JP5067028B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP5067028B2
JP5067028B2 JP2007155384A JP2007155384A JP5067028B2 JP 5067028 B2 JP5067028 B2 JP 5067028B2 JP 2007155384 A JP2007155384 A JP 2007155384A JP 2007155384 A JP2007155384 A JP 2007155384A JP 5067028 B2 JP5067028 B2 JP 5067028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
acid
resin composition
component
positive photosensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007155384A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008309885A (ja
Inventor
寛 松谷
巧 上野
アレクサンドロ ニコラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Resonac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd, Resonac Corp filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2007155384A priority Critical patent/JP5067028B2/ja
Publication of JP2008309885A publication Critical patent/JP2008309885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5067028B2 publication Critical patent/JP5067028B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイスに関する。
近年、半導体素子の高集積化、大型化が進み、封止樹脂パッケージの薄型化、小型化の要求がある。これに伴い、半導体素子の表面保護層及び層間絶縁膜や、半導体パッケージの再配線層を、より優れた電気特性、耐熱性、機械特性等を併せ持つ材料により形成することが求められている。ポリイミド樹脂はそのような要求特性を満足し得る材料の一つであり、例えば、ポリイミド樹脂に感光特性を付与した感光性ポリイミドの使用が検討されている。感光性ポリイミドを用いると、パターン形成工程が簡略化され、煩雑な製造工程が短縮できるという利点がある(例えば、特許文献1、2参照)。
ポリイミド樹脂の膜は、一般に、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られるポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の溶液(いわゆるワニス)をスピンコート等の方法で薄膜化し、熱的に脱水閉環して形成される(例えば、非特許文献1参照)。この脱水閉環の過程を経てポリイミド樹脂が硬化する。しかし、ポリイミド前駆体を用いたポリイミド樹脂の場合、硬化の際に脱水(イミド化)に起因する体積収縮が起き、膜厚の損失及び寸法精度の低下が起きるという問題がある。また、最近、低温での膜形成プロセスが望まれており、低温で脱水閉環が可能でありながら、脱水閉環後の膜の物性が高温で脱水閉環したものと遜色ない性能を有するようなポリイミド樹脂が求められている。ところが、ポリイミド前駆体を低温で硬化すると、イミド化が不完全であるために、形成される硬化膜は脆くなる等、その物性が低下する。
一方、ポリイミド前駆体のように脱水閉環を必要とせず、高い耐熱性を有する他のポリマーを用いた感光性樹脂について検討されている(例えば、非特許文献2、特許文献3〜7)。特に近年、半導体パッケージの再配線層等の用途において、環境負荷低減の観点から、アルカリ水溶液により現像可能でありながら、高い耐熱性を有するパターンを形成可能なポジ型感光性樹脂組成物が求められている。
特開昭49−115541号公報 特開昭59−108031号公報 国際公開第2004/006020号パンフレット 特開2006−106214号公報 特開2004−2753号公報 特開2004−190008号公報 特許第3812654号公報 日本ポリイミド研究会編「最新ポリイミド〜基礎と応用〜」(2002年) J.Photopolym.Sci.Technol.2005年、18巻、p.321−325
しかし、アルカリ水溶液で現像可能な従来のポジ型感光性樹脂組成物は、耐熱性等の点ではある程度良好な特性を有するものの、感度及び解像度の点で更なる改良が求められていた。
そこで、本発明は、アルカリ水溶液で現像可能なポジ型感光性樹脂組成物において、感度及び解像度の更なる改善を図ることを目的とする。また、本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、十分に高い感度及び解像度で、良好な耐熱性を有するレジストパターンを形成する方法、及び係る方法により形成されたレジストパターンを有する電子部品を備える電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)光により酸を生成する化合物、(C)エラストマー、(D)フェノール性水酸基を有する低分子化合物、及び(E)溶剤を含有する。
かかるポジ型感光性樹脂組成物によれば、十分に高い感度及び解像度で、レジストパターンを形成することが可能である。本発明のポジ型感光性樹脂組成物によりこのような効果が得られる理由は必ずしも明らかでないが、本発明者らは次のように考えている。
すなわち、本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、レジストパターンを製造する際に露光部のアルカリ水溶液に対する溶解速度が増加するため、感度が十分に高いと考えられる。さらに、本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、レジストパターンを製造する際に露光部をアルカリ水溶液により溶解させることが容易となるため、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差が大きくなり解像性が向上すると考えられる。
(A)成分は、コストが安いことや硬化時の体積収縮が小さいことから、フェノール樹脂であることが好ましい。また、(A)成分は、電気特性(絶縁性)に優れることや硬化時の体積収縮が小さいことから、フェノール性水酸基を有するモノマー単位を含むビニル重合体であることも好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、レジストパターンを形成する際の解像性が更に向上することから、(A)成分100重量部に対して、(D)成分1〜50重量部を含有することが好ましい。
(B)成分は、レジストパターンを形成する際の感度が更に向上することから、o−キノンジアジド化合物であることが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(F)加熱により酸を生成する化合物を更に含有することが好ましい。これによれば、感光性樹脂膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となり、(A)成分と(D)成分との反応、すなわち熱架橋反応が促進され、硬化膜の耐熱性が向上する。
また、本発明のレジストパターンの製造方法は、上述のポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜を露光する工程と、露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン化する工程と、パターン化された感光性樹脂膜を加熱する工程とを備える。このような製造方法によれば、上述のポジ型感光性樹脂組成物を用いているため、十分に高い感度及び解像度で、良好な耐熱性を有するレジストパターンを形成することができる。
本発明のレジストパターンの製造方法においては、パターン化された感光性樹脂膜を200℃以下に加熱することが好ましい。これにより、電子デバイスに対する熱によるダメージを十分に防止することができる。
さらに、本発明の電子デバイスは、上述の製造方法により形成されるレジストパターンを層間絶縁膜又は表面保護層として有する電子部品を備える。かかる電子デバイスは、上述のポジ型感光性樹脂組成物から形成されるレジストパターンを有するため、優れた効果を発揮する。
本発明は、十分に高い感度及び解像度で、良好な現像時の密着性及び良好な耐熱性を有する、良好な形状のレジストパターンを形成することが可能なポジ型感光性樹脂組成物を提供する。本発明のポジ型感光性樹脂組成物によれば、200℃以下の低温加熱プロセスで、レジストパターンを形成可能であるため、電子デバイスへの熱によるダメージを防止することができ、信頼性の高い電子部品を歩留りよく提供することができる。
また、本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、十分に高い感度及び解像度で、良好な耐熱性を有するレジストパターンを形成する方法、及び係る方法により形成されたレジストパターンを有する電子部品を備えた電子デバイスを提供する。本発明の方法により形成されるレジストパターンは、良好な形状と特性を有し、硬化時の体積収縮が少ないため、寸法安定性が高い。
以下に、本発明にかかるポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子部品の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
[ポジ型感光性樹脂組成物]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)光により酸を生成する化合物、(C)エラストマー、(D)フェノール性水酸基を有する低分子化合物、及び(E)溶剤を含有する。以下、ポジ型感光性樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
<(A)成分>
