JP5065568B2 - フィルターシステムおよびフィルター部材 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、流体フィルターに関し、特に車両用燃料フィルターに関する。
従来技術では、のフィルター（「セパレーター」とも呼ばれる）については多くの種類が知られている。フィルターは燃料や油などの流体から汚染物質その他不純物を取り除くことで広く知られる。普及型フィルターは、交換可能なリング型フィルター部材を密閉するハウジングを持つ。フィルター部材は、燃料噴射ポンプや燃料噴射器等のシステム構成部品に、燃料あるいは油が送られる前に、確実に不純物を取り除く。ハウジングの螺合部分（mating portion）が、部材の内部密閉部分を形成していて、ハウジング部分は使用済みフィルター部材交換のために切り離すことができる（separated）。フィルター部材が不純物でつまって流れを制限しないように、フィルター部材は定期的に交換する必要がある。このようなフィルター部材を交換する際に問題が生じることが知られている。
【０００２】
問題の一つは、フィルター部材の寸法および／または濾過能力が異なっていても、装着形状寸法が同じであるために、誤ったフィルター部材をひとつのフィルターヘッドに取り付けてしまうことが時としてある。しかし、間違ったフィルター部材を使用すると、エンジン性能が低下し、好ましくない量の汚染物質をシステム内に通す可能性がある。
【０００３】
もう一つの問題は、使用済みフィルター部材を取り外したあと、新品部材を取り付けないままハウジング部分だけを再度取り付けてしまう可能性がある。自動ドレン弁がフィルターに使われている場合（たとえば、米国特許明細書US-A-5,468,386参照）、部材がハウジングに設置されていないとき、燃料または油がドレンに捨てられる可能性がある。エンジンは作動するかもしれないが（少なくとも短時間の間は）、これはエンジンに、特にエンジンの作動がフィルターからの油または燃料の継続供給に依存している場合、悪影響を及ぼしうる。
【０００４】
さらに、部材を取り外す際、燃料／油および部材についた不純物と接触して、手を汚すという問題がある。使用者は、通常、ハウジングのなかに手を伸ばして部材を掴まなければならず、ハウジングや部材に残っている燃料あるいは油に触れる可能性がある。さらに、部材を取り外す時、部材に残っている燃料あるいは油が周囲のエンジン構成部品の上にこぼれて、エンジンを汚したりあるいは尚困ることに、地面にしたたり落ちて環境問題をもたらする可能性もある。
【０００５】
これら問題を軽減し、少なくとも一部なくすために、本出願の譲受人が所有する米国特許US-A-4,836,923明細書に示されるフィルターセンブリーが開発された。このフィルターセンブリーは着脱自在のカバーに取り付けた独自の交換可能なフィルター部材を含む。フィルター部材は、カバーの反対側にある端部キャップに開口を持ち、これにより、フィルター部材をハウジング内の伸長直立管の上に着脱自在に配置できる。カバーをハウジングから取り外して、部材をハウジングから外す。これにより皮膚が部材に触れる機会が減り、その結果部材交換による汚れがへるが、部材をハウジングから取り外し、エンジンの上を通って運ぶ際に部材から漏れる燃料、油、不純物がもれるという問題には十分対応できない。
【０００６】
さらに、'923特許のハウジングのカバーは、使用済みの部材と共に毎回廃棄される。カバーは普通重いプラスチックや金属の部品であるため、これは環境保護や固体廃棄物の観点から望ましくない。廃棄材料の量を最小限に抑えるのが一般に望ましく、廃棄部材が有害廃棄物および／または簡単に焼却できないものの場合、特にそうである。カバーも交換部材のコストの一部に含まれる。その結果、この設計では交換部材のコストが高くなる。
【０００７】
'923特許でも部材をカバーから外したあと、新しい部材を設置しないまま、カバーを再度取り付けることができる。そのため、この設計もフィルター部材を設置しないままエンジンを作動させる問題については解決にはならない。
【０００８】
本出願の譲受人が所有する米国特許US-A-5,770,065に改良フィルターセンブリーが示されている。この特許では、直立管が同じようにハウジング内部に設けられていて、バネで付勢された弁部材が直立管内部に設けられている。弁部材は通常閉鎖しており、部材が正しくハウジングに取り付けられると、部材の端部キャップに設けた突起によって開放位置に係合、移動させることができる。弁（従ってフィルターセンブリー）はふつう、フィルター部材が正しく設置されなければ操作できないようになっている。'065特許に示すフィルターは、それ以前の'923特許で見られた問題の一部は克服できるが、カバーは'923特許の場合と同じ方法で部材に取り付けられるため、フィルター部材を取り替える際、燃料や油はやはりエンジンやその周辺部分にしたたり落ちる。また、'923特許と同じく、新しい部材が設置されていなくても、カバーを部材から取り外して、ハウジングにネジで取り付け直すことができる。高圧燃料システムの場合、弁部材が実際力ずくで開いて、未濾過燃料が下流構成部品に流れてしまう可能性がある。これもエンジンにとって好ましくない。
【０００９】
従って、フィルター部材の取り替えにまつわる汚れや環境問題を、排除しないまでも軽減し、正しいフィルター部材が取り付けられていない状態でフィルターが作動するのを防止するフィルターに対するニーズがあると考えられる。
【００１０】
