JP5067314B2 - 電動コンプレッサの駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒を圧縮する電動コンプレッサの駆動装置に関するものである。
従来、電動コンプレッサの駆動装置では、例えば、特許文献1に示すように、電動モータを駆動するインバータ回路を、圧縮機構と電動モータとを収納するハウジングの外側に装着したものがある。
このものにおいて、インバータ回路は、バッテリから直流電圧が与えられ、複数のトランジスタのスイッチング動作に伴って電動モータに交流電流を出力して電動モータを駆動する。
ここで、複数のトランジスタはスイッチング動作に伴って熱を発生するものの、圧縮機構によりハウジング内に吸入された吸入冷媒によりハウジングを介して複数のトランジスタを冷却するようになっている。
特開2003−139069号公報
本発明者は、インバータ回路の動作に伴ってバッテリの出力電圧に高周波の電圧成分(ノイズ)が生じることを抑えるために、バッテリとインバータ回路との間に接続される電磁コイルを有するローパスフィルタ回路を構成することを検討したところ、次のような問題点が分かった。
バッテリから電磁コイルに流れる電流に基づいて電磁コイルから熱が発生する。このため、フィルタ回路の電磁コイルを複数のトランジスタと同様に吸入冷媒により冷却するように構成した場合には、電磁コイルから発生する熱量が吸入冷媒の冷却能力より上回り、電磁コイルを十分に冷却できない場合があった。
これに対し、圧縮機構によりハウジング内に吸入される吸入冷媒を増やして吸入冷媒の冷却能力を大きくするために、電動モータの回転数を高くした場合には、電磁コイルに流れる電流が増加する。このため、電磁コイルから発生す熱量が益々増えるので、電磁コイルの温度上昇を更に抑えることができなくなる。
本発明は上記点に鑑みて、インバータ回路を冷却しつつ、電磁コイルの温度上昇を抑えるようにした電動コンプレッサの駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、温度検出手段(76)の検出温度と電圧検出手段(71)の検出電圧と基づいて、直流電源(90)とインバータ回路(70)との間で電磁コイル(46)に流れる電流値を推定し、この推定された電流値が大きくなるほど電動モータの回転数の上限値を下げるように上限値を決める上限値決定手段(S108)と、
温度検出手段(76)の検出温度を目標温度に近づけるために電動モータの回転数を上げるように要求回転数を補正する回転数補正手段(S101…S107)と、
インバータ回路(70)を介して電動モータを制御して、回転数補正手段(S101…S107)により補正された補正後の要求回転数に電動モータの回転数を近づけつつ、電動モータの回転数が上限値以下になるように電動モータの回転数を制御する回転数制御手段(S109、S110、S111、S200)と、を備えることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、補正後の要求回転数に電動モータの回転数を近づけるように電動モータを制御することにより、電子制御装置から出力される要求回転数で電動モータを回転させる場合に比べて、電動モータの回転数を高くすることができる。このため、吸入冷媒の量を増やすことができるので、インバータ回路を冷却する冷却能力を大きくすることができる。
これに加えて、電動モータの回転数が上限値未満になるように電動モータの回転数を制御することにより、電磁コイルに流れる電流が増加することを抑制することができる。
以上により、インバータ回路を冷却しつつ、電磁コイルの温度上昇を抑えることができる。
請求項2に係る発明では、回転数補正手段(S101…S107)は、温度検出手段(76)の検出温度を目標温度に近づけるために要求回転数に加算すべき補正値を求めるとともに、この求められた補正値を要求回転数に加算して補正後の要求回転数を求めるものであり、
さらに回転数補正手段(S101…S107)は、温度検出手段(76)の検出温度と目標温度との温度差が大きいほど補正値を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
請求項3に係る発明では、回転数補正手段(S101…S107)は、電圧検出手段(71)の検出電圧が高い場合ほど、インバータ回路(70)の温度が上昇するとして、補正値を大きく設定することを特徴とする。
これにより、電圧検出手段の検出電圧が高い場合ほど、インバータ回路を冷却する冷却能力を大きくすることができるので、インバータ回路の温度上昇を抑えることができる。
請求項4に係る発明では、上限値決定手段(S108)は、
温度検出手段(76)の検出温度の変化に遅れを生じさせる温度変化遅延手段(S121)と、
温度変化遅延手段により変化に遅延が生じた検出温度に基づいて上限値を決める決定手段(S122)と、を備えることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、上限値決定手段(S108)は、電動モータの始動開始後一定期間内であるか否かを判定する判定手段(S120)を備え、
電動モータの始動開始後一定期間内であると判定手段が判定したときには、決定手段(S122)が温度変化遅延手段により変化に遅延が生じた検出温度に基づいて上限値を決めるようになっていることを特徴とする。
ここで、電動モータの始動開始後には、電磁コイル(46)の温度は徐々に上昇する。このため、温度変化遅延手段により変化に遅延が生じた検出温度は、温度検出手段の検出温度より低くなる。
したがって、請求項5に係る発明によれば、電動モータの始動開始後一定期間内において上限値を高くすることができる。よって、電動モータの回転数を増やすことができるので、電動コンプレッサから吐出される冷媒量を増やすことができる。
請求項6に係る発明では、電磁コイル(46)に流れる電流値毎に上限値としての候補値を記憶する記憶手段(73c)を備え、
上限値決定手段(S108)は、温度検出手段(76)の検出温度と電圧検出手段(71)の検出電圧とに基づいて電磁コイル(46)に流れる電流値を推定し、記憶手段(73)に記憶された電流値毎の候補値のうち、推定された電流値に対応する候補値を上限値として決めることを特徴とする。
請求項7に係る発明では、回転数制御手段(S200)は、
インバータ回路(70)から電動モータに出力される出力電圧を制御することにより、電動モータの回転数を制御する第1の制御手段(S143)と、
インバータ回路(70)から電動モータに出力される出力電力を一定に維持しつつ、インバータ回路(70)から電動モータに出力される出力電流を制御することにより、電動モータの回転数を制御する第2の制御手段(S142)と、を備え、
記憶手段(73)には、第1の制御手段により電動モータの回転数を制御する際に用いられる上限値としての候補値が記電流値毎に記憶されており、
第1、第2の制御手段の間の出力電流の相違に基づく入力電力を示すパラメータの誤差をキャンセルするように、温度検出手段(76)の検出温度を補正する補正手段(S133)を備え、
第2の制御手段が電動モータの回転数を制御する場合には、上限値決定手段(S108)は、補正手段により補正された温度検出手段(76)の検出温度と電圧検出手段(71)の検出電圧とに基づいて電流値を推定するとともに、記憶手段(73)に記憶された電流値毎の候補値のうち、推定された電流値に対応する候補値を上限値として決めることを特徴とする。
これにより、第2の制御手段を実施する際に、記憶手段に記憶された電流値毎の候補値を用いることができる。したがって、第1、第2の制御手段を実施する際に、共通の電流値毎の候補値を用いることができる。
請求項8に係る発明では、回転数制御手段(S109、S110、S111、S200)は、
補正後の要求回転数が上限値未満であるときには、補正後の要求回転数を目標回転数とし、補正後の要求回転数が上限値以上であるときには上限値を目標回転数とする回転数制限手段(S109、S110、S111)と、
