JP5062742B2 - 吻合補助器具 - Google Patents

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Description

本発明は、吻合補助器具に関し、特に実質臓器内の細径管と消化管等の管腔臓器とを吻合するような場合に適用される吻合補助器具に関する。
消化器外科の臨床において、肝臓、膵臓などの実質臓器に埋もれた管、すなわち肝内胆管や膵管と消化管等の管腔臓器とを吻合することが多くある。これら実質臓器内に埋もれた3〜4mm程度の細径管や1〜2mm程度の極細径管と消化管とを吻合するためには、現状では外科医が針糸を持針器で把持し、(極)細径管と消化管とを一針一針丁寧に縫合しなければならない。なお、細径管と極細径管とは内腔の径により分けて示されることがあるが、以下では特に断らない限りにおいて、両者を含めて「細径管」として説明する。
図9は、実質臓器の細径管と消化管との吻合を行う場合を例示し、実質臓器としての膵臓内には膵管が埋もれた状態であり、膵管の奥側は行き止まりになっており、膵臓の手前側断面において膵管が開いている。この開いている側の膵管と消化管とを吻合して、連通する形態にするには、断面で示した図9(b)のように、吻合予定の消化管の位置に小口を開口させ、膵臓の手前側断面において、膵管を貫通するように糸を通し、膵管と消化管の小口とが連通するように位置を合わせ、糸を消化管に通して縫合を行う。
このような細径管と消化管との吻合手技は、特に細径管の細さのみならず、細径管が実質臓器内に埋もれているために、十分な術野の展開が難しいなどの問題もあり、拡大鏡や手術用顕微鏡を用いても困難さが回避されることはない。実際、実質臓器内に埋もれた細径管と消化管の吻合を行うためには、解剖学的な制限がある中で、でき得る限り術野を展開して組織非損傷性となるように縫合糸を接合した公知の縫合糸付き曲針(例えば、直径0.1mm、長さ13mm、1/2circle強弯のもの)を持針器で把持し、針の弯曲に沿って所望の位置に運針を行うわけであるが、細径管および周囲の実質臓器を損傷することなく、正確に曲針の運針を行うには、相当の技術を必要とし、時間もかかり、外科医にとってきわめて熟練を要するものである。
吻合補助器具について、特許文献1に示されるものがある。これは外科医に高度な訓練を必要としない外科用吻合意図ガイドであり、針の通過を許容するためのスリット構造を硬性金属内に形成し運針を誘導するものである。この吻合補助器具は泌尿器領域における尿道胞嚢吻合を容易にすることを意図したものであり、外尿道口から硬性金属を挿入し周囲組織から吻合すべき細径管が突出している管における再建での使用が想定されている。しかしながら、この吻合補助器具は細径管内に容易に挿入できるようなものではなく、泌尿器領域のように可動性において自由度が高く、内径の太い外尿道口から逆行性に吻合器具を吻合箇所となる位置に配置することが可能な場合には適用されるものであるが、可動性において自由度の低い実質臓器内の細径管内腔に設置することができるものではなく、細径管および周囲の実質組織に損傷を与えることなく吻合に必要な縫合糸を確実に所望の位置に配置させることはできないものであった。
特開平4−263846号公報
従来用いられている吻合補助器具は、一端が行き止まりになっている実質臓器内の細径管と消化管等の管腔臓器とを吻合するというような状況で細径管の内腔に確実に挿入し吻合に必要な縫合糸を所望の位置に確実に配置するのに適合せず、細径管および周囲の実質組織に損傷を与えることなく、吻合の作業をより合理化することができる吻合補助器具が求められていた。