本発明によれば、不適正なフィルター部材がフィルターで使用されるのを防止し、フィルター部材を所定通り設置しないままフィルターを作動させるのを防止する、新規かつ独自のフィルターセンブリーが提供される。部材交換時の汚れや環境問題は排除されないまでも、実質的に軽減される。フィルター部材は製造も簡単で低コストである。
【００１１】
本発明のフィルターセンブリーは、濾過媒体のリングを備えた交換可能な部材と、濾過媒体のいずれか一方の端部に気密に接着した端部キャップを含む。内部支持コアがフィルターハウジングの端部壁に固定されていて、フィルター部材の端部キャップの一つは中央開口を含むため、フィルター部材を着脱自在に支持コアの上で支持できるようになっている。支持コアはフィルター部材の内部支持となるので、フィルター部材は簡単に焼却できる材料だけで構成することができる。
【００１２】
延長・係止アセンブリーに支持コアが設けられる。延長・係止アセンブリーは、適切なフィルター部材がハウジングに設置されていないとき、ハウジングのカバーがハウジング本体に取り付けられるのを防ぐ作用をする。延長・係止アセンブリーは、バイパス部材と係止部材を含む。バイパス部材は係止部材にぴったりとかつ摺動自在に収納されており、一方係止部材は支持コアにぴったりとかつ摺動自在に収納されている。実施例の一つでは、係止部材とバイパス部材は共に、拡大ヘッドを持ち、バイパス部材の拡大ヘッドは係止部材の拡大ヘッドの上に位置する。主バネが支持コアの肩部と係止部材の拡大ヘッドの間に延在して、係止部材とバイパス部材にを支持コアから外方向に向けて付勢している。
【００１３】
係止部材とバイパス部材が外側位置にあるとき、係止部材の遠位内端はバイパス部材の遠位内端を半径方向外向きに支持コアの内側表面に対して押しつける。支持コアは、内側表面に沿った環状ステップ部または肩部を含み、バイパス部材の遠位内端がステップ部に係合して、延長・係止アセンブリーが支持コアの内部に向かって押し込まれるのを防ぐ。延長・係止アセンブリーは、延長・係止アセンブリーが外側位置にあるときハウジングのカバーをハウジング本体に取り付けることができないだけの長さを持つ。
【００１４】
バイパス部材の拡大ヘッドは、係止部材の拡大ヘッドにアクセス可能な一連の開口を含む。開口は戦略的に配置され、もう一方の端部キャップ（中央開口を持つフィルター部材の端部キャップの反対側）は、端部キャップから軸方向内側に延び、開口と同じ配置の一連の突起を含む。部材を支持コアに設置すると、突起はバイパス部材のヘッドに設けた開口を通って延び、係止部材のヘッドと係合する。突起が係止部材を軸方向内向きに押しつけ、そうすることで、係止部材の遠位内端をバイパス部材の遠位内端から遠ざかる方向に移動させる。これにより、バイパス部材の遠位内端は支持コアのステップ部からはずれ、係止部材とバイパス部材は支持コアの内部に向かって摺動する（引っ込む）。延長・係止アセンブリーが内側位置にあるとき、恵超・係止アセンブリーによってフィルター部材はフィルターハウジングの正しい位置に位置決めされ、カバーをハウジング本体に取り付けることができる。
【００１５】
理解されるように、端部キャップに突起が正しく配置されていないフィルター部材の場合、係止部材のヘッドと係合することができず、延長・係止アセンブリーはその外側位置で係止状態を保つため、フィルター部材は正しくフィルターハウジング内に組み込むことができない。
【００１６】
フィルターセンブリーのもう一つの特長は、部材交換中、カバーを取り外すと、延長・係止アセンブリーが外側位置に移動して、延長・係止アセンブリーが使用済み部材をハウジングからわずかに外側に押し出すことにある。これにより、使用済みのフィルター部材をハウジングから取り外すのが容易になり、ハウジングに燃料あるいは油が残っていても接触の機会が少なくなる。
【００１７】
バイパス弁をバイパス部材に設けて、フィルター部材が不純物でつまったときに流体がフィルター部材をバイパスできるようにすることができる。バイパス弁は、バイパス部材と一体に設けてもよく、あるいはバイパス部材で支持される別個の部材としてもよい。バイパス・バネがバイパス弁のヘッドを隣接する端部キャップ中の中央開口に対して付勢させるため、通常は流体が部材をバイパスするのを防止しているが、ハウジング内の圧力が所定値より高くなると流体はバイパスできる。
【００１８】
上記で述べたように、フィルター部材は、一対の端部キャップを含み、第１端部キャップは中央支持コアを受ける中央開口を含む。第２端部キャップは、延長・係止アセンブリーを作動させるための突起を含み、バイパス弁を使用する場合は中央開口を含むことができる。第２端部キャップの中央開口は好ましくは、短い環状フランジで取り囲まれ、フランジはフィルター部材の内部に向けて延在して、部材がハウジング内に位置する際バイパス弁を密閉している。フランジと突起は、端部キャップを一体構成部品として成型するなどして、簡単に端部キャップに形成でき、フィルター部材はそれ以外は製造が簡単で安価である。好ましい態様ではないが、突起を別個の部材上に形成して、第２端部キャップの内側表面に保持させることもできる。
【００１９】
本発明の他の側面によれば、フィルター部材用の流体気密な収納容器が提供される。収納容器は、第１の薄壁カップ型容器部分を含み、第１容器部分はフィルター部材の少なくとも一部を取り囲むだけの大きさを持ち、ii)第２薄壁カップ型容器部分を含み、第２容器部分もフィルター部材の少なくとも一部を取り囲むだけの大きさを持ち、第１と第２の容器部分は結合してフィルター部材のための流体気密な密閉部を形成し、iii)容器部分の一つと一体をなし、フィルター部材をひとつの容器部分に保持するための手段を含み、iv)第１容器部分を第２容器部分に結合してフィルター部材用の流体気密性密閉部を形成する手段とを含む。
