JP2006175094A - 外科用吻合器 - Google Patents

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Abstract

【課題】実質臓器内の細径管と消化管との吻合技術において、吻合すべき器官に与える損傷を極力少なくし、確実に、短時間で吻合を行い、それほど高度な熟練を要することなく吻合を行い得る外科用吻合器を提供する。
【解決手段】1本または複数本の滑らかな屈曲部を有する管状ガイド部1に沿って糸3を接続させた針2を押出し操作体によりガイドするようにし、ガイド部は糸を接続させた針が押出し操作体により前進しながらガイド部の屈曲部に沿って向きを変え、斜め後方に向いてガイド部先端から放物線を描くように放出される形状になっており、ガイド部先端が実質臓器の細径管内に挿入された状態で糸を接続させた針の後部を押出し操作体の動作により押して針をガイド部先端から放出させ組織体を貫通するまで押出す構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外科用吻合器に関し、より詳細には、実質臓器細径管と消化管との吻合のように、体内の2つの器官の間での吻合を行うための医療用または獣医用に用いられる外科用吻合器に関する。
例えば、消化器外科の臨床において、肝臓、膵臓などの実質臓器内の細径管、すなわち肝内胆管や膵管と消化管とを吻合する機会は多くある。その手技は、もともとの細径管の径の細さのみならず、実質臓器が固定されている故、十分な術野の展開が難しいなどの問題があった。
特に、膵頭十二指腸切除時の膵空腸吻合は、吻合部縫合不全が発生した場合、非常に危険とされる。従来、吻合部縫合不全を防ぐ目的で、主膵管内にチューブを留置し膵液のドレナージを体外に行っていた。
それに対し、膵管空腸全層吻合(粘膜粘膜吻合)は、膵実質の一部を含む膵管全層と空腸全層とを確実に吻合することにより、膵液のドレナージを吻合部を通じた消化管内に行うものであり、経験数の増加に伴って、縫合不全の発生率が低く、術後の吻合部狭窄の頻度も少ないことが判明し、最近では主流となっている。その際、残膵に随伴性膵炎を伴えば、通常、膵管は拡張・硬化し、粘膜粘膜吻合は比較的容易である。逆に、残膵機能が保たれているような症例では、残膵および主膵管は軟らかく、吻合時の膵断端における膵管径は2〜3mm程度と細くなる。この膵管と空腸全層とを損傷することなく6〜8針で吻合するためには、慎重かつ確実な運針が必要であるが、このように膵管径が細いため、従来の糸付き曲針では膵管の適切な位置に刺入しづらく、一旦刺入しても解剖学的な位置関係から術野を展開するのが困難なことが多く、どうしても術野が狭くなりがちで、針の彎曲に沿って持針器を操作しづらくなることがある。これは、拡大鏡を用いても回避できなかった。このように膵管と空腸との吻合は、熟練者にとっても非常にストレスを受ける手術操作であった。
また、縫合箇所が多いほど吻合に要する時間は長くなり、例えば8針の縫合の場合・結紮の場合、40分程度の時間が必要であった。
従来の吻合器として、次のような文献に開示されたものがあった。
特開平9−289991号 特開平10−118078号 特公平5−79336号
特許文献1、2は、縫合でなく、ステープルやクリップにより吻合を行うものであり、ステープル等が体内に長時間または永久的に残存するものであった。特許文献3は、縫合による吻合器が示されているが、これは直腸、食道等の巾着縫合によるものであり、適用箇所が限られ、実質臓器細径管と消化管との吻合のような場合には適合しないものであった。
膵頭十二指腸切除時における膵空腸吻合部の縫合不全の発生率は10〜30%であり、膵空腸吻合部の縫合不全は最悪の場合致死的要因となり得るものであり、膵管のような実質臓器内の細径管と消化管との吻合技術において、吻合すべき器官に与える損傷を極力少なくし、確実に吻合を行うこと、それほど高度な熟練を要することなく吻合を行い得ること、術者に与えるストレスを軽減することが望まれていた。また、例えば膵管と消化管の吻合の場合、吻合に要する時間が長くなると、膵液が漏れて他の器官に悪影響を及ぼすこと、麻酔時間が延長することなどにより、不都合が生じており、吻合に要する時間を極力短縮することが望まれていた。