本発明は前述した課題を解決すべくなしたものであり、本発明による吻合補助器具は、1対の略直線状の分枝片を有する支桿部であって、該支桿部のそれぞれの分枝片が鋭角的な略V字状、略U字状ないし略X字状をなすように並置され、それぞれの分枝片の先端側が通常開いた状態にあり両分枝片を側方から押圧して前記それぞれの分枝片の先端側が閉じた状態になる際にこれに抗する弾性力が作用するように前記1対の分枝片を連結した支桿部と、前記支桿部の1対の分枝片のそれぞれの先端に渡されるように接続された細い線状の可撓性部材とを組み合わせてなり、前記支桿部の1対の分枝片が開いた通常の状態で該1対の分枝片及び伸張した前記細い線状の可撓製部材がループ形状をなし、両分枝片を側方から押圧することにより両分枝片の先端側が閉じた状態になり前記細い線状の可撓性部材が屈撓するようにしたものである。
前記支桿部が1対の弾性材料からなる分枝片の後端側を連結して鋭角をなす略V字状または略U字状となるようにしたものであり、前記支桿部の後端側に筒形の把持部を被覆して設け、前記支桿部の1対の分枝片を側方から押圧し該分枝片が開くのを規制するように取り囲む前側の環状部材と前記把持部を取り囲む後側の環状部材とを縦方向の連結部材により連結してなる押圧操作部材を前記支桿部の縦方向に摺動可能に取り付けてもよい。
前記支桿部が1対の剛性の大きい材料からなる分枝片を略X字状に交叉させ、該交叉させた位置において両分枝片が回動可能となるように支持し、前記挿入部が接続されるのと反対側の前記支桿部の1対の分枝片の端部において両分枝片が閉じる方向に移動するのに抗するばねを取り付けてなるようにしてもよい。
前記支桿部の1対の分枝片の交叉させた位置より先方の位置で該1対の分枝片を側方から押圧し該分枝片が開くのを規制するように取り囲む前側の環状部材と前記1対の分枝片の交叉させた位置より後方の位置で一方の分枝片を取り囲む後側の環状部材と縦方向の連結部材により連結してなる押圧操作部材を前記支桿部の縦方向に摺動可能に取り付けてもよい。
本発明においては、吻合補助器具を閉じて直線状になった状態で実質臓器の細径管内に挿入し、若干開いてループ状にし、支桿部によって細径管を十分に拡張させた状態においてこのループ状部分に針糸を通した後に吻合補助器具をこれに係留される糸ともに実質臓器内から引き出すようにできるので、運針が容易になり、1回の運針に対して2回分と同等の結果が得られ、どのような細径管でも安全にしかも確実に吻合補助器具を挿入することができるとともに、吻合位置とは別の箇所において実質臓器に切開孔を形成する等の損傷を与えることはなく、吻合部縫合不全の発生率を激減させられるものである。
本発明による吻合補助器具の好ましい形態について説明する。図1(a),(b)は本発明による吻合補助器具の1つの形態を示しており、図1(c)は若干形状を変えたものを示している。図1(a)の吻合補助器具1は細い可撓性の線状部材2、支桿部3からなる。先端側の細い可撓性の線状部材2は0.3〜1mm程度の屈撓し易い金属材または合成樹脂からなり、支桿部の1対の分枝片のそれぞれの先端に渡されるように接続されている。支桿部3は1対の弾性を有する金属等の分枝片3―1,3−2からなり、後端部3−3において重ねられてピンセットのように一体的に固着されており、通常の状態で先端が開いて鋭角的な略V字状になっている。また、支桿部3の分枝片3―1,3−2の先端側は細径管内に入り込むことができるように細くなっている。細い可撓性の線状部材2は図1(a)のように支桿部3の先端側が開いた状態で伸張し、1対の分枝片3−1,3−2と伸張した細い線状の可撓製部材2とがループ形状をなす。また、図1(b)のように支桿部3の先端側が閉じた状態で可撓性部材2は屈撓している。細い線状の可撓性部材2は吻合糸を係留して細径管内から引き出す際に切断しない強度を有し、外れないように1対の分枝片3−1,3−2の先端に接合されている。