【００２０】
容器の部分は好ましくは、プラスチックなどの安価、軽量、焼却可能な材料で形成する。容器部分は、リッジやヘッドなど、容器部分の側壁および／または端部壁などと一体をなす保持装置を含み、フィルター部材の適当な場所と係合して部材を容器に保持する設計となっている。保持装置は、いくつか異なる形に形成でき、フィルター部材のさまざまな位置と係合して部材を容器内部に保持できる寸法形状を持つ。保持装置は弾性であることが好ましく、弾性的に偏向して、端部キャップのいずれか一つの周囲など、端部キャップの一部分と係合する。
【００２１】
部材交換中、新しい部材を容器から取り出して横においておく。容器の空の部分を逆にかえして、開放端部から先に、使用済み部材を取り囲むようにして、フィルターハウジングの開放端部に挿入する。上述のように、部材がハウジングからわずかに外側に位置することで、この動作は容易になる。弾性保持装置が部材と係合、部材と協働して部材を本体に保持する。次に容器部分に部材が取り付けられたままの状態で容器部分をハウジングから取り出す。容器部分をハウジングから出した後、容器部分は直ちにまっすぐ上向きにし、燃料または油が部材からしたたり落ちて周囲を汚染するのを防ぐ。続いてもう一つの容器部分を第１容器部分に取付け、使用済み部材をこのアセンブリーと共に焼却などの方法で処分する。
【００２２】
従って、上述のように、本発明のフィルターは、誤ったフィルター部材がフィルターに使用されるのを防ぎ、フィルター部材が所定位置にない状態でフィルターが作動するのを防ぐ。部材交換時の汚れや環境問題は、排除されないまでも大幅に減少される。フィルター部材は製造も簡単で安価にできる。
【００２３】
本発明を添付図面に略図的に例示する。
図面をまず図１から参照すると、本発明の原理に従って構成されたフィルターの第１実施例を全体として３０で示す。フィルター３０は、燃料（ディーゼル燃料など）から水分およびその他の粒子や汚染物質を濾過するのに特に好適であるが、一般に低密度流体（水など）をより密度の高い流体（油など）から分けるのに適している。第１実施例のフィルター３０は、環状ハウジング本体３２と、ハウジング本体の開放端部に着脱に取り付けたカップ型カバー３４を含む。ハウジング本体３２と、カバー３４は、たとえば硬質プラスチックなど、特定応用例に適した材料で形成し、ハウジング３２はエンジンの適切な位置に固定する。
【００２４】
環状ハウジング本体３２は、ディスク型端部壁３７と、燃料をフィルターから出し入れする流入口３８と流出口３９を含む。流入および流出口は、端部壁３７に形成されたものを図示しているが、一方または両方をハウジング本体３２内に形成しても、あるいはカバー３４内に形成してもよい。いずれにしても、濾過しようとする燃料（または油）が流入口３８に導かれ、ハウジング３２とフィルター部材３６の間にあるフィルターの周辺領域４０内に送られる。燃料は次に半径方向向きに部材３６を通り、ここで燃料中の汚染物質／粒子が除去され、濾過された燃料はつぎに流出口３９を通って燃料システムの下流構成部品に導かれる。
【００２５】
ハウジング本体３２は、開放端部４２を含み、開放端部近辺に一連の内部ネジ山４４が設けられている。カバー３３４も、開放端部４６を含み、開放端部近辺に一連の外部ネジ山４８が設けられている。ハウジングのネジ山４４はカバー３４のネジ山４６と協働して、カバーをネジでハウジングに着脱するのを容易にしている。Oリングすなわちガスケット５０がハウジング構成部品の間に設けられて、流体気密性のシールをなす。上記は、カバーをハウジングに取り付ける一つの技法にすぎず、本技術分野の熟練者には周知の通り、他の技法も可能である。
【００２６】
ネジ山を切ったスパッド、すなわちカラー５４がハウジング端部壁３７の中央に設けられ、流出口３９を取り囲んでいる。スパッド５４は、端部壁３７からハウジング本体の開放端部４２に向かって、軸方向上向きに短く突出している。
【００２７】
必要あるいは望ましければ、米国特許5,468,386に記載されるような、自動ドレン弁（図示せず）をハウジングの端部壁３７に設置してもよい。同特許は言及により本書に組み込まれる。
【００２８】
図２−５を参照すると、支持コアまたは管５６がハウジングの軸方向中心線に沿って延び、スパッド５４内にねじ込まれ気密状態を保って収納されるネジ山付き内部端部５７を含む。支持コアの内部端部は、コアから半径方向外向きに間隔をおいた短い環状スカート５８（図８も参照）を含み、スパッド５４の周囲に外側からぴったりはまる。支持コア５６は、その長さに沿って６０で示す一連のリブまたは段列を含む。段列６０は好ましくは、連続螺旋状に延在し、支持コアの長さに沿った燃料の移動を促すと共に、フィルター部材３６の内部表面に沿って均一の支持をもたらす。支持コア５６は、好ましくはその外側（上部）端部６４に向かう一つ以上の開口６２（図３）を有することで、燃料が支持コア内部に向かって通過するのを可能にする。支持コアの残る長さは閉じていてもよく、あるいは支持コア内で維持したい所望の燃料レベルに応じて適当な開口を設けてもよい。状況によっては、支持コア内にある程度の燃料レベルを維持して、始動時のフィルター動作を円滑にすることが望ましい。最後に、支持コアは、外側環状肩部６６と内側環状ステップ６８（図５）を含み、共にコアの長さに沿った適切な位置に設けられるが、その理由は以下で説明する。支持コア５６は硬質プラスチックなど特定応用例に適した材料で形成する。
【００２９】
