JP5064792B2 - アルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極およびアルカリ蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電動自転車やハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(PEV:Pure Electric Vehicle)等の高出力が要求される用途に適したアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極に関する。
近年、二次電池(蓄電池)の用途が拡大して、携帯電話、ノートパソコン、電動工具、電動自転車、ハイブリッド車(HEV)など広範囲にわたって用いられるようになった。このうち、特に、ハイブリッド車(HEV)用途としては、10秒程度の短時間で数十アンペア〜数百アンペアの大電流での充放電が行われるため、従来の範囲を遙かに超えた高出力が求められるようになった。
この種の高出力が求められる電源用にニッケル水素蓄電池などのアルカリ蓄電池が用いられる。アルカリ蓄電池の極板としては、穿孔鋼板等の両面にニッケル粉末を焼結させた多孔性の焼結基板の細孔内に活物質を充填した焼結式極板と、活物質粉末を結着剤と混合してペーストを作り、このペーストを穿孔鋼板やニッケルスポンジなどの導電性基体に塗布して得る非焼結式極板とがある。上述のように高出力が要求される電池に対しては、ニッケル焼結体により導電性に優れた焼結式極板が有利である。
そこで、上述の自動車用電池として焼結式極板を用いる検討がなされている(例えば、特許文献1)。
ところで、上述の焼結式極板は通常以下のようにして製造される。
まず、ニッケル粉末とメチルセルロースなどの増粘剤と水を所定の割合で今練してスラリーを調製する。次いで、穿孔鋼板などの導電性芯体の表面に前記スラリーを塗着し、還元性雰囲気中で加熱し焼結処理を施すことにより、焼結基板が得られる。
そして、この焼結基板に活物質を充填することにより、焼結式極板が得られる。例えば焼結式ニッケル正極板の場合、硝酸ニッケルを主成分とする溶液中に焼結基板を浸漬して細孔内に硝酸ニッケルを保持させ、ついで焼結基板を水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液に浸漬することにより細孔内の硝酸ニッケルを水酸化ニッケルに転換させる。この操作を必要回数反復して焼結基板の細孔中に所定量の水酸化ニッケルを充填することにより得られる。
焼結基板においては、基板中で細孔が占める割合(多孔度)が大きい方がそれだけ焼結基板内に活物質を充填できるようになり、極板のエネルギー密度を高くすることができる。そこで、焼結基板の多孔度を大きくするために造孔剤として有機物を殻とする有機中空体を上述のスラリー中に添加する方法が用いられている。しかし、前記マイクロカプセルにより出来た細孔は粗大となり、焼結基板内の細孔の孔径分布が不均一となるため、活物質利用率など十分な特性が得られないという問題があった。
そこで、特許文献2においては特定のニッケル粉末と特定の平均粒径の有機中空体を用いることにより、細孔の孔径分布が均一な焼結基板を製造することが提案されている。特許文献2に記載のように孔径分布を均一とすることにより、活物質利用率が高まりエネルギー密度の高い焼結式極板を得ることが可能となる。
特開2005-129382号公報 特開2003-297371号公報
しかし、上述のように焼結基板の孔径分布を均一とした極板を用いて電気自動車用二次電池の検討を行ったところ、単に孔径分布を均一としたのみでは良好な出力特性が得られないことが判明した。
本発明は上述の事情に基づいてなされたものであって、その目的とするところは、電気自動車に必要とされる出力特性を良好に示す焼結式ニッケル正極を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、導電性芯体の両面に焼結体を形成した焼結基板に水酸化ニッケルを含む活物質を充填した焼結式ニッケル正極において、前記焼結基板の全細孔体積に対する占有体積率がピークとなる細孔半径が5〜7μmであり、8.5μmより大きい細孔半径を有する細孔の前記占有体積率の累計が11%以下である焼結基板であって、導電性芯体上の焼結体の厚みが片面200μm以下である焼結基板を用い、前記焼結基板の細孔に対する活物質の充填密度が2.8g/cm以下であることを特徴とする。
ここで、活物質の充填密度とは上述のとおり、焼結基板の細孔体積1cmあたりに充填される活物質重量のことをいう。
