また、表示のインパルス化には、次のような構成も考えられる。
図15は、表示のインパルス化を行う液晶表示装置の構成を、その表示部の等価回路と共に示すブロック図である。この液晶表示装置は、データ信号線駆動回路としてのソースドライバ300と、走査信号線駆動回路としてのゲートドライバ400と、アクティブマトリクス形の表示部100と、ソースドライバ300およびゲートドライバ400を制御するための表示制御回路200と、階調電圧源600とを備えている。
上記液晶表示装置における表示部100は、複数本(m本)の走査信号線としてのゲートラインGL1〜GLmと、それらのゲートラインGL1〜GLmのそれぞれと交差する複数本(n本)のデータ信号線としてのソースラインSL1〜SLnと、それらのゲートラインGL1〜GLmとソースラインSL1〜SLnとの交差点にそれぞれ対応して設けられた複数個(m×n個)の画素形成部とを含む。これらの画素形成部はマトリクス状に配置されて画素アレイを構成し、各画素形成部は、対応する交差点を通過するゲートラインGLjにゲート端子が接続される共に当該交差点を通過するソースラインSLiにソース端子が接続されたスイッチング素子であるTFT10と、そのTFT10のドレイン端子に接続された画素電極と、上記複数の画素形成部に共通的に設けられた対向電極である共通電極Ecと、上記複数の画素形成部に共通的に設けられ画素電極と共通電極Ecとの間に挟持された液晶層とからなる。そして、画素電極と共通電極Ecとにより形成される液晶容量により画素容量Cpが構成される。なお、画素容量に確実に電圧を保持すべく、液晶容量に並列に補助容量が設けられていてもよいが、その説明および図示は省略してある。
各画素形成部における画素電極には、ソースドライバ300およびゲートドライバ400により、表示すべき画像に応じた電位が与えられ、共通電極Ecには、図示しない電源回路から所定電位Vcomが与えられる。これにより、画素電極と共通電極Ecとの間の電位差に応じた電圧が液晶に印加され、この電圧印加によって液晶層に対する光の透過量が制御されることで画像表示が行われる。ただし、液晶層への電圧印加によって光の透過量を制御するためには偏光板が使用され、本液晶表示装置では、ノーマリブラックとなるように偏光板が配置されているものとする。
表示制御回路200は、外部の信号源から、表示すべき画像を表すデジタルビデオ信号Dvと、当該デジタルビデオ信号Dvに対応する水平同期信号HSYおよび垂直同期信号VSYと、表示動作を制御するための制御信号Dcとを受け取り、それらの信号Dv,HSY,VSY,Dcに基づき、そのデジタルビデオ信号Dvの表す画像を表示部100に表示させるための信号として、データスタートパルス信号SSPと、データクロック信号SCKと、チャージシェア制御信号Cshと、表示すべき画像を表すデジタル画像信号DA(ビデオ信号Dvに相当する信号)と、ゲートスタートパルス信号GSPと、ゲートクロック信号GCKと、ゲートドライバ出力制御信号GOEとを生成し出力する。
ビデオ信号Dvは、内部メモリで必要に応じてタイミング調整等が行われた後に、デジタル画像信号DAとして表示制御回路200から出力される。データクロック信号SCKは、ソースドライバ300内のシフトレジスタの動作タイミングを決定する信号として生成される。データスタートパルス信号SSPは、水平同期信号HSYに基づいて1水平走査期間毎に所定期間だけハイレベル(Hレベル)となりシフトレジスタ内を転送される信号として生成される。ゲートスタートパルス信号GSPは、垂直同期信号VSYに基づき1フレーム期間(1垂直走査期間)毎に所定期間だけHレベルとなる信号として生成される。ゲートクロック信号GCKは、水平同期信号HSYに基づいて生成される。チャージシェア制御信号Cshおよびゲートドライバ出力制御信号GOE(GOE1〜GOEq)は、水平同期信号HSYおよび制御信号Dcに基づいて生成される。
上記のようにして表示制御回路200において生成された信号のうち、デジタル画像信号DAとチャージシェア制御信号Cshとデータスタートパルス信号SSPおよびデータクロック信号SCKとは、ソースドライバ300に入力され、ゲートスタートパルス信号GSPおよびゲートクロック信号GCKとゲートドライバ出力制御信号GOEとは、ゲートドライバ400に入力される。
ソースドライバ300は、デジタル画像信号DAとデータスタートパルス信号SSPおよびデータクロック信号SCKとに基づき、デジタル画像信号DAの表す画像の各水平走査線における画素値に相当するアナログ電圧としてデータ信号S(1)〜S(n)を1水平走査期間毎に順次生成し、これらのデータ信号S(1)〜S(n)をソースラインSL1〜SLnにそれぞれ印加する。ソースドライバ300は、液晶層への印加電圧の極性が1フレーム期間毎に反転されると共に各フレーム内において1ゲートライン毎かつ1ソースライン毎にも反転されるようにデータ信号S(1)〜S(n)が出力される駆動方式すなわちドット反転駆動方式が採用されている。したがって、ソースドライバ300は、ソースラインSL1〜SLnへの印加電圧の極性をソースライン毎に反転させ、かつ、各ソースラインSLiに印加されるデータ信号S(i)の電圧極性を1水平走査期間毎に反転させる。ここで、ソースラインへの印加電圧の極性反転の基準となる電位は、データ信号S(1)〜S(n)の直流レベル(直流成分に相当する電位)であり、この直流レベルは、一般的には共通電極Ecの直流レベルとは一致せず、各画素形成部におけるTFTのゲート・ドレイン間の寄生容量Cgdによる引き込み電圧ΔVdだけ共通電極Ecの直流レベルと異なる。ただし、寄生容量Cgdによる引き込み電圧ΔVdが液晶の光学的しきい値電圧Vthに対して十分に小さい場合には、データ信号S(1)〜S(n)の直流レベルは共通電極Ecの直流レベルに等しいとみなせるので、データ信号S(1)〜S(n)の極性すなわちソースラインへの印加電圧の極性は共通電極Ecの電位(対向電圧)を基準として1水平走査期間毎に反転すると考えてもよい。
また、このソースドライバ300では、消費電力を低減するためにデータ信号S(1)〜S(n)の極性反転時に隣接ソースライン間が短絡されるチャージシェアリング方式が採用されている。このため、ソースドライバ300においてデータ信号S(1)〜S(n)を出力する部分である出力部は、図6に示すように構成されている。すなわち、この出力部は、デジタル画像信号DAに基づき生成されたアナログ電圧信号d(1)〜d(n)を受け取り、これらのアナログ電圧信号d(1)〜d(n)をインピーダンス変換することによって、ソースラインSL1〜SLnで伝達すべき映像信号としてデータ信号S(1)〜S(n)を生成し、このインピーダンス変換のための電圧ホロワとしてn個の出力バッファ31を有している。アナログ電圧信号d(1)〜d(n)を生成するための階調基準電圧には、階調電圧源600によって生成された電圧V0〜Vpが用いられる。各バッファ31の出力端子にはスイッチング素子としての第1のMOSトランジスタSWaが接続され、各バッファ31からのデータ信号S(i)は第1のMOSトランジスタSWaを介してソースドライバ300の出力端子から出力される(i=1,2,…,n)。また、ソースドライバ300の隣接する出力端子間は、スイッチング素子としての第2のMOSトランジスタSWbによって接続されている(これにより隣接ソースライン間が第2のMOSトランジスタSWbによって接続されることになる)。そして、これらの出力端子間の第2のMOSトランジスタSWbのゲート端子には、チャージシェア制御信号Cshが与えられ、各バッファ31の出力端子に接続された第1のMOSトランジスタSWaのゲート端子には、インバータ33の出力信号すなわちチャージシェア制御信号Cshの論理反転信号が与えられる。
したがって、チャージシェア制御信号Cshが非アクティブ(ローレベル)のときには、第1のMOSトランジスタSWaがオンし(導通状態となり)、第2のMOSトランジスタSWbがオフする(遮断状態となる)ので、各バッファ31からのデータ信号は、第1のMOSトランジスタSWaを介してソースドライバ300から出力される。一方、チャージシェア制御信号Cshがアクティブ(ハイレベル)のときには、第1のMOSトランジスタSWaがオフし(遮断状態となり)、第2のMOSトランジスタSWbがオンする(導通状態となる)ので、各バッファ31からのデータ信号は出力されず(すなわちデータ信号S(1)〜S(n)のソースラインSL1〜SLnへの印加は遮断され)、表示部100における隣接ソースラインが、第2のMOSトランジスタSWbを介して短絡される。
ソースドライバ300では、図3のaに示すように、1水平走査期間(1H)毎に極性の反転する映像信号としてアナログ電圧信号d(i)が生成され、表示制御回路200では、図3のbに示すように、各アナログ電圧信号d(i)の極性の反転時に所定期間(1水平ブランキング期間程度の短い期間)Tshだけハイレベル(Hレベル)となるチャージシェア制御信号Cshが生成される(以下、チャージシェア制御信号CshがHレベルとなる期間を「チャージシェア期間」という)。上記のように、チャージシェア制御信号Cshがローレベル(Lレベル)のときには各アナログ電圧信号d(i)がデータ信号S(i)として出力され、チャージシェア制御信号CshがHレベルのときには、データ信号S(1)〜S(n)のソースラインSL1〜SLnへの印加が遮断されると共に隣接ソースラインが互いに短絡される。そして本構成では、ドット反転駆動方式が採用されていることから隣接ソースラインの電圧は互いに逆極性であって、しかも、その絶対値はほぼ等しい。したがって、各データ信号S(i)の値すなわち各ソースラインSLiの電圧は、チャージシェア期間Tshにおいて、黒表示に相当する電圧(以下、単に「黒電圧」ともいう)となる。本液晶表示装置では、各データ信号S(i)は、データ信号S(i)の直流レベルVSdcを基準として極性が反転するので、図3のcに示すようにチャージシェア期間Tshにおいてデータ信号S(i)の直流レベルVSdcにほぼ等しくなる。なお、このようにデータ信号の極性反転時に隣接ソースラインを短絡することで各ソースラインの電圧を黒電圧(データ信号S(i)の直流レベルVSdc)に等しくするという構成は、消費電力を低減するための手段として従来より提案されており(例えば特許文献2、3参照)、図6に示した構成に限定されるものではない。
ゲートドライバ400は、ゲートスタートパルス信号GSPおよびゲートクロック信号GCKと、ゲートドライバ出力制御信号GOEr(r=1,2,…,q)とに基づき、各データ信号S(1)〜S(n)を各画素形成部(の画素容量)に書き込むために、デジタル画像信号DAの各フレーム期間(各垂直走査期間)においてゲートラインGL1〜GLmをほぼ1水平走査期間ずつ順次選択すると共に、後述の黒挿入のために、データ信号S(i)の極性反転時に所定期間だけゲートラインGLjを選択する(j=1〜m)。すなわち、ゲートドライバ400は、図3のd・eに示すような画素データ書込パルスPwと黒電圧印加パルスPbとを含む走査信号G(1)〜G(m)をゲートラインGL1〜GLmにそれぞれ印加し、これらのパルスPw,Pbが印加されているゲートラインGLjは選択状態となり、選択状態のゲートラインGLjに接続されたTFT10がオン状態となる(非選択状態のゲートラインに接続されたTFT10はオフ状態となる)。ここで、画素データ書込パルスPwは水平走査期間(1H)のうち表示期間に相当する有効走査期間でHレベルとなるのに対し、黒電圧印加パルスPbは水平走査期間(1H)のうちブランキング期間に相当するチャージシェア期間Tsh内でHレベルとなる。本構成では図3のd・eに示すように、各走査信号G(j)において、画素データ書込パルスPwと当該画素データ書込パルスPwの後に最初に現れる黒電圧印加パルスPbとの間は2/3フレーム期間であり、黒電圧印加パルスPbは、1フレーム期間(1V)において1水平走査期間(1H)の間隔で続いて3個現れる。
