JP5064376B2 - 硬質表面の防汚処理へのハイドロフォビンの使用方法 - Google Patents

硬質表面の防汚処理へのハイドロフォビンの使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬質表面の防汚処理へのハイドロフォビンの使用方法、特に表面の洗浄と一緒に行う使用方法、硬質表面の防汚処理方法、硬質表面の洗浄剤、およびハイドロフォビンを含む防汚コーティングに関する。
硬質表面、例えば、ガラス製品、陶器製品または床は防汚コーティングして提供されることが知られている。これらの仕上げは汚れの付着を減らし、表面の汚れを制限し、その後の洗浄の手助けとなる。例えば、脂質、油または石灰の残渣は容易に引き離され、または水を流した際の乾燥跡の発生が回避される。
コーティングは、例えばロータス効果を生じるコーティングの様に、恒久的な防汚コーティングとすることができる。
コーティングは一時的なコーティングとすることもできる。一時的な防汚効果は、例えば、表面を洗浄する過程で適用される洗剤の製剤中の物質により達成できる。このような洗剤を使用する重要な分野は台所または衛生エリアの洗剤のような家庭用用途だけでなく、例えば車洗浄用の洗剤などの工業用用途でもある。
EP−A 467 472には、その後の洗浄工程をより容易にするために、例えば家庭用品の表面のような硬質表面の親水性を上げる組成が開示されている。その製剤には水溶性のイオン性または非イオン性重合体、例えば四級アンモニウムアルキルメタクリラート単位有するカチオン重合体などが含まれる。開示された洗剤製剤には0.02〜5質量%の重合体を含まれる。
WO 03/002620には硬質表面、例えば石材床またはステンレス面の汚れを除去する重合体として、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリラートが開示されている。開示された洗剤製剤には0.1〜5%質量%の重合体を含まれる。
DE−A 100 61 897には、再び汚れることを減らすことになる汚れの剥離性を改良する、親水性のシリカート含有粒子を含む洗浄用組成物が開示されている。粒子は洗浄される物質の表面に取り込まれるため、表面の性質に影響する。
ハイドロフォビンは約100〜150残基のアミノ酸の小さいタンパク質であり、例えばスエヒロタケ(Schizophyllum commune)などの糸状菌の特徴的なものである。それらは8個のシステイン単位を有するのが一般的である。
ハイドロフォビンは界面に顕著な親和性を有し、そのため、表面のコーティングに有用である。例えば、テフロン(登録商標)をハイドロフォビンとコーティングすると親水性表面を得ることができる。
ハイドロフォビンは天然資源から単離することができる。しかし、化学的手法および/またはバイオテクノロジー手法の生産により天然に発生しないハイドロフォビンを合成することもできる。我々の先願であるDE 102005007480.4には天然に発生しないハイドロフォビンの生産方法が開示されている。
先行技術において種々の用途についてハイドロフォビンの使用方法が提案されている。
WO 96/41882は疎水性表面へ親水性特性を付与し、親水性物質の水耐性を改良し、水中油型乳剤または油中水型乳剤を作成して、ハイドロフォビンを乳化剤、増粘剤または界面活性剤として使用する方法を提案する。さらに提案には、軟膏類またはクリーム類の製造の様な薬剤への応用、および肌保護、シャンプーまたはコンディショナーの生産のような化粧品への応用が含まれる。
EP−A 1 252 516には窓、コンタクトレンズ、バイオセンサー、医療機器、分析用または貯蔵用のコンテナ、船体、固形粒子、または乗用車のフレームまたは車体についてハイドロフォビンを含有する溶液で30〜80℃コーティングすることが開示されている。
WO 03/53383には化粧品への応用として角質物質を処理するためのハイドロフォビンの使用方法が開示されている。
WO 03/10331には、ハイドロフォビンをコーティングしたセンサー(例えば、計測用電極)であって、例えば電気活性な物質、抗体または酵素などの物質がさらに非共有結合したセンサーが開示されている。
硬質表面の防汚処理へのハイドロフォビンの使用方法については都の引用文献にも開示されていない。
EP−A 467 472 WO 03/002620 DE−A 100 61 897 DE 102005007480.4 WO 96/41882 EP−A 1 252 516 WO 03/53383 WO 03/10331 WO 96/41882 DE 102005007480.4 DE−A 101 60 993 Wessels et al.,Ann.Rev.Phytopathol.,1994年、32巻、413〜437頁 Wosten et al.,Eur. J Cell bio.63巻、122−129頁(1994年) Goeddel, gene Expression Technologykoron Methods in Enzymology 185巻、Academic Press, San Diego, CA(1990年) Cloning Vectors(Eds. Pouwels P. H. et al. Elsevier, Amsterdam−New Youk−Oxford, 1985年、ISBN 0 444 904018) T.Maniatis,E.F.Fritsh and J.Sambrook, Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY(1989年) T.J.Sihavy, M.L.Berman and L.W.Enquist, Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor,NY(1984年) Ausubel,F.M.et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience(1987年) Current Protocols in Molecular Biology, F.Ausubel et al.,Eds.,Willey Interscience, New Tork 1997年 Thomas,K.R.およびCapecchi,M.R.(1987年)Cell 51巻、503頁 Cooper,F.G.,Biochemishe Arbeitsmethoden,Verlag Walter de Gruyter, Berlin,New York Scopes,R.,Protein Purification, Springer Verlag, New York, Heidelberg,Berlin Harlow,EおよびLane,D.,1988年,Antibodies:A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor(N.Y.)Press Seifen,Fette,Ole,Wachse(SOFW)−Journal,124巻、14/98、1029頁