焼結式ニッケル正極の活物質の充填密度と厚みを上述の範囲に規制することにより、従来に比べ大電流でのパルス放電を行っても電圧を高く保つことができる。すなわち、より高出力の焼結式ニッケル正極板を得ることができる。
この理由は定かではないが、焼結基板の細孔体積に占める活物質充填量および極板の厚みを規制することにより正極板中心部への電解液が十分に浸透し、大電流を流した場合でも活物質の反応が良好に行われているためであると考えられる。さらに、焼結基板が適度な径の細孔を有し、さらに孔径が均一であることから、焼結体と活物質の接触が良好であり活物質の反応性を高くすることができているものと考えられる。
以下、本発明の一実施の形態にかかる焼結式ニッケル正極板について説明する。
(1)焼結基板
本発明にかかる焼結基板は次のようにして作製される。
まず、ニッケル粉末と、増粘剤としてメチルセルロース等の有機高分子の水溶液と、造孔剤として完全発泡有機中空体をそれぞれ適量混練してスラリーを調製する。このスラリーをニッケルメッキ穿孔鋼板等の導電芯体の両面に塗着する。
そして、前記スラリーを塗着した前記ニッケルメッキ穿孔鋼板を加熱して前記スラリーを乾燥した後、還元雰囲気下で例えば1000℃にて焼結させることにより、焼結基板が得られる。
焼結基板の細孔径や孔径分布は、使用するニッケル粉末や造孔剤の物性値により調整される。本発明に係る正極3の焼結基板においては、ニッケル粉末として嵩密度0.57g/cm、フィッシャーサイズ2.5μmのものを用い、造孔剤として平均粒径(直径)25μm、粒径分布の変動係数が30%以下の完全発泡有機中空体を用いることにより作製することができる。前記変動係数が30%以下であるとは、造孔剤の粒径分布が均一であることを示す。
このようにして出来た焼結基板は、焼結基板中の全細孔体積のうち占有体積率がピークとなる孔径(細孔半径)が5〜7μmであり、8.5μmより大きい細孔半径を有する細孔の前記占有体積率の累計が11%以下である。
なお、焼結基板の厚みはニッケルメッキ穿孔鋼板に塗着するスラリーの厚みを適宜変更
することにより調整し、導電性芯体上の片面の焼結体厚みを200μm以下とする。
(2)ニッケル正極板
上述のように作製した焼結基板を、主として硝酸ニッケルを含む水溶液(含浸液)に浸漬する。この浸漬によって、その細孔内にニッケル硝酸塩を保持した焼結基板を、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に浸漬し、硝酸ニッケル塩を水酸化ニッケルに転換させる。この後、十分に水洗することで焼結基板から水酸化ナトリウム水溶液を除去し、適宜乾燥を行う。焼結基板に対し、上述した含浸液への浸漬、水酸化ナトリウム水溶液への浸漬、水洗及び乾燥工程からなる充填プロセスを複数回繰り返し、所定量の活物質を充填した焼結式ニッケル正極板を作製する。
なお、上述の含浸液には高温特性を高めるなどの目的で、適宜、硝酸コバルトや硝酸イットリウム、硝酸イッテルビウムなど硝酸ニッケルとは別の塩を混合することができる。
また充填する活物質量は、上記充填プロセスにおいて、含浸液濃度や含浸液への浸漬時間を適宜変更することで調整し、2.8g/cm以下とする。
(3)アルカリ蓄電池
なお、本発明に係るアルカリ蓄電池は、上述のようにして作成した焼結式ニッケル正極板と水素吸蔵合金やカドミウムを活物質とする負極と組み合わせ、公知の方法により作製することができる。このようにして出来たアルカリ蓄電池は高い出力特性を持つという優れた特徴を有する。
(1)焼結基板の作製
導電性芯体として、厚み60μmの穿孔鋼板の表面に厚み4μmのニッケルメッキを施した、ニッケルメッキ穿孔鋼板を準備した。
次いで、ニッケル粉末(嵩密度0.57g/cm、フィッシャーサイズ2.5μm)40質量部と造孔剤としてメチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体を主成分とする完全発泡有機中空体(平均粒径25μm、粒度分布変動係数29%)0.1質量部と3wt%メチルセルロース水溶液60質量部を混練してスラリーを調製し、このスラリーを前記ニッケルメッキ穿孔鋼板の両面に片面あたり410μmの厚みで塗着した。
そして、前記スラリーを塗着した前記ニッケルメッキ穿孔鋼板を800℃で30秒間加熱して前記スラリーを乾燥した後、還元雰囲気下1000℃にて焼結させ、ニッケルメッキ穿孔鋼板上の片面の焼結体厚みが200μmである焼結基板を作製した。この焼結基板を基板aとする。
以下、同様にして片面あたりのスラリー厚みを320μm、510μmとして片面の焼結体厚みがそれぞれ150μm、250μmである焼結基板を作製した。それぞれの焼結基板を基板b、基板cとする。
さらに比較として、従来の焼結基板を以下のようにして作製した。
