JP5065836B2 - 使い捨て紙おむつ - Google Patents

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本発明は、吸収体上面に巻き上げられた防漏シートに開孔を施すことにより、吸収体側部での体液の逆戻りを低減すると共に、横漏れ及び前後漏れの防止効果を高めた使い捨て紙おむつに関する。
従来より、吸収体に吸収された体液が裏面又は側面に滲み出ないように、前記吸収体の少なくとも裏面側を不透液性の防漏シートで覆うとともに、着用者の股間部から横漏れを起こさないように、表面がわ両側部に立体ギャザーを形成した使い捨て紙おむつが知られている。
この種の紙おむつでは、下記特許文献1に示されるように、吸収体は、吸収本体と該吸収本体の裏面側に配され、液浸透抑制手段が施された台紙とを具備し、前記台紙は、少なくとも長手方向左右両側部が前記吸収本体の長手方向左右両側縁を覆い、該台紙の左右両側縁がそれぞれ吸収体の表面側の左右両側部上に位置するように、吸収本体の側縁外方で折り込まれて配されるようになっている。
このように、下記特許文献1記載の紙おむつでは、液浸透抑制手段が施された台紙が吸収体の側縁外方で折り込まれて吸収体の表面側まで延在する構成となっているため、体液を吸収保持した状態の吸収体に体圧がかかっても、吸収体側部からの滲み出しや漏れが効果的に防止できるようになっている。また、吸収体の側部が表面側から裏面側まで延在する台紙により挟むように固定されるため、吸収体の形態保持性が向上する。
特許第3942311号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の構成では、吸収体の表面側の両側部に液浸透抑制手段が施された台紙が介在するため、この両側部の表面から吸収体への体液吸収が阻害されていた。このため、以下のような問題が生じていた。第1に、排尿量が多い場合、排尿量に対して吸収体の吸収スピードが追い付かないため、体液が表面シート上を流れ出し、吸収体両側部の立体ギャザーと巻き上げられた液浸透抑制手段が施された台紙との間で体液の液溜まりが生じ、この液溜まりが吸収されないままに吸収体表面を前後端部まで移動して腹漏れや背漏れ(所謂前後漏れ)を生じるおそれがあった。
第2に、横向きに寝た姿勢で排尿した場合、体液が吸収体の一方がわ側部に集中し、おむつ側部の立体ギャザーと巻き上げた液浸透抑制手段が施された台紙との間で体液の液溜まりが生じ、この状態で着用者が動き出したり脚を動かしたりすると、液溜まりの体液が立体ギャザーを乗り越えて横漏れを生じるおそれがあった。
また、漏れにまでは至らない場合でも、吸収体の表面側の両側部に溜まった体液は、長時間吸収されないままに液残りするため、カブレの原因となっていた。
特に近年の紙おむつは吸収体全体を有効に活用して吸収できるよう、表面シートの親水性を調整し、表面を液流れしやすい設計とすることがあるが、このような設計においては、大量の排尿があった場合には体液が前後漏れしやすく、横向きに寝た姿勢で排尿した場合は体液のほとんどが吸収体側部で吸収され逆戻りが多くなるといった問題があったため、吸収体の表面側の両側部に液浸透抑制手段を設けることは実質的に不可能であった。
そこで本発明の主たる課題は、横漏れ及び前後漏れの防止効果に優れ、体液の逆戻りが少なく、吸収体表面の体液吸収効率を高めた使い捨て紙おむつを提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、吸収体と、前記吸収体の少なくとも表面側を覆う透液性の表面シートと、前記吸収体の少なくとも裏面側を覆う不透液性の防漏シートとを含み、表面がわ両側部に立体ギャザーが形成された使い捨て紙おむつにおいて、
前記吸収体の長手方向両側部において、不透液性の被覆シートが吸収体側縁部を巻き込んで吸収体の裏面側から表面側まで延在して固定され、
前記被覆シートの表面側延在部分に沿って複数の開孔が設けられるとともに、前記開孔は長孔とされ、かつこの長孔の長手方向外方端側が吸収体中央の短手方向線側に傾斜するとともに、前記長孔の長手方向線と吸収体の短手方向線との交差角θが30°<θ<60°の範囲となるように配置されていることを特徴とする使い捨て紙おむつ
が提供される。
上記請求項1記載の発明は、前記吸収体の長手方向両側部において、不透液性の被覆シートが吸収体側縁部を巻き込んで吸収体の表面側まで延在して固定されることにより、吸収体の両側部において、吸収された体液の逆戻りによる横漏れが防止できるようになる。さらに、前記被覆シートの表面側延在部分には複数の開孔が設けられているため、この吸収体両側部でも表面側からの体液吸収が速やかに行われ、吸収体表面の体液吸収効率が向上するようになる。したがって、前記被覆シートの表面を体液が吸収されないままに吸収体の前後端部まで移動して腹漏れや背漏れを生じる所謂前後漏れが防止できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記被覆シートが前記防漏シートによって構成され、
前記吸収体の長手方向両側部において、前記防漏シートが吸収体側縁部を巻き込んで吸収体の表面側まで延在して固定され、前記防漏シートの表面側延在部分に前記複数の開孔が設けられている請求項1記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明における被覆シートを防漏シートの両側部からの延在部分によって構成したものであり、この構成によって、別途被覆シートを配設する必要がなくなり、部材点数を少なくすることができるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記吸収体の長手方向両側部において、前記表面シートが前記被覆シート又は防漏シートによって巻き込まれた吸収体側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体の裏面側まで延在