次に図3を参照しつつ、上記のソースドライバ300およびゲートドライバ400による表示部100(図15参照)の駆動について説明する。表示部100における各画素形成部では、それに含まれるTFT10のゲート端子に接続されるゲートラインGLjに画素データ書込パルスPwが印加されることにより、当該TFT10がオンし、当該TFT10のソース端子に接続されるソースラインSLiの電圧がデータ信号S(i)の値として当該画素形成部に書き込まれる。すなわちソースラインSLiの電圧が画素容量Cpに保持される。その後、当該ゲートラインGLjは黒電圧印加パルスPbが現れるまでの期間Thdは非選択状態となるので、当該画素形成部に書き込まれた電圧がそのまま保持される。
黒電圧印加パルスPbは、その非選択状態の期間(以下「画素データ保持期間」という)Thdの後のチャージシェア期間TshにゲートラインGLjに印加される。既述のようにチャージシェア期間Tshでは、各データ信号S(i)の値すなわち各ソースラインSLiの電圧は、データ信号S(i)の直流レベルにほぼ等しくなる(すなわち黒電圧となる)。したがって、当該ゲートラインGLjへの黒電圧印加パルスPbの印加により、当該画素形成部の画素容量Cpに保持される電圧は黒電圧に向かって変化する。しかし、黒電圧印加パルスPbのパルス幅は短いので、画素容量Cpにおける保持電圧を確実に黒電圧にするために、図3のd・eに示すように、各フレーム期間において1水平走査期間(1H)間隔で3個の黒電圧印加パルスPbが続けて当該ゲートラインGLjに印加される。これにより、当該ゲートラインGLjに接続される画素形成部によって形成される画素の輝度(画素容量での保持電圧によって決まる透過光量)L(j,i)は、図3のfに示すように変化する。
したがって、各ゲートラインGLjに接続される画素形成部に対応する1表示ラインにおいて、画素データ保持期間Thdではデジタル画像信号DAに基づく表示が行われ、その後に上記3個の黒電圧印加パルスPbが印加されてから次に当該ゲートラインGLjに画素データ書込パルスPwが印加される時点までの期間Tbkでは黒表示が行われる。このようにして、黒表示の行われる期間(以下「黒表示期間」という)Tbkが各フレーム期間に挿入されることにより、液晶表示装置による表示のインパルス化が行われる。
図3のd・eからもわかるように、画素データ書込パルスPwの現れる時点は走査信号G(j)毎に1水平走査期間(1H)ずつずれているので、黒電圧印加パルスPbの現れる時点も走査信号G(j)毎に1水平走査期間(1H)ずつずれている。したがって、黒表示期間Tbkも1表示ライン毎に1水平走査期間(1H)ずつずれて、全ての表示ラインにつき同じ長さの黒挿入が行われる。このようにして、画素データ書込のための画素容量Cpでの充電期間を短縮することなく、十分な黒挿入期間が確保される。また、黒挿入のためにソースドライバ300等の動作速度を上げる必要もない。
図3に示したインパルス化の構成では、データ信号の極性反転時の黒信号挿入期間には各データ信号線の電圧は黒表示に相当する値となっており、各走査信号線は、画素値書込のために有効走査期間で選択されてから所定の画素値保持期間が経過した後に少なくとも1回は黒信号挿入期間で選択状態となる。これにより、次に画素値書込のために有効走査期間で選択状態となるまでは黒表示の期間となるので、全ての表示ラインにつき同じ長さの黒挿入を行い、画素値書込のための画素容量での充電期間を短縮することなく、十分な黒挿入期間の確保によるインパルス化によって動画像の表示性能を改善することができる。
しかしながら、このような黒挿入による表示のインパルス化を行うと、当該インパルス化を行わない場合と比較して、表示のガンマ特性が劣化するという問題がある。
図16に、黒挿入による表示のインパルス化を行わない場合(off:実線)と行う場合(on:破線)とのそれぞれについて、表示のガンマ特性曲線を示す。当該ガンマ特性曲線において、横軸は表示データの階調を最大階調で規格化した値を表し、縦軸は、実際に認識される表示輝度を最大輝度で規格化した輝度比を表している。一般的な表示装置ではガンマの設定値は2.2であり、通常のインパルス化を行わないホールドモード(off)でのガンマはそれに合わせるとする。その場合、それを元にインパルス駆動(on)に切り替えた場合には図中太矢印で示すようにガンマ特性がガンマ値(γ)が2.2よりも大きくなる側に変動する。ガンマ値2.2は、高表示品位が得られる好ましい値である。
従って、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合には、当該インパルス化を行わない場合と比較して、表示データの階調の変化に対する輝度変化が不自然なものとなり、表示品質が劣化してしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置、およびその駆動方法を実現することにある。
本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、表示データに対応した電圧を画素に印加して表示を行うアクティブマトリクス型の表示装置であって、画素ごとに1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示が可能な表示装置において、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、表示のガンマ特性の調整を行うガンマ特性調整手段を備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、画素ごとに1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示を行う場合、すなわち、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に、ガンマ特性調整手段が表示のガンマ特性を調整する。これにより、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を向上させることができる。
本発明の表示装置の駆動方法は、上記課題を解決するために、表示データに対応した電圧を画素に印加して表示を行うアクティブマトリクス型の表示装置の駆動方法であって、画素ごとに1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示が可能な駆動装置の駆動方法において、上記黒挿入を行う表示を行う場合に表示のガンマ特性の調整を行うことを特徴としている。
上記の発明によれば、画素ごとに1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示を行う場合、すなわち、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に、表示のガンマ特性を調整する。これにより、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を向上させることができる。
以上により、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置の駆動方法を実現することができるという効果を奏する。
以上により、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置を実現することができるという効果を奏する。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図10に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本実施形態に係る表示装置としての液晶表示装置1の構成をその表示部の等価回路と共に示すブロック図である。この液晶表示装置1は、データ信号線駆動回路としてのソースドライバ300と、走査信号線駆動回路としてのゲートドライバ400と、アクティブマトリクス形の表示部100と、ソースドライバ300およびゲートドライバ400を制御するための表示制御回路(ガンマ特性調整手段)250と、ROM500と、階調電圧源600とを備えている。液晶表示装置1は、この構成を備えることにより、黒挿入による表示のインパルス化を行うモードと、当該インパルス化を行わないモードとの両方のモードを切り替えて実行することができるものである。本実施形態では、黒挿入による表示のインパルス化を一例としてチャージシェア期間を利用してそのタイミングで黒を書き込む方式を用い本発明に関しての説明を行っているが、チャージシェアは必ずしも行う必要はなく、黒挿入を行って表示のインパルス化を行いさえすればよい。また、挿入する黒も、必ずしも最小輝度に対応する電圧でなくてよく、最小輝度から所定範囲内にある輝度に対応する電圧に最終的に達すればよい。以下、黒挿入による表示のインパルス化を単にインパルス化と呼ぶ。
上記液晶表示装置1における表示部100は、複数本(m本)の走査信号線としてのゲートラインGL1〜GLmと、それらのゲートラインGL1〜GLmのそれぞれと交差する複数本(n本)のデータ信号線としてのソースラインSL1〜SLnと、それらのゲートラインGL1〜GLmとソースラインSL1〜SLnとの交差点にそれぞれ対応して設けられた複数個(m×n個)の画素形成部とを含む。これらの画素形成部はマトリクス状に配置されて画素アレイを構成し、各画素形成部は、対応する交差点を通過するゲートラインGLjにゲート端子が接続される共に当該交差点を通過するソースラインSLiにソース端子が接続されたスイッチング素子であるTFT10と、そのTFT10のドレイン端子に接続された画素電極と、上記複数の画素形成部に共通的に設けられた対向電極である共通電極Ecと、上記複数の画素形成部に共通的に設けられ画素電極と共通電極Ecとの間に挟持された液晶層とからなる。そして、画素電極と共通電極Ecとにより形成される液晶容量により画素容量Cpが構成される。なお、画素容量に確実に電圧を保持すべく、液晶容量に並列に補助容量が設けられていてもよいが、その説明および図示は省略してある。
各画素形成部における画素電極には、後述のように動作するソースドライバ300およびゲートドライバ400により、表示すべき画像に応じた電位が与えられ、共通電極Ecには、図示しない電源回路から所定電位Vcomが与えられる。これにより、画素電極と共通電極Ecとの間の電位差に応じた電圧が液晶に印加され、この電圧印加によって液晶層に対する光の透過量が制御されることで画像表示が行われる。ただし、液晶層への電圧印加によって光の透過量を制御するためには偏光板が使用され、本構成に係る液晶表示装置1では、ノーマリブラックとなるように偏光板が配置されているものとする。