完全発泡有機中空体の平均粒径が60μmで粒度分布変動係数が39%であるものを用いた以外は基板aと同様のスラリーを用い、あとは基板aと同様にして片側の焼結体厚みが200μmの焼結基板を作製した。これを基板xとする。
また、基板xと同じスラリーを用い、基板b、cと同じスラリー厚みとして片面の焼結体厚みがそれぞれ150μm、250μmである焼結基板を作製した。それぞれの基板を基板y、基板zとする。
なお、各焼結基板の多孔度はいずれも85%であった。
(2)正極板の作製
上述のように作製した基板a〜c、x〜zを、硝酸ニッケルと硝酸コバルトを混合した
(モル比10:1)比重が1.75の混合水溶液(含浸液)に浸漬した。この浸漬によって、その細孔内にニッケル塩及びコバルト塩を保持した焼結基板を、25質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に浸漬し、ニッケル塩及びコバルト塩をそれぞれ水酸化ニッケル及び水酸化コバルトに転換させた。この後、十分に水洗することで焼結基板から水酸化ナトリウム水溶液を除去し、乾燥を経て、多孔性ニッケル焼結基板の細孔内に水酸化ニッケル及び水酸化コバルトを保持させた。焼結基板に対し、上記した含浸液への浸漬、水酸化ナトリウム水溶液への浸漬、洗浄及び乾燥工程からなる充填プロセスを6回繰り返した後、細孔内での水酸化ニッケル及び水酸化コバルトの充填密度が2.8g/cmの焼結式ニッケル正極板をそれぞれ作製した。なお、基板aを用いた正極板を正極板A、以下同様に正極板B、C、X、Y、Zとする。
さらに基板aを用いて、上述の活物質充填プロセスにおいて、含浸液への焼結基板の浸漬時間を調整することにより細孔内の充填密度が2.7g/cm、2.9g/cmである正極板を作製した。これらを正極板A2、正極板A3とする。
(実験1・焼結基板の孔径分布の測定)
上述のようにして作製した焼結基板の細孔の孔径分布を、水銀厚入式ポロシメーター(FISONS Instruments製PASCAL140)を用いて測定した。なお、厚み以外は製法が同じ基板a、b、cから代表して基板aと、同様に基板x、y、zから代表して基板xの結果を表1に示す。
表1の結果から、基板a及び基板xともに、体積率がピークとなるのは孔径(細孔半径)が6.0〜6.7μmの範囲であるが、孔径が8.5μmより大きい範囲の占有体積率の累計を比較すると、基板xの焼結基板では約14.0%であるのに対し、基板aの焼結
基板では10.2%と孔径の大きい細孔の占有体積率が比較的小さいことが確認された。特に、9.5〜15.4μmの範囲の孔径において、基板xに比べ基板aの方が占有体積率が小さくなっていることが分かる。すなわち、基板a(b、c)の焼結基板においては、基板x(y、z)よりも孔径の大きな細孔の数が少なく、孔径分布が均一となっていると言える。
(実験2・極板出力の測定)
次に、各正極板の出力を簡易セルを用いて以下のようにして測定した。
〔電極群の作製〕
上述の正極板を2.5cm×2.5cmのサイズとし、Niリボンからなるリードをとりつけた。次に3.5cm×3.5cmのサイズとした水素吸蔵合金負極板を2枚用意した。これら水素吸蔵合金極板にもそれぞれリードをとりつけた。
この2枚の水素吸蔵合金負極板でポリプロピレン製不織布からなるセパレータを介して正極の両面から挟んで電極群を作製した。
なお、本電極群においては、負極容量は正極容量に比べ十分大きくなるように調整した。
[簡易セルの作製]
次に、前記電極群をアクリル製密閉容器内に配置し、前記密閉容器内に十分な量の電解液(30wt%KOH水溶液)を注入した。次いで、前記密閉容器の蓋を開けた状態でデシケーター内に配置し、デシケーター内を一旦減圧し常圧に戻すという作業を3回繰り返す事で、前記電極群に電解液を十分浸透させた。
その後、密閉容器の外部よりボルトを締め付ける事で、前記極板群に一定圧をかけ、各電極リードを容器の蓋に配設された正・負極端子に各々接続した。
前記の様にして作製した簡易セルの模式図を図2に示す。図中1はアクリル製密閉容器であり、アクリル製密閉容器1内には正極21を2枚の負極22および23で挟んでなる電極群2が配置されている。また、24および25はセパレータであり、負極22および23を包み込んでいる。電極群2はアクリル製密閉容器1と前記密閉容器1内に配されたアクリル板3に挟まれており、アクリル板3に接したボルト4を締め付けることで一定圧がかけられている状態となっている。アクリル製密閉容器1は蓋5により密閉される。また蓋5には正極端子、負極端子が配設されており(不図示)、それぞれ正極リード26、負極リード27が接続されている。なお、6はガス安全弁である。