図1(c)は支桿部3を略U字状にしたものであり、金属等の弾性を有する材料で分枝片3−1,3−2とそれらを連結する後端部3−3とが一体的に形成され、形状的にはヘアピンの先端側を開いたようになっている。分枝片3−1,3−2の先端側が細くなっていること、細い線状の可撓性部材が支桿部の1対の分枝片のそれぞれの先端に渡されるように接続されていることは図1(a)の場合と同様である。
図1(a)〜(c)に示す吻合補助器具では支桿部3の後端側を把持することになるが、この部分に把持部を取り付けたものとしてもよい。
図2(a),(b)は、他の形態の吻合補助器具を示しており、この吻合補助器具1は挿入部2、支桿部3、把持部4からなる。先端側の挿入部2は0.5〜1mm程度の細い可撓性の線状部材からなり、1対の部分2−1及び2−2が先端側となる箇所Aにおいて折曲され逆V字状にしたものである。挿入部2は細径管内に挿入される部分であって、合成樹脂、金属等の細い可撓性材質からなり、図2(a)のように開いた状態から図2(b)のように閉じ状態に変形可能であるが、図2(b)のように閉じて直線状になった状態で挿入する際に屈撓しない程度の剛性を有する材質のものとする。また、挿入部2の材料は細径管内において係留された糸を引き出す際に破断しない強度のものとし、支桿部3から外れないように接合される。さらに、挿入先端となる折曲の箇所Aは鋭利にならずに若干丸みをもつ形状とするのがよい。
支桿部3は1対の弾性を有する分枝片3―1,3−2からなり、後端部3−3において重ねられて一体的に固着されている。支桿部3は通常の状態で図2(a)のように先端側が開いており、分枝片3−1,3−2の先端側においてそれぞれ挿入部2の部分2−1,2−2の後端側が接合されている。支桿部3の分枝片3―1,3−2の先端側は挿入部2に続いて細径管内に入り込むことにもなるので、挿入部2から支桿部3には滑らかな形状となって接合される必要があり、このため分枝片3−1および3−2の形状は、先端側において連続する挿入部2の部分2−1,2−2と同等の太さであり、後端側に向かって漸次幅が大きくなるような鋭角的な略V字形状(ピンセット状の形状)とするのがよい。あるいは分枝片3−1と分枝片3−2とが丸みをもった部分で一体的に連結された一体的な略U字形状となるように形成してもよい。これに対し、支桿部の先端側に接合される挿入部2は略逆V字状の形状になっている。
支桿部3と挿入部2とは別個のものとして接続部が滑らかになるように一体的に取り付けるようにしてもよく、また、開いた状態と閉じた状態とに変形可能で挿入の際に曲がったりしないという条件を満たすように均質材料で一体的に形成してもよい。支桿部3の分枝部3−1と3−2とが重ねられた後端部は筒形鞘状の把持部4(図において断面で示してある)内に収容されるようにするのがよい。
図2(a)の状態から、支桿部3の分枝片3−1,3−2の中間の部分Bの両側から指で押圧することにより、図2(b)のように分枝部3−1,3−2が閉じ、それとともに挿入部2の部分2−1,2−2も閉じた状態になる。このように支桿部3および挿入部2のなす形状が閉じて略直線状になった状態で吻合補助器具1を細径管内に挿入することになる。
支桿部3は通常は略V字状ないし略U字状に先端側が開いた状態にあって閉じる方向の押圧に抗するように弾性力が作用するように後側で連結されているものであり、弾性を有する材料で分枝部3−1,3−2を形成してもよく、あるいは剛性の材料で形成して把持部から分枝部3−1,3−2が広がる位置をヒンジ構造にし、中間部分Bの内側において圧縮ばねを取り付ける形態としてもよい。また、支桿部3と挿入部2とは別個の材料で形成し、一体に接合するようにしてもよいが、例えば弾性を有する合成樹脂材により一体的なものとして形成してもよい。
