JP5063484B2 - 排ガス浄化装置の加工方法 - Google Patents
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Description
図10は従来のスピニング加工方法を説明する図であり、(b)に示すように、筒体101を下クランプ102と上クランプ103とでクランプする。次に、筒体101の一端105及び他端106にスピニングロール104、104、104、104を押し付けながら回転させることで、一端105及び他端106を縮径させる。
このような加工は、スピニング加工法又はへら絞り加工と呼ばれる。
そこで、(a)に示すように、筒体101を下クランプ102と、上クランプ103とで強く挟んで、筒体101が動かないようにする。
すなわち、半完成品110を、下のクランプ102と上のクランプ103とで、強く挟む。そして、スピニング加工を実施する。
そのため、実作業においては、下のクランプ102へ上のクランプ103を、強く押さえ勝ちである。
すなわち、特許文献1(図5)に記載のチャック構造は、筒体に101に触媒109が収納されている半完成品110のクランプには、不適当であるといえる。
前記縮径装置から外す前の前記半完成品の外径と、前記縮径装置から外した後の半完成品の外径との差を記録し、
前記チャック工程では、前記押圧片の前進量が、前記記録した差の1/2を超えないように制御することを特徴とする。
半完成品は縮径装置から外すと、スプリングバック現象により外径が大きくなる。このスプリングバック量以下だけ、チャック工程で縮径化するのであれば、触媒に悪影響を及ぼす心配はない。すなわち、チャック工程では、押圧片の前進量が、記録した差の1/2を超えないように制御すれば、触媒に悪影響を与えること無しに、チャックすることができる。
図1は半完成品を得る工程の説明図であり、(a)に示すように柱状の触媒11にマット12を巻いて金属製の筒体13に挿入する。次に、(b)に示すように、筒体13を縮径装置15の縮径片16、16で外径がD1になるまで縮径して塑性変形させる。縮径片16、16を外すと、(c)に示すような半完成品10を得ることができる。
すなわち、縮径装置15から外す前の半完成品の外径はD1であり、縮径装置15から外した後の半完成品の外径はD2となる。
スライド筒23は、ピストン部24に嵌めたOリング36を介してケース21の穴22に挿入されているため、回転する心配がある。そこで、スライド筒23は、アーム37及びガイドピン38を介して第1蓋28に連結され、回転止めが図られている。
図5は図4の5矢視図であり、溶射膜47は、当たり面46にのみ形成されており、押圧片34の他の部位には形成されていない。溶射膜47を必要な部位にだけ設けたので、溶射コストを抑えることができる。48は油溜め溝である。
例えば、硬質微粒子は、超硬金属、炭化タングステン(WC)であり、膜厚が70μmで、ブラスト処理を施し、Ra(算術平均粗さ)を5〜7μmに調整した。
図7は本発明に係るチャック装置の作用説明図であり、矢印(1)のように、第1油路31を介して第1油室26へ圧油を供給する。すると、矢印(2)、(2)のように、スライド筒23が図左へ移動する。すると、テーパ作用により、矢印(3)、(3)のように、押圧片34、34が半完成品10をチャックする。
半完成品10に内蔵される触媒11は脆弱であるため、触媒11にダメージを与えないようなクランプ力となるように、油圧力を制御する。
すなわち、押圧片の可動範囲にある筒体の外周を、常に一定のクランプ力でチャックできる。
(a)に示すように、少なくとも8個の押圧片34で、半完成品10を穏やかにクランプする。そして、半完成品10の一端にスピニングローラ53、53、53を臨ませる。
そして、(b)に示すように、スピニングローラ53、53、53を押し付けながら一端を縮径化することで、排ガス浄化装置54を得ることができる。
先ず、図1に示すD1とD2の関係を調べるために実験を行った。
外径が、80mm〜120mmの触媒(排気量660cc〜4500ccのエンジンに適用可能)を複数個準備する。そして、これらの触媒に各々マットを一巻きし、鋼製の筒体に挿入し、縮径装置に掛けて縮径を実施した。
上記の実験によれば、(D2−D1)は0.22mm〜0.32mmであった。
周知の通り、触媒はセラミックスの焼成品であるため、外径寸法はばらつく。触媒の現実の寸法を勘案して、筒体を縮径処理すると、縮径後の筒体の外径もばらつく。
図9は筒体と押圧片の関係を示す模式図であり、(a)に示すように、押圧片34は(D2mean/2)の曲率半径とする。このような押圧片34に、外径がD2maxの筒体13が接触すると、半径差の関係で、点Aと点Bで接触する。結果、中央にδaの隙間が発生する。
この結果、δaは0.292mm(=19.623−19.331)となる。
(c)に示すように、筒外13が小径の場合には、押圧片34の両端にδb、δbの隙間が発生する。隙間δbは隙間δaと同様に幾何学的に計算で求めることができるが、隙間δaが筒体13の中心に指向していたのに対して、隙間bは筒体13の中心を指向していない。詳細な計算は省くが、隙間bは隙間aの約10%増しであった。
分割数8の場合は、δbが0.084mmで、対照値0.110mm未満である。したがって、判定は○である。
分割数12の場合は、δbが0.037mmで、対照値0.110mm未満である。したがって、判定は○である。
分割数16の場合は、δbが0.021mmで、対照値0.110mm未満である。したがって、判定は○である。
柱状の触媒11にマット12を巻いて筒体13に挿入し、この筒体13を縮径装置15で縮径して塑性変形させてなる半完成品10(図1)を、縮径装置15から取出し、取出した半完成品10の筒体13の外周面を複数の押圧片34でチャックした状態で筒体13の端部にスピニングローラ53を押し付けてスピニング加工を施す(図8)際に、筒体13の外周面をチャックする排ガス浄化装置加工用のチャック装置20であって、前記押圧片は、以下の条件のもとに、円周で少なくとも8個に分割されていることを特徴とする。
実験1〜2:
押圧片の分割数は8とし、これらの押圧片を1.5〜3.0MPaの油圧で前進させて半完成品をチャックし、この半完成品にスピニング加工を施した。
実験2では、溶射膜有りの押圧片を使用した。良好なチャックは、1.5MPaの油圧で達成できた。
Claims (3)
- 柱状の触媒にマットを巻いて筒体に挿入し、この筒体を縮径装置で縮径して塑性変形させてなる半完成品を得る工程と、前記縮径装置からチャック装置に移した前記半完成品の筒体の外周面を複数の押圧片でチャックするチャック工程と、チャックした状態で前記筒体の端部にスピニングローラを押し付けて縮径又は拡径するスピニング工程とからなる排ガス浄化装置の加工方法において、
前記縮径装置から外す前の前記半完成品の外径と、前記縮径装置から外した後の半完成品の外径との差を記録し、
前記チャック工程では、前記押圧片の前進量が、前記記録した差の1/2を超えないように制御することを特徴とする排ガス浄化装置の加工方法。 - 前記押圧片が前記筒体に当たる当たり面には、溶射加工により成膜した溶射膜が形成されていることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化装置の加工方法。
- 前記押圧片は油圧で前進させるとともに、複数の押圧片に同圧の油圧が付与されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排ガス浄化装置の加工方法。
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