〔出力測定〕
以上のようにして得た簡易セルにおいて、正極板中の活物質量から導き出した正極容量に対し0.5Itの電流で充電し、1.0Itの電流で放電を行う充放電サイクルを3回繰り返した。そして、3回目の容量を簡易セルの容量とし、この簡易セル容量に対し1Itの電流で30分間充電を行った。
次いで、簡易セル容量に対し3It充電(20秒)→7It放電(10秒)→7It充電(20秒)→13It放電(10秒)→10It充電(20秒)→20It放電(10秒)→13It充電(20秒)→27It放電(10秒)→17It充電(20秒)→33It放電(10秒)のようにして充放電試験を行った。なお、各充放電の間に30分間の休止期間を設けるようにした。
このような充放電試験において、各放電ステップ開始後10秒目の電池電圧を放電電流値に対して最小二乗法によりプロットして得た電流―電圧直線において、当該直線において0.9Vとなる電流値(簡易セル容量に対する電流値;単位It)を出力として評価した。
以上の試験を各正極板A〜C、X〜Z、A2、A3について行った。なお以下、正極板
Aを用いた簡易セルを実施例1、Bを用いたものを実施例2、A2を用いたものを実施例3、Cを用いたものを比較例1、Xを用いたものを比較例2、Yを用いたものを比較例3、Zを用いたものを比較例4、A3を用いたものを比較例5とする。評価結果を比較例2の出力を100とした相対値として表1に示す。
まず、実施例1、2、比較例1〜4の結果を検討する。各例とも活物質充填密度が共通し、使用した焼結基板が異なる。
従来仕様の焼結基板を用いた比較例2〜4においては、焼結基板の焼結体厚みが変化しても出力に大きな差は見られなかった。一方、孔径分布がより均一となった焼結基板を用いた実施例1、2、比較例1においては、焼結体の片面の厚みが200μmまでは比較例2〜4に比べ良好な出力を得ることができたが、厚みが250μmの比較例1においては、比較例2〜4と同等の出力にまで低下した。この理由は定かではないが、焼結基板をある一定値以上に厚くしてしまうと、焼結基板の中心部(導電芯体付近)への電解液の拡散が十分に行われず、特性が低下してしまうものと考えられる。
次に、実施例1、3、比較例5の結果を検討する。各例とも使用した焼結基板が共通し、活物質充填密度が異なる。
実施例1の結果から、活物質充填密度が2.8g/cmでは良好な出力特性を示した。そこで、活物質充填密度を変化させた検討を行ったところ、実施例1および実施例3の結果から活物質充填密度が2.8g/cmまでは比較例2に比べ良好な出力特性を得ることができたが、活物質充填密度を2.9g/cmまで上げた比較例5では、出力特性が比較例2と同等レベルまで低下した。この理由についても定かではないが、焼結基板の細孔内に占める活物質量を大きくした結果、焼結基板中心部への電解液の浸透が阻害されると共に、活物質に対する電解液量が低下し、活物質の反応性が低下したものであると考えられる。
以上より、上述の孔径分布が比較的均一な焼結基板を用い、片面の焼結体厚みを200μm以下に規制するとともに、含浸密度を2.8g/cm以下に規制することにより、より良好な出力特性を示す焼結式ニッケル正極板を得ることができる。
なお、極板のエネルギー密度を高めるには、活物質充填密度ができるだけ高いことが好ましいため、2.7g/cm以上とすることが好ましい。
また、焼結体の厚みについては、薄くすると正極全体積に占める芯体の割合が大きくなり、却って体積エネルギー密度が低下してしまうため、150μm以上が好ましい。
なお、本発明は上記した実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々変形が可能である。
簡易セルを示す模式図である。
符号の説明
1 密閉容器
2 電極群
3 アクリル板
4 ボルト
5 蓋
6 ガス安全弁
21 正極
22、23 負極
24、25 セパレータ

Claims (2)

  1. 導電性芯体の両面に焼結体を形成した焼結基板に水酸化ニッケルを含む活物質を充填した焼結式ニッケル正極において、
    前記焼結基板の全細孔体積に対する占有体積率がピークとなる細孔半径が5〜7μmであり、8.5μmより大きい細孔半径を有する細孔の前記占有体積率の累計が11%以下である焼結基板であって、導電性芯体上の焼結体の厚みが片面200μm以下である焼結基板を用い、
    前記焼結基板の細孔に対する活物質の充填密度が2.8g/cm以下であることを特徴とする焼結式ニッケル正極。
  2. 請求項1に記載の焼結式ニッケル正極を用いることを特徴とするアルカリ蓄電池。
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