本発明の目的は汚れを防止する新しい技術を提供することである。
硬質表面の防汚処理にハイドロフォビンを使用することにより、本目的が達成されることが見出された。本発明の好ましい一実施形態において、防汚処理は表面の洗浄と一緒に行って効果を発揮する。
本発明は硬質表面の防汚処理へのハイドロフォビンの使用方法、特に表面の洗浄と一緒に行う使用方法を提供する。
第2の面として、本発明は少なくとも1種のハイドロフォビンおよび少なくとも1種の溶剤を含む組成の接触面を含む硬質表面の防汚処理方法を提供する。
第3の面として、本発明は少なくとも1種のハイドロフォビン、少なくとも1種の界面活性剤および少なくとも1種の溶剤を含む硬質表面の洗剤を提供する。
第4の面として、本発明はハイドロフォビンを含む防汚コーティングを含む硬質表面を提供する。
本発明を以下に詳述する。
「硬質表面」の用語は当業者に知られている。硬質表面は最小限に要約した意味での表面であり、特に、滑らかな表面、例えばガラス、陶器、ステンレス鋼または真鍮の様な金属類、エナメル、プラスチックの表面および/またはラッカー塗装した表面である。例えば、ラッカー塗装した表面には、ラッカー塗装した自動車車体または家庭用品の表面が含まれる。特に、硬質表面には典型的な家庭内にある表面、例えば、タイル、床、接続金具(fittings)、洗面器、シャワーバス、浴槽、トイレ、シャワー室(shower cabins)、バスルーム用備品、例えばテーブル、椅子、食器棚などの台所用家具、作業面またはその他の家具、鏡、窓、食卓用食器類、刃物類、ガラス類、磁器用品または洗濯機、皿洗い機、調理器またはガス排出フードの様な家庭用電化製品の表面が含まれる。
「防汚」の用語は当業者に知られている。表面の防汚処理はその汚れを制御し、および/または表面から汚れを除去することを容易にする。汚れは固体および/または液体による既知のどのような種類の望ましくない硬質表面の汚れをも含む。例えば、汚れには脂肪、油、タンパク質、食べ残し、埃または泥が含まれる。また、汚れには、例えば硬水のために生成する水の乾燥跡のような石灰の沈着も含まれる。さらに、例として、身体の洗浄用および手入れ用の薬剤残渣、または硬水と併せてそのような洗浄用および手入れ用薬剤から生成し、例えば洗面器、シャワー室または浴槽に沈着する不溶性の石灰石鹸質が含まれる。
本発明に従って、少なくとも1種のハイドロフォビンが硬質表面の防汚処理に使用される。1種だけのハイドロフォビンを使用することができ、または複数種の異なるハイドロフォビンの混合物を使用することができる。
本書で使用される「ハイドロフォビン」の用語は以下に示す、一般構造式(I)
[上記式中、Xは20種の天然アミノ酸(フェニルアラニン、ロイシン、セリン、チロシン、システイン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、イソロイシン、メチオニン、スレオニン、アスパラギン、リジン、バリン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン)であり、各々のXは同一または異なっている。Xの隣の指数はそれぞれの場合のアミノ酸残基数を示しており、Cはシステイン、アラニン、セリン、グリシン、メチオニンまたはスレオニンを示し、ただし、Cで表されるアミノ酸の少なくとも4個はシステインである。指数nおよびmは0〜500の範囲、好ましくは15〜300の範囲の独立した自然数である。]
のポリペプチドのことを言う。
さらに、式(I)のポリペプチドは、(ガラス面をコーテインクした後の)特性として、水滴の接触角を、コーティングしていないガラス面で同サイズの水滴により形成される接触角と比較し、少なくとも20°、好ましくは25°、さらに好ましくは30°および最も好ましくは35°まで増加させることにより特徴づけられる。
1〜C8で示されるアミノ酸は、好ましくはシステインであるが、それらは同様な容積の他のアミノ酸、好ましくはアラニン、セリン、スレオニン、メチオニンまたはグリシンと置換されても良い。しかしながら、C1〜C8の位置の少なくとも4個、好ましくは少なくとも5個、さらに好ましくは少なくとも6個および特に好ましくは7個がシステインで構成されている方が良い。本発明によるタンパク質中のシステインは還元型を示しても、または他の一つとジスルフィド架橋を形成しても良い。特に、少なくとも1個、好ましくは2個、さらに好ましくは3個および最も好ましくは4個の分子間ジスルフィド架橋を伴う、分子間のC−C架橋の形成が特に好ましい。上記のシステインが他の同様な容積のアミノ酸に置換する場合、そのC−位置が互いに分子間ジスルフィド架橋を形成できるように対交換を伴うことが有利である。
システイン、セリン、アラニン、グリシン、メチオニンまたはスレオニンがXで指定された位置に用いられる場合、一般式における個々のC−位置の番号は適宜変化する。
好ましくは、一般式(II)
[上記式中、X、CおよびXの隣の指数はそれぞれ上記と同様であり、指数nおよびmは0〜300の範囲の数値を示し、さらに、そのタンパク質は上記の接触角の変化により識別される。]
のハイドロフォビンを使用する。
さらに好ましくは、一般式(III)
[上記式中、X、CおよびXの隣の指数はそれぞれ上記と同様であり、指数nおよびmは0〜200の範囲の数値を示し、さらに、そのタンパク質は上記の接触角の変化により識別され、さらに、Cで表されるアミノ酸の少なくとも6個がシステインである。特に好ましくはCで表される全てのアミノ酸がシステインである。]
のハイドロフォビンを使用する。
nおよびXm残基はハイドロフォビンへ天然に結合するペプチド配列でも良い。しかしながら、XnおよびXmのどちらか一方または両方ともがハイドロフォビンに天然には結合しないペプチド配列でも良い。これはXnおよび/またはXm残基について、ハイドロフォビン中に天然に生じるペプチド配列が天然に生じないペプチド配列により延長されている場合も含まれる。
nおよび/またはXmがハイドロフォビンにおいて天然に生じないペプチド配列である場合、その配列の長さは一般的に少なくとも20残基のアミノ酸、好ましくは少なくとも35残基のアミノ酸、さらに好ましくは少なくとも50残基のアミノ酸および最も好ましくは少なくとも100残基のアミノ酸である。ハイドロフォビンに天然に結合しないこの種の残基は後述のように、融合パートナー部分(fusion partner portion)とも言う。これはそのタンパク質が1種のハイドロフォビン部分、および天然にはこの形態で共に生じない融合パートナー部分とから成る事実を明確にすることを目的としている。
融合パートナー部分は多数のタンパク質から選択される。複数の融合パートナー部分を1種のハイドロフォビン部分、例えば、ハイドロフォビン部分のアミノ末端(Xn)またはカルボキシ末端(Xm)に結合させることもできる。しかしながら、例えば、本発明により使用されるタンパク質の1位置(XnまたはXm)に2個の融合パートナー部分を結合させることもできる(このようなハイドロフォビンを「融合ハイドロフォビン」とも言う)
