JP4316248B2 - 柱体保持装置の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

柱体保持装置の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持する柱体保持装置の製造方法及び製造装置に関し、例えば、筒状部材内に緩衝マットを介して柱体の触媒担体を保持する触媒コンバータの製造方法として好適な製造方法及び製造装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
流体に対してフィルタ機能を有するハニカム構造の柱体を、金属製筒状部材内に緩衝部材を介して保持する柱体保持装置が流体処理装置として用いられ、種々の流体の浄化に供されている。例えば、自動車の排気系においては触媒コンバータやディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)が搭載されており、触媒担体あるいはフィルタ等(総称して担体といい、以下、触媒担体いうときはこれらを代表する)としてセラミック製の脆弱なハニカム構造の柱体が用いられている。このハニカム構造の柱体はセラミックマット等の緩衝部材を介して金属製筒状部材内に保持されて流体処理装置が構成され、その一例として触媒コンバータがある。そして、この触媒コンバータのような柱体保持装置の製造方法としては、触媒担体の外周に緩衝部材を巻回し、この緩衝部材を圧縮しながら筒状部材内に収容する圧入による製造方法が一般的である。
【0003】
例えば、下記の特許文献1(特開2001−355438)には、外周に保持材が装着された触媒担体を保持筒に圧入するに際し、触媒担体の外径を計測し、この計測値に適合する内径を有する保持筒に保持材が装着された触媒担体を圧入する触媒コンバータの製造方法が提案されている。また、触媒担体の外周に装着された保持材の外径を計測し、この計測値に適合する内径を有する保持筒に保持材が装着された触媒担体を圧入する方法も提案されている。更に、保持材の外径を計測するに際し、所定の圧力を加えた状態で計測することも提案されている。そして、同特許文献1においては、内径が異なる多数の保持筒の素材を予め準備しておき、その中から適正な内径を有するものを選択することが提案されている。
【0004】
これに対し、筒状部材内に触媒担体及びマットを緩やかに挿入した後、緩衝部材マットが最適圧縮量となる径まで筒状部材を縮径するサイジング(sizing又はcalibrating)と呼ばれる方法も提案され、例えば、下記の特許文献2乃至9等に開示されている。このうち、例えば特許文献5(特開平9−234377)においては、同文献で従来技術として引用された下記の特許文献10に関し、管状ボディ(コーン一体型ケーシング)23の中央部分を半径方向に縮径して圧縮部bとし、支持マット22を圧縮してケーシング内にセラミックハニカム体21を支持する触媒コンバータが開示されているが、中央部分の圧縮部bの端部から縮径加工していないコーン8a,8b部方向ではハニカム体21外周とケーシング23内周との間隙9が大きいことが問題であるとして、ケーシングの全長に亘って縮径することが提案されている。
【0005】
また、特許文献7(米国特許5755025)においては、予め触媒担体の外径を計測しておき、それに緩衝マットの圧縮量を加味して保持範囲の最適外径を算出し、それに基づいて筒状部材を全長に亘って数種類の径まで拡径して、その後選択した筒状部材内に、圧入方式と同様の治具を用いて触媒担体と緩衝マットを圧入することとしている。更に、特許文献8(米国特許6389693)には、予め触媒担体の外径(D)を計測すると共に、支持マットの厚さ及び筒状容器の壁厚(T2)を計測し、支持マットの目標厚さ(T1)を設定した上で、OD=D+2T1+2T2の外径となるように、筒状容器のリサイジング(resizing)を行なう触媒コンバータの製造方法が開示されている。同様に、特許文献9(欧州特許公開0982480)には、触媒担体の外径の測定結果を用いて管体の縮径量を調整する触媒コンバータの製造方法が開示されている。
【0006】
一方、特許文献1において従来技術として引用された下記の特許文献11には、スピニングによる縮径加工が開示されている。更に、特許文献12には、筒状部材回りを公転する複数のスピニングローラを用いたスピニング加工によって、筒状部材と共に緩衝マットを縮径して触媒担体を支持する触媒コンバータの製造方法が開示されている。尚、筒状部材の端部に対するネッキング加工として、下記の特許文献13に偏芯スピニング加工が開示され、下記の特許文献14に傾斜スピニング加工が開示されており、更にスピニング加工装置が特許文献15に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−355438号公報
【特許文献2】
特開昭64−60711号公報
【特許文献3】
特開平8−42333号公報
【特許文献4】
特開平9−170424号公報
【特許文献5】
特開平9−234377号公報
【特許文献6】
米国特許第5329698号公報
【特許文献7】
米国特許第5755025号公報
【特許文献8】
米国特許第6389693号公報
【特許文献9】
欧州特許公開EP0982480A2号公報
【特許文献10】
特開平2−268834号公報
【特許文献11】
特開2000−45762号公報
【特許文献12】
特開2001−107725号公報
【特許文献13】
特許第2957153号公報
【特許文献14】
特許第2957154号公報
【特許文献15】
特開2001−137962号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前掲の特許文献1には、「触媒担体2を保持筒1に圧入したときに保持材3に加わる圧力(以下、保持圧という。)と同等の圧力を保持材3に作用させた状態で保持材3の外径を計測するのが望ましい」と記載されているが、このような圧入方法において、後工程で保持材に加えられる圧力を推定することは不可能であり、この点に関する説明も見あたらない。即ち、触媒担体2を保持筒1に圧入したときに保持材3に加わる圧力と同等の圧力を保持材3に作用させた状態とする旨の記載は願望の域を脱しておらず、ほかに実現可能と解し得る開示は見あたらない。
【0009】
更に、前掲の特許文献1には、「保持筒1の素材としては、圧入後の保持材3に触媒担体2に適正な圧力を作用させることができるような内径を有するものが用いられる。これは、内径が異なる多数の素材を予め準備しておき、その中から適正な内径を有するものを選択することによって達成することができる」旨記載されていることに鑑みると、圧入したときに保持材3に加わる圧力と同等の圧力を保持材3に作用させた状態で保持材3の外径を計測(これは上記のように不可能であるが、仮に可能であるとして)した結果に応じて、保持筒1の内径を調整するものでもないことは明らかである。結局、どのように圧力を作用させた状態で保持材3の外径を計測し、どのような計測結果をどのように利用しているかについては定かではない。
【0010】
これに対し、従前の圧入による製造方法においては、一般的に、緩衝部材たる緩衝マットの充填密度(GBD値と呼ばれる)を基準に触媒担体の外径と筒状部材の内径との間隙が設定される。このGBD値は、単位面積当り重量/充填間隙寸法であり、緩衝マットの充填密度に応じて面圧(単位:パスカル)が発生し、この面圧によって触媒担体が保持されるのであるが、面圧は、当然乍ら触媒担体の強度を超えない値に調整すると共に、振動や排気ガス圧力が加わる触媒担体に対し、これが筒状部材内を移動しないように保持し得る値に調整しなければならない。このためには、緩衝部材(緩衝マット)は設計範囲内のGBD値で圧入され、且つこのGBD値を製品のライフサイクルの間は維持しなければならない。
【0011】
しかし、前述の一般的な圧入による製造方法においては、製造上必然的に生ずる触媒担体の外径の誤差、筒状部材の内径の誤差、及びこれらの間に介装される緩衝部材(緩衝マット)の単位面積当り重量の誤差が重畳されてGBD値の誤差となる。従って、このGBD値の誤差を最小とするための各部材の最適組合せを見い出すことは、量産のための現実的な解決とはなりえない。また、GBD値自体も、緩衝部材の特性や個体差に左右され、しかも平面上における測定値に依拠しており、触媒担体に対し緊密に巻回された状態における測定値を表すものではない。このため、従来のようにGBD値に依存することなく、触媒担体を適切に筒状部材内に圧入することが望まれている。
【0012】
これに対し、一般的なサイジングによる方法においては、触媒担体の外径と筒状部材の内径を予め計測しておき、緩衝部材(緩衝マット)の適正圧縮量を求め、この圧縮量だけ縮径することが企図されるが、この方法では最終的に緩衝部材の圧縮量が最適か否かを判定することは困難である。これは、各触媒担体の誤差及び各緩衝部材の誤差が重畳されるというだけでなく、各触媒担体に装着した状態での各緩衝部材の厚さにバラツキが生ずるからである。更に、金属製の筒状部材を縮径する際には、筒状部材のスプリングバックを考慮して、目標とする径より予め小さく縮径加工(所謂オーバーシュート)する必要があることにも起因している。このため、過剰な圧縮力が付与されるおそれもある。また、筒状部材の縮径加工時には板厚の変化(縮径部の板厚の増加)が不可避であることにも起因している。このように、真の内径(内壁面位置)、即ち正確な縮径量を設定することは極めて困難であり、到底量産に移行し得るものではない。このようなオーバーシュート等に起因する問題を解決するため、前掲の特許文献7、8及び9に開示された方法では、予め触媒担体の外径を計測しておき、それに緩衝マットの圧縮量あるいは目標厚さを考慮して縮径することとしている。然し乍ら、前述の緩衝マットの単位面積当り重量に起因する誤差を初め、緩衝マットに係る種々の誤差について考慮されていないため、究極課題たる触媒担体に付与される面圧に誤差が生ずることは避けられない。以下、この点について更に説明する。
【0013】
先ず、触媒担体を筒状部材内の所定位置に保持するために必要とされる保持力について説明すると、筒状部材の径方向の保持力は、触媒担体の外面及び筒状部材の内面に対し直交する方向に働く緩衝部材の圧縮復元力である。一方、例えば自動車の排気装置に固定された筒状部材に対し、触媒担体及び緩衝部材には振動や排気ガス圧力によって軸方向の力が生ずるので、これに抗する力として筒状部材の軸方向(長手方向)の保持力が必要であり、これは緩衝部材と触媒担体との間の摩擦力、及び緩衝部材と筒状部材との間の摩擦力が資するところとなる。