表示制御回路250は、外部の信号源から、表示すべき画像を表すデジタルビデオ信号Dvと、当該デジタルビデオ信号Dvに対応する水平同期信号HSYおよび垂直同期信号VSYと、表示動作を制御するための制御信号Dcとを受け取り、それらの信号Dv,HSY,VSY,Dcに基づき、そのデジタルビデオ信号Dvの表す画像を表示部100に表示させるための信号として、データスタートパルス信号SSPと、データクロック信号SCKと、チャージシェア制御信号Cshと、表示すべき画像を表すデジタル画像信号DA(ビデオ信号Dvに相当する信号)と、ゲートスタートパルス信号GSPと、ゲートクロック信号GCKと、ゲートドライバ出力制御信号GOEとを生成し出力する。
ビデオ信号Dvは、内部メモリで必要に応じてタイミング調整等が行われた後に、デジタル画像信号DAとして表示制御回路250から出力される。表示制御回路250はデータ変換部250aを備えており、このデータ変換部250aが、ビデオ信号Dvに対応するデジタル画像信号DAを、表示制御回路250の外部のROM500から読み出した情報に基づいて出力する。なお、ROM500は表示制御回路250の内部に設けられていてもよい。
ここでは、一例として、ビデオ信号Dvを擬似的にそれよりも高精細のデジタル画像信号DAに変換するフレーム・レート・コントロールの例を説明する。上記フレーム・レート・コントロールでは、例えば8ビットのビデオ信号Dvでは表せない精度の階調を表示データに含ませたい場合に、データ変換部250aにより該8ビットの階調データ列を1フレーム内の時分割データ列に変換すれば、8ビットの階調データを用いて擬似的に例えば10ビットといったより多ビットの精度の階調を表現することができる。そして、ROM500には、データ変換部250が要求する擬似的な10ビットのデジタル画像信号DAに対応した8ビットのデジタル画像信号の時分割データ列の情報が予め格納されている。データ変換部250aは、ROM500から読み出した情報に基づいて、変換後の8ビットの時分割データ列をデジタル画像信号DAのデータ列として出力する。
データクロック信号SCKは、ソースドライバ300内のシフトレジスタの動作タイミングを決定する信号として生成される。データスタートパルス信号SSPは、水平同期信号HSYに基づいて1水平走査期間毎に所定期間だけハイレベル(Hレベル)となりシフトレジスタ内を転送される信号として生成される。ゲートスタートパルス信号GSPは、垂直同期信号VSYに基づき1フレーム期間(1垂直走査期間)毎に所定期間だけHレベルとなる信号として生成される。ゲートクロック信号GCKは、水平同期信号HSYに基づいて生成される。チャージシェア制御信号Cshおよびゲートドライバ出力制御信号GOE(GOE1〜GOEq)は、水平同期信号HSYおよび制御信号Dcに基づいて生成される。
上記のようにして表示制御回路250において生成された信号のうち、デジタル画像信号DAとチャージシェア制御信号Cshとデータスタートパルス信号SSPおよびデータクロック信号SCKとは、ソースドライバ300に入力され、ゲートスタートパルス信号GSPおよびゲートクロック信号GCKとゲートドライバ出力制御信号GOEとは、ゲートドライバ400に入力される。
ソースドライバ300は、図2に示すように、データ信号生成部302と出力部304とから構成されている。データ信号生成部302は、データスタートパルス信号SSPおよびデータクロック信号SCKに基づきデジタル画像信号DAから、ソースラインSL1〜SLnにそれぞれ対応するアナログ電圧信号d(1)〜d(n)を生成する。アナログ電圧信号d(1)〜d(n)として選択するための階調基準電圧には、階調電圧源600によって生成された電圧V0〜Vpが用いられる。出力部304は、データ信号生成部302で生成されるアナログ電圧信号d(i)毎に設けられた電圧ホロワからなる出力バッファを含み、このバッファにより各アナログ電圧信号d(i)をインピーダンス変換しデータ信号S(i)として出力する(i=1,2,…,n)。ただし、後述のように、チャージシェア制御信号Cshに基づき、チャージシェア期間Tshにおいて、データ信号S(1)〜S(n)のソースラインSL1〜SLnへの印加が遮断されると共に、ソースラインSL1〜SLnが互いに短絡される。出力部304には、このような動作を実現するためのスイッチ回路と電源が含まれている(詳細は後述)。
ソースドライバ300は、液晶層への印加電圧の極性が1フレーム期間毎に反転されると共に各フレーム内において1ゲートライン毎かつ1ソースライン毎にも反転されるようにデータ信号S(1)〜S(n)が出力される駆動方式すなわちドット反転駆動方式が採用されている。したがって、ソースドライバ300は、ソースラインSL1〜SLnへの印加電圧の極性をソースライン毎に反転させ、かつ、各ソースラインSLiに印加されるデータ信号S(i)の電圧極性を1水平走査期間毎に反転させる。ここで、ソースラインへの印加電圧の極性反転の基準となる電位は、データ信号S(1)〜S(n)の直流レベル(直流成分に相当する電位)であり、この直流レベルは、一般的には共通電極Ecの直流レベルとは一致せず、各画素形成部におけるTFTのゲート・ドレイン間の寄生容量Cgdによる引き込み電圧ΔVdだけ共通電極Ecの直流レベルと異なる。ただし、寄生容量Cgdによる引き込み電圧ΔVdが液晶の光学的しきい値電圧Vthに対して十分に小さい場合には、データ信号S(1)〜S(n)の直流レベルは共通電極Ecの直流レベルに等しいとみなせるので、データ信号S(1)〜S(n)の極性すなわちソースラインへの印加電圧の極性は共通電極Ecの電位(対向電圧)を基準として1水平走査期間毎に反転すると考えてもよい。
また、このソースドライバ300では、消費電力を低減するためにデータ信号S(1)〜S(n)の極性反転時に隣接ソースライン間が短絡されるチャージシェアリング方式が採用されている。このため、ソースドライバ300の出力部304は、図6に示すように構成されている。すなわち、この出力部は、デジタル画像信号DAに基づき生成されたアナログ電圧信号d(1)〜d(n)を受け取り、これらのアナログ電圧信号d(1)〜d(n)をインピーダンス変換することによって、ソースラインSL1〜SLnで伝達すべき映像信号としてデータ信号S(1)〜S(n)を生成し、このインピーダンス変換のための電圧ホロワとしてn個の出力バッファ31を有している。各バッファ31の出力端子にはスイッチング素子としての第1のMOSトランジスタSWaが接続され、各バッファ31からのデータ信号S(i)は第1のMOSトランジスタSWaを介してソースドライバ300の出力端子から出力される(i=1,2,…,n)。また、ソースドライバ300の隣接する出力端子間は、スイッチング素子としての第2のMOSトランジスタSWbによって接続されている(これにより隣接ソースライン間が第2のMOSトランジスタSWbによって接続されることになる)。そして、これらの出力端子間の第2のMOSトランジスタSWbのゲート端子には、チャージシェア制御信号Cshが与えられ、各バッファ31の出力端子に接続された第1のMOSトランジスタSWaのゲート端子には、インバータ33の出力信号すなわちチャージシェア制御信号Cshの論理反転信号が与えられる。
したがって、チャージシェア制御信号Cshが非アクティブ(ローレベル)のときには、第1のMOSトランジスタSWaがオンし(導通状態となり)、第2のMOSトランジスタSWbがオフする(遮断状態となる)ので、各バッファ31からのデータ信号は、第1のMOSトランジスタSWaを介してソースドライバ300から出力される。一方、チャージシェア制御信号Cshがアクティブ(ハイレベル)のときには、第1のMOSトランジスタSWaがオフし(遮断状態となり)、第2のMOSトランジスタSWbがオンする(導通状態となる)ので、各バッファ31からのデータ信号は出力されず(すなわちデータ信号S(1)〜S(n)のソースラインSL1〜SLnへの印加は遮断され)、表示部100における隣接ソースラインが、第2のMOSトランジスタSWbを介して短絡される。
ソースドライバ300では、図3のaに示すように、1水平走査期間(1H)毎に極性の反転する映像信号としてアナログ電圧信号d(i)が生成され、表示制御回路250では、図3のbに示すように、各アナログ電圧信号d(i)の極性の反転時に所定期間(1水平ブランキング期間程度の短い期間)Tshだけハイレベル(Hレベル)となるチャージシェア制御信号Cshが生成される(以下、チャージシェア制御信号CshがHレベルとなる期間を「チャージシェア期間」という)。上記のように、チャージシェア制御信号Cshがローレベル(Lレベル)のときには各アナログ電圧信号d(i)がデータ信号S(i)として出力され、チャージシェア制御信号CshがHレベルのときには、データ信号S(1)〜S(n)のソースラインSL1〜SLnへの印加が遮断されると共に隣接ソースラインが互いに短絡される。そして本構成では、ドット反転駆動方式が採用されていることから隣接ソースラインの電圧は互いに逆極性であって、しかも、その絶対値はほぼ等しい。したがって、各データ信号S(i)の値すなわち各ソースラインSLiの電圧は、チャージシェア期間Tshにおいて、黒表示に相当する電圧(以下、単に「黒電圧」ともいう)となる。本液晶表示装置1では、各データ信号S(i)は、データ信号S(i)の直流レベルVSdcを基準として極性が反転するので、図3のcに示すようにチャージシェア期間Tshにおいてデータ信号S(i)の直流レベルVSdcにほぼ等しくなる。なお、このようにデータ信号の極性反転時に隣接ソースラインを短絡することで各ソースラインの電圧を黒電圧(データ信号S(i)の直流レベルVSdc)に等しくするという構成は、消費電力を低減するための手段として従来より提案されており(例えば特許文献2、3参照)、図6に示した構成に限定されるものではない。
ゲートドライバ400は、ゲートスタートパルス信号GSPおよびゲートクロック信号GCKと、ゲートドライバ出力制御信号GOEr(r=1,2,…,q)とに基づき、各データ信号S(1)〜S(n)を各画素形成部(の画素容量)に書き込むために、デジタル画像信号DAの各フレーム期間(各垂直走査期間)においてゲートラインGL1〜GLmをほぼ1水平走査期間ずつ順次選択すると共に、後述の黒挿入のために、データ信号S(i)の極性反転時に所定期間だけゲートラインGLjを選択する(j=1〜m)。すなわち、ゲートドライバ400は、図3のd・eに示すような画素データ書込パルスPwと黒電圧印加パルスPbとを含む走査信号G(1)〜G(m)をゲートラインGL1〜GLmにそれぞれ印加し、これらのパルスPw,Pbが印加されているゲートラインGLjは選択状態となり、選択状態のゲートラインGLjに接続されたTFT10がオン状態となる(非選択状態のゲートラインに接続されたTFT10はオフ状態となる)。ここで、画素データ書込パルスPwは水平走査期間(1H)のうち表示期間に相当する有効走査期間でHレベルとなるのに対し、黒電圧印加パルスPbは水平走査期間(1H)のうちブランキング期間に相当するチャージシェア期間Tsh内でHレベルとなる。本構成では図3のd・eに示すように、各走査信号G(j)において、画素データ書込パルスPwと当該画素データ書込パルスPwの後に最初に現れる黒電圧印加パルスPbとの間は2/3フレーム期間であり、黒電圧印加パルスPbは、1フレーム期間(1V)において1水平走査期間(1H)の間隔で続いて3個現れる。
