JP5063026B2 - 半導体ウエハ加工用シートおよび半導体ウエハの加工方法 - Google Patents

半導体ウエハ加工用シートおよび半導体ウエハの加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体用保護シート(「半導体ウエハ用保護シート」ともいう。)、半導体加工用シート(「半導体ウエハ加工用シート」ともいう。)および半導体ウエハの加工方法に関し、さらに詳しくは真空下でウエハの裏面加工を行う際に、回路面を保護するために好ましく用いられる半導体用保護シート、半導体加工用シートおよびこれを用いた半導体ウエハの真空下における加工方法に関する。
表面に回路が形成された半導体ウエハは、ついで裏面の酸化物層を除去したり、あるいは厚みを薄く均一にする目的で、裏面研削が施される。特に近年は、チップの薄型化の要求により、ウエハは、100μm以下の厚さにまで研削されることがある。この際、ウエハ
の表面には、回路面を保護したり、あるいはウエハを固定する目的で、粘着シートが貼着されている。
このようにウエハの厚みが薄くなると、砥石、グラインダー等を用いた機械研削によるウエハ裏面表層の破砕層に起因して、ウエハの抗折強度が低下する。このため、ウエハ裏面表層の破砕層をプラズマエッチングにより除去することが検討されている。プラズマエッチングは、一般に、10-3〜10-4torrの真空中で行われる。しかし、このような真空中では、汎用の紫外線硬化型粘着シートを用いてウエハを固定すると、粘着剤層から揮発性成分が発生し、極薄化されたウエハと粘着シートとの間に揮発化したガスが溜まり、内外の圧力差によりウエハが変形あるいは破損することがあった。また、このようにウエハが変形すると、粘着シートを剥離後にも、ウエハの変形箇所(凹部分)に粘着剤が残着し、ウエハを汚損することがあった。
このような課題を解決するため、特許文献1には、真空下における揮発ガスの発生の少ない半導体ウエハ用粘着シートが開示されている。
しかし、近年においては高さの高いバンプ(凸状電極)を有するウエハを加工する要請が増加している。このような高バンプウエハに対して通常の表面保護用の粘着シートを用いると、バンプが邪魔をして粘着剤層が密着しずらくなり、バンプ近傍に空気溜まりが発生する。空気溜まりが発生した状態で真空中に導入されると、内圧と外圧との差により空気が膨張し、粘着シートが膨張したり、特に極薄にまで研削されたウエハでは膨張圧に耐えられず、ウエハが破損することがある。このような問題は、前記特許文献1の粘着シートでも起こりうる問題である。
また、高バンプウエハの裏面研削用の表面保護用シートとして、本出願人は特願2003−356280号において、基材とその片面外周部に形成された粘着剤層からなるシートを提案している。このような表面保護用シートは、高バンプウエハの裏面にディンプル(凹み)を発生させることはないが、裏面研削の後に真空下で加工を行う場合は、上述のような空気の膨張が起こるものと考えられる。
特開2002−338936号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、半導体ウエハに保護シートを貼付する際に空気溜まりが発生しても、真空下における空気溜まりの膨張によるウエハの破損を防止できる半導体用保護シート、半導体加工用シートおよびこのシートを用いた半導体ウエハの加工方法を提供することを目的としている。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)基材と、その片面に形成された粘着剤層とからなり、
一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が形成されてなる半導体用保護シート。
(2)粘着剤層が基材片面の外周部にのみ設けられてなる(1)に記載の半導体用保護シート。
(3)貫通孔の孔径が1〜500μmである(1)または(2)に記載の半導体用保護シート。
(4)貫通孔1個の透気度(JIS P8117「ガーレー試験法」に準ずる)が10〜5×103秒である(1)〜(3)の何れかに記載の半導体用保護シート。
(5)上記(1)〜(4)の半導体用保護シートの基材の粘着剤層が形成されていない面に、非透水性のバリアシートが剥離可能に積層されてなる半導体加工用シート。
(6)上記(1)に記載の半導体用保護シートの粘着剤層形成面に、半導体ウエハの回路面側を貼付し、
半導体用保護シートと半導体ウエハとの積層体を真空チャンバー内に導入し、チャンバーを減圧し、
減圧にされたチャンバー内で、半導体ウエハの露出面に加工を施す工程を含む半導体ウエハの加工方法。
(7)上記(5)に記載の半導体加工用シートの粘着剤層形成面に、半導体ウエハの回路面側を貼付し、
半導体ウエハの露出面側を研削し、
バリアシートを剥離し、
半導体用保護シートと半導体ウエハとの積層体を真空チャンバー内に導入し、チャンバーを減圧し、
減圧にされたチャンバー内で、半導体ウエハの露出面に加工を施す工程を含む半導体ウエハの加工方法。
このような本発明に係る半導体用保護シート、半導体加工用シートによれば、半導体ウエハに保護シートを貼付する際に空気溜まりが発生しても、真空下における空気溜まりの膨張によるウエハの破損を防止できる。
以下、本発明について図面を参照しながらさらに具体的に説明する。
図1-A,Bおよび図2-A,Bに本発明に係る半導体用保護シートおよび半導体加工用シートの代表的態様を示す。図1-A、図2-Aは斜視図であり、図1-B、図2-Bはそれぞれの断面図を示す。