本発明は、前述した課題を解決すべくなしたものであり、滑らかな屈曲部を含む管状のガイド部と、該ガイド部内に留置され糸を接続させた針と、該針の後部に当接し該針が前記ガイド部内を通って進み前記ガイド部の先端から外方に放出されるようにする押出し操作体とを備え、前記ガイド部は前記押出し操作体の動作により前記ガイド部内に留置され糸を接続させた針が前進して前記滑らかな屈曲部に沿って漸次向きを変え斜め後方の向きになって前記ガイド部の先端から放物線のごとく放出される形状であり、前記押出し操作体は前記糸を接続させた針が吻合すべき組織体を貫通するまで押出すのに十分な剛性及び可撓性の材料で形成され十分な長さを有し、前記組織体を貫通した針とそれに接続された糸とを残存させた状態で前記ガイド部及び押出し操作体が後退させられるようにしたものである。
また、本発明は、断面円形の筒状部および滑らかな先細り形状の先端部を有し、前記筒状部内に滑らかな屈曲部を含み前記筒状部の先端側の周面の位置に形成された側孔に通ずる複数の管状のガイド部が設けられた本体と、前記本体の複数のガイド部内にそれぞれ留置され糸を接続させた複数本の針と、該複数本の針の各々の後部に当接し該針が前記ガイド部内を通って進み前記ガイド部の先端から外方に放出されるようにする押出し操作体とを備え、前記複数のガイド部はそれぞれ留置され前記糸を接続させた針が前記押出し操作体の動作により前記ガイド部内を通って前進して前記滑らかな屈曲部に沿って漸次向きを変えながら斜め後方の向きになって前記本体の側孔から外方に放物線のごとく放出される形状であり、前記押出し操作体は前記糸を接続させた針が吻合すべき組織体を貫通するまで押出すのに十分な剛性及び可撓性の材料で形成され十分な長さを有し、前記組織体を貫通した針とそれに接続された糸とを残存させた状態で前記本体及び押出し操作体が後退させられるようにしたものである。
本発明による吻合器は、高度な熟練を要することなく、確実な運針を保証するものであり、吻合部縫合不全の発生率を格段に低減することができ、縫合不全を未然に防ぐ上で多大な効果を有するものである。また、細径管が細く、術野が狭くなりがちなことから術者が受けるストレスの軽減に大きく寄与する。さらに、本発明の吻合器では、吻合に要する時間を格段に短縮することができるので、吻合に要する時間が長いために、臓器分泌液が漏れて他の器官に悪影響を及ぼすことが防止され、麻酔の作用時間との関係においてもより安全になる。
次に、本発明に係る外科用吻合器の実施形態を図1〜図15を用いて説明する。
図1は本発明の吻合器の基本骨格を示すものであり、吻合器は糸3を接続させた針2をガイドし放出する管状のガイド部1と、ガイド部1内に留置された糸3が接続された針2の後面を押して前進させ、ガイド部1の先端側から放出させるプッシャー4とを備えている。
図1の形態において、針2は形状記憶合金により形成した直針であり、例えばTiNi合金、超弾性TiNi合金が使用できる。針2は例えば長さ17mm、糸3の接続される後面の径が0.5mm程度で、ガイド部1は断面円形の直管部とその前方に連なる滑らかな屈曲管部とからなり、全体的に略J字形になっている。プッシャー4は基部5と、これに一体的に設けられ糸3を取り囲む円筒部6とを有し、基部5には糸3が自由に通過できる孔7が形成されている。また、基部5はガイド部1の内壁面内を摺動しながら円筒部6と針2を一体的に前進可能とされる。糸3は実質臓器細径管とを縫合するものであり、膵空腸の手術用にはポリプロピレン等の体内で非吸収性材質の糸3が適切であり、ある時間経過後に体内で吸収されるものとして、ポリエチレングリコール等の材質の糸3を用いることができる。手術に使用できる具体的な糸3の大きさは、USP−2−0〜USP−5−0などが適宜使用できるが、糸3の大きさは手術を行う医者の判断に任せられている。糸3はプッシャー4の基部5の孔7、円筒部6内を自由に通過でき、その太さは針2の後面の径より小さくなっており、また、円筒部6の内径は針2の後面の径よりも小さくなっている。