なお、ゲートドライバ400の詳細な構成については後述する。
次に図3を参照しつつ、上記のソースドライバ300およびゲートドライバ400による表示部100(図1参照)の駆動について説明する。表示部100における各画素形成部では、それに含まれるTFT10のゲート端子に接続されるゲートラインGLjに画素データ書込パルスPwが印加されることにより、当該TFT10がオンし、当該TFT10のソース端子に接続されるソースラインSLiの電圧がデータ信号S(i)の値として当該画素形成部に書き込まれる。すなわちソースラインSLiの電圧が画素容量Cpに保持される。その後、当該ゲートラインGLjは黒電圧印加パルスPbが現れるまでの期間Thdは非選択状態となるので、当該画素形成部に書き込まれた電圧がそのまま保持される。
黒電圧印加パルスPbは、その非選択状態の期間(以下「画素データ保持期間」という)Thdの後のチャージシェア期間TshにゲートラインGLjに印加される。既述のようにチャージシェア期間Tshでは、各データ信号S(i)の値すなわち各ソースラインSLiの電圧は、データ信号S(i)の直流レベルにほぼ等しくなる(すなわち黒電圧となる)。したがって、当該ゲートラインGLjへの黒電圧印加パルスPbの印加により、当該画素形成部の画素容量Cpに保持される電圧は黒電圧に向かって変化する。しかし、黒電圧印加パルスPbのパルス幅は短いので、画素容量Cpにおける保持電圧を確実に黒電圧にするために、図3のd・eに示すように、各フレーム期間において1水平走査期間(1H)間隔で3個の黒電圧印加パルスPbが続けて当該ゲートラインGLjに印加される。これにより、当該ゲートラインGLjに接続される画素形成部によって形成される画素の輝度(画素容量での保持電圧によって決まる透過光量)L(j,i)は、図3のfに示すように変化する。
したがって、各ゲートラインGLjに接続される画素形成部に対応する1表示ラインにおいて、画素データ保持期間Thdではデジタル画像信号DAに基づく表示が行われ、その後に上記3個の黒電圧印加パルスPbが印加されてから次に当該ゲートラインGLjに画素データ書込パルスPwが印加される時点までの期間Tbkでは黒表示が行われる。このようにして、黒表示の行われる期間(以下「黒表示期間」という)Tbkが各フレーム期間に挿入されることにより、液晶表示装置1による表示のインパルス化が行われる。
図3のd・eからもわかるように、画素データ書込パルスPwの現れる時点は走査信号G(j)毎に1水平走査期間(1H)ずつずれているので、黒電圧印加パルスPbの現れる時点も走査信号G(j)毎に1水平走査期間(1H)ずつずれている。したがって、黒表示期間Tbkも1表示ライン毎に1水平走査期間(1H)ずつずれて、全ての表示ラインにつき同じ長さの黒挿入が行われる。このようにして、画素データ書込のための画素容量Cpでの充電期間を短縮することなく、十分な黒挿入期間が確保される。また、黒挿入のためにソースドライバ300等の動作速度を上げる必要もない。
上記の構成の液晶表示装置1において、表示制御回路250のデータ変換部250aは、ビデオ信号Dvに対応させてROM500から読み出すデジタル画像信号DAの情報を、インパルス化を行うモードと行わないモードとで異なるものとする。このモードの切り替えは、図1に示すように、表示制御回路250の外部からデータ変換部250aに入力される、インパルス化のon/offの切り替えを制御する制御信号CSIon/offに基づいて行う。インパルス化を行うモードでは、表示のガンマ特性を調整するために、ROM500に予め格納されたインパルス化を行うモード用のガンマ特性に対応するデータ列の情報を読み出して、擬似多ビット化したビデオ信号Dvからデジタル画像信号DAへの変換を行う。また、当該インパルス化を行わないモードでは、ROM500に予め格納されたインパルス化を行わないモード用のガンマ特性に対応するデータ列の情報を読み出して、擬似多ビット化したビデオ信号Dvからデジタル画像信号DAへの変換を行う。
図4に、このガンマ特性の調整の第1の例を説明するための図を示す。
図4において、横軸は表示データの階調を最大階調で規格化した値を表し、縦軸は、実際に認識される表示輝度を最大輝度で規格化した輝度比を表している。実線で示すガンマ特性曲線E1はインパルス化を行わないモード(off)での特性を示し、ガンマ値(γ)は2.2である。また、破線で示すガンマ特性曲線E2はインパルス化を行うモード(on)での特性を示し、ガンマ値(γ)は2.2よりも大きい。両曲線とも、同じく、各階調に対応した電圧が階調電圧源600の階調基準電圧に設定されたときに得られるものである。本実施形態では、インパルス化を行うモードにおいて、変動するガンマ特性に対して、ガンマ特性曲線E2をガンマ特性曲線E1に一致させる調整を行う。
ガンマ特性曲線E2をガンマ特性曲線E1に一致させる調整を行うのに、データ変換部250aは、インパルス化を行うモードであることを示す情報と、擬似10ビット化したデータ列の情報とを、ROM500に送る。ROM500からは、図4において、ガンマ特性曲線E2の階調nに対応する点Aの輝度比が、ガンマ特性曲線E1の階調nに対応する点Bの輝度比に変換されて得られるようにしたいので、ROM500は、データ変換部250aからの、ガンマ特性曲線E2の点Aの階調n(規格化階調)に対応するデータの読み出し要求を、ガンマ特性曲線E2上でガンマ特性曲線E1の点Bと同じ輝度比が得られる点Cの階調n+k(規格化階調)の読み出し要求であると読み替える。このようにして、ROM500は、擬似10ビット化したデータ列に対応する8ビットの時分割データ列の情報をデータ変換部250aに返す応答を行う。一方、インパルス化を行わないモードでは、ROM500は、データ変換部250aから読み出し要求のあったデータ列の情報について、ガンマ特性曲線E1の、擬似10ビット化したデータ列に対応する8ビットの時分割データ列の情報をデータ変換部250aに返す。
次に、図5を用いて、ガンマ特性の調整の第2の例について説明する。
インパルス化を行うモードにおいて、図5に太矢印で示すように、インパルス化を行わないモードからのガンマ特性の変動が大きすぎる場合には、変動するガンマ特性をガンマ値2.2の曲線に調整しきれない可能性がある。このような場合に、図5に示すように、インパルス化を行わないモードにおいてガンマ特性の調整を行わないで、各階調に対応する電圧を基準電圧としたときに得られるガンマ特性曲線F0を、ガンマ値1.5といった2.2よりも小さなガンマ値の曲線となるようにしておく。そして、インパルス化を行わないモードにおいては、ガンマ特性曲線F0を、ガンマ値2.2のガンマ特性曲線F1に調整するようにする。このようにすれば、インパルス化を行うモードにおいて変動して得られるガンマ特性曲線F2と、ガンマ値2.2のガンマ特性曲線F1とのガンマ値の差は小さくなるので、ガンマ特性曲線F2をガンマ特性曲線F1に一致させる調整を行うことが容易となる。ガンマ特性曲線F0・F2の調整については、第1の例と同様である。
前記第1の例では、ガンマ特性曲線E2のガンマ特性を独立に調整したが、第2の例では、ガンマ特性曲線F0のガンマ特性とガンマ特性曲線F2のガンマ特性とをそれぞれ独立に調整した。このように、第2の例では2つのガンマ特性曲線を、図5に細矢印で示すように、互いの間にある目標のガンマ特性に向って近づけて一致させるように調整する。
以上のように、本実施の形態では、上記ガンマ特性の調整の第1および第2の例で説明したように、画素ごとに、所定の水平ブランキング期間に印加した電圧により1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示を行う場合、すなわち、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に、表示制御回路250が表示のガンマ特性を調整する。ここで、表示制御回路250は、上記所定期間以外の期間の表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うので、ガンマ特性を容易に調整することができ、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を向上させることができる。
以上により、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置を実現することができる。
また、上記第1の例では、ガンマ特性の調整により、黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性を、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性に一致させるので、黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性が、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性と同様に良好なものとなる。
また、上記第2の例では、画素ごとに、所定の水平ブランキング期間に印加した電圧により1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示を行う場合、すなわち、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合と、黒挿入を行わない表示を行う場合とのそれぞれについて、表示制御回路250が表示のガンマ特性を調整する。ここで、表示制御回路250は、黒挿入を行わない表示を行う場合に表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うとともに、黒挿入を行う表示を行う場合に上記所定期間以外の期間の表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うので、ガンマ特性を容易に調整することができる。これにより、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を向上させることができる。
また、この第2の例では、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を調整するだけでは、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性に近づけるのが困難な場合でも、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性は、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性からずれたものであるという性質を利用して、図5のように黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性を予め所望のガンマ特性からずらしておけば、黒挿入を行う表示および行わない表示の両方のガンマ特性を調整することで、両方のガンマ特性を所望のガンマ特性に近づけやすくすることができる。