して固定され、かつ前記立体ギャザーを形成するためのギャザー不織布が前記表面シートによって巻き込まれた吸収体側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体の裏面側まで延在して固定されている請求項1、2いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項3記載の発明は、前記吸収体の長手方向両側部において、前記表面シートが前記被覆シート又は防漏シートによって巻き込まれた吸収体側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体の裏面側まで延在して固定され、かつ前記立体ギャザーを形成するためのギャザー不織布が前記表面シートによって巻き込まれた吸収体側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体の裏面側まで延在して固定された使い捨て紙おむつに適用した場合について規定したものである。本形態の使い捨て紙おむつでは、吸収体の両側部の表面側に、立体ギャザーのギャザー不織布と被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分とによって挟まれたポケット部分が形成され、このポケット部分に体液が吸収されない液溜まりが生じるため、横漏れ及び前後漏れが発生しやすい問題があった。本発明はかかる問題を解決したものであって、前記ポケット部分に流れ込んだ体液を、前記開孔を通して下層の吸収体に速やかに吸収させようとするものである。
これによって、前記ポケット部分に体液の液溜まりが形成されず、横漏れ及び前後漏れ防止効果に優れ、吸収体表面の体液吸収効率が向上するようになる。
請求項4に係る本発明として、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に対応する前記表面シートに開孔が設けられている請求項1〜3いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項4記載の発明は、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に対応する前記表面シートに開孔を設けることによって、吸収体表面からの体液吸収効率をさらに向上させようとしたものである。
請求項5に係る本発明として、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、装着時に股間部に相当する部位とそれ以外の前後端部とで開孔率を異なるようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項5記載の発明は、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔の形態例を規定したものであり、装着時に股間部に相当する部位(以下、単に股間部ともいう)とそれ以外の前後端部(以下、単に前後端部ともいう)とで開孔率を異なるようにすることによって、股間部にフィットするように脚周りカットラインが設けられた吸収体や、略方形状のストレート吸収体など、吸収体の各種形状に応じた態様の開孔を設けることが可能となる。特に前記脚周りカットラインが設けられた吸収体の場合、股間部の開孔率を大きくしても当該部分には吸収体が介在する割合が小さく前後端方向に体液が流出するため、股間部の開孔率を相対的に小さく、前後端部の開孔率を相対的に大きくするのが好ましい。
ここで、前記脚周りカットラインが設けられた吸収体において、前記「股間部」とは該脚周りカットラインが形成された紙おむつ長手方向の領域を指し、前記「前後端部」とは前記股間部より前側及び後側の吸収体が介在する領域を指す。一方、前記ストレート吸収体において、前記「股間部」とは着用者の股下に相当すると想定される領域を指し、一般に紙おむつ長手方向中心部から前後に一定長さの範囲を指す。また前記「前後端部」とは前記股間部より前側及び後側の吸収体が介在する領域を指す。
請求項6に係る本発明として、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、装着時に股間部に相当する部位とそれ以外の前後端部とで開孔の形状及び/又は大きさを異なるようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項6記載の発明は、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔の他の形態例を規定したものであり、体液の流れ状態を考慮して、股間部とそれ以外の前後端部とで、開孔の形状及び/又は大きさが異なるように形成することによって、股間部では体液が滞留した状態で効率よく吸収できるようにし、前後端部では股間部から流れてくる体液を分散させながら捕捉できるようにしたものである。
請求項7に係る本発明として、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、装着時に股間部に相当する部位以外の前後端部に、股間部から前後端部に向かって漸次小さくなるようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項7記載の発明は、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔の他の形態例を規定したものであり、特に体液の溜まりやすい股間部の開口を大きくして、股間部から前後端部に向かって漸次小さくなるようにすることによって、股間部の吸収性を強化して漏れを防止すると共に、前後端部の逆戻りは少なくしている。股間部に溜まった体液が前後端部を流れるにつれ、開孔に流入して徐々に減少するのに対応して、最小限の大きさで各部の開孔を形成するようにしたものである。