【0014】
上記の緩衝部材と触媒担体との間の摩擦力、及び緩衝部材と筒状部材との間の摩擦力は夫々、触媒担体の外面と緩衝部材との間の静摩擦係数を緩衝部材の圧縮復元力(面圧)に乗じた積、及び筒状部材の内面と緩衝部材との間の静摩擦係数を緩衝部材の圧縮復元力(面圧)に乗じた積として表される。このとき、軸方向(長手方向)の保持力としては、静摩擦係数が低い方の部材と緩衝部材との間の摩擦力が支配的となる。従って、静摩擦係数が判明している触媒担体及び筒状部材に関し、必要な摩擦力が明らかとなり、これを確保するためには緩衝部材に対する面圧を高くする必要があるが、触媒担体が脆弱な場合は径方向の荷重が過大となることを回避するためには、緩衝部材に対する面圧の限度内で、軸方向の保持力を確保し得るように設定する必要がある。
【0015】
而して、緩衝部材に対する面圧は、触媒担体の外面の静摩擦係数と筒状部材の内面の静摩擦係数のうちの低い方の部材の静摩擦係数に基づいて設定し、その面圧に応じて筒状部材を縮径するとよい。即ち、筒状部材内に緩衝部材を介して触媒担体を保持するに際し、最も適切な制御パラメータは、緩衝部材(緩衝マット)を介して触媒担体(あるいはフィルタ)に付与される面圧(単位:パスカル)であり、これを直接検出し、あるいはこれに一義的に対応する値もしくは近似した値を検出し、その検出結果に基づいて筒状部材を縮径することが可能であれば、サイジングによって良好な精度で筒状部材を縮径することができる。ここで、サイジングは、縮径量を制御しつつ筒状部材の縮径を行なうことを意味し、筒状部材に対する縮径作業という観点では同じ範疇に含まれるものの、単なる管径の縮小化を意味する「シュリンキング」とは区別して用いる。
【0016】
これに対し、従来方法においては、前述の緩衝部材(緩衝マット)のGBD値に基づく管理が一般的であり、いわば代用値による推定管理が行なわれているということになる。このため、推定要因が重畳されて誤差が不可避となるというだけでなく、結果的に、緩衝部材と触媒担体との間の摩擦力による保持力と、緩衝部材と筒状部材との間の摩擦力による保持力が混同されて、各部品の寸法関係が設定されている。また、前掲の特許文献1における計測においても必然的に、後工程に対する推定要因が重畳されて誤差が生ずることから、何らかの対策を講ずる必要がある。
【0017】
特に、触媒コンバータにおいては、触媒担体の外径の誤差に起因する面圧のばらつきや経年変化を考慮し、あるいは、使用時における各種加速度による触媒担体の軸方向移動を抑止し得る面圧(このときの必要最低面圧値をαとする)を考慮して、緩衝マットの圧縮力をなるべく強く、且つ、周方向、軸方向ともに均一に付与するのが理想的である。これに対応すべく圧縮力を過大に設定すると、触媒担体が破損するおそれがあるため、圧縮力は所定値より大きくすることはできない(このときの触媒担体が破損する圧力(アイソスタティック強度)をβとする)。更に、近時の排気浄化性能向上の要請により、触媒担体は一層の薄壁化が要求され、従来の触媒担体に比べ脆弱化(即ち、βの低下)が著しく、保持力設定の許容範囲(面圧に対する破損マージンで(β−α)で表すことができる)が一層狭められる。
【0018】
また、排気ガス温度(触媒コンバータに導入される排気ガスの温度)の上昇を伴うため(約900℃にもなる)、緩衝マットとして高耐熱性を有するアルミナマットを組合せる必要がある。しかし、アルミナマットは熱的に非膨張性であることから、熱膨張性の金属製容器の変形に追従させることが困難であり、このことからも必要最低面圧値αを既存の加工方法よりも大きい値に設定し、緩衝マットの圧縮密度を大きく設定しなければならない。従って、近時の傾向として、βの低下とαの増加により面圧許容範囲(β−α)の矮小化が顕著である。換言すれば、個体毎の精密な面圧設定が不可欠ということであり、量産工程での触媒コンバータの製造を著しく困難としている。
【0019】
しかも、近時の触媒コンバータ用の触媒担体における薄壁化の進展により、面圧許容範囲(β−α)は従来の二分の一程度となる。尚、この面圧許容範囲(β−α)については図21を参照して後述する。今後の更なる薄壁化により、その半分程度の許容範囲にまで減少すると推測されている。これらの値からも、薄壁の触媒担体を従来の圧入工法等によって適正面圧を保って装填することが非常に困難であることは明らかである。
【0020】
そこで、本発明は、筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持する柱体保持装置の製造方法及び製造装置において、圧縮された緩衝部材の圧縮復元力によって柱体に付与される面圧に基づき、筒状部材に対し適切にサイジングを行い、緩衝部材を巻回した柱体を、適切に筒状部材内に保持することを課題とする。
【0021】
更に、筒状部材に対する縮径に伴うスプリングバック及び板厚の変化に対しても適切に対応し得る柱体保持装置の製造方法及び製造装置を提供することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の柱体保持装置の製造方法は、請求項1に記載のように、筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持する柱体保持装置の製造方法において、前記柱体の外周に前記緩衝部材を巻回した状態で、押圧体によって前記柱体の軸芯に対して直交する方向に前記緩衝部材を押圧して前記緩衝部材を圧縮すると共に、前記緩衝部材の圧縮復元力によって前記柱体に付与される面圧を検出し、該面圧が所定の目標面圧となるときの前記柱体の軸芯と前記押圧体の先端との間の距離を測定して目標半径とし、前記緩衝部材を前記柱体の外周に巻回した状態で前記筒状部材内に緩やかに収容した後に、少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径となるように、前記筒状部材を前記緩衝部材と共に縮径し、前記緩衝部材を巻回して成る前記柱体を前記目標面圧の圧縮状態で前記筒状部材内に保持することとしたものである。
【0023】
上記請求項1に記載の製造方法によれば、緩衝部材を巻回した柱体は、前記面圧が目標面圧となるときの圧縮状態で筒状部材内に保持されるので、柱体に対する面圧が過大となることなく、緩衝部材の圧縮復元力によって柱体を確実に保持することができる。上記の緩衝部材と柱体との間の摩擦力、及び緩衝部材と筒状部材との間の摩擦力は、前述のように夫々、柱体の外面の静摩擦係数と緩衝部材の圧縮復元力(面圧)との積、及び筒状部材の内面の静摩擦係数と緩衝部材の圧縮復元力(面圧)との積として表され、軸方向の眼界保持力としては、静摩擦係数が低い方の部材と緩衝部材との間の摩擦力が支配的となる。従って、静摩擦係数が判明している柱体及び筒状部材に関し、必要な摩擦力が明らかとなり、これを確保するためには緩衝部材に対する面圧を高くする必要があるが、柱体が脆弱な場合は径方向の荷重が過大となることを回避するためには、緩衝部材に対する面圧の限度内で、軸方向の保持力を確保し得るように設定する必要がある。
【0024】
而して、請求項2に記載のように、前記目標面圧は、前記柱体の外面の静摩擦係数及び前記筒状部材の内面の静摩擦係数と、前記押圧体の前記緩衝部材に対する押圧力に基づいて設定することが望ましい。例えば、前記目標面圧は、前記柱体の外面の静摩擦係数と前記筒状部材の内面の静摩擦係数のうちの低い方の部材の静摩擦係数と前記押圧体の押圧力に基づいて設定するとよい。
【0025】
また、上記請求項2に記載の製造方法において、請求項3に記載のように、前記押圧体を前記緩衝部材の全周に亘って複数個並設し、該複数個の押圧体の少なくとも一つによって前記柱体の軸芯に対して直交する方向に前記緩衝部材を押圧して前記緩衝部材を圧縮すると共に、前記柱体に対する前記緩衝部材の面圧を検出することとしてもよい。
【0026】
更に、上記請求項3に記載の製造方法において、請求項4に記載のように、前記複数個の押圧体を、前記筒状部材の少なくとも前記緩衝部材を保持する部分に相当する長さの複数個の長尺部材で構成すると共に、該複数個の長尺部材の押圧体を前記緩衝部材の全周に亘って並設することとしてもよい。
【0027】
上記請求項4に記載の製造方法において、請求項5に記載のように、前記目標面圧となるときの前記押圧体による圧縮状態から圧縮前の状態に復元するまでの状態にある前記緩衝部材を巻回して成る前記柱体を、前記筒状部材に収容することとしてもよい。即ち、前記柱体が、その材質上、圧縮された(縮径された)状態から圧縮前の状態に復元するまでに所定時間(例えば数分間)を要するものであれば、請求項1に記載のように測定した後、前記緩衝部材を圧縮した状態から復元するまでの状態で、前記筒状部材に収容することができる。従って、この状態の緩衝部材を基準に筒状部材の内径を設定すれば、サイジング時の縮径量を最小に抑えることができる。
【0028】
また、上記請求項4に記載の柱体保持装置の製造方法において、請求項6に記載のように、前記複数個の長尺部材を前記緩衝部材の全周に亘って並設して成る前記複数個の押圧体によって、少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径となるように、前記筒状部材を前記緩衝部材と共に縮径することとしてもよい。
【0029】
そして、上記請求項1記載の製造方法において、請求項7に記載のように、前記筒状部材を縮径するときの前記筒状部材の素材径の変化及び素材厚の変化の少なくとも一方に基づき所定の補正量を設定し、該補正量に基づき、前記緩衝部材と共に前記筒状部材を縮径するときの縮径量を調整することとしてもよい。例えば、請求項8に記載のように、前記柱体の外周に前記緩衝部材を巻回した状態で、前記筒状部材の少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径を下回り、前記柱体が破壊する直前まで、前記押圧体によって前記緩衝部材を押圧したときの限界半径を予め測定し、該限界半径と前記目標半径との差の範囲内の所定距離を、前記補正量として設定することができる。
【0030】