図1-A,Bに示すように、本発明に係る第1の半導体用保護シート1は、基材11と、その片面に形成された粘着剤層12とからなり、基材11および粘着剤層12を貫通し、シート表面から裏面に至る貫通孔3が形成されている。
また、図2-A,Bに示すように、本発明に係る第2の半導体用保護シート2は、基材11と、その片面外周部にのみ形成された粘着剤層12とからなり、基材11を貫通し、シート表面から裏面に至る貫通孔3が形成されている。この場合、基材外周部に形成された粘着剤層12には、貫通孔3が形成されていてもよく、また形成されていなくてもよい。
本発明に係る半導体用保護シートは、シート状、テープ状、ラベル状の何れの形態であってもよい。また、半導体ウエハに貼付される前に、予めウエハと略同一形状にプリカットされていてもよく、半導体ウエハに貼付された後に、ウエハと略同一形状にカットされてもよい。
本発明の半導体用保護シート1,2によれば、ウエハの貼付時に空気溜まりが発生したとしても、真空中においては、空気溜まり内部のガスが貫通孔3から外部に抜けるため、内圧と外圧との差が解消される。このため、空気溜まりが発生したとしても、真空中で空気溜まりが膨張することはなく、ウエハが破損することはない。
貫通孔3の横断面形状は特に限定はされないが、貫通孔3の孔径は好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは5〜200μm、特に好ましくは10〜100μmである。貫通孔3の孔径は半導体用保護シートの両面で同孔径である必要はなく、一方の面に開口した孔が他方の面に開口した孔よりも大きくてもよい。上述の孔径は小孔径の面のサイズを示す。貫通孔3の孔径が小さすぎると、ガスが抜け難くなり、また貫通孔3が大きすぎると、シートの外観を損ない、またシートの強度が低下することがある。また、貫通孔の孔径はシートの厚さ方向に一定であってもよいし、厚さ方向に変化していてもよい。厚さ方向に孔径が変化する場合であっても、孔径は上記の範囲にあることが好ましい。
貫通孔3のピッチは、好ましくは1〜50mmである。貫通孔のピッチは、第1の半導体用保護シート1の粘着剤層12と半導体ウエハの主面及びバンプ頂部で密封された空間の大きさによる。密封された空間の大きさに比べ貫通孔のピッチが広すぎると、ガスが抜け難い箇所が生じ、またピッチが狭すぎるとシートの外観を損ない、またシートの強度が低下することがある。また、第2の半導体用保護シート2の場合は、密封される空間は粘着剤層12のない開口部13の大きさと等しいため、貫通孔は開口部13内に1カ所設けられていればよい。実質上は、ピッチが5〜50mmであるものが好ましい。なお、貫通孔のピッチは、シートの全面にわたって一様である必要は必ずしもない。一般に、ウエハへの回路形成においては、外周部は製品にならないため、外周部には回路が形成されない。このため、回路に形成される電極(バンプ)も外周部には形成されず、ウエハには、バンプ密度が高い部分(製品となるウエハの内周部)とバンプ密度が低い部分(製品とならないウエハの外周部)とが混在する。貫通孔3は、バンプにより形成される空気溜まり内外圧差を解消することでウエハの破損やシートの膨張を抑えるため、バンプ密度が高い領域において、孔密度を高くすることが好ましい。
ウエハに形成されるバンプ高さが高くなり、またウエハ表面においてバンプ密度の差が大きくなると、バンプの段差が邪魔をしてバンプ密度の低いウエハの端部に保護シートが貼付できなくなる。この結果、回路面の端部が露出するため、その保護が不充分になり、裏面加工時に回路面が損傷を受けることがある。
このような問題を解決するため、前記した第2の半導体用保護シート2では、基材11の片面外周部にのみ粘着剤層12を形成している。より具体的には、第2の半導体用保護シート2では、基材シート11の片面に、貼付する半導体ウエハの外径よりも小径の粘着剤層が形成されていない開口部13と、その外周に形成された粘着剤層12が形成されている部分とが設けられてなる。このような構成とすることで、バンプが形成されていないウエハの外周部に、粘着剤層12が密着し、ウエハの保持、固定が可能となる。ウエハの内周部に形成されている回路、バンプは、粘着剤層には接触しないが、その外周部が粘着剤層12により密封される構造となり、回路面の保護が図られることになる。
また、本発明の半導体用保護シートにおいては、その貫通孔1個の透気度が好ましくは
10〜5.0x103秒、特に好ましくは1x103〜4x103秒、特に好ましくは2x103〜3x103秒の範
囲にある。透気度は、貫通孔を1個だけ開口した半導体用保護シートを試験片として用意し、この貫通孔をJIS P8117の「ガーレー試験機法」による試験機の中心に設置し、測定
される値である。
透気度は、前記した貫通孔3の孔径、孔密度によって変動し、孔径、孔密度を大きくすると、透気度も大きくなる。
また、本発明の半導体用保護シートにおいては、真空中での使用の前段階では、基材11の粘着剤層が形成されていない面に、非透水性のバリアシート4が剥離可能に仮着されていてもよい。すなわち、本発明の半導体加工用シートでは、上記半導体用保護シートの基材の片面(粘着剤層が形成されていない面)に非透水性のバリアシート4が剥離可能に仮着されてなる。真空中でのウエハ加工に先立ち、ウエハの裏面研削が行われることがある。ウエハの裏面研削は、グラインダーを用いて行われ、この際、切削屑や切削時の摩擦熱を除去するため、水を噴霧しながら研削を行う。本発明の保護シートを用いて、ウエハの回路面を保護しつつ裏面研削を行うと、貫通孔を通して、水や切削屑がウエハの回路面側に浸入し、回路に損傷を与えることがある。このような不都合を解消するため、本発明においては、基材11の粘着剤層が形成されていない面に、非透水性のバリアシート4を剥離可能に仮着しておいてもよい。バリアシート4によって、貫通孔3が塞がれるため、水や切削屑がウエハの回路面側に浸入することを防止でき、回路を確実に保護できるようになる。