請求項8に係る本発明として、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、前記吸収体の長手方向長さLに対して、吸収体の長手方向両端から最大L/6の範囲には形成しないようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項8記載の発明は、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔の他の形態例を規定したものであり、前記吸収体の長手方向長さLに対して、吸収体の長手方向両端から最大L/6の範囲には開孔が形成されないため、吸収体の長手方向両端部での体液吸収が抑制され、吸収体の長手方向両端部からの滲み出しなどが防止できるようになる。
請求項9に係る本発明として、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、装着時に股間部に相当する部位に設けられる開孔群と、それ以外の前後端部に設けられる開孔群との間に離隔部を形成してある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項9記載の発明は、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔の他の形態例を規定したものであり、装着時に股間部に相当する部位に設けられる開孔群と、それ以外の前後端部に設けられる開孔群との間に離隔部を形成することによって、体液の流速を変化させ、体液を吸収体幅方向へ分散させることで、吸収体への吸収がスムーズに行えるようになるものである。
請求項10にかかる本発明として、前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、前記被覆シート又は防漏シートの厚み方向に対し、表面側が広く裏面側が狭くなるように形成されている請求項1〜いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。
上記請求項10記載の発明では、前記開孔が、前記被覆シート又は防漏シートの厚み方向に対し、表面側が広く裏面側が狭くなるように形成されることにより、体液が開孔の表面側から流入しやすくなるとともに、吸収体に吸収された体液が表面側に逆戻りするのを防止できる。
以上詳説のとおり本発明によれば、横漏れ及び前後漏れの防止効果に優れ、体液の逆戻りが少なく、吸収体表面の体液吸収効率を高めた使い捨て紙おむつが提供される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る使い捨て紙おむつ1の製品状態外観図であり、図2はその展開図である。
図1及び図2に示されるように、使い捨て紙おむつ1(以下、単に紙おむつという。)は、綿状パルプなどの吸収体13と、前記吸収体13の少なくとも表面側を覆う透液性の表面シート11と、前記吸収体13の少なくとも裏面側を覆う不透液性の防漏シート12とを含み、表面がわ両側部に立体ギャザーBS、BSが形成された吸収性本体10と、前記防漏シート12の外面側に一体的に設けられた外装シート20とからなり、製品状態で前記外装シート20の前身頃Fと後身頃Bとが両側部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成された構造のパンツ型紙おむつである。
〔吸収性本体10の構造〕
先ず最初に、吸収性本体10の構造の一例について図2及び図3に基づいて詳述する。
吸収性本体10は、前述したように、綿状パルプなどの吸収体13と、前記吸収体13の少なくとも表面側を覆う透液性の表面シート11と、前記吸収体13の少なくとも裏面側を覆う不透液性の防漏シート12と、さらに前記吸収体13を囲繞する紙や親水性不織布等からなる透液性のコアラップシート14と、前記コアラップシート14と表面シート11との間に介在される親水性不織布からなるセカンドシート18とを含み、表面がわ両側部に立体ギャザーBS、BSが形成された構造とされ、体液を吸収保持するものである。
さらに詳細には、前記吸収性本体10は、図3に示されるように、前記吸収体13の長手方向両側部において前記防漏シート12が吸収体13側縁部を巻き込んで吸収体13の表面側まで延在して固定されるとともに、前記表面シート11が前記防漏シート12によって巻き込まれた吸収体13側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して固定され、かつ前記立体ギャザーBSを形成するためのギャザー不織布16が前記表面シート11によって巻き込まれた吸収体13側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して固定される構造とされる。
このような構造の紙おむつでは、図3に示されるように、吸収体13の両側部の表面側に、立体ギャザーBSのギャザー不織布16と防漏シート12の表面側延在部分とによって挟まれたポケット部分Pが形成され、このポケット部分Pに体液が吸収されない液溜まりが生じ得る。そこで、本発明では、前記ポケット部分Pに液溜まりが生じないようにするため、後段で詳述するように、防漏シート12の表面側延在部分に複数の開孔3、3…を設けるようにしたものである。
前記吸収体13は、図示例では股間部に脚周りカットライン15が形成され、平面形状を砂時計形状として成形されたものが好適に使用される。その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法幅となっている。なお、前記吸収体13として、前記脚周りカットライン15が設けられた吸収体13に代えて、全長に亘ってストレートで、略方形状に成形されたストレート吸収体(図示せず)を使用してもよい。この吸収体13は、コアラップシート14によって囲繞されている。なお、前記吸収体13としては、嵩を小さくできるエアレイド吸収体を用いるのが望ましい。