そして、本発明の製造装置は、請求項9に記載のように、筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持して成る柱体保持装置を製造する製造装置において、前記筒状部材の少なくとも前記緩衝部材を保持する部分に相当する長さの複数個の長尺部材で構成すると共に、該複数個の長尺部材を前記柱体の全周に亘って並設して成る複数個の押圧体を有し、該押圧体によって、前記柱体の外周に前記緩衝部材を巻回した状態で、前記柱体の軸芯に対して直交する方向に前記緩衝部材を押圧して前記緩衝部材を圧縮する加圧手段と、前記緩衝部材の圧縮復元力によって前記柱体に付与される面圧を検出し、該面圧が所定の目標面圧となるときの前記柱体の軸芯と前記複数個の押圧体の先端との間の距離を測定する測定手段と、該測定手段が測定した前記距離を目標半径とし、前記緩衝部材を前記柱体の外周に巻回した状態で前記筒状部材内に緩やかに収容した後に前記加圧手段を駆動し、前記複数個の押圧体によって、少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径となるように、前記筒状部材を前記緩衝部材と共に縮径する制御手段を備えたものとすることができる。この装置により、前記請求項6に記載の製造方法を実行することができ、単一の装置で、測定から縮径までの工程を連続して行なうことができる。
【0031】
上記請求項9記載の製造装置において、請求項10に記載のように、前記制御手段は、前記筒状部材を縮径するときの前記筒状部材の素材径の変化及び素材厚の変化の少なくとも一方に基づき所定の補正量を設定し、該補正量に基づき、前記緩衝部材と共に前記筒状部材を縮径するときの縮径量を調整するように構成することができる。このように構成すれば、縮径に伴い筒状部材がスプリングバックして素材径が変化する場合、あるいは筒状部材の素材厚が増加する場合にも、実質的な半径が前記目標半径となるように製造することができる。
【0032】
例えば、請求項11に記載のように、前記測定手段は、前記柱体の外周に前記緩衝部材を巻回した状態で、前記筒状部材の少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径を下回り、前記柱体が破壊する直前まで、前記押圧体によって前記緩衝部材を押圧したときの限界半径を予め測定すると共に、前記制御手段は、前記限界半径と前記目標半径との差の範囲内の所定距離を、前記補正量として設定するとよい。
【0033】
また、本発明は、請求項12に記載のように、筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持する柱体保持装置の製造方法において、前記柱体に付与される面圧を検知する検知手段と共に前記緩衝部材を前記柱体の外周に巻回した状態で、前記筒状部材内に緩やかに収容し、前記筒状部材のうちの少なくとも前記緩衝部材を含む胴部を、前記緩衝部材の圧縮復元力によって前記柱体に付与される面圧が所定の圧力範囲内となるように、前記緩衝部材と共に縮径して前記柱体を保持するように構成することもできる。
【0034】
そして、請求項13に記載のように、筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持して成る柱体保持装置を製造する製造装置に関し、前記柱体に付与される面圧を検知する検知手段と、該検知手段と共に前記緩衝部材を前記柱体の外周に巻回した状態で、前記筒状部材内に緩やかに収容し、前記筒状部材のうちの少なくとも前記緩衝部材を含む胴部を圧縮する加圧手段と、前記緩衝部材の圧縮復元力によって前記柱体に付与される面圧が所定の圧力範囲内となるように前記加圧手段を駆動し、前記筒状部材の胴部を前記緩衝部材と共に縮径する制御手段を備えた製造装置を構成することができ、単一の装置で、測定から縮径までの工程を連続して行なうことができる。
【0035】
上記の検知手段としては、例えば、前記柱体と前記緩衝部材との間に介装する感圧素子があり、この感圧素子の検知信号に基づき面圧を判定するように構成することができる。尚、感圧素子は安価であれば、縮径後に抜き出すことなくそのまま放置することとしてもよい。
【0036】
尚、本発明の製造対象の柱体保持装置の一例である排気処理装置として、例えば、触媒コンバータやDPフィルタ装置がある。筒状部材は外筒、ハウジングあるいはケーシングとも呼ばれ、触媒コンバータの場合には、柱体は触媒担体に対応し、例えばセラミック製ハニカム構造体を含み、緩衝部材は触媒担体保持用の緩衝マットに対応する。また、DPフィルタ装置の場合には、柱体はフィルタに対応し、緩衝部材はDPフィルタ用の緩衝マットに対応する。柱体を構成する触媒担体及びDPフィルタは一般的には円柱状又は円筒状に形成され、円形断面を有するが、楕円形断面、あるいは長円形(レーストラック)断面を有するものもあり、本発明の柱体には、非円形断面のものも包含される。従って、筒状部材の内側の半径という場合には、例えば楕円形断面の筒状部材における長径及び短径(の二分の一)が包含されるので、本願では実質的な半径と表している。
【0037】
【発明の実施の形態】
上記の筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持する柱体保持装置の製造方法及び製造装置に関し、先ず、図1を参照して本発明における柱体保持装置の製造方法の全体構成を説明した後、その具体的一態様として、排気処理装置たる触媒コンバータの製造方法及び製造装置について図2乃至図18を参照して説明する。図1において、先ず一体化工程(U)にて、柱体Cの外周に緩衝部材Aを巻回(R)する。この工程は通常、別途行なわれ、予め一体化された一体品(例えば図2に1で示す)に対し、次の測定工程(M)が行なわれる。
【0038】
測定工程(M)では、圧縮工程(M1)にて、押圧体(例えば、破線で示すPM)によって柱体Cの軸芯に対して直交する方向に緩衝部材Aを押圧して緩衝部材Aを圧縮し、面圧検出工程(M2)にて、緩衝部材Aの圧縮復元力によって柱体Cに付与される面圧(Ps)を検出する。この面圧(Ps)が所定の目標面圧(Pt)となるときの柱体Cの軸芯と押圧体PMの先端との間の距離を距離測定工程(M3)にて測定し、これを目標半径(Rt)として設定する。尚、これらM1乃至M3の工程は、説明の便宜上、時系列的に列挙したものであり、図3を参照して後述するように、実際にはこれらは略同時に行なわれる。
【0039】
次に、サイジング工程(V)の収容工程(V1)にて、緩衝部材Aを柱体Cの外周に巻回した状態の上記一体品を、筒状部材T内に緩やかに収容する。そして、縮径工程(V2)にて、少なくとも緩衝部材Aを収容する部分の内側の実質的な半径が目標半径(Rt)となるように、筒状部材Tを緩衝部材Aと共に縮径する。これにより、緩衝部材Aを巻回して成る柱体C(一体品)を目標面圧(Pt)の圧縮状態で筒状部材T内に保持することができる。尚、上記V1乃至V3の工程も、説明の便宜上、区分したものであり、例えばV1及びV2は必ずしも別にする必要はなく、これらは一連のサイジング加工制御として処理される。
【0040】
更に、補正量設定工程(V3)において、筒状部材Tの素材径及び素材厚(板厚)の少なくとも一方に基づき所定の補正量(ds,dt)を設定しておき、この補正量に基づき縮径工程(V3)にて緩衝部材Aと共に筒状部材Tを縮径するときの縮径量を調整するように構成するとよい。これによれば、縮径後に筒状部材Tがスプリングバックする場合、あるいは、縮径に伴い筒状部材Tの素材厚が増加する場合にも限界半径内に抑え、実質的な半径が目標半径(Rt)となるように製造することができる。
【0041】
例えば、筒状部材Tの素材径に基づき補正量(ds)を設定する場合には、前述の測定工程(M)において、筒状部材Tの少なくとも緩衝部材Aを収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径を下回り、柱体Cが破壊する直前まで、押圧体PMによって緩衝部材Aを押圧したときの限界半径を予め測定しておき、補正量設定工程(V3)において、前記限界半径と目標半径(Rt)との差の範囲内の距離を、補正量(ds)として設定することとしてもよい。これによれば、特に、縮径後に筒状部材Tがスプリングバックしたときに実質的な半径が目標半径(Rt)となるように製造することができる。
【0042】
そして、更に必要であれば、ネッキング工程(N)に進み、筒状部材Tの開口端部に対しネッキング加工が行なわれ、製品P(例えば、図20の触媒コンバータ)が形成される。尚、圧縮工程(M1)にて用いられる押圧体(図示せず)と縮径工程(V3)にて用いられる押圧体を同一の部材で構成し、同一の加圧手段で加圧し得るように構成すれば、測定工程(M)及びサイジング工程(V)を単一の装置によって連続した制御を行なうことができる。これについては詳細に後述する。もっとも、前述の測定工程(M)とサイジング工程(V)は必ずしも連続して行なう必要はなく、時間及び場所を異にして行なうこととしてもよい。例えば、ある工場で測定工程が行なわれた一体品1を、別の工場で筒状部材T内に圧入することとしてもよい。更に、測定工程(M)とサイジング工程(V)との間に、例えば筒状部材Tに対する加工等、別の工程を付加することとしてもよい。何れの場合も、測定工程(M)の検出結果をそのままサイジング工程(V)で利用することができる。これについても詳細に後述する。
【0043】
次に、上記柱体保持装置の製造方法の具体的一態様として、触媒コンバータの製造方法(及び製造装置)について説明する。先ず、上記の一体化工程(U)と同様、図2に示すように、触媒担体2の外周に、本発明の緩衝部材を構成する緩衝マット3を一層巻回し、必要に応じ可燃性テープ等によって固定する。これによって、図2の一体品1が構成される。この場合において、緩衝マット3の両端には図2に示すように凸部と凹部を形成しておき、これらが相互に嵌合する一般的な巻回方法を用いるとよい。尚、図2には、本発明の他の実施形態に供する感圧素子SS及びICタグTGを破線で示しているが、これらについては、他の実施形態と共に後述する。
【0044】
本実施形態においては、触媒担体2はセラミックス製ハニカム構造体で構成されているが、金属製でもよく、材質、製法は問わない。緩衝マット3は、本実施形態では熱による膨張が殆どないアルミナマットで構成されているが、熱膨張型のバーミキュライト式の緩衝マットや、それらを組み合わせた緩衝マットとしてもよい。また、バインダーが含浸されていない無機質繊維マットでもよい。尚、バインダーの有無及び含有量によって面圧が変わるので、面圧設定においてはこれを加味する必要がある。あるいは、金属細線を編成したワイヤメッシュ等を用いてもよいし、それをセラミックマットと組み合わせて使用してもよい。更に、それらと金属円環状のリテーナや、ワイヤメッシュ製のシールリング等と組み合わせてもよい。尚、予め円筒状に形成された緩衝マットも存在するので、これを用いてもよく、その場合には円筒状の緩衝マット内に触媒担体2を収容するだけで、緩衝マットが触媒担体2周りに装着された状態となる。
【0045】