(A)成分は、分子中にフェノール性水酸基を有し、アルカリに対して可溶である樹脂である。その具体例としては、ポリ(ヒドロキシスチレン)等のフェノール性水酸基を有するモノマー単位を含むビニル重合体、フェノール樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリ(ヒドロキシアミド)、ポリ(ヒドロキシフェニレン)エーテル、ポリナフトールが挙げられる。
これらの中で、コストが安いことや硬化時の体積収縮が小さいことから、フェノール樹脂が好ましく、ノボラック型フェノール樹脂が特に好ましい。また、電気特性(絶縁性)に優れることや硬化時の体積収縮が小さいことから、フェノール性水酸基を有するモノマー単位を含むビニル重合体、特にポリ(ヒドロキシスチレン)も好ましい。
(フェノール樹脂)
フェノール樹脂としては、例えば、フェノール誘導体とアルデヒド類とを、酸又は塩基等の触媒存在下で、縮合(反応)させることにより得られるものを用いることができる。この中で、酸触媒を用いた場合に得られるフェノール樹脂を特にノボラック型フェノール樹脂という。
フェノール樹脂を得るために用いられるフェノール誘導体としては、例えばフェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール;メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール等のアルコキシフェノール;ビニルフェノール、アリルフェノール等のアルケニルフェノール;ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール;メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール;ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール;クロロフェノール等のハロゲン化フェノール;カテコール、レゾルシノール、ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;α−又はβ−ナフトール等のナフトール誘導体;p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール等のヒドロキシアルキルフェノール;ヒドロキシエチルクレゾール等のヒドロキシアルキルクレゾール;ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物;ビスフェノールのモノプロピレンオキサイド付加物等のアルコール性水酸基含有フェノール誘導体;p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニルブタン酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸、ジフェノール酸等のカルボキシル基含有フェノール誘導体が挙げられる。また、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール等の上記フェノール誘導体のメチロール化物をフェノール誘導体として用いてもよい。
さらに、フェノール樹脂は、上述のフェノール誘導体とm−キシレンのようなフェノール以外の化合物との縮重合生成物であってもよい。この場合、縮重合に用いられるフェノール誘導体に対するフェノール以外の化合物のモル比は、0.5未満であると好ましい。
上述のフェノール誘導体及びフェノール化合物以外の化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
フェノール樹脂を得るために用いられるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニルアセトアルデヒド、アセトン、グリセルアルデヒド、グリオキシル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢酸、ホルミル酢酸メチル、2−ホルミルプロピオン酸、2−ホルミルプロピオン酸メチル、ピルビン酸、レプリン酸、4−アセチルブチル酸、アセトンジカルボン酸、及び3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸が挙げられる。また、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドの前駆体を反応に用いてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
これらのようなフェノール誘導体及びアルデヒド類から得られるフェノール樹脂の具体例としては、フェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、キシリレノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、レゾルシノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂等が挙げられる。
(ポリ(ヒドロキシスチレン))
ポリ(ヒドロキシスチレン)としては、例えば、保護基を導入したヒドロキシスチレンのエチレン性不飽和二重結合を触媒(ラジカル開始剤)の存在下で、重合(ビニル重合)させ、さらに、脱保護することにより得られるものを用いることができる。また、PHS−B(デュポン社商品名)のようなブランチ型のポリ(ヒドロキシスチレン)を用いることもできる。
ここで、ヒドロキシスチレンの保護基としてはアルキル基やシリル基等の従来公知のものを用いることができる。また、スチレンや(メタ)アクリル酸エステル等を、保護基を導入したヒドロキシスチレンに共重合することもできる。
なお、(A)成分の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性や、感光特性と硬化膜物性とのバランスを考慮すると、重量平均分子量で1000〜500000が好ましく、2000〜200000がより好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
<(B)成分>
(B)成分の光により酸を生成する化合物は、感光剤として用いられる。このような(B)成分は、光照射により酸を生成させ、光照射した部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。(B)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。これらの中で、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物やアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られるものを用いることができる。
反応に用いられるo−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が挙げられる。
反応に用いられるヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
反応に用いられるアミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
反応に用いられる脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等があげられる。また、反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等が用いられる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基とのモル数の合計が0.5〜1になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい配合割合は、0.95/1モル当量〜1/0.95モル当量の範囲である。
なお、上述の反応の好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
このような(B)成分の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、(A)成分100重量部に対して3〜100重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましく、5〜30重量部が最も好ましい。
<(C)成分>
(C)成分のエラストマーは、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化体に柔軟性を付与するために用いられる。エラストマーとしては、従来公知のものを用いることができるが、エラストマーを構成する重合体のTgが20℃以下であることが好ましい。
このようなエラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー及びシリコーン系エラストマー等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−メタクリレートブロックポリマー等が挙げられる。スチレン系エラストマーを構成する成分としては、スチレンのほかに、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等のスチレン誘導体を用いることができる。
スチレン系エラストマーの具体例としては、タフプレン、ソルプレンT、アサプレンT、タフテック(以上、旭化成工業社製)、エラストマーAR(アロン化成社製)、クレイトンG、カリフレックス(以上、シェルジャパン社製)、JSR−TR、TSR−SIS、ダイナロン(以上、JSR社製)、デンカSTR(電気化学社製)、クインタック(日本ゼオン社製)、TPE−SBシリーズ(住友化学社製)、ラバロン(三菱化学社製)、セプトン、ハイブラー(以上、クラレ社製)、スミフレックス(住友ベークライト社製)、レオストマー、アクティマー(以上、理研ビニル工業社製)、パラロイドEXLシリーズ(ロームアンドハース社製)等が挙げられる。