以上により、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置を実現することができる。
さらに、第2の例では、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性の調整の結果と、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性の調整の結果とを一致させるので、黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性が、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性と同様に良好なものとなる。
次に、ソースドライバ300についてさらに説明する。
ソースドライバ300の出力部304の第1の構成例については既に図6に示したが、図7は、本実施形態におけるソースドライバ300の出力部304の第2の構成例を示す回路図である。この構成例による出力部304は、スイッチング素子としてのn個の第1のMOSトランジスタSWaおよび(n−1)個の第2のMOSトランジスタSWbと、インバータ33とからなるスイッチ回路を含んでおり、この点では、第1の構成例におけるソースドライバ300の出力バッファと同様である。しかし、第2の構成例による出力部304は、第1の構成例におけるソースドライバ300の出力部と異なり、チャージシェア電圧固定用電源35を含み、このチャージシェア電圧固定用電源35の正極がスイッチング素子としての第3のMOSトランジスタSWb2を介して、いずれかのソースラインSL(i)に接続されるべきソースドライバの出力端子に接続されている(図7に示した例では、n番目のソースラインSLnに接続されるべき出力端子に接続されている)。そして、第3のMOSトランジスタSWb2のゲート端子には、チャージシェア制御信号Cshが入力され、チャージシェア電圧固定用電源35の負極は接地されている。このチャージシェア電圧固定用電源35は、黒表示に相当する固定電圧Eshを与える電圧供給部であり、この電圧Eshは、0階調の負極性のデータ信号S(i)の値から0階調における正極性のデータ信号S(i)の値までの電圧範囲にあればよい。なお、この電圧Eshは、チャージシェア期間Tshにおいて黒電圧印加パルスPbにより画素電極に印加されるが(図3参照)、その画素電極の電圧(画素電圧)は、寄生容量Cgdの存在により、黒電圧印加パルスの立ち下がり時に引き込み電圧ΔVdだけ低下する。したがって、この電源電圧Eshは、引き込み電圧ΔVdの補正を考慮する必要があるため、電源電圧Eshを対向電圧に近い値にしても画素電圧が必ずしも黒表示に相当する電圧になるとは限らない。
上記のような第2の構成例によっても、チャージシェア制御信号Cshに基づき、チャージシェア期間Tsh以外(の有効走査期間)では、データ信号生成部302で生成されたアナログ電圧信号d(1)〜d(n)がバッファ31を介してデータ信号S(1)〜S(n)として出力されてソースラインSL1〜SLnに印加され、チャージシェア期間Tshでは、データ信号S(1)〜S(n)のソースラインSL1〜SLnへの印加が遮断されると共に隣接ソースラインが互いに短絡される(結果的に全ソースラインSL1〜SLnが互いに短絡される)。これに加えて、この第2の構成例によれば、チャージシェア期間Tshにおいて各ソースラインSLi(i=1〜n)にチャージシェア電圧固定用電源35の電圧Eshが与えられる(図7参照)。
しかし、図7からわかるように上記第1の構成例では、多くのソースラインは複数個のMOSトランジスタSWbを介してチャージシェア電圧固定用電源35に接続される。このため、全てのソースラインSL1〜SLnの電圧が同一のチャージシェア電圧Eshに落ち着くまでに時間を要する。その結果、チャージシェア期間Tshの長さによっては、黒挿入において各画素形成部の画素容量に保持されるべき黒電圧を同一にすることができず、上記パターンの影の発生を十分に抑制できないことも考えられる。
そこで次に、チャージシェア期間Tshにおいて全てのソースラインSL1〜SLnが短時間で同一の電圧Eshとなるように構成されたソースドライバの出力部を第3の構成例として説明する。
図8は、ソースドライバ300の出力部304の第3の構成例を示す回路図である。この構成例による出力部304における構成要素のうち第2の構成例におけるものと同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
本構成例による出力部304も、第2の構成例と同様、各ソースラインSLi(i=1〜n)に対しスイッチング素子としての第2のMOSトランジスタSWcが1個ずつ設けられている。しかし、第2の構成例では、隣接ソースライン間に1個ずつ第2のMOSトランジスタSWbが挿入されるようにスイッチ回路が構成されるのに対し、本構成例では、各ソースラインSLiとチャージシェア電圧固定用電源35との間に1個ずつ第2のMOSトランジスタSWcが挿入されるようにスイッチ回路が構成される。すなわち本構成例では、各ソースラインSLiに接続されるべきソースドライバの出力端子は、これら第2のMOSトランジスタSWcのいずれか1つを介してチャージシェア電圧固定用電源35の正極に接続されている。そして、これら第2のMOSトランジスタSWcのゲート端子のいずれにもチャージシェア制御信号Cshが与えられる。
上記のような第3の構成例によっても、チャージシェア制御信号Cshに基づき、チャージシェア期間Tsh以外(の有効走査期間)では、データ信号生成部302で生成されたアナログ電圧信号d(1)〜d(n)がバッファ31を介してデータ信号S(1)〜S(n)として出力されてソースラインSL1〜SLnに印加され、チャージシェア期間Tshでは、データ信号S(1)〜S(n)のソースラインSL1〜SLnへの印加が遮断されると共に隣接ソースラインが互いに短絡される(結果的に全ソースラインSL1〜SLnが互いに短絡される)。これに加えて、この第3の構成例によれば、チャージシェア期間Tshにおいて各ソースラインSLi(i=1〜n)にチャージシェア電圧固定用電源35の電圧Eshが与えられる(図8参照)。
次に、本実施形態におけるゲートドライバ400の構成について説明する。
図9(a)および図9(b)は、図3のd・eに示すように動作するゲートドライバ400の一構成例を示すブロック図である。この構成例によるゲートドライバ400は、シフトレジスタを含む複数個(q個)の部分回路としてのゲートドライバ用IC(Integrated Circuit)チップ411,412,…,41qからなる。
各ゲートドライバ用ICチップは、図9(b)に示すように、シフトレジスタ40と、当該シフトレジスタ40の各段に対応して設けられた第1および第2のANDゲート41,43と、第2のANDゲート43の出力信号g1〜gpに基づき走査信号G1〜Gpを出力する出力部45とを備え、外部からスタートパルス信号SPi、クロック信号CKおよび出力制御信号OEを受け取る。スタートパルス信号SPiはシフトレジスタ40の入力端に与えられ、シフトレジスタ40の出力端からは、後続のゲートドライバ用ICチップに入力されるべきスタートパルス信号SPoを出力する。また、第1のANDゲート41のそれぞれにはクロック信号CKの論理反転信号が入力され、第2のANDゲート43のそれぞれには出力制御信号OEの論理反転信号が入力される。そして、シフトレジスタ40の各段の出力信号Qk(k=1〜p)は、当該段に対応する第1のANDゲート41に入力され、当該第1のANDゲート41の出力信号は当該段に対応する第2のANDゲート43に入力される。
本構成例によるゲートドライバ400は、図9(a)に示すように、上記構成の複数(q個)のゲートドライバ用ICチップ411〜41qが縦続接続されることによって実現される。すなわち、ゲートドライバ用ICチップ411〜41q内のシフトレジスタ40が1つのシフトレジスタを形成するように(以下、このように縦続接続によって形成されるシフトレジスタを「結合シフトレジスタ」という)、各ゲートドライバ用ICチップ内のシフトレジスタの出力端(スタートパルス信号SPoの出力端子)が次のゲートドライバ用ICチップ内のシフトレジスタの入力端(スタートパルス信号SPiの入力端子)に接続される。ただし、先頭のゲートドライバ用ICチップ411内のシフトレジスタの入力端には、表示制御回路250からゲートスタートパルス信号GSPが入力され、最後尾のゲートドライバ用ICチップ41q内のシフトレジスタの出力端は外部と未接続となっている。また、表示制御回路250からのゲートクロック信号GCKは、各ゲートドライバ用ICチップ411〜41qにクロック信号CKとして共通に入力される。一方、表示制御回路250において生成されるゲートドライバ出力制御信号GOEは第1〜第qのゲートドライバ出力制御信号GOE1〜GOEqからなり、これらのゲートドライバ出力制御信号GOE1〜GOEqは、ゲートドライバ用ICチップ411〜41qに出力制御信号OEとしてそれぞれ個別に入力される。
次に、図10を参照しつつ上記構成例によるゲートドライバ400の動作について説明する。表示制御回路250は、図10のaに示すように、画素データ書込パルスPwに対応する期間Tspwと3個の黒電圧印加パルスPbに対応する期間TspbwだけHレベル(アクティブ)となる信号をゲートスタートパルス信号GSPとして生成するとともに、図10のbに示すように、1水平走査期間(1H)毎に所定期間だけHレベルとなるゲートクロック信号GCKを生成する。このようなゲートスタートパルス信号GSPおよびゲートクロック信号GCKが図9(a)および図9(b)のゲートドライバ400に入力されると、先頭のゲートドライバ用ICチップ411のシフトレジスタ40の初段の出力信号Q1として、図10のcに示すような信号が出力される。この出力信号Q1は、各フレーム期間において、画素データ書込パルスPwに対応する1個のパルスPqwと、3個の黒電圧印加パルスPbに対応する1個のパルスPqbwとを含み、これらの2個のパルスPqwとPqbwとの間はほぼ画素データ保持期間Thdだけ離れている。このような2個のパルスPqwおよびPqbwがゲートクロック信号GCKに従ってゲートドライバ400内の結合シフトレジスタを順次転送されていく。それに応じて結合シフトレジスタの各段から、図10のcに示すような波形の信号が1水平走査期間(1H)ずつ順次ずれて出力される。
また、表示制御回路250は、既述のように、ゲートドライバ400を構成するゲートドライバ用ICチップ411〜41qに与えるべきゲートドライバ出力制御信号GOE1〜GOEqを生成する。ここで、r番目のゲートドライバ用ICチップ41rに与えるべきゲートドライバ出力制御信号GOErは、当該ゲートドライバ用ICチップ41r内のシフトレジスタ40のいずれかの段から画素データ書込パルスPwに対応するパルスPqwが出力されている期間では、画素データ書込パルスPwの調整のためにゲートクロック信号GCKのパルス近傍の所定期間でHレベルとなることを除きLレベルとなり、それ以外の期間では、ゲートクロック信号GCKがHレベルからLレベルに変化した直後の所定期間Toe(この所定期間Toeはチャージシェア期間Tshに含まれるように設定される)だけLレベルとなることを除きHレベルとなる。例えば、先頭のゲートドライバ用ICチップ411には、図10のdに示すようなゲートドライバ出力制御信号GOE1が与えられる。なお、画素データ書込パルスPwの調整のためにゲートドライバ出力制御信号GOE1〜GOEqに含まれるパルス(これは上記所定期間でHレベルとなることに相当し、以下「書込期間調整パルス」という)は、必要な画素データ書込パルスPwに応じて、ゲートクロック信号GCKの立ち上がりよりも早く立ち上がったり、ゲートクロック信号GCKの立ち下がりよりも遅く立ち下がったりする。また、このような書込期間調整パルスを使用せずに、ゲートクロック信号GCKのパルスだけで画素データ書込パルスPwを調整するようにしてもよい。