電動モータの回転数を目標回転数に近づけるように電動モータを制御するモータ制御手段(S200)と、を備えることを特徴とする。
請求項9に係る発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の電動コンプレッサの駆動装置が適用された車両用電動コンプレッサの駆動装置であって、
直流電源(90)は、電動モータ以外に、当該車両の走行用電動機(4)に電力を供給するものであり、
走行用電動機(4)は、車両の駆動輪を駆動する力行運転と、駆動輪の回転力により電気エネルギを出力する回生運転とを行うものであり、
走行用電動機(4)から出力された電気エネルギが直流電源(90)に戻されるようになっており、
直流電源(90)の出力電圧に基づいて、走行用電動機(4)が力行運転および回生運転のうちいずれか一方の運転を実施しているか否かを判定する判定手段(S112、S113)と、
走行用電動機(4)が力行運転および回生運転のいずれも実施していないと判定したときには、補正後の要求回転数に応じて電動モータに生じる回転角加速度を第1の回転角加速度以下になるように制限する第1の制限手段(S116)と、
走行用電動機(4)が一方の運転を実施していると判定手段(S112、S113)が判定したときには、補正後の要求回転数に応じて電動モータに生じる回転角加速度を第2の回転角加速度以下になるように制限する第2の制限手段(S114)と、を備え、
第2の回転角加速度の絶対値は、第1の回転角加速度の絶対値より大きい値であることを特徴とする。
ここで、走行用電動機が力行運転および回生運転のいずれか一方の運転を実施しているときには、走行用電動機が騒音を発生するものの、乗員にとって、走行用電動機から発生する騒音に慣れている。
また、電動モータにおいて、第2の回転角加速度が生じるときには、電動コンプレッサ1が発生する騒音が変化する。このため、電動コンプレッサ1から発生する騒音の変化により乗員に違和感を与える場合がある。
これに対し、請求項9に係る発明によれば、走行用電動機が力行運転および回生運転のいずれか一方の運転を実施しているときに、電動モータに第2の回転角加速度が生じることを可能になる。このため、走行用電動機から騒音が発生するときに、電動コンプレッサ1の騒音が変化することになる。したがって、乗員に与える違和感を減らすことができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1、図2、図3に本発明に係る電動コンプレッサの第1実施形態を示す。図1は電動コンプレッサの正面図、図2は電動コンプレッサの上面図、図3は図1中のA−A断面図である。
電動コンプレッサは、走行用エンジンおよび走行用モータを備えるハイブリット自動車に搭載されている。電動コンプレッサは、図1および図2に示すように、走行用エンジン2の前側側壁に支持されている。電動コンプレッサ1は、凝縮器、減圧器、および蒸発器とともに、周知の空調装置用冷凍サイクル装置を構成している。
電動コンプレッサ1は、図1に示すように、ハウジング10を備えている。ハウジング10は、伝熱性の高いアルミニウム等の金属からなるもので、略円筒状に形成されている。
ハウジング10には、冷媒吸入口10aと冷媒吐出口10bとが設けられている。冷媒吸入口10aは、蒸発器の冷媒出口側から冷媒を吸入する。冷媒吐出口10bは、凝縮器の冷媒入口側に冷媒を吐出する。
ハウジング10の上側には脚部11a、11bが設けられている。ハウジング10の下側には脚部11c、11dが設けられている。
脚部11a、11b、11c、11dには、それぞれ、ボルト12aを貫通させる貫通孔が設けられている。各ボルト12aは、脚部11a、11b、11c、11dの貫通孔にそれぞれ貫通した状態で、ハウジング10を走行用エンジン2の前側側壁に固定する。ハウジング10の外壁のうち上側には、後述する駆動装置が装着される装着面13が設けられている。
電動コンプレッサ1は、図1に示すように、電動モータ20、圧縮機構30を備えている。電動モータ20は、三相交流同期モータであって、回転軸21、ロータ22、およびステータコア23を備えている。
回転軸21は、ハウジング10内に配置されている。回転軸21は、軸受け(図示省略)により回転自在に支持されている。回転軸21は、ロータ22から受ける回転駆動力を圧縮機構30に伝える。圧縮機構30は、スクロール型圧縮機構であって、回転軸21からの回転駆動力によって旋回させて冷媒を吸入、圧縮、吐出する。
ロータ22は、例えば永久磁石が埋め込まれたものである。ロータ22は、筒状に形成されているものであって、回転軸21に対して固定されている。ロータ22は、ステータコア23から発生される回転磁界に基づいて、回転軸21とともに回転する。
ステータコア23は、ロータ22に対して径方向外周側に配置されている。ステータコア23は、その軸線方向が回転軸21の軸線方向に一致する筒状に形成されている。
ステータコア23は、磁性体からなるもので、ハウジング10の内周面から支持されている。ステータコア23には、後述する回転磁界を発生するステータコイルが巻かれている。
ステータコイルは、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルを有し、かつスター結線されている。U相コイル、V相コイル、W相コイルは、中継端子を介して駆動装置40に接続されている。
ステータコア23は、図3に示すように、ハウジング10の内周面との間に冷媒流路60、61、62、63を形成している。冷媒流路60は、ハウジング10の装着面13側に配置されている。冷媒流路61は、ステータコア23の前側(図中左側)に配置されている。冷媒流路62、63は、ステータコア23の下側(図中左側)に配置されている。
電動コンプレッサ1には、駆動装置40、およびカバー部材50が設けられている。駆動装置40は、ハウジング10の装着面13の上側に配置されている。 駆動装置40は、回路基板45、トランジスタSW1、SW2…SW6(図3中にはトランジスタSW1だけを示す)、電磁コイル46、コンデンサ47などから構成され、後述するように電動モータ20に三相交流電流を出力する電気回路を構成している。
トランジスタSW1、SW2…SW6、電磁コイル46、およびコンデンサ47は、回路基板45の下側に配置されている。トランジスタSW1、SW2…SW6、電磁コイル46、およびコンデンサ47は、回路基板45に実装されている。
トランジスタSW1、SW2…SW6は、熱伝導部材48を介してハウジング10の装着面13の上側に配置されている。熱伝導部材48は、ハウジング10の装着面13の上側に配置されている。電磁コイル46は、熱伝導部材48の上側に配置されている。コンデンサ47は、ハウジング10の凹部内に入っている。凹部は装着面13から下側に凹むように形成されている。
カバー部材50は、壁部51および蓋部52を備えている。壁部51は、ハウジング10の上側に配置され、駆動装置40を囲むように環状に形成されている。蓋部52は、壁部51の上側に配置され、駆動装置40を上側から覆うように形成されている。
以下、駆動装置40の具体的な回路構成について説明する。図4は駆動装置40の回路構成を示す回路図である。
駆動装置40は、電磁コイル46およびコンデンサ47以外に、インバータ回路70、抵抗素子71a、71b、制御回路72、メモリ73、電流センサ75、温度センサ76、および通信回路77を備える。
インバータ回路70は、トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6を備える。
トランジスタSW1、SW4は、W相に対応するように設けられたもので、負極母線70bと正極母線70aとの間に直列接続されている。トランジスタSW2、SW5は、V相に対応するように設けられたもので、負極母線70bと正極母線70aとの間で直列接続されている。トランジスタSW3、SW6は、U相に対応するように設けられたもので、負極母線70bと正極母線70aとの間で直列接続されている。