次に、図3に示すように、上記の一体品1を一対のクランプ装置CH間に把持し、測定装置DTの押圧体PMによって、緩衝マット3を介して触媒担体2をその軸芯に対して直交する方向に押圧すると共に、触媒担体2に付与される面圧を検知し、この面圧(Ps)が目標面圧(Pt)となるときの、触媒担体2の軸芯Zと押圧体PMとの間の距離を測定し、これを目標半径(Rt)とする。そして、測定後、押圧体PMを原位置に復帰させた後、クランプ装置CHによる把持を解除する。以下、本実施形態で用いるクランプ装置CH及び測定装置DTについて説明する。
【0046】
図3において、クランプ装置CHは、例えば割型式(フィンガー式)チャックで構成され、これによって触媒担体2の上下端部が挟持されてその軸芯Zが所定の測定位置にセットされる。本実施形態の測定装置DTは、モータMT駆動のボールスクリュー式アクチュエータACと、その先端にロードセルLCを介して支持された反力検知手段たる押圧体PMと、後端に配置された位置検知手段たるロータリエンコーダREを備えている。ロードセルLC及びロータリエンコーダREの検知信号は電子制御装置(以下、コントローラという)CTに入力され、後述の各種データに変換されてメモリ(図示せず)に記憶されると共に、モータMTはコントローラCTによって駆動制御されるように構成されている。
【0047】
押圧体PMは触媒担体2の軸芯Zに対して直交する方向(図3の左右方向)に進退し、緩衝マット3に当接後これを圧縮し得るように配置される。押圧体PMの当接面積は既知であるので、この押圧体PMによって測定対象たる触媒担体2及び緩衝マット3が押圧されたときの反力が、触媒担体2に対する面圧としてロードセルLCによって検知され、コントローラCTに入力される。コントローラCTにおいては、ロードセルLCの検知信号が面圧値に換算されてメモリに記憶され、別途予め入力された所定の目標面圧(Pt)と比較される。また、ロータリエンコーダREによって押圧体PMの進退量及び停止位置がボールスクリュー(図示せず)の回転情報として検知され、コントローラCTに入力される。コントローラCTにおいては、ロータリエンコーダREの検知信号がリアルタイムで押圧体PMの進退量及び停止位置の値に変換されてメモリに記憶される。尚、これらの検知手段とコントローラCTとの間は電気的に接続してもよいし光学的に接続してもよい。
【0048】
上記のように構成された測定装置DTを以下のように駆動することによって、触媒担体2の軸芯Zと押圧体PMとの間の距離と、そのときに触媒担体2に付与される面圧との関係を測定することができる。即ち、押圧体PMを初期位置(図3のS0点)から前進(図3の左方向に移動)させて緩衝マット3の一部を押圧し、押圧部における緩衝マット3の圧縮反力が所定の値に到達したときの位置(図3のS1点)を検出する。この位置(図3のS1点)は、製品となった後の緩衝マット3の面圧値が目標面圧(Pt)となるときの、筒状部材4の(縮径加工後の)内壁面の位置に相当する。従って、触媒担体2に付与される押圧力とそれによって生ずる反力(面圧)との関係を、予めコントローラCTのメモリに記憶しておき、この関係に基づきロードセルLCの検知信号(反力)を面圧値に変換し、これと所定の面圧値とを比較しながら押圧体PMを上記の位置(図3のS1点)まで前進させ、押圧体PMの移動距離(Ds)を求める。
【0049】
而して、押圧体PMの先端の初期位置(図3のS0点)と触媒担体2の軸芯Zとの間の所定距離から、ロータリエンコーダREによって検知される押圧体PMの移動距離(Ds)を差し引けば押圧体PMの先端の位置、即ち、軸芯Zから目標半径(Rt)の位置を判定することができ、この位置が、製品状態(即ち、筒状部材4内で触媒担体2に対する面圧が所定の面圧値で保持されている状態)における筒状部材4の(縮径加工後の)内壁面の位置ということになる。このように、本実施形態によれば触媒担体2及び緩衝マット3の寸法や特性値を個別に測定することなく、また前述のGBD値を用いることなく、所定の面圧値となる位置(図3のS1点)を判定することができる。即ち、上記の触媒担体2の軸芯Zと押圧体PMの先端との間の距離は、結果的に触媒担体2の外径誤差のみならず緩衝マット3の単位面積当り重量の誤差をも考慮した値となるので、これらの誤差を別途測定する必要はない。
【0050】
尚、上記の距離(Ds)もしくは目標半径(Rt)は、次工程に備え、コントローラCTのメモリに記憶されるが、必要に応じて表示するように構成してもよい。また、触媒担体2の軸芯Zの回りに放射状に複数の測定装置DTを配置し多点測定を行ない、あるいは、軸芯Zの回りにクランプ装置CH及び一体品1を回動(割り出し)させて多点測定を行なうように構成し、各測定値の平均を求めることとしてもよい。特に、触媒担体2が円形断面でない場合には、触媒担体2の形状に応じて多点測定を行なう必要があるので、複数の測定装置DTを配置することが望ましい。押圧体PMは、必ずしも所定の位置(図3のS1点)で停止させる必要はなく、この位置を検知後そのまま連続して後退させ、更に、この押圧体PMの後退に同期してクランプ装置CHによる把持を解除させるように構成してもよい。
【0051】
更に、上記の測定工程に関しては、図4に示すように、触媒担体2の軸芯Zの回りに放射状に複数の押圧体PMxを配置し(工程M1a)、これらを含む複数の測定装置DTnによって緩衝マット3を圧縮して多点測定を行ない(工程M1b)、あるいは、軸芯Zの回りにクランプ装置CH及び一体品1を回動(割り出し)させて多点測定を行なうように構成し、各測定値の平均を求めることとしてもよい(図1に記載の測定工程(M)も同様)。特に、触媒担体2が円形断面でない場合には、触媒担体2の形状に応じて多点測定を行なう必要があるので、複数の測定装置DTnを配置することが望ましい。尚、図4における複数の押圧体PMxは、少なくとも緩衝マット3の軸方向長さより長尺の部材で構成され、これらの押圧体PMxが緩衝マット3の全周に亘って、略隙間無く並設されているが、これらの一部を用いることとしてもよい。以下、多点測定を行ない得る測定装置の実施例について、図5及び図6を参照して説明する。
【0052】
図5及び図6は多点測定装置の一実施例を示すもので、水平なベースBS上に所謂スクロールチャック50とその駆動装置60が載置されている。スクロールチャック50には、放射方向に同時に移動可能なチャック爪51が等角度で三箇所に配置されている。これらのチャック爪51は、駆動装置60のモータ61によるシャフト62の回転駆動に応じて、同量だけ放射方向又は求心方向へ移動するように構成されている。即ち、駆動装置60によって、三つのチャック爪51が任意に開閉又は固定可能に構成されている。各チャック爪51上には、L字型のホルダ70が載置固定され、各測定装置DTnが構成されている。即ち、各ホルダ70の上部にはロードセルLCnが固定されており、各ロードセルLCnの下部には長尺の押圧体PMnが固定されている。尚、スクロールチャック50のバックラッシュによる各チャック爪51のガタつきを防止するため、各ホルダ70は、ベースBS上に固定されたエアシリンダ71によって、常に求心方向あるいは放射方向に付勢されている。
【0053】
測定時には、駆動装置60によって、三つのチャック爪51及びこれに固定されたホルダ70が同時に同量だけ求心方向へ移動し、触媒担体2に巻回された緩衝マット3に対し各押圧体PMnが同時に当接する。各押圧体PMnが更に触媒担体2方向に移動すると、緩衝マット3を放射方向から(触媒担体2の軸芯に対し直角方向から)押圧することになる。このときの各押圧部における緩衝マット3の圧縮反力を(各押圧体PMnを介して)各ロードセルLCnにて検出し、この検出結果が所定の値に到達したときの位置(図3に示す軸芯Zから距離Rtの位置S1に対応)を検出する。そして、この位置に達したときの各押圧体PMnと(触媒担体2の)軸芯との間の距離を求め、これらの平均値を求める。
【0054】
この場合において、例えばモータ61の回転数に基づき各押圧体PMnの先端位置を特定することができるので、各押圧体PMnと(触媒担体2の)軸芯との間の距離を求めることができる。あるいは、図5に示すように、デジタル側長システム(例えば、ソニープレシジョンテクノロジー株式会社製の商品名「マグネスケール」)を用いた位置測定装置72により、直接ホルダ70等の移動量を検出することができるので、本実施例ではこの方法によって各押圧体PMnの移動距離を直接検出することとしている。
【0055】
更に、スクロールチャック50上には、各測定装置DTnの間に等間隔で三つの保持装置40が載置固定されている。これは、測定前に触媒担体2及び緩衝マット3の一体品1に対し位置決め(センタリング)を行なうと共に、測定中に補助的な保持を行なう装置で、エアシリンダ41によって保持体42を求心方向又は放射方向に付勢するように構成されている。而して、測定工程に先立ち、各保持装置40が求心方向へ移動して一体品1の位置決めが行なわれる。そして、その状態で軽く求心方向への力が付与されて保持される。この保持状態中に、測定装置DTnによる一連の測定が行なわれ、測定終了後はエアシリンダ41によって保持体42が放射方向に駆動されて緩衝マット3から離隔し、初期位置に戻る。
【0056】
測定工程(M)において上記のように測定された後、その測定結果に基づき、サイジング工程(V)においてサイジングが行なわれるが、両工程の関係を、図7を参照して以下に説明する。図7の左側は測定工程(M)を示し、基本的には図3と同じであるが、ここでは図4に記載のような触媒担体2の軸芯Zの回りに複数の押圧体PMxを配置した多点測定装置の一部を示している。これによれば、押圧体PMxを初期位置(図7のS0点)から前進(図7の右方向に移動)させ、押圧力Fpを付与して緩衝マット3をその軸方向の全長に亘って圧縮する。そして、ロードセルLCxの検出値に基づいて演算した押圧部における面圧(緩衝マット3の圧縮反力)が目標面圧(Pt)に到達したときの位置(図7のS1点)を検出することによって、触媒担体2の軸芯Zから目標半径(Rt)の位置を判定することができる。
【0057】
従って、サイジング工程(V)において、緩衝マット3を収容する部分の筒状部材4の内側の実質的な半径が目標半径(Rt)となるように、筒状部材4を緩衝マット3と共に縮径すれば、筒状部材4内で触媒担体2に対する面圧が目標面圧(Pt)で保持されることになる。この場合において、加圧用の複数の押圧体DVx(測定用の押圧体PMxと共用することも可能)によって筒状部材4を緩衝マット3と共に縮径する際、測定時の押圧体PMxにおける初期位置(S0点)からの移動距離(Ds)を基準とすると、サイジング工程(V)においては、初期位置(S0点)を起点に、移動距離(Ds)から筒状部材4の厚さ(t)を差し引いた距離(Ds−t)だけ押圧体DVxを移動させれば、上記筒状部材4の内側の半径は略目標半径(Rt)となるということになる。