前記吸収体13の少なくとも裏面側(非肌当接面側)を覆う防漏シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの不透液性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートであり、仮にシート厚が同じであれば無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点で勝るものとなる。具体的には、JIS Z0208に準じて測定された透湿度が6000〜12000g/m2・24hr、好ましくは8000〜10000g/m2・24hrの不透液性シートを使用するのが望ましい。
前記防漏シート12は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の表面側まで延在し、前記吸収体13を略方形状に覆っている。このように、吸収体13の側部を防漏シート13が覆うため、吸収体13の形態保持性が向上すると共に、吸収体13を構成するシートのめくれや、それによるシートの合わせ目の高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)等の抜け出しが防止できる。ここで、防漏シート12の表面側延在部分の幅寸法は、左右それぞれ5mm≦防漏シート12の表面側延在部分の幅寸法≦吸収体13の幅寸法/4の範囲内とすることが好ましい。防漏シート12の表面側延在部分の幅寸法が5mmより小さいと、本発明の効果が十分に得られず、吸収体13の幅寸法の1/4より大きいと、大量の排尿があった場合、十分な吸収速度を確保することができない。(側部の吸収速度の低下を中央部で補いきれない。)
前記吸収体13の少なくとも表面側(肌当接面側)を覆う表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられるが、親水性不織布が特に好ましい。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高でソフトである点で優れている。目付けは15〜40g/m程度が適当である。表面シート11の親水レベルは適宜設定することができるが、吸収体全体を有効に活用するならば、親水レベルを低めに設定し、液流れしやすくすればよい。本発明では、吸収体13の側部でも吸収速度の低下が少なく、体液が逆戻りしにくい構造となっているため、親水レベルが低めの表面シートを選択することが可能となる。具体的に親水レベルは、シートの「液流れ試験」において60mm以上、好ましくは80mm以上、特に好ましくは100mm以上で、150mm以下であるものを用いるのがよい。「液流れ試験」は、スポット吸収性能を示す指標値で、45°傾斜板に目付け:42g/m(21g/m×2枚)のキッチンペーパーをミシン目毎にカットした3枚を重ねて2つ折りにしたもの(12層)をよく伸ばして固定し、その上に試験片をシートのMD方向が傾斜版の上下方向となるように、よく伸ばして貼り付けた後、10mmの高さから10mlピペットで人工尿を1滴(約0.06cc)垂らし、シートのMD方向に人工尿が流れた長さを測定するものである。試験は5回行い、その平均値とする。
表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。前記表面シート11は、前記防漏シート12によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在し、前記吸収体13を略方形状に覆っている。本発明では特に、後段で詳述するように、防漏シート12の表面側延在部分に複数の開孔3、3…が設けられている。
一方、立体ギャザーBSを形成するギャザー不織布16は、折返しによって二重シートとした不織布が用いられ、前記防漏シート12及び表面シート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、前記ギャザー不織布16は、紙おむつの長手方向中間部では、立体ギャザーBS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では、前記幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、前記立体ギャザーBSを形成する部分を吸収体13の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着している。なお、図3に示される例では、前記立体ギャザーBSは、内方側で起立する第1立体ギャザーBS1及び外方側で起立する第2立体ギャザーBS2から構成されているが、どちらか一方でもよい。また、第1立体ギャザーBS1における、立体ギャザーBS形成部分の基端部と表面シートとの接着線は、図3の例では吸収体13の表面側の側縁部に位置し、吸収性本体10の全長にわたって形成されているが、吸収体13の裏面側に位置するように形成されると、ポケット部分Pを大きく取ることができる。吸収体13の裏面側における、立体ギャザーBS形成部分の基端部と吸収体13(吸収性本体10)の側縁との距離は、5〜25mm程度が好ましく、10〜20mm程度がより好ましい。
前記二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布16の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材17、17…が配設されている。前記糸状弾性伸縮部材17、17…は、製品状態において弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
前記糸状弾性伸縮部材17としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%として配設するのがよい。なお、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