本発明の半導体用保護シート1,2は、基材11とその片面に形成された粘着剤層12とからなる。本発明の半導体用保護シート1,2に使用される基材11は、樹脂シートであれば、特に限定されず種々使用可能である。このような樹脂シートとしては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリルゴム、ポリアミド、ウレタン、ポリイミド等の樹脂フィルムが挙げられる。基材11はこれらの単層であってもよいし、積層体であってもよい。また、架橋等の処理を施したシートであってもよい。
また基材11は、熱可塑性樹脂を押出成形によりシート化したものでもよく、また硬化性樹脂を所定手段により工程フィルム上に薄膜化、硬化してシート化したものが使われてもよい。硬化性樹脂としては、たとえば、エネルギー線硬化性のウレタンアクリレート系オリゴマーを主剤とし、比較的嵩高い基を有するアクリレートモノマーを希釈剤とし、必要に応じて光重合開始剤を配合した樹脂組成物が用いられる。工程フィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが用いられる。このように工程フィルム上に基材11を製膜して得た場合には、基材11を工程フィルムから剥離することなく、基材11上に粘着剤12を形成することが好ましい。この場合、工程フィルムは、後述するバリアシート4として使用することができる。
基材11の厚さは、好ましくは30〜1000μm、さらに好ましくは50〜500μm、特に好ましくは100〜300μmである。
粘着剤層12は、適度な再剥離性があればその種類は特定されず、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系など汎用の粘着剤から形成されてもよい。また、エネルギー線の照射により硬化して再剥離性となるエネルギー線硬化型粘着剤であってもよい。これらの中でも特に、真空下での揮発成分の発生が少ない粘着剤が好ましい。このような粘着剤としては、前記した特許文献1に記載のエネルギー線硬化型粘着剤が好ましく用いられる。
また、粘着剤層12は粘着剤の単層または複層から形成されていてもよいし、第2の半導体用保護シート2の場合は、さらに芯材フィルムの両面に粘着剤層を設けた両面粘着シートで形成されてもよい。粘着剤層12を両面粘着シートで形成する場合は、ポリエチレンテレフタレートフィルムのような比較的剛性の高いフィルムを芯材フィルムとして用いれば、半導体用保護シートの製造時またはウエハ貼付時の寸法安定性が良好となるため好ましい。芯材フィルムに設ける粘着剤は、両面がそれぞれ同じであってもよいが、基材11に面する側の粘着剤が強粘着性を有する粘着剤であり、ウエハに面する側の粘着剤が再剥離性を示す粘着剤からなる構成のものが好ましい。
第1の半導体用保護シート1の粘着剤層12の厚さは、ウエハを保持できる程度の厚みであれば特に限定はされないが、好ましくは1〜1000μm、さらに好ましくは5〜500μm、特に好ましくは10〜300μmである。
また、粘着剤層の厚みは、貼付されるウエハの回路面に形成されたバンプ等による凹凸(高低差)によって適宜に設定することもできる。
たとえば、図1に示す第1の半導体用保護シートのように粘着剤層12を基材11の片面全面に形成する場合には、粘着剤層の厚み(At)とバンプの高さ(Bt)とした場合、その比(At/Bt)は好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは1.5〜2である。例えば、バンプの高さ(Bt)が100μmであった場合、好ましい粘
着剤層12の厚さ(At)は50〜500μm、好ましくは100〜300μm、特に好ましくは150〜200μmである。このような厚さの関係とすれば、ウエハの回路面が粘着剤層12に貼着され、また回路面に形成されているバンプによる高低差が粘着剤層12の厚みにより吸収されるため、ウエハを安定して保持できる。
粘着剤層12を厚めに設定する場合は、粘着剤層12は複層からなる粘着剤層で構成されてもよい。この場合、同種の粘着剤層を複数回積層した構成であってもよいし、異種の粘着剤層を積層した構成であってもよい。ウエハの裏面研削加工のようにウエハの厚み方向に機械的な負荷が加わる場合は、基材11に面する粘着剤層を比較的柔らかく圧力を分散する能力の高い種類の粘着剤とし、バンプに接触する最外層の粘着剤層は保護シート除去時に糊残りが発生しないよう再剥離性に優れた種類の粘着剤を選択するのが好ましい。
また、図2ABに示す第2の半導体用保護シートのように粘着剤層12を基材11の片面外周部にのみ形成する場合には、粘着剤層の厚み(At)とバンプの高さ(Bt)との差(Bt−At)は好ましくは−5〜+50μm、さらに好ましくは±0〜+40μm、特に好ましくは+10〜+30μmである。例えば、バンプ5高さ(Bt)が100μmであった場
合、好ましい粘着剤層12の厚さ(At)は50〜105μm、好ましくは60〜100μm、特に好ましくは70〜90μmである。このような厚さの関係とすれば、ウエハの外周部が粘着剤層12に貼着され、またウエハのバンプと基材11とが適度な圧力で接し、半導体用保護シート2の剥がれや位置ずれ等が起きにくくなる。その差(Bt−At)の値が負であり、粘着剤層がバンプの高さよりも厚く隙間が開いていたとしても、ウエハはその外周部において粘着剤層12により保持されるため、ウエハ全体が固定可能となる。