図４に全体を７０で示す延長・係止アセンブリーは、支持コア５６内に収納される。延長・係止アセンブリー７０は、適切なフィルター部材がハウジング内に設置されている時を除き、カバー３４がハウジング本体３２に取り付けられるのを防ぐ。この目的のために、延長・係止アセンブリー７０は、係止部材７４とバイパス部材７６を含み、係止部材７４はバイパス部材７６にぴったりかつ摺動自在に収納され、バイパス部材７６はぴったりかつ摺動自在に支持コア５６に収納される。図３に示すように、係止部材７４は、流体流動用の一連の下部開口７９、一連の上部開口８０，環状基部８２，拡大環状ヘッドを備えた本体７８を含む。係止部材の基部８２は、半径方向外向きに突出する環状フランジ８６（図５参照）を含む。本体７８は、一連の内部軸方向チャンネルまたはスロット９０を含み、これらはバイパス部材７６のフィンガー９２を摺動自在に受けるよう配置される。係止部材７４は好ましくは、硬質プラスチックなどの適切な材料で一体に形成する。
【００３０】
バイパス部材７６は、フィンガー９２と、フィンガー９２がチャンネル９０に収まった時係止部材７４の拡大環状ヘッド８４の上にくる拡大環状ヘッド９４を含む。フィンガー９２は、掲示部材７４のスロット９０に沿って延び、上部開口を通って外方向に（図では下方向）に突出する。無孔（imperforate）のドーム型端部壁９６が、図４に示すように、ヘッド９４の半径方向内側に設けられる。バイパス部材７６も好ましくは、硬質プラスチックなどの適切な材料で一体に形成する。
【００３１】
主バネ１００が支持コア５６の外側（上部）端部に、係止部材７４およびバイパス部材７６を取り囲むようにして設けられる。バネ１００は、支持コア５６上の環状肩部６６と係止部材の拡大ヘッド８４の間に延在する。バネ１００は、係止部材７４のヘッドをバイパス部材７６のヘッドに対して付勢しているため、これら構成部品は支持コア５６から軸方向外向きに強く押される。バイパス部材７６が係止部材７４に収まると、図５でもっともよくわかるように、バイパス部材７６のフィンガー９２は係止部材７４内の開口８０を通って軸方向に突出し、係止部材の環状基部８２と支持コアの内部上面の間に収まる。基部８２の環状フランジ８６がフィンガー９２を半径方向外向きに、支持コアの内部表面に対して押しつけ、係止部材とバイパス部材を支持コア内に保持する干渉嵌合（interference fit）を形成する、すなわち、主バネ１００がこれら構成部品を全面的に支持コアから外方向に押し出すのを防ぐ。バイパスバネ１０２が、ドーム型端部壁９６の内部に設けられて（図４からわかるように）、バイパス部材を係止部材７４から外方向に遠ざかる方向に付勢している。バイパスバネ１０２は、ドーム型端部壁９６と係止部材７４上の半径方向内側を向く環状バネストップ１０６（図２）の間に延在する。
【００３２】
上に示したように、延長・係止アセンブリーは、ハウジングに適正なフィルター部材がないときにカバー３４がハウジング本体３２に取り付けられるのを防止する。図４に示すように、主バネ１００は通常係止部材とバイパス部材を外方向に付勢しているため、バイパス部材７６のフィンガー９２の遠位内側端部は、支持コアの環状ステップ６８（図５）の軸方向外側にくる。係止部材７４の環状基部８２は、フィンガー９２を支持コアに対して半径方向外向きに押しつけているため、フィンガーはステップと係合し、延長・係止アセンブリーが支持コア内に内向きに押し込まれるのを防ぐ。図９に示すように、延長・係止アセンブリー７０の軸方向は、延長・係止アセンブリー７０が外側位置にあるとき、カバー３４が完全にハウジング本体３２にねじ込まれないだけの長さを持つ。
【００３３】
バイパス部材を支持コア内のステップから外すには、係止部材の基部８２をバイパス部材のフィンガー９２の遠位端部から軸方向に遠ざかる方向（内側に）に移動させる。図６に示すように、バイパス部材のヘッド９４は、その下に位置する係止部材のヘッド８４にアクセスを可能にする一連の開口１１０を持つ。フィルター部材は端部キャップ１１４を持ち、図７に示すように、キャップは、バイパス弁ヘッド９４の開口１１０の位置に対応して軸方向に延びる一連の明確な突起１１６を持つ。図ではこのような突起１１６が４個、全体に等間隔かつ環状に配置されているが、突起の数および間隔は、開口１１０の数と位置に応じて変更可能であり、用途によっては突起は一つでよい場合もあることに留意されたい。突起１１６の遠位端部および／または開口１１０の間の平坦部１１８に、角度を付ける、あるいはハス歯状（螺旋状）（helical）の傾斜面を設けて、開口１１０との突起の配向（orientation）を容易にしてもよい。フィルター部材をハウジングに設置したとき、角度を付けたあるいは螺旋状の表面が、部材を強制的に回転させる、あるいは促すため、突起１１６は自動的に開口１１０と整合する。
【００３４】
フィルター部材をハウジングに設置すると、端部キャップ１１４上の突起１１６は開口１１０を通って突き出し、係止部材７４のヘッド８４と係合する。突起１１６は、図２および８に示すように、係止部材を軸方向内向きに支持コア内に押し込む。係止部材の基部８２はバイパス部材７６のフィンガー９２の内側端部から軸方向に離れて移動し、その結果、フィンガーがステップ６８から外れて、バイパス部材は支持コア内に内向きに摺動することができる。これにより、延長・係止アセンブリーは支持コア内に引っ込み、主バネ１００を圧縮してカバー３４がハウジング本体３２に取り付けられる。係止部材を軸方向に適切な距離だけ移動させるのに必要な突起長さは簡単に決めることができる。
【００３５】
