカルボン酸との相溶性等の点からもこれらの基油を用いることが肝要である。
炭化水素系合成油及びエステル油は以下に例示するものを用いることができ、これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
炭化水素系合成油としては、αオレフィンオリゴマー、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等が挙げられる。この内、好ましいものはαオレフィンオリゴマーであり、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、及びこれらの誘導体などを原料として製造されたαオレフィンを、単独又は2種以上混合して重合したものが挙げられる。具体的には、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセンなどのオリゴマーであるポリαオレフィンや、1−ブテンやイソブチレンのオリゴマーであるポリブテン、エチレンとαオレフィンのコオリゴマーなどが挙げられ、最も好ましいのはポリαオレフィンである。
エステル油としては、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、グリセリンエステル、芳香族エステルなどが挙げられる。
モノエステルとしては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、又はリグノセリン酸などの脂肪族モノカルボン酸と、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノールヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、又はペンタデカノールなどの1価のアルコールからなるモノエステルが挙げられる。
ジエステルとしては、ジカルボン酸のジエステルであっても二価アルコールのジエステルであってもよい。
ジカルボン酸のジエステルとしては、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、グルタル酸、ジメチルグルタル酸、ジエチルグルタル酸、ジ−n−プロピルグルタル酸、ジイソプロピルグルタル酸、ジブチルグルタル酸、アジピン酸、ジメチルアジピン酸、ジエチルアジピン酸、ジプロピルアジピン酸、ジブチルアジピン酸、コハク酸、ジメチルコハク酸、ジエチルコハク酸、ジプロピルコハク酸、ジブチルコハク酸、ピメリン酸、テトラメチルコハク酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族ジカルボン酸と、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノールなどの1価のアルコールとのジエステルが挙げられる。なお、ジカルボン酸分子中の2つのカルボン酸とエステルを形成する1価のアルコールは、同一種類であっても2種類であってもよい。
2価アルコールのジエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、2−ブチル2−エチルプロパンジオール、2,4−ジエチル−ペンタンジオールなどの脂肪族2価アルコールと、酢酸、n−プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−バレリン酸、n−ヘキサン酸、α−メチルヘキサン酸、α−エチルバレリン酸、イソオクチル酸、ペラルゴン酸、n−デカン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソヘキサデカン酸などの脂肪族モノカルボン酸とのエステルが挙げられる。
ポリオールエステルとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールと、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸などの高級脂肪酸とからなるポリオールエステルなどが挙げられる。
ポリグリコールエステルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールやこれらの共重合体などのグリコール類と、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸などの高級脂肪酸とからなるポリグリコールエステルなどが挙げられる。
グリセリンエステルは、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸ジグリセライド、脂肪酸トリグリセライドのいずれであってもよい。具体例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸などの高級脂肪酸とグリセリンとのエステルなどが挙げられる。
芳香族エステルとしては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アルキル化フタル酸、トリメリット酸、へミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリト酸、メリト酸、ジフェン酸、トレイル酸、キシリル酸、へメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、イソジュリル酸、ジュリル酸、クム酸、ウビト酸、トレイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、ケイ皮酸などの芳香族カルボン酸と、1価のアルコールとからなる芳香族エステルが挙げられる。