本発明の加工用シート5,6に用いられるバリアシート4としては、非透水性で半導体用保護シートから剥離可能なシート類であれば、特に制限されることなく、種々の汎用粘着シートが用いられる。剥離可能なシート類として、前述した半導体用保護シート1,2と同様の粘着シートの構成であってもよいが、特に好ましくは再剥離性の粘着シートが用いられる。また、前述したように、硬化性樹脂を工程フィルム上に塗布、硬化して基材11を形成した場合には、その形成の際に使用した工程フィルムをバリアシートとして使用してもよい。
基材11の片面にバリアシート4が形成されている場合には、真空中でのウエハ加工に先立ち、バリアシートを剥離しておく。
保護シートの使用前には粘着剤層12を保護するため、粘着剤層12の形成面に剥離フィルムが貼着されていてもよい。
次に本発明に係る第1の半導体用保護シートの製造法について説明する。
まず、公知の手法により、基材11と粘着剤層12とからなる粘着シートを製造する。この際、粘着剤層12には、剥離フィルムが貼付されていてもよい。粘着剤層12が複層の場合は、基材11、1層目の粘着剤層及び剥離フィルムの積層体を製造し、続いて別の剥離フィルム上に2層目の粘着剤を塗布乾燥し、積層体上の剥離フィルムを剥離しながら1層目の粘着剤層と2層目の粘着剤層を積層させ、これを繰り返すことにより複層の粘着剤層を有する粘着シートが製造できる。この段階で得られた粘着シートを、貼付されるウエハと略同一形状に打ち抜き加工してもよい。
ついで、所定の孔径、孔密度で、貫通孔3を形成することによって、本発明に係る第1の半導体用保護シート1が製造できる。貫通孔3の形成方法は特に限定はされず、たとえば、レーザー加工、ウォータージェット、マイクロドリル、精密プレス、熱針、溶孔などの種々の方法を採用できる。レーザー加工に利用するレーザーの種類は特に限定されず、たとえば炭酸ガス(CO2)レーザー、TEA−CO2レーザー、YAGレーザー、UV−YAGレーザー、エキシマレーザー、半導体レーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー等
を利用できる。
なお、前述したように、硬化性樹脂を工程フィルム上に塗布、硬化して基材11を形成した場合には、基材11および粘着剤層12を貫通し、かつ工程フィルムには貫通しないように、貫通孔3を設ける。したがって、この場合には、貫通孔の形成に使用するレーザー光の焦点深度や、針の浸入深さを適宜に調整するが必要になる。この結果、基材11の片面には、貫通孔を有しない工程フィルムが残り、これをバリアシート4として使用できる。
本発明の第2の半導体用保護シート2は、基材11の外周部にのみ粘着剤層12が形成されている。すなわち、半導体用保護シート2は、貼付されるウエハのバンプが設けられた回路形成部分には粘着剤層が形成されない基材シート面(開口部13)が対面し、回路が形成されていないウエハの外郭部分は粘着剤層12が対面するようになっている。
粘着剤層12は基材シート11に積層される前に、打ち抜き等の手段で略円形に切断除去して、粘着剤層が形成されない開口部13を形成する。このとき、粘着剤層12を、軽剥離タイプの剥離フィルムと重剥離タイプの剥離フィルムとで挟み、粘着剤層と軽剥離タイプの剥離フィルムのみを打ち抜き重剥離タイプの剥離フィルムは完全に打ち抜かないようにすれば、重剥離タイプの剥離フィルムが粘着剤層のキャリアとなり、以降の加工もroll-to-rollで連続して行えるので好ましい。続いて残りの軽剥離タイプの剥離フィルムを剥離しながら基材11に積層し、粘着シートを作成する。この際、粘着剤層12には、剥離フィルムが貼付されていてもよい。この段階で得られた粘着シートを、開口部と同心円状に、貼付されるウエハと略同一形状に打ち抜き加工してもよい。
なお、剥離フィルムが貼付されている場合には、半導体用保護シートの使用時に粘着剤層12から剥離フィルムを除去する。
また、半導体用保護シートを用いてウエハ回路面を保護しつつ、ウエハの裏面研削を行う場合には、基材11の粘着剤層が形成されていない面に、非透水性のバリアシート4を剥離可能に仮着した半導体加工用シートを用いる。ウエハの裏面研削の後、真空中でウエ
ハの裏面加工を行う場合には、バリアシート4を剥離した後、真空中での加工処理を行う。
次に本発明に係る半導体用保護シートまたは半導体加工用シートを用いて、ウエハ回路面を保護しつつ、裏面(回路が形成されていない面)を真空中で加工する方法について説明する。
まず、本発明に係る半導体用保護シートまたは半導体加工用シートの粘着剤層形成面に、半導体ウエハの回路面側を貼付する。この際、バリアシートが仮着されている半導体加工用シートを用いる場合には、ウエハへの貼付の前または後にバリアシートを剥離する。半導体用保護シートまたは半導体加工用シートの貼付は、通常使用されているウエハ用のシート貼付装置を用いて行われる。この際、半導体ウエハの回路面にバンプが形成されている場合には、バンプ近傍においては、粘着剤層が密着せずにウエハと粘着剤層との間に空気溜まりが生じることがある。また、本発明に係る第2の半導体用保護シート2を用いた場合には、半導体ウエハと基材とは密着しないので、ウエハ表面と基材との間に必然的に空隙が生じる。この空隙も、空気溜まりと同様に内外圧差により膨張を引き起こす要因となる。したがって、本明細書では、この空隙も空気溜まりとして扱う。
ついで、半導体用保護シートと半導体ウエハとの積層体を真空チャンバー内に導入し、チャンバーを減圧する。チャンバー内の圧力が低下するにしたがって、空気溜まりの圧力(内圧)と、チャンバー内の圧力(外圧)との差により、空気溜まりが膨張することがあるが、本発明の半導体用保護シートでは、貫通孔3が設けられているため、空気溜まりのエアが貫通孔3を通して抜き出される。このため、内圧と外圧との差がなくなり、空気溜まりが膨張することなく、チャンバー内の圧力を低下させることができる。