オレフィン系エラストマーとしては、例えば、炭素数2〜20のα−オレフィンの共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM))、炭素数2〜20のジエン類とα−オレフィンとの共重合体、エポキシ化ポリブタジエンブタジエン−アクリロニトリル共重合体にメタクリル酸を共重合したカルボキシ変性NBR、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体ゴム、プロピレン−α−オレフィン共重合体ゴム及びブテン−α−オレフィン共重合体ゴム等が挙げられる。炭素数2〜20のα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、炭素数2〜20のジエン類の具体例としては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタンジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
オレフィン系エラストマーの具体例としては、ミラストマ(三井石油化学社製)、EXACT(エクソン化学社製)、ENGAGE(ダウケミカル社製)、Nipolシリーズ(日本ゼオン社製)、水添スチレン−ブタジエンラバーDYNABON HSBR(JSR社製)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体NBRシリーズ(JSR社製)、架橋点を有する両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体のXERシリーズ(JSR社製)、ポリブタジエンを部分的にエポキシ化したエポキシ化ポリブダジエンのBF−1000(日本曹達社製)、液状ブタジエン−アクリロニトリル共重合体HYCARシリーズ(宇部興産社製)等が挙げられる。
ウレタン系エラストマーは、低分子(短鎖)ジオール及びジイソシアネートからなるハードセグメントと、高分子(長鎖)ジオール及びジイソシアネートからなるソフトセグメントと、の構造単位からなるものである。高分子(長鎖)ジオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレン−1,4−ブチレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)、ポリ(1,6−へキシレン−ネオペンチレンアジペート)等が挙げられる。高分子(長鎖)ジオールの数平均分子量は、500〜10000であることが好ましい。低分子(短鎖)ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等が挙げられる。短鎖ジオールの数平均分子量は、48〜500であることが好ましい。
ウレタン系エラストマーの具体例としては、PANDEX T−2185、T−2983N(以上、大日本インキ化学工業社製)、シラクトランE790、ヒタロイドシリーズ(日立化成工業製)等が挙げられる。
ポリエステル系エラストマーは、ジカルボン酸又はその誘導体とジオール化合物又はその誘導体とを重縮合して得られるものである。ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの芳香環の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、並びに、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。これらの化合物は1種又は2種以上を用いることができる。ジオール化合物の具体例として、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂肪族ジオール及び脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、レゾルシン等が挙げられる。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、芳香族ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート)部分をハードセグメント成分に、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリテトラメチレングリコール)部分をソフトセグメント成分にしたマルチブロック共重合体を、ポリエステル系エラストマーとして用いることもできる。ポリエステル系エラストマーは、ハードセグメント及びソフトセグメントの種類、比率、並びに分子量の違い等により様々なグレードのものがある。
ポリエステル系エラストマーの具体例としては、ハイトレル(デュポン−東レ社製)、ペルプレン(東洋紡績社製)、エスペル(日立化成工業社製)等が挙げられる。
ポリアミド系エラストマーは、ポリアミドからなるハードセグメントと、ポリエーテル又はポリエステルからなるソフトセグメントと、から構成されるものであり、ポリエーテルブロックアミド型とポリエーテルエステルブロックアミド型との2種類に大別される。ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12等が挙げられる。ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリアミド系エラストマーの具体例としては、UBEポリアミドエラストマー(宇部興産社製)、ダイアミド(ダイセルヒュルス社製)、PEBAX(東レ社製)、グリロンELY(エムスジャパン社製)、ノバミッド(三菱化学社製)、グリラックス(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
アクリル系エラストマーは、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステルと、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する単量体及び/又はアクリロニトリルやエチレン等のビニル系単量体とを共重合して得られるものである。
このようなアクリル系エラストマーとしては、例えば、アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
シリコーン系エラストマーは、オルガノポリシロキサンを主成分としたものであり、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系、ポリジフェニルシロキサン系に分類される。また、オルガノポリシロキサンの一部をビニル基、アルコキシ基等で変性したものを用いてもよい。
このようなシリコーン系エラストマーの具体例としては、KEシリーズ(信越化学社製)、SEシリーズ、CYシリーズ、SHシリーズ(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
また、上述したエラストマー以外に、ゴム変性したエポキシ樹脂を用いることもできる。ゴム変性したエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の一部又は全部のエポキシ基を、両末端カルボン酸変性型ブタジエン−アクリルニトリルゴム、末端アミノ変性シリコーンゴム等で変性することによって得られるものである。
また、(C)成分は、微粒子状のエラストマー(以下、「エラストマー微粒子」ともいう。)であってもよい。エラストマー微粒子とは、ポジ型感光性樹脂成物中において微粒子状態で分散するエラストマーを示し、非相溶系での相分離による海島構造における島となるエラストマーや、いわゆるミクロドメインとなるエラストマー等が含まれるものである。
エラストマー微粒子としては、不飽和重合性基を2個以上有する架橋性モノマーと、エラストマー微粒子のTgが20℃以下となるように選択される1種以上のその他のモノマーを共重合したもの(いわゆる架橋微粒子)が好ましい。その他のモノマーとしては、重合性基以外の官能基、例えば、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアナト基、水酸基等の官能基を有するモノマーを共重合したものが用いられることが好ましい。
架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を複数有する化合物を挙げることができる。これらの中で、ジビニルベンゼンが好ましい。
エラストマー微粒子を製造する際に用いられる架橋性モノマーは、共重合に用いる全モノマーに対して、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%用いられる。
その他のモノマーとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のジエン化合物;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール等の芳香族ビニル化合物;ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グリコールのジグリシジルエーテル等と、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等との反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、マレイン酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル等の不飽和酸化合物;ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有不飽和化合物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物等が挙げられる。
これらの中で、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類等が好ましく用いられる。
このようなその他のモノマーとしては、少なくとも1種のジエン化合物、具体的にはブタジエンを用いることが好ましい。このようなジエン化合物は、共重合に用いる全モノマーに対して好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%用いられる。このような割合でジエン化合物を用いることにより、エラストマー微粒子はゴム状の軟らかい微粒子となり、特に得られる硬化膜にクラック(割れ)が生ずるのを防止でき、耐久性に優れた硬化膜を得ることができる。
エラストマー微粒子の平均粒子径は、好ましくは30〜500nm、より好ましくは40〜200nm、さらに好ましくは50〜120nmである。エラストマー微粒子の粒径コントロール方法は、特に限定されるものではないが、例えば、乳化重合によりエラストマー微粒子を合成する場合、使用する乳化剤の量により、乳化重合中のミセルの数を制御し、粒径をコントロールすることができる。