図3(a),(b)は図2に示すものに対し、押圧操作部5を付加したものであり、これによる操作上の面から把持部4を斜め後方に延長したことのほかは図2に示すものと同様であり、ここでも把持部4は断面で示してある。押圧操作部5は把持部4の周囲を取り巻き把持部4の縦方向に摺動可能な環状部5−1と支桿部3の開かない部分の周囲を取り巻き支桿部3に沿って摺動可能な環状部5−2と、環状部5−1と環状部5−2とを縦方向に連結するとともに後方に延長された部分を有する連結部5−3と、連結部5−3の後端側における屈曲部5−4とからなる。押圧操作部5は図3(a)のように支桿部3−1,3−2が開いた状態の吻合補助器具1で把持部4を把持し屈曲部5−4を親指等で縦方向に押圧することにより環状部5−2が前進して支桿部3の分枝片3−1,3−2を閉じるようにすることができる。そのため、押圧操作部5はある程度剛性を有する金属、硬質の合成樹脂等により形成するのがよい。
図4(a)〜(c)は他の形態の吻合補助器具を示している。図4(a)に示される吻合補助器具1において、先端側の箇所Aにおいて折曲された部分2−1,2−2からなる挿入部2は図1の場合と同様であるが、支桿部3の分枝片3−1,3−2は交叉しており、交叉の位置において環状体6で支持されている。環状体6は図4(a)の開いた状態と図4(b)の閉じた状態との間で分枝片が交叉位置において小角度回動できるように分枝片3−1,3−2を支持するものであり、環状の針金、あるいは柔軟性を有するゴム、合成樹脂等の材質で形成される。あるいは、分枝片の交叉する位置の部分を太めに形成し、この部分を貫通するピンで枢支してもよい。
支桿部3の分枝片3−1,3−2の後端側の部分Cは把持部となり、分枝片3−1,3−2の後端部の内側に圧縮ばね7が取り付けられている。把持部Cを把持し圧縮ばね7の力に抗して分枝片3−1,3−2を側方から押圧することにより、図4(b)のように吻合補助器具が閉じた状態になる。
図4(c)は押圧操作部5を付設した場合を示している。この図で押圧操作部5は支桿部3の一方の分枝片3−1の後端側の周囲を取り巻き縦方向に摺動可能な環状部5−1と、分枝片の交叉位置近くの部分の周囲を取り巻き支桿部3に沿って摺動可能な環状部5−2と、環状部5−1と環状部5−2とを縦方向に連結するとともに後方に延長された部分を有する連結部5−3と、連結部5−3の後端側における屈曲部5−4とからなる。この形態の吻合補助器具において、支桿部3の後端側の把持部Cの位置で把持し押圧することにより閉じた状態を保持することができるが、それとともに押圧操作部5を前進させておくことにより、把持部Cでの押圧作用が緩んだ場合にも吻合補助器具1を閉じた状態に保持しておくことができる。
本発明による吻合補助器具を用いて、実質臓器内の細径管と消化管との吻合を行う際の手順について以下説明する。
図2に示す形態の吻合補助器具を用いる場合、把持部を把持して支桿部の分枝片3−1,3−2の中間部分Bを両側から押圧し図2(b)のように閉じた状態にしておく。図1の形態のものでも同様であり、図4の形態のものでは吻合補助器具の後端側を押圧して閉じた状態にする。図3のあるいは図4(c)の形態のものでは、押圧操作部5を前方にスライドさせることにより閉じた状態にして保持することができる。
図5(a)は閉じて略直線状になっている状態の図2の形態の吻合補助器具1を実質臓器Fの断端面側に挿入する前の状態であり、図5(b)は閉じた状態の吻合補助器具1の先端側の挿入部2を実質臓器Fの断端面Sの細径管内に挿入していき挿入部2を含めてある程度挿入された段階で停止し、支桿部の分枝片3−1,3−2の中間部の押圧力を緩めることにより支桿部の弾性力により復元して若干開きループ状になった状態を示している。このループ形状の横方向の幅が太くなり過ぎて細径管に過度の力が作用しないように支桿部の分枝片3−1,3−2の中間部分Bの押圧力を加減する。図3、図4(c)の形態の吻合補助器具の場合には、押圧操作部5をある程度後方にスライドさせておけばよい。図5(b)のように支桿部3の分枝片3−1,3−2を若干開いた状態にすることにより、細径管が分枝片により十分に拡張させられ、この状態でループ状部分に針糸を通すという形で運針が容易になる。