突起の配置が適切でない部材の場合、係止部材のヘッドと係合せず、延長・係止アセンブリーはその外側位置に係止されたままになることが理解される。カバー３４はハウジング本体３２に取り付けることができない。従って、本発明はフィルター部材が設置されないままフィルターが作動するのを防ぐばかりでなく、部材が設置されていても、部材の突起配置が適切でない場合、フィルターの作動を防止する。
【００３６】
図２，３に戻ると、フィルター部材３６は、適切な材料、適切な方法で形成された濾過媒体１２０のリングを含む。部材はまた、媒体リングの外側（上部）端部に気密状態に接着（接着剤などで）したディスク型端部キャップ１１４、および、媒体リングの内側（下部）端部に気密状態に接着（接着剤などで）した対向ディスク型端部キャップ１２２を含む。端部キャップ１２２は、支持コア５６を収納し、フィルター部材を支持コアの上に着脱自在に位置させることができる寸法を持つ円形の中心開口を含む。短い環状フランジ１２６が軸方向下向きに突き出していて、端部キャップ１２２の開口１２４を取り囲み、支持コアのスリーブ５８に対して流体気密をもたらす。これに代えて（あるいは加えて）、Oリングまたは弾性ガスケット（図示せず）を端部キャップ１２２と支持コア５６の間に設けてもよい。
【００３７】
外側端部キャップ１１４はまた、端部キャップ１２２の開口１２４より直径がわずかに小さい中心開口１２８を持つ。図７に示すように、環状フランジ１３０が端部キャップ１１４の開口１２８を取り囲み、端部キャップから軸方向内向きに短い距離、フィルター部材に向かって突き出ている（が、端部キャップ１２２より端部キャップ１１４にはるかに近い位置で終端する）。環状フランジ１３０は濾過媒体１２０のリングから半径方向内側に、かつ突起１１６から半径方向外向きに間隔をおいて位置し、部材がハウジング内に位置するとき、バイパス部材７６のドーム型端部壁９６と面一に係合する寸法を持つテーパー遠位端部１３２を含む（図７なども参照のこと）。内側および外側端部１１４，１２２は好ましくは、それぞれ適切な材料（プラスチックなど）で、成型などの従来方法により一体に形成する。
【００３８】
バイパス部材のドーム型端部壁９６とバイパスバネ１０２、および端部キャップ１１４のフランジ１３０が、フィルター部材のバイパス弁となる。部材がハウジング内に位置するとき、フランジ１３０がドーム型端部壁９６と係合してこれを密閉することで、流体が部材をバイパスするのを防ぐ。部材がつまるなどして、部材の周辺領域４０に過剰な圧力がかかると、その圧力によってバイパス部材７６はバイパスバネ１０２に対して内側に押しつけられて、端部壁９６とフランジ１３０の間に流動ギャップが生じるため、流体は部材をバイパスすることができる。バイパスバネ１０２のバネ定数は、バイパス機構（bypass feature）の適切なこじあけ力（cracking force）が決まる値を選ぶ。バイパス弁については、米国特許5,770,054などでさらに論じられている。バイパス弁はオプション機構であり、フィルターはこのようなバイパス弁のない構成とすることが可能であることに留意されたい。その場合、端部壁９６およびバネ１０２は省かれ、端部キャップ１１４は直径全体に連続したもの（無孔）になる。
【００３９】
上記の例では、係止部材、バイパス部材は支持コアの内部に収納されるが、適当な変更を加えることで、バイパス部材、係止部材は支持コアの周囲（外側）に収まるようにすることもできる。その場合、バイパス部材と係止部材は、上記と同じように、ハウジング内に部材がないときは、延長・係止アセンブリーをその外側位置に係止し、ハウジング内に部材があるときは、延長・係止アセンブリーを内側に移動させる機能を持つ。
【００４０】
部材が正しくハウジングに設置されると、燃料は流入口３８から部材を取り囲む周辺領域に流入し、部材を通って半径方向内側に支持コア５６に流入する。濾過された燃料は次に支持コアを通って流出口３９に流れる。部材が目詰まりを起越しても、バイパス弁が設けられていれば、周辺領域４０内の流体圧が所定の値を超えると、弁によって流体は部材をバイパスできる。使用済み部材の交換が望ましいときは、カバー３４を取り外すと（ネジで）、部材に簡単に手が届き、新しい部材と交換することができる。使用済み部材を掴みやすくするため、延長・係止アセンブリー７０は主バネ１００の力で自動的に使用済み部材を外方向にわずかに押し出す。これにより、燃料のすくなくとも一部は、部材取り外し中に周辺区域にこぼれ落ちる代わりに、部材からしたたり落ちてフィルターハウジング内部にとどまることになる。
【００４１】
延長・係止アセンブリーの第２の実施例を図１０および１１に示す。この実施例では、バイパス機構は、全体を１４４で示す別個の弁構成部品によって構成される。弁構成部品１４４は上記のバイパス弁と同じように作動し、本体１４６，拡大弁ヘッド１４８，遠位端部に爪１５２をそれぞれ持ち、軸方向に延びる一対の伸長フィンガー１５０を含む。弁構成部品の本体１４６は、合体部材（docking member）の環状支持１５４によって画定される円形開口に収まり、爪１５２が支持１５４と係合して弁構成部品が係止部材から外れるのを防ぐ。バイパスバネ１０２は、弁構成部品のヘッド１４８とバイパス部材の内側環状肩部１５５の間に延在して、弁構成部品１４４を支持コアから外向きに付勢している。
【００４２】