基油としては、αオレフィンオリゴマー、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル及びポリグリコールエステルなどが好ましく、ジカルボン酸のジエステル、2価アルコールのジエステル、3価アルコールのトリエステルが特に好ましい。
さらに、酸化安定性(抗酸化寿命)の面からは、本発明の軸受油組成物においては、基油として下記一般式(1)で表されるジカルボン酸のジエステルを用いることが最も好ましい。
Figure 0005068092
(一般式(1)において、R1及びR2は、炭素数7以上のアルキル基であり、同一であっても異なってもよく、R3及びR4は、炭素数1〜4の低級アルキル基であり、同一であっても異なってもよい。)
一般式(1)において、R1及びR2は、炭素数7以上、好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜15、さらに好ましくは炭素数7〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、同一であっても異なってもよい。炭素数が20を超えると、粘度が高くなるため好ましくない。
上記アルキル基の具体例としては、ヘプチル、オクチル、2−オクチル、3−オクチル、イソオクチル、2−エチルへキシル、4−メチル−3−ヘプチル、2−プロピル-1-ペンチル、2,4,4-トリメチル−1−ペンチル、2,2−ジメチル−3−ヘキシル、2,5−ジメチル−2−ヘキシル、2,5−ジメチル−3−ヘキシル、3−エチル−2−メチル−3−ペンチル、2−メチル−2−ヘプチル、3−メチル−3−ヘプチル、4−メチル−4−ヘプチル、5−メチル−1−ヘプチル、5−メチル−2−ヘプチル、5−メチル−3−ヘプチル、6−メチル−2−ヘプチル、6−メチル−3−ヘプチル、ノニル、2−ノニル、3−ノニル、4−ノニル、5−ノニル、2−メチル−3−オクチル、6−メチル−1−オクチル、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル、2,6−ジメチル−4−ヘプチル、3−エチル−2,2−ジメチル−3−ペンチル、デシル、2−デシル、3−デシル、4−デシル、5−デシル、3,7−ジメチル−1−オクチル、3,7−ジメチル−3−オクチル、ウンデシル、6−ウンデシル、ドデシル、2−ドデシル、2−ブチル−1−オクチル、トリデシル、2−トリデシル、テトラデシル、2−テトラデシル、7−テトラデシル、7−エチル−2−メチル−4−ウンデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、2−ヘキサデシル、2−ヘキシル−1−デシル、ヘプタデシル、オクタデシル、イソステアリル、5、7、7−トリメチル−2−(1、3、3−トリメチルブチル)オクチル、ノナデシル等が挙げられる。
R3及びR4は、好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基であり、より好ましくはエチル基であり、同一であっても異なってもよい。
本発明の軸受油組成物に使用される基油は、JIS K2283動粘度試験方法による40℃における動粘度が3〜500mm/Sであることが好ましく、より好ましくは4〜250mm/S、さらに好ましくは5〜150mm/S、特に好ましくは6〜100mm/S、最も好ましくは6〜40mm/Sである。40℃動粘度を3mm/S以上とすることで適正な油膜を形成しやすくなり、500mm/S以下とすることで軸が回転するときの粘性トルクを適正にしやすい。
本発明の軸受油組成物は、耐摩耗性を向上させるために炭素数2〜4のジカルボン酸が含有されている。炭素数2〜4のジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、メチルマロン酸、アセチレンジカルボン酸が挙げられる。これらのうち、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸が耐摩耗性に優れるので好ましく、マロン酸、マレイン酸が特に好ましい。軸受の材質がリン青銅、黄銅などの銅である場合、マロン酸、マレイン酸が特に好ましい。
炭素数2〜4のジカルボン酸の配合割合は、組成物全量に対して0.005〜5質量%であり、好ましくは0.005〜1質量%、より好ましくは0.005〜0.5質量%、さらに好ましくは0.01〜0.2質量%、特に好ましくは0.01〜0.1質量%である。炭素数2〜4のジカルボン酸の配合割合が0.005質量%未満であると十分な耐摩耗性を得られないことがある。1質量%を越えると軸受の材質によっては変質する場合もある。
本発明の軸受油組成物は、基油に炭素数2〜4のジカルボン酸を可溶化または分散させる界面活性作用を有する化合物を含有させることも可能である。
界面活性作用を有する化合物としては、HLBが3以上の非イオン系界面活性剤が挙げられる。
HLBは好ましくは3〜18、より好ましくは5〜18、さらに好ましくは8〜17、特に好ましくは10〜16である。