【0058】
上記のサイジング工程(V)における縮径工程では、図1の補正量設定工程(V3)で考慮された筒状部材4の素材径の変化(スプリングバック)及び素材厚(板厚)の変化が考慮されていないが、前述の補正量(ds,dt)を考慮すると、縮径時の押圧体DVxの移動に対し、目標距離(Dt)をDt=Ds+ds−(t+dt)として設定することができる。従って、押圧体DVxを初期位置(S0点)から目標距離(Dt)移動させて筒状部材4を緩衝マット3と共に縮径すれば、確実に触媒担体2に対する面圧が目標面圧(Pt)で筒状部材4内に保持される状態となる。尚、以下においては、この目標距離(Dt)を用いて説明するが、軸芯Zを基準に目標半径(Rt)の位置を特定し、前述の補正量(ds,dt)で調整しながら押圧体DVxを移動制御することとしてもよい。
【0059】
尚、上記の縮径時の筒状部材4のスプリングバックに起因する筒状部材4の素材径の変化は、縮径工程の前に予め測定した結果に基づいて、事前に補正量(ds)として設定することができる。即ち、筒状部材4の縮径時における目標半径(Rt)と実半径(Ra)との関係は、図22に実験結果の一例を示すように(スプリングバック無を一点鎖線で示し、有を実線で示す)、この筒状部材4の例では、スプリングバックに起因する筒状部材4の素材径の変化は約0.35mmと略一定であった。従って、ds=0.35とすればよい。同様に、縮径時の筒状部材4の素材厚の変化(板厚の増加)に起因する筒状部材4の素材径の変化は、約1.05(即ち、約5%の増加)で略一定という実験結果が得られた。
【0060】
図8は、上記図7におけるサイジング工程(V)の具体的態様を示すもので、図1のサイジング工程(V)も同様に構成し得る。先ず、緩衝マット3を触媒担体2の外周に巻回した状態の一体品1を、筒状部材4内に緩やかに収容する(工程V1)。続いて、これらの一体品1及び筒状部材4を、筒状に配置された複数の押圧体DVx内に収容し、所定の位置に配置する(工程V2a)。そして、少なくとも緩衝マット3を収容する部分の内側の実質的な半径が目標半径(Rt)となるように、押圧体DVxによって筒状部材4を緩衝マット3と共に縮径(シュリンキング)する(工程V2b)。この結果、一体品1及び筒状部材4を押圧体DVxから取り出すと(工程V4)、緩衝マット3を巻回して成る触媒担体2の一体品1を目標面圧(Pt)の圧縮状態で筒状部材4内に保持して成る中間製品が完成する。その後、図1に示すネッキング工程(N)を経て完成品となるが、これについては後述する。
【0061】
図9は、前述の図4に記載の測定工程(M)及び図8に記載のサイジング工程(V)を含み、図7に記載の測定工程(M)及びサイジング工程(V)の関係に基づき触媒コンバータを製造する場合の処理手順を示す。先ず、ステップS101において、前述の目標面圧(Pt)、補正量(ds,dt)、並びに後述する面圧及び移動距離の限界値(Pe,De)等の初期値を設定する。尚、補正量(ds,dt)は、対象とする筒状部材4に関し事前に測定した結果に基づいて設定し、限界値(Pe,De)は緩衝マット3の特性に応じて予め設定するものである。
【0062】
次に、ステップS102に進み、押圧体PMxの移動によって緩衝マット3を圧縮しつつ、触媒担体2に付与される面圧(Ps)を前述の方法で検出する。この面圧(Ps)が目標面圧(Pt)となるまで押圧体PMxを移動する。これにより、面圧(Ps)が目標面圧(Pt)以上となれば、ステップS103からステップS104に進み、上限の限界値(Pe)未満か否かを判定し、限界値(Pe)未満であれば、ステップS105以降に進むが、限界値(Pe)以上であるときにはステップS112に進み、異常であることを警報する。
【0063】
そして、ステップS105では、面圧(Ps)が目標面圧(Pt)となったときの押圧体PMxの移動距離(Ds)を検出し、これを目標半径(Rt)として設定する。続いて、ステップS106及びS107に進み、移動距離(Ds)に補正量(ds)を加算し、筒状部材4の素材径の変化(スプリングバック)に対する補正を行なうと共に、素材の厚さ(t)に補正量(dt)を加算し、筒状部材4の板厚の増加に対する板厚補正を行なう。この結果の[Ds+ds−(t+dt)]をステップS108にて目標移動距離(Dt)として設定する。これに基づき、ステップS109にて図8に示すようにサイジングを行ない、押圧体DVxの移動距離(Dn)が目標移動距離(Dt)となるまで押圧体DVxを移動する。これにより、移動距離(Dn)が目標移動距離(Dt)以上となれば、ステップS110からステップS111に進み、上限の限界値(De)未満か否かを判定し、限界値(De)未満であれば終了し、限界値(De)以上であるときにはステップS112に進み、異常であることを警報する。
【0064】
図10は、上記図8に記載のサイジング工程(V)に供する縮径装置RDの具体的構成の一実施例を示し、割型式(フィンガー式)チャックが利用されている。即ち、円筒状のハウジングGD内に、内側がテーパ面の円筒状の押型DPが液密的摺動自在に収容され、更にこの押型DPに対して、複数の割型DVが摺動自在に収容されており、少なくとも縮径(シュリンキング)加工用の押圧体(図8のDVx)として機能する。図12に示すように、各々の割型DVの外側はテーパ面に形成されており、押型DPの内側のテーパ面に対し摺動自在に配設される。更に、図12に示すようにハウジングGD内の軸芯上に受台BDが配置されており、その上面に一体品1が載置される。押型DP及び割型DVは、油圧駆動装置(図示せず)によって駆動されるように構成されており、油圧(図12にOPで示す)によって押型DPがハウジングGDの軸方向(長手方向)に駆動され、この押型DPの軸方向移動(図12の上方への移動)に応じて割型DVが径方向(軸芯方向)に駆動されるように構成されている。尚、油圧駆動装置(図示せず)はコントローラ(図示せず)によって後述するように制御される。
【0065】
更に、上記図10に示す縮径装置RDに代えて、図11に示す縮径装置RD2を用いることとすれば、前述の縮径(シュリンキング)加工を一層適切に行うことができる。即ち、この縮径装置RD2においては、各割型DVが2分割され、セグメントDSと裏金部材DXによって構成されている。各セグメントDSと裏金部材DXの間はTスロットDCで嵌合されており、各セグメントDSは着脱可能とされている。つまり、加工対象の筒状部材の径に応じてセグメントDSを交換し得るように構成されている。また、セグメントDSの両端角に、円滑な曲面を有する肩部DSa及びDSbが形成されている。これらの肩Rは数ミリR程度が望ましい。これにより、測定工程における最小縮径時に、即ち、隣接するセグメントDS間の間隙が最小となるときに、この間隙に緩衝部材3の一部を噛み込むことを回避することができる。尚、セグメントDS自体に、あるいはセグメントDSと裏金部材DXの間に、感圧センサ(図2のSSに相当)を設けることとしてもよい。
【0066】
次に、上記の図10に示す縮径装置RDによって、筒状部材4の胴部を緩衝マット3と共に縮径する縮径工程について説明する。尚、図11の縮径装置RD2を用いてもよいことはもちろんであるが、説明の便宜上、図10の縮径装置RDを用いて説明する。また、何れの縮径装置においても8個の割型で構成されているが、割型の数はこれに限るものではなく、その多少、あるいは奇数か偶数かは問わず、割型の駆動方法も任意である。可能な限り多数の割型を個別に駆動制御することが理想的ではあるが、要求精度や、製造の容易性、コスト等を考慮して適宜選択すればよい。また、コレット式を適用してもよい。而して、例えば図10の縮径装置RDを用いると、先ず、図12に示すように受台BDの上面に一体品1が載置された後、本実施形態では、図14に示すように筒状部材4が受台BD下部の環状段部の上面に載置され、筒状部材4の軸が触媒担体2の軸芯Zと略一致するように配置される。これにより、一体品1が筒状部材4内に緩やかに収容された状態となる。
【0067】
本実施形態の筒状部材4は例えばステンレススティール管で構成され、製品となったときには外筒、ハウジングあるいはケーシングと呼ばれる。筒状部材4の内径は、触媒担体2に巻回された緩衝マット3の外径より大径である。従って、触媒担体2及びこれに巻回された緩衝マット3は、緩衝マット3の外面が筒状部材4の内面に圧接されることなく(即ち、圧入ではなく)筒状部材4内に緩やかに収容されるので、触媒担体2及び緩衝マット3が損傷するおそれはない。尚、筒状部材4としては、ステンレススティール管に限らず、他の金属管を用いることとしてもよく、材質は任意である。また、適宜、前工程にて板材から造管することとしてもよく、既成のパイプ材を切断してもよい。板厚も任意であるが、触媒コンバータ用としては、1乃至3mm程度の板厚が望ましい。
【0068】
図14において、油圧駆動装置(図示せず)が駆動され、押型DPが油圧(図14にOPで示す)によってハウジングGDの軸方向に駆動されると(図14の上方に移動すると)、図15に示すように割型DVは径方向(軸芯方向)に駆動され、筒状部材4の胴部及び緩衝部材3が圧縮されて縮径される。このときの縮径量はコントローラ(図示せず)による油圧駆動装置の制御によって正確に制御され、触媒担体2の軸芯Zと筒状部材4の内壁面との間の距離が目標半径(Rt)となるまで、筒状部材4及び緩衝マット3が縮径され調心されつつ、図15に示す縮径部4aが形成される。つまり、図9のステップS109で行なわれるサイジング工程では、サイジング加工後に触媒担体2の軸芯Zと筒状部材4の内壁面との間の距離が目標半径(Rt)となるように、補正後の目標移動距離(Dt)が用いられる。例えば、筒状部材4の少なくとも緩衝マット3を収容する部分の内側の実質的な半径が目標半径(Rt)を下回り、触媒担体2が破壊する直前まで、図7の押圧体PMxによって緩衝マット3を押圧したときの限界半径(Reとする)を予め測定しておくとよい。
【0069】
而して、限界半径(Re)と目標半径(Rt)との差の範囲内の所定距離を補正量(ds)として設定し、この補正量(ds)に基づき移動距離(Ds)を補正して目標移動距離(Dt)を設定し、この目標移動距離(Dt)をNC制御に用い縮径装置RDを駆動制御し、筒状部材4を緩衝マット3と共に縮径すれば、縮径後に筒状部材4がスプリングバックしたときには筒状部材4の実質的な半径が目標半径(Rt)となる。これにより、スプリングバックに影響されることなく、触媒担体2の軸芯Zと筒状部材4の内壁面との間の距離が目標半径(Rt)となり、特に脆弱な触媒担体2に対しても、これを破壊することなく適切に筒状部材4内に保持することができる。