図１１に例示する係止部材７４には、拡大環状ヘッドがない。代わりに、弁構成部品１４４の弁ヘッド１４８とフィンガー１５０上の爪１５２が、バイパス部材と弁構成部品を保持する。主バネ１００はバイパス部材の拡大ヘッド９４に直接印加される。係止部材７４のフィンガー１５７の外側端部には、バイパス部材のヘッド９４の開口１１０を介してアクセスできるようになっていて、端部キャップ１１４の突起１１６と係合して係止部材を支持コアのなかに内向きに移動させる。それ以外は係止部材７４とバイパス部材７６は、上で説明したものと同じ寸法構成であり、部材がない、あるいは部材が正しい配置の突起をもたない場合は延長・係止アセンブリーを外側位置に係止させる作用も同じである。
【００４３】
本発明のフィルター部材のさらなる実施例を図１２に示す。この実施例では、突起１１６は別個の端部部品１６０に形成される。端部部品１６０は、環状形態を持ち、端部キャップ１１４の内側表面に当接する。端部部品１６０は端部キャップに接着剤などで恒久的に取り付けてもよく、あるいは単に端部キャップに向かって位置させ、摩擦装着（friction fit）によって、または係止部材７６との相互作用によって固定させてもよい。角度を付けたあるいは螺旋状の突起の遠位端部表面がこの図でははっきりわかる。フィルター部材の残る部分は好ましくは先に記述したものと同じがよい。
【００４４】
図１３−２２を参照すると、本発明のさらなる特長として、流体気密性容器がフィルター部材用に設けられていて、これによりしたたり落ちる燃料によって周辺が汚れるのを排除できないまでも大幅に軽減できる。容器は出荷時にも便利であり、出荷用のカートンあるいは箱が不要になる。まず図１３−１６を参照すると、全体を１６４で示す容器は、無孔のカップ型本体１６６と、無孔の蓋あるいはキャップ１６８を含む。カップ型本体は、部材よりやや大きい円筒形寸法を持つ側壁１６９と、ディスク型端部壁１７０を持つ。この本体と蓋が、部材よりやや大きな寸法を持つ流体気密性の密閉箱を形成して、フィルター部材を密閉する。本体は、ハウジング本体３２とフィルター部材３６の間で、ハウジング本体３２に挿入できるだけの寸法を持つ。
【００４５】
蓋１６８は軸方向に延びる環状リップ部分１７１を持ち、図１６に示すように、リップ部分はハウジング本体の開放端部を取り囲むビード１７２を受けると共にこれと協働して、本体への蓋の脱着を容易にしている。蓋を本体に簡単に脱着させるには、対応するネジとネジ山など、他の方法も当然可能であり、蓋が比較的簡単に取付、取り外しできるのであればどのような方法でも良い。
【００４６】
容器１６４はさらに、全体を１７４で示し、側壁１１９あるいは端部壁１７０と一体をなす保持装置を含む。図１５に示すように、保持装置１７４は、側壁３２に形成した環状チャンネルあるいはリッジ１７５などの弾性部材を含むことができ、端部キャップ１１４の外側周囲に嵌合する。側壁１６９は、ある程度の弾性を持っていて、容器本体１６６をフィルター部材の上に簡単に位置決めし、端部キャップ１１４の周囲に押し嵌めて端部キャップを端部壁１７０に固定させることができる。
【００４７】
保持装置１７４の他の実施例を図１７に示す。この実施例では、環状ビード１７８が端部壁１７０近辺に形成され、容器をフィルター部材上に配置すると、端部キャップ１１４の周囲と係合する。環状ビード１７８は、同じように側壁１６９に形成され、側壁は弾性的にそるため、容器本体１６６はフィルター部材の上に簡単に配置できる。
【００４８】
本体１６６と蓋１６は好ましくは、プラスチック、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PETその他、安価で軽量な材料で形成する。材料は簡単に焼却できる、あるいは少なくともリサイクルが可能であることが好ましい。保持装置１７４を含め本体１６６と、蓋１６８は、それぞれ射出成形、真空成形、あるいは延伸など、適切な技法で一体に形成するのが好ましい。本体と蓋の寸法は種々異なるが、本体と蓋は相対的に薄壁が好ましく、本体と蓋の壁厚が0.015から0.030インチのものが耐久性に富み、安価で焼却可能な製品になることが認められている。
【００４９】
理解されるように、フィルター部材を交換するときは、新しい部材を容器１６４から取り出す。新しい部材は好ましくは出荷時は逆向きに容器に入れておき、保持装置が容器内の新しい部材を保持しない、あるいは部材の保持が緩やかな状態になるような寸法に部材の端部キャップを形成する。いずれにしても、空になった容器本体を逆向きにして、開放端部をまずフィルター部材の周囲におろす。先に論じたように、部材をハウジングからやや外方向に支持することでこれは容易になる。保持装置が端部キャップの周囲に収まって嵌合するまで容器を下方向に押し下げる。容器本体を次にハウジングから取り出し、これにより同時に部材を取り出す。容器本体がハウジングから外れると、容器本体を素早く逆向きにして燃料あるいは油が周囲にこぼれ落ちるの少なくする。これにより部材との皮膚接触も事実上排除される。いったん逆向きにすれば、燃料あるいは油が残っていても容器本体がこれを捕捉するため、蓋を本体１６６に容易に取り付けることができ、部材用の流体気密性密閉箱が形成される。部材は可燃材料で構成するのが好ましいことから、使用済み部材と容器は焼却炉で処分できる。
【００５０】
上記では保持装置が容器側壁と一体になっているものを示したが、保持装置は端部壁１７０と一体に形成してもよく、あるいは別個の部品として形成し、端部壁あるいは側壁に恒久的に固定してもよい。本発明に適切な保持装置としては数多くの実施例がある。たとえば、図１８に示すように、保持装置１７４を容器本体１６６の反対側の開放端部に形成して、部材の反対側の端部キャップ１２２に押し嵌めることができるよう側壁チャンネル、リッジあるいはビード１８０を備える構成としてもよい。