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレングリコール型非イオン系界面活性剤や多価アルコール型非イオン系界面活性剤が挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコール型非イオン系界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレンやポリブチレングリコールのエチレンオキサイド付加物などが例示される。
具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンマッコーアルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンラウリルアミンなどが挙げられる。
多価アルコール型非イオン系界面活性剤としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびソルビタン、ショ糖などのアルキルエーテルや脂肪酸エステル、アルカノールアミンの脂肪酸アミドなどが例示される。
具体的には、(ポリ)グリセリンモノラウリルエーテル、(ポリ)グリセリンモノオレイルエーテル、(ポリ)グリセリンモノラウリルエステル、(ポリ)グリセリンモノオレイルエステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等が挙げられる。
非イオン系界面活性剤は、常温で液体のものが好ましく、固体又は半固体状の場合は、融点が40℃以下であることが好ましい。また、非イオン系界面活性剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
HLBが3以上の非イオン系界面活性剤の含有割合は、炭素数2〜4のジカルボン酸1質量部に対して2〜40質量部であり、好ましくは3〜30質量部である。2質量部未満では炭素数2〜4のジカルボン酸を可溶化または分散する性能が不足する場合がある。40質量部を越えた場合には、それ以上の効果の向上は望めない。
基油に炭素数2〜4のジカルボン酸を可溶化または分散させる方法としては、予め炭素数2〜4のジカルボン酸とHLBが3以上の非イオン系界面活性剤とを加熱攪拌し、透明に溶解した混合物を基油に配合するとよい。加熱温度は60〜130℃が好ましく、70〜130℃がより好ましく、75〜100℃が特に好ましい。なお、HLBが3以上の非イオン系界面活性剤を配合しない場合には、炭素数2〜4のジカルボン酸は特に事前の加熱は必要なく、そのまま基油に配合すればよい。
本発明の軸受油組成物には上記した添加物の他に、必要に応じて各種公知の添加剤、例えば他の摩耗防止剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、極圧剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤などを適宜配合することができる。他の摩耗防止剤とし酸性リン酸エステルなどの有機リン系、硫化エステルなどの硫黄系、その他、アミン系、エステル系、エーテル系、アルコール系などが挙げられる。これらの摩耗防止剤は、通常0.05〜5質量%の割合で配合される。粘度指数向上剤としてはポリメタクリレート系、エチレンプロピレン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレン等が挙げられる。これらの粘度指数向上剤は、通常0.1〜40質量%の割合で配合される。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−t-ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ナフチルアミン類やアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物などを挙げることができる。これらの酸化防止剤は、通常0.05〜4質量%の割合で配合される。極圧剤としてはメチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキ酸、ナフテン酸鉛などが挙げられる。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、塩素化パラフィン-ナフタレン縮合物、アルキル化ポリスチレンなどを挙げることができる。消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサンやポリアクリル酸などを挙げることができる。防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸部分エステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸アミン、硫化パラフィンなどを挙げることができる。腐食防止剤としては、例えば、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾ-ルやチアジアゾールなどを挙げることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例および比較例では、基油と各成分の添加剤を配合して、軸受油組成物を調製し、それぞれの耐摩耗性、熱酸化安定性を評価した。各実施例、各比較例において組成物の調製に用いた基油、添加剤成分は次の通りである。