前述のギャザー不織布16を構成する素材繊維も前記透液性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらに前記ギャザー不織布16については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
さらに、前記二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布16の内部に、前記防漏シート12と同様の不透液性シート等を挟み込んだり、ギャザー不織布13の層間に疎水性の接着剤の膜を形成したりして防水性を向上するのも好ましい形態である。特に、外方側で起立する第2立体ギャザーBS2には高い防漏性が求められるため、不透液性シートを内在させるのが好ましい。
また、図3に示されるように、前記表面シート11の下面側(吸収体側)には、体液の吸収速度を速めるとともに、体液の逆戻りを防止するため、表面シート11とコアラップシート14との間に、親水性不織布からなるセカンドシート18を配置するのが好ましい。このセカンドシート18はなくても良いが、配設する場合には、表面シート11とコアラップシート14との間に配置される。セカンドシート18は、防漏シート12の表面側延在部分の間の、幅方向中間部を幅方向に部分的に覆う寸法で配置されてもよいが、体液の浸透性を向上し、かつ逆戻りを防止できるよう、幅方向では防漏シート12の表面側延在部分の間のほぼ全域が覆われるようになっているのが好ましい。また、幅方向にはさらに吸収体13と同幅まで延長することが可能である。この場合は、セカンドシートの両側縁部は、防漏シート12の表面側延在部分の下側に配置されるのが好ましい。そうすると、防漏シート12の表面側延在部分の体液の浸透性がさらに向上し、逆戻りがさらに少なくなる。長さ方向に関しては、セカンドシート18の寸法は特に規定しない。吸収体13の全長にわたっていてもよいし、股間部のみに配置されてもよい。
前記吸収性本体10と外装シート20とは、図3及び図4に示されるように、外装シート20の上面側に吸収性本体10がホットメルト等の接着剤によって接着され一体化される。そして、吸収性本体10および外装シート20が前後方向に折り重ねられ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合されることにより、図1に示されるパンツ型紙おむつ1に組み立てられる。
〔外装シート20の構造〕
次に外装シート20の構造について、図4及び図5に基づいて詳述する。外装シート20は、上層不織布20A及び下層不織布20Bが、ホットメルト接着剤などにより接着された2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に各種弾性伸縮部材がホットメルト接着剤などにより接着され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するための凹状の脚回りカットライン29により、全体として擬似砂時計形状を成している。
本発明に係る外装シート20においては、前記弾性伸縮部材として、図5の展開形状に示されるように、ウエスト開口部回り23に配置されたウエスト部弾性伸縮部材24,24…と、前身頃F及び後身頃Bに、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置され、腰回りにシャーリングを形成するための複数の腰回り弾性伸縮部材群25,25…とを有する。
前記ウエスト部弾性伸縮部材24,24…は、前身頃Fと後身頃Bとが接合された脇部接合縁21の範囲の内、ウエスト開口縁近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数本の糸ゴム状弾性伸縮部材であり、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることにより紙おむつを身体に装着するためのものである。このウエスト部弾性伸縮部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。
前記腰回り弾性伸縮部材群25,25…は、脇部接合縁21のウエスト開口縁23を除く上部位置から下部位置まで、あるいは図示されるように、脇部接合縁21よりも股下側に及ぶ範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配設された糸ゴム状弾性伸縮部材であり、前身頃F及び後身頃Bの腰回り部分に夫々、水平方向の伸縮力を与え腰回りシャーリングゾーンK1、K2を形成するためのものである。なお、前記ウエスト部弾性伸縮部材24、24…と腰回り弾性伸縮部材群25、25…との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに上下方向に間隔をおいて水平方向に配置された弾性伸縮部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性伸縮部材24として機能し、残りの弾性伸縮部材が腰回り弾性伸縮部材25として機能していればよい。
本発明では、前記吸収体13の縮こまりを防止するため、前記腰回り弾性部材25…は、吸収性本体が接合される中央付近において連続しておらず、前記吸収性本体10を横切る弾性伸縮部材25…を切断して不連続とし、前記腰回り弾性部材25…による伸縮性が付与されていない構造とすることが好ましい。弾性伸縮部材の不連続化は、例えば特開2000−26015号公報、特開2002−273808号公報に示されるように、各種弾性伸縮部材を外装シート20に配置した後、エンボスカッターロールとアンビルロールとの間に外装シートを通過させ、前記エンボスカッターロールによる加圧又は加熱により所定範囲内に存在する弾性伸縮部材を細かく切断する方法によればよい。
〔開孔3について〕