特に安定な融合パートナー部分は微生物、特にE.coliまたはBacillus subtilisにおいて天然に生じるポリペプチドである。このような融合パートナー部分の例としては、yaad配列(SEQ ID NO:15および16)、yaae配列(SEQ ID NO:17および18)およびチオレドキシンが挙げられる。また、上記配列の断片または誘導体で、その配列の一部分のみ、好ましくは70〜99%およびさらに好ましくは80〜98%を含む、または上記の配列と比較して特定のアミノ酸またはヌクレオチドが改変されたものは非常に適している。
さらに、本発明により使用されるタンパク質をそれらのペプチド配列において、例えばグリコシル化、アセチル化または他の例えばグルタルアルデヒドなどの化学的架橋結合により修飾してもよい。
本発明により使用されるタンパク質の一特性は、表面がそのタンパク質でコーティングされると、表面特性が変化することである。表面特性における変化はタンパク質による表面のコーティング前後における水滴の接触角を測定し、両測定値間の差異を測定することにより実験的に測定できる。
接触角の測定する方法の原理は当業者に知られている。接触角の測定についての正確な実験条件は実施例の実験部分に示す。その条件において、本発明により使用されるタンパク質はガラス表面の水滴の接触角を少なくとも20°、好ましくは少なくとも25°およびさらに好ましくは30°まで増加させる特性を有する。
今まで知られているハイドロフォビン類のハイドロフォビン部分において極性および非極性アミノ酸残基の位置は保存されており、結果として疎水性の性質が生じている。今まで知られているハイドロフォビン類は生物物理学的性質および疎水性における違いにより、IおよびIIの2種のクラスに分類される(Wessels et al.,Ann.Rev.Phytopathol.,1994年、32巻、413〜437頁)。
作製されたクラスIのハイドロフォビン類の膜は不溶が高く(温度を高めた1質量%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液でも不溶である)、高濃度のトリフルオロ酢酸(TFA)またはギ酸によってのみ再び解離することができる。一方、作成されたクラスIIのハイドロフォビン類の構造はより不安定である。それらは60質量%エタノールまたは1質量%SDS(室温で)によって再び解離することができる。


アミノ酸配列の比較によると、システインC3及びシステインC4間の領域がクラスIのハイドロフォビン類の場合よりクラスIIのハイドロフォビン類の場合がはっきりと短いことが明らかである。さらにクラスIIのハイドロフォビンはクラスIの場合よりアミノ酸の電荷が高い。
特に好ましい本発明の実施形態のハイドロフォビン類はタイプdewA,rodA、hypA、hypB,sc3,basf1、basf2、のものであり、構造的に以下にリストする配列に特徴づけられる。また、それらは、その部分またはその誘導体であっても良い。複数種のハイドロフォビンを、好ましくは2または3種で、互いに同一または異なる構造で、ハイドロフォビンと天然には結合しない適切なポリペプチド配列に相当するように連結させることもできる。
さらに、本発明を実施するために特に適切なのは、SEQ ID NO:20、22、24およびそれをコードする核酸配列で示されるポリペプチド配列、特にSEQ ID NO:19、21、23の配列を有する融合タンパク質である。さらに、特に好ましい実施形態はSEQ ID NO:20、22または24で示されるポリペプチド配列から開始し、少なくとも1個〜10個以下、好ましくは5個、さらに好ましくは全てのアミノ酸残基の5%の置換、挿入または削除が生じ、開始タンパク質の生物学的特性の少なくとも50%をまだ有しているタンパク質を含む。ここで、本発明により使用されるタンパク質の生物学的特性は上記の接触角における少なくとも20°の変化を意味するものと理解される。
本発明により使用されるポリペプチドは、例えばメリフィールド固相合成法などによるペプチド合成の良く知られた技術により化学的に作製できる。
天然に生じるハイドロフォビンは天然資源から適切な方法を用いて単離することができる。例として、Wosten et al.,Eur. J Cell bio.63巻、122−129頁(1994年)またはWO 96/41882が挙げられる。
好ましくは、融合タンパク質は遺伝子工学的手法、即ち、融合パートナーをコードする1個の核酸配列、特にDNA配列およびハイドロフォビン部分をコードする1個の核酸配列、特にDNA配列を結合することで、結合した核酸配列の遺伝子発現により、宿主生物中に目的とするタンパク質を生じさせる手法で作製する。このような方法は我々の先行出願であるDE 102005007480.4で開示している。
上記方法における適切な宿主、または生産生物には、原核生物(古細菌を含む)または真核生物、特に好塩菌を含む細菌、カビ、昆虫細胞、植物細胞、哺乳類細胞、さらに好ましくはEscherichia coli、Bacillus subtilis、Bacillus megaterium、Aspergillus oryzea、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Pichia pastoris、Pseudmonas spec.、Lactobacilli、Hansenula polymorpha、Trichoderma reesei、SF9(または関連細胞)などが含まれる。
本発明の目的のため、制御核酸配列の遺伝子制御に基づいて得られる発現コンストラクト(構築物(constructs))、本発明により使用されるポリペプチドをコードする核酸配列、およびこれらの発現コンストラクトの少なくとも1種を含むベクターがハイドロフォビンの作製に使用できる。
好ましくは、使用される発現コンストラクトには目的のタンパク質をコードする配列の5‘上流にプロモーターおよびそのコードする配列の3’下流にターミネーター配列が含まれ、必要に応じて、さらに、そのコードする配列に有効に連結される慣例の調節因子も含まれる。
「有効な連結(operative linkage)」はプロモーター、目的とするタンパク質をコードする配列、ターミネーター、および必要に応じて、そのコードする配列の発現に要求される機能果たすことができるような、さらなる調節因子の配列の配置を意味する。
有効に連結した配列の例としては、標的とする配列およびエンハンサー、ポリアデニル化信号などがある。さらに、調節因子には選択マーカー、増幅シグナル、複製起点などが含まれる。適切な制御配列は、例えば、Goeddel, gene Expression Technologykoron Methods in Enzymology 185巻、Academic Press, San Diego, CA(1990年)に記載されている。