図1の状態からプッシャー4をガイド部1の内壁面内を摺動しながら前進させると糸3の接続された針2の後面が円筒部6の前端で押されて前進する。針2が前進して、ガイド部1の前方の滑らかな屈曲管部に至り、さらに押し続けられると、針2はその形状記憶合金の性質により屈曲管部の形状に従って自ら屈曲しながら向きを変えて進み、屈曲管部から出る際には曲針の形状になっており、曲針の形状を維持して放出される。屈曲管部はこのように針2を屈曲させながらガイドするものであり、直針を前進動作の過程で屈曲させていくのであって、そのため屈曲した管部はその曲率が漸次大きくなっていくのが望ましく、針2が所定の屈曲状態になった後には一定の曲率、すなわち円弧状としてもよい。またガイド部1の先端は針が斜め後方に向かって放出され、臓器の細径管から組織内に貫入するような向きにする。
プッシャー4の円筒部6は糸3の接続された針2を屈曲管部内で変形しながら前進させるように押し出すのに必要な剛性を有するものとすべきであるが、一方、針2をガイド部1から十分に外方に放出するまで押出す際に屈曲管部に入り込み、あるいはこれを通過することもあって、その程度の可撓性を有する材質で形成されるのが望ましい。
また、この剛性と可撓性とを併せるために、筒状部12は先端のみ円環状にし、この円環状の部分と基部5との間の部分は中心軸線に平行な方向の割れ目を複数本有する形状とするようにしてもよい。
このような構成の吻合器において、プッシャー4を前進させ、糸3の接続された針2を押し出していくと、糸3の接続された針2はガイド部1がJ字状の形状になっているので、その先端から斜め後方に向いて放物線状に放出される。糸3の接続された針2は放出された後に実質臓器を貫通していくのであり、プッシャー4の円筒部6は糸3の接続された針2が十分手前後方側に戻るまで、すなわち最終的に吻合すべき実質臓器と消化管とを貫通するまで押出すのに十分な長さを有することが必要である。
なお、ガイド部1は非常に細い構造であるので吻合器の操作のためにガイド部1の後方により太い操作用部分8を連続して形成し、この部分8の側方に形成されたスリットを通してプッシャー4の前進動作を行うためのノブ9をプッシャー4と一体的に形成しておくのがよい。あるいは操作用部分8の後方に孔を形成し、これを通してプッシャー4の前進動作を行う部材を形成してもよい。
図1の吻合器は形状記憶合金により形成された直針を用いたものであったが、これを剛性の曲針を用いたものとして構成することも考えられる。図2はその形態を示すものであり、図1に示したものと共通する部分は、同じ番号で示してある。図2において、針2は鋼等の剛性の材料により形成した円弧状に屈曲した曲針であり、ガイド部1は断面円形であり、糸3を接続させた針2をガイドするように、曲針と同じ曲率で屈曲する形状になっている。プッシャー4は図1の場合と同様であり、針2と糸3との寸法関係、針2の後面とプッシャー4の円筒部6との寸法関係も図1の場合と同様である。
プッシャー4の円筒部6は実施例1の場合と同様に糸3を接続させた針2を押出すのに必要な剛性と、屈曲したガイド部1を通過することができる程度の可撓性を有するのが望ましい。実施例2の吻合器において、プッシャー4を前進させ、糸3の接続された針2を押し出していくと、糸3の接続された針2はガイド部1の先端から斜め後方の向きになって放物線状に放出される。プッシャー4の円筒部6は糸3の接続された針2が吻合の際に十分に押し出せるだけの長さが必要である。
図3はさらに他の実施形態を示すもので、図1に示された糸3を接続させた形状記憶合金により形成された針2をガイドするJ字状のガイド部1を本体11内に複数配置したものである。外科用吻合器の本体11は筒状部12と前方の先端部13とを有し、筒状部12の先端部側の位置の周面に複数の側孔14が形成され、本体11内に複数配置されたガイド部1の先端が側孔14に連通している。吻合のための糸3を接続した針2は筒状部12内でガイド部1にガイドされて漸次向きを変えながら斜め後方の向きになって側孔14から放物線のごとく放出されるようになっている。