本発明では、前記防漏シート12の表面側延在部分に複数の開孔3、3…が設けられるようになっている。これにより、表面側両側部での体液吸収が図られるとともに、吸収体13に吸収された体液の滲み出し防止が図られている。
また、立体ギャザーBSと防漏シート12との間の体液の液溜まりをより素早く吸収するため、前記開孔3は、前記防漏シート12の表面側延在部分に対応する表面シート11にも設けられるようにしてもよい。このように表面シート11に開孔を設ける場合、この開孔形成領域の紙おむつ幅方向の寸法は、10〜30mmとすることが好ましい。さらに、防漏シート12の表面側延在部分に形成される開孔形成領域の紙おむつ幅方向の寸法をa、表面シート11の開孔形成領域の紙おむつ幅方向の寸法をb、立体ギャザーBSの形成高さをcとすると、5mm≦a≦b≦cの関係が成り立つように各寸法を定めることが好ましい。
次に、前記防漏シート12の表面側延在部分に設けられる開孔3の形態例について、図6〜図11に基づいて詳述する。
図6は、股間部4とそれ以外の前後端部5とで、開孔3の開孔率を異なるようにした形態例である。同図6に示されるように、股間部4に脚周りカットライン15が設けられた吸収体13においては、股間部4の開孔率を大きくしても当該部分には吸収体が介在する割合が小さく前後端方向に体液が流出するだけで思わぬ漏れを生ずる場合があるため、股間部4の開孔率を相対的に小さく、前後端部5の開孔率を相対的に大きくするのが好ましい。具体的には、0≦股間部4の開孔率<30%、30%≦前後端部5の開孔率≦60%の範囲内で開孔3を形成する。股間部4の開孔率が30%を超えると、前述の体液の思わぬ漏れを生じる可能性があることに加えて、吸収体13に分散配置された高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が抜け出る弊害が生じ、股間部4に溜まった体液を十分に吸収できなくなるおそれがある。また、前後端部5の開孔率が30%より小さいと、股間部4から流入した体液を吸収するスピードが追い付かず、逆に60%以上では、製造過程において高速搬送中の防漏シート12を平滑保持できなくなり、シワ入り、折れなどの製造不良が多発する可能性がある。かかる構成により、股間部4での体液吸収が若干劣るとしても、前後端部5で確実に吸収できるため、横漏れ防止効果に優れ、吸収体表面の体液吸収効率が向上できる。
一方、吸収体13が前記ストレート吸収体とされる場合には、吸収体13両側部の股間部4と前後端部5とで吸収性能が同等であるため、20%≦股間部4・前後端部5の開孔率≦60%の範囲内で開孔3を形成することが好ましい。
図7は、体液の流れ状態を考慮して、体液を効率よく吸収できるように、股間部4とそれ以外の前後端部5とで、開孔3の形状及び/又は大きさを異なるようにした形態例である。具体的には、股間部4では滞留状態の体液を効率よく開孔3に流入するように紙おむつ幅方向に長い長孔とすることが好ましく、前後端部5では股間部4から筋状に体液が流れて特定の開孔3に集中しないよう、体液を分散して流通させるとともに、前後端部5に流れる速度を低減させるために、円形の細孔を格子状又は千鳥状に多数配列した形態とすることが好ましい。なお、本形態は、前記ストレート吸収体にも同様に適用可能である。
図8は、紙おむつ1の長手方向中央部から長手方向両端部に向かって、開孔3の大きさを漸次小さくなるように形成した形態例である。図示例は、前記脚周りカットライン15が設けられた吸収体13の場合で、股間部4に吸収体が介在する割合が小さいため、股間部4には開孔を設けずに、前後端部5にのみ紙おむつ1の長手方向中央部から長手方向両端部に向かって大きさが漸次小さくなるようにした開孔3を設けるようにする。図示しないが、吸収体13が略方形状の場合は、開孔3は長手方向中央部すなわち股間部4が最も大きく、長手方向両端部に向かって漸次小さくなるように設けられるようにする。このように形成することにより、前後端部の逆戻りを少なくし、股間部に近い部分で確実に吸収できるようになる。ここで、最も長手方向中央部寄りに位置する最大の開孔3と最も長手方向端部寄りに位置する最小の開孔3との大きさの比が、0<最大/最小開孔比<5の範囲内であることが望ましい。最大/最小開孔比が5以上の大きさで開孔を形成した場合には、体液の流通距離に対して開孔3を通じて吸収体13に吸収される体液の量が少なく、その結果体液の吸収が遅れて横漏れを生じるおそれがある。また、最大/最小開孔比を5以上とした場合に十分な吸収量を確保しようとすると、長手方向中央部側の開孔を大きくしなければならず、前述のように、体液の逆戻りや、高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が抜け出るおそれ、製造時に安定操業ができないなどの問題が生じ得る。
一方、前記ストレート吸収体とした場合には、股間部4のみに、上記条件に適合した開孔3を設けることが好ましい。
図9は、吸収体13の紙おむつ長手方向の長さLに対して、吸収体13の長手方向両端から最大L/6の範囲内には開孔3を形成しないようにした形態例である。すなわち、吸収体13の長手方向の長さLに対して、0≦吸収体13の長手方向両端からの開孔を形成しない範囲≦L/6、とすることによって、股間部4及びその近傍の前後端部5で体液を集中的に吸収するようになっている。これによって、股間部に近い部分で確実に体液を吸収し、横漏れが効果的に防止できるとともに、前後端部の逆戻りを少なくできるようになる。ここで、吸収体13の長手方向両端からの開孔を形成しない範囲がL/6を超えると、股間部4から前後端部5に流出した体液が十分に吸収体に吸収されない可能性があり、漏れを生じる場合がある。なお、本形態は、前記ストレート吸収体にも同様に適用可能である。