【0070】
上記のように縮径装置RDの油圧駆動装置(図示せず)はコントローラ(図示せず)によって制御され、特に、NC制御により任意量のサイジングを行なうことができるように構成されており、微細制御が可能である。更に、縮径時において、例えば逐次(随時)ワークを回転し、割り出し制御(インデックス制御)を行なうこととすれば、全周に亘って一層均一に縮径することができる。尚、縮径装置RDの駆動及び制御媒体としては油圧に限るものではなく、その駆動及び制御形式については、機械式、電気式、空気圧式等、任意の駆動方法を用い、制御はCNCコントロールを用いることが好適である。
【0071】
以上のように、本実施形態によれば、触媒担体2の大きさや筒状部材4の大きさ、更には緩衝マット3の特性に左右されることなく、換言すれば、触媒担体2の外径の誤差、筒状部材4の内径の誤差、緩衝マット3の単位面積当り重量等に影響されることなく、また、スプリングバックによる影響及び板厚の変化に基づく調整を事前に行ない、触媒担体2に対する面圧が目標面圧を超えない良好な精度で筒状部材4の胴部を縮径することができる。特に、(補正量は予め設定しておくことができるので)最終的には、変数たる測定値は触媒担体2の軸芯Zと押圧体PMの先端との間の距離のみとなり、必ず最適値を設定することができる。而して、常に安定した精度で触媒担体2を(緩衝マット3を介して)筒状部材4内に保持することができる。
【0072】
而して、図21において、前述のように従来の面圧許容範囲(β−α)がAの範囲(このとき適用可能なGBDはGa1〜Ga2の範囲)であったのに対し、上記の実施形態によればBの範囲となり、GBDはGb1〜Gb2という狭い範囲の緩衝マットを用いることができる。換言すれば、特に軸芯方向(縮径方向)の力に弱い本実施形態の薄壁のセラミック製触媒担体2においては、前述のように面圧許容範囲(β−α)が矮小化し、適用可能なGBDはGb1〜Gb2の範囲となるが、このような触媒担体2に対しても、損傷することなく適切にサイジングを行なうことができる。
【0073】
更に、触媒担体2が、その材質上、圧縮された(縮径された)状態から圧縮前の状態に復元するまでに所定時間(例えば数分間)を要するものであれば、図3に示すように測定した後、緩衝マット3を圧縮した状態(面圧が目標面圧となるときの圧縮状態)から圧縮前の状態に復元するまでの状態にある緩衝マット3を巻回した触媒担体2を、筒状部材4に容易に収容することができる。従って、緩衝マット3が圧縮された状態から復元するまでの状態を基準に筒状部材4の内径を設定すれば、前述の方法における筒状部材4の内径の初期値より小さく設定しても、緩やかに収容することができるので、筒状部材4の縮径量を最小に抑えることができる。
【0074】
次に、上記の複数の割型DVを前述の測定用の押圧体(例えば図4の押圧体PMx)として機能するように構成し、触媒担体2の軸芯Z方向に駆動して筒状部材4を緩衝マット3と共に縮径し、測定から縮径までの工程を一連の工程で、また単一の装置で行なう場合の実施形態について、図12乃至図15を参照して説明する。即ち、本実施形態の縮径装置RDは前述の測定装置DTとしても機能し、例えば図9の処理に従い、測定及びサイジングを単一の装置で連続して行なうことができる。この場合には、油圧(OP)の圧力を検出する圧力センサ(図示せず)と、割型DVの移動距離を測定するストロークを検知するエンコーダ(図示せず)が必要となる。即ち、前者では、緩衝マット3の圧縮反力を油圧反力によって検知するものであるが、割型DV(押圧体PMxとして機能)の押圧面にロードセル等の圧力センサを配設することとしてもよい。後者では、押型DPのストロークを検知することとしてもよいし、油圧の供給量たるポンプ吐出量等を検知してストロークを求めることとしてもよい。更に、割型DVの原位置復帰を援助する付勢手段を設けてもよい。
【0075】
先ず、図12に示すように受台BDの上面に一体品1が載置される。次に、油圧駆動装置(図示せず)が駆動され、図13に示すように押型DPが油圧(図13にOPで示す)によってハウジングGDの軸方向に駆動されると(図13の上方に移動すると)、図13に示すように割型DVは径方向(軸芯方向)に駆動され、緩衝マット3が圧縮される。このときの割型DVは図4の押圧体PMxとして機能する。即ち、割型DVを初期位置(図12のS0点)から軸芯Z方向に駆動され、緩衝マット3が押圧され、緩衝マット3の圧縮反力が所定の値に到達したときの位置(図13のS1点)が検出される。この位置(図13のS1点)は、製品となった後の緩衝マット3の面圧値が目標面圧(Pt)となるときの、筒状部材4の(縮径加工後の)内壁面の位置に相当する。従って、本実施形態の場合は、上記の圧力センサ(図示せず)の検知信号を面圧値に変換し、これと所定の面圧値とを比較しながら割型DVを上記の位置(図13のS1点)まで移動させて、割型DVの移動距離を求めることによって、緩衝マット3の圧縮反力が所定の値に到達したときの位置が特定される。
【0076】
而して、割型DVの先端の初期位置(図12のS0点)と触媒担体2の軸芯Zとの間の所定距離から、ストロークを検知するエンコーダ(図示せず)によって検知される割型DVの移動距離を差し引けば割型DVの先端の位置(即ち、軸芯Zから目標半径Rtの位置)を判定することができ、前述のスプリングバック及び板厚変化を無視すれば、この位置が製品状態(即ち、筒状部材4内で触媒担体2に対する面圧が所定の面圧値で保持されている状態)における筒状部材4の(縮径加工後の)内壁面の位置ということになる。従って、更に図9に示すようにスプリングバック及び板厚変化に基づく補正量(ds,dt)を考慮した処理を行なえば、縮径工程後に確実に目標半径(Rt)とすることができる。
【0077】
そして、一端割型DVが後退駆動された後、前述の実施形態と同様、図14に示すように筒状部材4が配置される。次に、油圧駆動装置(図示せず)が駆動され、押型DPが油圧(図14にOPで示す)によってハウジングGDの軸方向に駆動されると(図14の上方に移動すると)、図15に示すように割型DVは径方向(軸芯方向)に駆動され、筒状部材4の胴部及び緩衝部材3が圧縮されて縮径される。このときの割型DVは図8の押圧体DVxとして機能し、その移動量はコントローラ(図示せず)による油圧駆動装置の制御によって正確に制御され、触媒担体2の軸芯Zと筒状部材4の内壁面との間の距離が目標半径(Rt)となるまで、筒状部材4及び緩衝マット3が縮径(シュリンキング)され、図15に示す縮径部4aが形成される。
【0078】
更に、本実施形態では、上記のように触媒担体2及び緩衝マット3が収容された筒状部材4の胴部が縮径された後、その両端部に対し、以下のようにスピニングによるネッキング加工が行なわれる。先ず、筒状部材4の胴部(縮径部4a)を、図16に示すように、スピニング装置(図示省略)用のクランプ装置CLによって挟持し、回転不能且つ軸方向移動不能に固定する。そして、筒状部材4の一端部の外周回りを同径の円形軌跡にて公転する複数のスピニングローラSPによって、筒状部材4の一端部に対しスピニング加工を行なう。即ち、筒状部材4の外周回りに望ましくは等間隔で配置したスピニングローラSPを、筒状部材4の外周面に密着させて公転させると共に、径方向に駆動して公転軌跡を縮小しつつ軸方向(図16の右方向)に駆動してスピニング加工を行なう。
【0079】
而して、図16の右側に示すように、筒状部材4の縮径部4aから連続して筒状部材4の径が急減するようにスピニングローラSPによってネッキング加工が行なわれ、筒状部材4の一端部に首部たるテーパ部4b及びボトルネック部4cが形成される。これにより、縮径部4aとテーパ部4bとの間に段差が残置されることなく、滑らかな面が形成される。尚、このネッキング加工を行なう前は、図16の左側に示すように、筒状部材4の縮径に伴い段部4dが形成されている。
【0080】
更に、上記のように加工された筒状部材4を180度反転させて配置し、図17に示すように、筒状部材4の他方の端部についても上記と同様にスピニングローラSPによるネッキング加工を行なう。この場合における筒状部材4の反転作業は、本実施形態では図16の工程終了後、クランプ装置CLによる筒状部材4の挟持状態を解放し、図示しないロボットハンドによってクランプ装置CLから筒状部材4を取り出し、これを反転させて再度クランプ装置CLに装着することによって行なう。
【0081】
尚、筒状部材4等の被加工物の搬入及び搬出にもロボットを用いることとすれば一層良好な作業効率を得ることができる。あるいは、クランプ装置CL自体を反転させることとしてもよい。そして、クランプ装置CLによって筒状部材4の胴部を再度挟持し、図16の左側の未加工部分に対し、スピニングローラSPによって前述と同様に加工し、図17に示すようにテーパ部4b及びボトルネック部4cを形成する。尚、クランプ装置CLは、クランプ部分の径差に対応できるように、調心機能を有する可変径対応型、例えば割型式(フィンガー式)チャック等を用いるとよい。更に、割出し(インデックス)機能も備えると、後述の偏芯/傾斜ネッキング加工において両端の首部を同一平面上に形成しない場合に好適である。
【0082】
図16及び図17に示すように、軸方向に進退自在のマンドレルMNを筒状部材4の端部に挿入した状態でスピニングローラSPによってネッキング加工を行なうことにより、ボトルネック部4cの形状精度が向上する。尚、最初に筒状部材4の一方の端部にネッキング加工を行なった後、図15に示すように縮径部4aを形成し、最後に筒状部材4の他方の端部にネッキング加工を行なうこととしてもよい。
【0083】
図18は、前述の図16及び図17に示す工程に代えて、被加工物たる筒状部材4の軸に対しマンドレルMNの軸を傾斜して配置し、スピニングローラSPによるネッキング加工を行なうようにしたものである。この場合において、クランプ装置CLはスピニングローラSPと干渉しないように構成する必要がある。而して、図18に示すように筒状部材4の他方の端部には、縮径部4aの軸に対し傾斜した軸を有するテーパ部4e及びボトルネック部4fが形成される。
【0084】