糸3を接続した針2はあらかじめガイド部1内に留置され、本体11の後方は筒状部12より太い操作用部分8が連続して形成され、スリット等を通してプッシャー4の前進動作を行うためのノブ9が設けられることは、実施例1の場合と同様である。
先端部13は、実質臓器細径管へ容易に挿入、場合によっては細径管を拡張できるように、滑らかな先細り形状とし、また筒状部12の外径は実質臓器の細径管に容易に挿入し拡張できる大きさであり、膵臓と消化管との吻合に適するものとしては、4〜8mm程度とするが、この最適寸法は吻合の対象となる実質臓器により異なってくる。側孔14は、例えば筒状部中心軸に垂直な面内で等間隔に、一度の吻合に必要な縫合の針数に相当する分だけ形成される。
図4は、本体11の特に前方の部分を、その中心軸線を通る面で切断して示したものであり、切断面上の対称的な位置に側孔14,14がある。各々のガイド部1は実施例1のものと同じであり、筒状部12内を軸方向に延びる細い円筒状のガイド部1の前方はほぼJ字状に滑らかに屈曲しながら側孔14に連なっており、このガイド部1はそれぞれの側孔14に対して設けられ、糸3を接続した針2をガイドし放出する通路になっている。
図4のように、ガイド部1の屈曲部が本体11の中心軸線を通過しない形態では、本体部11が細い場合、ガイド部の屈曲部の曲率が大きくなり、形状記憶合金からなる針2を円滑に屈曲させることが難しくなることが考えられる。その場合、本体11内におけるガイド部1の配置形態を図5のようにするとよい。すなわち、図5に示されるように、各々のガイド部1が本体11内の周面に近い位置から屈曲し、本体11の中心軸線近くを通過して反対側の周面の側孔14に連通するようにすれば、ガイド部1の屈曲部の曲率をそれほど大きくしないですむ。
この場合ガイド部1同士が本体11の中心軸線上で同じ位置を通過しないように配置することが必要である。そのためには、図6に示すようにガイド部1の略J字状の形状を平面内の形状とした場合には、直線状部分を中心軸線に平行な方向から少し傾けて、それぞれのガイド部1が中心軸線上の位置を迂回して側孔に達するようにする。ガイド部1のこの配置形態では、針2が前進し始める方向が本体11の中心軸線に平行な方向から少し傾いたものになる。
針2が前進し始める方向を本体11の中心軸線に平行な方向にした場合、ガイド部1は屈曲部になって本体11の中心軸線方向から見て一旦少し屈曲し、それから逆の方に屈曲し緩い螺旋を描くように本体11の中心軸線を迂回する形状になり、この場合にはガイド部1の略J字の形状は平面内の形状ではなくなる。図5において、複数のガイド部1が近接する中心軸線近くの位置では本来の断面図になっておらず、ガイド部1を重点的にして概念的に示してある。このように本体11の中心軸線上の位置を迂回して配置したガイド部1の形態を、例えばガイド部1が4本の場合について考えて本体11の軸線方向に見ると、図6のようになる。
このように、各ガイド部1が平面内から少し外れて捩れた緩い螺旋形状になっている場合、これを通過して進む針2はガイド部1の形状に応じて一旦少し変形した後に反対側に変形しながら進むことになるが、最終的にはガイド部1を出て行く時の形状が保たれることになる。あるいは、それぞれのガイド部1を平面内で屈曲する形状にし、中心軸線を通過する位置を相互に少しずつ軸線方向にずらすことも考えられるが、この場合それぞれの側孔14は本体11の周面上で中心軸線方向に少しずつずれた位置になる。
図4、5の形態では、ガイド部1は実施例1のような細い管状体からなるものであり、本体11は複数のガイド部1を収容するケース体となっているが、本体11とガイド部1との製造工程の面から考えると、図7に示すように、本体11とガイド部1を一体的なものとして、すなわちプラスチック等の本体11内に複数のガイド孔11が形成されたものとする形態としてもよい。