【００５１】
図１９にさらなる実施例を示すが、ここでは容器本体はネジ山１８１を備える保持装置１７４を含む。ネジ山は端部キャップ１２２と協働して、容器本体を端部キャップにネジ止めさせる。蓋（図示せず）にも、協働する内部ネジ山を設け、蓋を容器本体にネジ止め（およびネジによる取り外し）させることもできる。
【００５２】
図２０および２１にさらに他の実施例を示すが、ここでは保持装置１７４は、容器本体１６６の端部壁１７０の中央に位置し、部材の端部キャップ１１４の中心開口１２８に収まる環状フランジ１８２を具備する。フランジ１８２には、半径方向外向きで環状の爪１８６が遠位内側端部に設けられ、端部キャップ１１４の開口１２８を取り囲む環状フランジ１３２と変形可能に係合して部材を容器に保持する。
【００５３】
容器本体１６６の長さは当然種々異なりうるもので、蓋１６９もそれに従って軸方向長さが長くなったり短くなったりして、これら２つの構成部品で部材を完全に密閉する。図２２に示すように、容器本体１６６は比較的短い構成部品として図示されているが、保持装置１７４を部材の端部キャップ１１４に押し嵌めることができるだけの長さがあればよい。蓋１６８の長さは、部材を完全に密閉できるように比較的長さが長くなる。その他の態様も当然可能である。
【００５４】
上記のように、本発明のフィルターは、フィルターに不適切なフィルター部材が用いられるのを防ぎ、フィルター部材が所定位置にない状態でフィルターが作動するのを防ぐ。部材交換時の汚れや環境問題も、排除されないまでも大幅に減る。フィルター部材は製造も簡単で低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明原理に従って構成されたフィルターの第１実施例を示す、一部断面立面透視図。
【図２】 図１のフィルターの一部を示す断面側面図。
【図３】 図１のフィルターの特定構成部品の分解図。
【図４】 図１のフィルターの一部を示す断面側面図で、延長・係止アセンブリーの外側位置を示す。
【図５】 図４のフィルターの一部を示す拡大図。
【図６】 図１のフィルター用延長・係止アセンブリーを示す立面透視図。
【図７】 フィルター部材の上部端部キャップを示す内部図。
【図８】 延長・係止アセンブリーの断面側面図で、係止部材と係合するフィルター部材の端部キャップを示す。
【図９】 フィルターの断面側面図で、外側位置にある延長・係止アセンブリーを示す。
【図１０】 本発明のさらなる実施例に従って構成された延長・係止アセンブリーの断面側面図。
【図１１】 図１０の延長・係止アセンブリーの分解図。
【図１２】 図１のフィルターのための、突起を備えた別個の端部部品を示す立面透視図。
【図１３】 図１の燃料フィルター用の容器と新品部材を示す分解図。
【図１４】 フィルター部材用容器の第１実施例を示す断面側面図。
【図１５】 図１４の容器の一部を示す拡大図。
【図１６】 図１４の容器の他の一部を示す断面拡大図。
【図１７】 容器の一部を示す断面拡大図で、容器の第２実施例を示す。
【図１８】 容器の第３実施例を示す断面側面図。
【図１９】 容器の第４実施例を示す立面透視図。
【図２０】 容器の断面側面図で、容器の第５実施例を示す。
【図２１】 図２０の容器の一部を示す拡大図。
【図２２】 容器の第６実施例を示す断面側面図。

Claims (9)

1. フィルター部材（３６）とフィルターハウジング本体（３２）を含むフィルターシステム（３０）であって、前記フィルター部材（３６）は、リング型濾過媒体（１２０）、該リング型濾過媒体（１２０）の第１端部に気密に接着された第１端部キャップ（１１４）、該リング型濾過媒体（１２０）の第２端部に気密に接着された第２端部キャップ（１２２）を含み、第２端部キャップはフィルター部材（３６）の中心軸に沿って開口（１２４）を含み、第１端部キャップもフィルター部材の中心軸に沿って開口（１２８）と、前記第１端部キャップ（１１４）と一体で、前記開口（１２８）から半径方向外側で間隔をおいた明瞭な一連の細長い突起とを含み、前記突起（１１６）は前記第１端部キャップ（１１４）から前記第２端部キャップ（１２２）に向けて軸方向内向きに突き出ており、
   前記フィルターハウジング本体（３２）は、閉鎖端部（３７）と開放端部（４２）を持ち、かつ、
   フィルターハウジング本体の閉鎖端部（３７）に固定され、フィルターハウジング本体の開放端部（４２）に向かって延在する中央支持コア（５６）を含み、前記中央支持コア（５６）は中央支持コア（５６）の内部環状ステップ（６８）を含み、
   前記中央支持コア（５６）内に摺動可能に配置される延長・係止アセンブリー（７０）を含み、前記延長・係止アセンブリー（７０）は、中央支持コア（５６）内にぴったりと収納されるバイパス部材（７６）と、バイパス部材（７６）にぴったり収納される係止部材（７４）を含み、バイパス部材（７６）を半径方向外向きに押しつけて中央支持コア（５６）と係合するように配置されており、
   前記係止・延長アセンブリー（７０）を中央支持コア（５６）から軸方向外向きに付勢する主バネ（１００）を含み、前記延長・係止アセンブリー（７０）は通常、前記中央支持コア（５６）の外側方位置にあって、前記バイパス部材（７６）が中央支持コアの内部ステップ（６８）と係合して、延長・係止アセンブリー（７０）を外側位置に維持しており、フィルター部材がフィルターハウジング本体（３２）内に位置しているときは、第１端部キャップ（１１４）の前記突起は係止部材（７４）と係合して、係止部材（７４）がバイパス部材（７６）と内部ステップ（６８）の係合を解除して、延長・係止アセンブリー（７０）が中央支持コア（５６）の中に内向きに移動できる位置まで、係止部材（７４）をバイパス部材（７６）に対して移動させるようになっている、フィルターシステム（３０）。