あるいは、図18には示していないが、例えば図19の右側に示すような、縮径部4aの軸に対し偏芯した軸を有するテーパ部及びボトルネック部を形成することもできる。更には、筒状部材4の両端部を縮径部4aの軸に対し、同軸、傾斜軸及び偏芯軸を適宜組み合わせてネッキング加工を行なうこともできる。これらの偏芯軸及び傾斜軸を含むスピニング加工方法については前掲の特許文献13及び14に開示されており、これらの加工方法を筒状部材4の端部の成形に適用することができる。尚、本実施形態のスピニング加工装置としては、特許文献15(特開2001−137962)に開示された装置が好適である。
【0085】
而して、本実施形態によれば、スピニング加工時に筒状部材4は回転しないため、筒状部材4を確実に保持する構造を容易に構成することができると共に、筒状部材4に収容された触媒担体2及び緩衝マット3もスピニング加工中に回転(軸芯を中心とする自転)することはないので、安定した保持状態を維持することができる。また、筒状部材4の両端部に対するネッキング加工を容易に連続して行なうことができるので、従来方法より加工時間を短縮することができる。
【0086】
しかも、本実施形態においては、複数のスピニングローラSPによるネッキング加工によって、縮径部4aに連続した滑らかな面を有する首部を形成することができる。特に、筒状部材4の縮径時に筒状部材4の胴部(縮径部4a)と両端部との間に段部4d(図16に示す)が形成されたときにも、これをスピニングローラSPによって除去することができるので、胴部から首部に至る滑らかな連続面を任意形状に形成することができる。例えば、図19に示す触媒コンバータの完成品のように、左側には傾斜軸を有する首部(テーパ部4b及びボトルネック部4c)、右側には偏芯軸を有する首部を、段部を形成することなく、胴部(縮径部4a)から連続した滑らかな面に形成することができる。更に、必要に応じて、図20に示すように筒状部材4の縮径時に形成される段部4dを敢えて残すように、筒状部材4の両端部を加工して首部(テーパ部4b及びボトルネック部4c)を形成することもできる。尚、図20に示す触媒コンバータの完成品の左側には傾斜軸を有する首部、右側には偏芯軸を有する首部が形成されている。
【0087】
次に、本発明の別の実施形態として、図2に破線で示すように、触媒担体2と緩衝マット3との間に感圧素子SSを介装し、この感圧素子SSの検知信号に基づき面圧を直接検知するように構成する実施形態について説明する。この感圧素子SSとしては、長尺のセンサシートに電極を配置し圧力分布をリアルタイムで検出するものが市販されている。例えば、米国Tekscan, Inc.社製のセンサシート(MATSCAN)や、ニッタ株式会社製の面圧分布測定システム(I-SCAN)が市販されている。これらは、圧力分布をリアルタイムで検出することができるので、例えば、前述の長尺の押圧体(PMx)によって押圧される範囲にも対応し得る長尺のセンサシートを配置しておき、これによって面圧検知手段を構成すれば、予め測定装置DTによって前述の距離(Ds)もしくは目標半径(Rt)を求める必要はなく、筒状部材4のうちの緩衝マット3を含む胴部を、前記面圧(Ps)が所定の圧力範囲内となるように緩衝マット3と共に縮径して触媒担体2を保持するように構成することができる。
【0088】
即ち、本実施形態においては、柱体たる触媒担体2に付与される面圧を検知する検知手段として、感圧素子SSを備えたものとし、この感圧素子SSと共に緩衝マット3(緩衝部材)を触媒担体2(柱体)の外周に巻回した状態で、筒状部材4内に緩やかに収容し、筒状部材4のうちの少なくとも緩衝マット3を含む胴部を圧縮する加圧手段(例えば図10の縮径装置GD)を備え、更に、緩衝マット3の圧縮復元力によって触媒担体2(柱体)に付与される面圧が所定の圧力範囲内となるように前記加圧手段を駆動し、筒状部材4の胴部を緩衝マット3と共に縮径する制御手段(例えば図3のコントローラCT)を備えた製造装置を構成するものである。
【0089】
而して、例えば図10の縮径装置GDによって、緩衝マット3を触媒担体2の外周に巻回した状態で、筒状部材4内に緩やかに収容し、筒状部材4のうちの少なくとも緩衝マット3を含む胴部を、緩衝マット3の圧縮復元力によって触媒担体2に付与される面圧が所定の圧力範囲内となるように、緩衝マット3と共に縮径して触媒担体2を保持することができる。即ち、単一の装置で、測定から縮径までの工程を連続して行なうことができ、製造時間を大幅に短縮することができる。尚、感圧素子SSは安価で、且つ、触媒コンバータの機能に悪影響を与えないのであれば、サイジング後に抜き出すことなくそのまま放置することとしてもよい。
【0090】
更に、図2の上方に破線で示すように、触媒担体2の端面にICタグTGを貼着しておくことにより、以下のように、製造形態を多様化することができる。このICタグTGは、書き込み可能のICチップと発信可能の小型アンテナをタグ状部材に埋設したもので、リーダ又はライタからの電波を電力に変換してCPUを起動し、データ交信用の電波を発生させてデータを授受することができ、保持電力が不要であれば、どのような形態の市販品を用いてもよいが、数mmの四辺及び厚さであることが望ましい。尚、上記のように記憶及び通信手段として機能するものであれば、必ずしもタグ状である必要はなく、例えばICカードのような形態もしくは他の形態でもよい。また、密接型、近接型、近傍型、遠隔型等、電波の伝搬距離も任意であり、更には電波で交信しない接触型を用いてもよく、本願においては、これらを総称してICタグと呼ぶ。
【0091】
而して、例えば、第1の製造形態として、先ず、ICタグTG内の不揮発メモリに触媒担体2の品番情報、担持情報及び生産者情報を書き込んでおく。次に、触媒担体2に緩衝マット3を巻回すると共に、前述の測定を行ない、最適面圧となるときの目標半径(Rt)等の測定結果情報及び測定者情報をICタグTGに書き加える。そして、サイジング工程において、ICタグTGに書き込まれたID情報及び加工必要情報に基づきサイジングを行い、必要な加工後、ICタグTGを取り外して完成品(触媒コンバータ)を出荷する。ここで、触媒担体2を製造しICタグTGを貼着する業者と、触媒担体2に緩衝マット3を巻回すると共に測定を行ないICタグTGに書き加える業者と、ICタグTG情報に基づきサイジングを行なう業者が異なる場合にも、確実に目標半径(Rt)となるように加工することができる。尚、これらの授受情報は、その都度各業者がインターネット等で自動的に逐次交換し得るように構成すれば、進捗状況の確認や工程準備、ひいては物流管理に至るまで、一連の作業を円滑に進めることができる。
【0092】
あるいは、第2の製造形態として、先ず、触媒担体2に緩衝マット3を巻回すると共に、前述の測定を行ない、触媒担体2の品番情報、担持情報、生産者情報、最適面圧となるときの目標半径(Rt)等の測定結果情報、及び測定者情報をICタグTGに書き込んでおく。そして、サイジング工程において、ICタグTGに書き込まれた情報に基づきサイジングを行い、必要な加工後、ICタグTGを取り外して完成品(触媒コンバータ)を出荷する。即ち、触媒担体2を製造し、且つ触媒担体2に緩衝マット3を巻回すると共に測定を行ないICタグTGに書き込む業者と、ICタグTG情報に基づきサイジングを行なう業者の二業者によって製造される場合であり、この場合も、確実に目標半径(Rt)となるように加工することができる。
【0093】
上記の工程の全てを一業者によって行なう場合にも、ICタグTGを用いて同様に行なうこととすれば、距離的あるいは時間的に離れた各工程を行なう必要がある場合に特に有効である。更に、触媒担体2にICタグTGを貼付けたままで完成品(触媒コンバータ)を出荷し、自動車製造業者における触媒コンバータの試運転時にICタグTGを焼失させることとしてもよい。以上のように、ICタグTGを利用することにより、前工程の測定結果を利用し、適切にサイジングを行い得るというだけでなく、誤組付けの防止、物流状況の把握、工程問題の把握と改善等、種々の効果を期待することができる。尚、前述の実施形態では触媒担体2は1個としたが、2個以上の触媒担体を直列に配置してもよく、胴部は、各緩衝部材に対応する部分毎に適宜縮径してもよいし、連続して縮径してもよい。そして、最終製品としては、自動車の排気系部品に限らず、燃料電池用改質器等、種々の流体処理装置に適用することができる。
【0094】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下に記載の効果を奏する。即ち、請求項1乃至8に記載の柱体保持装置の製造方法においては、柱体の外径の誤差、筒状部材の内径の誤差、緩衝部材の誤差等に影響されることなく、筒状部材の胴部を良好な精度で縮径することができる。特に、最終的には、変数が、柱体の軸芯と筒状部材との間の距離のみということになり、必ず最適値を設定することができ、これを筒状部材の縮径に反映することができる。従って、筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を適切に保持した柱体保持装置を、迅速且つ容易に製造することができ、製造コストも低減することができる。
【0095】
特に、請求項6に記載のように構成すれば、測定から縮径までの工程を一連の工程で、また単一の装置で行なうことができる。即ち、請求項9乃至11に記載のように製造装置を構成すれば、単一の装置で測定から縮径までの一連の工程を円滑に行なうことができる。
【0096】
そして、請求項7及び10に記載のように構成すれば、縮径に伴い筒状部材がスプリングバックして素材径が変化する場合、あるいは筒状部材の素材厚が増加する場合にも、実質的な半径が前記目標半径となるように製造することができる。例えば、請求項8及び11に記載のように構成すれば、縮径後に前記筒状部材がスプリングバックしたときに前記実質的な半径が前記目標半径となるように縮径することができる。即ち、縮径(シュリンキング)に不可避のスプリングバックを考慮した対応ができるので、特に脆弱な柱体に対しても、これを破壊することなく適切に保持することができる。
【0097】
更に、請求項12及び13に記載の柱体保持装置の製造方法及び製造装置においては、上記の効果に加え、検知手段によって柱体に付与される面圧を検知し、この面圧が所定の圧力範囲内となるように、筒状部材の胴部を、緩衝部材と共に縮径することができるので、常に安定した極めて良好な精度で縮径することができ、しかも製造時間を大幅に短縮することができる。更に、単一の装置で測定から縮径までの一連の工程を円滑に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における柱体保持装置の製造方法の全体構成を示す工程図である。