図8は、1本の針6の動作を示すために、図7の一部を拡大したものである。針2の後端に公知の方法により縫合用の糸3が接続されている。プッシャー4は基部5と、これに一体的に設けられ糸3が通り抜けられるようにこれを取り囲む円筒部6とを有し、基部5には糸3が自由に通過できる孔7が形成されていることは実施例1の場合と同様である。基部5は、全ての針2を同時に前進させる形態とすれば、それぞれの2に対応する基部5を一体的に連結したものとなるが、複数の針2のうちの一部を選択的に動作させて前進させることを可能にするためには、例えば図9に中心軸線方向から見た断面図で示すように、基部5を分離して動作可能な複数の5′、5″等に分けて連結して構成し、各部分5′、5″ごとに動作できるようにする。この場合操作用部分8におけるプッシャー4の前進動作のためのノブ9等の操作部材は、複数に分割されたプッシャーの基部5′、5″のそれぞれに対応して設けられる。
前述した針2は形状記憶合金で形成された直針を用いており、プッシャー4により押され前進して、針2はその先端がガイド部1の略J字状の滑らかな屈曲部でガイドされその屈曲形状に応じて変形しつつ向きを変え、斜め後方の向きになってその時の形状を維持したまま側孔14から放出される。それにより、それぞれ糸3を接続させた針2はプッシャー4に押出されて、本体11の中心軸線から外方に放物線を描くように放出される。
複数本の針2をプッシャー4で同時に前進させた場合には、各針が中心軸線に平行な方向から同時に外方に放射状に広がるように放出される。プッシャー4の円筒部6は糸3の接続された針2が十分に手前後方側に戻るまでに、すなわち吻合すべき実質臓器と消化管とを貫通するように押出すだけの十分な長さが必要である。
形状記憶合金により変形するように形成された直針でなく、実施形態2のように、剛性の曲針を用いることもできる。この場合、ガイド部1は曲針と同じ曲率の円弧状に屈曲した形状にする必要があり、その屈曲形状は平面内であり形状記憶合金を用いた場合のような捩れた螺旋形状はとれないので、針の前進開始位置から少し斜めにして本体11の中心軸線の位置を通過しないようにずらす必要がある。
吻合器の本体11は、使い捨てとして使用する場合、全体をプラスチック材料を主体的に用いた一体的な構成とするが、操作部に動力源等を含んだものとして構成する場合に、操作用部分8を筒状部12から着脱可能な形態としてもよい。
本発明の吻合器を用いた実質臓器内と消化管の吻合について、膵頭十二指腸切除時の残膵主膵管と空腸を吻合する手順を例として以下説明する。
[実施例1の吻合器]
(a)吻合予定の対側近傍の空腸に小孔を開口させ、その開口に吻合すべき残膵主膵管端を合わせるように引き寄せる。
(b)図10に示すように、吻合器のガイド部1の先端を(a)で作製した小孔から挿入し、吻合予定の粘膜面から漿膜側へと貫通させ、目的の残膵主膵管内に挿入する。
(c)次に、空腸漿膜面の吻合すべき面全体を残膵断面に密着させる。その際、挿入の深さが吻合器の先端から針が放出されるのに適当な位置になるようにする。
(d)吻合器のノブ9等の操作部材によりプッシャー4を前進させると、針2は糸3とともに進み、ガイド部1の屈曲部にさしかかると形状記憶合金で作製された直針はガイド部1の屈曲部に誘導され、屈曲した形状を保って側孔4から斜め後方の向きに放物線を描くように放出され、残膵主膵管および実質を突き抜け、残膵断面を経て、密着させた空腸漿筋層から空腸粘膜側に貫通する(図11)。
(e)(a)で作製した小孔から持針器で針2を把持し、針2および糸3を誘導する(図11)。
(f)吻合器をゆっくり抜去すると、針2および糸3だけが残る。
(g)(b)〜(f)の手順を必要な針2の数分だけ繰り返す。
(h)針2を糸3から外し、それぞれの糸3の断端(図12の糸端A、糸端B)を結紮すると、残膵主膵管と空腸全層の吻合が完成する。
(i)最初に作製した小孔を閉鎖する。
[実施例2の吻合器]
針2が剛性の材料で形成された曲針であって、変形せずにガイド部1内を前進すること以外は実施形態1の吻合器の場合と同様である。