その後、減圧されたチャンバー内で、半導体ウエハの露出面(回路が形成されていない面)に加工を施す。ウエハの露出面に施される処理は様々であり、真空中で行われるものであれば特に限定はない。
このような処理としては、たとえばウエハ裏面のプラズマエッチングがあげられる。ウエハの薄厚化は、通常は機械研削により行われる。機械研削によれば、効率的にウエハを削れるため、短時間でウエハの厚みを薄くできる。しかし、砥石などにより研削痕(破砕層)が不可避的に生じる。このような研削痕は、ウエハやチップの抗折強度の低下やクラックの発生原因となる。したがってプラズマエッチングにより上記のような研削痕を除去することが検討されている。プラズマエッチングは、高真空下(1.3Pa〜1.3×10-2Pa[10-2 torr〜10-4torr])において、SF6などのエッチングガスを裏面に噴霧することで行われる。このようなプラズマエッチングによれば、ウエハに機械的負荷をかけることなく、研削痕を除去して抗折強度を向上させ、100μm以下の極薄ウエハが効率よく得られる。上
記したような、本発明に係る半導体用保護シートにおいては貫通孔を設けてあるため、高真空下においても、空気溜まりの内外の圧力差がなく、ウエハの破損を防止できる。このため、上述したプラズマエッチングを確実に実施できる。また、ウエハが変形すれば粘着剤がウエハから剥離し、剥離した粘着面にエッチングガスが作用して粘着剤を変質させ、糊残りを発生させるが、本発明の半導体用保護シートを用いれば、ウエハが変形することがなく糊残りも防止できる。
また、半導体用保護シートにバリアシートが仮着されている半導体加工用シートを用いる場合には、上記の機械研削による裏面研削と、真空下での裏面加工を連続して行うことができる。
すなわち、非透水性のバリアシート4が仮着された半導体加工用シートの状態で、半導
体用保護シート側の粘着剤層形成面に、半導体ウエハの回路面側を貼付し、半導体ウエハの露出面側を研削する。ウエハの裏面研削は、グラインダーを用いて行われ、この際、切削屑や切削時の摩擦熱を除去するため、水を噴霧しながら研削を行う。バリアシートが仮着されていない半導体用保護シートのままでウエハの回路面を保護しつつ裏面研削を行うと、貫通孔を通して、水や切削屑がウエハの回路面側に浸入し、回路に損傷を与えることがある。しかし、バリアシートで貫通孔を塞ぐことにより、水や切削屑がウエハの回路面側に浸入することを防止でき、回路を確実に保護できるようになる。
その後、バリアシートを剥離して半導体用保護シートの状態とし、前述と同様にして、真空下での裏面加工を行う。このようなプロセスによれば、裏面研削と、真空下での裏面加工を連続して行うことができ、プロセスの簡略化が可能になる。
真空下での裏面加工後に行う処理は特に限定はされないが、通常は、半導体用保護シートを剥離後、ダイシングなどの公知の手法により半導体チップを得て、半導体装置の製造を行う。なお、粘着剤層12を紫外線硬化型粘着剤で形成した場合には、半導体用保護シートの剥離に先立ち、粘着剤層12を紫外線硬化させて接着力を低減しておくことで、半導体用保護シートの剥離が容易になる。
本発明に係る半導体用保護シートによれば、半導体ウエハに保護シートを貼付する際に空気溜まりが発生しても、真空下における空気溜まりの膨張によるウエハの破損を防止できる。このため、真空下におけるウエハ加工を安定かつ安全に行えるようになる。
(実施例)
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1)
下記の粘着剤Aの配合物を剥離フィルム(リンテック社製、SP-PET3801)に乾燥膜厚が55μmとなるように塗布乾燥(100℃、2分間)し、剥離フィルム上に55μmの粘着剤Aの層を形成した。別途、下記の配合及び製法による基材フィルムを準備した。該基材フィルムの片面に積層されたポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離しながら、同面に、前記剥離フィルム上に形成された粘着剤Aの塗布面を積層した。次いで、剥離フィルムを剥離しながら粘着剤Aの塗布面を露出させ、同面に、前記剥離フィルム上に形成された粘着剤Aの塗布面を再度積層し、粘着剤Aの層厚が110μmになるようにした。
さらに、粘着剤Bの配合物を剥離フィルム(SP-PET3801)に乾燥膜厚が40μmとなるように塗布乾燥(100℃、2分間)し、剥離フィルム上40μmの粘着剤Bの層を形成した。前記
積層された粘着剤Aの層上の剥離フィルムを剥離しながら、同面に前記剥離フィルム上に
形成された粘着剤Bの塗布面を積層した。これにより、粘着剤層の総厚が150μm、全層の厚さが310μmのエネルギー線硬化性の粘着シートを用意した。
続いて、炭酸ガスレーザー加工装置(松下電器製、YB-HCS03T04、波長10.6μm)を用いて前記粘着テープの粘着剤面側からレーザーを入射し、粘着剤面の穿孔径70μm、基材面の穿孔径40μm、ピッチ2mmとなるように貫通孔を形成した半導体用保護シートを作
成した。この半導体用保護シートの貫通孔1個あたりの透気度は2.5x103秒であった。
片面に、高さ100μm、直径120μmのはんだバンプをピッチ200μmに形成した未研磨のシリコンウエハ(直径8インチ)を用意し、バンプ形成面とは反対面を研削し、バンプを除く厚さを100μmとした。該ウエハのバンプ面に対し、剥離フィルムを除