2. 主バネ（１００）が中央支持コア（５６）を外から取り囲み、中央支持コア（５６）の外側肩部（６６）と係止部材（７４）の拡大ヘッド（８４）との間に延在する、請求項１に記載のフィルターシステム（３０）。
3. 前記バイパス部材（７６）が拡大ヘッド（９４）を持ち、前記係止部材（７４）が拡大ヘッド（８４）を持ち、バイパス部材（７６）の拡大ヘッド（９４）が係止部材（７４）の拡大ヘッド（８４）の上に位置し、バイパス部材（７６）の前記拡大ヘッド（９４）は、フィルター部材（３６）の突起（１１６）が下に位置する係止部材（７４）の拡大ヘッド（８４）と係合するのを可能にしている一連の開口（１１０）を持ち、フィルター部材（３６）がフィルターハウジング本体（３２）内に位置するとき、突起（１１６）がバイパス部材（７６）の拡大ヘッド（９４）に設けた開口（１１０）を通って延びて、係止部材（７４）の拡大ヘッド（８４）と係合して、係止部材（７４）をバイパス部材（７６）に対して中央支持コア（５６）の中に向かって内向きに移動させることにより、バイパス部材（７６）が係止部材（７４）と中央支持コア（５６）のステップ（６８）との係合を解除して、かつ中央支持コア（５６）の中に内向きに移動するのを可能にする、請求項１または２のいずれかに記載のフィルターシステム（３０）。
4. バイパス部材（７６）は中央支持コア（５６）の中に内向きに突き出し係止部材（７４）を取り囲む伸長フィンガー（９２）を持ち、前記係止部材（７４）は、延長・係止アセンブリー（７０）が外側位置にあって伸長フィンガー（９２）を半径方向外向きに中央支持コア（５６）のステップ（６８）と係合するように押しつけているとき、伸長フィンガー（９２）と係合するよう位置している環状遠位内部端部（８２）を含む、請求項１乃至３のいずれか１に記載のフィルターシステム（３０）。
5. フィルターハウジング本体（３２）と係合してフィルター部材（３６）の密閉部を形成するカバー（３４）をさらに含み、前記フィルターハウジング本体（３２）とカバー（３４）は、カバー（３４）をフィルターハウジング本体（３２）に着脱自在に取り付けるのを可能にしている協働機構（４４，４８）を持ち、前記延長・係止アセンブリー（７０）が外側位置にあるとき、延長・係止アセンブリーはカバー（３４）を干渉して、カバー（３４）がフィルターハウジング本体（３２）に取り付けられるのを防止し、前記延長・係止アセンブリー（７０）が内側位置にあるとき、カバーがフィルターハウジング本体（３２）に取り付けられるのを可能にする軸方向長さを持つ、請求項１乃至４のいずれか１に記載のフィルターシステム（３０）。
6. 前記バイパス部材（７６）が、バイパス弁（１４４）と、
   バイパス弁（１４４）を外方向に第１端部キャップ（１１４）の開口に対して押しつけて、液体がその中を流れるのを阻止するバイパスバネ（１０２）を含み、前記バイパス弁（１４４）はフィルターハウジング本体（３２）内の過剰圧力状態に呼応して開口（１２８）から遠ざかることで、液体が第１端部キャップ（１１４）の開口を流れるのを可能にしている、請求項１乃至５のいずれか１に記載のフィルターシステム（３０）。
7. バイパスバネ（１０２）が、バイパス弁（１４４）の弁ヘッド（１４８）と係止部材（７４）のバネストップ（１０６）の間に延在する、請求項６記載のフィルターシステム（３０）。
8. 一対のフィルターハウジング部分（３２，３４）の間に着脱自在に配置可能なフィルター部材（３６）であって、フィルター部材（３６）は、リング型濾過媒体（１２０）、リング型濾過媒体（１２０）の第１端部に気密に接着された第１端部キャップ（１１４）、およびリング型濾過媒体（１２０）の第２端部に気密に接着された第２端部キャップ（１２２）を含み、第２端部キャップ（１２２）は、フィルター部材（３６）の中心軸に沿った開口（１２４）を含み、前記第１端部キャップ（１１４）もフィルター部材（３６）の中心軸に沿った開口（１２８）を含み、前記第１端部キャップ（１１４）の中央開口（１２８）は、前記第２端部キャップ（１２２）の前記中央開口（１２４）より直径が小さく、前記第１端部キャップの前記中央開口は前記第１端部キャップ（１１４）と一体をなす環状フランジ（１３０）によって画定されて、前記第１端部キャップから前記第２端部キャップ（１１４）に向けて突き出て、前記第２端部キャップ（１２２）より前記第１端部キャップにより近い一点で終端し、前記環状フランジ（１３０）は、濾過媒体（１２０）のリングから半径方向内側に間隔を開けておかれていることを特徴とし、さらに、前記第１端部キャップ（１１４）と一体をなし、前記環状フランジ（１３０）と前記リング型濾過媒体（１２０）のリングの間で、前記環状フランジから半径方向外向きで間隔をあけておかれている一連の明瞭な細長い突起（１１６）を含み、前記突起（１１６）も前記第１端部キャップ（１１４）から前記第２端部キャップ（１２２）に向けて軸方向内側に突き出て、前記第２端部キャップ（１２）よりも前記第１端部キャップ（１１４）に近接した一点で終端している、フィルター部材（３６）。
9. 前記突起（１１６）は、前記第１端部キャップ（１１４）と一体であり、前記環状フランジ（１３０）を囲んで等間隔に環状に配置される、請求項８に記載のフィルター部材（３６）。

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