このような(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。エラストマーの配合量が1重量部未満では、得られる硬化膜の熱衝撃性が低下する傾向にあり、50重量部を越えると解像性や得られる硬化膜の耐熱性が低下したり、他成分との相溶性及び分散性が低下したりする傾向にある。
<(D)成分>
(D)成分のフェノール性水酸基を有する低分子化合物は、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させるために用いられる。さらに、(D)成分を含有することにより、パターン形成後の感光性樹脂膜を加熱して硬化する際に、(D)成分が(A)成分と反応して橋架け構造が形成される。これにより、膜の脆さや膜の溶融を防ぐことができる。
このようなフェノール性水酸基を有する低分子化合物の分子量は、好ましくは2000以下である。アルカリ水溶液に対する溶解性、及び感光特性と硬化膜物性とのバランスを考慮して、数平均分子量で94〜2000が好ましく、108〜2000がより好ましく、108〜1500が最も好ましい。
フェノール性水酸基を有する低分子化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(I)で表される化合物が、露光部の溶解促進効果と感光性樹脂膜の硬化時の溶融を防止する効果のバランスに優れ特に好ましい。
Figure 0005067028
式(I)中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、s及びtはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、u及びvはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。
一般式(I)において、Xが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Xで示される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数が1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素数が2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素数が6〜30のアリーレン基、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホン基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合等が挙げられる。これらの中で、下記一般式(II)で示される2価の有機基が好ましい。
Figure 0005067028
式(II)中、X’は、単結合、アルキレン基(例えば炭素原子数が1〜10のアルキレン基)、アルキリデン基(例えば炭素数が2〜10のアルキリデン基)、それらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基、スルホン基、カルボニル基、オキシ基、チオ基、又はアミド基を示し、R’’は水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基又はハロアルキル基を示し、gは1〜10の整数を示し、複数のR’’は互いに同一でも異なっていてもよい。
(D)成分の配合量は、現像時間と、未露光部残膜率の許容幅、及び、硬化膜の特性の点から、(A)成分100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、2〜30重量部がより好ましく、3〜25重量部が最も好ましい。
<(E)成分>
(E)成分は溶剤である。その具体例としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオナート、3−メチルメトキシプロピオナート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、(C)成分の配合量は、特に限定されないが、ポジ型感光性樹脂組成物中の溶剤の割合が20〜90重量%となるように調整されることが好ましい。
<(F)成分>
上述のポジ型感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分に加えて、(F)加熱により酸を生成する化合物を更に含有してもよい。(F)成分を用いることにより、感光性樹脂膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となり、(A)成分と(D)成分との反応、すなわち熱架橋反応が促進され、硬化膜の耐熱性が向上する。また、(F)成分は光照射によっても酸を発生するため、露光部のアルカリ水溶液への溶解性が増大する。よって、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差が更に大きくなり解像性が向上する。
このような(F)成分は、例えば、50〜250℃まで加熱することにより酸を生成するものであることが好ましい。(F)成分の具体例としては、オニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩や、イミドスルホナートが挙げられる。
オニウム塩としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウム塩のようなジアリールヨードニウム塩;ジアリールヨードニウム塩、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩のようなジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩;トリメチルスルホニウム塩のようなトリアルキルスルホニウム塩;ジメチルフェニルスルホニウム塩のようなジアルキルモノアリールスルホニウム塩;ジフェニルメチルスルホニウム塩のようなジアリールモノアルキルヨードニウム塩;トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。これらの中で、パラトルエンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のトリメチルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩、ノナフルオロブタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、カンファースルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、エタンスルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トルエンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩が好ましい。
また、強酸と塩基とから形成される塩としては、上述のオニウム塩の他、次のような強酸と塩基とから形成される塩、例えばピリジニウム塩を用いることもできる。強酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸が挙げられる。塩基としては、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジンのようなアルキルピリジン、2−クロロ−N−メチルピリジンのようなN−アルキルピリジン、ハロゲン化−N−アルキルピリジン等が挙げられる。
イミドスルホナートとしては、例えば、ナフトイルイミドスルホナートやフタルイミドスルホナートを用いることができる。
また、(F)成分としては、上述のものの他、下記一般式(III)で表される構造を有する化合物や下記一般式(IV)で表されるスルホンアミド構造を有する化合物を用いることもできる。
C=N−O−SO2−R …(III)
−NH−SO2−R …(IV)
式(III)中、Rは、例えばシアノ基であり、Rは、例えば、メトキシフェニル基、フェニル基等である。また、Rは、例えば、p−メチルフェニル基、フェニル基等のアリール基、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基等のパーフルオロアルキル基である。
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、メチルフェニル基、フェニル基等のアリール基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル等のパーフルオロアルキル基である。一般式(IV)で表されるスルホンアミド構造のN原子に結合する基としては、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンや2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)エーテルが挙げられる。
(F)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、0.2〜20重量部がより好ましく、0.5〜10重量部がさらに好ましい。
上述のポジ型感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(F)成分に加えて、(1)エポキシ基を有する化合物、(2)溶解促進剤、(3)溶解阻害剤、(4)カップリング剤、及び、(5)界面活性剤又はレベリング剤等の成分を更に含有してもよい。
<(1)エポキシ基を有する化合物>
エポキシ基を有する化合物を上述のポジ型感光性樹脂に配合することによって、パターン形成後の感光性樹脂膜を加熱し、硬化する際に、(A)成分と反応し橋架け構造を形成する。これにより、膜の脆さや膜の溶融を防ぐことができる。エポキシ基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン、複素環式エポキシ、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
このようなエポキシ基を有する化合物を配合させる場合の、その配合量は、アルカリ水溶液に対する溶解性と硬化膜の物性の点から、(A)成分100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、3〜25重量部がより好ましい。
<(2)溶解促進剤>