なお、トランジスタSW1、SW2…SW6としては、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタや電界効果型トランジスタ等の半導体トランジスタが用いられている。
トランジスタSW1、SW4の共通接続点T1は、W相コイル55aに接続され、トランジスタSW2、SW5の共通接続点T2は、V相コイル55bに接続され、トランジスタSW3、SW6の共通接続点T3は、U相コイル55cに接続されている。
トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6がスイッチングすることにより、直流電源90の出力電圧に基づいて、共通接続点T1、T2、T3から三相交流電流が電動モータ20のステータコイル55に出力される。
直流電源90は、電池78とコンデンサ91とから構成されている。コンデンサ91のプラス電極は、電池78のプラス電極に接続され、コンデンサ91のマイナス電極は、電池78のマイナス電極に接続されている。
電磁コイル46、コンデンサ47、およびコンデンサ91は、ローパスフィルタ回路79を構成している。ローパスフィルタ回路79は、電池78からインバータ回路70に電圧の高周波成分が通過することを抑制し、かつインバータ回路70から電池78側に電圧の高周波成分が通過することを抑制する。電圧の高周波成分とは、所定値以上の周波数を有する電圧成分である。所定値は、電磁コイル46、コンデンサ47、91から決まる遮断周波数である。
電磁コイル46は、電池78のプラス電極と正極母線70aとの間に接続されている。コンデンサ47は、正極母線70aと負極母線70bとの間に接続されている。
抵抗素子71a、71bは、正極母線70aと負極母線70bとの間に直列接続されている。抵抗素子71a、71bは、コンデンサ47の出力電圧を分圧する分圧回路71を構成する。
分圧回路71は、直流電源90の出力電圧を検出する電圧検出手段を構成するもので、抵抗素子71a、71bの共通接続端子から電圧を出力する。この出力された電圧は、コンデンサ47の出力電圧が抵抗素子71a、71bにより分圧された分圧電圧である。
電流センサ75は、負極母線70bに流れる電流を検出する。負極母線70bに流れる電流は、W相電流、V相電流、およびU相電流が重畳されたものである。W相電流は共通接続点T1からW相コイル55aに流れる電流である。V相電流は共通接続点T2からV相コイル55bに流れる電流である。U相電流は共通接続点T3からU相コイル55cに流れる電流である。
温度センサ76は、インバータ回路70の温度を検出する温度検出手段を構成するもので、トランジスタSW1、SW2、…SW6のいずれか1つのトランジスタの表面温度を検出する。通信回路77は、電子制御装置80との間で通信を行う。
制御回路72は、CPUなどから構成され、コンピュータプログラムを実行する。制御回路72は、コンピュータプログラムの実行に伴って、センサ75、76の検出出力と分圧回路71の出力電圧と電子制御装置80から出力される要求回転数Ncとに基づいてトランジスタSW1…SW6を制御する制御処理と、温度センサ76の検出温度が一定温度Ta以上になると、トランジスタSW1…SW6のスイッチング動作を停止する停止処理とを行う。停止処理は、トランジスタSW1…SW6が異常高温により故障することを防ぐために実施される。
メモリ73は、制御回路72のコンピュータプログラム以外に、後述する補正値を決めるためのマップデータなどを記憶する。
本実施形態の直流電源90は、電動モータ20以外に走行用三相電動機4に電力を供給する。走行用三相電動機4は、当該ハイブリット自動車の駆動輪を駆動する力行運転と、前記駆動輪の回転力により発電する回生運転とを行う。
走行系制御装置3は、直流電源90の出力電圧に基づいて三相交流電流を走行用三相電動機4に出力して走行用電動機4を駆動する駆動処理と、走行用三相電動機4から出力される出力電圧を直流電圧に変換して直流電源90に戻す回生処理とを行う。
次に、本実施形態の作動について図5〜図8を参照して説明する。
図5は回転数制御処理を示すフローチャートである。制御回路72は、図5のフローチャートにしたがって、回転数制御処理を実行する。回転数制御処理の実行は一定期間T毎に繰り返し行われる。
まず、ステップS100において、温度センサ76の検出出力と分圧回路71の出力電圧とに基づいて電子制御装置80から出力される要求回転数Ncを補正して目標回転数Naを算出する。目標回転数Naの算出処理の詳細については後述する。
次のステップS200では、目標回転数Naに応じてステータコイル55に出力する出力電圧を制御することにより、電動モータ20の回転数を制御する制御を実行する。なお、このようにステータコイル55に対する出力電圧を制御して、電動モータ20の回転数を制御する制御を便宜的に電圧型制御という。
まず、ステータコイル55に対する電圧指令波を求める。電圧指令波は、U相指令波、V相指令波、およびW相指令波から構成される三相の電圧波である。U相指令波、V相指令波、およびW相指令波は、零電位からプラス側とマイナス側とに周期的に電圧が変化する正弦波である。
ここで、電圧指令波は、目標回転数Naに電動モータ20の実際の回転数Na’を近づけるために求めるものである。電圧指令波の波高値は、目標回転数Naが高くなるほど、大きくなる。これに加えて、電圧指令波は、インバータ回路70からステータコイル55に出力される出力電流を目標電流に近づけるために調整される。
なお、インバータ回路70の出力電流は、電流センサ75の検出値を用いて周知の方法により推定される。電圧指令波の算出に際しては、周知のモータの電圧方程式が用いられる。
次に、電圧指令波と搬送波とを比較して、トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6のうちいずれのトランジスタをオンさせるのかを決定する。搬送波は、予めメモリ73に記憶されたもので、零電位からプラス側およびマイナス側に電圧が周期的に変化する三角波である。搬送波の波高値としては、直流電源90の出力電圧の2分の1の値が用いられる。
U相指令波は、トランジスタSW3、SW6に対応している。U相指令波が搬送波より大きいときには、トランジスタSW3をオンしてトランジスタSW6をオフする。U相指令波が搬送波より小さいときには、トランジスタSW3をオフしてトランジスタSW6をオンする。
同様に、V相指令波と搬送波と比較に応じて、トランジスタSW2およびトランジスタSW5のうち一方のトランジスタをオフして、他方のトランジスタをオンする。
同様に、W相指令波と搬送波との比較に応じて、トランジスタSW1およびトランジスタSW4のうち一方のトランジスタをオフして、他方のトランジスタをオンする。
このようにトランジスタSW1、SW2…SW6のうちいずれのトランジスタをオンさせるかを決め、この決めた情報を含む制御信号がインバータ回路70に出力される。
このため、トランジスタSW1、SW2…SW6がスイッチング動作する。すると、共通接続点T1、T2、T3から三相交流電流がステータコイル55に出力される。
その後、ステップS100の処理とステップS200の処理とを繰り返すことになる。このため、目標回転数Naに応じた三相交流電流がステータコイル55に出力されることになる。
以上により、インバータ回路70からステータコイル55に出力される出力電圧の大きさは、目標回転数Naが高くなるほど大きくなる。このような出力電圧に応じて、ステータコイル55には回転磁界が発生することになる。よって、ステータコイル55から発生した回転磁界にロータ22が同期して回転する。
以上により、インバータ回路70からステータコイル55に出力される出力電圧の大きさを制御することにより、電動モータ20の回転数を目標回転数Naに近づけることになる。