各ゲートドライバ用ICチップ41r(r=1〜q)では、上記のようなシフトレジスタ40各段の出力信号Qk(k=1〜p)、ゲートクロック信号GCKおよびゲートドライバ出力制御信号GOErに基づき、第1および第2のANDゲート41,43により、内部走査信号g1〜gpが生成され、それらの内部走査信号g1〜gpが出力部45でレベル変換されて、ゲートラインに印加すべき走査信号G1〜Gpが出力される。これにより、図10のe・fに示すように、ゲートラインGL1〜GLmには、順次画素データ書込パルスPwが印加されると共に、各ゲートラインGLj(j=1〜m)では、画素データ書込パルスの印加時点から画素データ保持期間Thdだけ経過した時点で、黒電圧印加パルスPbが印加され、その後、1水平走査期間(1H)間隔で2個の黒電圧印加パルスPbが印加される。このようにして3個の黒電圧印加パルスPbが印加された後は、次のフレーム期間の画素データ書込パルスPwが印加されるまでLレベルが維持される。すなわち、上記3個の黒電圧印加パルスPbが印加されてから次の画素データ書込パルスPwが印加されるまでは黒表示期間Tbkとなる。
上記のようにして、図9(a)および図9(b)に示した構成のゲートドライバ400により、液晶表示装置1において図3のc〜fに示したようなインパルス化駆動を実現することができる。
本実施形態のインパルス化では、データ信号S(i)の極性反転時の各チャージシェア期間Tshには各ソースラインSLiの電圧は黒表示に相当する値となり(図3のc)、各ゲートラインGLjには、画素データ書込パルスPwが印加されてから2/3フレーム期間の長さの画素データ保持期間Thdが経過した後に、1水平走査期間間隔で3個の黒電圧印加パルスPbがそれぞれチャージシェア期間Tsh内に印加される(図3のd・e)。これにより、次に画素データ書込パルスPwが印加されるまでは黒表示の期間Tbkとなるので、各フレームにつき、ほぼ1/3フレーム期間程度の黒挿入が行われる。すなわち、インパルス化駆動のための黒表示期間Tbkが1表示ライン毎に1水平走査期間(1H)ずつずれて、全ての表示ラインにつき同じ長さの黒挿入が行われる(図3のd・e)。これにより、画素データ書込のための画素容量Cpでの充電期間を短縮することなく、十分な黒挿入期間が確保され、しかも、黒挿入のためにソースドライバ300等の動作速度を上げる必要もない。
上記実施形態におけるゲートドライバ400は、図9(a)および図9(b)に示した構成に限定されるものではなく、図3のd・eに示すような走査信号G(1)〜G(m)を生成するものであればよい。また、上記実施形態では、図3のd・eに示すように、各ゲートラインGLjには1フレーム期間毎に3個の黒電圧印加パルスPbが印加されるが、1フレーム期間における黒電圧印加パルスPbの個数すなわち1つのゲートラインが黒信号挿入期間で選択状態となる1フレーム期間当たりの回数は3に限定されるものではなく、表示を黒レベルとすることができるような1以上の数であればよい。図3のfからわかるように、1フレーム期間における黒電圧印加パルスPbの個数を変えることにより黒表示期間Tbkにおける黒レベル(表示輝度)を所望の値に設定することができる。
また、上記実施形態では、各ゲートラインGLjに対し、画素データ書込パルスPwが印加されてから2/3フレーム期間の長さの画素データ保持期間Thdが経過した時点で黒電圧印加パルスPbが印加され(図3のd・e)、各フレームにつき、ほぼ1/3フレーム期間程度の黒挿入が行われるが、黒表示期間Tbkは1/3フレーム期間に限定されるものではない。黒表示期間Tbkを長くすればインパルス化の効果が大きくなり動画表示性能の改善(尾引残像の抑制等)には有効であるが、表示輝度が低下することになるので、インパルス化の効果と表示輝度とを勘案して適切な黒表示期間Tbkが設定されることになる。
なお上記実施形態では、図7および図8に示すように、第1のMOSトランジスタSWaと、第2のMOSトランジスタSWbおよび第3のMOSトランジスタSWb2または第2のMOSトランジスタSWcと、インバータ33とにより、チャージシェア期間TshにおいてソースラインSL1〜SLnへのデータ信号S(1)〜S(n)の印加を遮断すると共にそれらのソースラインSL1〜SLn(各隣接ソースライン)を互いに短絡するスイッチ回路が構成され、このスイッチ回路はソースドライバ300に含まれる。しかし、このスイッチ回路の一部または全部をソースドライバ300の外部に設ける構成、例えばTFTを用いて表示部100内に画素アレイと一体化して設ける構成としてもよい。
また、本実施形態では表示制御回路250がソースドライバ300に供給するデジタル画像信号DAを、擬似多ビット化した時分割データとしたが、これに限るものではなく、任意の形式のデジタル画像信号に適用することが可能である。さらに、表示制御回路250がソースドライバ300に供給する画像信号は必ずしもデジタル信号である必要はなく、表示制御回路250内ではデジタル信号を処理してガンマ特性を調整したとして、その調整後のデータをアナログ信号に変換してからソースドライバに供給する構成なども考えられる。ソースドライバの構成はその信号形態に合わせて適宜変更することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図1ないし図4、および、図6ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
図11は、本実施形態に係る表示装置としての液晶表示装置11の構成をその表示部の等価回路と共に示すブロック図である。この液晶表示装置11は、データ信号線駆動回路としてのソースドライバ300と、走査信号線駆動回路としてのゲートドライバ400と、アクティブマトリクス形の表示部100と、ソースドライバ300およびゲートドライバ400を制御するための表示制御回路(ガンマ特性調整手段)251と、ROM501・502と、階調電圧源700とを備えている。液晶表示装置11は、この構成を備えることにより、黒挿入による表示のインパルス化を行うモードと、当該インパルス化を行わないモードとの両方のモードを切り替えて実行することができるものである。本実施形態では、黒挿入による表示のインパルス化を一例としてチャージシェア期間を利用してそのタイミングで黒を書き込む方式を用い本発明に関しての説明を行っているが、チャージシェアは必ずしも行う必要はなく、黒挿入を行って表示のインパルス化を行いさえすればよい。また、挿入する黒も、必ずしも最小輝度に対応する電圧でなくてよく、最小輝度から所定範囲内にある輝度に対応する電圧に最終的に達すればよい。以下、黒挿入による表示のインパルス化を単にインパルス化と呼ぶ。
なお、ソースドライバ300、ゲートドライバ400、および、表示部100の構成は実施の形態1で述べたものと同様であるので、それらの説明は省略する。
表示制御回路251は、外部の信号源から、表示すべき画像を表すデジタルビデオ信号Dvと、当該デジタルビデオ信号Dvに対応する水平同期信号HSYおよび垂直同期信号VSYと、表示動作を制御するための制御信号Dcとを受け取り、それらの信号Dv,HSY,VSY,Dcに基づき、そのデジタルビデオ信号Dvの表す画像を表示部100に表示させるための信号として、データスタートパルス信号SSPと、データクロック信号SCKと、チャージシェア制御信号Cshと、表示すべき画像を表すデジタル画像信号DA(ビデオ信号Dvに相当する信号)と、ゲートスタートパルス信号GSPと、ゲートクロック信号GCKと、ゲートドライバ出力制御信号GOEとを生成し出力する。
ビデオ信号Dvは、内部メモリで必要に応じてタイミング調整等が行われた後に、デジタル画像信号DAとして表示制御回路251から出力される。データクロック信号SCKは、ソースドライバ300内のシフトレジスタの動作タイミングを決定する信号として生成される。データスタートパルス信号SSPは、水平同期信号HSYに基づいて1水平走査期間毎に所定期間だけハイレベル(Hレベル)となりシフトレジスタ内を転送される信号として生成される。ゲートスタートパルス信号GSPは、垂直同期信号VSYに基づき1フレーム期間(1垂直走査期間)毎に所定期間だけHレベルとなる信号として生成される。ゲートクロック信号GCKは、水平同期信号HSYに基づいて生成される。チャージシェア制御信号Cshおよびゲートドライバ出力制御信号GOE(GOE1〜GOEq)は、水平同期信号HSYおよび制御信号Dcに基づいて生成される。
上記のようにして表示制御回路251において生成された信号のうち、デジタル画像信号DAとチャージシェア制御信号Cshとデータスタートパルス信号SSPおよびデータクロック信号SCKとは、ソースドライバ300に入力され、ゲートスタートパルス信号GSPおよびゲートクロック信号GCKとゲートドライバ出力制御信号GOEとは、ゲートドライバ400に入力される。
また、表示制御回路251は、切替回路251aを備えている。切替回路251aには、表示制御回路251の外部から、インパルス化のon/offの切り替えを制御する制御信号CSIon/offが入力される。切替回路251aは、この制御信号CSIon/offに基づいて、インパルス化を行うモードと行わないモードとで、階調電圧源700が生成する階調基準電圧を互いに異なるものとする。本実施の形態では、この構成により、インパルス化を行うモードにおいて、図4のガンマ特性曲線E2を、ガンマ特性曲線E1に一致させる調整を行う。ここでは、図4において、例えばガンマ特性曲線E2上の階調n(規格化階調)に対応する点Aの輝度比をガンマ特性曲線E1上の階調nに対応する点Bの輝度比に等しくする調整を行うのに、調整を行わない場合におけるガンマ特性曲線E2上の階調n+k(規格化階調)に対応する点Cの輝度比が得られる階調基準電圧を、調整後のガンマ特性曲線E2の点Bにおける階調基準電圧とする。従って、同じ階調nに対応するガンマ特性曲線E2の点Bにおける階調基準電圧と、ガンマ特性曲線E1の点Aにおける階調基準電圧とが互いに異なっている。
そのために、階調電圧源700として、一例として図12に示すような、入力デジタル信号としてのレジスタの設定値を変更することによりDA変換結果を調整することのできるD/Aコンバータを用いる。切替回路251aは、この階調電圧源700のレジスタに設定する値を、ROM501・502から読み出す。ROM501はインパルス化を行うモード(CSIon)用の階調基準電圧に対応したレジスタ設定値を格納しており、ROM502はインパルス化を行わないモード(CSIoff)用の階調基準電圧に対応したレジスタ設定値を格納している。切替回路251aは、制御信号CSIon/offに基づいてROM501あるいはROM502から読み出したレジスタ設定値を、I2Cバスを介して階調電圧源700に伝送する。