(A)基油
(1)モノエステル : オレイン酸−2−エチルへキシル
(2)ジカルボン酸ジエステル :セバシン酸ジオクチル
(3)2価アルコールジエステル : 2,4−ジエチル-ペンタンジオールのカプリル酸エステル
(4)グリコールエステル : ポリエチレングリコール−2−エチルへキシル酸ジエステル
(5)多価アルコールエステル : トリメチロールプロパンC8,C10脂肪酸トリエステル
(6)ポリαオレフィン:1−デセンオリゴマー(40℃動粘度 17mm/s)
(7)ジカルボン酸ジエステル:2,4−ジエチルグルタル酸ジオクチル
(8)フェニルグリコール:(40℃動粘度 8.6mm/s)
(B)界面活性剤
(1)PAG−1
ポリオキシエチレンの付加モル数が11でHLB=15.4のポリオキシエチレンノニルエーテル
(2)PAG−2
ポリオキシエチレンの付加モル数が14でHLB=14.4のポリオキシエチレンセチルエーテル
(3)PAG−3
ポリオキシエチレンの付加モル数が7.5でHLB=12.8のポリオキシエチレンラウリルエーテル
(4)PAG−4
ポリオキシエチレンの付加モル数が5でHLB=10.8のポリオキシエチレンラウリルエーテル
(5)グリセリンモノオレイルエーテル
HLB=5.5
(C)摩耗防止剤(比較例にて使用)
2−エチルへキシルアシッドホスフェートのアミン塩
硫化オレフィン
(D)その他添加剤
下記の(1)酸化防止剤、(2)金属不活性化剤及び(3)錆止め剤の混合物である。
(1)酸化防止剤
アルキル化ジフェニルアミン、アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン、トリス-ジ-t-ブチルフェニルホスファイトの混合物
(2)金属不活性化剤 : ベンゾトリアゾ-ルのアミン塩
(3)錆止め剤 :
アルキルコハク酸エステル
(評価方法)
軸受油として要求される耐摩耗性、熱酸化安定性について、下記の評価方法により、軸受油組成物を評価した。
(1)耐摩耗性の評価方法<シェル四球試験法>
潤滑油の耐摩耗性を評価する方法の一つで、ASTMD2783に準拠して行い、耐摩耗性を摩耗径で評価した。下記にその試験条件を示す。
試験条件 回転数 :1200rpm
荷重 :30kgf
試験時間:鋼球 30min、リン青銅 15min
(2)熱酸化安定性の評価方法
<蒸発量>
試験条件 温度 :120℃
試験時間:1000h
触媒 :銅板、鉄板
サンプル:40g
<抗酸化寿命>
JIS K2514、回転ボンベ式酸化安定性試験(RBOT試験)により評価した。
試験条件 温度 :150℃
触媒 :銅線
サンプル:50g
(実施例1〜17)
実施例1〜7、9〜15及び17では、炭素数2〜4のジカルボン酸と非イオン系界面活性剤を表1〜3の上段に掲げる割合(質量%)で配合し、80℃に加熱して撹拌し透明に溶解した混合物を得た後、その混合物を他の各成分と共に表1〜3の上段に掲げる割合(質量%)で基油に配合し、80℃に加熱撹拌して軸受油組成物を調製した。実施例8及び16では、炭素数2〜4のジカルボン酸を他の各成分と共に表2及び3の上段に掲げる割合(質量%)で基油に配合し、80℃に加熱撹拌して軸受油組成物を調製した。
それらの軸受油組成物の各種性能を評価し、その結果を表1〜表3の下段に示す。
(比較例1〜3)
基油に、各成分を表4の上段に掲げる割合(質量%)で配合し、軸受油組成物を調製した。それらの軸受油組成物の各種性能を評価し、その結果を表4の下段に示す。
Figure 0005068092
Figure 0005068092
Figure 0005068092
Figure 0005068092
摩耗防止剤としてジカルボン酸を用いた実施例1〜17は、リン酸エステルアミン塩を用いた比較例1、硫化オレフィンを用いた比較例2、基油としてフェニルグリコールを用いた比較例3に比べて、特に銅材に対する耐摩耗性が優れている。
また、基油として、一般式(1)で表される基油を用いた実施例15及び16は、特に抗酸化寿命が優れている。
本発明の軸受油組成物は電子機器等に使用される小型モーターや摺動部の軸受用潤滑油として適している。

Claims (4)

  1. 合成炭化水素系基油、エステル系基油またはこれらを混合した基油に、炭素数2〜4のジカルボン酸が組成物全質量に対し0.005〜5質量%含有することを特徴とする銅系材料を使用した軸受用軸受油組成物。
  2. 基油が、下記一般式(1)で表されるジカルボン酸のジエステルからなる基油である請求項1に記載の銅系材料を使用した軸受用軸受油組成物。
    Figure 0005068092
    (一般式(1)において、R1及びR2は、炭素数7以上のアルキル基であり、同一であっても異なってもよく、R3及びR4は、炭素数1〜4の低級アルキル基であり、同一であっても異なってもよい。)
  3. 炭素数2〜4のジカルボン酸が組成物全質量に対し0.005〜1質量%含有する請求項1又は2に記載の銅系材料を使用した軸受用軸受油組成物。
  4. さらに、HLBが3以上の非イオン系界面活性剤が炭素数2〜4のジカルボン酸1質量部に対して2〜40質量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載の銅系材料を使用した軸受用軸受油組成物。
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