溶解促進剤を上述のポジ型感光性樹脂に配合することによって、上記(D)成分と同様に、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させることができる。溶解促進剤としては従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸、スルホンアミド基を有する化合物が挙げられる。
このような溶解促進剤を配合させる場合の、その配合量は、アルカリ水溶液に対する溶解速度によって決めることができ、例えば、(A)成分100重量部に対して、0.01〜30重量部とすることができる。
<(3)溶解阻害剤>
溶解阻害剤を(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間やコントラストをコントロールするために用いられる。その具体例としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨージド等である。溶解阻害剤を配合する場合の、その配合量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(A)成分100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、0.01〜15重量部がより好ましく、0.05〜10重量部がさらに好ましい。
<(4)カップリング剤>
カップリング剤を上述のポジ型感光性化合物に配合することによって、形成される硬化膜の基板との接着性を高めることができる。カップリング剤としては、例えば、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等が挙げられる。
有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルシフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
このようなカップリング剤を用いる場合の、その配合量は、(A)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
<(5)界面活性剤又はレベリング剤>
界面活性剤又はレベリング剤を上述のポジ型感光性化合物に配合することによって、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させたりすることができる。このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等があり、市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業社製商品名)等が挙げられる。
このような界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合の、その合計の配合量は、(A)成分100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、0.01〜3重量部がより好ましい。
上述したポジ型感光性樹脂組成物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液を用いて現像することが可能である。さらに、上述のポジ型感光性樹脂組成物を用いることにより、十分に高い感度及び解像度で、良好な密着性及び耐熱性を有する、良好な形状のレジストパターンを形成することが可能である。
[レジストパターンの製造方法]
次に、レジストパターンの製造方法について説明する。本発明のレジストパターンの製造方法は、上述のポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜を露光する工程と、露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン化する工程と、パターン化された感光性樹脂膜を加熱する工程とを備える。以下、各工程について説明する。
(塗布・乾燥(成膜)工程)
まず、上述のポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して感光性樹脂膜を形成する。この工程では、まず、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO、SiO等)、窒化ケイ素等の支持基板上に、上述のポジ型感光性樹脂組成物を、スピンナー等を用いて回転塗布し、塗膜を形成する。この塗膜が形成された支持基板をホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。これにより、支持基板上に感光性樹脂膜が形成される。
(露光工程)
次に、露光工程では、支持基板上に形成された感光性樹脂膜に対して、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。上述のポジ型感光性樹脂組成物において、(A)成分はi線に対する透明性が高いので、i線の照射を好適に用いることができる。なお、露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1分〜5分が好ましい。
(現像工程)
現像工程では、露光工程後の感光性樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより、感光性樹脂膜がパターン化される。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とすることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
(加熱処理工程)
次いで、加熱処理工程では、パターン化された感光性樹脂膜を加熱処理することにより、加熱後の感光性樹脂膜からなるレジストパターンを形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、電子デバイスに対する熱によるダメージを十分に防止する点から、望ましくは250℃以下、より望ましくは225℃以下であり、さらに望ましくは140〜200℃である。
加熱処理は、例えば、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行なうことができる。また、大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行なう方がパターンの酸化を防ぐことができるので望ましい。上述の望ましい加熱温度の範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板や電子デバイスへのダメージを小さく抑えることができる。従って、本発明のレジストパターンの製造方法を用いることによって、電子デバイスを歩留り良く製造することができる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。さらに、本発明のポジ型感光性樹脂組成物によれば、感光性ポリイミド等に見られる加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。
加熱処理工程における加熱処理時間は、ポジ型感光性樹脂組成物が硬化するのに十分な時間であればよいが、作業効率との兼ね合いから概ね5時間以下が好ましい。
また、加熱処理は、上述のオーブンの他、マイクロ波硬化装置や周波数可変マイクロ波硬化装置を用いて行うこともできる。これらの装置を用いることにより、基板や電子デバイスの温度を例えば200℃以下に保ったままで、感光性樹脂膜のみを効果的に加熱することが可能である。
周波数可変マイクロ波硬化装置においては、マイクロ波がその周波数を変化させながらパルス状に照射されるので、定在波を防ぐことができ、基板面を均一に加熱することができる点で好ましい。また、基板として後述する電子部品のように金属配線を含む場合、マイクロ波を周波数を変化させながらパルス状に照射すると、金属からの放電等の発生を防ぐことができ、電子部品を破壊から守ることができるので好ましい。さらに、周波数可変マイクロ波を用いて加熱すると、オーブンを用いる場合に比べて硬化温度を下げても硬化膜物性が低下しないので好ましい(J.Photopolym.Sci.Technol.,18,327−332(2005)参照)。
周波数可変マイクロ波の周波数は0.5〜20GHzの範囲であるが、実用的には1〜10GHzの範囲が好ましく、さらに2〜9GHzの範囲がより好ましい。また、照射するマイクロ波の周波数は連続的に変化させることが望ましいが、実際は周波数を階段状に変化させて照射する。その際、単一周波数のマイクロ波を照射する時間はできるだけ短い方が定在波や金属からの放電等が生じにくいため、照射時間は1ミリ秒以下が好ましく、100マイクロ秒以下が特に好ましい。
照射するマイクロ波の出力は、装置の大きさや被加熱体の量によっても異なるが、概ね10〜2000Wの範囲であり、実用上は100〜1000Wがより好ましく、100〜700Wがさらに好ましく、100〜500Wが最も好ましい。出力が10W以下では被加熱体を短時間で加熱することが難しく、2000W以上では急激な温度上昇が起こりやすいので好ましくない。
また、マイクロ波は、パルス状に入/切させて照射することが好ましい。マイクロ波をパルス状に照射することにより、設定した加熱温度を保持することができ、また、硬化膜や基材へのダメージを避けることができる点で好ましい。パルス状のマイクロ波を1回に照射する時間は条件によって異なるが、概ね10秒以下が好ましい。
以上のようなレジストパターンの製造方法によれば、十分に高い感度及び解像度で、良好な耐熱性を有するレジストパターンが得られる。
[半導体装置の製造工程]
次に、本発明のレジストパターンの製造方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。図1〜図5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程の一実施形態を示す概略断面図である。
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1と、回路素子が露出する所定のパターンを有し半導体基板1を被覆するシリコン酸化膜等の保護膜2と、露出した回路素子上に形成された第1導体層3と、保護膜2及び第1導体層3上にスピンコート法等により成膜されたポリイミド樹脂等からなる層間絶縁膜4とを備える。
次に、層間絶縁膜4上に窓部6Aを有する感光性樹脂層5を形成することにより、図2に示す構造体200を得る。感光性樹脂層5は、例えば、塩化ゴム系、フェノールノボラック系、ポリヒドロキシスチレン系、ポリアクリル酸エステル系等の感光性樹脂を、スピンコート法により塗布することにより形成される。窓部6Aは、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように形成される。