これらの制御配列に加えて、これらの配列の天然の制御因子が実際の構造遺伝子の上流にまだ存在していても良く、必要に応じて、その天然の制御因子のスイッチを切り、遺伝子の発現を強めるように遺伝子修飾をしても良い。
好ましいコンストラクトにおいては、プロモーターと機能的に連結し、核酸配列の発現を高めることができる1種以上の上記のエンハンサー配列を含むことが有利である。さらなる制御因子またはターミネーターの様なさらに有利な配列をDNA配列の3‘末端に導入しても良い。
核酸はコンストラクトに1個以上の複製として含まれても良い。さらにコンストラクトには、必要に応じてそのコンストラクトを選択する目的で、抗生物質耐性または補完的栄養要求性遺伝子の様なマーカーを追加して含ませても良い。
本発明の方法に有利な制御配列は、プロモーターでは例えば、cos、tac、 trp、tet、trp-tet、lac、lpp、lpp-lac、laclq-T7、T5、T3、gal、trc、ara、rhaP(rhaPBAD)SP6、lambda-PRまたはimlambda-Pプロモーターであり、これらのプロモーターはグラム陰性細菌に有利である。さらに、有利な制御配列は、例えばグラム陽性細菌のプロモーターamyおよびSP02、酵母またはカビのプロモーターADC1、MFalpha、AC、P-60、CYC1、GAPDH、TEF、rp28、ADHがある。
制御には人工的なプロモーターを使用することもできる。
宿主生物における核酸コンストラクトを発現するため、その宿主において遺伝子を最適に発現させるベクター、例えばプラスミドまたはファージに挿入するのが有利である。さらに、ベクターにはプラスミドおよびファージと同様に、それ自体知られている他のすべてのベクター、即ち、例えばSV40、CMV、バクロウイルス、アデノウイルスなどのウイルス、トランスポゾン、ISエレメント、ファスミド、コスミドおよび直鎖または環状DNA、およびアグロバクテリウム法が含まれる。
これらのベクターはその宿主生物または染色体において独立して複製されても良い。これらのベクターは本発明のさらなる実施形態を構成する。適切なプラスミドの例としては、E.coliにおける、pLG338、pACYC184、pBR322、pUC18、pUC19、pKC30、pRep4、pHS1、pKK223-3、pDHE19.2、pHS2、pPLc236、pMBL24、pLG200、pUR290、pIN-lll”3-B1、tgt11またはpBdCl、Streptomycesにおける、pIJ101、pIJ364、pIJ702またはpIJ361、BacillusにおけるpUB110、pC194またはpBD214、CorynebacteriumにおけるpSA77またはpAJ667、カビにおけるpALS1、pIL2またはpBB116、酵母における2alpha、pAG-1、YEp6、YEp13またはpEMBLYe23または植物におけるpLGV23、pGHlac+、pBIN19、pAK2004またはDH51が挙げられる。上記プラスミドは使用可能なプラスミドの一部を選択したものである。さらなるプラスミドとしてはそれ自体知られており、例えば書籍Cloning Vectors(Eds. Pouwels P. H. et al. Elsevier, Amsterdam−New York−Oxford, 1985年、ISBN 0 444 904018)において認められる。
他の遺伝子を発現するため、核酸コンストラクトはさらに宿主生物および遺伝子または遺伝子群の選択により最適な発現と成るように選択された、発現を強める3'−および/または5’−末端の制御配列を含むことが有利である。
これらの制御配列はその遺伝子およびタンパク質の発現を特異的にさせることを目的としている。宿主生物によっては、これは例えば、遺伝子が誘導後のみに発現するか、または過剰発現し、および/または直ちに発現するか、または過剰発現することを意味する。
誘導され、確実に影響が与えられ、結果として制御配列または因子により強められた遺伝子の発現が好ましい。従って、制御因子はプロモーターおよび/またはエンハンサーの様な強力な転写シグナルを使用することにより、転写レベルを有利に強めても良い。しかしながら、この他に、例えばメッセンジャーRNA(mRNA)の安定性を改良することにより、翻訳を強めることも可能である。
ベクターのさらなる実施形態において、核酸コンストラクトまたは核酸を含むベクターが直鎖DNAの形態で微生物へ有利に導入され、異種または相同的な遺伝子組み換えにより宿主生物のゲノムに組み込まれても良い。この直鎖DNAはプラスミドの様な直鎖化した(linearized)ベクターまたは単に核酸コンストラクトまたは核酸で構成されていても良い。
宿主生物中の異種の遺伝子の最適な発現のためには、その生物に利用される特異的なコドン使用頻度に従って核酸配列を組み換えることが有利である。コドン使用頻度は問題となる生物の他の既知遺伝子のコンピューター解析により容易に測定できる。
発現カセットは適切なプロモーターを目的のタンパク質をコードする適切なヌクレオチド配列およびターミネーターまたはポリアデニル化信号と融合することにより作成する。例えば、T.Maniatis,E.F.Fritsh and J.Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY(1989年)およびT.J.Sihavy, M.L.Berman and L.W.Enquist, Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor,NY(1984年)およびAusubel,F.M.et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience(1987年)に記載されているような、一般的な遺伝子組み換えおよびクローニング技術は本目的のために使用される。
適切な宿主生物において発現させるため、組み換え核酸コンストラクトまたは遺伝子コンストラクトを宿主において遺伝子の最適な発現を提供する宿主特異的ベクターへ挿入する。ベクターはそれ自体知られており、例えば「Cloning Vectors」(Pouwels P.H.et al.,Eds, Elsevier, Amsterdam−New York−Oxford,1985年)から選択しても良い。
ベクターによって、例えば少なくとも1個のベクターが変換され、本発明により使用されるポリペプチドの生産に使用される、組み換え微生物を作製することができる。上記の組み換えコンストラクトは適切な宿主系への導入および発現において有利である。これに関して、当業者に知られた、通常のクローニングおよびトランスフェクション法、例えば共沈、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、レトロウイルスによるトランスフェクションなどを、特に発現系において上記核酸を発現させるために使用することが好ましい。適切な発現系は例えば、Current Protocols in Molecular Biology, F.Ausubel et al.,Eds.,Willey Interscience, New Tork 1997年、またはSambrook et al. Molecular Cloning:A Laboratry Manual.2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Apring Harbor,NY,1989年に記載されている。