階調電圧源700は、端子SDAからI2Cバスインタフェース701を介してこれらレジスタ設定値を受信し、各レジスタ(図12ではRegister0〜A)にレジスタ値が設定される。これにより、D/A変換ロジック回路703は各レジスタ値から、それらに対応したアナログの電圧を生成する。そして、生成されたアナログの電圧を、電圧ホロワ704でバッファリングして、階調基準電圧(図12ではV0〜V9)として出力する。この出力された階調基準電圧が、図11に示した電圧V0、V1、…Vpに相当する。
図13に、上記のD/Aコンバータの構成例を示す。図13のD/Aコンバータはラダー抵抗型D/Aコンバータであり、3つの抵抗Rと、6つの抵抗2Rとを備えている。この構成では、一例として入力デジタル信号(レジスタ値)が4ビットであるとする。3つの抵抗Rのそれぞれは、ノードAとノードBとの間と、ノードBとノードCとの間と、ノードCとノードDとの間とに設けられている。そして、6つの抵抗2Rのそれぞれは、最上位ビット入力端子L1とノードAとの間と、第2位ビット入力端子L2とノードBとの間と、第3位ビット入力端子L3とノードCとの間と、最下位ビット入力端子L4とノードDとの間と、ノードAとGNDとの間と、ノードDとGNDとの間とに設けられている。各入力端子L1〜L2は、図12では1つのレジスタ702に相当しており、ノードAは図12ではD/A変換ロジック回路703の1つの出力端子に相当している。ノードAは電圧ホロワ704の入力端子に接続されており、図13における電圧ホロワ704の出力端子Eoは、図12における電圧ホロワ704の出力電圧V0〜V9の出力端子の1つに相当している。
図13の構成により、出力端子Eoには、入力端子L1〜L4に入力されるレジスタ値が、入力端子L1〜L4の重み付けに対応して生成された電圧が出力される。
このように、本実施の形態では、画素ごとに、所定の水平ブランキング期間に印加した電圧により1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示を行う場合、すなわち、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に、表示制御回路251が表示のガンマ特性を調整する。これにより、例えば、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性に一致させるなどして、ガンマ特性を向上させることができる。
以上により、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置を実現することができる。
また、本実施の形態では、表示制御回路251は、黒挿入を行う表示を行う場合に、表示データに対応した電圧として選択する階調基準電圧を調整することによりガンマ特性の調整を行う。表示データに対応した電圧として選択する階調基準電圧を調整することは、同じ表示データに対して画素への印加電圧を変更して輝度比を調整することとなるので、ガンマ特性を容易に調整することができる。
また、本実施の形態では、表示データに対応した電圧を、D/Aコンバータにより入力デジタル信号に対応するアナログ出力電圧として生成した階調基準電圧から選択するようにしており、表示制御回路251は、黒挿入を行う表示を行う場合に、上記D/Aコンバータに、黒挿入を行う表示を行う場合の表示データに対応した電圧に対応する入力デジタル信号を入力することにより、表示データに対応した電圧を調整する。
この構成によれば、階調基準電圧をD/Aコンバータにより生成し、黒挿入を行う表示を行う場合に、表示制御回路251がそのD/Aコンバータの入力デジタル信号を、黒挿入を行う表示を行う場合の表示データに対応した電圧に対応する入力デジタル信号とするだけで階調基準電圧を調整するので、ガンマ特性の調整を汎用の回路構成を用いて実現することができる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について図1ないし図14に基づいて説明すると以下の通りである。
図14は、本実施形態に係る表示装置としての液晶表示装置21の構成をその表示部の等価回路と共に示すブロック図である。この液晶表示装置21は、データ信号線駆動回路としてのソースドライバ300と、走査信号線駆動回路としてのゲートドライバ400と、アクティブマトリクス形の表示部100と、ソースドライバ300およびゲートドライバ400を制御するための表示制御回路(ガンマ特性調整手段)252と、ROM500・501・502と、階調電圧源700とを備えている。液晶表示装置21は、この構成を備えることにより、黒挿入による表示のインパルス化を行うモードと、当該インパルス化を行わないモードとの両方のモードを切り替えて実行することができるものである。本実施形態では、黒挿入による表示のインパルス化を一例としてチャージシェア期間を利用してそのタイミングで黒を書き込む方式を用い本発明に関しての説明を行っているが、チャージシェアは必ずしも行う必要はなく、黒挿入を行って表示のインパルス化を行いさえすればよい。また、挿入する黒も、必ずしも最小輝度に対応する電圧でなくてよく、最小輝度から所定範囲内にある輝度に対応する電圧に最終的に達すればよい。以下、黒挿入による表示のインパルス化を単にインパルス化と呼ぶ。
なお、ソースドライバ300、ゲートドライバ400、表示部100、ROM500・501・502、および階調電圧源700の構成は実施の形態1および2で述べたものと同様であるので、それらの説明は省略する。
表示制御回路252は、データ変換部252aと切替回路252bとを備えており、実施の形態1のガンマ特性の調整と、実施の形態2のガンマ特性の調整との両方を行うことができる。データ変換部252aは図1のデータ変換部250aと同様の構成であり、切替回路252bは図11の切替回路251aと同様の構成である。この場合に、インパルス化のon/offの切り替えを制御する制御信号CSIon/offは、データ変換部252aと切替回路252bとの両方に共通の信号として入力される。
データ変換部252aはROM500に格納されている情報を用いて、デジタル画像信号DAを調整することによりガンマ特性の調整を行い、切替回路252bはROM501・502に格納されている情報を用いて、階調電圧源700において生成する階調基準電圧を調整することによりガンマ特性の調整を行う。これは例えば、切替回路252bによって、インパルス化を行うモードにおけるガンマ特性を大まかに調整し、さらにデータ変換部252aによって、インパルス化を行うモードにおけるガンマ特性の微調整を行うといった調整の仕方に好適に適用することができるものである。すなわち、階調電圧源700において生成する階調基準電圧を調整することにより行うガンマ特性の調整は、調整対象のガンマ特性が所望の特性から大きくずれている場合でも容易に行うことができるが、その調整精度が不足するという場合もあり得るので、その精度が不足する分を、デジタル画像信号DAを調整することにより行うガンマ特性の調整で補う。
このように、本実施の形態では、画素ごとに、所定の水平ブランキング期間に印加した電圧により1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示を行う場合、すなわち、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に、表示制御回路252が表示のガンマ特性を調整する。これにより、例えば、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性に一致させるなどして、ガンマ特性を向上させることができる。
以上により、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置を実現することができる。
なお、本発明の表示装置は、上記ガンマ特性調整手段は、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、上記所定期間以外の期間の上記表示データを調整することにより上記ガンマ特性の上記調整を行うものであってもよい。
上記の発明によれば、ガンマ特性調整手段は、上記所定期間以外の期間の表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うので、ガンマ特性を容易に調整することができ、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の表示装置は、上記ガンマ特性調整手段は、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、上記表示データに対応した電圧として選択する階調基準電圧を調整することにより上記ガンマ特性の上記調整を行うものであってもよい。
上記の発明によれば、表示データに対応した電圧として選択する階調基準電圧を調整することは、同じ表示データに対して画素への印加電圧を変更して輝度比を調整することとなるので、ガンマ特性を容易に調整することができるという効果を奏する。
本発明の表示装置は、上記表示データに対応した電圧を、D/Aコンバータにより入力デジタル信号に対応するアナログ出力電圧として生成した上記階調基準電圧から選択し、上記ガンマ特性調整手段は、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、上記D/Aコンバータに、上記黒挿入を行う表示を行う場合の上記表示データに対応した電圧に対応する上記入力デジタル信号を入力することにより、上記表示データに対応した電圧を調整するものであってもよい。
上記の発明によれば、階調基準電圧をD/Aコンバータにより生成し、黒挿入を行う表示を行う場合に、ガンマ特性調整手段がそのD/Aコンバータの入力デジタル信号を、黒挿入を行う表示を行う場合の表示データに対応した電圧に対応する入力デジタル信号とするだけで階調基準電圧を調整するので、ガンマ特性の調整を汎用の回路構成を用いて実現することができるという効果を奏する。
本発明の表示装置は、上記ガンマ特性調整手段は、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、さらに、上記所定期間以外の期間の上記表示データを調整することにより、上記ガンマ特性の上記調整を行うものであってもよい。
上記の発明によれば、階調基準電圧を調整することによるガンマ特性の調整に加えて、所定期間以外の期間の表示データを調整することによりガンマ特性を調整する。階調基準電圧を調整することによるガンマ特性の調整をガンマ特性の大まかな調整とし、表示データを調整することによるガンマ特性の調整をガンマ特性の微調整とすれば、階調基準電圧を調整することによってガンマ特性を調整しきれないときに、所望のガンマ特性を精度よく達成することができるという効果を奏する。
本発明の表示装置は、上記ガンマ特性の上記調整により、上記黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性を、上記黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性に一致させるものであってもよい。