去しながら上記で作成した半導体用保護シートを貼付し、ウエハ外周に沿って切断した。
プラズマエッチング装置(ASYNTIS社製、Silicon Star 8M)のテーブル上に、半導体用保護シート付きのウエハを半導体用保護シート面が当接するように載置した。プラズマエッチング装置の処理室を密封し、ロータリーポンプで常圧から1Paまで1分かけて減圧したところ、ウエハに異常は見られなかった。
紫外線照射装置(リンテック社製、RAD2000m/8、照度220mW/cm2、光量160mJ/cm2
)により紫外線を照射して粘着剤層Bを硬化させ、半導体用保護シートを剥離した。ウエ
ハのバンプ面を顕微鏡で観察したが糊残り等の異物は見られなかった。
(基材フィルム)
ウレタンアクリレート樹脂(UV-3510TL、日本合成化学工業社製)70重量部と、イソ
ボルニルアクリレート25重量部と、フェニルヒドロキシプロピルアクリレート25重量部と、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、チバ・ガイギー社製)5.0重量部と、フタロシアニン系顔料0.2重量部とを配合してエネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、ファウンテンダイ方式により、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム;東洋紡績社製、東洋紡エステルTMフィルムE5000:厚み38μm)の上に製膜後の厚みが160μmとなるように塗工、乾燥して樹脂組成物層を形成した。塗工直後に、樹脂組成物層の上にさらに同じPETフィルムをラミネートし、その後、高圧水銀ランプ(160W/cm、高さ10cm)を用いて、光量250mJ/cm2 の条件でエネルギー線(紫外線)照射を行うことにより樹脂組成物層を架橋・硬化させて、厚さ160μmの基材フィルムを得た。
(粘着剤A)
2-エチルヘキシルアクリレート69.8重量部、酢酸ビニル28.4重量部およびアクリル酸1.8重量部からなる重量平均分子量600,000の共重合体の30%トルエン溶液100重量部に対し架橋剤としてアルミキレート化合物(綜研化学社製、M-5A)1重量部を配合した粘着剤組成
物を得た。
(粘着剤B)
2-エチルヘキシルアクリレート80重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート20重量部からなる共重合体(重量平均分子量600,000)の水酸基に対し、メタクリロイルオキシエチ
ルイソシアネートを0.8当量反応させて得られた共重合体の35%トルエン溶液100重量部に
対し、架橋剤として多価イソシアネート化合物(東洋インキ製造製、オリバインBHS8515
)1重量部を配合したエネルギー線硬化性の粘着剤組成物を得た。
参考例2)
非透水性のバリアシートとして、基材がポリオレフィンのフィルムであり再剥離性の粘着剤層が設けられている粘着シート(リンテック社製、Adwill P-1600B)を用意した。この非透水性バリアシートの粘着剤層を、参考例1の半導体用保護シートの基材面に積層し、これを半導体加工用シートとした。
片面に、高さ100μm、直径120μmのはんだバンプをピッチ200μmに形成した未研磨のシリコンウエハ(直径8インチ)のバンプ面に対し、剥離フィルムを除去しながら上記で作成した半導体加工用シートを貼付し、ウエハ外周に沿って切断した。
ウエハ研磨装置(ディスコ社製、DFG-840)を用いて、該ウエハのバンプ形成面とは反
対面を研削し、バンプを除くウエハの厚さが100μmとなるよう研削した。その後、ウエハのバンプ面に半導体用保護シートが残るように非透水性のバリアシートを剥離した。
次に、プラズマエッチング装置(Silicon Star 8M)のテーブル上に、半導体用保護シ
ート付きのウエハを保護シート面が当接するように載置した。プラズマエッチング装置の処理室を密封し、ロータリーポンプで常圧から1Paまで1分かけて減圧したところ、ウエハに異常は見られなかった。続いて、紫外線照射装置(RAD2000m/8、照度220mW/cm2
、光量160mJ/cm2)により紫外線を照射して半導体用保護シートの粘着剤層Bを硬化させ
、保護シートを剥離した。ウエハのバンプ面を顕微鏡で観察したが糊残り等の異物は見られなかった。
参考例3)
参考例1の粘着シートの粘着剤Bに代えて下記の粘着剤C(乾燥塗布厚10μm)を使用した再剥離性の粘着シートを作成した。
続いて、炭酸ガスレーザー加工装置(YB-HCS03T04)を用いて前記粘着テープの粘着剤
面側からレーザーを入射し、粘着剤面の穿孔径70μm、基材面の穿孔径40μm、ピッチ
1mmとなるように貫通孔を形成した半導体用保護シートを作成した。この半導体用保護シートの貫通孔1個あたりの透気度は2.5x103秒であった。
非透水性のバリアシートとして、基材がポリエチレンテレフタレートフィルムのエネルギー線硬化型の粘着シート(リンテック社製、Adwill D-203)を用意した。このバリアシートの粘着剤層を、前記の半導体用保護シートの基材面に積層し、これを半導体加工用シートとした。
片面に、高さ50μm、直径50μmのはんだバンプをピッチ150μmに形成した未研磨の
シリコンウエハ(直径8インチ)のバンプ面に対し、剥離フィルムを除去しながら上記で作成した半導体用保護シートを貼付し、ウエハ外周に沿って切断した。
該ウエハのバンプ形成面とは反対面をウエハ研磨装置(ディスコ社製、DFG-840)を用
いて研削し、バンプを除くウエハの厚さが100μmとなるよう研削した。その後、紫外線照射装置(RAD2000m/8、照度220mW/cm2、光量160mJ/cm2)により紫外線を照射し