このように回転数が制御される電動モータ20により、圧縮機構30が駆動されて旋回する。このため、圧縮機構30が冷媒を吸入、圧縮、吐出する。これに伴い、蒸発器の冷媒出口側から冷媒が冷媒吸入口10a内に吸入し、この吸入冷媒がステータコア23とロータ22との間の隙間23a(図3参照)と冷媒流路60、61、62、63とにそれぞれ流れる。
このとき、隙間23aに流れる吸入冷媒によりロータ22およびステータコア54を冷却する。冷媒流路61、62、63に流れる吸入冷媒によりステータコア54を冷却する。冷媒流路60に流れる吸入冷媒(図1中矢印a参照)により、駆動装置40のトランジスタSW1、SW2、…SW6および電磁コイル46を冷却する。
ここで、蒸発器側から冷媒吸入口10a内に吸入される吸入冷媒は、電動モータ20の回転数が高い場合ほど、多くなる。このため、電動モータ20の回転数が高い場合ほど、冷媒吸入口10aから隙間23aおよび冷媒流路60、61、62、63に流れる冷媒量も増える。このため、電動モータ20の回転数が高くなるほど、トランジスタSW1、SW2、…SW6および電磁コイル46などを冷却する冷却能力が大きくなる。
このようにトランジスタSW1、SW2、…SW6を吸入冷媒が冷却することにより、トランジスタSW1、SW2、…SW6の温度(すなわち、温度センサ76の検出温度)が上述の一定温度Ta未満になる。一定温度Taは、上述の如く、トランジスタSW1…SW6が異常高温により故障することを防ぐために設定されている温度である。
その後、トランジスタSW1、SW2、…SW6および電磁コイル46などを冷却した冷媒は、圧縮機構30で圧縮され、吐出口10bから凝縮器側に吐出される。
以下、本実施形態の目標回転数Naの算出処理の詳細について図6、図7を参照して説明する。図6、図7は、目標回転数Naの算出処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、温度センサ76の検出温度Thを検出する。
次のステップS102において、インバータ回路70の目標温度Toと検出温度Thとの差分Δt(=Th−To)を算出する。目標温度Toは、予めメモリ73に記憶された一定の値である。
次のステップS103において、インバータ回路70の目標温度Toに検出温度Thを近づけるために要求回転数Ncに加算すべき補正値ΔNc_thを決める。
補正値ΔNc_thを決めるに際して、マップデータ73aが用いられる。マップデータ73aは、メモリ73に予め記憶されるもので、差分Δtとしての複数の値と補正値ΔNc_thとしての複数の候補値とを備え、差分Δtと補正値ΔNc_thとが1対1で特定されるように構成されている。差分Δtが大きくなるほど大きな候補値が補正値ΔNc_thとして決められる。
また、インバータ回路70のトランジスタSW1…SW6がスイッチング動作を行う際に、直流電源90からインバータ回路70に出力される出力電圧が大きくなるほど、トランジスタSW1…SW6から発生する熱量が大きくなり、インバータ回路70の温度が上昇する。
例えば、走行用電動機4が回生運転を行うと、走行用電動機4から出力される電気エネルギが走行系制御装置3を介して直流電源90に戻されるので、直流電源90の出力電圧が高くなる。このため、走行用電動機4が回生運転を行うと、直流電源90の出力電圧が上昇して、インバータ回路70の温度が上昇することになる。
これに対し、直流電源90の出力電圧に基づくインバータ回路70の温度上昇を抑えるために、要求回転数Ncに加算すべき補正値ΔNc_Vdcを決める。
具体的には、次のステップS104において、分圧回路71の出力電圧Vdcを検出する。出力電圧Vdcは、直流電源90からローパスフィルタ回路79を通してインバータ回路70に出力される出力電圧を示すパラメータである。
次のステップS105では、出力電圧Vdcのうち所定周波数以上の電圧成分を交流成分ΔVdcとして抽出する。
次のステップS106では、出力電圧Vdcの上昇に基づくインバータ回路70の温度上昇を抑えるために、要求回転数Ncに加算すべき補正値ΔNc_Vdcを決める。
補正値ΔNc_Vdcを決める際には、マップデータ73bが用いられる。マップデータ73bは、メモリ73に予め記憶されるもので、交流成分ΔVdcとしての複数の値と補正値ΔNc_Vdcとしての複数の候補値とを備え、交流成分ΔVdと補正値ΔNc_Vdcとが1対1で特定されるように構成されている。交流成分ΔVdが大きくなるほど大きな候補値が補正値ΔNc_Vdとして決められる。
次のステップS107では、要求回転数Ncに補正値ΔNc_thと補正値ΔNc_Vdとを加算して補正後の要求回転数Nb(=Nc+ΔNc_th+ΔNc_Vd)を求める。
なお、ステップS101、S102、S103、S104、S105、S106、S107が、特許請求の範囲に記載の回転数補正手段を構成している。
ここで、電動モータ20の回転数が高くなるほど、直流電源90からインバータ回路70に流れる電流が大きくなる。すなわち、電動モータ20の回転数が高くなるほど、ローパスフィルタ回路79の電磁コイル46に流れる電流が大きくなる。このため、電動モータ20の回転数が高くなるほど、電磁コイル46から発生する熱量が増え、電磁コイル46の温度が高くなる。
これに対し、図7のステップS108では、電磁コイル46の温度上昇を抑制するために、マップデータ73cに基づいて、電動モータ20の回転数の上限値Ncmaxを決める。
ここで、温度センサ76の検出温度Thを、直流電源90からインバータ回路70に与えられる入力電力に相関関係を有するパラメータとする。分圧回路71の出力電圧Vdcを、直流電源90からローパスフィルタ回路79を通してインバータ回路70に与えられる入力電圧を示すパラメータとする。そして、温度センサ76の検出温度Thを分圧回路71の出力電圧Vdcで割り算した値を直流電源90とインバータ回路70との間で電磁コイル46に流れる電流に相関関係を有するパラメータとする。
まず、検出温度Thを出力電圧Vdcで割り算した値を、電磁コイル46に流れる電流の推定値として求める。なお、以下、電流の推定値を電流推定値Imという。
マップデータ73cには、電流推定値Imとしての複数の値と上限値Ncmaxとしての複数の候補値とを備え、電流推定値Imと上限値Ncmaxとが1対1で特定されるように構成されている。電流推定値Imが大きくなるほど、小さい候補値を上限値Ncmaxとして決める。
次に、ステップS109において、補正後の要求回転数Nbが上限値Ncmax未満であるか否かを判定する。補正後の要求回転数Nbが上限値Ncmax未満であるときにはYESと判定して、補正後の要求回転数Nbを補正後の要求回転数Ndとする。補正後の要求回転数Nbが上限値Ncmax以上であるときにはNoと判定して、上限値Ncmaxを補正後の要求回転数Ndとする。
このように決められた補正後の要求回転数Ndに電動モータ20の実際の回転数を近づけるように電動モータ20を制御した場合には、電動モータ20に大きな回転角加速度が生じる場合がある。
このため、電動コンプレッサ1の騒音が急変し、当該車両の乗員に違和感を与える可能性がある。
ここで、走行用電動機4が力行運転、或いは回生運転を行うときには、走行用電動機4から音が発生するものの、乗員にとって走行用電動機4から発生する音に慣れている。
そこで、図7のステップS112〜S115では、電動モータ20に回転角加速度が生じるタイミングを走行用電動機4の力行運転、或いは回生運転に同期させるために、補正後の要求回転数Ndを補正する。これは、上述の騒音により乗員に与える違和感を減らすためである。以下、補正後の要求回転数Ndを補正する処理について説明する。
まず、走行用電動機4が回生運転を行うと、走行用電動機4から出力される電気エネルギが走行系制御装置3を介して直流電源90に戻されるので、直流電源90の出力電圧が高くなる。そこで、ステップS112において、交流成分ΔVdcが閾値Vk以上であるか否かを判定することにより、走行用電動機4が回生運転を行っているか否かを判定する。