相同的に遺伝子組み換えされた微生物も作成することができる。この目的のため、本発明により使用される遺伝子または目的のタンパク質をコードする配列であって、必要に応じて、少なくとも1個のアミノ酸の削除、アミノ酸の付加またはアミノ酸の置換が、例えば機能的崩壊した配列(ノックアウトベクター)を修飾するために導入された配列の少なくとも1部分を含むベクターが作製される。導入された配列は、例えば、関連微生物からの相同体(homolog)であっても良く、または哺乳類、酵母または昆虫資源から得られるものでも良い。その代わりに、相同的遺伝子組み換えに使用されるベクターは、内在性遺伝子が相同的遺伝子組み換えの場合に変異されるか、または改変され、それでもその遺伝子が機能的蛋白質をコードするような方法で設計されても良い(例えば、上流の制御領域が内在性タンパク質の発現がそれにより変化されるような方法で改変されても良い)。本発明により使用される遺伝子の改変される部分は相同的遺伝子組み換えベクター中にある。相同的遺伝子組み換えに適切なベクターの構築は、例えば、Thomas,K.R.およびCapecchi,M.R.(1987年)Cell 51巻、503頁に記載されている。
本発明により使用される核酸または核酸コンストラクトに適切な組み換え宿主生物は原則として全ての原核または真核生物が使用できる。細菌、カビ、または酵母のような微生物を宿主生物として使用することが有利である。グラム陽性またはグラム陰性細菌、好ましくはエンテロバクテリア科、シュードモナス科、リゾビウム科、ストレプトマイセス科またはノカルジア科であり、特に好ましくは、細菌の属として、Esherichia属、Pseudomonas属、Streptomyces属、Nocardia属、Burkholderia属、Salmonera属、Agrobacterium属またはRhodococcus属を使用することが有利である。
融合タンパク質の製造方法に使用される生物は宿主生物に応じて、当業者に知られた方法で生育または培養される。微生物の場合は、通常は糖類の形態の炭素源、通常は酵母エキスのような有機窒素源または硫酸アンモニウムのような塩の形態の窒素源、鉄塩、マンガン塩およびマグネシウム塩のような微量元素、および必要に応じてビタミン類を含む液体培地にて0℃〜100℃、好ましくは10℃〜60℃の温度で、酸素を供給しながら培養するのが通常である。これに関連して、栄養培地のpHは一定の値に保たれても良い、即ち、培養中制御しても、しなくても良い。培養をバッチ法、セミバッチ法または連続的に行っても良い。栄養培地を発酵の開始時に最初に導入するか、またはその後に半連続または連続法で供給しても良い。酵素を実施例に記載される方法により生物から単離しても、または粗抽出液として反応に使用しても良い。
また、ポリペプチドまたは、その機能的な生理活性のある断片を組み換えにより作製する方法としては、ポリペプチドを生産する微生物の培養、必要に応じて導入されるポリペプチドの発現および培養物からのポリペプチドの単離によることが適切である。ポリペプチドはまた必要であればこの方法により工業的スケールで生産しても良い。組み換え微生物既知の方法で培養または発酵しても良い。例えば、細菌はTB培地またはLB培地により、20℃〜40℃の温度、pH6から9で増殖させても良い。適切な培養条件は、例えばT.Manistis、E.F.FritschおよびJ.Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Harbor、NY(1988年)に詳細に記載されている。
ポリペプチドが培養培地へ分泌されない場合、それから細胞を破壊し、既知のタンパク質の単離方法により溶解物から生産物を得る。その細胞は必要に応じて高周波数の超音波処理法、フレンチプレッシャーなどの高圧処理法、浸透圧による溶菌(osmolysis)法、洗剤、溶菌酵素または有機溶剤の作用、ホモジナイザー法または2種以上の上記方法の組合せにより、破壊することができる。
ポリペプチドは分子篩クロマトグラフィ(ゲルろ過)や、Q−Sepharoseクロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィおよび疎水性クロマトグラフィの様な既知のクロマトグラフィ法を使用して、および限外ろ過法、結晶化法、塩析法、透析法およびネイティブゲル電気泳動法などのその他の慣例的な方法を使用して精製することができる。適切な方法は例えば、Cooper,F.G.,Biochemishe Arbeitsmethoden,Verlag Walter de Gruyter, Berlin,New York、またはScopes,R.,Protein Purification, Springer Verlag, New York, Heidelberg,Berlinに記載されている。
組み換えタンパク質を単離するためには、相補的DNA(cDNA)を特定のヌクレオチド配列により伸長し、それにより例えば精製を簡略化するように目的の改変ポリペプチドまたは融合タンパクをコードするベクター系またはオリゴヌクレオチドを使用することが有利である。この種の適切な修飾の例としては、例えばヘキサ−ヒスチジンアンカー、または抗体により抗原として認識できるエピトープとして知られる修飾法などのアンカーとして作用する「タグ(tags)」がある(例えば、Harlow,EおよびLane,D.,1988年,Antibodies:A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor(N.Y.)Pressに記載されている)。その他の適切な「タグ」には、例えばHA、カルモジュリン−BD、GST、MBD、キチン−BD、ストレプトアビジン−BD−アビ−タグ、フラッグ−タグ、T7などが挙げられる。これらのアンカーはタンパク質を付着するために、高分子充填材であって、例えばクロマトグラフィカラムに重点されたものなどの固体支持体に使用しても良く、またはマイクロタイタープレートまたはその他の支持体に使用しても良い。相当する精製手順は業務用アフィニティタグ供給業者から入手することができる。
上記のように精製されたタンパク質は直接、融合タンパク質としてでも、または融合パートナー部分を開裂および除去した後に、純粋なハイドロフォビンとしてでも使用することができる。
融合パートナー部分の除去をする場合は、融合タンパク質においてハイドロフォビンおよび融合パートナー部分の間に潜在的な開裂部位(プロテアーゼの特異的な認識部位)を組み込むことが望ましい。適切な開裂部位には、特に、すでに生命情報工学的な手法により測定されたハイドロフォビン部分にも、または融合パートナー部分のどちらにも存在しないペプチド配列が含まれる。特に、例えばメチオニンのシアン化臭素による開裂または、Xa因子、エンテロキナーゼ開裂、トロンビン、TEV(タバコエッチウイルスプロテアーゼ)開裂を伴うプロテアーゼ媒介による開裂が適切である。
本発明により硬質表面の防汚処理に使用する場合、ハイドロフォビン類を実質的にそのまま使用できる。しかしながら、ハイドロフォビン類を少なくとも1種の適切な溶剤中の製剤または組成物として使用するのが好ましい。
本発明の具体化するハイドロフォビンの選択には制限はない。1種のハイドロフォビンまたは他の複数の異なる種類も使用することができる。当業者は適切な選択をする。例えば、yaad−Xa−dewA−his(SEQ ID NO:19)またはyaad−rodA――his(SEQ ID NO:21)などの融合タンパク質を使用することができる。
製剤用の溶剤には水および/または有機溶剤が含まれる。溶剤混合物もまた使用することができる。溶剤の特性はハイドロフォビン、処理される表面の特性および使用方法に左右され、当業者により適切に選択される。一般的に、家庭用用途には水または水性製剤が好ましい。水性、ほぼ水性および非水溶性の製剤は工業用用途に適切である。
好ましくは、溶剤は水または水および水混和性の有機溶剤の混合物を含む。そのような有機溶剤には、例えば水混和性の一価または多価アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールが含まれる。エーテルアルコール類もまた可能性がある。例えば、エチレングリコールモノブチルエーテルの様な(ポリ)エチレンまたは(ポリ)プロピレングリコール類のモノアルキルエーテルが含まれる。水溶性および有機溶剤の特性および使用量は当業者により選択される。水性混合物は総溶剤量に対して、少なくとも80質量%の水を含むことが好ましい。水の他は、アルコールが好ましい溶剤である。
本発明により使用される組成物を製造するため、合成された状態で、単離された状態で、および/または精製された状態で水性ハイドロフォビン溶液を使用することが好ましい。これらはその純度に応じて、まだ合成工程における補助剤の残渣を含む。しかし、ハイドロフォビンを初めに物質として、例えば凍結乾燥により単離し、第2次工程で製剤とすることもできる。
製剤中のハイドロフォビンの量は表面の特性および/または設計した使用方法によって、当業者により決定される。しかしながら、比較的少量であっても防汚効果を達成するのに十分である。製剤の全ての成分の総量に対して0.0001〜1質量%の量で充分であることが本発明に関係なく、明らかになっており、従って本発明はこの範囲に限定される。その量は、好ましくは、0.0005〜0.5質量%の範囲、およびさらに好ましくは、0.001〜0.1質量%の範囲である。
使用される組成物には洗剤、例えばガラス用洗剤、床用洗剤、万能洗剤、バス用洗剤、泡切れの良い洗剤、手動または食器洗い機用の食器洗浄剤、機械用洗剤、金属用油性洗剤、高圧洗浄剤、アルカリ洗剤、酸性洗剤、ポイント油性洗剤(point degreaser)または酪農用洗剤が含まれる。本発明の洗剤は溶剤および少なくとも1種のハイドロフォビンと同様に、既知の方法で、原則として1種以上の界面活性剤を効果的な量で含む。
組成物はまた硬質表面、特にガラス、陶器または床面のため、前または後処理剤を含んでも良い。
界面活性剤はアニオン性、非イオン性、両性および/またはカチオン性界面活性剤を含んでも良い。そのような界面活性剤及びそれぞれの好ましい使用方法は、原則として当業者に知られている。
アニオン性界面活性剤の例としては、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩またはアルキルリン酸塩が挙げられる。遊離酸またはその塩が使用できる。
非イオン性界面活性剤の例としては、高級アルコールアルコキシレートまたはオキソ合成アルコールアルコキシレートなどのアルコキシル化C8−C22アルコール、C6−C14のアルキル鎖および5〜30モルのエチレンオキシド単位を有するアルキルフェノールエトキシレート、8〜22のアルキル鎖を有するアルキルポリグルコシド、アルキルアミンアルコキシレートまたはアルキルアミドエトキシレートが挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオン酸塩、アミノグリシン酸塩または両性イミダゾリウム化合物が挙げられる。
カチオン系界面活性剤の例としては、例えばハロゲン化C8-6ジアルキルジメチルアンモニウム、ハロゲン化ジアルコキシジメチルアンモニウムなどの置換または非置換の直鎖または分岐アルキル第四級アンモニウム塩、または長鎖アルキルラジカルを有するイミダゾリウム塩が挙げられる。
さらなる界面活性剤の例は、DE−A 101 60 993の[0056]から[0073]の部分に列挙されている。
当業者は界面活性剤の種類および量に関しては適切に選択することができる。製剤の全ての成分の総量に対して、0.01質量%〜30質量%の量で充分であることが知られている。
さらに、製剤は任意にさらなる成分、例えば混合剤および/または補助剤を含んでいても良い。そのような成分の例としては、例えばカルボン酸またはアンモニアなどの酸または塩基、緩衝液系、重合物、SiO2またはケイ酸塩のような無機物の粒子、染料、香料または殺生物剤が含まれる。さらなる混合剤の例はDE−A 101 60 993、特に[0074]〜[0131]の部分に列挙されている。当業者は用途に応じて追加的な成分の種類および量に関しては適切に選択することができる。
本発明により、硬質表面は少なくとも1種のハイドロフォビンおよび少なくとも1種の溶剤を含む組成物を硬質表面に接触させる防汚方法で処理される。
接触方法は対象物の種類によって定まるものである。例えば、組成物で表面を噴霧するか、すすぐか、または拭くことにより、または製剤に対象物全体を浸漬することにより行うことができる。後者は当然、取り付けられていない対象物にのみ適用できる。処理時間は当業者によって設定される。それは数秒〜数時間かけることができる。処理後、余分な処理溶液を除去するため表面を例えば水ですすいでも良い。
本発明の防汚処理は洗浄と一緒に行う効果、即ち、実際の洗浄過程の間に防汚処理の効果が得られることが特に有利である。この効果は上記のように少なくとも1種のハイドロフォビン、少なくとも1種の界面活性剤および少なくとも1種の溶剤を含む洗浄剤組成物を使用することで得られる。
その処理は室温より低い温度、室温または高い温度、例えば20〜100℃、好ましくは20〜60℃で行うことができる。その処理は、30℃を超えない温度、特に20〜30℃で行うことが好ましい。
組成物で処理した後、処理された表面を乾燥する。処理された表面の乾燥は室温で自然に乾燥することができ、または温度を高めて乾燥することもできる。
その処理および必要に応じて表面の乾燥に続いて、高い温度、例えば120℃以下の温度で表面の熱による後処理をしても良い。熱による後処理は乾燥と組み合わせて行うことができる。熱による後処理の温度は、好ましくは30〜100℃の範囲、さらに好ましくは40〜80℃の範囲および例えば50〜70℃の範囲である。その処理時間は当業者により設定され、例えば1分〜10時間の範囲とすることができる。
本発明の方法は少なくとも1種のハイドロフォビンを含む防汚コーティングがされた硬質表面を提供する。一般的に、コーティングは表面に少なくともハイドロフォビンの単分子層を含む。
防汚効果は原則として既知の方法、例えば未処理の表面とハイドロフォビンで処理した表面について、水で洗い流すことによる汚れの剥離性を比較することで測定することができる。
ハイドロフォビンは少量であっても明らかな効果を有する。ちょうど0.01質量%のハイドロフォビンを含む組成物で処理しても汚れ離れの改善が得られる。
本発明による防汚処理は特に陶器の表面、例えばタイルなどに有用である。ここで、防汚効果だけでなく、表面の明らかなハイドロフォビン化もその処理を通じて達成される。これは例えばバスルームの様な湿った部屋にとくに重要な優位性である。
本発明を以下の実施例により説明する。
パートA
本発明により使用されるハイドロフォビンの作製および試験
yaad−His6/yaaE−His6のクローニングの予備実験
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をオリゴヌクレオチドHal570およびHal571(Hal572/Hal573)を用いて行った。鋳型DNAはBacillus subtilis細菌のゲノムのDNAを使用した。得られたPCR断片はBacillus subtilisのyaaD/yaaE遺伝子およびそれらの末端でいずれの場合も、それぞれNcolおよびBglll制限酵素の開裂部位のコード配列を含んでいた。PCR断片を精製し、制限エンドヌクレアーゼNcolおよびBglllで切断した。このDNA断片を挿入物として使用し、予め制限エンドヌクレアーゼで直鎖化した、ベクターpQE60(Qiagen社)にクローニングした。上記により得られたベクター、pQE60YAAD#2/pQE60YaaE#5はそれぞれ、YAAD::HIS6およびYAAE::HIS6から成るタンパク質の発現に使用される。
yaadハイドロフォビンDewA−His6のクローニング
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をオリゴヌクレオチドKaM416およびKaM417を用いて行った。鋳型DNAはAspergillus nidulansカビのゲノムDNAを使用した。得られたPCR断片はハイドロフォビン遺伝子dewAおよびN末端のXa因子プロテアイナーゼ開裂部位のコード配列を含んでいた。PCR断片を精製し、制限エンドヌクレアーゼBamHlで切断した。このDNA断片を挿入物として使用し、あらかじめ制限エンドヌクレアーゼBglllで直鎖化した、ベクターpQE60YAAD#2にクローニングした。
上記により得られたベクター#508はYAAD::Xa::dewA::HIS6から成るタンパク質の発現に使用される。
yaadハイドロフォビンRodA−His6のクローニング
プラスミド#513をプラスミド#508と同様に、オリゴヌクレオチドKaM434およびKaM435を使用してクローニングした。
yaadハイドロフォビンBASF1−His6のクローニング
プラスミド#507をプラスミド#508と同様に、オリゴヌクレオチドKaM417およびKaM418を使用してクローニングした。鋳型DNAには人工的に合成したDNA配列であるハイドロフォビンBASF1(別表参照)を用いた。
yaadハイドロフォビンBASF2−His6のクローニング
プラスミド#506をプラスミド#508と同様に、オリゴヌクレオチドKaM417およびKaM418を使用してクローニングした。鋳型DNAは人工的に合成したDNA配列であるハイドロフォビンBASF2(別表参照)を用いた。
yaadハイドロフォビンSC3−His6のクローニング
プラスミド#526をプラスミド#508と同様に、オリゴヌクレオチドKaM464およびKaM465を使用してクローニングした。
鋳型DNAはスエヒロタケ(Schyzophyllum commune)の相補的DNA(別表参照)を用いた。
組み換えE.coli:yaadハイドロフォビンDewA−His6株の培養
yaadハイドロフォビンDewA−His6を発現するE.coli株を15mlグライナー試験管中の3mlLB液体培地に接種した。37℃、200rpmで8時間振とう培養した。それぞれの場合に2本のバッフル付き1Lエルレンマイヤーフラスコ中の250mlLB培地(+100μg/mlアンピシリン)に前培養の培養液1mlを接種し、37℃、180rpmで9時間振とう培養した。20Lファーメンター中の13.5LのLB培地(+100μg/mlアンピシリン)に前培養(水に対して測定したOD600nm1:10)の0.5Lを接種した。140mlの100mMIPTGをOD600nmが〜3.5の時点で添加した。3時間後、ファーメンターを10℃に冷却し、培養液を遠心分離により除去した。細胞沈殿物を次の精製工程で使用する。
組み換えハイドロフォビン融合タンパク質の精製
(C−末端His6タグをプロセッシングするハイドロフォビン融合タンパク質の精製)
100gの細胞沈殿物(100〜500mgのハイドロフォビン含有)を50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)にて総容量で200mlになるようにして、再懸濁した。懸濁液はUltraturrax typeT25(Janke and Kunkel;IKA−Labortechnik社製)で10分間処理し、次いで核酸を分解する目的で、500単位のベンゾナーゼ(Merck,Darmstadt社;オーダーNo.1.01697.0001)で室温にて1時間反応した。細胞の破壊に先立ち、ガラスカ−トリッジ(P1)を使用してろ過を行った。細胞の破壊および残存したゲノムのDNAをせん断する目的で、1500barで高圧ホモジナイザー(Microfluidizer M−110EH;Microfluidizer社)で2回処理した。ホモジネートを遠心分離(Sovall RC−5B,GSAローター,250ml遠心ビーカー、4℃、60分、12000rpm、23000g)し、上清を氷冷し、沈殿物は100mlリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。遠心分離および再懸濁を3回繰り返し、3回目では1%SDSを含むリン酸緩衝液を用いた。再懸濁後、溶液を1時間攪拌し、続いて最後の遠心分離(Sovall RC−5B,GSAローター,250ml遠心ビーカー、4℃、60分、12000rpm、23000g)をした。SDS−PAGE分析によると、ハイドロフォビンは最後の遠心分離後の上清に存在している(図1)。本実験はハイドロフォビンがE.coliの細胞内におそらく封入体(inclision bodies)の形態で存在していることを示している。50mlのハイドロフォビンを含有する上清を50mMTris−Cl緩衝液(pH8.0)で平衡化した50mlのnickel−Sepharose High Performance17−5268−02カラム(Amersham社)に掛けた。カラムを50mMTris−Cl緩衝液(pH8.0)で洗浄し、続いて200mMイミダゾールを含む50mMTris−Cl緩衝液で溶出した。イミダゾールを除く目的で、溶液を50mMTris−Cl緩衝液(pH8.0)で透析した。
図1は作製されたハイドロフォビンの精製を示す。
レーン1: nickel−Sepharoseカラムに掛けた溶液(1:10希釈)
レーン2:透過液=洗浄工程の溶出液
レーン3〜5:溶出画分のOD280nm検出ピーク
図1のハイドロフォビンは分子量約53kDを有する。何本かのより小さい分子量のバンドはハイドロフォビンの分解産物を示す。
性能試験;ガラス状の水滴の接触角を変化することによるハイドロフォビンの特性解析
基材:
ガラス(窓ガラス,Suddeutshe Glas,Mannheim,Germany):
ハイドロフォビン濃縮物:100μg/ml、
50mM酢酸ナトリウム(pH4.0)+0.1質量%Tween20中でガラススライドを1晩(温度80℃)インキュベートし、
続いて、ハイドロフォビンコーティングされたガラススライドを蒸留水中で洗浄し、
続いて1質量%n−ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液中で80℃、10分間インキュベートし、
蒸留水で洗浄した。
そのサンプルを室温で空気乾燥し、室温で5μlの水滴の接触角(度数)を測定する。
接触角の測定はDataphysics Contact Angle System OCA 15+、Software SCA20.2.0(2002年11月)により測定した。測定はメーカー使用説明書に従って行った。
未処理のガラスは接触角が30±5°であり、実施例8の機能的なハイドロフォビン(yaad−dewA−His6)によりコーティングしたものは接触角が75±5°であった。
パートB
硬質表面の防汚コーティングのためのハイドロフォビンの使用
使用された溶液:
性能試験は実施例8により作製された融合タンパク質yaad−Xa−dewA−his(SEQ ID NO:19)の水溶液を用いて行った。ハイドロフォビン溶液の濃度は100μg/ml(0.01質量%)で行った。
使用された硬質表面:
陶器タイル(シャイニーホワイト、10cmx15cm(Novocker社))、エタノールおよび水でしっかり拭いたものを用いた。
使用された汚れ:
試験はIKW ballast soil(Seifen,Fette,Ole,Wachse(SOFW)−Journal,124巻、14/98、1029頁に従った)を使用して行った。
処理方法
2gの上記100μg/mlの濃度のハイドロフォビン水溶液を1個のタイルへ滴下し(1.3μmハイドロフォビン/cm2)、表面を完全にカバーするように布で丁寧に広げた。その後、そのタイルを24時間空気乾燥した。
続いて、そのタイルを水で洗い流し、ガラスビーカーに入れた水で3回x10分漬け洗いした。各回の洗いごとに水を入れ替えた。その後、そのタイルは立て掛けて空気乾燥した。
接触角の測定および防汚効果
処理されたタイルについて水滴(5μl、上記の方法に従った)に対する接触角を測定したところ56°(10回の測定値の平均で)であった。対照として、未処理のタイルの接触角は20°であった。従って、そのタイルは明らかにハイドロフォビン化されていた。
処理されたタイルおよび、対照として未処理のタイルに、それぞれ、50、100、200μgのIKW ballast soilをスポイトを使用してスポットし、室温にて1時間乾燥した。
その後、タイルを各回500mlの水で、3回洗い流した。未処理の表面からは汚れが剥がれ落ちなかったが、ハイドロフォビン前処理タイルでは部分的に汚れの剥離が観察された。
従って、ハイドロフォビンによる前処理はタイルの表面の汚れの付着を減少させた。
作製されたハイドロフォビンの精製を示す。

Claims (12)

  1. 硬質表面の防汚処理のためにハイドロフォビンを使用する方法であって、
    上記防汚処理を上記の表面の洗浄と一緒に行い、且つこの処理を少なくとも1種のハイドロフォビン、界面活性剤および溶剤を含む洗剤を使用して行うことを特徴とする方法
  2. 少なくとも1種のハイドロフォビンおよび溶剤を含む組成物を硬質表面に接触させる工程を含む硬質表面の防汚処理方法であって、
    上記の組成物が少なくとも1種のハイドロフォビン、界面活性剤および溶剤を含む洗剤を含むことをとくとする方法
  3. 上記の組成物中のハイドロフォビンの量が上記の組成物の全ての成分の合計に対して0.0001質量%〜1質量%である請求項2に記載の方法。
  4. 上記の処理を30℃未満の温度で行う請求項2又は3に記載の方法。
  5. 上記のハイドロフォビンが少なくとも1種の融合ハイドロフォビンを含む請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記の表面が家庭内にある表面を含む請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 上記の硬質表面がタイル、床、接続金具、洗面器、シャワーバス、浴槽、トイレ、シャワー室、バスルーム用備品、家具、鏡、食卓用食器類、刃物類、ガラス類、磁器用品の表面または家庭用電化製品の表面から成る群から選択される請求項6に記載の方法。
  8. 少なくとも1種のハイドロフォビン、少なくとも1種の界面活性剤および溶剤を含むことを特徴とする硬質表面用洗剤、ガラス用洗剤、床用洗剤、万能洗剤、バス用洗剤、泡切れの良い洗剤、手動または食器洗い機用の食器洗浄剤、機械用洗剤、金属用油性洗剤、高圧洗浄剤、アルカリ洗剤、酸性洗剤、ポイント油性洗剤または酪農用洗剤。
  9. 少なくとも1種の溶剤が水を含む請求項8に記載の洗剤。
  10. ハイドロフォビンの含有量が洗剤の全ての成分の合計に対して0.0001質量%〜1質量%の範囲である請求項8または9に記載の洗剤。
  11. ハイドロフォビンの含有量が洗剤の全ての成分の合計に対して0.001質量%〜0.1質量%の範囲である請求項8または9に記載の洗剤。
  12. 上記のハイドロフォビンが少なくとも1種の融合ハイドロフォビンを含む請求項8〜11のいずれか1項に記載の洗剤。
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