てバリアシートの粘着剤層を硬化させ、ウエハのバンプ面に半導体用保護シートが残るように非透水性のバリアシートを剥離した。
次に、プラズマエッチング装置(Silicon Star 8M)のテーブル上に、半導体用保護シ
ート付きのウエハを保護シート面が当接するように載置した。プラズマエッチング装置の処理室を密封し、ロータリーポンプで常圧から1Paまで1分かけて減圧したところ、ウエハに異常は見られなかった。続いて、半導体用保護シートを剥離し、ウエハのバンプ面を顕微鏡で観察したが糊残り等の異物は見られなかった。
(粘着剤C)
2-エチルヘキシルアクリレート59.5重量部、酢酸ビニル30重量部、アクリル酸0.5部、2-ヒドロキシエチルアクリレート10重量部からなる重量平均分子量600,000の共重合体40%
トルエン溶液100重量部に対し、架橋剤として多価イソシアネート化合物(東洋インキ製
造製、オリバインBHS8515)6重量部を配合し粘着剤組成物を得た。
(実施例4)
アクリル酸ブチル91重量部およびアクリル酸9重量部からなる重量平均分子量600,000の共重合体35%トルエン溶液100重量部に対し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(日本化薬社製、カラヤッドDPHA MAX-3510)60%トルエン溶液70重量部、多価イソシアネート化合物(東洋インキ製造製、オリバインBHS8515)10重量部を混合し、エネ
ルギー線硬化型粘着剤組成物を得た。これを易接着性のPETフィルム(東洋紡績社製、コ
スモシャインTM A4300:50μm)上に乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布し、剥離フィルム(SP-PET3801)を積層した。続いての別の剥離フィルム(SP-PET3801)に、アクリル系強接着型の粘着剤組成物(粘着剤A)を乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布し、PETフィルムの反対面に積層し両面粘着シートを作成した。
この両面粘着シートを内径190mmの円形に打ち抜き、中心部を除去した。その後、剥離フィルムを除去して露出させたアクリル系強接着型の粘着剤面を、参考例1で使用した基材フィルムに貼付し粘着シートを作成した。さらに除去した円形と同心円状に外径200mmに打ち抜きして、図2A、図2Bに示す基材の片面外周部にのみに粘着剤層を有しその内側が開口部となるエネルギー線硬化型の粘着シートを作成した。
続いて、炭酸ガスレーザー加工装置(YB-HCS03T04)を用いて前記粘着テープの粘着剤
面側からレーザーを入射し、粘着剤面の穿孔径70μm、基材面の穿孔径40μm、ピッチ
50mmとなるように貫通孔を形成した半導体用保護シートを作成した。この半導体用保護シートの貫通孔1個あたりの透気度は2.5x103秒であった。
片面に、高さ100μm、直径120μmのはんだバンプをピッチ200μmに形成した未研磨のシリコンウエハ(直径8インチ)を用意し、バンプ形成面とは反対面を研削し、バンプを除く厚さを100μmとした。該ウエハのバンプ面に対し、剥離フィルムを除去しながら上記で作成した半導体用保護シートをウエハ外周にあわせて貼付した。
次に、プラズマエッチング装置(Silicon Star 8M)のテーブル上に、半導体用保護シ
ート付きのウエハを半導体用保護シート面が当接するように載置した。プラズマエッチング装置の処理室を密封し、ロータリーポンプで常圧から1Paまで1分かけて減圧したところ、ウエハに異常は見られなかった。続いて、紫外線照射装置(RAD2000m/8、照度220mW/cm2、光量160mJ/cm2)により紫外線を照射してエネルギー線硬化性の粘着剤層を硬
化させ、半導体用保護シートを剥離した。バンプ面を顕微鏡で観察したが異常は見られなかった。
(比較例1)
参考例1において、半導体用保護シートに対し貫通孔を設けない粘着シートを使用した以外は、参考例1と同様にして実験した。
プラズマエッチング装置(Silicon Star 8M)のテーブル上に、粘着シート付きのウエ
ハを粘着シート面が当接するように載置した。プラズマエッチング装置の処理室を密封し、ロータリーポンプで常圧から1Paまで1分かけて減圧したところ、ウエハが反った。処理室を常圧に戻しウエハを観察したところ、割れが発生していた。また、粘着シートを剥離してウエハのバンプ面を観察したところウエハ周辺部の一部に糊残りが見られた。
参考例5)
前記粘着剤Aの配合物を剥離フィルム(リンテック社製、SP-PET3801)に乾燥膜厚が55μmとなるように塗布乾燥(100℃、2分間)し、下記の配合及び製法による基材フィルムの片面に積層された一方の工程フィルムを剥離しながら、同面に前記剥離フィルム上に形成された粘着剤Aの塗布面を積層した。これをもう一度繰り返して粘着剤Aの層厚が110μmになるようにした。さらに、粘着剤Bの配合物を剥離フィルム(SP-PET3801)に乾燥膜厚が40μmとなるように塗布乾燥(100℃、2分間)し、粘着剤Aの層上の剥離フィルムを剥離しながら、同面に粘着剤Bの塗布面を積層した。これにより、粘着剤層の総厚が150μm、全層の厚さが310μmのエネルギー線硬化性の粘着シートを用意した。
続いて、炭酸ガスレーザー加工装置(松下電器製、YB-HCS03T04、波長10.6μm)を用いて前記粘着テープの粘着剤面側からレーザーを入射し、粘着剤面の穿孔径70μm、基材面の穿孔径40μm、ピッチ2mm、剥離しなかった工程フィルム(以後「バリアシート」
)への孔の深さは10μmとなるように貫通孔を形成した半導体用保護シートを作成した。