このため、交流成分ΔVdcが閾値Vk以上であるとき、走行用電動機4が回生運転を行っているとしてYESと判定して、ステップS114において、電動モータ20に生じる回転角加速度が回転角加速度A以下になるように回転角加速度を制限する。
ここで、電動モータ20の回転数を補正後の要求回転数Ndに近づけるように電動モータ20を制御した場合に、電動モータ20の回転数が高くなる場合には、回転角加速度Aが正の値に設定され、電動モータ20の回転数が減る場合には、回転角加速度Aが負の値に設定される。回転角加速度Aは、第2の回転角加速度に相当するものである。
その後、ステップS115に進んで、補正後の要求回転数Ndを補正して目標回転数Naを算出する。なお、目標回転数Naの算出処理は後述する。
走行用電動機4が力行運転を行うと、直流電源90から電気エネルギが走行用電動機4に供給されるので、直流電源90の出力電圧が低下する。そこで、ステップS113では、交流成分ΔVdcが閾値Vr未満であるか否かを判定することにより、走行用電動機4が力行運転を行っているか否かを判定する。閾値Vrは、閾値Vkより低い値である。
このため、交流成分ΔVdcが閾値Vr未満であるときには、上述のステップS112においてNOと判定した後に、次のステップS113において、走行用電動機4が力行運転を行っているとしてYESと判定する。この場合、ステップS115に進む。
また、交流成分ΔVdcが閾値Vk未満で、かつ閾値Vr以上であるときには、上述のステップS112でNOと判定した後に、走行用電動機4が力行運転および回生運転のいずれも行っていないとして、上述のステップS113でNOと判定する。
この場合、ステップS116に進んで、電動モータ20に生じる回転角加速度が回転角加速度B以下になるように回転角加速度を制限する。
ここで、電動モータ20の回転数を補正後の要求回転数Ndに近づけるように電動モータ20を制御した場合に、電動モータ20の回転数が高くなる場合には、回転角加速度Bが正の値に設定され、電動モータ20の回転数が減る場合には、回転角加速度Bが負の値に設定される。回転角加速度Bは、第1の回転角加速度に相当するものである。
次に、ステップS117に進んで、補正後の要求回転数Ndを補正して目標回転数Naを算出する。なお、目標回転数Naの算出処理は後述する。
回転角加速度Bの絶対値は、回転角加速度Aの絶対値より小さい値である。すなわち、回転角加速度Aの絶対値は、回転角加速度Bの絶対値より大きな値である。
このように交流成分ΔVdcの値に応じてステップS115、S117のいずれかに移行して目標回転数Naを算出する。まず、ステップS115における目標回転数Naの算出処理について説明する。
ここで、nを上述の回転数制御処理(図5参照)の実行回数とし、前回の目標回転数Naを目標回転数Na(n−1)、今回の目標回転数Naを目標回転数Na(n)とする。
まず、電動モータ20の回転数を前回の目標回転数Na(n−1)から補正後の要求回転数Ndに変化させた場合に電動モータ20に生じる回転角加速度Ka(=(Nd−Na(n−1))/T))を求める。サンプリング期間Tは、上述の一定期間Tと同一時間である。さらに、回転角加速度Kaの絶対値|Ka|を求める。
これに加えて、回転角加速度Aの絶対値|A|を求める。さらに、電動モータ20に回転角加速度Aが発生した場合にサンプリング期間Tの間において電動モータ20に生じる回転数変化分ΔN1(=回転角加速度A×サンプリング期間T)求める。
以下、回転角加速度Kaに応じて(1)、(2)、(3)、(4)の4つの場合に分けて説明する。
(1)回転角加速度Kaが正の値で、かつ回転角加速度Kaが回転角加速度Aの絶対値|A|より大きい場合には、前回の目標回転数Na(n−1)に回転数変化分ΔN1を加算した値(=Na(n−1)+ΔN1)を目標回転数Na(n)として求める。この場合、回転数変化分ΔN1は正の値になる。
(2)回転角加速度Kaが正の値で、かつ回転角加速度Kaが回転角加速度Aの絶対値|A|より小さい場合には、補正後の要求回転数Ndを目標回転数Na(n)とする。
(3)回転角加速度Kaが負の値で、かつ回転角加速度Kaの絶対値|Ka|が回転角加速度Aの絶対値|A|より大きい場合には、目標回転数Na(n−1)に回転数変化分ΔN1を加算した値(=Na(n−1)+ΔN1)を目標回転数Na(n)として求める。この場合、回転数変化分ΔN1は負の値になる。
(4)回転角加速度Kaが負の値で、かつ回転角加速度Kaの絶対値|Ka|が回転角加速度Aの絶対値|A|より小さい場合には、補正後の要求回転数Ndを目標回転数Na(n)とする。
次に、ステップS117における目標回転数Naの算出処理について説明する。
上述と同様に、回転角加速度Ka(=(Nd−Na(n−1))/T))と、回転角加速度Kaの絶対値|Ka|を求める。これに加えて、回転角加速度Bの絶対値|B|を求める。さらに、電動モータ20に回転角加速度Bが発生した場合にサンプリング期間Tの間において電動モータ20に生じる回転数変化分ΔN2(=回転角加速度B×サンプリング期間T)求める。
以下、(1)、(2)、(3)、(4)の4つの場合に分けて説明する。
(1)回転角加速度Kaが正の値で、かつ回転角加速度Kaが回転角加速度Bの絶対値|B|より大きい場合、前回の目標回転数Na(n−1)に回転数変化分ΔN2を加算した値(=Na(n−1)+ΔN2)を目標回転数Na(n)として求める。この場合、回転数変化分ΔN2は正の値になる。
(2)回転角加速度Kaが正の値で、かつ回転角加速度Kaが回転角加速度Bの絶対値|B|より小さいときには、補正後の要求回転数Ndを目標回転数Na(n)とする。
(3)回転角加速度Kaが負の値で、かつ回転角加速度Kaの絶対値|Ka|が回転角加速度Bの絶対値|B|より大きい場合には、目標回転数Na(n−1)に回転数変化分ΔN2を加算した値(=Na(n−1)+ΔN2)を目標回転数Na(n)として求める。この場合、回転数変化分ΔN2は負の値になる。
(4)回転角加速度Kaが負の値で、かつ回転角加速度Kaの絶対値|Ka|が回転角加速度Bの絶対値|B|より小さいときには、補正後の要求回転数Ndを目標回転数Na(n)とする。
以上のように走行用電動機4の動作状態に応じて、回転角加速度A、Bのうちいずれか一方の回転角加速度が電動モータ20に生じることが許可される。この許可された回転角加速度に応じて補正後の要求回転数Ndを補正して目標回転数Na(n)を求める。
その後、図5のステップS200に戻り、目標回転数Na(n)に応じてインバータ回路70を制御することになる。
以上説明した本実施形態によれば、制御回路72は、電子制御装置80から出力される要求回転数Ncに対して、補正値ΔNc_thと補正値ΔNc_Vdとを加算して補正後の要求回転数Nbを求める。そして、電動モータ20の実際の回転数が上限値Ncmax以下になるように補正後の要求回転数Nbを補正して補正後の要求回転数Ndを求める。さらに、走行用電動機4の動作状態に応じて制限される回転角加速度に応じて補正後の要求回転数Ndを補正して目標回転数Na(n)を求める。
これに加えて、制御回路72が、インバータ回路70を介して電動モータ20を制御して、目標回転数Na(n)で電動モータ20を回転させる。このことにより、制御回路72は、電動モータ20の回転数を補正後の要求回転数Nbに近づけつつ、電動モータ20の回転数が上限値Ncmax以下になるように電動モータ20を制御することになる。
したがって、本実施形態によれば、電子制御装置80から出力される要求回転数Ncで電動モータ20を回転させる場合に比べて、電動モータ20の回転数を高くすることができる。これに伴い、ハウジング10内に吸入される吸入冷媒の量を増やして、インバータ回路70を冷却する冷却能力を大きくすることができる。
これに加えて、制御回路72が、上述の如く、電動モータ20の回転数が上限値Ncmax以下になるように電動モータ20を制御することになる。このため、電磁コイル46に流れる電流が増加することを抑制することができる。すなわち、電磁コイル46から発生する熱量の増加を抑えることができる。