[実施例3の吻合器]
(a)の手順は実施例1の吻合器の場合と同様である。
(b)吻合器の本体11の先端部を(a)で作製した小孔から図13に示すように挿入し、吻合予定の粘膜面から漿膜側へと貫通させ、目的の残膵主膵管内に挿入する。
(c)空腸漿膜面の吻合すべき面全体を残膵断面に密着させる。その際、挿入の深さが吻合器本体先端部側の側孔14から針が放出されるのに適当な位置になるようにする(図14)。
(d)吻合器本体操作部のレバー操作等によりプッシャー4を前進させると、針2は糸3とともに進み、ガイド部1の屈曲部にさしかかると形状記憶合金で作製された直針は外套の屈曲部に誘導され、屈曲した形状を保って側孔14から斜め後方の向きに放物線を描くように放出され、残膵主膵管および実質を突き抜け、残膵断面を経て、密着させた空腸漿筋層から空腸粘膜側に貫通する(図14)。
(e)(a)で作製した小孔から持針器で針を把持し、針2および糸3を誘導する(図14)。
(f)本体1をゆっくり抜去すると、針2および糸3だけが残る(図15)。
(g)針2を糸3から外し、それぞれの糸3の断端(図15の糸端A、糸端Bおよび糸端A′、糸端B′)を結紮すると、残膵主膵管と空腸全層の吻合が完成する。
(h)最初に作製した小孔を閉鎖する。
実施例3の吻合器の場合、以上の(a)〜(h)の手順により吻合が行われ、結紮は糸3の1本毎に行うことになるが、吻合箇所に針2を貫通させる操作は複数本分を同時に行うことができる。例えば、1本毎に針2を貫通させ、8箇所の縫合を行う場合、従来40分程度の時間を要していたが、本発明の吻合器を用いて8本の針2を同時に貫通させ結紮すれば、30分以上時間を短縮することができる。
本発明の吻合器の第1の実施例を示す図である。 本発明の吻合器の基本骨格の第2の実施例を示す図である。 図1の基本骨格を複数組だけ本体内に内蔵した本発明の吻合器の第3の実施 例を示す図である。 図3の吻合器の前方の部分を拡大した断面図である。 図3の吻合器の他の形態を、前方の部分を拡大して示した断面図である。 図5の形態においてガイド部を本体の中心軸線方向から見た図である。 図3の吻合器のさらに他の形態を、前方の部分を拡大して示した断面図である。 図6の一部をさらに拡大して示す断面図である。 プッシャーの一形態の部分を示す本体の中心軸線方向に見た断面図である。 第1、第2の実施例の吻合器による吻合の手順を説明する図である。 第1、第2の実施例の吻合器による吻合の手順を説明する図である。 第1、第2の実施例の吻合器による吻合の手順を説明する図である。 第3の実施例の吻合器による吻合の手順を説明する図である。 第3の実施例の吻合器による吻合の手順を説明する図である。 第3の実施例の吻合器による吻合の手順を説明する図である。
符号の説明
1 ガイド部
2 針
3 糸
4 プッシャー
5 基部
6 円筒部
8 操作用部分
9 ノブ
11 本体(吻合器)
12 筒状部
13 先端部
14 側孔

Claims (9)

  1. 滑らかな屈曲部を含む管状のガイド部と、該ガイド部内に留置され糸を接続させた針と、該針の後部に当接し該針が前記ガイド部内を通って進み前記ガイド部の先端から外方に放出されるようにする押出し操作体とを備え、前記ガイド部は前記押出し操作体の動作により前記ガイド部内に留置され糸を接続させた針が前進して前記滑らかな屈曲部に沿って漸次向きを変え斜め後方の向きになって前記ガイド部の先端から放物線のごとく放出される形状であり、前記押出し操作体は前記糸を接続させた針が吻合すべき組織体を貫通するまで押出すのに十分な剛性及び可撓性の材料で形成され十分な長さを有し、前記組織体を貫通した針とそれに接続された糸とを残存させた状態で前記ガイド部及び押出し操作体が後退させられるようにしたことを特徴とする外科用吻合器。
  2. 前記針が形状記憶合金を用いて形成された直針であり、前記ガイド部が直管部とこれに連続して前記針をガイドしながら変形させる曲管部とからなる略J字状の管体からなることを特徴とする請求項1に記載の外科用吻合器。