図10(A)は、股間部4に設けられる開孔群と、前後端部5に設けられる開孔群との間に離隔部D、Dを形成した場合の形態例である。この離隔部Dを形成することにより、離隔部Dを体液が流れる間に、体液の流速を変化させ、体液を吸収体幅方向へ分散させることで、吸収体13への吸収がスムーズに行えるようになるものである。ここで、前記離隔部Dは、10mm<離隔部D≦50mmとすることが好ましい。10mm以下では体液の流速変化の効果が期待できず、50mmより大きいと全体の開孔数が少なくなり、十分な漏れ防止の効果を発揮できない。なお、本形態は、前記ストレート吸収体にも同様に適用可能である。図示例では離隔部D、Dを股間部4と前後端部5の境界(2箇所)にのみ設け、それぞれの開孔群が異なる形状の開孔からなるようにしているが、離隔部は3箇所以上であってもよく、開孔群間で開孔形状が同じであってもよい。
また、前記開孔群の全部又は一部の配列方向は、図10(B)に示されるように、吸収体13の長手方向線に対して傾斜して配置されてもよい。具体的には、同図に示されるように、開孔群の配列方向の外方端側が、吸収体の幅方向中心線方向に傾斜して配置されることが好ましい。このとき、前後端部5の開孔群は、一体的に配列方向を傾斜させるのが好ましく、股間部4の開孔群は、該股間部の中央部を境に前側部分と後側部分とで部分的に配列方向が異なる傾斜とするのが好ましい。傾斜角は、吸収体13の長手方向線に対する前記開孔群の配列方向のなす角αが、0<α<90°、特に30<α<60°の範囲内となるようにするのが好ましい。このように配置することで、吸収した体液を吸収体13の中央部へ向けて誘導できるようになる。
図11は、防漏シート12の表面側延在部分に沿って設けられる開孔3が長孔とされるとともに、この長孔の長手方向が吸収体13の短手方向線に対して傾斜して配置される場合の形態例である。このように、長孔の長手方向が吸収体13の短手方向線に対して傾斜して設けられることにより、吸収した体液を吸収体中央部へ誘導できるようになる。より具体的には、図11に示されるように、長孔の長手方向の外方端側が吸収体の中央の短手方向線に対して傾斜して配置されることが好ましく、このときの傾斜角は、短手方向線に対して前記長孔の長手方向のなす角をθとすると、0<θ<90°、特に30<θ<60°の範囲内となるようにするのが好ましい。なお、本形態は、前記ストレート吸収体にも同様に適用可能である。なお、ここで言う「長孔」とは、長手寸法と短手寸法を持つ、真円以外の全ての形状を含むものとするが、長孔として好ましい形状は楕円、面取りした長方形やひし形などで、長手方向の寸法と短手方向の寸法の比率が2〜5であるものである。
ところで、前記開孔3は、防漏シート12の厚み方向に対し、表面側から裏面側にかけて大きさが等しい一般的な円筒形状の開孔としても良いが、図12に示されるように、防漏シート12の厚み方向に対し、表面側が広く裏面側が狭くなる円錐台の形状とすることが好ましい。これにより、体液が開孔3の表面側から流入しやすくなるとともに、吸収体に吸収された体液が表面側に逆戻りするのを防止できるようになる。
また、防漏シート12の表面側延在部分に設けられる開孔3は、図13(A)に示されるような千鳥状配列又は同図(B)に示されるような格子状配列のいずれであっても良い。
なお、股間部4又は前後端部5の各領域内に形成される開孔3の大きさや形状は、上記各条件を満足する範囲内で、複数の種類が混在していても良い。
前記開孔3の加工処理には、エンボス加工、熱加工などの各種開孔処理方法を用いることができる。ここでエンボス加工では、上ロールと下ロールとが対向配置したエンボス加工設備において、いずれか一方が凸部を備えるエンボスロールとされ、他方がアンビルロールとされ、これらロール間に防漏シート12を通過させることにより開孔を施すことができる。
また、開孔3の大きさは、丸孔の場合の直径又は長孔の場合の長さ若しくは幅が、1mm〜5mm、すなわち1mm≦開孔の大きさ≦5mmの範囲内とすることが好ましい。この範囲内で開孔3を形成することにより、体液吸収が速やかに行われるとともに、吸収した体液の逆戻りが生じにくく、かつ吸収体に分散配置された高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)の抜け出しが防止できる。
立体ギャザーBS形成部分の基端部と表面シートとの接着線を吸収体13の裏面側に位置するように形成すると、ポケット部分Pを大きく取ることができるが、そのままでは吸収体13の裏面側に形成されるポケットからは体液が吸収されない。そこで、ポケット部分Pに対応する吸収体13の裏面側の防漏シート12にも開孔を設けるのが好ましい。吸収体13の裏面側の防漏シート12に設ける開孔の大きさや形状、配置パターンは、表面側に設ける開孔と同様に形成すればよいが、表面側のように逆戻りとのバランスを考慮する必要が無いため、裏面側は全長にわたって均一なパターンとしてもよい。いずれにしても、裏面側の開孔が吸収に寄与できるため、表面側の開孔を少なくすることができ、これにより逆戻りの少ない構造とすることができる。具体的には、表面側の開孔の合計面積を、裏面側の開孔の合計面積の30〜90%とすることができる。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、パンツ型使い捨て紙おむつを例に採り本発明を説明したが、本発明はテープ式使い捨て紙おむつに対しても同様に適用が可能である。
(2)上記形態例では、表面シート11、防漏シート12、ギャザー不織布16のいずれもが吸収体を巻き込む構造としたが、吸収体を巻き込むのは防漏シートのみでもよく、いずれのシートも吸収体を巻き込まないようにしてもよい。巻き込みが防漏シート12のみの場合は、表面シート11やギャザー不織布16は、外装シート20と共にサイドフラップを形成するが、外装シート20が液不透過性を有する、または外装シート20と防漏シート12との間に別の液不透過性シートを介在させる構成(この液不透過性シートは表面シートを含む形状の方形または砂時計形状が好ましい)になっておればよい。また、防漏シート12も巻き込まない場合は、防漏シート12とは別の液不透過性の被覆シートが吸収体側部の裏面側から表面側まで延在して側部を挟むように固定されておればよい。