以上により、インバータ回路70を冷却しつつ、フィルタ回路79の電磁コイル46の温度上昇を抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、電動モータ20の始動開始後一定期間において電動モータ20の回転数の上限値Ncmaxを大きくして、電動コンプレッサ1の吐出冷媒量を増やすようにした本第2実施形態を示す。
本実施形態について図8を参照して説明する。図8は、上限値Ncmaxの算出処理の詳細を示すフローチャートであり、図7のステップS108に代えて用いられる。
以下、制御回路72における上限値Ncmaxの算出処理について説明する。
まず、ステップS120において、電動モータ20の始動開始後一定期間内であるか否かを判定する。電動モータ20の始動開始後一定期間内であるときには、ステップS120でYESと判定する。これに伴い、ステップS121に進んで、時定数τ1に基づいて温度センサ76の検出温度Thの変化に遅延を生じさせて、当該検出温度Thの変化に遅延が生じた検出温度ThLPfを求める。
まず、前回の温度センサ76の検出温度をTh(n−1)、今回の温度センサ76の検出温度をTh(n)とする。
次に、前回の検出温度Th(n−1)と今回の検出温度Th(n)との間の変化量E(=Th(n)−Th(n−1))を求める。次に、変化量Eと時定数τ1とを次の数式1の関数K1(t)とに代入する。
K1(t)=E(1−exp(−t/τ1))…数式1
なお、K1(t)は、その値が時間tの経過に伴って徐々に上昇する関数であり、K1(t)は、時刻tに時定数τ1を代入したときに、E×0.632の値となる関数である。
次に、数式1中の時間tにサンプリング時間Tを代入してK1(T)を求める。加えて、前回の検出温度Th(n−1)にK1(T)を加えた値(=Th(n−1)+K1(T))を検出温度ThLPfとして求める。
次に、ステップS122に進んで、上述の検出温度ThLPfと分圧回路71の出力電圧Vdcとを用いて電動モータ20の回転数の上限値Ncmaxを決める。
具体的には、検出温度ThLPfを出力電圧Vdcで割り算した値を電流推定値Imとする。さらに、マップデータ73cのうち電流推定値Imに対応した候補値を上限値Ncmaxとして求める。
このように、電動モータ20の始動開始後一定期間内であるときには、検出温度ThLPfを用いて上限値Ncmaxを求めることになる。
また、電動モータ20の始動開始後一定期間経過した後には、ステップS120においてNOと判定する。これに伴い、ステップS122に進んで、上述の第1実施形態と同様に、電流推定値Im(=検出温度Th/出力電圧Vdc)を用いて上限値Ncmaxを求める。
以上説明した本実施形態によれば、電動モータ20の始動開始後一定期間内であるときには、上述の検出温度ThLPfと出力電圧Vdcとを用いて電動モータ20の回転数の上限値Ncmaxを決める。
ここで、電動モータ20の始動開始後一定期間内において、電磁コイル46の温度は、時間の経過に伴って、徐々に上昇する。検出温度ThLPfは、検出温度Thの変化に遅延が生じた検出温度である。このため、上述の検出温度ThLPfは、検出温度Thに比べて小さくなる。
したがって、検出温度ThLPfを用いて算出した電流推定値Imは、検出温度Thを用いて算出した電流推定値Imよりも小さくなる。電流推定値Imが小さくなるほど、上限値Ncmaxとしての大きな値が求められる。このため、本実施形態では、上述の第1実施形態に比べて、電動モータ20の始動開始後一定期間内おける上限値Ncmaxを大きくすることができる。
一般的に、電動モータ20の始動時(すなわち、電動コンプレッサ1の始動時)には、空調装置用冷凍サイクル装置として大きな冷房能力を発揮することが求められる。このため、電子制御装置80から要求回転数Ncとして高い回転数が要求される。
これに対して、本実施形態では、上述の如く、電動モータ20の始動開始後一定期間内おける上限値Ncmaxを高くすることができるので、電子制御装置80からの要求に応じて電動モータ20の回転数を高くすることができる。
なお、上述の第2実施形態では、上限値Ncmaxを算出する際に、温度センサ76の検出温度Thの変化に遅延を生じ検出温度ThLPfを用いた例を示したが、これに代えて、分圧回路71の出力電圧Vdcの変化に遅延を生じ検出電圧を用いて上限値Ncmaxを算出してもよい。
(第3実施形態)
上述の第1実施形態では、インバータ回路70からステータコイル55に出力される電圧を制御して電動モータ20の回転数を制御する電圧型制御について示したが、本第3実施形態では、これに代えて、次のように、電動モータ20の回転数を制御する。
本実施形態では、電動モータ20の回転数を制御する際に、電圧型制御と弱め界磁制御とを用いる。弱め界磁制御は、インバータ回路70からステータコイル55に出力される交流電力を一定に維持しつつ、インバータ回路70からステータコイル55に出力される出力電流を制御して電動モータ20の回転数を制御する周知の制御処理である。
次に、本実施形態の制御回路72の制御処理について図9を参照して説明する。
図9は、制御回路72における出力制御処理を示すフローチャートである。当該出力制御処理は、図5のステップ200の出力制御処理に代えて実行される。出力制御処理は、図5のステップS100で目標回転数Naが算出される毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS140において、上述と同様に、図5のステップS100で算出された目標回転数Naに基づいてステータコイル55に対する電圧指令波を算出する。これに加えて、電圧指令波と搬送波とに基づいて変調率を求める。変調率は、搬送波の波高値H1に対する電圧指令波の波高値H2の比率G(=(H2/H1))を百分率で表したものである。
次に、ステップS141において、変調率Gが100%より大きいか否かを判定する。変調率Gが100%以下であるときには、NOと判定して、ステップS143に移行して、上述の第1実施形態と同様、電圧型制御により電動モータ20の回転数を制御する。
また、ステップS141において、変調率Gが100%より大きいときには、YESと判定する。これに伴い、ステップS142に移行して、弱め界磁制御を実行するための制御信号をトランジスタSW1、SW2、…SW6を出力する。
これに伴い、トランジスタSW1、SW2、SW3、…SW6がスイッチング動作する。これにより、インバータ回路70からステータコイル55に出力される電圧の大きさを一定に維持した状態で、共通接続点T1、T2、T3からステータコイル55に出力される出力電流の電流位相βと電流ベクトルの大きさとが制御されることになる。
具体的には、インバータ回路70からステータコイル55に出力される出力電流を電流センサ75の検出値により推定し、この推定された出力電流を目標電流に近づけることにより、ステータコイル55に出力される出力電流の電流位相βと電流ベクトルの大きさとが制御することになる。
ここで、目標電流の電流ベクトルの大きさは、目標回転数Naが高くなるほど、大きくなる。目標電流の電流位相βは、目標回転数Naが高くなるほど、出力電圧の電圧位相δに対して進む。
したがって、目標回転数Naが高くなるほど、ステータコイル55に出力される出力電流の電流ベクトルの大きさが大きくなる。出力電流の電流位相βは、目標回転数Naが高くなるほど、出力電圧の電圧位相δに対して進む。
ここで、ステップS141の判定の閾値として、変調率Gとしての100%を用いた理由を説明する。
搬送波の波高値として、上述の如く、直流電源90の出力電圧の2分の1の値が用いられている。このため、変調率Gが100%以下であるときには、電圧型制御によりインバータ回路70から電圧指令波に対応する出力電圧をステータコイル55に出力することができる。