  3. 前記針が剛性の大きい材料で形成された曲針であり、前記ガイド部が上記針と同じ曲率で屈曲した曲管からなることを特徴とする請求項1に記載の外科用吻合器。
  4. 前記押し出し操作体は前記針に接続された糸が通り抜けられるようにその周囲を取り囲む細い筒状の部分と、該筒状部分の後部に設けられ糸が通り抜ける通口を有する基部とを含むプッシャーと、該プッシャーに押出し動作をさせる操作部とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の外科用吻合器。
  5. 断面円形の筒状部および滑らかな先細り形状の先端部を有し、前記筒状部内に滑らかな屈曲部を含み前記筒状部の先端側の周面の位置に形成された側孔に通ずる複数の管状のガイド部が設けられた本体と、前記本体の複数のガイド部内にそれぞれ留置され糸を接続させた複数本の針と、該複数本の針の各々の後部に当接し該針が前記ガイド部内を通って進み前記ガイド部の先端から外方に放出されるようにする押出し操作体とを備え、前記複数のガイド部はそれぞれ留置され前記糸を接続させた針が前記押出し操作体の動作により前記ガイド部内を通って前進して前記滑らかな屈曲部に沿って漸次向きを変えながら斜め後方の向きになって前記本体の側孔から外方に放物線のごとく放出される形状であり、前記押出し操作体は前記糸を接続させた針が吻合すべき組織体を貫通するまで押出すのに十分な剛性及び可撓性の材料で形成され十分な長さを有し、前記組織体を貫通した針とそれに接続された糸とを残存させた状態で前記本体及び押出し操作体が後退させられるようにしたものであることを特徴とする外科用吻合器。
  6. 前記針が形状記憶合金を用いて形成された直針であり、前記ガイド部が直管とこれに連続し針をガイドしながら変形させる曲管部とからなる略J字状の管体からなることを特徴とする請求項5に記載の外科用吻合器。
  7. 前記針が剛性の大きい材料で形成された曲針であり、前記ガイド部が上記針と同じ曲率で屈曲した曲管からなることを特徴とする請求項5に記載の外科用吻合器。
  8. 前記針の後部を押して前進させる押出し操作体はそれぞれの針に接続された糸が通り抜けられるようにその周囲を取り囲む細い筒状の部分と該筒状部分の後部に設けられ糸が通り抜ける通口を有する基部とからなり該基部が前記糸を接続させた複数本の針を同時に押出すことができるように一体的に形成されたプッシャーと、該プッシャーに押出し動作をさせる操作部とからなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の外科用吻合器。
  9. 前記プッシャーの基部が糸の接続された前記複数本の針全部を同時に押出すことができるように一体的に形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載の外科用吻合器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012525228A (ja) * 2009-05-01 2012-10-22 クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー 穿孔を縫合するための医療システム、装置、及び方法
US9433421B2 (en) 2010-03-12 2016-09-06 Jms Co., Ltd. Surgical tool for anastomosis
JP2016221401A (ja) * 2010-10-13 2016-12-28 シンセス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングSynthes Gmbh 縫合糸をガイドするための方法および装置
KR101777947B1 (ko) * 2016-02-17 2017-09-12 최돈경 문합장치

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