本発明に係る使い捨て紙おむつ1の製品状態外観図である。 その展開図である。 図2のIII−III線矢視図である。 使い捨て紙おむつ1の分解図である。 外装シート20の展開図である。 開孔3の形態例(その1)を示す吸収体13に防漏シート12を固定した状態の上面図である。 開孔3の形態例(その2)を示す吸収体13に防漏シート12を固定した状態の上面図である。 開孔3の形態例(その3)を示す吸収体13に防漏シート12を固定した状態の上面図である。 開孔3の形態例(その4)を示す吸収体13に防漏シート12を固定した状態の上面図である。 開孔3の形態例(その5)を示す吸収体13に防漏シート12を固定した状態の上面図である。 開孔3の形態例(その6)を示す吸収体13に防漏シート12を固定した状態の上面図である。 開孔3を施した状態の防漏シート12の断面図である。 (A)は千鳥状に、(B)は格子状に防漏シート12の表面側延在部分に開孔を施した上面図である。
1…使い捨て紙おむつ、3…開孔、4…股間部、5…前後端部、10…吸収性本体、11…表面シート、12…防漏シート、13…吸収体、14…コアラップシート、15…脚周りカットライン、16…ギャザー不織布、17…糸状弾性部材、18…セカンドシート、20…外装シート、20A…上層不織布、20B…下層不織布、21…脇部接合縁、23…ウエスト開口部周り、24…ウエスト部弾性伸縮部材、25…腰回り弾性伸縮部材、29…脚周りカットライン、B…後身頃、F…前身頃、BS・BS1・BS2…立体ギャザー

Claims (10)

  1. 吸収体と、前記吸収体の少なくとも表面側を覆う透液性の表面シートと、前記吸収体の少なくとも裏面側を覆う不透液性の防漏シートとを含み、表面がわ両側部に立体ギャザーが形成された使い捨て紙おむつにおいて、
    前記吸収体の長手方向両側部において、不透液性の被覆シートが吸収体側縁部を巻き込んで吸収体の裏面側から表面側まで延在して固定され、
    前記被覆シートの表面側延在部分に沿って複数の開孔が設けられるとともに、前記開孔は長孔とされ、かつこの長孔の長手方向外方端側が吸収体中央の短手方向線側に傾斜するとともに、前記長孔の長手方向線と吸収体の短手方向線との交差角θが30°<θ<60°の範囲となるように配置されていることを特徴とする使い捨て紙おむつ。
  2. 前記被覆シートが前記防漏シートによって構成され、
    前記吸収体の長手方向両側部において、前記防漏シートが吸収体側縁部を巻き込んで吸収体の表面側まで延在して固定され、前記防漏シートの表面側延在部分に前記複数の開孔が設けられている請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
  3. 前記吸収体の長手方向両側部において、前記表面シートが前記被覆シート又は防漏シートによって巻き込まれた吸収体側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体の裏面側まで延在して固定され、かつ前記立体ギャザーを形成するためのギャザー不織布が前記表面シートによって巻き込まれた吸収体側縁部をさらに上側から巻き込んで吸収体の裏面側まで延在して固定されている請求項1、2いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
  4. 前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に対応する前記表面シートに開孔が設けられている請求項1〜3いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
  5. 前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、装着時に股間部に相当する部位とそれ以外の前後端部とで開孔率を異なるようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
  6. 前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、装着時に股間部に相当する部位とそれ以外の前後端部とで開孔の形状及び/又は大きさを異なるようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
  7. 前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、装着時に股間部に相当する部位以外の前後端部に、股間部から前後端部に向かって漸次小さくなるようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
  8. 前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、前記吸収体の長手方向長さLに対して、吸収体の長手方向両端から最大L/6の範囲には形成しないようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
  9. 前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、装着時に股間部に相当する部位に設けられる開孔群と、それ以外の前後端部に設けられる開孔群との間に離隔部を形成してある請求項1〜4いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
  10. 前記被覆シート又は防漏シートの表面側延在部分に設けられる開孔は、前記被覆シート又は防漏シートの厚み方向に対し、表面側が広く裏面側が狭くなるように形成されている請求項1〜いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
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