しかし、変調率Gが100%より大きくなると、搬送波の波高値H1が電圧指令波の波高値H2より大きくなるので、電圧型制御によりインバータ回路70から電圧指令波に対応する出力電圧をステータコイル55に出力することができなくなる。
ここで、電圧指令波の波高値は、目標回転数Naが大きくなるほど、大きくなるように設定される。すなわち、インバータ回路70の出力電圧は、目標回転数Naが大きくなるほど、大きくなる。
したがって、変調率Gが100%より大きくなると、電圧型制御により目標回転数Naに対応したインバータ回路70の出力電圧をステータコイル55に出力することができなくなる。このため、上述の閾値として、変調率Gとしての100%が用いられる。そして、変調率Gが100%より大きい場合には、上述の弱め界磁制御が実施されることになる。
弱め界磁制御では、上述の如く、インバータ回路70からステータコイル55に出力される出力電力を一定にして、ステータコイル55に出力される出力電流の電流位相βと電流ベクトルの大きさとが制御されることになる。
ここで、出力電流の電流値が大きくなるほど、インバータ回路70から発生する熱量が増える。このため、出力電流の電流値が大きくなるほど、インバータ回路70の温度は上昇する。
しかし、上述の如く、出力電力は一定になっているので、出力電流の電流値の変化に関係なく、直流電源90からインバータ回路70に与えられる入力電力は一定になっている。
すなわち、弱め界磁制御では、入力電力が一定値を維持しつつ、出力電流の電流値に変化が生じることになる。このため、弱め界磁制御を実行する際に、温度センサ76の検出温度Thを、入力電力に相関関係を有するパラメータとして用いると、電圧型制御と弱め界磁制御との間の出力電流の相違に基づいて、当該入力電力に相関関係を有するパラメータに誤差が生じることになる。
したがって、本実施形態では、次のように、温度センサ76の検出温度Thを補正して、この補正した補正後の検出温度Th’を用いて上限値Ncmaxを算出する。以下、本実施形態における上限値Ncmaxの算出処理について図10を参照して説明する。
図10は、上限値Ncmaxの算出処理の詳細を示すフローチャートであり、図7のステップS108に代えて用いられる。
まず、ステップS130において、変調率Gが100%より大きいか否かを判定することにより、弱め界磁制御を実施しているか否かを判定する。
変調率Gは、上述のステップS140と同様に求められるもので、変調率Gが100%より大きい場合には、弱め界磁制御を実施しているとして、ステップS130でYESと判定する。
この場合、ステップS131に進んで、上述したパラメータの誤差ΔThを求める。
具体的には、電流位相βと電圧位相δとの間の位相差θ(=β−δ)を求めるとともに、この位相差θに基づいて力率cosθを求める。加えて、インバータ回路70からステータコイル55に出力される出力電流の電流ベクトルの大きさをIoutとし、この電流ベクトルの大きさIout、力率cosθ、およびゲインKを次の数式2に代入する。
ΔTh=Iout×(1−cosθ)×K…数式2
このような数式2を用いることにより、力率cosθが小さくなるほど、誤差ΔThが大きくなり、電流ベクトルの大きさが大きくなるほど、誤差ΔThが大きくなる。
ここで、電流ベクトルの大きさは、上述の如く、目標回転数Naが高くなるほど、大きくなる。このため、目標回転数Naが高くなるほど、誤差ΔThが大きくなることになる。
次のステップ133では、温度センサ76の検出温度Thから誤差ΔThを引いて補正後の検出温度Th’(=Th−ΔTh)を算出する。これにより、入力電力を示すパラメータの誤差をキャンセルした検出温度を補正後の検出温度Th’として求めることができる。
次のステップ133では、補正後の検出温度Th’を出力電圧Vdcで割り算した値を電流推定値Imとする。そして、マップデータ73cのうち電流推定値Imに対応した候補値として上限値Ncmaxを求める。
これにより、温度センサ76の検出温度Thからパラメータの誤差をキャンセルして、この誤差がキャンセルされた補正後の検出温度Th’に基づいて、上限値Ncmaxとして正確な値を求めることができる。
また、ステップS130において、変調率Gが100%以下であるときには、電圧型制御が実施されているとしてNOと判定する。この場合、ステップS132において、誤差ΔThを零として、次のステップS133では、誤差ΔTh=0として補正後の検出温度Th’を算出する。これに伴い、次のステップ133では、当該検出温度Th’に基づいて上限値Ncmaxを求める。この上限値Ncmaxを求める処理は、上述の第1実施形態と同様であるため、その処理の説明は省略する。
以上説明した本実施形態では、弱め界磁制御を実施する場合には、補正後の検出温度Th’を用いて電流推定値Imを算出して、マップデータ73cのうち電流推定値Imに対応した候補値を上限値Ncmaxとして求める。したがって、弱め界磁制御を実施する場合には、電圧型制御を実施する際に用いたマップデータ73dを用いることができる。すなわち、弱め界磁制御を実施する場合と、電圧型制御を実施する場合とで、共通のマップデータ73dを用いることができる。
上述の各実施形態では、電流推定値Imに基づいて上限値Ncmaxを求めて、電動モータ20の回転数が上限値Ncmax以下になるように電動モータ20を制御した例を示したが、これに代えて、電流推定値Imに基づいて変調率Gの上限値を求め、この変調率Gの上限値を用いて電動モータ20の回転数が上限値Ncmax以下になるように電動モータ20を制御してもよい。変調率Gは、電動モータ20の回転数に相関関係を有する情報である。
上述の各実施形態では、電動モータ20に出力される出力電流を求めるために、負極母線70bに流れる電流を検出する電流センサ76を用いる例を示したが、これに代えて、共通接続点T1、T2、T3からステータコイル55に出力される三相交流電流を検出するセンサを用いてもよい。
上述の各実施形態では、本発明に係る電動コンプレッサを空調装置用冷凍サイクル装置に適用した例を示したが、これに限らず、給湯機用冷凍サイクル装置、など各種の冷凍サイクル装置に適用してもよい。
本発明の第1実施形態における電動コンプレッサの部分断面を示す図である。 図1の電動コンプレッサの部分断面の上面図である。 図1中のA−A断面図である。 図1中の駆動装置の電気回路を示す回路図である。 図4の制御回路の制御処理を示すフローチャートである。 図5中の目標回転数演算処理の一部を示すフローチャートである。 図5中の目標回転数演算処理の残りを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における制御回路の制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態における制御回路の制御処理の一部を示すフローチャートである。 第3実施形態における制御回路の制御処理の残りを示すフローチャートである。
符号の説明
1 電動コンプレッサ
10 ハウジング
20 電動モータ
23 ステータコア
30 圧縮機構
40 駆動装置
45 回路基板
46 電磁コイル
47 コンデンサ
50 カバー部材
70 インバータ回路
71a 抵抗素子
71b 抵抗素子
72 制御回路
73 メモリ
75 電流センサ
76 温度センサ
77 通信回路
78 直流電源
79 ローパスフィルタ回路
80 電子制御装置
SW1 トランジスタ
SW2 トランジスタ
SW3 トランジスタ
SW4 トランジスタ
SW5 トランジスタ
SW6 トランジスタ

Claims (9)

  1. ハウジング(10)内に配置されて冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機構(30)と、前記ハウジング(10)内に配置されて前記圧縮機構(30)を駆動する電動モータ(20)とを備える電動コンプレッサに適用され、電子制御装置から出力される要求回転数に応じて前記電動モータ(20)を駆動する電動コンプレッサの駆動装置であって、