【図2】本発明の一実施形態及び別の実施形態に係る製造方法が対象とする触媒コンバータにおける触媒担体とこれに巻回される緩衝マットを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る製造方法の測定工程を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る製造方法の測定工程の別の例を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る製造方法の測定工程に供する多点測定装置の一実施例を示す平面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る製造方法の測定工程に供する多点測定装置の一実施例を示す正面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る製造方法の測定工程及びサイジング工程の関係を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る製造方法のサイジング工程を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る製造方法の測定工程及びサイジング工程を含む処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る排気処理装置の製造方法に供する縮径装置の第1実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る排気処理装置の製造方法に供する縮径装置の第2実施例を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る製造方法の縮径装置の一部を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る製造方法の縮径装置による測定状態を示す断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る製造方法の縮径装置による縮径開始状態を示す断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る製造方法の縮径装置による縮径終了状態を示す断面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る製造方法における一端部に対するスピニング工程を示す断面図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る製造方法における他端部に対するスピニング工程を示す断面図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る製造方法において、傾斜軸を有する端部に対するスピニング工程を示す断面図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る製造方法において、筒状部材の両端部に首部を形成した触媒コンバータの完成品の一例を示す正面図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る製造方法において、筒状部材の縮径部と両端部との間に段部を残すように首部を形成した触媒コンバータを示す正面図である。
【図21】一般的な触媒コンバータにおいて、緩衝部材の一例に対する面圧許容範囲を示すグラフである。
【図22】本発明の一実施形態に係る製造方法に関し、筒状部材の縮径時における目標半径と実半径との関係から、スプリングバックに起因する筒状部材の素材径の変化を求める実験結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 一体品, 2 触媒担体, 3 緩衝マット,
4 筒状部材, 4a 縮径部, 4b テーパ部,
4c,4f ボトルネック部, 4d 段部, 4e テーパ部,
DT 測定装置, PM 押圧体, LC ロードセル,
RE ロータリエンコーダ, RD 縮径装置,
CH,CL クランプ装置, SP スピニングローラ

Claims (13)

  1. 筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持する柱体保持装置の製造方法において、前記柱体の外周に前記緩衝部材を巻回した状態で、押圧体によって前記柱体の軸芯に対して直交する方向に前記緩衝部材を押圧して前記緩衝部材を圧縮すると共に、前記緩衝部材の圧縮復元力によって前記柱体に付与される面圧を検出し、該面圧が所定の目標面圧となるときの前記柱体の軸芯と前記押圧体の先端との間の距離を測定して目標半径とし、前記緩衝部材を前記柱体の外周に巻回した状態で前記筒状部材内に緩やかに収容した後に、少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径となるように、前記筒状部材を前記緩衝部材と共に縮径し、前記緩衝部材を巻回して成る前記柱体を前記目標面圧の圧縮状態で前記筒状部材内に保持することを特徴とする柱体保持装置の製造方法。
  2. 前記目標面圧は、前記柱体の外面の静摩擦係数及び前記筒状部材の内面の静摩擦係数と、前記押圧体の前記緩衝部材に対する押圧力に基づいて設定することを特徴とする請求項1記載の柱体保持装置の製造方法。
  3. 前記押圧体を前記緩衝部材の全周に亘って複数個並設し、該複数個の押圧体の少なくとも一つによって前記柱体の軸芯に対して直交する方向に前記緩衝部材を押圧して前記緩衝部材を圧縮すると共に、前記柱体に対する前記緩衝部材の面圧を検出することを特徴とする請求項1記載の柱体保持装置の製造方法。
  4. 前記複数個の押圧体は、前記筒状部材の少なくとも前記緩衝部材を保持する部分に相当する長さの複数個の長尺部材で構成すると共に、該複数個の長尺部材の押圧体を前記緩衝部材の全周に亘って並設して成ることを特徴とする請求項3記載の柱体保持装置の製造方法。
  5. 前記目標面圧となるときの前記押圧体による圧縮状態から圧縮前の状態に復元するまでの状態にある前記緩衝部材を巻回して成る前記柱体を、前記筒状部材に収容することを特徴とする請求項4記載の柱体保持装置の製造方法。
  6. 前記複数個の長尺部材を前記緩衝部材の全周に亘って並設して成る前記複数個の押圧体によって、少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径となるように、前記筒状部材を前記緩衝部材と共に縮径することを特徴とする請求項4記載の柱体保持装置の製造方法。
  7. 前記筒状部材を縮径するときの前記筒状部材の素材径の変化及び素材厚の変化の少なくとも一方に基づき所定の補正量を設定し、該補正量に基づき、前記緩衝部材と共に前記筒状部材を縮径するときの縮径量を調整することを特徴とする請求項1記載の柱体保持装置の製造方法。
  8. 前記柱体の外周に前記緩衝部材を巻回した状態で、前記筒状部材の少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径を下回り、前記柱体が破壊する直前まで、前記押圧体によって前記緩衝部材を押圧したときの限界半径を予め測定し、該限界半径と前記目標半径との差の範囲内の所定距離を、前記補正量として設定することを特徴とする請求項7記載の柱体保持装置の製造方法。
  9. 筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持して成る柱体保持装置を製造する製造装置において、前記筒状部材の少なくとも前記緩衝部材を保持する部分に相当する長さの複数個の長尺部材で構成すると共に、該複数個の長尺部材を前記柱体の全周に亘って並設して成る複数個の押圧体を有し、該押圧体によって、前記柱体の外周に前記緩衝部材を巻回した状態で、前記柱体の軸芯に対して直交する方向に前記緩衝部材を押圧して前記緩衝部材を圧縮する加圧手段と、前記緩衝部材の圧縮復元力によって前記柱体に付与される面圧を検出し、該面圧が所定の目標面圧となるときの前記柱体の軸芯と前記複数個の押圧体の先端との間の距離を測定する測定手段と、該測定手段が測定した前記距離を目標半径とし、前記緩衝部材を前記柱体の外周に巻回した状態で前記筒状部材内に緩やかに収容した後に前記加圧手段を駆動し、前記複数個の押圧体によって、少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径となるように、前記筒状部材を前記緩衝部材と共に縮径する制御手段を備えたことを特徴とする柱体保持装置の製造装置。
  10. 前記制御手段が、前記筒状部材を縮径するときの前記筒状部材の素材径の変化及び素材厚の変化の少なくとも一方に基づき所定の補正量を設定し、該補正量に基づき、前記緩衝部材と共に前記筒状部材を縮径するときの縮径量を調整することを特徴とする請求項9記載の柱体保持装置の製造装置。
  11. 前記測定手段が、前記柱体の外周に前記緩衝部材を巻回した状態で、前記筒状部材の少なくとも前記緩衝部材を収容する部分の内側の実質的な半径が前記目標半径を下回り、前記柱体が破壊する直前まで、前記押圧体によって前記緩衝部材を押圧したときの限界半径を予め測定すると共に、前記制御手段が、前記限界半径と前記目標半径との差の範囲内の所定距離を、前記補正量として設定することを特徴とする請求項10記載の柱体保持装置の製造装置。
  12. 筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持する柱体保持装置の製造方法において、前記柱体に付与される面圧を検知する検知手段と共に前記緩衝部材を前記柱体の外周に巻回した状態で、前記筒状部材内に緩やかに収容し、前記筒状部材のうちの少なくとも前記緩衝部材を含む胴部を、前記緩衝部材の圧縮復元力によって前記柱体に付与される面圧が所定の圧力範囲内となるように、前記緩衝部材と共に縮径して前記柱体を保持することを特徴とする柱体保持装置の製造方法。
  13. 筒状部材内に緩衝部材を介して柱体を保持して成る柱体保持装置を製造する製造装置において、前記柱体に付与される面圧を検知する検知手段と、該検知手段と共に前記緩衝部材を前記柱体の外周に巻回した状態で、前記筒状部材内に緩やかに収容し、前記筒状部材のうちの少なくとも前記緩衝部材を含む胴部を圧縮する加圧手段と、前記緩衝部材の圧縮復元力によって前記柱体に付与される面圧が所定の圧力範囲内となるように前記加圧手段を駆動し、前記筒状部材の胴部を前記緩衝部材と共に縮径する制御手段を備えたことを特徴とする柱体保持装置の製造装置。
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