この半導体用保護シート(バリアシートを剥離した状態)の貫通孔1個あたりの透気度は2.5x103秒であった。
片面に、高さ100μm、直径120μmのはんだバンプをピッチ200μmに形成した未研磨のシリコンウエハ(直径8インチ)を用意し、バンプ形成面とは反対面を研削し、バンプを除く厚さを100μmとした。該ウエハのバンプ面に対し、剥離フィルムを除去しながら上記で作成した半導体用保護シートを貼付し、ウエハ外周に沿って切断した。
該ウエハのバンプ形成面とは反対面をウエハ研磨装置(ディスコ社製、DFG-840)を用
いて研削し、バンプを除くウエハの厚さが100μmとなるよう研削した。その後、ウエハのバンプ面に半導体用保護シートが残るようにバリアシートを剥離した。
プラズマエッチング装置(ASYNTIS社製、Silicon Star 8M)のテーブル上に、半導体用保護シート付きのウエハを半導体用保護シート面が当接するように載置した。プラズマエッチング装置の処理室を密封し、ロータリーポンプで常圧から1Paまで1分かけて減圧したところ、ウエハに異常は見られなかった。
紫外線照射装置(リンテック社製、RAD2000m/8、照度220mW/cm2、光量160mJ/cm2
)により紫外線を照射して粘着剤層Bを硬化させ、半導体用保護シートを剥離した。ウエ
ハのバンプ面を顕微鏡で観察したが糊残り等の異物は見られなかった。
(基材フィルム)
ウレタンアクリレート樹脂(UV-3510TL、日本合成化学工業社製)50重量部と、イソ
ボルニルアクリレート25重量部と、フェニルヒドロキシプロピルアクリレート25重量部と、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、チバ・ガイギー社製)2.0重量部と、フタロシアニン系顔料0.2重量部とを配合してエネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、ファウンテンダイ方式により、工程フィルム(PETフィルム;
東洋紡績社製、東洋紡エステルTMフィルムE5000:厚み38μm)の上に製膜後の厚みが
160μmとなるように塗工して樹脂組成物層を形成した。塗工直後に、樹脂組成物層の上にさらに同じ工程フィルム(PETフィルム)をラミネートし、その後、高圧水銀ランプ(160W/cm、高さ10cm)を用いて、光量250mJ/cm2 の条件でエネルギー線(紫外線)照射を行うことにより樹脂組成物層を架橋・硬化させて、厚さ160μmの基材フィルムを得た。
Figure 0005063026
本発明に係る第1の半導体加工用シートの斜視図である。 図1-Aの断面図である。 本発明に係る第2の半導体加工用シートの斜視図である。 図2-Aの断面図である。
符号の説明
1…第1の半導体用保護シート
2…第2の半導体用保護シート
3…貫通孔
4…バリアシート
5…第1の半導体加工用シート
6…第2の半導体加工用シート
11…基材
12…粘着剤層
13…開口部

Claims (5)

  1. 基材と、その片面の外周部にのみ形成された粘着剤層とからなり、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が形成されてなる半導体ウエハ用保護シートの基材の粘着剤層が形成されていない面に、非透水性のバリアシートが剥離可能に積層されてなる半導体ウエハ加工用シートであって、
    前記半導体ウエハ加工が、前記半導体ウエハ加工用シートの粘着剤層形成面に半導体ウエハの回路面側を貼付して行われる半導体ウエハ裏面の機械研削およびその後に前記半導体ウエハ加工用シートからバリアシートを剥離して行われる真空下での半導体ウエハ裏面の加工である半導体ウエハ加工用シート。
  2. 貫通孔の孔径が1〜500μmである請求項1に記載の半導体ウエハ加工用シート。
  3. 貫通孔1個の透気度(JIS P8117「ガーレー試験法」に準ずる)が10〜5×103秒である請求項1または2に記載の半導体ウエハ加工用シート。
  4. 半導体ウエハ用保護シートの粘着剤層形成面に、半導体ウエハの回路面側を貼付し、
    半導体ウエハ用保護シートと半導体ウエハとの積層体を真空チャンバー内に導入し、チャンバーを減圧し、
    減圧にされたチャンバー内で、半導体ウエハの露出面に加工を施す工程を含み、
    前記半導体ウエハ用保護シートが、基材と、その片面の外周部にのみ形成された粘着剤層とからなり、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が形成されてなる半導体ウエハ用保護シートである
    半導体ウエハの加工方法。
  5. 半導体ウエハ加工用シートの粘着剤層形成面に、半導体ウエハの回路面側を貼付し、
    半導体ウエハの露出面側を研削し、
    バリアシートを剥離し、
    半導体ウエハ用保護シートと半導体ウエハとの積層体を真空チャンバー内に導入し、チャンバーを減圧し、
    減圧にされたチャンバー内で、半導体ウエハの露出面に加工を施す工程を含み、
    前記半導体ウエハ加工用シートが、基材と、その片面の外周部にのみ形成された粘着剤層とからなり、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が形成されてなる半導体ウエハ用保護シートの基材の粘着剤層が形成されていない面に、非透水性のバリアシートが剥離可能に積層されてなる半導体ウエハ加工用シートである
    半導体ウエハの加工方法。
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