層間絶縁膜4をエッチングして窓部6Bを形成した後に、感光性樹脂層5を除去し、図3に示す構造体300を得る。層間絶縁膜4のエッチングには、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。このエッチングにより、窓部6Aに対応する部分の層間絶縁膜4が選択的に除去され、第1導体層3が露出するように窓部6Bが設けられた層間絶縁膜4が得られる。次いで、窓部6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5を除去する。
さらに、窓部6Bに対応する部分に第2導体層7を形成し、図4に示す構造体400を得る。第2導体層7の形成には、公知の写真食刻技術を用いることができる。これにより、第2導体層7と第1導体層3との電気的接続が行われる。
最後に、層間絶縁膜4及び第2導体層7上に表面保護層8を形成し、図5に示す半導体装置500を得る。本実施形態では、表面保護層8は次のようにして形成する。まず、上述の実施形態に係るポジ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により層間絶縁膜4及び第2導体層7上に塗布し、乾燥して感光性樹脂膜を形成する。次に、所定部分に窓部6Cに対応するパターンを描いたマスクを介して光照射した後、アルカリ水溶液にて現像して感光性樹脂膜をパターン化する。その後、感光性樹脂幕を加熱により硬化して、表面保護層8としての膜を形成する。この表面保護層8は、第1導体層3及び第2導体層7を外部からの応力、α線等から保護するものであり、得られる半導体装置500は信頼性に優れる。
なお、上述の実施形態では2層の配線構造を有する半導体装置の製造方法を示したが、3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。すなわち、層間絶縁膜4を形成する各工程、及び表面保護層8を形成する各工程を繰り返すことによって、多層のパターンを形成することが可能である。また、上記例において、表面保護層8のみでなく、層間絶縁膜4も本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成することが可能である。
[電子部品]
次に、本発明の電子部品について説明する。本発明の電子部品は、上述の製造方法によって形成されるレジストパターンを層間絶縁膜又は表面保護層として有する。ここで、電子部品は、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。また、上記レジストパターンは、具体的には、半導体装置の表面保護層や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等として使用することができる。本発明の電子部品は、上述のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護層や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
また、上述のポジ型感光性樹脂組成物は、応力緩和性、接着性等にも優れるため、近年開発された各種構造のパッケージにおける各種の構造材としても使用することができる。図6及び図7にそのような半導体装置の一例の断面構造を示す。
図6は、半導体装置の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図6に示す半導体装置600は、シリコンチップ23と、シリコンチップ23の一方面側に設けられた層間絶縁膜11と、層間絶縁膜11上に形成された、パッド部15を含むパターンを有するAl配線層12と、パッド部15上に開口を形成しながら層間絶縁膜11及びAl配線層12上に順次積層された絶縁層13(例えばP−SiN層)及び表面保護層14と、表面保護層14上で開口近傍に配された島状のコア18と、絶縁層13及び表面保護層14の開口内でパッド部15と接するとともにコア18の表面保護層14とは反対側の面に接するように表面保護層14上に延在する再配線層16とを備える。更に、半導体装置600は、表面保護層14、コア18及び再配線層16を覆って形成され、コア18上の再配線層16の部分に開口が形成されているカバーコート層19と、カバーコート層19の開口においてバリアメタル20を間に挟んで再配線層16と接続された導電性ボール17と、導電性ボールを保持するカラー21と、導電性ボール17周囲のカバーコート層19上に設けられたアンダーフィル22とを備える。導電性ボール17は外部接続端子として用いられ、ハンダ、金等から形成される。アンダーフィル22は、半導体装置600を実装する際に応力を緩和するために設けられている。
図7は、半導体装置の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図7の半導体装置700においては、シリコンチップ23上にAl配線層(図示せず)及びAl配線層のパッド部15が形成されており、その上部には絶縁層13が形成され、さらに素子の表面保護層14が形成されている。パッド部15上には、再配線層16が形成され、この再配線層16は、導電性ボール17との接続部24の上部まで伸びている。さらに、表面保護層14の上には、カバーコート層19が形成されている。再配線層16は、バリアメタル20を介して導電性ボール17に接続されている。
図6、図7の半導体装置において、上述のポジ型感光性樹脂組成物は、層間絶縁層11や表面保護層14ばかりではなく、カバーコート層19、コア18、カラー21、アンダーフィル22等を形成するための材料として使用することができる。上述のポジ型感光性樹脂組成物を用いた硬化体は、Al配線層12や再配線層16等のメタル層や封止剤等との接着性に優れ、応力緩和効果も高いため、この硬化体をカバーコート層19、コア18、半田等のカラー21、フリップチップ等で用いられるアンダーフィル12等に用いた半導体装置は、極めて信頼性に優れるものとなる。
以上のように、上述のポジ型感光性樹脂組成物を使用することにより、従来は300℃以上を必要としていた上記の加熱処理工程において、200℃以下の低温加熱を用いた硬化が可能である。さらに、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、感光性ポリイミド等に見られた加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜は、高いガラス転移温度を有する。従って、耐熱性に優れた表面保護層となる。この結果、信頼性に優れた半導体装置等の電子部品を歩留まり良く高収率で得ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(合成例:アルカリ水溶液可溶性のポリマー(A3)の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g、N−メチルピロリドン90gを仕込んだ。これを5℃に冷却した後、塩化チオニル12.64gを滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液(1)を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.50gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン18.30gを添加した。これを攪拌溶解した後、ピリジン8.53gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液(1)を30分間かけて滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)(以下、「A3」という。)を得た。このA3のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は14600、分散度は1.6であった。
(比較合成例1:ポリアミド酸(α1)の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.00gを入れ、十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド16.68gに溶解した後、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物8.88gを徐々に加えた。その後、室温(25℃)で24時間撹拌し、ポリアミド酸(α1)の溶液を得た。
(比較合成例2:ポリアミド酸(α2)の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.00gを入れ、十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド16.68gに溶解した後、ピロメリト酸無水物4.36gを徐々に加えた。その後、室温(25℃)で24時間撹拌し、ポリアミド酸(α2)の溶液を得た。
<ポジ型感光性樹脂組成物の調製>
(A)成分として、次のA1、A2及びA3を準備した。
A1: m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(モル比)であるクレゾールノボラック樹脂(ポリスチレン換算重量平均分子量=7000、旭有機材工業社製商品名EP4050G)
A2: 4−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸メチル=50/50(モル比)の共重合体(ポリスチレン換算重量平均分子量=10000、丸善石油化学社製商品名マルカリンカーCMM)
A3:上記合成例で合成したポリマー
(B)成分として、次のB1を準備した。
B1: 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製商品名TPPA528)
(C)成分として、次のC1、C2及びC3を準備した。
C1: 変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(日本ゼオン社製品名Nipol SX1503Aの溶剤抽出品)
C2: ブタジエン−スチレン−メタクリレート共重合体(ロームアンドハース社製品名パラロイドEXL2655)
C3: 液状ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(宇部興産社商品名HYCAR CTBNX−1300)