図6(a)〜(d)は、このように吻合補助器具1がある程度開いて細長いループ状になった状態で縫合用針糸を確実に所望の位置に配列させるために細径管に通していく過程を示している。
図6(a)は、糸Yの付いた曲針Nを刺入していく段階を示しており、曲針Nは、実質臓器組織内を滑らかに運針できるようにするため、一定の曲率をもって略円弧状に曲がった針とするのがよい。吻合補助器具1の後端側を把持しながら、曲針Nを持針器Gで把持して、図6(b)のように実質臓器Fの断端面Sに刺入し、曲針の曲率にしたがって細径管内腔に進めていく。その際、曲針Nが実質臓器組織を経て、吻合補助器具1先端側の層入部2のループ形状部分を通過し、さらに実質臓器組織を経て断端面Sから出てくる経路を想定して、所望の刺入する断端面Sの位置、角度となるように刺入していく。
曲針Nは吻合補助器具を貫通し、180度反対側の細径管内腔を通過し、そこから実質臓器組織の断端面Sに向かって刺入点とは反対側の細径管内壁ならびに実質臓器組織内を通過していく。図6(c)のように、吻合補助器具1から実質臓器の組織を通り抜けて曲針Nの先端が断端面から手前側に出てきたら、曲針Nの先端側を持針器Gで把持して曲針の曲率にしたがって引き出していき、図6(d)に示すように、糸Yが吻合に必要な長さだけ手前側に出るまで曲針Nを誘導していく。これまでの操作に関し、曲針Nは図6(b)のように曲針Nを押し込んでその先端が図6(c)のように手前側に出るようにできるだけの長さを必要とする。また、図6(b)〜(c)の段階で、曲針Nが吻合補助器具1先端側の挿入部2のループ形状部分を確実に貫通して通り抜けることが肝要である。
図7(a)〜(c)は、針糸を手前側に引き出した後の段階の処理を示している。図7(a)は、図7(d)のように曲針を手前側に必要な長さだけ十分に引き出し曲針を除去した後に、吻合補助器具1を実質臓器Fの細径管から徐々に引き出し始めた段階を示している。吻合補助器具1を引きだすとともに貫通する糸Yも細径管から出てくる。図7(b)はさらに吻合補助器具1を手前側に引いて細径管内から十分に糸Yを引き出したところである。このようにした段階で糸Yは以降の処理を行うのに必要な長さが実質臓器の断端面より手前側に確保されるようにしておく。吻合補助器具1により糸Yを引きだした後に吻合補助器具1の近辺で糸Yを切断し、吻合補助器具1を糸Yから外すと図7(c)の状態になる。
図8(a)、(b)は最終的に実質臓器Fを消化管Kに吻合する段階を側方から見た状態を示している。図8(c)では、実質臓器Fの断端面から引き出して曲針Nを除去した糸を含め糸Yの端が4つあるが、細径管内腔面から誘導された糸に曲針を取り付け、消化管における孔またはあけた孔と実質臓器の細径管端と一致させるように合わせた上で、図8(a)のように消化管壁を貫通させる。図8(a)においては、各針Nが消化管壁を貫通して糸を引き出した後に曲針を除去した状態を示している。その後にそれぞれの対応する糸端を図8(b)のように結紮して実質臓器と消化管との吻合が完了する。
このように、本発明による吻合補助器具を用いることにより、一端が行き止まりになっている細径管と消化管等の管腔臓器との吻合が従来に比してより簡易かつ合理的になされるものである。吻合対象となる細径管は膵臓、肝臓、腎臓等の実質臓器内に埋もれている場合と、埋もれていない場合とがある。また、吻合対象となる管腔臓器は、咽頭、食道、胃、十二指腸、空腸、結腸、直腸等の消化管のほか、気管、血管、尿管、卵管等を含むものである。