    前記ハウジング(10)の外側に装着され、かつ直流電源(90)から電力供給されて、複数のスイッチング素子(SW1、SW2、…SW6)のスイッチング動作に伴って前記電動モータに交流電流を出力して前記電動モータを駆動するインバータ回路(70)と、
    前記ハウジング(10)の外側に装着され、かつ前記直流電源(90)と前記インバータ回路(70)との間に接続されて、ローパスフィルタ回路(79)を構成する電磁コイル(46)とを備え、
    前記電磁コイルと前記複数のスイッチング素子とは、前記圧縮機構により前記ハウジング内に吸入される吸入冷媒により冷却されるようになっており、
    前記インバータ回路(70)の温度を検出する温度検出手段(76)と、
    前記直流電源(90)の出力電圧を検出する電圧検出手段(71)と、
    前記温度検出手段(76)の検出温度と前記電圧検出手段(71)の検出電圧と基づいて、前記直流電源(90)と前記インバータ回路(70)との間で前記電磁コイル(46)に流れる電流値を推定し、この推定された電流値が大きくなるほど前記電動モータの回転数の上限値を下げるように前記上限値を決める上限値決定手段(S108)と、
    前記温度検出手段(76)の検出温度を目標温度に近づけるために前記電動モータの回転数を上げるように前記要求回転数を補正する回転数補正手段(S101…S107)と、
    前記インバータ回路(70)を介して前記電動モータを制御して、前記回転数補正手段(S101…S107)により補正された補正後の要求回転数に前記電動モータの回転数を近づけつつ、前記電動モータの回転数が前記上限値以下になるように前記電動モータの回転数を制御する回転数制御手段(S109、S110、S111、S200)と、を備えることを特徴とする電動コンプレッサの駆動装置。
  2. 前記回転数補正手段(S101…S107)は、前記温度検出手段(76)の検出温度を前記目標温度に近づけるために前記要求回転数に加算すべき補正値を求めるとともに、この求められた補正値を前記要求回転数に加算して前記補正後の要求回転数を求めるものであり、
    さらに前記回転数補正手段(S101…S107)は、前記温度検出手段(76)の検出温度と前記目標温度との温度差が大きいほど前記補正値を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  3. 前記回転数補正手段(S101…S107)は、前記電圧検出手段(71)の検出電圧が高い場合ほど、前記インバータ回路(70)の温度が上昇するとして、前記補正値を大きく設定することを特徴とする請求項1または2に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  4. 前記上限値決定手段(S108)は、
    前記温度検出手段(76)の検出温度の変化に遅れを生じさせる温度変化遅延手段(S121)と、
    前記温度変化遅延手段により前記変化に遅延が生じた前記検出温度に基づいて前記上限値を決める決定手段(S122)と、を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  5. 前記上限値決定手段(S108)は、前記電動モータの始動開始後一定期間内であるか否かを判定する判定手段(S120)を備え、
    前記電動モータの始動開始後一定期間内であると前記判定手段が判定したときには、前記決定手段(S122)が前記温度変化遅延手段により前記変化に遅延が生じた前記検出温度に基づいて前記上限値を決めるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  6. 前記電磁コイル(46)に流れる電流値毎に前記上限値としての候補値を記憶する記憶手段(73c)を備え、
    前記上限値決定手段(S108)は、前記温度検出手段(76)の検出温度と前記電圧検出手段(71)の検出電圧とに基づいて前記電磁コイル(46)に流れる電流値を推定し、前記記憶手段(73)に記憶された前記電流値毎の前記候補値のうち、前記推定された電流値に対応する前記候補値を前記上限値として決めることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  7. 前記回転数制御手段(S200)は、
    前記インバータ回路(70)から前記電動モータに出力される出力電圧を制御することにより、前記電動モータの回転数を制御する第1の制御手段(S143)と、
    前記インバータ回路(70)から前記電動モータに出力される出力電力を一定に維持しつつ、前記インバータ回路(70)から前記電動モータに出力される出力電流を制御することにより、前記電動モータの回転数を制御する第2の制御手段(S142)と、を備え、
    前記記憶手段(73)には、前記第1の制御手段により前記電動モータの回転数を制御する際に用いられる前記上限値としての候補値が記電流値毎に記憶されており、
    前記第1、第2の制御手段の間の前記出力電流の相違に基づく前記入力電力の誤差をキャンセルするように、前記温度検出手段(76)の検出温度を補正する補正手段(S133)を備え、
    前記第2の制御手段が電動モータの回転数を制御する場合には、前記上限値決定手段(S108)は、前記補正手段により補正された前記温度検出手段(76)の検出温度と前記電圧検出手段(71)の検出電圧とに基づいて前記電流値を推定するとともに、前記記憶手段(73)に記憶された前記電流値毎の前記候補値のうち、前記推定された電流値に対応する前記候補値を前記上限値として決めることを特徴とする請求項6に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  8. 前記回転数制御手段(S109、S110、S111、S200)は、
    前記補正後の要求回転数が前記上限値未満であるときには、前記補正後の要求回転数を目標回転数とし、前記補正後の要求回転数が前記上限値以上であるときには前記上限値を前記目標回転数とする回転数制限手段(S109、S110、S111)と、
    前記電動モータの回転数を前記目標回転数に近づけるように前記電動モータを制御するモータ制御手段(S200)と、を備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の電動コンプレッサの駆動装置が適用された車両用電動コンプレッサの駆動装置であって、
    前記直流電源(90)は、前記電動モータ以外に、当該車両の走行用電動機(4)に電力を供給するものであり、
    前記走行用電動機(4)は、前記車両の駆動輪を駆動する力行運転と、前記駆動輪の回転力により電気エネルギを出力する回生運転とを行うものであり、
    前記走行用電動機(4)から出力された電気エネルギが前記直流電源(90)に戻されるようになっており、
    前記直流電源(90)の出力電圧に基づいて、前記走行用電動機(4)が前記力行運転および前記回生運転のうちいずれか一方の運転を実施しているか否かを判定する判定手段(S112、S113)と、
    前記走行用電動機(4)が前記力行運転および前記回生運転のいずれも実施していないと判定したときには、前記補正後の要求回転数に応じて前記電動モータに生じる回転角加速度を第1の回転角加速度以下になるように制限する第1の制限手段(S116)と、
    前記走行用電動機(4)が前記一方の運転を実施していると前記判定手段(S112、S113)が判定したときには、前記補正後の要求回転数に応じて前記電動モータに生じる回転角加速度を第2の回転角加速度以下になるように制限する第2の制限手段(S114)と、を備え、
    前記第2の回転角加速度の絶対値は、前記第1の回転角加速度の絶対値より大きい値であることを特徴とする車両用電動コンプレッサの駆動装置。
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