(D)成分として、次のD1及びD2を準備した。
D1: 2,2−ビス{3,5−ビス(ヒドロキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(本州化学工業社製商品名TML−BPAF)
D2: 1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業社製商品名TMOM−pp−BPF)
(E)成分として、次のE1及びE2を準備した。
E1: γ−ブチロラクトン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合物(重量比90/10)
E2:乳酸エチル
(F)成分として、次のF1を準備した。
F1: ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート(みどり化学社製商品名BBI−201)
比較例用化合物として、次のα1、α2、β1、δ1及びε1を準備した。
α1: 上記比較合成例1で合成したポリアミド酸
α2: 上記比較合成例2で合成したポリアミド酸
β1: 光架橋剤としてのメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルエステル(α2のカルボキシル基に対して1当量、60.9重量%)、光架橋補助剤としてのアジピン酸ジビニルエステルを0.5当量(38.4重量%)、及び、光重合開始剤としての2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4’−モルホリノブチロフェノン(1〜7重量%)の混合物
δ1: ヘキサメトキシメチルメラミン(CYTEC社製品名CYMEL300)
ε1: N,N−ジメチルアセトアミド
(実施例1〜4、参考例1〜3
(A)〜(F)成分を表1に示した所定の割合で配合し、さらにカップリング剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液2重量部を配合した。この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧ろ過して、実施例1〜4及び参考例1〜3のポジ型感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M7)を得た。
(比較例1〜3)
(A)〜(F)成分及び比較例用化合物を表1に示した所定の割合で配合し、さらにカップリング剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液2重量部を配合した。この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧ろ過して、比較例1〜3のポジ型感光性樹脂組成物の溶液(M8〜M10)を得た。
Figure 0005067028
表中、かっこ内の数値は重量部を示す。
<ポジ型感光性樹脂組成物の評価>
[感光特性]
実施例1〜4、参考例1〜3及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M10)をシリコン基板上にスピンコートして、100℃で5分間加熱し、膜厚11〜13μmの塗膜を形成した。その後、i線ステッパー(キャノン製FPA−3000iW)を用いて、マスクを介してi線(365nm)での縮小投影露光を行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38%水溶液にて現像を行い、残膜厚が初期膜厚の70〜95%程度となるように現像を行った。その後、水でリンスしパターン形成に必要な最小露光量、及び開口している最小の正方形ホールパターンの大きさを求めた。最小露光量を感度として、開口している最小の正方形ホールパターンの大きさを解像度として評価した結果を表2に記す。
Figure 0005067028
[硬化膜物性測定試料のパターニング]
実施例1〜4、参考例1〜3及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M10)をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間(比較例3においては100℃で5分間)加熱し、膜厚約12〜14μmの塗膜を形成した。その後、樹脂M1〜M10の塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン製PLA−600FA)を用いて、マスクを介して全波長で露光を行った。露光後、TMAHの2.38%水溶液にて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、塗膜を以下の(i)、(ii)又は(iii)の方法で加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。なお、硬化条件、及び、硬化前後の膜厚の収縮率((1−硬化後の膜厚)/硬化前の膜厚)×100)[%]を表3に示す。
(i)縦型拡散炉(光洋サーモシステム製μ−TF)を用い、窒素中、温度180℃(昇温時間1.5時間)で2時間、塗膜を加熱処理した。
(ii)縦型拡散炉(光洋サーモシステム製μ−TF)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1.5時間)で2時間、塗膜を加熱処理した。
(iii)周波数可変型マイクロ波硬化炉(ラムダテクノロジー社製Microcure2100)を用い、マイクロ波出力450W、マイクロ波周波数5.9〜7.0GHz、温度170℃(昇温時間5分間)、2時間加熱処理した。
[硬化膜物性]
上述の「硬化膜物性測定試料のパターニング」において得た膜厚約10μmの硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した膜のガラス転移温度(Tg)をセイコーインスツルメンツ社製TMA/SS600で測定した。なお、試料の幅は2mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は10mmとする。また、荷重は10gで、昇温速度は5℃/分である。また、剥離膜の平均破断伸度(EL)を島津製作所製オートグラフAGS−H100Nによって測定した。なお、試料の幅は10mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は20mmとする。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は室温(20℃〜25℃)程度とする。ここでは、同一条件で得た硬化膜について5本以上の測定値の平均を「平均破断伸度(EL)」とする。測定されたTg及びELを表3に示す。
[誘電率測定]
実施例1〜4、参考例1〜3及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M10)を低抵抗シリコン基板上にスピンコートして、100℃で5分間加熱し、膜厚約11μmの塗膜を形成した。基板上の塗膜は表3に示した硬化条件で硬化した。次に、硬化膜上に、直径2mmのアルミ電極を真空蒸着装置を用いて作成した。次いで、横河電機社製LFインピーダンスアナライザHP4192Aに誘電体横河電機社製テストフィクスチャHP16451を接続した測定装置を使用し、アルミ電極とシリコンウエハ間の電荷容量を測定した。なお、測定環境は室温(20℃〜25℃)、湿度40〜50%RH、測定周波数は10kHz、バイアス電圧は−35Vとした。測定した電極の電荷容量値と電極近傍の膜厚値から硬化膜の比誘電率を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 0005067028
まず、表2から明らかなように、実施例1〜4及び参考例1〜3のポジ型感光性樹脂組成物M1〜M7の感度及び解像度は高い。一方、(D)成分を含有しない感光性樹脂組成物M8では(比較例1)、感度と解像度が共に低下した。また、(A)成分の代わりにポリアミド酸を用いた感光性樹脂組成物M9では、現像後の残膜率、感度、及び、解像度はいずれも低かった(比較例2)。さらに、ポリアミド酸塩を用いた感光性樹脂組成物M10においては、今回の検討で用いた現像液に不溶であり、パターンは形成されなかった(比較例3)。
また、表3から明らかなように、実施例1〜4及び参考例1〜2のポジ型感光性樹脂組成物M1〜M6から形成された硬化膜は、いずれも10%程度の低い収縮率を示した。(A)成分としてポリ(ヒドロキシアミド)を用いた参考例3のポジ型感光性樹脂組成物M7の硬化膜は、硬化時に閉環反応に起因する水の脱離が起こるため、収縮率が15%程度であった。一方、A成分としてポリアミド酸やポリアミド酸塩を用いた場合、収縮率が高く、20%以上であった(比較例2〜3)。
さらに、表3から明らかなように、実施例1〜4及び参考例1〜2のポジ型感光性樹脂組成物M1〜M6は、180℃で硬化しても良好なTg(190℃以上)、EL(5%以上)を示した。また、参考例3のポジ型感光性樹脂組成物M7については200℃で硬化したが、良好なTgとELを示した。さらに、実施例1のポジ型感光性樹脂組成物M1を、170℃でマイクロ波硬化(硬化条件iii)した場合には、180℃で熱硬化(硬化条件i)した場合よりも、Tg及びELが向上した。
さらにまた、表3から明らかであるように、(A)成分として、ポリ(ヒドロキシスチレン)を用いた参考例1及び2のポジ型感光性樹脂組成物M5及びM6の場合に、硬化膜の比誘電率は3以下と良好であった。
半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 電子部品(半導体装置)の一実施形態を示す概略断面図である。 電子部品(半導体装置)の一実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁膜、5…感光性樹脂層、6A,6B,6C…窓部、7…第2導体層、8…表面保護層、11…層間絶縁層、12…配線層、12…アンダーフィル、13…絶縁層、14…表面保護層、15…パッド部、16…再配線層、17…導電性ボール、18…コア、19…カバーコート層、20…バリアメタル、21…カラー、22…アンダーフィル、23…シリコンチップ、24…接続部、100,200,300,400…構造体、500…半導体装置、600…半導体装置、700…半導体装置。

Claims (7)

  1. (A)ノボラック型フェノール樹脂
    (B)光により酸を生成する化合物、
    (C)エラストマー、