本発明による1つの形態の吻合補助器具を示す図であり、 (a)支桿部の先端側が開いてループ状になった状態 (b)支桿部の先端側が閉じて直線状になった状態 (c)(a)と同様であるが支桿部の形状を(a)とは若干変えたもの示している。 本発明による他の形態の吻合補助器具を示す図であり、 (a)開いてループ状になった状態 (b)閉じて直線状になった状態を示している。 本発明によるさらに他の形態の吻合補助器具を示す図であり、 (a)開いてループ状になった状態 (b)閉じて直線状になった状態を示している。 本発明によるさらに他の形態の吻合補助器具を示す図であり、 (a)開いてループ状になった状態 (b)閉じて直線状になった状態 (c)押圧操作部を付設した場合を示している。 (a)吻合補助器具を閉じた状態で細径管内腔に挿入する前の状態(b)細径管内腔に挿入後に若干開いた状態を示す図である。 (a)〜(d)の順に、吻合補助器具が細径管内腔に挿入され若干開いた状態で実質臓器の断端面に吻合用曲針を刺入し吻合補助器具を介して実質臓器組織を貫通させる手順を示す図である。 (a)〜(c)の順に、曲針を貫通させた後に吻合補助器具を引き出す手順を示す図である。 (a)〜(b)の順に、実質臓器を消化管に吻合する段階を側面方向から見て示した図である。 (a)、(b):実質臓器細径管と消化管との吻合について説明する図である。
符号の説明
1 吻合補助器具
2 挿入部(細い可撓性の線状部材)
2−1,2−2 挿入部の部分
3 支桿部
3−1,3−2 支桿部の分枝片
4 把持部
5 押圧操作部
5−1,5−2 押圧操作部の環状部
5−3 押圧操作部の連結部
5−4 押圧操作部の屈曲部

Claims (4)

  1. 1対の略直線状の分枝片を有する支桿部であって、該支桿部のそれぞれの分枝片が鋭角的な略V字状、略U字状ないし略X字状をなすように並置され、それぞれの分枝片の先端側が通常は開いた状態にあり、両分枝片を側方から押圧して前記それぞれの分枝片の先端側が閉じた状態になる際にこれに抗する弾性力が作用するように前記1対の分枝片を連結した支桿部と、前記支桿部の1対の分枝片のそれぞれの先端に渡されるように接続された細い線状の可撓性部材とを組み合わせてなり、前記支桿部の1対の分枝片が開いた通常の状態で該1対の分枝片及び伸張した前記細い線状の可撓製部材がループ形状をなし、両分枝片を側方から押圧することにより両分枝片の先端側が閉じた状態になり前記細い線状の可撓性部材が屈撓するようにしたことを特徴とする吻合補助器具。
  2. 前記支桿部が1対の弾性材料からなる分枝片の後端側を連結して鋭角をなす略V字状または略U字状となるようにしたものであり、前記支桿部の後端側に筒形の把持部を被覆して設け、前記支桿部の1対の分枝片を側方から押圧し該分枝片が開くのを規制するように取り囲む前側の環状部材と前記把持部を取り囲む後側の環状部材とを縦方向の連結部材により連結してなる押圧操作部材を前記支桿部の縦方向に摺動可能に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の吻合補助器具。
  3. 前記支桿部が1対の剛性の大きい材料からなる分枝片を略X字状に交叉させ、該交叉させた位置において両分枝片が回動可能となるように支持し、前記挿入部が接続されるのと反対側の前記支桿部の1対の分枝片の端部において両分枝片が閉じる方向に移動するのに抗するばねを取り付けてなることを特徴とする請求項1に記載の吻合補助器具。
  4. 前記支桿部の1対の分枝片の交叉させた位置より先方の位置で該1対の分枝片を側方から押圧し該分枝片が開くのを規制するように取り囲む前側の環状部材と前記1対の分枝片の交叉させた位置より後方の位置で一方の分枝片を取り囲む後側の環状部材と縦方向の連結部材により連結してなる押圧操作部材を前記支桿部の縦方向に摺動可能に取り付けたことを特徴とする請求項3に記載の吻合補助器具。
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