上記の発明によれば、黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性が、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性と同様に良好なものとなるという効果を奏する。
また、本発明の表示装置は、表示データに対応した電圧を画素に印加して表示を行うアクティブマトリクス型の表示装置であって、画素ごとに1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示が可能な表示装置において、上記黒挿入を行わない表示を行う場合に、上記表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うとともに、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、上記所定期間以外の期間の上記表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行う、ガンマ特性調整手段を備えているものであってもよい。
上記の発明によれば、画素ごとに1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示を行う場合、すなわち、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合と、黒挿入を行わない表示を行う場合とのそれぞれについて、ガンマ特性調整手段が表示のガンマ特性を調整する。ここで、ガンマ特性調整手段は、黒挿入を行わない表示を行う場合に表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うとともに、黒挿入を行う表示を行う場合に上記所定期間以外の期間の表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うので、ガンマ特性を容易に調整することができる。これにより、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を向上させることができる。
また、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を調整するだけでは、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性に近づけるのが困難な場合でも、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性は、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性からずれたものであるという性質を利用して、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性を予め所望のガンマ特性からずらしておけば、黒挿入を行う表示および行わない表示の両方のガンマ特性を調整することで、両方のガンマ特性を所望のガンマ特性に近づけやすくすることができる。
以上により、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置を実現することができるという効果を奏する。
また、本発明の表示装置は、上記黒挿入を行わない表示を行う場合の上記ガンマ特性の上記調整の結果と、上記黒挿入を行う表示を行う場合の上記ガンマ特性の上記調整の結果とを一致させるものであってもよい。
上記の発明によれば、黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性が、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性と同様に良好なものとなるという効果を奏する。
本発明の表示装置は、上記黒挿入を、上記画素ごとに定めた所定の水平ブランキング期間に印加した電圧により行うものであってもよい。
上記の発明によれば、画素ごとに定めた所定の水平ブランキング期間に印加した電圧により黒挿入を行う表示装置に対して、表示のガンマ特性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の表示装置の駆動方法は、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、上記所定期間以外の期間の上記表示データを調整することにより上記ガンマ特性の上記調整を行うものであってもよい。
上記の発明によれば、上記所定期間以外の期間の表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うので、ガンマ特性を容易に調整することができ、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の表示装置の駆動方法は、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、上記表示データに対応した電圧として選択する階調基準電圧を調整することにより上記ガンマ特性の上記調整を行うものであってもよい。
上記の発明によれば、表示データに対応した電圧として選択する階調基準電圧を調整することは、同じ表示データに対して画素への印加電圧を変更して輝度比を調整することとなるので、ガンマ特性を容易に調整することができるという効果を奏する。
本発明の表示装置の駆動方法は、上記表示データに対応した電圧を、D/Aコンバータにより入力デジタル信号に対応するアナログ出力電圧として生成した上記階調基準電圧から選択し、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、上記D/Aコンバータに、上記黒挿入を行う表示を行う場合の上記表示データに対応した電圧に対応する上記入力デジタル信号を入力することにより、上記表示データに対応した電圧を調整するものであってもよい。
上記の発明によれば、階調基準電圧をD/Aコンバータにより生成し、黒挿入を行う表示を行う場合に、そのD/Aコンバータの入力デジタル信号を、黒挿入を行う表示を行う場合の表示データに対応した電圧に対応する入力デジタル信号とするだけで階調基準電圧を調整するので、ガンマ特性の調整を汎用の回路構成を用いて実現することができるという効果を奏する。
本発明の表示装置の駆動方法は、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、さらに、上記所定期間以外の期間の表示データを調整することにより、上記ガンマ特性の上記調整を行うものであってもよい。
上記の発明によれば、階調基準電圧を調整することによるガンマ特性の調整に加えて、所定期間以外の期間の表示データを調整することによりガンマ特性を調整する。階調基準電圧を調整することによるガンマ特性の調整をガンマ特性の大まかな調整とし、表示データを調整することによるガンマ特性の調整をガンマ特性の微調整とすれば、階調基準電圧を調整することによってガンマ特性を調整しきれないときに、所望のガンマ特性を精度よく達成することができるという効果を奏する。
本発明の表示装置の駆動方法は、上記ガンマ特性の上記調整により、上記黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性を、上記黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性に一致させるものであってもよい。
上記の発明によれば、黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性が、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性と同様に良好なものとなるという効果を奏する。
本発明の表示装置の駆動方法は、表示データに対応した電圧を画素に印加して表示を行うアクティブマトリクス型の表示装置の駆動方法であって、画素ごとに1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示が可能な表示装置の駆動方法において、上記黒挿入を行わない表示を行う場合に、上記表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うとともに、上記黒挿入を行う表示を行う場合に、上記所定期間以外の期間の上記表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うものであってもよい。
上記の発明によれば、画素ごとに1フレーム内の所定期間だけ黒挿入を行う表示を行う場合、すなわち、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合と、黒挿入を行わない表示を行う場合とのそれぞれについて、ガンマ特性調整手段が表示のガンマ特性を調整する。ここで、ガンマ特性調整手段は、黒挿入を行わない表示を行う場合に表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うとともに、黒挿入を行う表示を行う場合に上記所定期間以外の期間の表示データを調整することにより表示のガンマ特性の調整を行うので、ガンマ特性を容易に調整することができる。これにより、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を向上させることができる。
また、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性を調整するだけでは、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性に近づけるのが困難な場合でも、黒挿入を行う表示を行う場合のガンマ特性は、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性からずれたものであるという性質を利用して、黒挿入を行わない表示を行う場合のガンマ特性を予め所望のガンマ特性からずらしておけば、黒挿入を行う表示および行わない表示の両方のガンマ特性を調整することで、両方のガンマ特性を所望のガンマ特性に近づけやすくすることができる。
以上により、黒挿入による表示のインパルス化を行う場合に表示のガンマ特性を向上させることができる表示装置の駆動方法を実現することができるという効果を奏する。
本発明の表示装置の駆動方法は、上記黒挿入を行わない表示を行う場合の上記ガンマ特性の上記調整の結果と、上記黒挿入を行う表示を行う場合の上記ガンマ特性の上記調整の結果とを一致させるものであってもよい。
上記の発明によれば、黒挿入を行う表示を行う場合の表示のガンマ特性が、黒挿入を行わない表示を行う場合の表示のガンマ特性と同様に良好なものとなるという効果を奏する。
本発明の表示装置の駆動方法は、上記黒挿入を、上記画素ごとに定めた所定の水平ブランキング期間に印加した電圧により行うものであってもよい。
上記の発明によれば、画素ごとに定めた所定の水平ブランキング期間に印加した電圧により黒挿入を行う表示装置の駆動方法に対して、表示のガンマ特性を向上させることができるという効果を奏する。