    (D)下記一般式(I)で表される化合物、及び
    (E)溶剤
    を含有するポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005067028
    [式(I)中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、R 、R 、R 及びR はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、s及びtはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、u及びvはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
  2. 前記(A)成分100重量部に対して、前記(D)成分1〜50重量部を含有する、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)成分がo−キノンジアジド化合物である、請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. (F)加熱により酸を生成する化合物を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜を露光する工程と、
    露光後の前記感光性樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン化する工程と、
    パターン化された前記感光性樹脂膜を加熱する工程と、
    を備えるレジストパターンの製造方法。
  6. パターン化された前記感光性樹脂膜を200℃以下に加熱する、請求項記載のレジストパターンの製造方法。
  7. 請求項5又は6記載のレジストパターンの製造方法により形成されるレジストパターンを層間絶縁膜又は表面保護層として有する電子部品を備える電子デバイス。
JP2007155384A 2007-06-12 2007-06-12 ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス Expired - Fee Related JP5067028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007155384A JP5067028B2 (ja) 2007-06-12 2007-06-12 ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007155384A JP5067028B2 (ja) 2007-06-12 2007-06-12 ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012086785A Division JP5263424B2 (ja) 2012-04-05 2012-04-05 ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008309885A JP2008309885A (ja) 2008-12-25
JP5067028B2 true JP5067028B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=40237567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007155384A Expired - Fee Related JP5067028B2 (ja) 2007-06-12 2007-06-12 ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5067028B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103091987B (zh) 2008-12-26 2016-11-23 日立化成株式会社 正型感光性树脂组合物、抗蚀图形的制造方法、半导体装置以及电子器件
KR101200140B1 (ko) * 2009-08-31 2012-11-12 금호석유화학 주식회사 포지티브형 감광성 조성물
JP2011128359A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Hitachi Chemical Dupont Microsystems Ltd ポジ型感光性樹脂組成物、それを用いた硬化膜及び電子部品
JP5721459B2 (ja) * 2011-02-04 2015-05-20 日本化薬株式会社 感光性樹脂組成物、これを用いた硬化物、および多層材料
WO2013118680A1 (ja) 2012-02-07 2013-08-15 日立化成株式会社 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
MY168978A (en) 2012-10-31 2019-01-29 Hitachi Chemical Co Ltd Photosensitive resin composition, method for producing patterned cured film, semiconductor element and electronic device
WO2018207294A1 (ja) 2017-05-10 2018-11-15 日立化成株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物、ポジ型感光性樹脂用熱架橋剤、パターン硬化膜及びその製造方法、半導体素子、並びに電子デバイス
KR20200060366A (ko) * 2017-09-29 2020-05-29 니폰 제온 가부시키가이샤 포지티브형 감방사선성 수지 조성물
JP7293796B2 (ja) * 2019-03-27 2023-06-20 株式会社レゾナック 樹脂組成物、硬化物、半導体素子及び電子デバイス
KR20220145837A (ko) 2020-02-26 2022-10-31 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 감광성 수지 조성물, 감광성 수지 조성물의 선별 방법, 패턴 경화막의 제조 방법, 및 반도체 장치의 제조 방법
WO2021260944A1 (ja) 2020-06-26 2021-12-30 昭和電工マテリアルズ株式会社 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び半導体素子

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3812654B2 (ja) * 2002-01-23 2006-08-23 Jsr株式会社 ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物
JP4296792B2 (ja) * 2003-02-05 2009-07-15 Jsr株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物およびその硬化物
JP4692219B2 (ja) * 2004-10-29 2011-06-01 Jsr株式会社 ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008309885A (ja) 2008-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4770985B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法、半導体装置及び電子デバイス
JP5447384B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子部品
JP5067028B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス
JP5494766B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法、半導体装置及び電子デバイス
JP5915532B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子部品
JP5904211B2 (ja) 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5263424B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子デバイス
JP5239446B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子部品
JP5444749B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法及び電子部品
JP2013134346A (ja) 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、半導体装置及び電子部品
JP5407201B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、パターンの製造方法及び電子部品
KR101075271B1 (ko) 포지티브형 감광성 수지 조성물, 레지스트 패턴의 제조방법및 전자부품
JP2014010156A (ja) 感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
WO2020183617A1 (ja) 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜及びその製造方法、半導体素子並びに電子デバイス
JP2016139149A (ja) 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、半導体装置及び電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120730

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5067028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees